NUAGES (GITANES)

ELEK BACSIK (1962)

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【パーソネル】

ELEK BACSIK (g) MICHEL GAUDRY (b) <#2,3,6,9> PIERRE MICHELOT (b) <#1,4,5,7,8,10>
DANIEL HUMAIR (ds) <#2,3,6,9> KENNY CLARKE (ds) <#1,4,5,7,8,10>
【収録曲】

(01-03) BLUE RONDO A LA TURK / ANGEL EYES / GODCHILD
(04-06) TAKE FIVE / WILLOW WEEP FOR ME / OPUS DE FUNK
(07-10) MY OLD FLAME / ON GREEN DOLPHIN STREET / NUAGES / MILESTONES
(11-14) DESAFINADO / RECADO / SAMBA DE UMA NOTA SO / STARDUST

【解説】 ( 2025年01月26日更新 / 連載 1,616回 )

六地蔵」 って、ありますよね。 どこにあるのかと言うと、京都地下鉄東西線の駅とか。 何でもいいけど、 京都地下鉄東西線 って、途中までは間違いなく東西線なんっすが、東山より先は、言うほど東西線か? そう、思わずにはいられません。 ま、東山より東は東山という山があるので、それ以上、東に行けないのは分からんでもないんっすが、烏丸線も北山より先は、北山を迂回して、ちょっぴり東に逸れたりしてますよね。 で、烏丸線は十条、九条、七条、京都、五条、四条と、 比較的分かりやすい駅名が多いんっすが、東西線のほうは難しいっすな。 もう、イランのハメネイ師が頻出する予感。 太秦天神川とか、読めねぇし! 蹴上とか、読めねぇし! 御陵とか、読めねぇし! 椥辻駅とか、読めねぇし! 醍醐とか、読めねぇし! いや、日本人なら「醍醐」は読めるっしょ? 醍醐味とかあるし、後醍醐天皇とか、ミュージシャンでタレントのDAIGOとか、メンタリストのDaiGoとか、いるし。 いや、DAIGO と DaiGo は、漢字じゃないから読めるし! ていうか、ハメネイ師、日本人じゃねぇし! ちなみに醍醐味って、どんな味なのかと思ったら、分からないことは Yahoo!知恵袋に聞け。 醍醐味って、どんな味ですか? 間違いなく、そんな質問があるに違いありません。えーと、醍醐味ってどんな味ですか?  そんなことも知らんのか、このハンケツ王子! …と、敬称略で罵倒したくなっちゃうんっすが、じゃ、お前は知ってるのかと言われれば、もちろん。 醍醐という乳製品の味を称して醍醐味と言います。 『牛より乳を出し、乳より酪(らく)を出し、酪より熟酥(じゅくそ salpis サルピス:カルピスの語源)を出し、熟酥より醍醐を出す』という記述が文献に残っていて、(中略) お釈迦様の時代(およそ2500年前)からあった保存用の乳製品としか今は言えないです。 そういうアレっすよね。 乳製品なんっすな。 ちょっと以外。 醍醐味だから、もっとダイナミックな味を想像していました。 「高野豆腐の炊いたん」 とか。 それ、言うほどダイナミックか? そう、思われるかも知れませんが、「炊いたん」とか、土星の衛星タイタンみたいで、宇宙的なスケールの大きさを感じさせます。 ま、「高野豆腐の炊いたん」 は地味なんっすが、ま、それはそうと、六地蔵。 何と読むのかと思ったら、普通に 「ろくじぞう」 。 ちなみに桑名には「六地蔵」ではない、ただの 「地蔵」 という、ロクでもない地蔵みたいな地名があったりするんっすが、そんなことで ( 前回 までの粗筋) 。 「ありがた山」 を散策した。 ありがたかった。

 どのように、ありがたかったのかというと、地蔵がたくさん。 ありがた山は、孟子の教えにある「浩然の気」を養う禅所で、時之栖の心の安らぎの場所です。中国福建省から集めた地蔵様1,800体が並んでいます。 そういうアレなんっすが、福建省から集めた地蔵だったんっすな。 言われてみれば確かに、そこはかとなく烏龍茶っぽい雰囲気が漂っていたような気がしないでもないんっすが、その数、1800体。 六地蔵の300倍くらい、ありがたいっす。 ま、その1800体の中には、六地蔵も含まれているんっすが、んーと、 これ 。 「ありがとう地蔵」。 何か地味っすな。 「ありがとうさぎ」 のようなキュートさが感じられないんっすが、あ、ウサギと言えば、 これ 。 酷ぇぇぇ…。 大久野島には去年の秋に行って、うさたんにブロッコリーとキャベツをあげたんっすが、んーと、 ここ 参照。 あんな懐っこくて可愛いウサたんを蹴るなんて…。 滋賀県大津市の会社員、堀田陸容疑者(25)は、 京阪 「びわ湖浜大津駅」 から、京都地下鉄東西線直通電車で蹴上駅に連行して、蹴り上げの刑に処さねばなりませんが、京都の面白い地名。「蹴上」の由来は源義経? …じゃ、ないほうの説。 粟田口刑場。(前略) 処刑を拒み、山を登って刑場に向かうのを嫌がる罪人たちを、役人が後ろから蹴り上げて処刑場まで連れて行ったことから、蹴上という名前がついたと言われます。 目には目を、蹴りには蹴りを。 掛川花鳥園に連行して、ヘビクイワシ「キック」ちゃん に蹴って貰うというのでもいいんっすが、で、六地蔵。 何故、6人? 6匹? 6羽? 6頭? 6体? あ、これが正解っすか。 何故、6体なのかというと、それぞれに役割が与えられているからなんっすが、分からないことは Yahoo!知恵袋に聞け。 よく田舎に行くと六地蔵さんがいますが、なぜ六体なのですか? 一体はいますが、五体とか七体とかのお地蔵さんはいないのですか?

 いい質問っすな。 三人官女とか、五人囃子とか、竹林の七賢とか、九重親方とか、こういうのって大抵、奇数なイメージがありますよね。 「六」 って、半端じゃね? そんな気がするんっすが、六地蔵の「六」とは仏教で言う「六道」(天道、人間道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道)を示し、それぞれを六種の地蔵菩薩が救うから。 とされています。 あー、六道っすか。 六道(ろくどう、りくどう)とは、仏教において、衆生がその業の結果として輪廻転生する6種の世界(あるいは境涯)のこと。 個人的には六道(ろくどう)よりも、六道(りくどう)と読むほうが好きなんっすが、六道(ろくどう)だと普通過ぎるし、極道(ごくどう)と間違えられて、道を踏み外しちゃいそうだし。 その点、六道(りくどう)は、いいっすな。 チーズケーキ・パーティーケーキ・ニコニコりくろーる・アップルパイなどの販売を行ってくれそう。 りくろーおじさん のパチモンっぽい♪ ま、所詮はパチモンなので、「ニコニコりくどーる」 しか販売してくれないかも知れませんが、天道、人間道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道。 それぞれの “道” に、担当の地蔵が配置されているらしいんっすが、地獄道にも地蔵はいるんっすな。 まさに、地獄に仏。 無論、天道にも地蔵はいるんっすが、人間界には天童よしみがいるし、岩崎良美もいるし、昔のよしみとかもあるし、とまあそんなこんなで、「ありがた山」 を堪能したので、ホテル時之栖 にチェックイン。 築200年の 『旬膳処茶目』 で季節の移ろいを味わう創作和懐石◆1泊2食付 年末年始 というプランなんっすが、夕食が17時からの部しか空いてなくて、早っ! 早めに飯を食って、ゆっくりイルミネーションを堪能するのは、好都合。 んーと、ひかりのすみか王宮の丘の噴水レーザーショーがいちばんの目玉っぽいんっすが、王宮の丘 ← 飯 ← 宿 。 そういう位置関係なので、飯を食った後、その流れで噴水ショーを見ることにしました。 ここのイルミは基本的には無料(ただ)なんっすが、王宮の丘は別料金で 1,200円。 ちょっと高い気もするんっすが、1,200円あれば、50センチ以下の小地蔵を1.2体分、 自分地蔵 にすることが出来ますからね。 「ありがた山」 の地蔵には市町村名と名前が書かれたものがたくさんあったんっすが、意外とリーズナブルなんっすな。 50センチ以上だと、いきなり料金が3倍になるのは、如何なものかと思うんっすが、50センチ以上が 3,000円で、50センチ以下が 1,000円。 ちょうど50センチだった場合はどうなるんっすかね? 間を取って 2,000円なのか、1,000円にオマケしてくれるのか、神も仏もない強欲修羅道畜生道みたいなシステムで、3,000円取られちゃうのか。 もし、お気に入りの地蔵がきっちり50.0センチだった場合、夜中にこっそり頭の部分をヤスリで削るのがいいかも知れませんな。 49.9センチだし! 夜中に地蔵の頭をヤスっている姿をばっちり防犯カメラで撮られて、罰金5万円取られて、天罰覿面。 その覚悟があるなら、どうぞご自由に。


< ひかりのすみか (その1) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 「王宮の丘」 の入口は(写真・いちばん上)。 どこの王宮なのかと思ったら、ヴェルサイユ宮殿。 バッキンガム宮殿じゃなくて、よかったっす。 バッキンガム宮殿だと、ガムの食べかすを捨てたら、罰金を取られそうっすもんね。 ま、ガムの食べかすを捨てなければいいだけの話なんっすが、ここでチケットを購入します。 ホテルの宿泊者はフロントで申し出ると、割引券を貰えるらしいんっすが、あ、こいつ、ひとりでイルミネーション、見るんだぁ。 …と、思われたりしても癪なので、公式Webチケット を買うことにしました。 噴水レーザーショー&魔法の教会セットチケット 1,500円 というヤツっす。 ※時之栖園内宿泊者の皆様については優待がございますので、チェックイン時に各フロントにてお買い求め下さい。 …と書かれているんっすが、うるせぇ! 時之栖園内宿泊者の皆様…というか、お一人様なんだけど、Webで買う! で、これ、スマホの画面をチケット売り場で見せて、本物のチケットと引き換える方式だったりすると、チケット売り場のお姉さんに、 あ、こいつ、ひとりでイルミネーション、見るんだぁ。 …と、思われたりして癪なんっすが、幸い、入口で直接、スマホの画面を提示すればいいタイプだったので、入口のオッサンに、あ、こいつ、ひとりでイルミネーション、見るんだぁ。 …と、思われただけで済みました。 入口のところにビニール傘が用意されていて、それを持って行くように指示されるんっすが、噴水ショーなので、風向きによっては水しぶきが飛んでくるので、それを避けるのにこれを使え…と。 またまたまたぁ。 そんな大袈裟な。 そんなワケ、あらへんやろ〜。 内心、馬鹿にしつつも、僕は “大人” なので、黙って指示に従うことにして。

 で、「王宮の丘」 に潜入すると、お! 綺麗じゃん♪ で、噴水ショーは既に始まっちゃっておりました。 前のほうの席は埋まっていたので、後ろのほうで立ち見で鑑賞。 お、なんか凄ぇぇぇぇ! が、写真を撮ろうとすると、どうしても前の人の影だとか、ビニール傘とかが写り込んでしまいます。 どうしてみんな、 ビニール傘を広げているのかというと、急に雨が降り出したから。 …ではなく、風で噴水の水しぶきが飛んでくるからなんっすが、またまたまたぁ。 そんな大袈裟な。 そんなワケ、あらへんやろ〜。 …と思っていたら、マジやんけ! 何せ、最高到達点150m、日本一の高さを誇る噴水っすからね。 桑名でいちばん高いビル、サンファーレ(18階建て)の2.5倍! 御殿場の癖に生意気だぞ! そう、思わずにはいられませんが、あ、でも、桑名には多度山(標高403m)があるから! そんなことを言うと、御殿場人から、「あ、いや、こっちには富士…」 あー、聞こえない。 何にも聞こえない。 それはそうと、アレっすな。 掛川花鳥園のバードショーでも思ったんっすが、こういうのはやっぱ、大人げないと思われようと、幼女に泣かれようと、お構いなしに、強引に最前列をキープしないとアカンっすな。 幸い、この噴水ショーは20分間隔でやっているので、 “第1回目” が終わって前のほうの席が空いた隙を狙って、最前列に陣取ることにしました。 あ、こいつ、ひとりでイルミネーション、見るんだぁ。 そう、思われても構わん! いい写真を撮る為ならプライドも常識もかなぐり捨てる、 “撮り鉄精神(スピリット)” で、頑張る! あ、ちなみに(写真・いちばん下) は、アレっす。 カメラのレンズに水しぶきが付着して、何か幻想的な1枚になったなぁ…と。


< ひかりのすみか (その2) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 んなことで、 “第2回” 、開始〜。 おお、さすがは最前列。 これは見やすい撮りやすい! 何でもいいけど、「これは見やすい撮りやすい」って、ちょっぴり 「唄啓のこれは得だすお聞きやす」 みたいで、語呂もいい!  それはそれで、非常によかったんっすが、隣に座っていた若いペヤング2人組が、こんな会話を。 「これは 1,200円出す価値はあるよねー。」「うん。」 「やっぱ、なばなの里よりも、こっちだよねー。」「うん。」 「なばなの里には、こういうのないもんねー。」 「うん。」 「ただ光ってるだけwww」 「富士山とかwww」 あ、桑名のご自慢スポット、思いっきりディスられたぁぁぁぁ! 悔しい…。 ま、確かに 「なばなの里」 の今年のイルミのテーマは 名峰富士 だけど!  語感的にはちょっと 明宝ハム みたいだけど! で、アイランド富士 という、地元民も、何故そこに富士山が乗っているのか、その意図がまったく理解出来ない展望台があったりするんだけど! 確かに本物の富士山からすれば、「富士山とかwww」と、嘲笑されるのも納得なんっすが、けど、アンタらのとこの富士山、今日、ぜんぜん見えなかったじゃん! 「ありがた山」 のてっぺんは 「富士見十二景」 のひとつであるらしく、地蔵www はともかく、こっちのほうは期待してたのに、さっぱりだったじゃん! ま、噴水ショーが凄ぇぇぇ! …のは、認めざるを得ないんっすが、とまあそんなことで、すっかり満足して、会場から撤退。


< ひかりのすみか (その3) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 噴水ショーの会場から帰る途中も、なかなか綺麗だったんっすが、後はまあ、約300mを誇る 「光のトンネル」 とやらを軽く見るとして。 これ、ホテルの部屋の窓からもよく見えていたんっすが、近くで見ると、めっちゃ凄ぇぇぇ! あ、でも、なばなの里にも 光のトンネル とか、あるから! あ、でも、長さ200m…。 負けてますな。 あ、でも、なばなの里には 海さくら もあるから! こっちは100mだから、足せば互角だから! ま、とりあえず、引き分け! …ということで、手を打とうかと思うんっすが、いやあ、「ひかりのすみか」 、よかったっす♪ すっかり満足して、ホテルに戻って、温泉に浸かって、寝ちゃったんっすが、後から調べてみたら、シンボルツリーとか、ランタンガーデンとか、他にもいろいろ、見所があったんっすな。 共通券を買ったのに、結局、魔法の教会には行かなかったし。 今季初登場の新エリア!魅惑の洞窟から抜けると現れる「魔法の教会」。 花と魔法使いの物語… 魔女のいたずらで教会から何かが飛んでいく… さすがに、ひとり “魔法の教会” は、小っ恥ずかしい…。 なら、共通券、買わなきゃよかったじゃん! 「王宮の丘」 も、ホテルのフロントで、割引券を貰えばよかったじゃん! そんな気がしないでもないんっすが、でもまあ、もう終わったことだし! ちなみに僕は、「なばなの里」 のイルミは一度も見たことがなかったり。 旅先なら余裕なんっすが、 “地元ひとりイルミ” は、小っ恥ずかしい…。 誰か、一緒に行ってくれるギャル、いませんかね? 安永餅、奢るし。 希望者は 掲示板 に書き込んでね♪ ついでに、キリ番をGETした人も。 …と、呼び掛けておいて、この続きはまた、次回☆

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 ということで、今日はエレク・バクシクっす。 ググると、「もしかして: エレク・バクチク」 とか言われちゃうんっすが、いや、バクシクで合ってます。 エレク・バクシク(Elek Bacsik、1926年5月22日 - 1993年2月14日)は、ハンガリー系アメリカ人のジャズ・ギタリストおよびヴァイオリニスト。ギタリストのジャンゴ・ラインハルトは従兄弟…だ、そうっす。 おお、ハンガリー。 アッティラ・ゾラー 以外にもジャズ・ギタリスト、いたんっすな。 ハイッ! アッティラ・ゾラーは1927年ハンガリー生まれなので、バクシクくんのほうが、ちょっとだけ年上。 で、ジャンゴ・ラインハルトは従兄弟って、何か、凄ぇぇぇ。 ジャンゴとか、めっちゃ昔の人のイメージなんっすが、ググってみたら1910年生まれ。 従兄弟なんっすが、年は離れていたんっすな。 頼んだら、ジャンゴの口寄せとか、やってくれるんすかね? いや、イタコじゃなくて従兄弟なので、頼んでも無理かも知れませんが、今日はそんなバクシクの 『ヌアゲス』? …とかいうアルバムを取り上げてみようかと。 あ、これ、 『ヌアージュ』 って読むんっすか。 あ、これ、もしかして、ジャンゴ・ラインハルトが書いた 「」 っていう曲のこと? 『ジャズ・イン・パリ』 という、よく似たデザインのジャケットで、たくさん出ている、素性がよく分からないCDの1枚なんっすが、どうやら 「THE ELECTRIC GUITAR OF THE ECLECTIC ELEK BACSIK」 という、フォンタナから出たLPに、「BOSSA NOVA」 というEP盤の4曲をオマケで足した構成である模様。 オマケのほうはパーソネルを含め、素性が不明だったりするんっすが、ディジー・ガレスピーに触発されジャズに取り組んだという彼のジャンゴ・スタイルのギターは、硬い音質のピッキング・スタイルでフレーズもワン&オンリー、一度聴くとやみつきになってしまう深い魅力がある。 硬い音質で、いや〜ん、ぴっきんぐマチコ先生。 そんなアレなんっすかね? ちょっぴり楽しみなんっすが、んなことで、じゃ、演奏を聞いてみることにしましょうかぁ。

 まずは1曲目、 「ブルー・ロンド・ア・ラ・ターク」 。 おお、これは 「トルコ風ブルー・ロンド」! 超有名で大人気なデイブ・ブルーベックの 『タイム・アウト』 の1曲目に入っていて、日本人の大多数が 「テイク・ファイブ以外、カスじゃん…」 と思ってしまったに違いない、例のアレっすよね。 ブログの人は、どこかオリエンタルなメロディーでお洒落、曲の始まりからノリノリのリズムと掛け合いだ。 そんなふうに褒めているんっすが、ぜんぜんジャズっぽくなくて、なんじゃこりゃ? …と、落胆した記憶しかありません。 が、エレク・バクシクの手に掛かると、あら不思議。 俄然、ジャジーな雰囲気になる…ワケではなく、ま、似たような感じなんっすが、曲の癖が強いっすよね。 8分の9拍子で書かれた特徴的なリズムは、トルコのアクサクに影響を受けたもの。 リズムは2+2+2+3の3小節と、3+3+3の1小節が繰り返される加算リズムである…と。 どうしてそこまでして変な変拍子に拘るのか、理解に苦しみますが、で、バクシクのギターは、トルコのアクサクっぽいんだか、どうなんだか。 かなりのテクニシャンであることは確かなんっすが、ジャジーかと言われると、微妙…。 ソロの途中から変拍子を止めたのか、普通っぽいリズムになって、ちょっぴりブルージーな展開になったりするんっすが、で、終盤はベースのピチカート・ソロと、ドラムスのソロがフィーチャーされて、でもって、再びギターのソロが出て来て、でもって、変なテーマに戻って、おしまい。 ま、そこそこトルコ風ではあったな…と。 トルコ風呂ではなく。

 で、次。 「エンジェル・アイズ」 。 日本人にもお馴染みの歌物スタンダードを、ちょっと癖のあるギター演奏で。 普通に哀愁味が感じられて、悪くはないっす。 テーマ → ギター・ソロ → テーマという流れなんっすが、テーマ部では、オクターブ奏法とも、コード奏法とも違う気がする、何か不思議なギターのハモリを聞くことが出来て、個性派 兼 曲者であるのは確か。 元のアルバムのタイトルのように、「多彩なELEK BACSIKのエレキギター」 であるな…っと。 “ELECTRIC” と “ECLECTIC” と “ELEK” 。 洒落てますな。 で、次。 「ゴッド・チャイルド」 「神の子」 っすか。 「マー君、神の子、不思議な子」。 野村克也が 田中将大(マー君)のことを、そのように評していましたが、生麦、生米、生卵。 墾田永年私財法。 逃げるは恥だが役に立つ。 4・4・5のリズムっすよね。 で、この 「神の子」 は、ジョージ・ウォーリントンが書いた曲みたいなんっすが、捉えどころのないバップ風のブルースというか、何と言うか。 テーマの後、ギター・ソロがあって、その後、ベースのソロにギターが絡むパートがあって、セカンド・テーマの合奏みたいなパートがあって、でもって、元テーマに戻って、おしまい。 とりとめのないトリートメント。 そんな感じのアレでありました。

 で、次。 「テイク・ファイブ」 。「トルコ風ブルー・ロンド」(そっち)を演るんかい! …と思わせておいて、後でちゃんと “本命” を取り上げる、何とも憎い演出。 改めて、名曲やな。 そう、再認識させられるんっすが、五拍子でありながら、変な変拍子であることを意識させませんよね。 テーマ部はシンプルに、オーソドックスに。 ギター・ソロもシングル・トーン中心で、ホーン・ライク。 終盤はタイコとの絡みで、五拍子らしさを演出して、でもって、めっちゃイケてるテーマに戻って、おしまい。 3分15秒という、ほんのちょっとした小さなプチ小品なんっすが、満足出来るぜ、TAKE FIVE(たけファイブ)。 いやあ、よかったっす。 で、次。 「ウィロー・ウィープ・フォー・ミー」 。 日本では 「柳よ泣いておくれ」 という邦題で知られる歌物スタンダードなんっすが、個人的には、よしもと新喜劇に出てくる 「やなぎ浩二」 があまり好きではないので、ちょっと…。 よしもと新喜劇に出てくる 「Mr.オクレ」 は好きなので、「泣いておくれ」。 この部分はいいと思うんっすけど。 「柳よ泣いてチンピラ」。 これもアリっすかね? 長渕 、好きだし。 刺せば監獄 刺されば地獄。 この 「差しつ差されつ」 な感じがいいっすよね。 この歌に比べると 「柳泣い(やなない)」 はカスみたいなものなんっすが、ググってみたら、雲りん改め、高野ヌアージュ(敬称略)の動画がありました。 ほれ 。 動画というか、微妙に動かないこともない静止画というか。 さすがにバクシク版については触れられていませんでしたが、テーマをギターではなく、ベースのピチカートに委ねているのが、なかなか斬新。  で、AABAの “Bの部” になって、ギターが前面に出て来て、そのままソロへ入っていく感じっすかね。 レイジーな雰囲気が中川家の礼二っぽいんっすが、ギターの後、ベースの人にもちゃんとソロのスペースが与えられていて、で、そのままテーマに戻って、おしまい。 あまり好きな曲ではないんっすが、演奏のほうは悪くなかったっす。

 で、次。 「オパス・デ・ファンク」 。 ホレス・シルバー作の、お間抜けファンキー・チューンっすな。 シルバーには続編の 「オパス・デ・おます」 というのを作って貰いたかったっすが、その夢が叶えられないまま、お亡くなりになってしまいました。 曲調がお間抜けなので、バクシク版も、お間抜け感を抜け出せずにいる感じなんっすが、むしろ、それを助長しているかのような展開。 途中、ベースのピチカートとの絡みもあって、この辺りはいい感じなんっすが、で、最後は、お間抜け極まりないパーカッション・ソロ。 途中から割とまともなドラムス・ソロになりはするんっすが、でもって、テーマに戻って、おしまい。 うん、まあ…。 で、次。 「マイ・オールド・フレイム」 。 個人的にわりと好きな曲だったりするんっすが、ここでの演奏はギター・テクのひけらかしが、耳につきます。 出だしは無伴奏ソロで、ゆったりと。 途中からリズムが入って、スインギー路線に転じる…のかと思ったら、転じませんでした。 途中からベースが入ってくるんっすが、バラードのまま押し切りました。 ま、これはこれで、悪くは無かったな…と。 で、次。 「グリーン・ドルフィン・ストリート」 。 日本人好みのスタンダードが続きます。 緑のイルカ通り。 「緑のイルカ通り」って何? ジャズを聴くのに技術はいらないと思うんっすが、ジャズ「プロ・リスナー」への道 って、そんな道を選ばなくても、ちゃんと人間道を歩んでいるし。 で、バクシク版はというと、ミディアム・テンポでオーソドックスに。 超保守派である僕には、こういうのがいいな…っと。 シングル・トーン中心のギター・ソロもホーン・ライクによく歌っているし、心ウキウキ、緑(みど)イルカ。 終盤にはペースのピチカート・ソロもフィーチャーされて、背後のタイコの人は切れのあるブラッシュ・ワークを聞かせ、最後のソロではスティックに転じ、でもって、テーマに戻って、おしまい。 いやあ、いいじゃん♪

 で、次。 「ヌアージュ」 。 ジャンゴ・ラインハルトの 「雲」っすな。 鴨、肝、雲、毛毛(けもう)、菰。 「カ行+も」 の中では鴨が一番、雲が二番。 肝がダンチで最下位なんっすが、毛も多すぎるのはちょっとアレだし、 菰(こも) = マコモを粗く編んだむしろとか、どうでもいいし。 演奏のほうはギターの無伴奏ソロで始まり、途中からベースとドラムスが入ってくる感じなんっすが、ジプシー・ジャズっぽくて、いいな♪ …っと。 で、次。 マイルス・デイビスの 「マイルストーンズ」 。 有名なんっすが、曲そのものはシンプル。 アドリブの素材としてはいい感じなんっすが、ここでのバクシクも、伸び伸びと演奏しているな…っと。 で、ここから先はオマケの 『ボサノバ』 。 参加者不明なんっすが、テナーサックスやパーカッションなんかが入ってたりします。 で、最初の演目は 「ディサフィナード」 。 軽めで、分かりやすくて、いい感じっす。 あ、フルートっぽい音も聞かれますな。 ベタの極みなんっすが、ま、こういうのも悪くないっすな。

 で、次。 「リカード」 。 あ、これは、「ギフト」 ! 「テイク・ファイブ」 の アリナミンV と同時期に、イーディ・ゴーメの これ が流れていたんっすが、「リカード・ボサノバ」 という別名でも知られてますよね。 ジャズの世界ではハンク・モブレイの これ が超有名なんっすが、青木高見さん、同じことを3回も言わなくても…。 仏の顔も三度まで。 仏様にブチ切れられても文句は言えないんっすが、このアルバムを買った日本人の大多数が 「リカード・ボサノバ以外、カスじゃん…」 と思ってしまったに違いありません。 それくらい抜きん出ているんっすが、このバクシク版も秀逸。 フルート + テナー + ギター + パーカッションっすな。 テーマ部のアレンジがちょっと凝っていて、ギターのソロが出来が良くて、テナーのソロもほんのちょっとだけ出て来て、でもって、テーマに戻って、おしまい。 軽めで、分かりやすくて、よかったっす。 で、次。 「サンバ・デ・ウマ・ノタ・ソー」 。 サンバで馬に乗ったぞ! そんな感じのアレだったりして、いいっす。 曲はアレっすな。 「ワン・ノート・サンバ」 。 んーと、 これ 。 あ、サンバ・デじゃなくて、サンバ・ヂなんっすな。 極めてイージー・リスニングな路線だったりするんっすが、よかったじゃん、いい痔( ← 良性) で。 んなことで、ラストっす。 「スターダスト」 。 ボサノバではないスタンダードなんっすが、ボサノバ風のアレンジが施されてます。 めっちゃ軽いノリなんっすが、こういう 「星屑」 も、ぜんぜんアリっすよね。 んなことで、今日のところは以上っす。

【総合評価】 ほとんど知ってる曲ばかりで、超保守派には優しい1枚でありました。 オマケのボサノバ4曲も軽くて楽しいので、オリジナルのLPではなく、こっちのCDで買うのがオススメ。 エレク・バクシクのギターは、硬い音質のピッキング・スタイルでフレーズもワン&オンリー、一度聴くとやみつきになってしまう深い魅力があって、いや〜ん、ぴっきんぐぅ♪


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