LEGENDS LIVE (JAZZ HAUS)

DIZZY GILLESPIE (1961/11/27,29)

LEGENDS LIVE


【パーソネル】

DIZZY GILLESPIE (tp) LEO WRIGHT (as,fl)
LALO SCHIFRIN (p) BOB CUNNINGHAM (b) MEL LEWIS (ds)
【収録曲】

(01-03) THE MOOCHE / CON ALMA / WILLOW WEEP FOR ME
(04-06) OOPS-SHOO-BE-DOO-BE / I CAN'T GET STARTED / KUSH
【解説】 ( 2013年10月13日更新 / 連載 1,095回 )

 1級土木施工管理技士の実地試験が終わりました。悔しいです。 電験3種の 「理論」 みたいに箸にも棒にもかからなければ、きっぱりと諦めが付くんですが、5択式のマークシートなのに正解率が2割以下だったりしましたからね。 あれなら何にも考えずに全部「3」を塗ったほうがまだマシだったレベル。 が、1級土木の場合、何とも惜しいところまではいくんですよね。 箸にも棒にもかからないんだけど、たこ焼きに突き刺した爪楊枝くらいの手応えはありました。 食べようとして、口のところまで持っていったんだけど、ボトっと落ちた。 そんな感じだったりするんですが、ま、点数でいうと、大目に見積もっても43点くらいだとは思うんですけど。 ただ、もうちょっと真面目に勉強していれば何とかなっていたような気がする感が半端なくて、そこのところが悔しいです。 ちなみに今年の問題は これ 。 最初の 「施工体験記述」 貽貝は…、あ、「間人の宿 墨平」 で貽貝と新鮮野菜のサラダ盛りを食べたおかげで、辞書がヘンな学習をしちゃいましたが、最初の1問以外は選択式なので、その点では楽なんですよね。 僕の今年度の勉学は土工の途中で終わってしまって、コンクリ工に関しては直前に参考書をちょっと齧っただけで終わってしまったので、[問題 2] に人生の33.3%を賭けるしかないんですが、うーん、 [設問1] の (ホ) のところが分からん…。 (イ) から (二)は分からないなりに、とりあえずそれらしい数字や語句が思い浮かんだので、何とか体面だけは取り繕うことが出来たんですが、(ホ) に関しては適当な語句さえ思いつかん…。 で、正解を調べる気にもなれん…。 で、 [設問2] はアレです。 まずは掘削置換工法。 悪い土を掘って、いい土と置き換える。 その結果、土がよくなることが期待される。 そういった旨の記述をしておいたので、満点は無理だとしても、ま、2点くらいは恵んでいただけるのではなかろうかと。 で、ウェルポイント工法についてもパッと見た限り、それらしいことが書かれているような気がしないでもないレベルまで仕上げることが出来て、結果、トータルでみると、何とも微妙な結果に終わってしまいました。

 これなら、コンクリ工のほうがまだ何とかなるかも知れない。 そんな気がしないでもないので、[問題 3] にもチャレンジしてみることにしました。 まずは暑中コンクリート。 参考書に書いてありましたなぁ。 確か気温が25℃以上の時に、暑中コンクリ、申し上げますぅ〜♪ そういうアレだったりするんですよね。 打込み施工時の留意点についても何やら書いてあったような気がするんですが、中身に関しては何ひとつとして覚えておりません。 で、続いてはマスコンクリート。 これも参考書に書いてありましたな。 でもまあ、こんな鱒みたいなコンクリートなんか、見たことも聞いたこともないので、出題されることはあるめぇ。 そう判断して、きっぱりと捨てました。 結果、思いきり裏目に出ました。 コンクリ工、駄目っす! ということで、残り3つのうちから2つを選ばなければならなくなりました。 段々と追い詰められてきましたな。 追い詰められる、指詰めさせられる、生ヅメ剥がされる。 この3つの中から2つを選ぶとなると、どれもかなり辛いものがあって、生ヅメの替りに、カニ爪フライじゃ駄目? そう懇願したくなっちゃいますが、差し詰め、カニ爪に相当する問題がひとつでもあれば嬉しいんですけどねー。 ということで、[問題 4] 。 まずはレディーミクストコンクリート。 ちょっぴり女子高生コンクリート詰め殺人っぽい雰囲気があったりもするんですが、強度、スランプ、空気量、塩化物含有量。 この4つの基準値はコンクリ工の基礎中の基礎でありまして、土木セコカンの頻出問題であります。 試験の前日になって、人知れずこっそりと作った ここ にも出ておりますな。 時間がなくて、語呂合わせを考えるところまではいけなかったんですが、それでも何にも勉強しないよりはマシだったようで、空気量以外は何となく数値を覚えておりました。 幸い 「4つの品質項目の中から3つを選び」 という、ぬるい設問になっていて、実にラッキーなんですが、ただ問題は [設問2] でありますな。 含水比っすかぁ。 1、2、3、4 ガンガン、スイスイ、ヒーヒー、上昇♪ 何となく聞いたことはあるし、 「メロラップ」 の節で歌うことも出来るんですが、こんな計算問題が出るとは、まったくもって予想外。 無論、乾燥密度を求める公式など、知る由もないんですが、でもまあ、所詮は 「比」 なんだし、常識の範囲内で何とかなるような気も。

  (湿潤密度−乾燥密度)/乾燥密度= 含水比

 この式が合っているのかどうかは、まったくもって運次第なんですが、ここに表中の数値を当て嵌めてみることにしました。 測定番号1の場合、湿潤密度は 1.590 で、含水比は6.0%=0.06 なので

  (1.590−乾燥密度)/乾燥密度=0.06
  1.590−乾燥密度=0.06×乾燥密度
  1.590=0.06×乾燥密度+乾燥密度=1.06×乾燥密度
  乾燥密度=1.590/1.06

 合ってるのか、これ? 甚だ疑問ではありますが、数学…というか、算数のレベルで計算が苦手な僕にとって、この割り算がまた難関だったりします。 電験3種の試験は電卓を使ってもいいのに、土木のセコカンは駄目なんですよね。 土建屋のオッサンに暗算能力まで求めるのはあまりにも高望みだと思うんですが、何とか頑張って計算した結果、乾燥密度=1.5 となって、おお、めっちゃキリのいい数字やん♪ 解答用紙には 「締固め曲線図」 とやらのグラフが書かれていて、横軸が含水比、縦軸が乾燥密度となっているんですが、縦の数字は1.2〜2.2くらいになっていて、辻褄もあいます。 おお、イケるやんっ! この調子で測定番号2〜5まで計算したところ、どれも綺麗に割り切れる数字になって、実に見事な左右対称の山カーブが完成しました。 めっちゃ合ってるような気がする感、半端ねぇぇぇぇぇ! ここまできたら (2) の問題も楽勝のような気がするんですが、何だかよく分からないので、適当に 10.0〜18.0% と書いておいて、さ、残すところあと1問です。 2つの中から好きなほうを選べばいいので、かなり気が楽になりました。 これで、どちらかがカニ爪だったら万々歳なんですが、ざっと見た感じ、[問題 6] はカニ味噌、[問題 5] はサバの味噌煮って感じ? 前者は食わず嫌い…というか、食ってみる気にもならないレベル。 後者は嫌いというわけではないんだけど、まったくソソられるものがなくて、でもまあ、どちらかを選ばなければならないのであれば、サバっすかね? ということで、安全管理のほうをチョイス。  [設問2] のほうは、架空線に近接する箇所での施工について、それらしい見解を述べることに成功しました。 問題は [設問1] なんですが、ま、とりあえず適当に書くだけは書いて、これにてミッション・コンプリート。 試験時間は13時15分から16時00分まで。 開始1時間で退出可能だったので、早々に退出させて頂きました。 これだけの為に貴重な1日が潰れてしまって、こうして僕の夏は終わりました。

 とりあえず肩の荷は下りたので、カタロニア地方の住民もほっと一息といったところですが、とまあそんなことで、前回 に引き続き、11月初旬の個人的レジャー計画のお話。 11月3日は長野の中房温泉というとことにお泊りするという方向で考えていたんですが、やっぱ、ヤメにしようかと。 この地図 にある数多くの内湯と外湯には非常にソソられるものがあるんですが、5分とか10分とか、けっこう山道を歩かなければならない模様で、何だか面倒そうな気も。 フルチンでうろつくワケにもいかないので、最低限でもパンツ一丁は身に着けなければならんのでしょうが、11月初旬の標高1,500mの夜って、けっこう寒いっすよね? となると、フル装備で臨まなければならんのですが、フル装備 → フルチン → フル装備のループは、ちょっとくらいでは済まない面倒さであるに違いなくて、うーん…。 噂によると夕食にはイナゴの佃煮が出るみたいだし、それを聞いて、ますますお泊りする気が薄れてしまったんですが、ただ、焼山に対する熱い思いだけは、いまだ冷めやらず。 とりあえず1日目の昼過ぎにバスで上って、ソーセージの地獄蒸しを作って食って、 日帰り温泉 に浸かって、下山。 そういうプランにしようかと思うんですが、で、色々と考えた結果、初日のお泊り先は ここ にしようかと。 ペンションって、テンションの高いオッサンが無駄に張り切っていそうで、あまりソソられるものがないんですが、中房温泉行きのバスの停留所のひとつである 「しゃくなげ荘」 のすぐ近くというロケーションは魅力的だったりします。 しゃくなげ荘は癪だけど部屋に空きがなかったので、仕方なくペンションで妥協することにしたんですが、写真を見る限りオッチャンもオバチャンも人が良さそうな感じだし、ヒノキ造りの温泉ジャクジーも貸切で使えるみたいだし、 クチコミ を見ると料理の評判も上々。 少なくともイナゴを食わされる心配は無さそうなので、ついでにオナゴに食われるサービスがあったりすれば言うことはないんですが、ま、山姥に食われるとか、そっち方面だったりしたら、ちょっと嫌なんですけど。

 で、この宿には こんなプラン があることも判明しました。 安曇野に宿泊して早起きした人にだけ見ることが許される長峰山からの眺望。安曇平に聳え立つ北アルプス。安曇野のシンボルの常念岳、蝶ヶ岳、白馬連邦まで一望できます。 おお、いいぢゃん♪ 安曇野の宿をいくつか回って、人を掻き集めて山の上まで連れてってくれるという、そういうシステムのようですが、しゃくなげ荘の周辺にお泊りの人たちは Vif穂高 というところからバスに乗ることなるようです。 5時半出発って、いくらなんでもイクラちゃんがぐずるレベルのような気がするんですが、ま、僕の場合、朝は強いですからね。 朝飯を食う前にバスに乗るくらいのことは、朝飯前。 帰ってきてから朝飯を食うことを考えると、どうしてもこんな時間になっちゃうんでしょう。 ちなみに11月3日の安曇野付近の日の出は 6時08分くらいの模様。 山頂への到着は 6時30分頃の予定なので、ご来光には間に合わないんですな。 仕方がないので夜の部の 「ご開帳」 のほうで我慢しようかと思うんですが、ペンションって、その手のビデオの放映に関しては、まったく充実していないという印象が。 というか、この宿、調べてみたら部屋にテレビそのものが無いんですな。 早起きに備えて、さっさと寝ちゃうしかなさそうなんですが、とまあそんなこんなで、2日目。 どこに宿を取ろうかちょっと悩んだんですが、結局、 ここ を押さえることにしました。  標高2,450メートル、星にいちばん近いリゾートだぜっ♪ 実は中央アルプスにある ホテル千畳敷 のほうが標高が高くて、2,612メートルだったりするんですが、お値段のほうはそんなに高くはないので、あんなの、リゾートじゃねぇ! タテヤマンはそう言いたいのかも知れません。 標高では負けても、プライドの高さは譲れねぇ! …みたいな。 そんな調子なので、夏場のハイシーズンはとても一人客など泊めてはくれなさそうなんですが、冬期休業間際のこの次期であれば大丈夫。 お値段は 25,200円と、けっこうお高かったりするんですが、 泊まらないとできない5つの魅力 に、ソソられまくってしまいました。 10月下旬で既に冬の装いのようですが、ご来光と、夕陽と、夜景と、星空、凄ぇぇぇぇぇ! アーベントロートというのも何だかよく分かりませんが、ああ、便、採ろうと思ってたのにぃ。 検便の日の朝とかに使えそうですよね。 特に11月の十四夜の日は、お天気がよければアーベントロートと月を同時に見るチャンスです。 そんな記載があったりするんですが、どうして11月の、それも十四夜限定なんすかね? 夕陽が沈みかけるのと、月が昇るタイミングがぴったり一致するのが、1年でもこの日だけだったりするのかも知れませんが、ちなみに僕が行く予定の11月3日の月齢はというと、29.0で、思いっきり新月。 月、見れないじゃん! 何ともツキがない話なんですが、ま、その分、星を見るには絶好の条件だったりするんですけど。

 セコカンの試験のほうは満点とは程遠い結果に終わってしまいましたが、立山で満天の星が見えることに期待して、今日のお話は、おしまい♪

 ということで、今日からトランペット編です。 去年、八ヶ岳ジャズ・フェスティバルで生の演奏を聞いてちょっぴり感動した田中信正クンのアルバムを取り上げて、それでピアノ編の締めにしようかと思っていたんですが、買った筈のCDがどこかにいってしまって見当たらないので、その話はなかったことにして。 ということで、ディジー・ガレスピーっす。 この人、名前だけは超有名なのに、日本では今ひとつ人気がない気がするんですが、おそらく、おちゃらけたキャラの持ち主である点が災いしているのではなかろうかと。 パーカーみたいに早死にせずに、無駄に長く生き伸びちゃったのも日本人の心に響かない要因だろうし、で、ひょっとして、まだ生きてるのか? …と思って調べてみたら、1993年に既にお亡くなりになっていたことが判明したんですが、ということは今年が没後20周年記念でありますか。 ケニー・ドリューが同じく没後20周年だと知って、時の流れの早さにビビってしまいましたが、ドリューのほうはそれを記念したCDが15枚ほどリリースされるみたいですな。 一方、ガレスピーにはそんな話はまったくなさそうで、己れの不人気ぶりを草葉の陰で嘆いているに違いありませんが、草葉が駄目なら、サバ君が何とかしてあげましょう。 ということで、 『レジェンズ・ライブ』 。 セコカンの試験の帰りにタワレコに寄って、これを見つけて、ネタ用として確保しておきました。 シンプルなジャケットがこの上なく魅力的で、ぶっちゃけ中身のほうは別にどうでもよかったりするんですが、1961年にシュトゥットガルトとフランクフルトで行われた公演の様子を記録したものであるようです。 個人的にはレオ・ライトのアルトとフルートが入っているのが、ちょっとだけソソられる要因だったりしたんですが、ピアノを弾いているラロ・シフリンという人はアルゼンチンの出身なんだそうで。 原田和典クンの書いた日本語ライナーには鬼才という記載があるんですが、いですよね、鬼才。 少なくとも、臭いよりは人様の迷惑にはなりません。 ま、鬼才とか奇才と呼ばれる人のすることはブッ飛び過ぎていて、一般人からすると、ただの迷惑だったりすることも少なくはないんですが、ちなみに、このヨーロッパ・ツアーはノーマン・グランツの主催によるもので、コルトレーン・クインテットとの2枚看板だった模様。 1961トレーンなら、まださほど神懸かってはいないと思うんですが、保守派の人達にとってはガレスピーのほうが安心モードであるに違いなくて、とまあそんなことで、では演奏を聞いてみることにしましょうかぁ。

 まずは 「ザ・ムーチ」 。 1928年に発表されたエリントンの古典的な名曲だそうです。 むちむちギャルが好きな僕としては大いに気になるタイトルでありますが、短いMCに続いて登場するテーマは、どちらかというと、ぺちぺち? 短調と長調のブルース・コード双方が登場する曲想は書かれた当時、桁外れに斬新だったはずだが、ガレスピー・クインテットは原曲の雰囲気を尊重しつつ、いわゆるドミナント・コードを用いたアプローチもアドリブ部分で用いている。 そういった演奏になっている模様でありますが、始まってすぐにベースの地味なソロがフィーチャーされたりして、ライブの幕開けとしては、ちょっぴり大人しめ。 何でもいいけど 「大人しめ」 って、ちょっとだけ 「大人用おしめ」 に似ているような気がしますが、で、その後、レオ・ライトのアルトが登場して次第に雰囲気が盛り上がっていって、で、満を持して御大ガレスピーが登場。 台風が温帯低気圧に変わると何だかちょっとガッカリなんですが、御大のほうは大丈夫。 ま、期待したほど派手派手ではなくて、ちょっぴり拍子抜けな感もあるんですが、で、続くラロ・シフリンのピアノも鬼才とは思えないような落ち着いた弾きっぷりだったりして、とりあえずは様子見といったところでしょうか。 中盤以降はブロック・コードを多用しまくりで、オニの素養の片鱗のようなものが垣間見えるカイマンワニ。 そういった展開になったりするんですが、で、その後、短いベースのソロを挟んで、テーマに戻って、おしまい。

 ということで、次。 ガレスピーの代表曲のひとつ、 「コン・アルマ」 。 ラテンのノリが楽しいナンバーでありますな。 ガレスピー主導の主旋律にレオくんがライトに絡むテーマ部に続いて、鬼才シフリンのソロが登場。 かなりの長さのフィーチャーされぶりだったりするんですが、一筋縄ではいかない牛スジ。 そういった展開はなかなかスリリングで、イカリング。 イカリソースをたっぷりかけると美味しそうっす。 で、続くガレスピーのソロはリラックスした雰囲気で始まって、そこから次第にテンションを上げまくっていく 「天翔」 (←天麩羅屋の屋号) の大将といった感じで、もう、エビとかイカとか、揚げまくりんぐ。 いや、イカリング天麩羅というのはあまり聞いたことがないんですが、で、続くレオ・ライトのアルトも、アゲアゲ。 今頃、どこで何をしているんでしょうな、DJ OZMA。 本名は尾妻野純直 (おずまの・すみただ) なんですな。 めっちゃ和風で笑えるんですが、よくよく調べてみたらこれはあくまでも設定上の名字で、日本に尾妻野という姓は実存しないそうです。 何だか、めっちゃ騙された気分。 テンションだだ下がりなんですが、それとは裏腹に演奏のほうは大いに盛り上がっておりまして、各自のソロの後、セカンド・テーマの合奏パートのようなものがあって気分が高揚して、で、最後はちょっと落ち着いた感じで普通のテーマに戻って、おしまい。 いやあ、よかったっす。

 ということで、次。 歌物ナンバーの 「ウィロー・ウィープ・フォー・ミー」 。 あまり個人的にタイプではないのを持ってきてくれましたな。 …とか思っていたら、レオ・ライトがフルートで吹くテーマがちょっぴり新鮮だったりしたんですが、楽器の違いでけっこう印象が変わるものなんですな。 最初のうちはスローなテンポでしっとりと、で、途中からスインギー路線に転じるという、そういうアレだったりするんですが、で、そのままアドリブ・パートへと流れ込み、速度を変えたり、ストップ・タイムを交えたりしながら奔放なプレイが繰り広げられて、でもって、おしまい。 レオくんのフィーチャリング・ナンバーだったようで、御大の出番はありませんでしたが、ま、ライブなのでこういうのもアリかと。 で、続いてはガレピーのオリジナルで、 「ウー・シュー・ビー・ドゥー・ビー」 。 世の中を舐めたようなタイトルで、こういうところが繊細な日本人の心を逆撫でするんじゃないかと思うんですが、 (問) 「さかなで」 という単語を用いて短文を作りなさい。  (答) 僕はさかなではなく、肉を食べたい。 間違いではないですな。 で、演奏のほうはというと、こちらも世間を舐めくさっていて、ガレピーお得意のふざけたボーカルが炸裂しまくり。 ま、これがこのオッサンの持ち味だったりするので、他人がとやかく言う筋合いはないんですが、やってる本人はめっちゃ嬉しそうなので、生温かい目で見守るしかありません。 とまあそんなこんなで、次。 スタンダード・ナンバーの 「アイ・キャント・ゲット・スターティッド」 。 ここで一転、しみじみバラードと来ましたかぁ。 マイルスのようなクールさはないものの、ハートのウォームさが伝わってくるような仕上がりになっておりまして、根はいい人なんでしょうな、多分。 ちょっとキャラがスベっているだけで。 エンディングに 「ラウンド・ミッドナイト」 のオープニングを持ってくるというのが得意技のようで、嬉々として吹いている様は、何だか憎めません。 罪を憎んで、肉まんを憎まん。 いや、別に何の罪も犯してないし、中華まんは何の関係もないんですが、さ、残すところ 「コン・アルマ」 の別テイクは無視するとして、あと1曲です。

 「クッシュ」 は、ガレピーくんのオリジナルっす。 ベースとドラムスをバックにガレスピーがミュートを吹いて、それをピアノがコール&レスポンス風に追従し、そしてそこにレオ・ライトのアルトが乱入して、演奏はいきなり最初の山場を向かえます。 フロント陣が下がってしばしの静寂をもたらした後、ベースとドラムスだけをバックにしたガレスピーのソロが、お〜い、始まる〜、始まる王子〜♪ そういった展開だったりするんですが、ガレスピーの吹きっぷりが何だか妙にモダンで、微妙にマイルス風だったりするのがいいですなー。 続いて飛び出すレオ・ライトの吹っ切れたソロもめっちゃテンション高くて、で、途中からピアノとトランペットが割り込んできて、第2のピークを向かえることになります。 で、その後、割り込んだ2人が後ろに下がって少し落ち着きを取り戻し、レオくんも引っ込んで、その代わりに鬼才シフリンが前に出て来て前衛風斬新派なソロを披露し、聞いてるほうはちょっとだけ疲労して、以下、テーマの合奏、短いベースのソロ、ガレピー再登場…と続いて、でもって、今日のところは以上っす。

【総合評価】 出だしがちょっと地味だったんですが、すぐに持ち直しました。 何とも素性が怪しいライブ盤なんですが、音質のほうはまったく問題なく、ビ・バップの持つ荒々しさと、ハード・バップの洗練さとが融合した、素晴らしい出来となっておりました。 変な歌も、ま、ご愛嬌だし、草葉の陰でVサインをしてるガレスピーの得意気な顔が浮かぶような、そんな快作でありました。オススメ♪


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