LIVE AT MEMORY LANE (ATLANTIC)

NAT ADDERLEY (1966/10/31)

LIVE AT MEMORY LANE


【パーソネル】

NAT ADDERLEY (cor) JOE HENDERSON (ts)
JOE ZAWINUL (p) VICTOR GASKIN (b) ROY McCURDY (ds)
【収録曲】

(01-03) ON MY JOURNEY NOW / FUN / GOOD OLD SUMMERTIME
(04-06) LAVENDER WOMAN / PAINTED DESERT / THEME
【解説】 ( 2013年12月29日更新 / 連載 1,104回 )

 年末ですなぁ。 年末なので、年末らしいネタをと思ったりもしたんですが、年末と、トド松と、十姉妹(じゅうしまつ)。 そんな、おそ松くんなのしか思い付かないし、で、年末が過ぎると年始ですなぁ。 年始なので、年始らしいネタをと思ったりもしたんですが、年始と、撚糸工連事件。 そんなので、とても1回分が賄えるとは思えないので、とまあそんなことで、今日は 「旅館のクチコミ」 について検証してみたいと思います。 前回 も書いたように、年度が明けて4月になったら関西のほうに行ってみようと思っているんですが、2日目は淡路島の南のほうの宿を押さえました。 で、1日目はどうしようかと悩んだあげく、とりあえず京都にお泊まりする方向で進んでいるんですが、桜の季節でかき入れ時なのか、お一人様で泊まれるところは限られていて、無駄に小金を貯め込んでいる僕でも、ちょっと躊躇っちゅねー。 by 具志堅用高な超高級宿か、あるいは相部屋のゲストハウスかの、両極端。 そこそこの所というのが、なかなか見つからなかったりするんですが、そこそこらしき所が見つかっても、無駄に強気な価格設定だったりするしー。 例えば、 ホテルささりんどう 。 京阪・祇園四条駅より徒歩3分、阪急・河原町駅より徒歩5分、八坂神社まで徒歩5分という抜群のロケーション。 当ホテル自慢デラックスツインのお部屋 は風呂が広々としていて、いいっすなー。 立地が最高でした。祇園花見小路の直ぐ裏で、祇園に暮らしているみたいでした。部屋はちょっとラブホテル風で、家内と一緒に楽しかったと言えます。面白さ抜群です。 そんな nyanusagiさん [60代/男性] のクチコミもありますが、お元気そうで何より。 ちなみに、どうしてお部屋がちょっとラブホテル風なのかというと、数年前まで現役バリバリのラブホだったから。 そういった事情があるようなんですが、成るほど。だから風呂が無駄に広かったりするんですな。 それならそうと、 「ささりんどう」 などという小洒落たネーミングはやめて、 「おとぼけビーバー」 だとか、「風が運んだ物語」 だとか、「きまぐれ貴族大使館」 だとか、それっぽい名前にして欲しいところなんですが、いや、今はラブホからは足を洗って、堅気として頑張っているようなので、別にいいんですけど。 で、お値段のほうは如何ほどかというと、デラックスではないスタンダードダブルの朝食のみのプランで、25,000円。 デラックスではないスタンダードツインだと 30,000円。 高いっすなぁ。 ま、僕は無駄に小金を貯め込んでいるので、ロケーションを考えれば、それだけ出す価値はあるかも? そう、心が揺れ動いたりもしたんですが、ちなみにこれは 4月5日(土)の料金でありまして、同じプランでも5月の平日なら25,000円が7,000円になったりします。 で、ゴールデンウィークは 36,000円まで跳ね上がります。 足下、見られ過ぎぃ。。。

 …と、楽天トラベルでは強気を貫く 「ささりん」 でありますが、1週間くらい前から近ツーのプランが上がってくるようになりました。 そっちだと同じようなスタンダードツインが早割で 14,060円とか。しかも缶ビール1本のオマケ付き。 早割・21時イン・シングルというプランなら 8,460円とかだったりして、これだとラブホ風の風呂は無いのかも知れませんが、それでも十分に許せるレベル。 楽天で予約しちゃた人は、これを見たら発狂するに違いありませんが、どんな裏事情でこれほどまで値段に差が付くんですかね? 近ツーに弱みを握られてるとか? 近ツーにパンツ写真を撮られちゃったとか? 安くしないと、パンツ写真ばらまくぞ! そう脅されて、ささりんタンが泣く泣くダンピングに応じたのだとすれば、許せない話っすよねー。 で、それに乗らない手はありません。 早速、ツインを押さえようかと思ったんですが、他にもっといいところが出てくるかも知れないし、とりあえずは様子を見るとして。 …とか思っていたら、4月5日はシングルもツインも満室になっちゃいました。 楽天の25,000円ならまだ空きはあるんですが、今さらこの値段では、とても泊まる気がしません。 楽天、もっとしっかりしろ! ちゃんとパンツの写真を撮ってこんかいっ! そう思わずにはいられませんが、近ツーとパンツ。 ちょっぴり語呂が似ているからこそ出来た芸当であって、楽天ではバク転とかイカ天とか、そういうしょうもない写真しかモノに出来なかったりするんでしょうな、多分。 ということで、他の宿を当たらなければならなくなったんですが、似たような感じのところでいうと、 ホテルサンライン京都祇園四条 。 JTBのプランで、セミダブル18m2・朝食付で 24,192円。 ここは平日の安いときでも 19,440円だから、納得がいかないこともないレベルの足下の見られ具合でありますな。 高台寺まで徒歩約10分、清水寺まで徒歩約20分だし、ロケーションを考えれば、出さないことはない金額であります。 が、どうせ京都に泊まるのなら、もうちょっと京っぽい旅館のほうがいいような気もするんですが、となると、 旅館・力彌 のほうが、よさ気? 「彌」 という漢字が京っぽい感じを醸し出していますよね。 和泉元彌の 「彌」 。 節子ちゃん、元気っすかね? とりあえずこの前、『火垂るの墓』 で見た限りでは、ぜんぜん元気ではなかったような気がするんですが、あれはまた別の節子なのかも知れないし、で、元彌をパワフルにした感じの力彌は、高台寺・ねねの道沿いの旅館っすか。 いいぢゃん♪ 和室 (バス・トイレなし) 朝食なし、夕食なしで、26,000円。 何にもなしでこのお値段はちょっとお高いような気もするんですが、風情がありそうで、いいかも? 楽天のクチコミが1件も無いのがちょっと気になるんですが、 トリップアドバイザー にはありました。 このサイトは宿とは直接の利害関係が無いのか、予約サイトのクチコミに比べると辛口なものが多い気がするんですが、 「とても良い」 から 「とても悪い」 まで、いい感じのピラミッド型に評価が分布しております。 布団は金髪の長い髪の毛が二本付いて、気持は凄く悪い。 これなんか、金髪フェチの人にとってはむしろご褒美のような気がするし、お風呂場が垢いっぱい付いており。 これなんて、妖怪・垢嘗 (あかなめ) 、狂喜乱舞。 GOLDEN WEEK料金かも知れないが 16,000円にしては凄く高いと思います。 安いじゃん!

 で、このサイトは外人のクチコミもあるのが特徴で、今まで面倒なので無視していたんですが、ふと気になったので、 Excite翻訳 の力を借りて、力彌の解読にチャレンジしてみることにしました。 jeanpierre00さんは星ひとつという評価なんですが、果たして力彌のどこが気に入らなかったのか、ちょっとドキドキしますなぁ。 非常に奇妙、振り返ってみると快活に、恐ろしい、そして確かに、私がかつてとどまった中で最悪のホテル。 初っ端から辛辣ですなぁ。 で、次のものの要約はというと、もしあなたがリクエストに (一般に放置されている) 受理を呼ばなければ、存在しないことから無作法な湯まで及ぶサービスは別れました、それ、到着上の湿っている部屋の3 xぶんぶんいうスズメバチ、許可されたアクセスではなく可視の「rikiya」という名のwifi、シート、左、3日間不変、すべての英語はない、それが来るまで、代金を支払う時間。 ちょっぴり日本語が不自由で、分かりにくいところがあるんですが、無作法な湯まで及ぶサービスは別れました。 ちょっぴり不自由で分かりにくいというレベルじゃないんですが、ぶんぶんいうスズメバチ。 これがマジなら、マジやば過ぎぃ。。。 “wifi” が使えないというのもガイジンにとっては不満のポイントのようですが、パスワードが分からなかったんすかね? 宿の人に聞こうにもすべての英語はないし、ご愁傷様です。 そうとしか言いようがないんですが、そういうのに期待するのなら外資系のホテルにでも泊まればいいのにー。 で、続いて、やはり星ひとつしか付けていない nic_scaf_さんの怒りのコメント。 私たちは4pmごろ到着します。しかし、誰もそこにいません。したがって、私たちは丁寧に大声で呼び、ぐるっと見回します。最後に、35分の後、女性はドアの背後から到着します。 35分間の放置。 これは酷いっすなぁ。 丁寧に大声で呼ぶのではなく、粗雑に大声で呼べば、あるいはもっと早く気付いて貰えたかも知れませんが、また、別の老齢の動物は、私たちが座っていた場所の約2メーターからのカーテンの背後から出現します。 老齢の動物が出没するとは、怖過ぎぃ。。。 スズメバチはぶんぶんいうし、高台寺・ねねの道沿いって、野生の王国かい? 実際食堂/収納室 (余地10) で、ジャンクおよび予備のマットレス毛皮で満たされる、他の部屋。 この辺りにも野生の気配が感じられますな。 さらに、それは3匹のスズメバチをまわりにぶんぶんいうようにしておき、蚊で興奮しました...。 またしても、スズメバチぶんぶん! が、何故かこのガイジンは蚊で興奮しちゃったようでありまして、そのエリアは視覚的によいが、他の客室からの交通騒音および可聴ノイズと、順序および観光客の狂気の数によって損なわれます。 ま、確かに観光客がゾロゾロ歩いてそうなエリアでありますからなぁ。 畳エリア...あひる、目的、喜ばせる、私は、それらにただ黙ってほしい。 アヒルまで出るんかいっ!

 この宿はねーな。 そういう結論に達した次第でありますが、アヒルちゃんはともかくとして、スズメバチぶんぶんは、マジ勘弁。。。 で、自分に関わりが無い限り、クチコミは最悪評価であるほうがワクワクするんですが、 「トリップアドバイザー クチコミ 最悪」 。 これでググってみましょう。 最悪のホテル! いろいろ読んでみると、ポンパレとかのクーポンを使った人が文句を垂れているケースが多かったりするんですが、 “グルーポンおせち” の例を見るまでもなく、半額とか、怪しいに決まってると思うんですけどね。 で、この宿の場合、どういうところが最悪なのかというと、目の前が廃墟。 ま、これは宿の責任では無いっすよね。 むしろ、廃墟フェチの人にとっては喜ばしい状況であると言えましょう。 どんな感じなのかと思ったら、写真がありました。 ほれ 。 いちばん下に幼女の写真もありますが、この宿に泊まってこの笑顔ということであれば、何ともよく出来た幼女でありますなぁ。 で、その他の最悪ポイントとしては、温泉が水風呂。 他の宿で温泉をたくさん使われたりすると、こっちまで湯が回ってこないようです。 ま、自然が相手ですからね。そういうこともあるでしょう。 運が悪かったと思って諦めるしかありません。 そういう場合は他のホテルに送迎してくれるみたいだし、むしろ良心的であると評価していいのではなかろうかと。 ということで、次。 人生最悪の汚点 。 こんな汚い宿に宿泊したのは、間違いでした。 そう、キンタマンさんに言われちゃてますが、こんな汚ない名前の人に文句を言われて、宿の人も立つ瀬がありませんな。 とにかく女将のキャラが最悪らしい。 が、若女将は頑張っている。 総括すると、そういう評価になるようですが、若女将の態度も最悪。 そういうクチコミもあったりします。 もしかしたらこれを書いたスノボさんが実は凄い爺ィで、他の人が言ってる女将が若女将に見えたという可能性もあるんですが、次。 最悪 。 シンプルなタイトルが内に秘めた怒りの強さを予感させますが、27件中、「とても悪い」  が18件。 6割6部7厘という驚異の高打率をマークしております。 何故か 「とても良い」 が1件だけあるんですが、「蓼食う虫も好き好き」 ってヤツぅ?  格安ゲストハウスだから、何かを期待するほうが間違っていると思うんですが、それでも文句を言わずにはいられない何かがあるに違いなく、それがいったい何なのか、興味津々♪

 スタッフの態度があり得ない! 台風の影響で前泊することにしたので、テレビで台風情報を観ていたら、スタッフが勝手にサッカーにチャンネル変更…  「こういうときは、ニュース観るべきでしょ」 と言ったら、そのスタッフが 「観ても変わらないでしょ」 と言い返してきた。しかも、高圧的に。 正論ではありますな。 確かにテレビで台風情報を見たところで、事態が変わるわけではありません。 むしろ態度が高圧的なら、台風の気圧が高くなって、勢力が弱まる可能性がありますよね。 そこまで計算に入れるとは、やるな、スタッフ! で、お待ちかね、ガイジンさんのクチコミもありますな。 さすがは成田国際空港! 所有者は全く狂気です - 入口の非常に特定の場所に非常に特定のやり方の中に靴を置かなければなりません。床床の荷物を動かすことを認められません。特別の方法で寝具を使用しなければなりません。 凄く神経質な所有者っぽいっすな。 底二段ベッドは犬かごに少し似ています - それはちょうど間違っているように感じました。スペースは非常に押さえつけられます。また、空気反対意見がそうであることが別れて、非常に暑く不快な夜の材料を持っている、とこれに付け加えてください。 で、反対意見を言えないような空気が漂っているんですな。これは非常に暑くて不快な夜の材料です。 「夜の材料」 というのが、何だか微妙に淫靡に思えてしまうんですが、ぞくぞくする所有者が夜、女性の寮に入ってもよいと何人かのゲストが心配したことは助けになりませんでした。 ぞくぞくする所有者が夜、女性の寮に侵入。 ありえねぇぇぇぇぇ! 百歩譲って、ぞくぞくしない所有者なら、いいかな? そんな気がしないでもないんですが、ぞくぞくする所有者は駄目っしょ。 夜這いは、よかばい。 …とか、鹿児島のゲストハウスでもあり得ない話です。 で、他にもガイジンさんのクチコミをいくつか読んでみたんですが、どれもこれもぞくぞくする所有者に対する罵詈雑言に溢れておりまして、何だか同じ日本人として、非常に申し訳ない気持ちになってしまいました。 ポンパレ半額野郎は嫌な目にあったとしても、半ば自業自得という気がするんですが、わざわざ遠い国からニッポンに来てくださったのに、ぞくぞく所有者が続々と粗相を働いてしまったようで、心からお詫びを申し上げます。

 で、お詫びと言えば、アワビ。 可愛いアワビも美味しい 。 これは評価が高いほうのクチコミなんですが、このタイトルに何だか淫靡なものを感じてしまうのは、僕の心が汚れっちまっているからでしょうか? 料理は可愛いアワビの陶板焼き。 それってもしかして、トコブシなんじゃね? そんな気がしないでもないんですが、ま、本人が満足しているのなら、ぜんぜん問題はないんですけど。 で、再び悪いほうに戻って、 悲しい思い出になりました 。 最悪! …と罵られるより、こっちのほうが胸にくるものがありますな。 しかも、僕のよく知ってる宿だったりするので、尚更です。 鍵をしていたのにノックもなく鍵を開けて入ってくるし、謝罪もない。 ま、これは田舎の宿にはよくある事です。 僕は昔、長島温泉のホテル花水木で掃除のバイトをやったことがあるんですが、掃除のおばちゃんが平気でこれをやってました。 「い…いいんっすか?」 と、ビビりながら諫めても、 「エエの、エエの。」 とか言ってて、反省の色、皆無。 本人がまったく悪いとは思っていないので、謝罪がなくて当然なんですが、勝手に息子の手を握り出すしで不快この上なかった。 ま、これも田舎のおばちゃんからすれば、むしろサービスなんですが、問題なのは次の一文。 水道の蛇口は取れるわ、湯面に油のような物は浮いてるわ、とても清潔とは言えませんでした。 湯面に油って、マジかよー? 僕のよく知ってる宿だと書きましたが、ここの新築工事に仕事で関わっているんですよね。 常用の発電機を設置させて頂きました。 その際、裏のほうからこっそり女風呂を覗いたりもしました。 開業前の工事中の段階なので、覗いてみたところで何も面白くはなかったんですが、想像力を逞しく働かせると、ハァハァ。 で、ここの温泉、あまり大きな声では言えないんですが、発電機の廃熱で湧かしています。 コージェネレーションシステムという奴で、まったく違法な話ではなく、むしろ省エネの観点からすれば褒められる状況だったりするんですが、まさか工事のミスで、温泉に発電機の油が混入したりしてるんじゃないでしょうな? 「この配管、ここに繋いでいいんっすかぁ?」 と聞かれても、あまりよく分かってなくて、 「はぁ、いいんじゃないっすかぁ?」 と適当に答えるような、極めて頼りない監督だったりしましたからね、当時の僕。 もし、そのせいで悲しい思い出になりましたのだとしたら非常に申し訳なく、お詫びの印にアワビやトコブシ…は無理だとしても、カツブシくらいはお渡ししたいところなんですが、で、僕の京都の宿選びはどうなったのかというと、いい具合に空きがあった ここ を確保しました。 祇園や東山からはちょっと離れてしまうんですが、ま、夜桜は二条城あたりにでも行くとして。 6畳和室で、部屋はショボそうなんですが、大浴場があるし、お値段も2食付きで 24,500円と、まずます。 ガイジンさんの評判も上々でっせ。

 「公の」 風呂は非常によく、緩んでいました! オー、風呂イズ、ユルユル〜♪ 熱浴は階下に信じられないほどに緩んでいました、私のものが驚くべきだったので、私はがっかりして示されている彼らの食事に関して言う1人の評者に驚きます! オー、またしても熱浴イズ、ユルユル〜♪ アンビリーバブル! ガイジンさんのモノが驚くべきだったので、私はガッカリ。 そういう事態に陥る恐れが多分にあるんですが、また、私は、部屋のバスルームは十分に分類されると思いました。しかし、ホットタブを愛していれば、明確に地下室のそれらの大衆浴場を訪れるべきです -- それはSOを緩めることです! ソー、ユルユル〜♪ 書道とか、茶道とか、折り紙とか、いかにも外人さんが喜びそうな企画をやってるのが人気の秘密のようですが、うまくいけば金髪の長い髪の毛を二本くらいゲット出来るかも知れなくて、とまあそんなこんなで、ユルユル〜♪

 ということで、京は…、いや、今日はナット・アダレイっす。 キャノンボール・アダレイの弟っすな。 いちばん最初というのは作り方もよく分からなくて、適当にやってみた結果、長男は失敗作として生まれてきちゃうのが通例で、その反省を踏まえて作られた次号機の次男のほうが優秀。 そういう図式が見られるよく見られるんですが、兄貴のほうは顔も不細工だったりして。 対する弟はハンサムでイイ奴で実力もあって、欠点と言えば親父の葬式の時の髪型が変なことくらい。 誰とはいいませんが、貴乃花っすな。 名古屋場所の時は桑名に宿舎を構えてくれるので贔屓にしてるんですが、もう、ハマグリとかシジミとか、いっぱい差し入れしたいくらい。 贔屓という漢字には「貝」が4つも入ってますからね。 …とまあ、そんな世間の常識とは裏腹に、このアダレイ兄弟の場合は兄貴が派手な実力派、弟が地味な堅実派。 そういう構図だったりするんですが、ま、見た目的にはどっちも似たようなものだったりするんですけど。 で、今日はそんなナットくんの 『ライブ・アット・メモリー・レイン』 というアルバムを紹介したいと思うんですが、兄であるキャノンボール・アダレイのバンドで大活躍を演じたコルネット奏者のナット・アダレイ。そんなナットが60年代半ばに、自身がリーダーとなったコンボを率いてロサンゼルスのクラブに出演したときの模様をとらえた、楽しいライブ・アルバムである。 そう、日本語ライナーで岡崎正通クンが書いているようなアレであるようです。 ライブが収録された “メモリー・レイン” は、アーリントン・ストリートと、バーバラ・ストリートが交差する角にあったサパー・クラブなんだそうですが、角にあるなら 「かどや」 とか、分かりやすい名前にすればいいのにー。 昔、桑名駅前のパルの地下の角にあった団子屋が 「かどや」 でした。 いつ行ってもぜんぜん流行っていなくて、この商売もそろそろ曲がり角やな。 そんな空気が漂っていたんですが、結局のところは、かどや単体ではなく、パルそのものが潰れちゃったんですけど。 “メモリー・レイン” では何だか 「愛のメモリー」 と 「ドラマチック・レイン」 の合作みたいで、ま、松崎しげるの代わりに堀江淳の 「メモリーグラス」 を入れてもいいんですが、いずれにしろムード的には昭和歌謡っぽくて、こんなところでジャズなんかやったりして、大丈夫なんすかね? 観客、ついて来れる? そんな疑念が払拭しきれないんですが、メンバー的にはなかなか興味をソソられるものがあったりします。 ピアノのジョー・ザヴィヌルは兄貴人脈だから分かるとして、テナーにジョー・ヘンダーソンを持ってきましたかぁ。 ファンキーなナットと、モーダルなジョー・ヘンでは、ややミスマッチな気もするんですが、よく考えたらケニー・ドーハムとのコンビで数多くの名演を残していたりするし、ジョーもヘンでは無いな。 そんな気がしないでもないし、とまあそんなことで、では演奏を聞いてみることにしましょう。

 まずはナットのオリジナルで、 「オン・マイ・ジャーニー・ナウ」 。 いかにもナットらしい、シンプルな中にアーシーな香りを漂わせた親しみやすいナンバーで、ナットのワン・ホーン・カルテットによって演じられる。 そういうアレであるようですが、聞いてみたら確かにシンプルな中にアーシーな香りが漂っていて、ついでに、そこそこカントリー臭も加味されていたりするんですが、ちょっと白あん臭かったりするんですよね、カントリーマアム。 この項目では、不二家が製造する洋菓子について記述しています。 「カントリーマアム」 の愛称で知られる日本のスノーボード選手については 「國母和宏」 をご覧ください。 …って、あの呼び方、とうとう Wikipediaでも公認されちゃったんですな。 「国母」 じゃなくて 「國母」 と書くと、ややカントリーマアムさが薄れちゃうような気がするんですが、ノリの良いソロを聴かせてナットが魅力をいっぱいふりむいたあと、ピアノのザヴィヌルもグルーヴィなタッチを繰りひろげてみせている。 そういった演奏が披露されることになるんですが、ザビエルっぽい名前の癖に、ヤケに黒っぽいピアノを弾くんですよね、ザヴィヌル。 ゴスペルっぽいオスカル。 そんなキャラだったりするんですが、とまあそんなこんなで、テーマに戻って、おしまい。 やや荒削りなケズリーノ・ロッソ。 そんな感じがしないでもないんですが、いかにもライブらしい熱気に溢れていて、ま、いいんじゃないっすかぁ? ちなみに、ハンドル式チーズ削り器の名前だったりするんですけどね、ケズリーノ・ロッソ。

 で、次。 これまたナットのオリジナルで、 「ファン」 。 キャノンボールのコンボでもよくライブで取り上げていたりするナンバーです。 「ファン、ファン。えふ・ゆー・えぬ、ファン。」 そう、キャノンボールがMCで説明している声が記憶に残ってます。 「アッ、アッ、アッアッアッアッ♪」 というカウントに続いて飛び出してくるテーマは、この上なくホット&ファンキー。 で、その後に登場するジョー・ヘンのうねうねテナーはぶっちゃけ、かなり場違いな印象だったりもするんですが、そのまま印度象のような勢いで押し切られてしまうと、ま、しょうがないかぁ。 そんな諦観に駆られたりもします。 ちょっと強引なんですが、何のこれしき、ゴーイング・マイ・ウェイ。 ナットのリーダー作だということさえ忘れてしまえば、これはこれで実に素晴らしいパフォーマンスでありまして、いいじょー、ジョー・ヘン、上々だじょー♪ 兄貴以上に唯我独尊なキャラで、ナットくんも最初はとまどったに違いありませんが、勢いに背中を押された感じで、かなりアグレッシブなプレイを披露してくれたりして、これぞジャズの醍醐味。 ゴダイゴではこの醍醐味は味わえません。 いや、 「モンキーマジック」 とか、変にテンションが高いのもあったりするんですけど。 で、続くザヴィヌルのソロは相変わらず禿げ上がってるし、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 観客、大ウケ。 “メモリー・レイン” でも、ぜんぜん問題なかった模様です。

 ということで、3曲目。  「グッド・オールド・サマータイム」 は、ジョージ・エヴァンスとロン・シールズによって1902年に書かれたという古い作品。 スーザのマーチング・バンドが演奏して知られるようになったもので、49年にはジュディ・ガーランドが、うんぬん。 岡崎クンの知識は半端ありませんが、楽器にミュートをつけて、ナットがワルツ・タイムのメロディーをリリカルに歌い、美しいヴァリエイションを描き出してゆくのが印象に残る。 そういった演奏が展開される模様でありますが、何が “ヴァリエイション” だ。マサミチの癖に生意気だぞ! そんな気がちょっとだけしないでもありません。 マサミチとか普通、マサミチ、みちみち、うんこ垂れて〜♪ と、歌われるレベルだったりしますからね。 で、実際の演奏のほうはどうなのかというと、ナットが3拍子の旋律を叙情的に歌って、美しい変奏を描き出してゆくのがインプレッシヴでありました。 ミュートのおかげでマイルスな空気が漂いまくっていたりするのも、ご一興。 続くジョー・ヘンダーソンのうねり具合も、らしさ全開だったりして、で、以下、ザヴィヌルのヌルヌルなピアノがフィーチャーされて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 ほんのちょっとした小さなプチ小品といった様相なんですが、ま、悪くはなかったな…と。 で、次。  「ラベンダー・ウーマン」 はジョー・ザヴィヌルの作品で、やはり3拍子ながらぐっとモダンな感覚をもつものになっている。 そういうアレであるようですが、いいですよね、3拍子。 飲む、打つ、飼うの3拍子とか。 ヤクルトを飲む、薬物を打つ、ヤク (←ウシ科の哺乳動物) を飼う。 そんな生活に憧れます。 薬物はちょっとどうかという気もするんですが、ヤクの3種混合ワクチンとか、ちゃんと打っておいたほうがいいと思うしー。 で、曲のほうはアレです。 ぐっとモダンな感覚をもつ、モツ煮込み。 そういった仕上がりになっていたりするんですが、ヘンダーソンのテナーは、まさに魅力全開! ダーティなトーンもまじえながら、ゆたかなイマジネイションの飛翔を聴かせ、今、痔なネーチャンの心を激しく揺さぶります。 ハードなウネウネに、朴クネもウネクネ。 続くナットのソロも、ネトネト。 ザヴィヌルはヌルヌルで、でもって、テーマに戻って、おしまい。

 だんだん解説が投げやりになってきましたが、残すところあと少しです。頑張りましょう。 5曲目の 「ペインテッド・デザート」 もザヴィヌルのペンになる幻想的なナンバー。 揺れるようなビートをバックに、緊迫感をもったプレイを繰りひろげてゆくヘンダーソンとナット・アダレイが圧巻。 そう、マサミチみちみち君はあっさりと書いてくれておりますが、これは名曲・名演でありますぜ。 どこがどのように名曲で名演なのかというと、面倒なので詳しいことは省略させて頂きますが、いかにも描かれた食後のおやつらしいエキゾチックな旋律が日本人の魂を戦慄させ、前立腺も思わず肥大。 最初にソロを取るジョー・ヘンのテナーは黒い情念に取り憑かれ、続くナットの熱湯プレイが日本人の肌を焼き、ザヴィヌルは禿げ。 滾るような熱い熱い血潮に、うずしおパイで、乾杯♪ …とまあ、この感動をうまく表現出来ない自分にもどかしさを覚える、モンド菓子。 そんな状況だったりするんですが、ちなみに、モンドセレクション金賞受賞のお菓子の僕なりの略称だったりするんですけどね、モンド菓子。 金さえ払えば誰でも貰える賞とか揶揄されて、もどかしさを覚えるモンド菓子なんですが、ま、実際そうみたいなんですけど。 味に対するお墨付きというよりは、品質とか、表示とかに関する審査が中心みたいだし。 最高金賞でも、ちょっとどうかという感じなのに、銅賞という、どうしようもない、しょうもない賞もあるみたいだし、とまあそんなことで、ラストです。  「テーマ」 。 ナットとザヴィヌルの共作という事にはなってますが、テーマだからテーマだけ演奏して、すぐに終わるっしょ。 そう、たかをくくっていたら、意外とちゃんとした演奏に仕上がっていたりしたんですが、肩の力が抜けたユルユルなプレイが心地よく、テーマらしくメンバー紹介のMCもあったりして、ライブな生きてる感が満載で、とまあそんなこんなで、今日は以上です。

【総合評価】 ナットくん、派手じゃん! やるじゃん! そんな意外性のある作品に仕上がっておりまして、ジョー・ヘンとのコンビネーションも上々だじょー。 ということで、では、よいお年を♪


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