CATHEXIS (COLUMBIA)

DENNY ZEITLIN (1964/2/19,3/6)

CATHEXIS


【パーソネル】

DENNY ZEITLIN (p) CECIL MCBEE (b) FREDERICK WAITS (ds)
【収録曲】

(01-03) REPEAT / I-THOU / SYONEHENJI
(04-06) SOON / NICA'S TEMPO / CATHEXIS
(07-09) 'ROUND MIDNIGHT / LITTLE CHILDREN , DON'T GO NEAR THAT HOUSE / BLUE PHOENIX
(10-11) NICA'S DREAM / REQUIEM FOR LILI
【解説】 ( 2014年11月09日更新 / 連載 1,142回 )

 イルミネーションの季節がやって来ましたなぁ。 というか、どうしてこの時期なんすかね? 冬の夜とか無駄にクソ寒くて、ちょっと嫌なんっすけど。 ま、いくつか理由はあると思うんですが、まずひとつはクリスマスのキラキラな飾り付けの延長線だからというもの。 さば家にはクリスマスツリーを飾るといったハイカラな風習はなく、プレゼントで貰ったメカモを組み立てながら、テレビで 「スターどっきりマル秘報告」 を見ていたという記憶しかなかったりするんですが、 これ ですな。 本当は シャクトリムシ のほうが欲しかったんですが、近所の 「いもや」 にはムカデのほうしか売っていなかったので、泣く泣く妥協しました。 百足(ムカデ)の癖に足が32本しかない三十二足な野郎でありましたが、 「メカモの動きを動画で観る」 というのを見てみたら、めっちゃ地味な動きで、笑えました。 こんなので喜んでいたんですな、小学生時代の純真だった僕。 ま、ぶっちゃけ、組み立てるという動作は楽しかったものの、出来てしまった後は大して面白くもなくて、3日で飽きちゃったんですけどね。 もっとちゃんとダダをこねて、シャクトリムシのほうにしておけば…。 いや、大して代わり映えしませんか。 金の無駄だった。 そう思わずにはいられませんが、最近のご家庭はこんな刹那的な、子供だましな大人のオモチャではなく、末永く楽しめるキラキラの装飾とかに無駄金を費やす傾向があるようで、うちの近所にも毎年、普通の民家とは思えないような無駄なイルミを施すところが出没したりします。 で、冬にイルミる理由の2つめとしては、冬は湿度が低くて空気も澄んでいて、キラキラがより煌めく。 そういう側面もあるのかも知れません。 夜が長いので、わりと早い時間から楽しむことが出来るし、クソ寒いという唯一無二の欠点にさえ目を瞑れば、メリットのほうが多いかも知れません。 ま、目を瞑るとせっかくのイルミが見えなくなっちゃうので、欠点に目を瞑るわけにはいかなかったりするんですけどね。

 で、桑名のイルミネーション・スポットと言えば、何といっても 「なばなの里」 が有名です。 「なばな」 というのは、葉っぱを食うために栽培されている菜の花なんだそうで、そんなものがナガシマの名産だったとは近隣住民の僕も知らなかったんですが、その 「なばな」 はぜんぜん売りにはなっていなくて、ベゴニアの温室と温泉とレストランと、季節ネタとしての春のチューリップとか、秋のコスモスなんかで集客を図っている模様。 「なばな」 は辛うじて、 安永餅 に練り込まれて売られている程度っすな。 で、ここ、冬の間は咲いている花も少なくて地味なので、試しにイルミネーションをやってみたところ、それが大当たりして、今ではそっちのほうがメインになっちゃってるんですが、なかなか目の付け所がよかったみたいですな。 これがもし、冬はお花が少なくて寂しいので、試しにちょっとワニでも飼育してみるかぁ。 ちょうど温泉も湧いてることだしぃ。 そんな企画が通って 「なばなワニ園」 になっていたら、今頃、冬期は休園に追い込まれていたに違いありません。 冬眠しますからね、ワニ。 ま、温泉があるから、冬だからと言って、寝かせては貰えないのかも知れませんが、ねぇ、冬眠、こっち向いて〜、恥ずかしがらないで〜♪ うるせぇ、俺は眠いんや! …って、ワニも大変ですなぁ。。。 とまあ、閑散期の集客目的とかもあって、イルミがお盛んな季節になりましたが、僕はですね、お正月休みになったら、神戸にでも行ってみようかなと思っております。 春には淡路島に行く予定で、勢いでホテルニューアワジの露天風呂付き客室 ヴィラ楽園 宙の庭 を押さえちゃったんですが、お値段、何と 48,600円っ! が、冷製パスタを食ったら冷静になって、勢いが削がれて、怖じ気づいて、結局はキャンセルしちゃいました。 替わりに ホテルニューアワジ・プラザ淡路島 のほうにしようかな…と。 同じオーシャンビューでも、目の前がテトラポットな洲本よりも、こっちのほうが景色がよさそうなんですよね。 露天風呂付き客室は確保出来なかったんですが、その替わりに 貸切露天風呂 を押さえておきましたぜ。 「二人だけの世界にとことん浸れるひととき」 に、一人で浸ってやるぜぇ! 風呂そのものもいい感じなんですが、湯上りの休憩場所 “ガゼボスペース” というのが、いいっすなぁ。 ふたりで身を寄せ合いながらいつまでも旅の語らいを…。 それはちょっと無理かも知れませんが、ひとりで白身魚の寄せ鍋でも食って、いつまでもブツブツと独り言を…。 それくらいなら、何とかなるかもー?

 洲本のほうのニューアワジのほうも、 湯巡り が出来るのは魅力的なんですが、これは日帰りプランで何とかするという手もありますよね。 去年の春も同じようなことを考えて、さんざんここでネタにしたにも関わらず、結局は京都に2泊するプランに落ち着いたんですが、来年の春こそは、きっと…。 で、色々とプランを考えてみたんですが、プラザ淡路島と、鳴門の渦潮観潮船と、ニューアワジの日帰りプランと、 淡路夢舞台 。 この4つの回ろうとすると、けっこう難しいものが。 渦潮が期待薄ならバッサリと斬り捨てるんですが、 ここ を見ると、特に3月下旬から4月下旬は1年で最も良い渦潮観潮の時季と言われています。 そんなことが書かれております。 しかも僕が行く予定の4月4日は満月なので、まさにキング・オブ・渦潮日和。 バリバリ通信 にも今年の情報ですが、似たようなことが書かれておりますな。 残念ながら、鳴門うずしお大使とクイーン淡路が黄金のカギを海中に不法投棄するイベントには立ち会えそうにありませんが、この好条件を見捨てる勇気は僕にはありません。 夢舞台のほうも春には 淡路花博2015 が開催されるみたいだし、どれかひとつを捨てるとなると、ニューアワジかな…と。 で、いろいろと悩んだ結果、春にニューアワジれないのなら、冬にアワジればいいじゃない。 そんな思いが浮かんで来ちゃいました。 毎年、正月休みには日帰りで近場に出掛けることにしているんですが、頑張れば淡路島まで行けないこともありません。 ま、行って、飯を食って、風呂に入って、帰るだけで終わりになっちゃうんですが、ま、それはそれで、いいかと。 ニューアワジの日帰りプラン は極めてバラエティに富んでいるんですが、夜は夜で宿でちゃんとしたメシを食うなら “淡路島牛丼+入浴券” 、そうでなければ “一汁三菜膳+入浴券” 。 そう、心に決めております。 正月休みに日帰りで行くとしたら、1月3日か4日になろうかと思うんですが、その日の晩飯は家でおせち料理の残りという線が極めて濃厚。 となると、一汁三菜膳っすな、こりゃ。 味噌汁と白菜とザーサイとチンゲン菜。 そういう一汁三菜だと、ちょっとアレなんですが、(1) 前菜 季節の旬菜取合せ (2) 造り 季節の三種盛 (3) 焼物 淡路牛の石焼 (4) 御飯 釜戸炊き御飯 (5 )汁物 田舎味噌仕立て (6) 香の物 盛合せ。 十分過ぎますよね。 ジャズが流れるオープンキッチンのダイニングで…というのが、また大いにソソられるポイントだったりするんですが、 “淡路牛と淡路野菜のステーキ丼+入浴券” のプランだと、お食事場所がフレンチレストランになっちゃうのが、ちょっとアレなんですよね。 破廉恥レストランで “ノーパンしゃぶしゃぶ+入浴券” とかだったりすると、かなり悩むことになるんですが、ここは “バル淡道” の一択っすな。

 とか、思っていたんですが、ここで迷いが生じてきました。 隣接する別亭の淡路夢泉景のほうになるんですが、こちらにも 日帰りプラン が。 利用出来る風呂は同じなので、メニュー勝負ということになるんですが、 【秋冬限定】悠湯昼膳プラン (阿波尾鶏と島海鮮の七福ぬーどる鍋 淡路牛石焼き付特別コース) なんてのがあるのを発見。 ご当地グルメとして “淡路島ぬーどる” というのを売りにしようとしているみたいなんですよね。 この 「ぬーどる」 は素麺より太くて長いというだけの話で、麺そのものにはまったくソソられるものがなかったりするんですが、具のほうも海産物系がメインみたいだしぃ。 通年プランのほうは “鯛かまぬーどる御膳” で、鯛の頭が入ってるっぽいっすな。 いらねぇ。。。 まだ、カニカマが入ってるほうがマシな気がします。 魚貝類の類いはあまり好きではなかったりしますからね、僕。 魚肉も練り製品なら、わりと好きだったりするんですけど。 魚貝よりも断然、畜肉派なんですが、そんな僕にとって “阿波尾鶏” というのは、なかなか惹かれる素材だったりします。 あわおどり。 名前はふざけているんですが、徳島県立農林水産総合技術支援センター畜産研究所が開発した肉用鶏で、10年かけて軍鶏の雄と他の優良肉鶏を合わせて改良し作られた。 出荷数、シェアともに日本三大地鶏 (名古屋コーチン、比内地鶏、薩摩地鶏) を抑えてトップ。 ほぉ。 いつの間にやら、そんな地位にまで上り詰めていたんですなぁ。立派なものです。 で、その他の具材としては、淡路猪豚・真鯛・とらふぐ・しらさ海老・穴子・鮑。 ほぉ。 “しらさ海老” というのは初耳なんですが、ググってみたら、釣り餌である 「シラサエビ」 を生きたまま保存する方法を教えてください…とか、そんなのが出て来て、サカナの餌かよっ! が、平仮名バージョンの 「しらさ海老」 だと、芝海老を大きくした感じですが、歯ごたえと甘みはとても美味しいです。 そんなふうに書いてあったりして、サカナ以外の人が食べても大丈夫っぽい? 真鯛・とらふぐ・穴子。 この辺りは鍋にするとイケそうだし、鮑というのも好き嫌いはともかくとして、高級っぽいっすなぁ。 しかも、 「淡路牛の石焼」 も付くんすよね? お食事場所は、ジャズを聞きながら季節のお鍋と充実したお酒が楽しめる個室風の鍋ダイニング 「いいそ」 。 ここであるものと推測されて、いいぞぉ♪ 何だかめっちゃテンションが上がって来たんですが、こうなったらもう勢いで、日帰りはヤメにして、1泊企画にしちゃいますかね? どうせ家にいたところで原稿を書くくらいしかやる事がないし、数少ない読者が1回分だけ我慢してくれれば、それで済む話だしぃ。

 となれば、イルミネーションの写真でも撮りに行きたいところなんですが、神戸でイルミと言えば、何といってもルミナリエが有名っすな。 一人ルミナリエって、ちょっとどうよ? そんな気がしないでもないんですが、一人貸切露天風呂でオービットラブシートの覚悟を決めた僕にはもはや、怖いものなどありません。 女ひとりで神戸ルミナリエ 。 大丈夫です。 jaikochanさんも一人で強く生きております。 途中、ご本人の写真が出て来て、思わず “そっ閉じ” しそうになっちゃいましたが、いや、僕が頭の中で勝手に描いていたのと、ちょっと違った感じのルックスだったもので。 なるほど、jaikochanさんかぁ! 何だか、もの凄く納得しちゃいましたが、調べてみたらルミナリエって、今年は 12月4日(木)〜12月15日(月)までなんですな。 期間、短っ! 金儲け欲に走って10月の下旬から3月いっぱいまでやってる 「なばなの里」 を見習え! そう思わずにはいられませんが、ま、それ以外にもいくつかイルミ企画はあるみたいなんですけどね。 中でも僕が気になったのが、 これ 。 会場は須磨の水族館っすかぁ。懐かしいですなぁ。小学校の修学旅行で行ったんですよね。 売店で絵葉書を買ったら、その直後に 「ここで、お土産を買ってはいけない!」 という通達が出されて、さば君、顔面蒼白。 が、幸いにも絵葉書をどこかに落としてしまって、図らずも証拠を隠滅することが出来て、ラッキー♪ が、捨てる神あれば、拾う神あり。 親切な誰かが絵葉書を拾って届けてくれたお陰で、規則を破ってお土産を買ったヤツがいることが判明。 見学が終わって全員が集合した場で、 「これを落としたのは誰ですか?正直に名乗り出なさい!」 との呼び掛けがあったんですが、誰もそれには答えず、事件は迷宮入りとなって、現在に至る。 そんな悶着があったのも、今となっては、いい思い出かと。 よくよく考えたら自分のお小遣いで絵葉書を買おうが、ヌンチャクを買おうが、悶着が起こるのは理不尽な気がするんですが、旅行会社と指定のお土産物屋の間で癒着があったんでしょうな。 他の店でお小遣いを使われると、その店の売り上げが少なくなっちゃうしぃ。

 それはそうと、水族館とイルミネーションのコラボというのは、なかなかよさ気だったりしますよね。 半屋内型なので、クソ寒いという欠点も緩和されるし、日本初となる4Dレイライトマッピングとやらも、ちょっと期待が持てそう。 新江ノ島水族館でも似たようなのをやってるみたいなので、日本初かどうかは疑わしいんですが、こちらは会場が須磨区ですからね。 スマック でも飲みながら眺めたら、きっと幸せな気分になれるに違いありません。 で、これを見に行くとなると、お泊まりは シーパル須磨 で決まりでありますなぁ。 アクアイルミナージュ入園付のプランもあるんですが、チケットは既に別口で確保しちゃったので、それは無しの方向で。 料理のランクによって同じグルメプランでも、季節会席を楽しむ♪ デラックス会席を楽しむ♪ 特上会席を楽しむ♪ 以上、3つのパターンが用意されているんですが、えーい、特上会席、いったれ〜! 月替わりなので、どう転ぶかは何とも言えないんですが、現時点では付出・前菜・吸物・造り(鯛花造・さざえ・車海老など)・煮物(甘鯛と蕪の蒸しもの)・焼物・揚物(海老東寺巻など)・和牛ロース陶板焼・鮑サラダ仕立・色御飯・赤出汁・香物・果物。 そういったお品書きであるようです。 鯛に、車海老に、甘鯛に、和牛ロース陶板焼に、鮑サラダ仕立っすかぁ。 十分過ぎますなぁ。 ていうか、あんた、昼に真鯛と、しらさ海老と、鮑と、淡路牛の石焼を食べるって言うてたやんっ! けっこう食材が被っちゃってますなぁ。 でもまあ、初日の夜と2日目の昼だから、ぜんぜん大丈夫っすよね? ちなみに揚物にある海老東寺巻というのはどんなものなのかと思ったら、とうじまき 【東寺巻き・東寺巻】 白身の魚や海老(えび)・野菜などを湯葉で巻いたもの。揚げたり、調味しただしで煮るなどして調理する。 ほぉ、湯葉巻きっすかぁ。いいっすなぁ。 京都には 「デラックス東寺」 というフーゾク店があったりするんですが、デラックス会席に東寺巻はなさそうな感じっすな。 ちなみにデラックス東寺、11月23日(日)は “大浣腸祭り” だそうですぜ。 フライヤー持参で¥2,000割引きだそうですが、海老東寺巻の揚物でも作るんですかね? 謎っすなぁ。。。

 “大浣腸祭り” はともかく、もうちょっとノーマルなお祭りなら、ちょっと覗いてみたいような気もするんですが、お色気女教師とプロジェクトマッピングとのコラボとか、どうっすかね? 名付けて 「まっぴんぐマチコ先生(実写版)」 。 さあ、みんなもフライヤー持参で、GO!!

 ということで、 「最近買ったCDをみんなに紹介しよう」 のコーナーっす。 年内はこれで余裕で乗り切れそうなんですが、昨日、名古屋に行ったついでにタワーレコードを覗いたら、これといった干しイモのがなくて、いや、これといった欲しい物がなくて、前途は必ずしも全斗煥。 「ぜんとかん」 って、何だか前途洋々な感があってよかったんですが、途中から読みが 「ちょんどふぁん」 に変わっちゃいましたよね。 朴大統領も 「ぼく大統領」 のほうが 「ぼくドラえもん」みたいでよかったのに、パクに変わっちゃったしぃ。 そういえばグルジアがジョージアという読み方に変えてくれと言ってるようですが、何だかぜんぜんピンと来ませんよね。 山本譲二や → 山本グルジア。 ま、これは前のほうがいいと思うんですが、とまあそんなこんなで、今日はデニー・ザイトリンです。 知ってますか? 僕は知ってます。 以前に一度だけ取り上げたことがありますよね。 これ 。 この、むさくるしいオッサンのイメージが強かったので、 『カセクシス』 というアルバムのジャケットを見た時、別人かと思ってしまったんですが、ザイトリンなどというレアな苗字のオッサンはそうそういないに違いないので、恐らく同一人物ではなかろうかと。 ビル・エバンスも晩年は、見た目が酷いことになってましたからなぁ。 ジャズだけでは飯を食っていけず、床屋にも行けず、貝印の剃刀も買えなくて、ああなっちゃうんでしょうな。 不憫な話です。 で、前回のあれ、塩サバ9号@鰈さんからのリクエストだったことが判明したんですが、レーザー脱毛技師なのに、むさ苦しい系がタイプだったりするんですな。 いや、脱毛する甲斐があるからなのかも知れませんが、で、この 『カセクシス』 は、そんなザイトリンくんがまだ爽やかだった頃に吹き込まれた、初リーダー作なんだそうです。 ベースがセシル・マクビー、ドラムスがフレディ・ウェイツで、面子的には、なかなか。 ちょっぴり過積載くさいタイトルは 「精神集中」 という意味のようですが、ということで、さあ、精神を集中して、ぎょう虫を焼酎漬けにして、ちょっちゅね〜。

 ということで、1曲目。 ザイトリンのオリジナルで、 「リピート」 。 タイトル通り、シンプルなメロディを執拗に繰り返す系のアレだったりするんですが、ピアノの無伴奏ソロに始まり、そこにベースが加わり、最終的にはドラムスも乱入して、濃密なインタープレイが繰り広げられることになります。 で、そのままアドリブへと流れていくんですが、いやあ、凄いっすな、こりゃ。 「私、初めてなの。。。」 とは思えない、熟練したテクニシャンぶりだったりして、高い完成度を誇る寛政の改革。 そういうアレだったりしております。 松平定信くんっすよね。 らくおうこうのめいとくは〜、我らが心の鑑なり〜。 そう、日進小学校の校歌にも歌われた、桑名ゆかりの偉い人であります。 ほれ 。 おお、リュート奏者ナカガワくん、僕の先輩でありましたか。 で、演奏のほうは、時折ストップ・タイムを交えたりして、非常にいい感じで進行していって、でもって、繰り返しなテーマに戻って、おしまい。 いやあ、いいぢゃん♪ で、次。 同じくザイトりんの作で、 「アイ〜ザウ」 。 ザイトりんって、後半を平仮名にすると、ちょっぴり “ゆるキャラ” っぽくなって、いいですな。 で、曲のほうはというと、エバンスっぽい雰囲気のワルツなアレだったりして、これまたなかなかいい感じ。 矢名完次 (やな・かんじ) の出番はありません。 「名探偵荒馬宗介」 には、よく出てくるんですけどね。 「アイ〜ザウ」 らしく、愛憎のようなものも垣間見えるし、アイ・ザウ1本、チオビタドリンク。

 ということで、次。  「ストーンヘンジ」 。 ここまで自作曲が続くんですが、ストーンヘンジの語源は古英語で石を意味する “sta-n” と、蝶番を意味する “hencg” (横石が縦石に蝶番のように積んであるから) もしくは絞首台または拷問具を意味する “hen(c)en” から来ているとされる。 ほぉ、拷問具っすかぁ。 水戸黄門の弟の水戸拷問がよく使っていたヤツですよね。 「水戸拷悶 〜大江戸ひき廻し〜 」 。 ググってみたら、そんなタイトルのすけべ動画がヒットしましたが、そう言えば 「見て肛門」 というのもありましたなぁ。 “大浣腸祭り” といい、どこに需要があるんでしょな。 ヘンタイの考えることは、よく分かりません。 で、これ、曲のほうはというと、モーダルな新主流派風だったりして、で、演奏のほうは、ちょっぴり小難しい系。 ビル・エバンスというより、ドン・フリードマンに近い感じっすかね? どういうところがかというと、どんどん突き進むフリーなマンっぽいところとか。 ちょっぴり精神の集中が必要になるんですが、疾走感が凄かったりするので、失踪感が半端無い若人あきらに比べれば、ぜんぜん大丈夫。 最後まで勢いだけで何とか押し切られちゃいます。 で、次。  「スーン」 。 これまた、ちょっぴり小難しく、こねくり回されておりますが、基本、エバンスっぽい。 そういった解釈でいいと思います。 ま、いいんじゃないっすかぁ?

 で、次。 ジジ・グライスの 「ニカズ・テンポ」 。 これからの季節、「かに道楽」 みたいな “蟹ズ店舗” は盛況を迎えようかと思うんですが、 「カニカニ、グ〜、カニしょうぐ〜ん♪」 は、どうなんっすかね? カニ看板を巡って、かに道楽と裁判沙汰になってましたよね、かに将軍。 道楽でカニを料理されるより、将軍のほうが何となく偉そうな気はするんですが、 ここ の下のほうに経緯が書かれておりますな。 「かに将軍」 が看板のかにの足を数本に変えて解決した。 将軍のほうは足が動かなくなったという話は聞いたことがあるんですが、足が動かないカニ → 活きが悪い、カニの足を減らす → ズワイガニのタラバガニ化。 いずにしろ将軍様の敗北と言っていい、厳しい結果でありますなぁ。 で、何の話でしたっけ? 「ニカズ・テンポ」 っすぁ。 このザイトリン版、イントロが全然ニカっぽくなくて、違う曲なのかと思ってしまったんですが、テーマから先は普通にニカ化しておりました。 ま、ザイトリン流の味付けが施されているので、ファンキーなのを期待すると、ちょっと違和感があったりするんですが、でもまあ、相変わらず疾走感はあるし、マクビーとウェイツの裏方コンビもけっこう頑張ってくれているし、とまあそんなこんなで、テーマに戻って、おしまい。

 ということで、次。 ザイトリンのオリジナルでアルバム・タイトル曲の 「カセクシス」 。 何か、どの曲を聞いても、演ってることが同じやな。 次第にそんな空気が漂いつつあるんですが、これまたアップ・テンポの賑やかな仕上がり。 で、アルバムの看板曲にしては 2分26秒と、わりとあっけなく終わってしまいます。 「精神集中」 、あまり長くは持続しませんでしたなぁ。。。 で、続いてはモンクの超有名曲、 「ラウンド・ミッドナイト」 。 セロニアス・モンクが 「he can play it」 (彼はデキるぜ) と賞賛し、ビル・エバンスからは 「keep doing my own thing」(おのれの道を歩み続けよ) と激励されたデニー・ザイトリン。 そんな記載が原田宗典クンが書いた日本語ライナーに見られますが、このモンク曲は、しみじみとしたいい感じのバラードに仕上がっておりますな。 ま、何だか地味で盛り上がらない嫌いはあるんですが、イケイケばかりだと、 「どれを聞いても同じや!」 とか文句を垂れるし、じゃ、どうすればいいのか…と。 で、次。  「リトル・チルドレン・ドント・ゴー・ニア・ザット・ハウス」 。 長ったらしいタイトルなんですが、 「おさな子よ、その家に近寄るな」 などという邦題が付いていたりします。 聖書的な何かなのかと思ったら、ザイトリンのオリジナルなんっすな。 おさな子、コウナゴ、イカナゴ。 “世界3大なご” のひとつですよね。 コウナゴは漢字では “小女子” と書くんでしたっけ? “その家”に住んでるロリコン、大歓喜っすな。 そりゃ、近寄らないのが賢明です。 ちなみにコウナゴとイカナゴは、同じサカナだったりするみったいですね。 ちなみにイカナゴは漢字で書くと “玉筋魚” 。 マジかよ? “あの家”に住んでるホモ、大歓喜。 そっちのほうにも、あまりお近付きにはなりたくありませんなぁ。 で、曲のほうはというと、それなりにストーリー性を感じさせるバラード。 そういったアレでありまして、で、演奏のほうはというと、何だか地味でもりあがりません。 どうも両極端っすなぁ。 普通にミディアム・テンポのナンバーとか、やる気はないんっすかね?

 …と、ちょっぴり苦言を呈しておいて、次。  「ブルー・フェニックス」 。 なかでもザイトリン自身 “忘れられないナンバー” と回想しているのが、3部構成からなる組曲 「ブルー・フェニックス」 だ。 文字通りの一発勝負、ワン・テイクで綴られた15分間である。 そういうアレだったりするようですが、これは期待が持てそうにもありませんなぁ。 こういう実験的な野心作って、大抵が失敗に終わっちゃいますからね。 で、これ、「おさな子」 からいつの間にやら次の曲に入っていたようなんですが、中身のほうはというと、地味地味なモノローグ風。 ピアノの無伴奏ソロっすかね? これで15分間はちょっとキツイっすなぁ。。。 ま、よくよく聞くと、それなりに珠玉なフレーズが綴られていたりもするんですが、で、途中からマクビーとウェイツも参戦してくれていて、少しだけ救われた気分になります。 中盤以降はまずまず盛り上がってくれておりますぜ。 で、ここから先はCDのオマケなんですが、ここで5曲目に続くニカ物が登場。 ホレス・シルバー作の 「ニカズ・ドリーム」 。 これからの季節、 「カニ酢鶏梅(かにず・とりうめ)」 が美味しかったりするんですが、いいですよね、あれ。 カニ酢に鶏のササミを混ぜて、梅のフレーバーで味付けしたやつ。 いや、僕が今、思いついた料理なんっすけど。 で、演奏のほうもなかなかいい感じだったりして、これは嬉しいオマケであると言えましょう。 ぶっちゃけ、 「ニカズ・テンポ」 よりもこっちのほうが出来がいいんじゃないっすかね? 終盤はフレディ・ウェイツとの絡みもあって、大いに盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 ということで、ラストっす。 ザイトリンのオリジナルで、 「レクイエム・フォー・リリ」 。 「リリへの鎮魂歌」 っすか。 詩人な僕が邦題を付けてあげたんですが、ま、誰が考えても同じようなのになると思いますけど。 いいですよね、鎮魂歌。 語呂のよさが半端ないっす。 で、曲のほうはというと、鎮魂歌らしく悲痛なムードが溢れまくっていて、暗くて地味で、ぶっちゃけ、これを最後に持ってこなくてもよかったかな。 そんな気がしないでもないんですが、とまあそんなこんなで、今日は以上っす。

【総合評価】 1曲目の出来のよさが突出しておりますな。 で、2曲目がそれに続いて、以下はまあ、惰性かと。 ま、本編ラストの 「青い不死鳥」 も中盤以降は蘇ってくれたし、オマケの 「ニカの夢」 も出来がよくて、最終的にはけっこう頑張ってくれた印象があります。 ドン・フリくんが大丈夫な人なら楽しめるだろうし、斎藤りんご園好きな人にもお薦め出来る、そんなザイトリンなのでありました。


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