HANK (BLUE NOTE)

HANK MOBLEY (1957/4/21)

HANK


【パーソネル】

DONALD BYRD (tp) JOHN JENKINS (as) HANK MOBLEY (ts)
BOBBY TIMMONS (p) WILBUR WARE (b) "PHILLY" JOE JONES (ds)
【収録曲】

(01-02) FIT FOR A HANKER / HI GROOVE , LOW FEED-BACK
(03-05) EASY TO LOVE / TIME AFTER TIME / DANCE OF THE INFIDELS
【解説】 ( 2015年02月15日更新 / 連載 1,154回 )

 今日は活性炭について考えてみたいと思います。 題して 『かっせ、かっせ、活性炭』 。 活性炭を熱く応援しようという、そういう試みなんですが、かっとばせー、活性炭、悪臭倒せー、おおっ! 前回 、脱臭装置の活性炭を入れ替える作業をやらされる羽目になった。 大ハマリする予感しかない。 そんな話を書いたかと思うんですが、今回はその結果についてお話してみようかと。 結論から先に言ってしまうと、中ハマリだった。 そんな感じだったりしたんですが、間を持たせる為に、まずは敵役の 「悪臭」 のほうから片付けておきたいと思います。 題して 『君は悪臭と握手できるか?』 。 汚いヤツとはあまり手を繋ぎたくなかったりするんですが、臭いだけなら…、いや、やっぱり嫌っすか。 匂いが移りそうですもんね、何か。 五感のうちの視覚と聴覚は、光とか音とか波っぽいヤツが間接的に来る感じなんですが、臭覚と味覚は分子が直接的に鼻やら舌にくるイメージだったりして、で、触覚だけはちょっと特殊っすよね。 どこがどう変わっているのか、言葉では説明しにくいんですが、 「百聞は一見にしかず」 という言葉があるように、人間が生きていく上で、外観の認識の90%は視覚が担っているんだそうですな。 のこりの10%を聴覚・臭覚・味覚・触覚で分担しているんですが、その割合が平等なものであると仮定すると、聴覚が2.5%となります。 百聞だと0.025×100=2.5、対する一見のほうは0.90×1=0.90なので、百聞のほうが一見より、しかってるやん! 「三十五聞は一見にしかず」 くらいにしておかないと計算が合わないんですが、のこりの10%を平等に分割したのが悪かったんじゃね? そういう意見もあろうかと思います。 聴覚が0.897%くらいしか担っていないのだとすれば、百聞で0.00897×100=0.897なので、0.90の一見に、しからなくなりますからね。 が、聴覚から得られる情報が触覚よりも少ないとは思えないし、柔らかそうとか、硬そうとか、ツルツルしてるとか、ザラザラしているとか、抽象的でアバウトな感覚しか得られなかったりしますからね、触覚。 熱いとか、冷たいとか、そういった温度の分野も請け負っていたりはするんですが、基本的に、生きていく上ではあまり重要ではないような? あ、でも、ナデナデするとか、モミモミするとか、そんな感触が無かったら、人生というのは極めてつまらないものになっちゃいそうだし、五感のうちのどれか1つを捨てなければ、お前のスネ毛を剃る。 そう脅されたりしたら、とりあえず触覚はキープしておきたいですよね。 無論、視覚と聴覚と味覚は残しておきたいし、となると、残された選択肢はただ一つ。 大人しくスネ毛を剃られる。 それしか無いっすな。

 あ、やめ! 今の話は無し! 剃るんじゃなくて、スネ毛にガムテープを貼り付けて、一気にビッって剥がるのにするっ! そう、敵が方針を変えてきたりすると、ちょっと悩むんですが、となるとアレっすかね? 触覚のうちの “痛覚” の部分だけ捨てるというのが得策だったりしますかね? 痛覚が無くなっちゃえば、ガムテープでビッっとやられても、ぜんぜん平気だったりするしぃ。 となると、人間の感覚の中でも、この痛覚というのがいちばん “いらない子” なんじゃね? そんな気がしてくるんですが、痛覚さえなければ、誰も痛みで苦しむことは無いワケですもんね。 困るのはマゾの人くらい? 神サマはどうして人間にこのような余計な感覚を与えたのか、その真意を測りかねますが、もうひとつよく分からないのが 「良薬は口に苦し」 というやつ。 カラダによいものは苦かったり、マズかったりする。 そういう理屈なんですが、これって変じゃね? そう思わずにはいられません。 カラダにいいものが甘かったり、美味かったりすれば、みんな喜んで食べて健康になって、ハッピーなんですが、苦かったり、マズかったりすれば誰も食べなくなっちゃいますよね。 フグとか、毒があるんだからマズくしておけばいいようなものの、下手に美味しくしちゃったりするもんだから、わざわざ食べて、当たって、痺れて、死んじゃう人が出る始末。 味覚が 「生きる」 という行為にまったく役に立ってないように思えてなりません。 ただ、味覚について未確認なまま、役立たずだと断言しちゃうのもちょっとアレなので、もうちょっと詳しく調べてみようと思うんですが、そもそも “味” には4つの種類があるんだそうです。 すなわち、甘味、塩味、酸味、苦味。 最近は、それに “うま味” を加えて5味にしようという、うま味調味料のステマみたいな動きもあったりするようですが、あるいは 「うま味紳士」 の思惑も働いていたりするのかも知れません。 ちなみに調味料のほうは 「うまみ」 で、紳士のほうは 「うまあじ」 と読むんですな。 吉井理人とか館山昌平がそう呼ばれていて、何のことかと思ったら、そういう名前のホモビデオがあるみたいです。 主人公は “ガッチリで優しそうな40代紳士” で、その顔を見て、心の底から納得してしまったんですが、この5つの味覚にはちゃんとした生物学的な意味があるんですな。 甘味はエネルギー源である糖、うま味はタンパク質、塩味はミネラルへの反応に基づく知覚なんだそうで、これらはすべて生きていく上で欠かせない物質です。 これらを美味いと感じるのは、実に理に適っています。

 残る2つのうち、酸味は有機酸への反応に基づく知覚です。 酸っぱい物が好きという人はさほど珍しくはなくて、その証拠に 「すっぱムーチョ」 とか、そこそこ人気があったりするんですが、酸っぱいのが苦手という人もいますよね。 それもそのはず、有機酸というのは物が腐った時に発生する物質で、酸っぱい = 腐りかけ = やばい。 それを知らせるシグナルだったりするようです。 確かに酸っぱい牛乳とか、ヤバそうですよね。 酸っぱい酢牡蠣とかも。 ま、それは酢が酸っぱいだけだから大丈夫なのかも知れませんが、酢は健康にいいと言われているし、食中毒を予防する効果もあったりするし、酸っぱい = やばい。 一概にそうも言えないような気がします。 で、残る苦味はというと、これは “毒” を検知するセンサー。 僕は毒物を嘗めたことがないので知らないんですが、苦いものが多いそうですな。 腐ったものをたくさん食べると下痢になっちゃうし、毒はちょっとでも嘗めると命に関わるので、舌も酸味や苦味については敏感に反応するように出来ていて、味を感知できる最低の濃度が甘味や塩味の場合は 0.01mol/l であるのに対し、酸味は 0.0018mol/l 、苦味は 0.000008mol/l なんだそうです。 「百甘は一苦にしかず」 どころか、 「千二百四十九甘は一苦にしかず」 くらい? 果たしてそれで計算が合っているのか、今ひとつ自信はないんですが、こりゃ、苦い筈っすよね、ニガウリ。 めっちゃ苦いですからね、あれ。 もう、苦笑いしたいくらい。 ただ、ゴーヤは体にいいという話だし、そこのところが口に苦い良薬と同様、今ひとつ納得がいかないんですが、ま、毒と薬は表裏一体みたいなものだったりしますからね。 めっちゃ効く良薬というのは、半ば毒みたいなものだったりするのかも知れませんが、ちなみにニガウリの苦味成分はモモルデシンという物質なんだそうです。 モモルって、何となく甘い桃の味がしそうな感じなんですが、実際は苦い瓜だったりして、世の中、名前を見ただけでは分からないものでありますなぁ。

 ということで、続いては臭覚です。 このまま、臭覚について何も収穫がないまま終わってしまうのもちょっとアレなので、簡単に触れておきたいと思うんですが、臭覚というのは下痢を回避するのに不可欠な感覚だったりしますよね。 見るからにヤバそうな食い物が目の前にあった場合、人はとりあえずクンクンと臭いを嗅いで、食えるかどうかを判断します。 腐った物は腐敗臭がするので一目瞭然、というか、一鼻瞭然。 腐敗臭発生の仕組みと対策は ここ を見て貰うとして、4大消臭方法。 ほう、そんなものがあるんっすな。 ちなみに4大悪臭というのもあったりしますよね。 腐った臭い、ウンコ臭い、靴下が臭い。とにかく臭い。 その4つが代表的な臭さなんですが、もう少し化学的に言うと、アンモニア臭い、トリメチルアミン臭い、硫化水素臭い、メチルメルカプタン臭い。 魚が腐るとトリメチルアミン臭く、卵が腐ると硫化水素臭く、玉ネギが腐るとメチルメルカプタン臭くなったりするようですが、ウンコ臭いとか靴下が臭いというのは、これらの臭さとアンモニアの臭さがブレンドされて、独特の臭さになったりするものなんでしょうな。 ちなみにウンコの臭いの成分は硫化水素のほかにインドールやスカトール なんかも関わってくるようです。 スカトールとか、いかにもスカトロ趣味っぽいネーミングなんですが、というか、スカトロの語源がスカトールなんっすかね? ちなみにこのスカトール、濃度が薄いとオレンジやジャスミンの香りだったりするようなんですが、毒と薬と同じように、いい香りと悪臭というのも紙一重のものだったりするんですなぁ。 で、臭さの原因は臭い物質が気化して空中に漂って鼻の粘膜を刺激することにあるわけなので、その対策は簡単。 臭いものに蓋をする。 それしかありません。 蓋さえしちゃえば、臭い物質が空中に漂わなくなりますもんね。 が、世の中、どうしても臭い物に蓋を出来ないこともあったりするワケで、そういう場合は4大消臭方法に頼るしかありません。 まずはマスキング消臭。 「くさい臭い」 を 「いい匂い」 で誤魔化しちゃおうという、そういう魂胆なんですが、 「くさい臭い」 と 「いい匂い」 が絶妙にブレンドされて、得も言われぬ凶悪な臭いになっちゃうのが難点でありまして、これならまだ、普通に臭いだけのほうがよかった。 そういう結果になりかねません。 やはり、くさい臭いは元から絶たなきゃ駄目っすなぁ。 ということで、物理的消臭 (吸着消臭) 。 くさい臭いの元を吸着して、物理的に消してやろうという、そういう魂胆です。 そこで登場、活性炭。 炭を高温で加熱したりすると、活性化して活性炭になるようなんですが、小さな孔がたくさんあって、くさい臭いの成分を吸着させるという、そういうアレでありますな。 とまあそんなことで、脱臭装置の活性炭を取り替えてみました。

 アルカリ性ガス吸着用、酸性ガス吸着用、中性ガス吸着用。 それぞれ適材適所で3つのタイプの活性炭があるようなんですが、1台の脱臭装置にはそれぞれ65kgから80kgの活性炭が入っている模様。 そんなクソ重たい物を、どうやって取り替えるねん!? そこが大ハマリを予感させる最大のポイントだったんですが、蓋を開けてみたら、それぞれが4つの箱に分散されて、3種類×4箱=1ダースみたいになっていたので、思ってたよりは大丈夫でした。 が、古いヤツの中には水を吸ってガチガチに固まっちゃってるヤツがあるし、新しいヤツは新しいヤツで粉塵が半端なく、軍手をしていても手が真っ黒になるわ、目に染みるわ、鼻にツーンとくるわ、鼻クソは半端なく真っ黒になるわ、顔が煤 (すす) で炭鉱労働者みたいになるわで、こりゃ、間違いなくカラダに悪いっすな。 じん肺になるがな! いくらKANが 「じん肺ないからねー♪」 と歌ったところで、まったく信憑性がありません。 愛は勝つかも知れませんが、肺は負けます。 肺が敗者になる予感が半端無かったりするんですが、ちなみに脱臭装置って、どんなハイテク機器なのかと思ったら、ただ活性炭の入った箱が積んであるだけだったりして、ちょっと拍子抜けしました。 単なる巨大なキムコっすな。 キムコジャイアンントのジャイアント版というか。 ちなみに普通のキムコが113グラム、ジャイアントが162グラムなのに対して、今回、僕が交換した活性炭の総量は215キログラム。 「百キムコジャイアントは一脱臭装置にしかず」 どころか、 「千三百二十七キムコジャイアントは一脱臭装置にしかず」 のレベル? で、調べてみると最近のキムコはナマ活性炭だけでなく、消臭ゲルとのW効果になっているみたいです。 レギュラーの場合、活性炭13g+活性炭ゼリー100gという割合。 炭入りゼリー部分は小さくなって、取り替え時期をお知らせしてくれるようなんですが、馬鹿でかい脱臭装置もこの方式を採用してくれれば、わざわざ古い活性炭を取り出す手間が省けるのにぃ。 ちなみにキムコの主戦場である冷蔵庫の中は、キムチ臭いのが一番の大敵だっだりするんですが、キムチ臭い要因はニンニクに含まれるアリシンのいう物質である模様。 牛乳には、このアリシンを吸着する作用が有りシン。 そういう話なので、消臭用にニンニクの隣に開封した牛乳を置いておくというのも手かも? ただ、アリシンを吸ってキムチ臭くなった牛乳とか、あまり飲みたくはないので、その牛乳は消臭専用ということになっちゃいますな。 開封しているから、誤ってこぼしちゃう恐れもあるんですが、牛乳を拭いた雑巾をそのまま放置して、得も言われぬ凶悪な臭いになっちゃったりして、うーん。。。 これならまだ、キムチ臭いほうがマシやんっ!

 やはり、悪臭と握手するのはなかなか難しそうなんですが、何でもいいけど 「くさい臭い」 って、わざわざ嗅ぎたくなったりしませんか? 「怖いもの見たさ」 の臭覚版で、 「臭いもの嗅ぎたさ」 みたいな。 そんな性癖の人にお薦めの資格があったりします。 臭気判定士 。 筆記検査と臭覚検査があるんですな。 実地試験では花のにおい、桃の缶詰のようなにおい、甘いこげ臭、かび臭いにおい、むれた靴下のにおいの5種類を嗅がされたりするようです。 めっちゃ楽しそう♪ 悪臭っぽいのがカビと靴下だけというのがちょっと物足りない気もするんですが、 「くさい臭い」 と 「いい匂い」 のコラボが最強だという結論も出ているし、とりあえず今から靴下に桃缶の汁をぶっかけて、しばらくコタツの中で蒸らしてみようかと思うんですが、とまあそんなことで、臭気に関する手記は、おしまい♪

 ということで、今日はハンク・モブレイっす。 ハンクの 『ハンク』 というアルバムを取り上げてみたいと思います。 何のひねりもないタイトルっすな。 ジャケットの超シンプルで、そこのところが僕の心を捉えたんですが、 『完全ブルーノート・ブック』 によると、ブルーノート得意のブローイング・セッションであり、ハード・バップの典型的な3管フォーマットを聴かせるハンク・モブレイのポピュラーな作品。 A面に長尺のオリジナル2曲を配し、3管ブローイングの中でモブレー節が好調で、新進気鋭のジョン・ジェンキンスドナルド・バードの若いフロント起用が成功している。 ジョニー・グリフィンの 『ブローイング・セッション』 と好一対をなす作品だが、意欲という一点でいえば本作の熱気がグリフィン盤を上廻るといっていいだろう。 ただし… (後略) by 原田。そういった作品である模様です。 ずっと前に買ったヤツが見当たらないので、中古品を再購入したんですよね、完ブル・ブック。 新品でない事は分かっていたんですが、思っていた以上に中古でありました。 いや、状態としてはまあまあだったんですが、前の持ち主が自分の持ってるアルバムに “○印” を付けてくれちゃっているんっすよね。 ま、僕もまったく同じことをしていたので、あまりとやかくは言えないんですが、1500番台はかなり揃えていた模様です。 ブルーノートの1500番台はぜんぶ集めるぞ。ただし、ジミー・スミスは除く。 そういう趣向の人なのかと思ったら、ちゃんとスミス物にも印が付いていて感心なんですが、 『ザ・スタイリング・オブ・シルバー』 を持ってなかったりとか、意外な穴が。 ちなみに1560番の 『ハンク』 はちゃんと持っていたようですが、4000番台になると活性炭並みに穴が増えてきたりして、なかなか興味深いものがあります。 で、この先、僕はこのアルバムの内容を文章で説明しなければならないんですが、こと音楽に関して言えば、 「百聞は一見にしかず」 という諺はまったく成り立たなくて、いくら書いてあるのを読んでみたところで、ちっとも 「音」 は聞こえてきませんよね。  「百見は一聞にしかず」 なので、とりあえず自分の耳で聞いてみてね♪ そうとしか言いようがないですが、ま、そうも言ってられないので、とりあえず適当に片付けておきましょう。

 ということで、1曲目。 A面に長尺のオリジナル2曲を配し…のうち、まずは 「フィット・フォー・ア・ハンカー」 。 直訳すると 「切望のために適合してください」 となるんですが、 “HANKER” は、名前の “HANK” に引っ掛けたものでありましょう。 で、曲のほうはというと、なるほど。 確かに切望のために適合しておりますな、こりゃ。 言いつけをきっちりと守っていて立派でありますが、ミディアム・テンポで軽快にバウンスするハード・バピッシュな佳曲といったところでしょうか? 3管モノなんですが、アレンジは基本、シンプルなユニゾンであると言っていいのではなかろうかと。 AABA形式の “A” の部をユニゾって、 “B” の部だけテナー単独で。 そういう手法が取られております。 で、ソロ先発はドナルド・バード。 ちょっぴり上ずっているのがちょっとアレなんですが、で、続いて登場するのはジョン・ジェンキンスっす。 いいっすよね、ジェンキンス氏。 曽我ひとみさんの旦那で、ジェンキン寿司で働いているんっすよね。 ジャズの世界ではジャッキー・マクリーンに酷似したスタイルの持ち主として、その筋では人気が高いんですが、ここでもその独特の濁ったトーンを堪能することが出来ます。 続くボビー・ティモンズの知的ファンキーなピアノのソロも良好で、最後を締めるモブレーは、うーん、まあまあ? モブレイ節と呼ばれるスタイルは、サバ節的なイノシン酸のうま味を感じさせるんですが、今ひとつ都会派アーバンでないところが評価の分かれるところではなかろうかと。 ちなみにサバ節について調べてみたら、サバ節はかつお節と反対でイノシン酸の含有量はゼロで全てがグルタミン酸です。 そんなことが書かれていたんですが、知りもしないのに思い付きだけで適当なことを書いてはいけませんな。 サバとカツオって似たようなサカナなのに、ちょっと意外な気がするんですが、更に調べてみると、和風だしのベースに鰹節・鯖節・干し椎茸・昆布を使用しています、鰹節・鯖節はイノシン酸、干し椎茸はグアニル酸、昆布は代表的な旨み成分グルタミン酸があります。 そう書かれているところもあったりして、何が何だか。 ちなみに、そう書いてあるのは 有限会社サバ というところなんですが、で、サバ節にイノシン酸が皆無とか言ってるのは、 こちら 。 どちらの肩を持つかと言われたら、やっぱり有限会社サバのほうを贔屓にしたいんですが、サバと豚、どちらの肩をロースにしたいかと言われると、それは豚だったりするんですけど。 サバとか、どこが肩なんだかよく分からなかったりするしぃ。 …とか言ってるうちに演奏のほうが終わってしまったので、改めて最初から聞き直してみたんですが、ピアノ・ソロの後、3管の合奏とウィルバー・ウェアのベースとの絡みがあったりする事が判明しました。 で、その後、今ひとつ垢抜けないハンクのソロがあって、テーマに戻って、おしまい。 そういう流れだったりするんですが、わりと凝った作りでありますな。 悪くないと思います。

 で、次。  「ハイ・グルーヴ・ロウ・フィード・バック」 。 「ハーイ、溝をつけて、低く、返ってください」 。 とあるソフトで翻訳してみたら、そんな訳語が出て来たんですが、 「ハーイ」 というのは、ちょっと違うような気がしますな。 いくらなんでもイクラちゃんをリスペクトし過ぎだと思うんですが、 “グルーブ” をジャズ的に正しく日本語にするのは、ちょっと無理な話だとして。 で、曲のほうはというと、フィリー・ジョーとの絡みが、なかなかエキサイティングなハード・バピッシュな佳曲。 そんな感じだったりするんですが、テーマの後、すぐにモブレイのソロが出てくるところが、ちょっとアレだったりします。 この人はあまり前面に出て来ないほうがいいっすよね。 ま、この人のリーダー作だから、前に出て来ちゃうのは必要悪みたいなものだったりするんですけど。 で、以下、トランペット、アルト、ピアノの順でソロが披露されるんですが、個人的にはやっぱりジェンキン寿司とティモンズの出来がいいな♪ …と。 で、続くウィルバー・ウェアのウォーキング・ベースも、なかなか着実な歩みを感じさせて、良好だと思います。 で、最後はハンクとフィリー・ジョーの掛け合いで地味に盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 で、次。 歌物ナンバーの 「イージー・トゥ・ラブ」 。 日本語にすると 「いい痔と騾馬」 っすか。 これはソフトに頼らずに、自分の力だけで頑張って訳してみたんですが、痔に、いいとか悪いとか、あるんっすかね? いや、良性の痔とか、悪性の痔とか、普通にありますか。 で、騾馬が痔になるかどうかはよく分からんのですが、 「馬 痔」 でググってみたら、「イボ痔・切れ痔に! - 馬油バイブル」 とか出て来たので、騾馬にまったく無関係というワケでもなさそうです。 で、演奏のほうはいうと、アップ・テンポのスインガーだったりして、なかなか調子がいいっすな。 テーマ部は極めて短くて、歌物っぽさがあまり感じられなかったりするんですが、ソロの先陣を切るモブレーがなかなかいい感じだったりします。 この人は速いテンポのほうが、もっさり感が希薄になって、いいっすな。 よくよく聞くと、アドリブのフレーズが確かに 「イージー・トゥ・ラブ」 のコード進行やな。 そんな気がしないでもなくて、で、続くドナルドくんも、なかなかのバードっぷりだったりしております。 この人も速いテンポのほうがよかったりしますかね? で、以下、ジェンキンス、ティモンズと、各自の快調なソロが続いて、でもって、ts→ds→tp→ds→as→ds の4バースで大いに盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 ぼーっと聞いていると、何ていうことのないブローイング・セッションだと思えるかも知れませんが、めっちゃテンションが高い、なかなかの好演でありました。

 で、続く 「タイム・アフター・タイム」 は、しみじみとしたバラードっす。 ドナルド・バードがワン・ホーンでしみじみとテーマを歌い上げた後、ちょっぴりテンポが速くなって、アルトとピアノのソロが繰り広げられる。 そういうアレだったりするんですが、ここまで、完璧であると言っていいかも知れません。 この後、ハンクくんが全てを台無しにしちゃうんじゃないかと心配されたんですが、でも大丈夫。 垢抜けないのは相変わらずなんですが、悠然とした吹きっぷりが心に安寧を与えてくれて、アンネ・フランクも思わずフランク永井。 長いフランクフルトが食べたくなっちゃいますが、最後はそこにバードのラッパが絡んで来て、でもって、エンディング。 完璧っす。 で、ラスト。 バド・パウエル作の 「ダンス・オブ・ザ・インフィデルズ」 。 「異教徒たちの踊り」 というヤツっすな。 個人的にあまり好きな曲ではないので、晩節を汚しちゃうんじゃないか。 そう懸念されたんですが、でも大丈夫。 ま、あまり面白くない曲であるのは確かなんですが、アップ・テンポで繰り広げられる各自のソロは、まあまあの出来だったりして、良くはないけど、悪くもない。 そういったレベルは確保されております。 終盤はフィリー・ジョーのソロでけっこう盛り上がったりするし、ラストの3管のチェイスはなかなかにエキサイティングだし、とまあそんなこんなで、テーマに戻って、今日のところは、おしまい。

【総合評価】 地味なイメージの1枚なんですが、聞いてみたら、かなりいい出来だったりしておりました。 意欲という一点でいえば本作の熱気がグリフィン盤を上廻るって、そんなワケあらへんやろ〜。 そんなふうに思ったりもしていたんですが、それも決して、的外れではないような? 寡作家であるジョン・ジェンキンスのプレイがたっぷり聞けるのは貴重だし、与作家な北島三郎にも肩を並べる出来だったりして、オススメ♪


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