TAKE AIM (BLUE NOTE)

HAROLD LAND (1960/7/25)

TAKE AIM


【パーソネル】

MARTIN BANKS (tp) HAROLD LAND (ts)
AMOS TRICE (p) CLARENCE JONES (b) LEON PETTIS (ds)
【収録曲】

(01-03) AS YOU LIKE IT / TAKE AIM / LAND OF PEACE
(04-06) REFLECTIONS / BLUE NELLIE / YOU'RE MY THRILL
【解説】 ( 2015年03月15日更新 / 連載 1,157回 )

 年度末っすなぁ。 デーモン閣下っぽく言うと、粘奴魔IIっすなぁ。 3件抱えている工事のうち、2件は無事に片付いたんですが、残るひとつがちょっと問題。 作らなければならない書類が山ほどあって、まったく片付く気がしません。 ぶっちゃけ、こんな原稿を書く暇もなかったりするんですが、でもまあ、工期末は3月23日ですからね。 次の週末は完全に追い詰められることになろうかと思うんですが、現時点ではまだ、現実逃避するだけの余裕はあります。 そこでまあ、年度明けに行く予定になっている旅行のプランでも練って、気を紛らわそうと思うんですが、春になったら小豆島と琴平に行こう。 そんな話をどこかに書いたのではなかったかと思うんですが、1泊目は 小豆島国際ホテル を押さえました。 エンジェルロードが目の前で、めっちゃ景色がよさそう♪ 温泉も2箇所合って、男女で入れ替えがあるので、存分に楽しめそうです。 ただ、食い物部門にちょっと難があります。 僕が予約を入れた時点では ここ の上から3つめまでのプランしか選択肢が無かったんですが、魚貝類の類いがあまり好きではなくて、サカナよりも肉を食わせろ! そういう趣向の僕にとって、この “小豆島会席” というのは、まったくソソられるものがありません。 肉っ気がほとんど無いやんっ! まだ “小豆会席” で、あずきの煮たのとか、あずきの焼いたのとか、あずきの揚げたのとかを食わされるほうがマシではなかろうかと。 ま、それも肉っ気は無いという点では同じなんですが、大豆なら 「畑の肉」 とか言われているので、何とかなりそうなんですけどね。 昔のカップヌードルに入っていた謎肉がドンブリの底に沈んでいる台湾ラーメンだとか。 食い物に糸目を付けない、イトメンのチャンポンめん好きの僕としては、料金が高くなってもいいので、ワンランク上を目指したいところなんですが、 “特選会席” のほうだと、鮑の踊り焼きと、地のワタリガニの酢の物が付いてくる模様。 どちらもいらねぇ。。。 ということで、別注メニューで特選ビーフステーキ (¥2,500) というのを追加する方向で手を打つことにしたんですが、そうこうしているうちに、 “エンジェル会席” のプランが予約出来るようになりました。 当ホテル40周年の記念に、恋人の聖地 「エンジェルロード」 をイメージしてつくられた創作料理。小豆島の海の幸・山の幸から美容にいいとされる食材を厳選しておりますので、女性やカップルにオススメです。 僕にはまったくオススメされてないような気がしないでもないんですが、構わん。 自主的に食ってやるぅ!

 ということで、プランを変更することにしました。 小魚の煮付とか、いらん食い物もあるんですが、洋皿の 「牛肉の炭火焼と小豆島グルメのひしお丼」 に期待♪ で、追加の特選ビーフステーキは取りやめることにしたんですが、この洋皿、期待していいんっすかね? 小豆島グルメのひしお丼って、名前だけ見ると何だか美味しそうなんですが、要はこれ、醤油丼なんっすよね。 小豆島産の醤 (ひしお) さえ使われていれば、何でも 「ひしお丼」 だドン! そういう、けっこうアバウトな創作系ご当地グルメだったりします。 「牛肉の炭火焼と…」 だから、ひしお丼の他に、牛肉の炭火焼は独立したメニューとして食えるんっすよね? 洋皿にゴハンをよそって、牛肉を2切れくらい載せて、醤油を垂らした食い物だったりしませんよね? ま、肉っ気は次の日、 琴平花壇 で、しこたま摂取することになっているので、初日は少なめでいいような気もするんですが、 【ランクアップ】 瀬戸の海幸と讃岐の山里の幸のグルメチョイスプラン のうち、讃岐三畜 (讃岐牛・讃岐コーチン・讃岐夢豚) をちりばめた会席というのをチョイスしたんっすよね。 前菜、煮物、焼物、油物と、牛、豚、鶏の畜肉づくし♪ 精進料理とは対極の畜生料理、バンザイ♪ …ということで、宿だけ決めてから、観光のほうのプランを色々と練ってみたんですが、香川ってぶっちゃけ、あまり見るところが無かったりしますよね。 小豆島を除けば、高松の栗林公園と、琴平の金比羅さんくらい。 あとはまあ、丸亀城とか。 食い物のほうはウドンと骨付鶏があるので、昼メシはそれでいいとして、栗林公園も、金比羅さんも、丸亀城も、何年か前に行ったことがあるんですよね。 桜の季節だとまた違うのかも知れませんが、小豆島は小豆島でクルマが無いと不便そうだし、うーん。。。 そっちのほうは 島めぐり観光バス を利用しようかとも思ったんですが、 サルも、映画村も、オリーブ公園も、地味に微妙そうな気が。  寒霞渓 だけはよさそうなんですが、ここで各自が自由に昼メシを食うという方針であるらしく、あまりゆっくり散策が出来ないような気も。

 で、いろいろ悩んだ結果、琴平と讃岐三畜は捨てて、宮島まで足を伸ばすことにしました。 宮島も何年か前に行ったことがあるんですが、大鳥居が工事中で、めっちゃ足場で囲まれていて、不満だったんっすよね。 宮島は秋にしようか? 安芸の宮島というくらいだしぃ。 そういう案もあったんですけどね。 紅葉も綺麗らしいので、11月21〜23日の三連休で。 で、すっかりその気になって、いろいろと調べてみたんですが、この日程は何かと微妙であることが判明しました。 まずは 潮汐 。 11月21日は長潮、22日は若潮、23日は中潮。 何かもの凄く中途半端で、地味な潮っすな。 長潮、若潮って、朝潮太郎(4代目) 、現・若松親方、本名・長岡みたいで、まったくソソられるものがありません。 あ、朝潮って今、高砂親方をやってるんですな。 それだと若潮ではなくて、高潮っぽかったりするんですが、嚴島神社が海に浮かんで見える潮位の目安は250cm以上、大鳥居の根元まで歩いて行ける潮位の目安は100cm以下です。 それに対して、この3日間の昼間の干潮時の潮位は21日が109cm、22日が101cm。 凄ぇぇぇ微妙っすなぁ。 前回、厳島神社には満潮に合わせていったので、今度は干潮時も体験してみたいんですよね。 9センチくらいなら何とかなるんじゃね? そんな気がしないでもないんですが、深さ9センチの水たまりの中を歩けと言われると、長靴じゃないと、ちょっと躊躇っちゅねー。 1センチなら大丈夫だと思うんですが、潮位101cmの状態がそれくらい持続するのか分からないし、夕日も海ではなくて、島のほうに沈んじゃうみたいだし、秋の宮島、駄目じゃん! ま、大丈夫な日もあるんでしょうが、紅葉の見頃、海に沈む夕日、カピカピ干潮。 この3要素を満たすのは、難しい情勢であるようです。

 じゃ、春の宮島はどうなのかというと、僕が行く予定の4月5日は大潮で、6日が中潮。 タイドグラフはこんな感じになっております。

4月5日のタイドグラフ♪ 4月6日のタイドグラフ♪

 5日の夕方が干潮日和、6日のお昼前が満潮の絶頂。 そんな感じでありますな。 5日の夕方16時23分の潮位は27cm、それが22時36分には341cmまで満ちるようです。 城みちる、大歓喜♪ 深さ27cmの海でイルカに乗っても、ぜんぜんサマになりませんからね。 満ちてこそ、みちる。 で、その日の夕日の沈み具合のほうはというと、

4月5日の日没具合♪

矢印から右のほうに伸びているのが日の出の方向で、左のほうが日の入。 めっちゃいい感じに大鳥居のほうに沈んでくれそうで、大鳥居ヘップバーン、大歓喜♪ 「和民」 大鳥居店のメニューにあるみたいですな、大鳥居ヘップバーン。 ノンアルコールカクテルの名前みたいなんですけど。 で、宮島はまた、桜の名所でもあったりするようなので、桜の見頃、海に沈む夕日、カピカピ干潮。 この3要素は、春の宮島なら大丈夫。 で、後は宿をどうするかなんですが、とりあえず 錦水館 というところを押さえました。 お一人様だとクソ地味なシングルの部屋にしか泊まれないのがちょっとアレなんですが、地味ながらも一応は天然温泉があるみたいだし、で、 夕食 のほうも、うーん、まあまあ? 魚貝類の類いがあまり好きではない僕は、貝の類いの牡蠣もフライ以外はちょっとアレだったりするんですが、春メニューだと吸物と焼物が牡蠣っすな。 牡蠣厳禁というほどではなく、別に食えないというワケではないんですが、宮島牡蠣の西京グラタンっすか。 僕にとって最強のグラタンはマカロニベースにソーセージを散りばめた奴だったりするんですが、広島である以上、鮭は避けられても、牡蠣は避けられないんでしょうなぁ。 で、肉っ気要素としては、 「峠下牛と季節野菜のレモン風味鍋」 のみ。 讃岐三畜に比べると、大幅パワーダウンな感は否めません。 2,000円アップで 「広島牛ヒレ肉の溶岩ステーキ」 に変更出来るようで、大いにソソられるものがあるんですが、峠下牛のレモン風味鍋というのも食べてみたいので、別注で「特選!広島牛陶板焼き」 (\3,200) を頼んでやるぅ! これで三畜には至らないものの、二牛は確保出来ましたな。 トリ成分は初日に骨付で賄うことにしようかと思うんですが、宇多津の ここ なら、ウドンと一緒に何とかなりそうで、いいかな? …と。 ぶっかけうどんと鶏天のコラボが最強レベルだったりするんですが、カレーつけうどんと骨付鳥のセットというのもいいっすなぁ。町で噂の、辛口セクシー・ギャル、甘い誘い、はねつけるスパイシー・ギャルって感じ? 結構スパイシーなんっすよね、骨付鳥。 うどんとのコラボでは こんなの もあるようですが、いいっすなぁ、これ。 自分用のお土産はこれで決まりっすかね? ラーメンと絡んだ こっち も捨てがたいんですが、ベビースターは、うどんの奴もイケるんっすよね。 これ 。 前回、香川に行ったのは2011年だったんっすな。 で、その翌年に宮島に行ったんですが、その時は満潮時の厳島神社を駆け足で回った感じだったので、今回はじっくりと腰を据えて、干潮、満潮、夕日、ライトアップ、弥山の ロープウェイみやじマリン を堪能しようかと。

 水族館ではちょうど特別企画展 「深海魚ッチ (しんかいウオッチ)」 というのをやってるみたいで、半冷凍状態のリュウグウノツカイをオサワリ出来たりする模様です。 ダイオウグソクムシも展示されるんですな。楽しみ♪ で、宮島と言えば “揚げもみじ” は欠かせませんな。 3年前に食って、あまりの美味さに感動したんですが、調べてみたら “揚げもみソフト” なんてにもある模様。 この店 っすな。 せっかくの熱々、サクサクな揚げもみじが冷えてフニャフニャになるんじゃね? ソフトクリームは熱でドロドロに溶けちゃいそうだしぃ。 そんな気がしないでもないんですが、コメダ珈琲のシロノワールという成功例もあるみたいなので、大丈夫っすかね? ちょうど僕がお泊まりする宿の近くみたいなので、空いている隙を狙って、突撃してみようかと。 食い物に関してはかなり楽しみな旅になりそうなんですが (※ただし、小魚の煮付と牡蠣は除く) 、宿関係では こんなブログ を発見しました。 「仕事も一段落、自分にご褒美、気ままに一人旅」 っすか。 まさに今回の僕と同じコンセプトでありますな。 いいっすなぁ、“OLあきな”。 “女子高生ひなの” に比べると、ソソられ具合はやや低かったりするんですが、 「宮島 錦水館」 で、OLあきなちゃんに逢えるのが楽しみぃ♪ ま、問題は無事に仕事が一段落するかどうかなんですが、お礼に宮島牡蠣の西京グラタンをあげるので、仕事を手伝って貰えませんかねぇ、あきなちゃん。 峠下牛のレモン風味鍋は僕が食べてあげるから、よろしくね☆

 ということで、今日はハロルド・ランドっす。 地味っすな。 日本での人気はスタンリー・タレンタインよりもちょっと下で、チャーリー・ラウズと同レベル。 そんな感じではないかと思うんですが、活動の拠点が西海岸なので、露出の度合いではちょっと不利だったりしますよね。 露出で不利だから、フリチンになろう! そういう積極姿勢が大切なのではないかと思うんですが、今日はそんなハロ・ランの 『テイク・エイム』 というアルバムを取り上げてみたいと思います。 珍しくブルーノート盤だったりするんですが、その素性はかなり怪しくて、ジャケットからもヤル気というものがまったく伝わって来なかったりします。 ジャズは死んだ感が半端ない、BNLTシリーズでありますな。 僕の持ってるCDに、マイケル・カスクーナによる 「2012年版のためのノート」 という記載があるんですが、これは1960年のブルーノートにとって、高度に特異なアルバムだ。 アルフレッド・ライオンのプロデュースでもなければ、ルディ・ヴァン・ゲルダーの録音でもない。 当時はまだニューヨークに住んでいたレナード・フェザーが別の仕事でロサンゼルスに出張する折、アルフレッド・ライオンを説き伏せて、自分の裁量でブルーノートのためにラジオ・レコーダーズで行ったハロルド・ランドのセッションだ。 そういったアレであるようです。 ライオンくんは、あまりお気に召さなかったようで、このセッションはブルーノートの標準に届いていないと考える旨のメモを残したそうです。 フェザーごときが、好き勝手しやがって。 フェザー剃刀でフェザーの毛ぇ、剃ったろか!? そう、苦々しく思ったに違いありませんが、で、これ、参加メンバーが超地味地味だったりしております。 トランペットがマーティン・バンクス、ピアノがエイモス・トリス、ベースがクラレンス・ジョーンズ、ドラムスがレオン・ペティス。 誰一人として、知った名前がねぇ。。。 語尾に 「ス」 や 「ズ」 が付く人ばかりで、無駄に語感はよかったりするんですけどね。 西海岸のジモティを適当に掻き集めたのではないかと思われますが、ライオンくんの逆お墨付きもあることだし、適当にさっさと片付けちゃいましょう。

 ということで、1曲目。 ハロ・ランくんのオリジナルで、 「アズ・ユー・ライク・イット」 。 原文ライナーは剃毛されたかも知れないフェザーくんが書いているんですが、速いテンポで演奏されるバップ風の曲である。 そういったアレであるようです。 ちょっぴりタッド・ダメロンっぽい気配が感じられないような気がしないでもなくて、勢いがあって、悪くないと思います。 先場所、1勝14敗と大負けした勢 (いきおい) くん、今場所はここまで4勝3敗で、悪くないっすな。 期待されている十両の輝 (かがやき) くんは2勝5敗と、今ひとつ輝いていないみたいっすけど。 育盛 (そだちざかり) くんは、まったく育たないまま引退しちゃいましたが、で、演奏のほうはというと、ソロの先陣を切るランドの勢いが素晴らしいっすな。 ブラウン=ローチ・クインテットでのそれを彷彿させる吹きっぷりでありまして、いつものハロ・ランっぽさを充分に満喫することが出来ます。 続いて登場する謎のトランペッター、マーティン・バンクスとやらをブラウニーと比較するのはちょっと酷なんですが、意外とハードで正統ビ・バップなプレイを展開してくれておりまして、思わぬ拾いものでありました。 続いて登場する謎のピアニスト、エイモス・トリスとやらも、まずまずです。 で、謎のベーシスト、クラレンス・ジョーンズはピチカートとアルコの両方でソロを取るという、余計なことをやってくれているんですが、弓さえ使わなければ、途中までは普通にいい感じだったのにぃ。。。 で、ラストは ts→ds→tp→ds の掛け合いで大いに盛り上がって、このあたりもブラウン=ローチのそれを想起させますな。 とまあそんなこんなで、テーマに戻って、おしまい。 いやあ、悪くなかったっす。

 で、次。 アルバム・タイトル曲の 「テイク・エイム」 はピアニストのエイモス・トリスくんのオリジナル。 かなり凝った構成であるように見受けられる…というか、聞き受けられるんですが、10小節のフレーズと9小節のブリッジが組み合わされた、面白い構成の曲。 そういうアレであるようです。 10小節のフレーズのほうは、ブラウニーの何とかという奴にちょっと似ているような気がしないでもないんですが、いや、盗作とか、パクリとか言いたいのではなくて、リスペクトしているのではなかろうかと。 9小節のブリッジのほうではオリジナリティを発揮しているし、エイモスくん、なかなか、ええ感じのモスっすなぁ。 で、演奏のほうはというと、ランド、バンクスの順で各自の順調なソロが披露されて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 3分37秒という、ほんのちょっとした小さなプチ小品といった仕上がりなんですが、悪くはなかったと思います。 で、次。  「ランド・オブ・ピース」 は私が書いた曲であり、このセッションのために特にアレンジを施した。 そういったアレであるようです。 プロデュースに作曲に編曲に、レナード・フェザーくん、八面六臂な大活躍でありますなぁ。 ライオンくんは、ますますもって面白くないに違いありません。 ランドの為に書いたから 「ランド・オブ・ピース」 なのかと思ったらそうではなくて、1963年、ラサーン・ローランド・カークによって初めてレコーディングされた曲なんだそうで。 ググってみたら これ に入ってました。 毎年、百日紅(さるすべり)の花が咲く頃になると、今年の初滑りはどこにいこうか?…と気もそぞろになり、鶏のそぼろを食べたりすることになるんですが、うんぬん。 そんな、つまらないことが書いてあるんですが、最近、頻繁に食っておりますな、鶏のそぼろ。 ファミマの これ が妙に気に入って、このところ激しくリピートしていたりするんですが、鶏そぼろはミンチとダイスカットを組み合わせ、うんぬん。 ダイスカットって、大豆を切ったヤツ? …とか思って調べてみたら、サイコロ状に切ったもの。 そういった意味であるようですが、挽肉にしたのと、小さくカットしたのとで、食感のある “そぼろ” に仕上げてあるようです。 ほぉ、いろいろと工夫をしているんですなぁ。 明日、また買って、その真意を確かめてみようと思うんですが、で、曲のほうはというと、評論家で時に曲も書くレナード・フェザーが、ローランドのために書き下ろした曲…なんだそうですが、いや、フェザー君にこんな才能があるとは知りませんでしたな。ま、せいぜい、フェザーの剃刀で剃毛プレイをするくらい?…と、タカをくくっていたんですが、うんぬん。 相変わらずの剃毛ネタで、持ち駒の少ない僕って、ちょっぴり可愛いな♪ そう思わずにはいられませんが、これがまた、なかなかにラブリー&キュートな仕上がりだったりして、マーティン・バンクスのミュート・プレイもなかなかいい感じ。 隠れ名手であると言っていいかも知れませんな、この人。 続くエイモス・トリスのピアノもブルーな味があって、とってもブルーベリーYGH。 そのまま流れでクラレンス・ジョーンズのソロに突入するんですが、弓を使うという愚行を繰り返さなかったのは賢明な判断だったと言っていいのではなかろうかと。 で、最後はランドがきっちり締めて、テーマに戻って、おしまい。 文句無しの名曲・名演であるな。 そのように評価していいのではないかと思います。

 で、次。  「リフレクションズ」 。 モンクに同名の曲がありますが、こちらはランドのオリジナル。 6小節のフレーズと8小節のブリッジという、そういう構成のようですが、出来としては、まあまあ? で、ランドのソロも、まあまあ? ま、悪くはないと思うんですが、ちょっぴり一本調子になりつつあったりして、その点ではマーティン・バンクスのプレイのほうが新鮮な気持ちで楽しめたりするかも知れません。 で、以下、ピアノとベースのソロがフィーチャーされて、終盤はテナーとトランペットの絡みでそこそこ盛り上がって、最後はそこにドラムスも絡んで来てでもって、テーマに戻って、おしまい。 で、次。  「ブルー・ネリー」 はバンクスくんのオリジナル。 楽器を吹くほうでは、なかなかの才能を感じさせてくれているんですが、作曲のセンスも非凡なものがあるようで、いかにも日本人好みのブルーでネリーな作品に仕上がっております。 ソロ先発のランドは、なかなか快調。 バンクスくんは絶好調。 トリスのピアノもブルージーっすなぁ。 あばよブルージーン、お前のー、きらり眩しい胸にはー、きらめく銀のネックレス、焼けた肌、決まり過ぎだぜー♪ by 近藤真彦。 いいっすなぁ、マッチ。 さりげなく人命救助をしたりするしぃ。 詳しくは 「人命救助さりげなく」 でググって貰うとして、で、最後はベースのソロでありますか。 このクラレンス・ジョーンズという人、ちょっと前に出過ぎな気がするし、遂に我慢が出来なくなっちゃったのか、ここではアルコも解禁しちゃってるし、ちょっとアレな気がしないでもないんですが、何とか被害は最小限に留まって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 ということで、ラストっす。 最後を飾るのは歌物ナンバーの 「ユー・アー・マイ・スリル」 。 ランドくんがしみじみとワン・ホーンでメロディを吹いて、そこに時折、バンクスくんが絡んでくるという、そういうアレンジが施されているんですが、なかなか味わい深いバラードに仕上がっております。 アドリブ・パートに入ると、かなりテンポが速くなるんですが、間延び防止措置として、賢明な判断と言えるのではなかろうかと。 ランド、バンクス、トリスと続くソロは、どれも良好。 クラ・ジョーのペース・ソロは、またかよ! そんな気がしないでもないんですが、湯弓弾きは自重してくれたのでギリギリで許すとして、でもって、バラードなテーマに戻って、今日のところは以上っす。

【総合評価】 このセッションはブルーノートの標準に届いていないと考える。 これはアルフレッド・ライオンの嫉妬心から来る不当な発言であるな。 そう言わざるを得ない、標準以上の出来となっておりました。 サイドマン全員が、よく知らない人達ばかりだったりするんですが、そんなの関係ねぇ! 特にマーティン・バンクスが出色の出来でありまして、もう、デキストリン好きの出来杉くんみたいな。 出来杉とか、花粉症の僕からすると、出来るな! …と言いたくなる杉だったりするんですが、鼻水をも吹き飛ばす勢いのある演奏が楽しめて、オススメ☆


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