EXULTATION! (PRESTIGE)

BOOKER ERVIN (1963/6/19)

EXULTATION!


【パーソネル】

FRANK STROZIER (as) BOOKER ERVIN (ts)
HORACE PARLAN (p) BUTCH WARREN (b) WALTER PERKINS (ds)
【収録曲】

(01-03) MOOCHE MOOCHE / BLACK AND BLUE / TUNE IN
(04-06) JUST IN TIME / NO LAND'S MAN / MOUR
【解説】 ( 2015年04月12日更新 / 連載 1,159回 )

 小豆島と宮島に行ってきました。 当初は初日に高松を回って、小豆島に移動して、お泊まり。 翌日、定期観光バスで島を堪能して、琴平に移動して、お泊まり。 最終日は金比羅さんにお参りして、帰途につく。 そんなプランを考えていたんですが、気が変わって2日目の宿泊先を宮島にしたので、香川県の持ち分が少なくなりました。 小豆島のエンジェルロードだけは行ってみたいんですが、ぶっちゃけ、それ以外の観光スポットは微妙だったりするので、バッサリ斬り捨てますかね? で、代わりに浮上したのが多度津と宇多津という、香川2大・無駄に語呂がいい 「つ」 のコンビ。 香川にはもう1つ…というか、もう2つ、観音寺と善通寺という、2大・無駄に語呂がいい 「じ」 のコンビもあったりするんですが、そちらは今回はパス。 多度津で桜を眺めて、宇多津でウドンと骨付鳥のセットを食って、高松で栗林公園を散策して、小豆島に向かう船の中から夕日を眺める。 そんなプランを考えたんですが、小豆島なんて、そうそう行く機会はないような気もするので、せっかくなので定番スポットだけは押さえておくことにしました。 多度津と宇多津とウドンと骨付鳥は諦めるしかありませんが、とまあそんなことで、出発。 小豆島にはいくつも港があって、色んなところから船が出てたりするんですが、今回、僕が選んだのは高松から高速艇で土庄港に向かうプラン。 新幹線で岡山まで行って、そこから快速マリンライナーというので瀬戸大橋を渡りました。 調べてみるとこの列車、先頭車両が2階建てになっていて、2階部分にはグリーン車、1階部分には普通車指定席があり、また運転室越しの展望が堪能できるパノラマグリーン席もあります…とのこと。 せっかくなのでパノラマグリーン (1号車・1−A席) を押さえることにしたんですが、とまあそんなことで、岡山駅を出発〜。


< 快速マリンライナー > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 ・・・・・。 運転席の真後ろ過ぎて、パノラマ感が今ひとつっすな、こりゃ。 1−D席のほうがよかったような気が。 ま、こんなこともあろうかと思って、翌日の高松発、岡山行きのほうは1−Dを押さえたからいいんですが、(写真・いちばん上) には、ガラスに反射した撮影者の姿が映ってしまっておりますな。 この時期は花粉が怖いので、マスクが手放せない…というか、口と鼻放せません。 ちなみにパノラマグリーン席は2階建て車輌の1.5階みたいなところにあって、1階の普通車指定席や2階の一般グリーン席とは隔離された半個室みたいな感じになっております。 他に誰もいなければ、独占・ザ・殿様機分を満喫出来るんですが、生憎とC席にウザい爺ィがおりました。 どのようにウザいのかというと、どうでもいい無駄なクソ知識をドヤ顔でしゃべる。 そういうタイプのウザさだったりするんですが、お隣のD席の奥さんは出来た人柄のようで、そのどうでもいい話に、きちんと対応しておられました。 その会話から察するに、C席、D席のほうも何らかに邪魔されて、パノラマ具合のほうは今ひとつだったりする模様です。 ま、A・B席よりはマシなんでしょうけど。 ちなみにこの左側の座席、運転士の真後ろ過ぎて、駄目じゃん! そう、車輌を設計した人も自覚していたようで、右側よりちょっとだけ高めにはなっていたりするんですが、 「焼け石に水」 状態。 これはもう、運転士の所作をじっくり観察するためのマニア向けの席であるな。 そのように割り切ったほうがいいのではないかと思うんですが、そう割り切ってしまえば、なかなか興味深いものがありました。 (その1) ちょっと見にくいかも知れませんが、 こういう時刻表 を見ながら運転しているんですな。 で、停車駅が近付くと、 この表示 が点灯して知らせてくれるようになっております。ほぉー。 で、この列車の場合、児島駅で運転手や客室乗務員がJR西日本の人からJR四国の人にチェンジすることも判明しました。 違う会社の線路になるから仕方ないのかも知れませんが、、わずか30分くらいで選手交代。物足りねぇ。。。 そんな気持ちになるに違いありません。とまあそんなこんなで、瀬戸大橋っす。

 車では何度か走ったことがあるんですが、鉄道で渡るのは初体験。 ぶっちゃけ、2階建ての橋の下のほうなので、囲まれてる感じっぽくて、見通しはあまりよくありません。 ただ、パノラマグリーン席の場合、横の窓が広く取られているので海面がよく見えたりして、ちょっと怖ぇぇぇ。。。 極度の高所恐怖症っすからね、僕。 高所と、猛暑と、急所。 クソ暑いのも、蹴られて悶絶するのも嫌なんですが、高いところから落ちると他界したりするので、怖いっすよねー。 ま、猛暑で熱中症になったり、急所を突かれたりしても他界することはあるので、どれも同じように怖かったりするんですが、今回、他界することなく、無事に四国に到着しました。 宇多津町とか、人口18,870人くらいの小さな町なのに、凄い高いマンションが建っていたりして、ちょっとビビります。 これ っすな。 ゴールドタワー などという、バブル期の残骸のようなものも建っているし、綾歌郡などという、綾小路きみまろと桂歌丸のコラボみたいな名前の癖に、生意気だぞ! そう思わずにはいられません。 で、 (写真・下から2番目) の讃岐富士。 こういう、日本むかし話に出てくるようなポコポコした山が見えてくると、 「香川に来たなぁ。」 という実感が湧きますよね。 ビュート地形というらしいんですが、詳しくは ここ 。 讃岐富士ビュートぶりも見事なんですが、屋島クン、めっさメサやんっ! さっきの 「詳しくはここ」 のとこ、ぜんぜん詳しくないやん。 そう、物足りなく思った人にはこちらが オススメ なんですが、今度は無駄に詳し過ぎぃ。。。 過ぎたるは及ばざるが如し。 そう、杉田かおるも言っておりましたが、とまあそんなこんなで、高松に到着〜。

 …と、その話の前に、翌日、高松から岡山までマリンライナーに乗った話を簡単に。 今度は1−D席だぜ〜。 前方の視界もバッチリだぜ〜。 そのように期待していたんですが、思わぬ落とし穴が。 岡山から1号車を先頭に走ってきたマリンライナーくん、高松からはそのまま折り返す形になるんですな。 つまり1号車の1列目は、いちばん後ろ。 座席は進行方向に反転させられて、壁しか見えねぇ。。。 半個室で独占・ザ・殿様機分を味わうための出費だと思って諦めるしかありませんが、A・B席側にはガラの悪そうなお兄ちゃんと、アタマが悪そうなお姉ちゃんのコンビが。 兄ちゃんは何故か瀬戸大橋を走っている時にギャルの似顔絵か何かを書き始めたようで、姉ちゃんが 「きゃはははははは♪」 と馬鹿笑いしていて、ウゼぇ。。。 同乗者に恵まれなかった僕に同情して欲しい気持ちでいっぱいでありますが、とまあそんなことで、高松。 小豆島を優先した関係で栗林公園は諦めて、 玉藻公園 だけ覗いてみることにしました。 ここに行くのは実に28年ぶりくらいだったりするんですが、前回はというと、浪人生時代。 高知大学と鳥取大学を受験して、どちらも見事に落ちたんですが、移動の途中に高松に立ち寄って、確か1泊したのではなかったかと。単なる観光気分でしたからなぁ。 当時はまだ瀬戸大橋がなく、高松から船に乗って本州の宇野というところまで行った記憶があります。 その話はえーと…、 この辺 にありますな。 背景色が変なサバビアンブルーで読みにくいし、中身のほうもどうかという感じで、ちょっとした黒歴史だったりするんですが、頑張って読み返してみたら、ちゃんと屋島のメサねたについても触れられておりました。 ここに出てくる屋島のケーブルカーは廃止になっちゃったようですが、高松プラザホテルというところに泊まったみたいですな。 ググってみても、近い名前のホテルしか出て来なかったんですが、もしかして廃業しちゃったとか? 28年ぶりくらいという月日の流れは残酷でありますなぁ。 で、玉藻公園に関しては何の記載も無かったような気がするので、もしかしたら当時はいかなかったのかも知れませんが、とりあえず行ってみました。


< 高松城跡・玉藻公園 (その1) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 事前の予想では土日月の3日間とも 「曇時々雨」 という最悪の予想だったんですが、直前になって土曜日だけは 「曇」 と、ほんのちょっとだけ好転しました。 よって、あまり贅沢は言えないんですが、今ひとつパッとしない天気で、何だか心も晴れません。 で、この公園、桜の名所という話だったので覗いてみることにしたんですが、行ってみたら、ほんの一部のエリアだけしか桜がなくて、ちょっと期待外れではありました。 (写真・いちばん上) を見ると分かるように、石垣と堀はけっこう立派だったりするんですけどね。背後に聳える近代的なビルとの対比も、なかなかイケております。 基本は高松城の 「跡」 なんですが、 (写真・上から2番目) のような立派な天守閣もありまっせ。 水面にくっきりと映る 「逆さ天守閣」 も素敵っ♪ まるで芝居の書き割りのように安っぽい。 そう思った人もいるかも知れませんが、天守閣再建の予定があるようで、その完成予想図の看板が立っていたので、それを激写させて頂きました。 で、お目当ての桜は 「桜の馬場」 に集中。 散り初めという感じでしたが、なかなか綺麗。 ただし、高松市民の 「花見の宴」 の会場と化していて、あまり風情は感じられません。 ま、駅前のクソ便利な馬場なので、やむを得ません。 ちなみに関西ではウンコのことを 「ババ」 というので、桜の馬場 = 桜うんこ。 ちょっぴり風流です。 で、 (写真・下から2番目) は、艮櫓。 この 「良」 の毛が1本抜けたような漢字で 「うしとら」 と読むんですな。 艮 。 あ、ちゃんと漢字変換出来ますな。 三重県の真ん中から下のほうに 「ぎゅーとら」 というスーパーがあったりするんですが、それのパチモン? 昔、桑名にあった 「しぐれ城」 と大差ない、まったく歴史的な価値は無い建造物のように見えたんですが、1677年に出来たもので、重要文化財に指定されているようです。 櫓の近くには枝垂れ桜が綺麗に咲いていて、しぐれ城とは比べものにならない、すぐれた景観を醸し出しておりました。


< 高松城跡・玉藻公園 (その2) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 桜の見頃にあわせて開園時間が延長され、園内 「桜の馬場」 が無料開放される。艮櫓 (うしとらやぐら) や天守台石垣を背景に、ソメイヨシノ他、76本の桜を150個のボンボリでライトアップ。お城で楽しむ夜桜は格別。春の宵をボンボリの灯りでゆったり過ごそう! そんな企画もやっていたようですが、いいっすよね、ボンボリ。 つめとない、優しい街やで、ボンボリは〜♪ by 天童よしみ。 岩崎良美、渡辺喜美と並ぶ “世界3大よしみ” の1人でありますが、で、 (写真・上から2枚目) は、くつろぐ高松市民。 それを堀の向こう側から遠望したのが (写真・ちょうど真ん中) 。 堀への映り込みがなかなかいい感じです。 夜だとボンボリが綺麗でしょうなぁ。 宴も盛り上がるだろうし。 宴、胸毛、鼻毛。 世界3大 「げ」 の中では、宴が一番っすよね。 他の2つはただの無駄毛だしぃ。 いや、鼻毛は無駄毛ではない、立派な毛であるような気もするんですが、鼻毛がなければ鼻の穴に花粉が入りたい放題になっちゃいますもんね。 鼻毛を無駄毛扱いしたのは、甚だ遺憾であると言わざるを得ませんが、で、 (写真・下から2番目) みたいな 「和船乗船体験」 というプログラムもやっている模様。 ちなみにこの堀は100%海水なんだそうで、鯛なんかが泳いでいたりします。 こんなの もありますぜ。 鯛願城就、鯛願チマキ、本場の味、オイシイヨ! by 味仙。 名古屋周辺住民以外、意味が分からないと思うので ここ を見て貰うとして。 船の向こうに見えている橋は 「鞘橋」 というらしいんですが、本丸は城のほぼ中央に位置し、周りを内堀に囲まれ他の曲輪とは完全に独立している。外部とは、長さ16間(約30メートル) の木造の鞘橋一本だけで繋がっており、この橋を落とせば内部にいる人間は逃げ場を失う造りである。 ほう、籠城必至ですなぁ、こりゃ。 長期戦に備えて、饅頭とかを備蓄しなければなりませんが、鞘橋まんじゅう、ちゃららららん♪ これも名古屋周辺住民以外には分からないネタでありますが、で、 (写真・いちばん下) は月見櫓。 ぎゅーとらのパチモンの艮櫓と同じ頃に出来たものらしく、立派な本物で、重要文化財指定。 元々は月を見るために造られたのではなく、瀬戸内海から直接城内に出入りする船を監視する役割の櫓であったらしく、「着見櫓」 と呼ばれていたんだとか。 単なる城の跡だと思って馬鹿にしていたら、意外と遺構がちゃんと残っているんですな。 駅や港からも近いし、ちょっとした時間潰しスポットとしてはお手軽で、ま、いいんじゃないでしょうか。

 とまあそんなことで、高松は終了。 で、小豆島に移動。 高松からは フェリー高速艇 、2つのタイプの船が出ています。 所要時間はフェリーだと1時間、高速艇には2種類合って、 「スーパーマリン」 だと30分、 「ひかり」 という船の場合は5分ほど余計に掛かる模様です。 僕が乗ったのは 「ひかり」 のほうなんですが、わりと小さな船で、デッキに座って、のんびりと景色を眺めながら。 そういった雰囲気ではありませんな。 移動の手段として割り切っている感じ。 スーパーマリンのほうには一応、デッキがあるみたいですけどね。 とまあそんなことで、小豆島に上陸〜。 天気が今ひとつなせいもあってか、ぶっちゃけ、リゾートアイランドっぽさはあまり感じられません。 リゾットというより、雑炊って感じ? で、船で来たにも関わらず、あまりアイランドでもなくて、花魁道中。 そんな雰囲気だったりしたんですが、いや、花魁の華やかさもありませんな。 花魁はドラマー、やくざなドラマー♪ そんな場末のうらぶれた空気が漂っていて、この先の展開にまったく希望のひかりが見えなかったりするんですが、とまあそんなこんなで、この話は次回に続く。

 で、今日はブッカー・アービンっす。 先週の休日出勤は神サマの御加護により、何とか免れることが出来たんですが ( ここ 参照) 、この週末はきっちり呼び出されてしまいました。 またしてもマンホールポンプのフロートスイッチの動作不良っすかぁ。 同じ不具合に苦しんでいる同士がいるに違いないと踏んで、 「マンポン フロートスイッチ 故障」 でググってみたところ、「ずっこけ金融マン/ポン吉の留学日記」 というのがヒットしたんですが、これのどこにフロートスイッチ故障の要素が? 2ちゃんねるの 「水道屋総合スレ STPG370 sch40 4本目」 というスレも引っ掛かって、思わずじっくりと読んでしまったんですが、シンプルに 「マンポン」 だけでググったら、「七瀬まゆみ/マンポン」 という、とても健全な青少年にはお見せ出来ない、エロけしからんDVDが出て来ました。 個人的には、あまりタイプではないギャルだったんですけどね、七瀬タン。 あと、 「Danze Planet ルークトゥン スーパーマン ポン ポン チュン」 という、ワケがわからん奴も。 マンポンの世界も奥が深そうなんですが、お仕事のほうは何とか土曜日の午前中で片付いて、そして今、日曜日の午後を迎えております。 何となく気分が乗らないのに、よりによってブッカー・アービン。 重いっすなぁ。。。 さっさと片付けてブルーなマンディーに備えるのが得策かと思われますが、今日はそんなアービンの 『エクスルテーション』 という1枚を取り上げてみたいと思います。 正式な読み方が今ひとつ不明だったりするんですが、 “EXULTATION” 。 歓喜、狂喜、大はしゃぎ。 そういった意味であるようです。 狂喜乱舞して、大はしゃぎするブッカー・アービン。 心底、ウザそうですなぁ。。。 そのまま引き返したくなっちゃいますが、で、これ、ホレス・パーランブッチ・ウォーレンウォルター・パーキンスと、リズム隊のほうはわりとお馴染みの人たちが顔を揃えております。 が、フロントにフランク・ストロージャーが入るというのが、ちょっと異色。 “白面の貴公子” でしたっけ? 貴公子と言うと、貴乃花と伊達公子のコラボみたいなのが頭に浮かんでくるんですが、日本ではもっぱら、 この1枚 だけで知られていますよね。 某ぎゃる系読者からいただいた 「おでん種せっと(ツユつき♪)」 って、そんなこともありましたっけ? ヤーコン・ゼリーのほうは何となく覚えているんですが、ちなみに “白面の貴公子” の命名者はヤーコンではなく、寺島ヤックンである模様。 最近は 寺島レコード で頑張っているようですが、ジャズ&ヴァイブラフォン界の最高峰・山本玲子、躍進のセカンドアルバムっすかぁ。 名曲美曲をさらに先鋭化させる彼女の熱き才能がここに。 このコピーが何故か 「熟女」 に見えてしまったんですが、山本玲子タン、なかなかよさそうな気がしますな。 むさくるしいアービンなんかやめて、こちらにチェンジしちゃいますかね? そう思わずにはいられませんが、生憎とCDを持ち合わせてはいないので、諦めて 『歓喜!』 、いっちゃいましょう。

 1曲目、アービンのオリジナルで、 「ムーチェ・ムーチェ」 。 子供の頃はハウスのフルーチェが大好きで、大人になった今はムチムチのギャルがわりと好物だったりする僕なんですが、そのコラボの2倍っぽいタイトルでありますな、 「ムーチェ・ムーチェ」 。 パーカーに 「ムース・ザ・ムーチェ」 という曲があって、ムースの好きな僕には2倍楽しめそうなですが、ロスで世話になっていた薬の売人のニック・ネームなんだそうですな、これ。 ムーチェ単独でどういう意味があるのかは不明なんですが、エリントンには 「ザ・ムーチェ」 という曲があって、ハーレムで一部の住人特有のゆっくりで、ある種の怠惰な歩きぶりを意味する俗語である…と、そんな話も見つかりました。 で、アービンの 「ムーチェ・ムーチェ」 はというと、アップ・テンポのシンプルなリフ・ブルース。 そういうアレだったりするんですが、テーマ部の合奏に続いて、ストロージャーのソロが登場。 貴公子とはちょっと違う気がする、かなり斬新なスタイルの持ち主だったりするんですが、誰に近いかというと、ジェームス・スポールディング? 続くパーランのピアノ・ソロも、黒さより鋭気が優先された仕上がりになっていて、で、続くアービン君はいつもの通り、空気が読めない唯我独尊なプレイに終始しております。 一緒や、どれを聞いても! そう思わずにはいられませんが、この有無を言わせぬアクの強さが、一部の山菜好きのマニアとかには受けるんでしょうな。 個人的にも、わりと好きだったりするんですけど。 で、その後、リズム隊3人によるちょっとした絡みみたいなパートがあって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 ま、それなりにムーチェだったな。 そのように評価していいのではないかと。

 で、次。  「ブラック・アンド・ブルー」 。 黒くて青い。 そういったバラードだったりするんですが、いいっすよね、アービンのバラード。 生きることの闇。 そういったものを感じさせて、深遠っす。 アドリブに入ると、途中で飽きてきちゃうのが玉に瑕だったりするんですが、今回は途中でストロージャーにチェンジしてくれるので、何とか最後まで耐え抜くことが出来るという、そういうシステムになっておりました。 ま、すぐにアービンが戻って来ちゃうんですが、ほどなくテーマが出て来て、おしまい。 ま、それなりにブラックでブルーだったな。 そのように評価していいのではなかろうかと。 で、次。  「チューン・イン」 。 アービン作のミディアム・テンポのブルースっぽいナンバー。 そういうアレだったりするんですが、2管のハモリ具合が絶妙に地味。 やはりアルトとテナーの2サックスという構成は、今ひとつ華に欠ける嫌いがあったりするんですが、で、ソロ先発はアービンくん。 ちょっぴりテンポが速くなって、いつものクドさ、バリバリ全開、絶好調♪ 続くストロージャーの変態的なプレイが、ちょっぴり爽やかに聞こえちゃうんですが、ま、この人も大概だったりするんですけどね。 貴公子というより、奇行牛っぽい感じ? 狂牛病、大丈夫っすかね? 脳味噌、スポンジ状になっていませんか? で、以下、パーランのピアノと、ブッチくんのベースのソロがフィーチャーされて、でもって、テーマに戻って、おしまい。

 ということで、次。 歌物ナンバーの 「ジャスト・イン・タイム」 。 僕の持っているCDには通常のロング・バージョンと、オマケのショート・バージョンの2種類が収録されているんですが、長いアービンには耐えられない人向けの配慮でありましょうか? 聞き比べてみたら、長いほうが若干ノリがいいような気がするのが、ちょっと癪だっだりするんですが、結局はロングのほうを聞かなきゃ駄目じゃん。。。 ちなみに短いほうはアービンのワン・ホーンによるテーマに続いて、テナーのソロがあって、テーマに戻って、おしまい。 ちょっと物足りない気がする2分25秒。 そういうアレだったりするんですが、長いほうはアービンのワン・ホーンによるテーマの後、ストロージャーのソロがフィーチャーされます。 お前の頭スコーンと割って、ストローで脳みそちゅーちゅー吸うたろけ! そういった気概を感じさせて、なかなかではないかと思うんですが、パーランを挟んで登場するアービンくんもノリノリでありますな。 ちょっといいかも? そう思ってしまったんですが、でもって、テーマに戻って、おしまい。 長いといっても4分51秒だし、断然、こっちのほうが上でありますな。 短いバージョンの存在意義は皆無であるといっていいでしょう。 で、次。  「ノー・ランズ・マン」 はウォルター・パーキンスのオリジナル。 日本人好みなファンキー・チューンでありまして、これまた短長、2つのバージョンが収録されております。 哀愁を帯びたテーマから、空気を読まない爆裂ソロへの流れが笑止千万な短いバージョン。 その後、すぐテーマに戻ってしまって、やっぱり物足りないこと、この上なし。 で、長いバージョンのほうは、テーマの後、やはりアービンのソロが出てくるんですが、ちょっと大人しい感じだったりして、これはこれで、ちょっと寂しいような気がしないでもありません。 ワガママですなぁ、リスナーも。 で、以下、アルトとピアノのソロも前面に押し出されていて、やはりこっちのほうが全体のバランスがいいっすなぁ。 で、テーマに戻って、おしまい。 こちらも5分35秒と、長いバージョンにしては短めで、ちょっぴり物足りなかったりもするんですが、これ以上やると、クドいと文句を言われるし、ま、この辺りが落とし所であると言えるかも知れません。 で、ラスト。 アービンのオリジナルで、 「モウア」 。 わりと凝った作りアレだったりして、テナー、アルト、ピアノと続く各自のソロも、まあまあ。 とまあそんなことで、テーマに戻って、今日のところは以上っす。

【総合評価】 まあまあっすかね? そんな感じの滑り出しだったんですが、中盤はなかなかよかった。 そう評価していいのではなかろうかと。 アービンくんのソロは 「ジャスト・イン・タイム」 の長いほう以外、一緒や、どれを聞いても! そんな嫌いがないワケでもないんですが、フランク・ストロージャーの参加は貴重だし、全般的にアービンにしては聞きやすいほうだと思うし、まあまあオススメ♪


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