REALLY BIG! (RIVERSIDE)

JIMMY HEATH (1960/6/24,28)

REALLY BIG!


【パーソネル】

JIMMY HEATH (ts)
CLARK TERRY (tp) NAT ADDERLEY (cor) TOM McINTOSH (tb)
DICK BERG (frh) CANNONBALL ADDERLEY (as) PAT PATRICK (bs)
TOMMY FLANAGAN (p) <#1,2,6> CEDAR WALTON (p) <#3-5,7,8> 
PERCY HEATH (b) ALBERT HEATH (ds)
【収録曲】

(01-03) BIG "P" / OLD FASHIONED FUN / MONA'S MOOD
(04-06) DAT DERE / NAILS / ON GREEN DOLPHIN STREET
(07-08) MY IDEAL / THE PICTURE OF HEATH
【解説】 ( 2015年04月19日更新 / 連載 1,160回 )

 ( 前回 までの粗筋 ) 小豆島に上陸したが、今ひとつ気分が乗らなかった。 ということで、島内の観光開始。 見るべきところはエンジェルロード、寒霞渓、オリーブ公園、映画村の4強といった感じなんですが、定期観光バスだとエンジェルロードが外れて、銚子渓のサルに取って代わられる模様。 観光客的にはエンジェルロードは外せないと思うんですが、潮の満ち引きの都合もあるので、プランに組み込むのが難しいんですかね? あるいはバス会社の偉い人が銚子渓のサルに弱みを握られてるとか? 銚子渓で調子に乗って聴診器プレイに励んでいるところを写真に取られ、これをばら撒かれたくなければ、うちをコースに取り込めと脅されたとか? 弱みを握って利益誘導を図るとは、敵もさるもの、というか、サルもさるものでありますなぁ。 ま、僕は今回、定期観光バスの利用は日程の都合でやめることにしたので、そんな裏事情は別にどうでもよかったりするんですけど。 で、小豆島の4大スポットのうち、エンジェルロードはすぐ近くの宿に泊まることになっているので無問題。 残る3つの中では、寒霞渓というのが看過できない景勝地であるように思えるんですが、交通の便が今ひとつであるように思われるので、今回はオリーブ公園と映画村の2ヶ所に絞ることにしました。 どちらもあまりソソられるものがなかったりするんですが、ま、せっかくだし、一応は押えておこうかと。 映画村のほうはバスが1日3便くらいしかなかったりするので、綿密な計画が不可欠なんですが、 このページ を吟味した結果、12時20分に土庄港を出発して、サンオリーブまで行って昼飯を食って、オリーブ公園を散策して、映画村に移動。 15時50分発の最終便で戻る。 そういう完璧な工程が出来上がりました。 ということで、出発ー。

 バスは他に誰も乗客がいませんでした。 混んでいるのも嫌なんですが、こういう状況もちょっと寂しいっすな。 気乗りの無さが更に深まってしまったんですが、ま、途中からはぼちぼち地元住民が乗り込んできたりはしたんですけど。 ということで、 「サンオリーブ」 に到着。 オリーブ公園の近くには 「オリーブ公園口」 というバス停があったりするんですが、ここはあくまでも “口” の部分なので、本体にたどり着くには数分ほど坂道を登らなければなりません。 登った先が 「サンオリーブ」 なので、うまく便の都合があえば、こっちで降りるのが得策かと。 で、降りました。 目の前には海〜♪ 見下ろす感じで桜も咲いていて、いやあ、いいっすなぁ、これは。 小豆島に上陸した時点で小豆レベルだったテンションが、大豆…とまではいきませんが、中伊豆くらいまでは膨らみました。 東伊豆、西伊豆、南伊豆なんかと比べると、今ひとつ地味だったりするんですけどね、中伊豆。 で、園内は後でゆっくり散策するとして、まずは昼飯。 うどんと骨付鳥を諦めてまで小豆島を選んだ身としては、それに匹敵するうまい物を食いたいところなんですが、とりあえずの候補としては ひしお丼 っすかね? 創作系の素性が怪しい “ご当地グルメ” ではありますが、ここでしか食べられない料理という点では、それなりに価値があるのではなかろうかと。 うどんとか、今日の昼、津のサンリバーの中のうどん屋で食いましたもんね。 骨付鳥はなかなか食べられず、骨なしチキンで我慢するしかないんですが、で、ひしお丼。 映画村の 「カリカリ豚ともろみのひしお丼」 というのがイケそうなんですが、観光客で混んでいそうだし、サンオリーブ・レストランの 「鯛のオリーブオイルともろみソースかけ」 というので手を打つことにしました。 魚貝類の類はあまり好きではなかったりするんですが、この丼の鯛は揚げてあるようなので、ま、いいかと。

 とまあそんなことで、入店。 サンオリーブというのはオリーブ公園の端っこにある、多目的ホール+会議室+レストラン+温泉な公共施設だったりするんですが、がらーんとしていて、レストランも空き空き。 いちばん眺めのいい席は家族連れに占領されてましたが、お一人様でも入りやすいという点では正解だったかと。 で、メニューを見ると、普通のひしお丼と、スペシャルなひしお丼があることが判明したんですが、スペシャルなほうは、ひしお丼に1プレート6種類のおかずとデザートが付いてくる模様。 ちょっと迷ったんですが、せっかくなので高いほう、いったれ〜!

全体像♪ おかずの部♪ ひしお丼の部♪


 おお、スペシャル♪ おかずの部には、しょうゆ豆やオリーブの実があったりして、小豆島っぽさを演出してくれております。 ま、ぶっちゃけ、いちばん美味しかったのは鶏の唐揚げだったんですけどね。 ひしお丼と鶏唐揚げのセット。 そういうのでよかったような気もするんですが、中でもいちばんいらない子はオリーブではなかろうかと。 もこみち君が大好きなオリーブオイルは、所詮は油なのでさほど実害はないんですが、実のほうは美味しくないっすよね。実に不味いっす。 日本人の口には合いません。 これが口にあう人種がいるのが不思議でならんのですが、蓼食う虫も好き好き、虫食う長野人も蓼蓼。 蓼科あたりの人はあまりザザ虫とか食わないのかも知れませんが、で、続いては 「鯛のオリーブオイルともろみソースかけ」 。 これはアレです。 ほぼ、ピーマンサラダ丼。 鯛はあまり自己主張が強くはなくて、生のピーマンがやたら頑張っている印象。 で、ひしお丼の最大の売りである “もろみ” というのは、味噌と醤油の中間形態な調味料っぽくて、ちょっとクドくて、途中で飽きが来ちゃうような? 鶏唐揚げの単品でもよかったかな? そんな気がしないでもないんですが、いかにも小豆島らしい珍しいものが食べられて、よかった♪ そう、ポジティブに捉えるのが得策なのではなかろうかと。 ということで、続いては園内の散策です。


< 小豆島オリーブ公園 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 オリーブ公園 というのはアレです。 オリーブにちなんでギリシャっぽく仕上げた、ちょっとした公園。 そういった感じのところでありました。 (写真・いちばん上) が、サンオリーブのバスを降りたところ。 海の眺めがいいです。 でもって、今の時期は桜が綺麗♪ 園内にはオリーブの木もたくさん生えているんですが、花は咲いてないし、実もなっていないしで、今の時期はひたすら地味。 で、 (写真・上から2枚目) は “ふれあい広場” 。 誰と、どのように触れ合えばいいのか定かではありませんが、この上なくギリシャぽいっす。 ベタ過ぎる嫌いはあるんですが、撮影スポットとしては、実にいい感じ。 天気がよければもっとエーゲ海っぽくて、ジュディ・オングごっこが捗りそうでありますなぁ。 出来れば 「南に向いた窓」 とかも設置して欲しいところですよね。 「レースのカーテン引きちぎりショー」 とかもいいっすなぁ。 ちなみに海の向こう側に見えている半島みたいなところが 「二十四の瞳」 のモデルになった分校があるところ。 映画村もここにあって、 渡し船 なんかも出ているみたいです。 で、 (写真・ちょうど真ん中) は謎のオブジェです。 ググってみたら 「投票と公民」 という作品らしいんですが、オストラキシモス (陶片追放) に使用された投票場をモチーフに作られたものなんだとか。 昔、世界史の授業で習ったような気がしますなぁ、陶片追放。 キリスト系の高校なのにジャパニーズ神主が本職な世界史の教師がいて、 「ギリシアは瀬戸内海に面してますね。」 と言ってた印象が強すぎて、それ以外のことはあまり覚えていなかったりするんですが、真ん中に芯棒があれば無罪、なければ有罪。 そういう決まりだとか何とか。 で、このオブジェは芯棒があるから無罪で、小豆島は今日も平和だねっ♪ そんな思いが込められているんだそうです。 で、(写真・下から2番目) は、小豆島のガイドブックでは必ずと言っていいほど表紙で取り上げられるギリシャ風車。 友好の証として、姉妹島であるミロス島から送られたものなんだそうです。 小豆島はお礼として、ミロス島に何を送ったんでしょうな? ミノタウロスのロース肉とか? ミノタウロスって牛頭人身の怪物だから、ミノタウロスタンは牛タンなんでしょうが、カラダの部位は人間だったりするような? 食べても大丈夫なんすかね、ミノタウロスのミノとロース。 で、その他、オリーブ博物館なんてのもあったようですが、風車のところから戻るのが面倒だったので、とまあそんなことで、園内の散策は以上っす。 坂を下りた先がオリーブビーチという海岸になっていたりするので、しばし散策して、公園口からバスに乗って、映画村に移動。 バスはぐるっと湾に沿って回り込む形になるので、ちょっと時間が掛かります。 渡し船を利用したほうが便利そうなんですが、僕は1日乗車券 (2,000円) というのを買っちゃっていたので、元を取るためにバスを利用しました。 で、 映画村 に到着〜。


< 二十四の瞳映画村 (その1) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 ぶっちゃけ、映画のセットを利用した食い物屋だとか、土産物屋だとかの集合体のようなものなので、あまり多くは期待していなかったんですが、意外と悪くなかったっす。 ベタ過ぎる昭和レトロ系のプチ・テーマパークといった感じなんですが、大村崑の 「オロナミンC」 の看板とか、あざと過ぎぃ。。。 このオッサン、こんな顔をして 『東京オリンピック』 という映画の監督をしてるんですよね。ちょっと意外。 そう信じたまま、38歳くらいまで生きてきたんですが、あれは市川崑という別人なんですな。 ずーっと間違えたまま不惑を迎えるところでした。危なかったっす。 向こうのほうにはカルピスの看板も見えますが、黒人差別がどうのこうのとか言わない、そういう時代を象徴しているのでありましょうか? で、今の時期は菜の花が綺麗♪ 黒い建物との対比が素晴らしく、堆肥の臭いが漂ってきそうですな。 実際のところは海のすぐ近くなので、磯臭さのほうが強烈だったりするんですけど。 で、五右衛門風呂というか、釜風呂のようなものもありました。 カマハイル、カマハイル! 『トムとジェリー』 の名場面を思い出しますなぁ。 「南の島には土人がいたよ」 っすよね。 


< 二十四の瞳映画村 (その2) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 で、次。分校。 作り物のパチモンではありますが、なかなか雰囲気がありますな。 教室の窓から海が見えるというのがいいっすよね。 僕が通っていた小学校の教室の窓からは、僕の家しか見えませんでしたからね。 僕の家が火事で燃えたとき、僕は既に帰宅していたんですが、居残った児童たちが窓際に集結して、こちらを見ている様子がよく観察出来ました。 燃えろよ、燃えろよ〜、いなば家、燃えろ〜♪ そんなキャンプファイヤーの定番ソングの替え歌が出来たりしたのも、今になってみれば、いい思い出。 で、あとは廊下から見える菜の花が綺麗だったり、小さな映画館があって、高峰秀子主演の初代 『二十四の瞳』 が見れたり、ちょっとした暇つぶしにはいい感じのスポットでありました。 以上、あまり多くは期待していなかったんですが、結果的にこの2ヶ所を回ったのは正解だった。 そう言ってもいいのではなかろうかと。 ということで、本日の宿泊地、 小豆島国際ホテル に向かいます。 オリーブバスに 「国際ホテル前」 というバス停があるんですが、僻地に向かう路線しか止まらなくて、利便性は今ひとつ。 ま、頼んでおけば土庄港まで送迎してくれるので、まったく問題はないんですが、オリーブ公園方面から土庄港に向かう路線バスでも何とかならないことはありません。 「八幡橋」 というのが最寄のバス停っぽいんですが、今回は 「土庄本町」 というバス停で降りて、 「迷路のまち」 を通って宿を目指すことにしました。


< 土庄・迷路のまち > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 迷路、ういろ、賄賂。 タダで貰えるなら後ろの2つがいいんですが、歩いて楽しいのは断然、迷路っすよね。 …と、その前に。 小豆島って、実は2つに分裂しているって知ってましたか? 「小豆島 分裂」 でググると、口腔癌に対するFDG集積の特徴 小豆島 正典 先生とかいうのが出てくるんですが、こんな苗字の先生が実存するんですな。 ここ を見ると、全国でおよそ200人。 貝増 よりもレアなんすな。 県会議員にいるんっすよね、貝増吉郎。 この前の選挙で落ちましたけど。 桑名には貝増商店という名前の時雨ハマグリ屋があるので、てっきりそれに因んだ芸名だとばかり思っていたんですが、もしかして本名だったりするとか? で、それはそうと、小豆島。 僕は今までずっと、小豆島というのは1つの島だと思っていたんですが、よくよく調べてみると、実は2つの島が隣接しているのだという事実が発覚しました。 小豆島の全体像は こちら 。 よく、牛の形とか言われますよね。 ここ 参照。 で、この首の部分、先ほどの地図の (A) の辺りを拡大してみると、 ほれ 。 今は橋で繋がっているんですが、陸地そのものはここで分断されております。 その地点が (写真・いちばん上) の土渕海峡。 正確に言うと、胴体の部分が 「小豆島 (本島)」 で、頭の部分が 「前島」 になるようです。 小豆島が2つに分裂しているんじゃなくて、小豆島はひつで、前に前島があるだけじゃん。 そう言われれば確かにそうなんですが、で、この海峡、実物を見ると単なるドブ川としか思えません。 バス代を払ってわざわざこれを見に来た人は、金をドブに捨てた気になるに違いありませんが、ま、一応はギネス認定の 「世界一狭い海峡」 らしいので、話のタネにちょっと覗いてみるといいと思います。 後ろ向きに海峡にコインを投げ入れると、願いが叶う。 そんな言い伝えはないので、金をドブに捨てるのはオススメしませんけど。

 で、海峡からちょっと奥に入った辺りが 「迷路のまち」 。 メインの商店街みたいなところを歩いたからなのか、思ったほど入り組んではいませんでしたが、ところどころに謎の前衛芸術みたいなものがあって、うーん、まあまあ? で、あと (写真・ちょうど真ん中) の、ブイを使った地蔵(?)みたいな奴は、路地のあちこちに頻出しておりました。 で、続いては (写真・下から2番目) 。 三重の塔まであって、西光寺ってば、もう最高っ♪ そんなスポットだったりするんですが、本堂 - 昭和8年(1933年)建立、桃山様式、三重塔 - 西光寺中興400年の記念事業の一環として昭和50年(1975年)に建立された。 ま、あまり歴史的な価値は無さそうっすな。 パチモンくさいと言ってもいいんですが、ま、それなりに絵になるので、ま、いいんじゃないかと。 ちなみにここで写真を撮る時の定番は この構図 だったりするんですが、この塀、どこにあったんすかね? 見付けられずに終わってしまったんですが、1箇所、工事をしているところがあったので、もしかしたらそこだったのかも? で、 (写真・いちばん下) みたいな迷路っぽい路地もあったりして、ま、そこそこ楽しめるエリアであったな。 そのように評価していいのではなかろうかと。 とまあそんなことで、次はいよいよ、小豆島で最も人気のある観光スポットの “エンジェルロード” でありますな。 正確に言うと小豆島の…ではなく、前島の観光スポットだったりするんですが、それだと凄くショぼく思えてしまいますな。 あんなクソ海峡、さっさと埋め立てて、真の “ひとつの小豆島” にしちゃうのが吉でありますが、観光客には金だけでなく、土砂をドシャドシャとドブに 投げ込んで貰うとして、とまあそんなことで、この話は次回に続く♪

 ということで、今日はジミー・ヒースっす。 地味なヒースっすな。 そういうキャラだったりするんですが、日本での知名度はまあまあ、人気のほうはそこそこ。 そういうアレだったりして、どちらかというと通好みに属するのではないかと思われますが、テナー奏者というより、作編曲家としての評価のほうが高い人だったりします。 華のないベニー・ゴルソン、もしくは 「ナハナハ」 のないせんだみつお。  そう言っていいかも知れませんが、ま、 「ハナ」 があればいいというワケでもありませんからね。 鼻があるキティちゃんとか、ちょっとキモいっす。 ほれ 。 鼻がある…というか、普段からある黄色いヤツが鼻で、これは 「口」 があるキティやん! そんな気がしないでもないんですが、今日はそんな地味なヒースくんの 『リアリー・ビッグ』 という1枚を取り上げてみたいと思います。 アレンジが得意で、好きな果物はオレンジ、肛門から血が出て、俺、痔。 そういう人にとってビッグ・バンドというのは、どうしても手を出したくなる “禁断の果実” であるワケですが、大抵がやってる人の自己満足で終わっちゃいますよね。 ま、ウィズ・ストリングスよりはマシだと思って、生温かい目で見守るしかありませんが、このヒース君の 「本当に大きいのぉ♪」 は参加メンバーが無駄に豪華だったりします。 パーシー・ヒースアルバート・ヒースと、基礎部分を身内で固めて、ピアノはトミー・フラナガンシダー・ウォルトンが3:5の割合。 で、フロントにはクラーク・テリーナット・アダレイキャノンボール・アダレイと、蒼々たるメンバーが名を連ねます。 その他、賑やかし要因としてトム・マッキントッシュディック・バーグパット・パトリックを追加。 南の島で釜ゆでにされたトムくんは2曲でアレンジも担当していて、賑やかし以上の重責を担うことになるんですが、楽器で言うと、トランペット、コルネット、トロンボーン、フレンチホルンに、サックスはアルト、テナー、バリトン。 全部で、えーと…、7管編成ということになるんですが、するってぇと、全体ではテンテットってことになりますかね? ビッグバンドというより、大きめな編成のコンボといった感じなんですが、こりゃ、なかなかアレンジし甲斐がありそうっすなぁ。 とまあそんなことで、では演奏を聞いてみることにしましょう。

 1曲目、ヒース君のオリジナルで、 「ビッグ・P」 。 ああん、大きいのぉ♪ ナニが大きいのか、僕にはよく分からなかったりするんですが、“P”ということは、やっぱりアレっすかね? パパイヤ鈴木? 顔、デカいっすよねー。 パパイヤがパパだったら、嫌でしょうな、娘は。 で、これ、演奏のほうはというと、ベースの独奏に始まり、そこにドラムスとピアノが入って来て、やがて管楽器の分厚いハモリでテーマが演奏されるという、なかなか小粋なアレンジが施されております。 曲そのものはファンキーなマイナー・チューンだったりして、まいんちゃん好き中年の心を激しく揺さぶります。 たまらんっ♪ 続いて出てくるヒースのソロも、わりとレベルが高いっす。 テナー奏者としては今ひとつ特徴がないタイプだったりするんですが、粘りのないデクスター・ゴードンというか、癖のない教科書的なプレイをする人ですよね。 そういう印象があったんですが、ここではそこそこ情熱を感じさせる仕上がりになっていて、なかなか。 途中でホーンのアンサンブルが被さってくるのも定番の演出ではありますが、効果的だと思います。 で、続いて出てくるナットくんのソロが、たまらんっ♪ これぞファンキーモンキー、ベイベー。 そんなイカした吹きっぷりでありまして、で、そこにまた合奏団が絡んで来て、で、セカンドテーマみたいなのが出て来て、本テーマに戻って、おしまい。 3分53秒という、ほんのちょっとした小さなプチ小品なんですが、中身のほうは小島よしおの顔と同じくらい濃いっす。 いやあ、いいっすなぁ。

 で、次。 これもヒースの曲で、 「オールド・ファッションド・ファン」 。 いいっすよね、オールドファッション。 ミスター・ドーナツはこれに限ります。 ファッションヘ○スで、オールドな嬢に当たったりする…というか、外れたりするのはちょっとアレなんっすが、超保守派な僕としてはオールドなのは大歓迎。 で、演奏のほうはというと、ピアノの小粋なイントロで幕を開けるんですが、これはえーと…、トミー・フラナガンのほうっすね。 で、続いてゴージャスな合奏でテーマが演奏されるんですが、適度にファンキーな正統派のハード・バップといった仕上がりで、なかなかなのではなかろうかと。 で、その後、ヒースのソロがフィーチャーされるんですが、この人にしては意外と攻めているほうだったりして、で、そこに絡んでくる合奏団も、なかなか。 で、続いてナットのソロが出て…と、前曲と同じパターンなのはちょっとアレなんですが、続いて前回はなかったピアノのソロが出てくるのは、いいと思います。 で、セカンドテーマみたいなのがあって、本テーマに戻って、おしまい。 ということで、3曲目。 またまたヒースのオリジナルで、 「モナズ・ムード」 。 いいっすよね、モナ。 細野豪志や二岡智宏の気分が味わえるムーディーなナンバーなんですが、分厚いハーモニーが、ハモ好きの心をしっかり捉えてくれます。 いいっすよね、ハモ。 湯引きして梅肉ソースで食うくらいしかバリエーションがないのがちょっとアレなんですが、魚偏に豊と書いて、鱧。 魚でも山川でも、豊なのはいいことだと思うんですが、イントロ → テーマ → テナーのソロ。 そういう流れなんですが、前半は全般にホーン陣が絡んで来る感じで、ちょっと濃すぎるショー・コスギ。 そういった嫌いがないでもないんですが、その分、中間部で聞かれるシンプルなピアノのソロが心地よく心に染み入ります。 これはシダーっすな。 トミ・フラに比べると黒っぽさが希薄なんですが、いかにもシダーらしいシダ植物的な仕上がりだったりして、でもって、再びテナーがフィーチャーされて、そこに管楽器が絡んで、テーマに戻って、おしまい。

 で、続いてはボビー・ティモンズ作の 「ダット・ゼア」 。 キャノンボールの演奏が有名なんですが、こういう重厚なアレンジで聞くのも悪くないっすな。 ちなみにここではトム・マッキントッシュが編曲を担当しているので、今までとはちょっと毛色が違った金髪野郎。 そんな仕上がりになっているのが注目ポイントではなかろうかと。 テーマに続いて、ファンキー風味なヒースのソロがフィーチャーされて、で、続いてはトム・マックのトロンボーン・ソロが登場。 アレンジャー特権で、自分アピールっすか? 何とも微笑ましい限りですが、普通にいい出来だったりするので、まったく無問題ではなかろうかと。 で、合奏団にスポットが当てられて、テーマに戻って、おしまい。 で、次。 ヒースくんのオリジナルに戻って、 「ナイルズ」 。 なかなか調子のいい曲で、淀みのないアンサンブルを堪能することが出来ます。 で、以下、テナー、トランペットの順でソロが披露されて、そこに適宜アンサンブルが絡む。 そういうパターンだったりするんですが、クラーク・テリーが頑張ってくれておりますな。 ちょっぴりキャノンボールのアルトも聞けたりするんですが、で、シダーのピアノが出て来て、テーマに戻って、フェードアウトで、おしまい。 そろそろ書くことがなくなってきたんですが、ここから2曲ほど歌物ナンバーの登場となります。 まずは 「グリーン・ドルフィン・ストリート」 。 ドルフィンと言えば先日、茨城にイルカが大量に打ち上がられて、大地震がぁぁぁぁ! そう騒がれておりましたが、今のところ安泰でありますな。 ただ、 ここ を見ると 5月22日に関東大震災が来るっぽいので、油断は禁物、ホルモンは臓物。 何せ、 「海老蔵も心酔ゲイバーのママが日中戦争と関東大地震を予言」 っすからね。 中西モナ (旧姓・山本) も信奉者の一人だそうですぜ。 まさかこんなところで 「モナズ・ムード」 に話が繋がるとは思いもしませんでしたが、で、演奏のほうはアレです。 存分にヒースらしさが発揮された仕上がりだったりして、まあまあかな? そんな気がする1曲でありました。 テナーのほか、キャノンボールとマッキントッシュのソロが聴けるのはポイントが高いと思います。

 で、次。  「マイ・アイデアル」 。 なんである、アイデアル。 そんな洋傘がありましたが、戦後、プロレス中継で見た関節技を参考にして、傘骨にスプリングを付けた折り畳み傘を発売し、売り上げを上昇させた。 ほぉ、凄いアイデアでありますな、アイデアル洋傘。 残念ながら2006年に自己破産しちゃったみたいなんですが、で、演奏のほうはというと、存分にヒースらしさが発揮された仕上がりだったりして、そこそこかな? そんな気がします。 テーマの合奏に続いて出てくるシダーのソロが清涼っすなぁ。 ということで、ラストっす。 ヒース作の 「ザ・ピクチャー・オブ・ヒース」 。 調子のいいナンバーっす。 編曲はトム・マッキントッシュっす。 テナーのソロに続いて始まるナット・アダレイとクラーク・テリーの2ラッパの掛け合いがスリリングっす。 シダーのピアノもノリがいいっす。 で、テーマに戻って、今日のところは以上っす。

【総合評価】 こってりとしたアンサンブルに、途中でちょっと飽きが来たりもするんですが、総じてうまく纏めていると思います。 各自のソロはそれなりにフィーチャーされているし、意外にもテナー奏者としてのジミー・ヒースの実力を再認識する結果となりました。 ヒース3兄弟とアダレイ2兄弟の豪華な共演、キャノンボール兄貴は脇役に徹しておりますが、ナットくんは納得のいくのプレイを披露してくれていて、オススメ♪


INDEX
BACK NEXT