SOUL FOUNTAIN (VORTEX)

CLIFFORD JORDAN (1966/10/12,25)

SOUL FOUNTAIN


【パーソネル】

JIMMY OWENS (tp,flh) JULIAN PRIESTER (tb) CLIFFORD JORDAN (ts,fl,p)
FRANK OWENS (p,org) <#1-5> BEN TUCKER (b) <#1-5> BOB CRANSHAW (b,el-b) <#1-5>
BOBBY DURHAM (ds) <#1-5> JOE WOHLETZ (bongo,perc) ORESTES VILATO (perc) <#1-5>
JOHN PATTON (org) <#6-8> BILLY HIGGINS (ds) <#6-8> RAY BARRETTO (conga) <#6-8>
【収録曲】

(01-03) T.N.T. / I'VE GOT A FEELING FOR YOU / H.N.I.C.
(04-05) I GOT YOU (I FEEL GOOD) / CARIBBEAN CRUISE
(06-08) SENOR BLUES / EEH BAH LICKEY DOO / RETRIBUTION
【解説】 ( 2015年04月26日更新 / 連載 1,161回 )

 ( 前回 までの粗筋 ) オリーブ公園と、映画村と、迷路のまちを散策した。 ということで、本日の宿泊先、 小豆島国際ホテル にチェックイン。 「エンジェルロードに一番近い宿」 というのが売りなんですが、いいっすよね、エンジェルロード。 少なくとも 「トン汁道路」 よりはソソられるものがあるんですが、いや、トン汁も捨てがたいんっすけどね。 汁物の中では三平汁が三番手で、いちばんカスなのが粕汁。 そんなイメージがあったりするんですが、汁物のナンバー1がトン汁なのは、論じるまでもありません。 畜肉の世界では牛肉がトップだったりするんですが、汁物の世界を牛耳るのは、牛汁 (ぎゅうじる) 。 そんな話は聞いたことがありません。 名張が 伊賀牛・牛汁 というので町興しをしているようですが、今ひとつブレイクしきれてない模様。 「名張の前貼り」 とかで売り出すほうが賢明な気もするんですが、とまあそんなことで、部屋に荷物を置いて、さっそく 「天使の散歩道」 とやらを散策してみることにしました。


< エンジェルロード (ど干潮編) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 ここ にある潮見表と、国際ホテルの ここ とでは、30分くらいの差があるような気がするんですが、ま、最大干潮時の前後2〜3時間くらいという、かなり大雑把な出現の仕方をするようなので、大勢に影響はないと言えるのではなかろうかと。 1日に2回だけしか渡れないというのが売りなんですが、前後3時間は大丈夫だとすると、2回×6時間=12時間。 実は半分くらい何とかなっちゃうんですな。 ホテルの人も、それが大して珍しいものだとは思ってなかったようで、昔は海の向こうに屋島が見えるのをセールスにしていたようです。 で、この砂浜は地元民が貝を掘りにくるスポットに過ぎなかったんですが、ある日、社長の三木佑二郎クンが思い付きで 「エンジェルロード」 と命名。 大切な人と手をつないで渡ると、砂州の真ん中で天使が舞い降りてきて、願いを叶えてくれる。 そんな適当な “伝説” をでっち上げた結果、それが大当たり。 大アサリだけでは、ここまで大当たりしなかったに違いなく、その商才は賞賛に値するものがあります。 ちなみにこの人、早大在学中に作詞作曲した応援歌が、高校野球をはじめプロ野球等の応援歌としてポピュラーになった 『コンバットマーチ』 として有名。 大学卒業後に竹中工務店へ勤務。在職中に 『工事中でご迷惑をおかけします』 という作業員が頭を下げているイラストを描き同社で採用されると、全国の工事現場で今では普通に見るまでに広まった。 その後世界放浪の旅に出て地球を2周して、見聞を広め帰国。トラックの運転手を経て、実兄とベンチャー企業を設立し上場をさせた。 そういう経歴の持ち主であるようです。 実兄とベンチャーズの物真似をした。デケデケデケデケデケ♪ そんな弟は少なくないに違いありませんが、なかなか設立出来ませんよね、ベンチャー企業。 で、経営が傾いた小豆島国際ホテルを買い取って再建し、お陰で僕は傾いていないホテルに泊まることが出来たワケなんですが、後に土庄町長に立候補して、当選したりもしております。 佑二郎クン、多才過ぎぃ。。。

 とまあ、そんなこんなのエンジェルロードなんですが、僕が訪れたのは、ほぼ最大干潮時でありまして、すっかり干上がってしまっておりました。 砂州だけでなく、その横の岩岩のエリアまで露出していて、今ひとつロマンチックではありません。 むしろ、ちょっぴりアドベンチャーな和田勉ちゃん。 そんな雰囲気だったりするんですが、島の反対側まで歩いていくことが出来て、なかなか楽しいっす。 中余島、小与島、大余島という3つくらいの島が陸続きになるという、理屈好きの人にはたまらんスポットだったりするんですが、いちばん向こうの大余島は神戸YMCAの私有地なので、一般人は立入禁止。 そんなことでいいのか!? 不当に占拠された大余島の奪還を目指して、ヤングマン、さあ立ち上がれよ! そう扇動する千堂あきほとかもいなくて、とりあえず黙認されている模様です。 ま、中余島の向こうまで行って戻ってくるだけで充分っすからね。 で、向こうのほうの状況はというと、波静かな瀬戸内のイメージとは裏腹に、荒波に浸食されたっぽい奇岩がいっぱいあります。 モアイっぽいのもあったりしましたが、萌愛ちゃんとか、DQNネームにありそうっすよね。 ググってみたら、思いのほかバラエティに富んでいたんですが、 ほれ 。 も…萌愛(もへあ)? モヘヤ・モヘア(英語: mohair)は、アンゴラヤギ(Angora goat)の毛、およびそれらから作った織物。 どうしてこんな名前を付けようと思ったんすかね? まだ、杏瑚羅(あんごら)のほうがマシな気がするんですが、ちなみに 診断結果 は、DQNネーム率70%とのことでした。 これでDQNではない要素が30%もあるんっすかぁ。 レベル高過ぎぃ! …とまあそんなことで、初日の散策は以上っす。


< エンジェルロード (満ちていく編・その1) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 で、翌朝。 時おり小雨の降る生憎の天気だったんですが、とりあえずエンジェル散策 (2回目) を実施。 この日の最大干潮時刻は5時56分で、次第に潮が満ちてくる時間帯ということになりますが、今ひとつロマンチックではない岩岩のエリアが水没して、いい感じになっておりますな。 人も少ないし、この時間にウロウロ出来るのは国際ホテルにお泊まりした人にだけ与えられた特権と言えるのではなかろうかと。 で、誰もいなさそうだったので、隙を見て “約束の丘” に上ってみることにしました。 これも三木社長のネーミングなんっすかね? もう、佑二郎ってば、ロマンチスト君♪ もう、イカの燻製ってば、イカくん♪ ちなみにここは 恋人の聖地 というのに認定されているんですが、こういう小っ恥ずかしいのは、やめて欲しいっすなぁ。 ちなみに似たような 西伊豆の三四郎島 も認定されている模様です。 ネーミングに今ひとつオシャレ感が無いので、トンボロという名称になっているようですが、フランスのモン・サン=ミシェルや、韓国の珍島なんかが有名っすよね。 海が割れるのよ〜、道が出来るのよ〜♪ で、約束の丘。  “恋聖(こいきよ)” のお約束の 「幸せの鐘」 みたいなのがぶら下がっていて、いかにもイカの燻製。 そんな仕上がりになっているんですが、ここから見下ろすエンジェルロードは絶妙でありますな。 ホテルの部屋から見えるから、別に丘の上で約束なんてしなくっていいやぁ。 そんなふうに思ったりもしていたんですが、この角度からのほうが見栄えがいいっすなぁ。 実にいい位置に手頃なスポットがあったものでありますが、誰にも遭遇することなく丘の上からの眺めを堪能して、階段を降りたところ、岩の上に1匹の白黒ネコがいるのを発見。 身じろぎもせずに、じーっと静止していて、ん? もしかして、置物? それにしては妙にリアルなんですが、も…、もしかして剥製だったりするとか? ちょっと不気味だったんですが、後から確認したところ場所が移動していて、違ったポーズで固まっていたので、生ネコで間違いなかったようです。 試しに 「エンジェルロード 猫」 で画像検索してみたら、こいつがゾロゾロと出て来たので、ちょっと笑いました。 少なくとも4年くらい前から居着いていて、名物ネコと化しているようです。 人に馴れているようで、そうと知っていれば、ちゃんとモフっておくべきでありましたなぁ。 何か、オサワリ厳禁な気高い空気が漂っていたんですけどねぇ。 で、再び砂浜をちょっぴり散策してみたんですが、水辺に立っているとジワジワ水面が迫ってくるのが実感出来て、軽い恐怖すら感じてしまいます。 月の引力、凄ぇぇぇぇぇ!


< エンジェルロード (満ちていく編・その2) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 で、その後の様子は部屋の中からじっくり観察することにしました。 窓辺に置かれた椅子に座りながら潮が満ちてくる様子を観察することが出来て、トンボロ・マニア、大興奮♪ トンボロ、豚トロ、トン汁。 “世界3大・トン” の中で、ソソられる具合はトンボロがいちばん下だったりするんですが、それは他の2つがあまりにも魅力的過ぎるだけであって、決してトンボロがボロいというワケではありません。 トンボロ、蕎麦ぼうろ、玉子ぼうろ。 この面子なら、トップを張れるだけの実力はあります。 8時06分の段階で、まだけっこう幅がある感じの砂州だったんですが、ジワジワと両側から海が迫ってきて、そして10分後。 ついに砂浜が分断。おおっ! これでしばらく向こうの島には渡れなくなってしまいましたなぁ。。。 そんな感慨に耽りながら海を眺めていたら、いきなり一人のオバハン(?)が暴挙に出ました。

暴挙オバハン♪

おお、海を渡ったぁぁぁ! なんて無謀な。まさに自殺行為。

 景色や話に夢中になって時間を忘れてしまうと、満ち潮になって戻れなくなりますのでご注意くださいね(^_^;)

そう書いてあるのにぃ。。。 何となく 超承久の乱〜 のコピペを思い出してしまいましたが、止めても無駄なんでしょうな、やっぱり。 僕は遠く離れたホテルの6階の部屋にいるので、事のなりゆきをドキドキしながら見守るしかなかったんですが、このオバハン、何を血迷ったのか、どんどん奥のほうへと歩いていってしまいます。 これはもう、取り残され事案の発生、間違い無し。 ほ…ホテルの人に連絡したほうがいいかも? ハラハラしながら更に様子を窺っていたんですが、

暴挙オバハンの末路♪

 3分くらいして、普通に海を渡ってこっちに戻って来ました。 思ったほど、急速に潮位が上がるというワケでもないんっすな。月の引力、大したことねぇ。。。 余計な心配をしたのがアホらしい限りです。 ちなみにこのオバハン、途中でスーパーのレジ袋のようなものを拾って、こっちに走ってきたんですが、何か落とし物でもして取りに戻ったんすかね? 人騒がせな。。。 で、 (写真・下から2番目) は、道が途切れてから約1時間後の状況。 さすがにここまで沈んじゃうと、いくら無謀なオバサンでも渡るのは無理なのではなかろうかと。 そして9時26分。 45分にホテルを出る土庄港行きの送迎バスの予約をしていたので、定点観察はこれにて終了。 完全に水没するところまで見届けることは出来ませんでしたが、色々なドラマがあって、なかなか楽しいエンジェルロードでありました。 ということで、小豆島はおしまい。 船とJRと新幹線とJRと船を乗り継いで、宮島に移動〜。


< 宮島上陸 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 で、到着〜。 港のところの桜が綺麗に咲いていて、今後の展開に期待が持たれます。 で、鹿もウロウロしております。 宮島の鹿は凶暴だという話なので、幼女が近付いていくのを見るとハラハラしてしまうんですが、鹿サイドとしては、基本的にシカトする方針である模様。 ちなみに 「シカト」 の語源は鹿っすよね。 これ 。 何でもいいけどこの鹿、目付きが悪過ぎぃ。。。 さすが、元は任侠用語なだけのことはありますなぁ。 ということで、商店街を歩いて、 紅葉堂・弐番屋 で “揚げもみじ” を購入。 隙を見て “揚げもみソフト” を食べようと画策していたんですが、今はまだその時期ではないな。 そんな気がしたので、とりあえず串に刺さった普通バージョンを2個食べることにしました。 あんこ&クリーム。 これを食うのは2回目なので、初めての時の感動は無かったりするんですが、やっぱり美味しい♪ ただ、クリームのほうは作り置きだったようで、ちょっと冷めていたのが残念。 弐番屋は本店に比べると空いているんですが、揚げたてに拘るなら、ちょっと待ってでも本店のほうで食べたほうがいいかも? 江戸時代の町屋を改装したそうで、店の雰囲気はいいんですけどね。 とりあえず満足して厳島神社のほうに歩いていくと、見えて来ました、大鳥居。 前に来たときは工事中だったんっすよね。 ほれ 。 うん、やっぱり足場がないほうがいいっすな。 ちなみにこの工事は3年ほど前に行われたものなんですが、 こういう状況 だった模様。 こんなクソ工事、ゴールデンウィークが終わってからやれよ! そう思わずにはいられませんでしたが、緊急事態だったんですな。 そういうことなら、仕方ありません。 で、仕方ないと言えば、鹿。 ここ (写真・いちばん下) にもいましたぜ。 さっきの鹿は幼女をシカトしておりましたが、こっちの鹿は外国からのお客様に興味を持たれた模様。 もしかして、そっち系の趣味? 洋ロリを見ると、ヨウロリヒ〜♪ テンションが上がって、思わずヨーデルを歌っちゃうタイプ? あぶない刑事(デカ)の弟分の、ちょっとあぶない鹿 (シカ)って感じ? ガバっと幼女に襲いかかったりする鹿がいないか、しかと見届けなければりませんが、とまあそんなことでこの続きは、次回♪

 ということで、今日はクリフォード・ジョーダンっす。 微妙っすな。 サイドマンに名を連ねているのを見ても 「ふーん」 という感じだし、積極的にリーダー作を買う気にもなれない。 一般的な認識としては、そういったレベルなのではなかろうかと。 顔がアントニオ猪木というのが唯一の売りだったりするんですが、通ぶりたいお年頃の僕は、けっこう好きだったりするんですけどね。 スケールの小さな地味ロリンズ。 そういったスタイルの持ち主だったりするので、ロリ好きにもわりと評判がいいのではなかろうかと。 で、今日はそんな栗嬢の 『ソウル・ファウンテン』 というアルバムを取り上げてみたいと思います。 まったくソソられるのはないんですが、とりあえず書くのが楽そうなジャケットに惹かれて、今回の採用となりました。 が、結論から先に言ってしまうと、コイツは失敗でした。 チョコ・ファウンテンって、見た目はめっちゃ美味しそうなんだけど、実際に食ってみると、あまり大したことはなかったりしますよね。 この 「魂ファウンテン」 も同様。 いや、こっちのほうは見た目も大概なんですが、お味のほうも・・・。 よって、今日の後半はいつもと同様、かなり適当なものになると思われますが、思いきり手を抜いたところで、まったく良心の呵責を覚えないので、その意味ではなかなかいいチョイスだった。 そう言えるかも知れません。 ちなみにこれ、岡崎正通クンが書いたライナーノートによると、生粋のハード・バッパーだったテナー・サックス奏者、クリフォード・ジョーダンがソウル・ジャズにアプローチを見せた、いかにも60年代アトランティック・レーベルらしい興味深い一作である。 そういったアレであるようで、それを見た瞬間、ちょっと嫌な予感がしました。 「ソウルの泉」 だから、泉谷しげるみたいになっちゃってる恐れも充分に考えられたんですが、やっぱりそうっすかぁ。 1曲の演奏時間も短く、たっぷりした即興婦プレイよりも、むしろ定められた短いソロ・スペースの中に自身のフィーリングを投入してゆく。 そういう意図が感じられる。 そんなことも書かれているし、こりゃ、アレっすなぁ。 でもまあ、今さら後戻りは出来ないし、ハズレと分かった上で、そのまま突き進むとして。 ちなみにこれ、吹き込まれたのは66年なんですが、しばらくオクラ入りになっていて、70年代に入ってアトランティック傘下の別レーベル、ヴォルテックスから世に出されたものなんだそうです。 ますます期待が薄まりましたが、とりあえず1曲目から。

 まずはベース弾きのベン・タッカー&その他2名が書いたナンバーで、 「T.N.T.」 。 トリニトロトルエンっすかね? NTNなら桑名の花火大会で大いにお世話になっているんですが、TNTは別にどうでもいいかぁ。 そんな気がしないでもありません。 いや、火薬だからもしかしたら花火の材料に使われていたりするのかも知れませんが、個人的にはトリニトロトルエンよりも、鶏煮とる鱈塩。 そういう、鶏とタラの煮物(塩味)のほうがソソられるような気が。 魚貝類の類いがあまり好きではないので、タラ抜きで鶏単体のほうがよりベターだったりするんですけどね。 で、これ、曲のほうはというと、ルー・ドナルドソンの 「アリゲーター・ブーガルー」 のパチモン風。 で、パーカッションを加えたジャズ・ロック風のリズムが極限までダサダサだったりします。 テーマに続いて登場する栗嬢のソロはそれなりにパワフルで、決して悪い出来ではないと思うんですが、で、後半、そこにホーンのアンサンブルが被ってくるというアレンジも、お約束ながら、まずまずではなかろうかと。 でもって、テーマに戻って、おしまい。 確かに演奏時間が短く、たっぷりした即興婦プレイよりも、うんぬん。 そういった仕上がりだったりして、うーん。。。 ということで、次。  「アイブ・ガット・ア・フィーリング・フォー・ユー」 。 クリ・ジョーが書いたナンバーで、泥臭くてアーシーなブルースに仕上がっております。 ダサダサなリズムと、いかにもな管楽器のハモリに、思わず言葉を無くしてしまいます。 ・・・。 ちなみにここでのジョーダンはテナーを持たずにピアノを弾いていたりするんですが、ジュニア・マンスみたいな真っ黒なノリだったりして、それはそれで、ちょっと興味深いものがあります。 更にそこにコンゴやらボンゴやらオルガンまで加わってきて、ソウル臭が半端無かったりするんですが、普通のハード・バップが好きな保守派の身としては、うーん。。。

 で、次。  「H.H.I.C.」 は1曲目に続くベン・タッカー&その他1名によるナンバーで、またしても謎の略称タイトルを持った作品でありますな。 曲そのものはかなりベタなんですが、ファンキーな香りがあって、悪くありません。 鼻毛・鼻糞・陰毛クリニック。 そんな匂いが漂ってきそうで、もしかしたら 「H.H.I.C.」 というのはその略だったりするのかも知れませんが、テーマに続いて登場するテナー・ソロはパワーがあって、悪くないと思います。 この人を褒めるフレーズって、パワーがある。 それ以外には特に何も思い付かなかったりするんですが、いかにもシカゴらしい豪快なブロウっすよね。 鹿らしいキュートさは希薄なんですが、そういうキャラではないので、仕方ありません。 短いながらジミー・オウエンズという、地味に応援したくなる人のラッパと、ジュリアン・プリースターのトロンボーンのソロが聞けます。 いいっすよね、トロンボーン。 通称ボントロ。 トンボロ現象好きの人にも、好印象を与えることが出来るのではないかと思いますが、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 普通のハード・バップ好きの人でも何とか受け入れることが出来る、そんな仕上がりになっていて、何より。 で、次。  「アイ・ガット・ユー (アイ・フィール・グッド)」 。 これまた、いかにもソウルなタイトルだったりするんですが、それもその筈、ソウル界の大御所、ジェームス・ブラウン66年暮の大ヒット曲だそうです。 味噌ッパ! (ミソミソ) のオッサンっすよね。 まさに魂の塊なんですが、ジャズとして聞くのは、ちょっとどうかという気も。 ということで、次。  「カリビアン・クルーズ」 はジョーダンのオリジナル。 スピード感のあるハード・バピッシュな佳曲。 そういった感じで、テナーのブロウも悪くないんですが、いかんせん、演奏が短過ぎぃ。。。 JKのスカートは短いほうがいいに決まっているんですが、ジャズの演奏は昔のスケバン並み…、とまではいいませんが、膝下5センチくらいはないと、ちょっと物足りません。 見えるか見えないかギリギリの線。 そういったところが膝フェチの心を揺さぶるんですよね。 「小説家になろう」 にも こんな話 がありました。 これで小説家になろうとか、ちょっと妄想が過ぎるような…。

 ということで、次。  「セニョール・ブルース」 は言わずと知れたホレス・シルバーの代表作。 有名なわりに、そんなにいい曲だとは思わなかったりもするんですが、そういえばジョーダンって、ホレスのコンボにいたことがありましたっけ? 「セニョ・ブル」 はブルー・ミッチェルとジュニア・クックのコンビだと思ったんですが、調べてみたら違ってました。『6ピーシズ・オブ・シルバー』 だから、ドナルド・バードとハンク・モブレイっすな。 いずれにしろ、シルバーの作品はB級っぽいテナーと相性がよさそうなんですが、で、ここでのジョーダンはというと、うーん、まあまあ? オリジナルよりもちょっと速いテンポで演奏されていて、分厚いハーモニーもなかなか魅力的だったりします。 チャカポコなリズムとオルガン入りという編成は、ちょっとアレだったりするんですけどね。 テナーのソロはストレートな仕上がりでパワーもあって、悪くないと思います。 オウエンズとプリースターも好演。 各自に与えられたソロ・スペースも長めだったりして、ジャズとして傾聴に値する、立派な出来であったな。 そのように評価していいのではなかろうかと。 で、次。 ジョーダン作曲の 「イー・バー・リッキー・ドゥ」 。 いい婆と力道山に捧げられたナンバーではないかと思われますが、ジョーダンはここではフルートを吹いております。 総体的な出来としては、まあまあ? 参加者各位のソロは、そこそこフィーチャーされていて、とまあそんなこなんで、ラストっす。  「リトリビューション」 はジュリアン・プリースターがアビー・リンカーンと一緒に書いたもので、オリジナルは 『ストレート・アヘッド』 に納められていた。 そういったアレであるようです。 「報い」 という意味をもつ、この曲。 5拍子のリズムに乗って、ソウルフルなジョーダンのテナー・ソロを筆頭に、メンバーたちがグルーヴィな魅力をいっぱいにふりまいてみせる。 そういうアレだったりして、とまあそんなことで、今日は以上っす。

【総合評価】 最初の2曲を聞いた時は、この先どうなることかと思いましたが、その後はかなり持ち直しましたな。 特に 「鼻毛・鼻糞・陰毛クリニック」 は、ベタながらもお薦め。 「セニョ・ブル」 も悪くないし、いろいろ惜しい点はあるんですが、総体的にはまあまあだったと評価出来ないこともない気がしないでもありません。 ジミーも応援し甲斐があるし、ジュリアンはそれなりにプリースターだし、ま、そこそこっすなぁ。


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