THE BEST OF EDDIE "LOCKJAW" DAVIS & SHIRLEY SCOTT AT THE ORGAN (BETHLEHEM)

EDDIE "LOCKJAW" DAVIS (1956/2/2,3 7/16 1957/1/22 1958/7/14)

THE BEST OF EDDIE


【パーソネル】

EDDIE "LOCKJAW" DAVIS (ts) SHIRLEY SCOTT (org) <#1,7-11> DOC BAGBY (org) <#2-6,12>
CHARLIE RICE (ds) <#1-9,12> ARTHUR EDGEHILL (ds) <#10,11> RAY BARRETTO (perc) <#1,8>
CARL PRUITT (b) <#1,8> BILL PEMBERTON (b) <#10,11>
【収録曲】

(01-03) EDDIE'S FUNCTION / PEOPLE WILL SAY WE'RE IN LOVE / I WANNA' BE LOVED
(04-06) SATIN DOLL / TOO BEAUTIFUL / LADY BIRD
(07-09) SCOTTY BOO / EDD TIDE / TIA JUANA
(10-12) OUT OF NOWHERE / ALL OF YOU / ALL THE THINGS YOU ARE
【解説】 ( 2015年05月17日更新 / 連載 1,164回 )

 ( 前回 までの粗筋 ) 宮島を堪能した。 …ということで、最終日です。 昨夜から降り始めた雨は朝になっても止まず、どうしてくれる? ま、この日の観光は厳島神社と宮島水族館がメインなので、被害は最小限に止まりそうなんですが、昨日のうちに弥山に登っておいて正解でありましたな。 で、今回、宮島でいちばん期待していたのは満開の桜なんですが、 多宝塔と大元神社 あたりが一番の見所っぽいので、とりあえずそっち方面に歩いていくことにしました。


< 雨の宮島、桜も散って > (←クリックすると写真ページに飛びます。)
   

 (写真・いちばん上) はアレです。 路地から見た五重塔っす。 この商店街は日除けなのか、雨除けなのか、佐野厄除け大師なのか、テントみたいな屋根がびろ〜んと展開するシステムが構築されているんですが、それ用のワイヤーと電線とのコラボで、えらいことになっておりますな。 近年、景観を損ねる諸悪の根元として、電線を地中化するところが増えてきましたが、ここまで雑然としているとむしろ清々しくて、潔くて、スガシカオで、イサキ (スズキ目の海水魚) 。 そんな気がしないでもありません。 アジアっぽいアジ (アジ科の海水魚) 。 そんな風情がありますよね。 途中、 五重塔と豊国神社 にも立ち寄ったんですが、千畳閣の中に入るには100円取られることが判明したので、そのまま素通り。 未完成の建物に払う金など無いっ! 未完成と言えば子供の頃、ミカン製の神社を建立したことがありましたな。 ミカンの皮を底の部分だけ小さく切り取って、そこから中身をほじくりだして、代わりにティッシュを詰め込んで、いわば “ミカンの剥製” のようなものを作成。 それを御神体として祀ったんですが、割り箸で鳥居を作ったりして、けっこう本格的。 オレンジの神社ということで “オレイン神社” と名付け、桑名の新しい観光名所にしようと思ったんですが、3日ほどで御神体にカビが生えたので、ゴミ箱に捨てました。 あれに比べれば未完成ながら、立派なものだと言えるかも知れませんが、で、厳島神社の裏を通って、坂道を上って、多宝塔に到着〜。 多宝塔というのは二重しかなかったりするので、五重塔と比べると40%相当で、今ひとつ地味だったりするんですが、小高い丘のようなところに建っているので、見晴らしはいいっす。

 で、お目当ての桜のほうはというと…、思いっきり盛りを過ぎちゃっていますな。 散り染めくらいならまだ風情があるんですが、ちり鍋。 そんな状況だったりして、ああん。。。 ちり鍋って、めっちゃ辛いエスニックな鍋なのかと思ったら普通に醤油味だったりして、拍子抜けなんっすよねー。 チリ味の鍋じゃないんだ。 そう理解してしまえば、けっこう美味しかったりするんですけど。 「ちりめんじゃこ」 というのも同様に、チリ味でなければ、麺類でもなかったりするんですが、ということで、多宝塔と桜の絡みも (写真・ちょうど真ん中) のように、何とも中途半端な出来になってしまいました。 散った花びらというのもワビ・サビを感じさせて、被写体として嫌いではなかったりするんですが、今回は別にサビ抜きでよかったのにぃ。。。 で、続いて 大元公園 というところに行ってみました。 ここは古くから桜の名所として知られ、しかも、鹿もウロウロしているんだとか。 鹿なんて、島内どこでも見られるんですが、桜とのコラボはちょっと貴重なような? 花札でも見られないっすよね。 10月は 「紅葉と鹿」 で、桜のほうは 「みよしの」 という赤い短冊か、紺と赤の幕みたいなのだったりします。 紺と赤はコント赤信号をリスペクトしたものではないかと思うんですが、ちなみに桜は3月の札だったりします。 それが災いしたのか、ここでも桜は既に散っちゃってる状態。 鹿はちゃんとウロついていてくれたんですけどね。 ほれ。 めっちゃ角、生えてるやんっ! 先っちょ、めっちゃ尖ってるやんっ! 僕はそれほど先端恐怖症では無かったりするんですが、これはアカン。 鹿に角で太股を突かれて、出血多量で死亡。そんな未来しか見えてきません。 猪鹿蝶のうち、蝶ならチョー余裕なんっすが、イノに襲われたら、いの一番に逃げるしかないし、鹿は仕返しが怖いし、とまあそんなこんなで、足早に公園から立ち去ったのでありました。 写真は1枚、仕切弁ボックスの蓋を激写したものだけを掲載しておきます。 デザイン・マンホール蓋はよく見るんですが、こういうのもあるんですな。 桜のイラストと本物の花びらとの取り合わせに禅味を感じていただければ幸いっす。


< 宮島水族館@みやじマリン (その1) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 で、続いては 宮島水族館 っす。  “みやじマリン” などという、なかなかシャレた愛称が付けられていたりするんですが、昔はすごくショボい水族館だったのが数年前にリニューアルして、ちょっとだけ小マシになった模様。 いいっすよね、リニューアル。 離乳食、利尿剤と並ぶ “世界3大リニュもしくはリニョ” のひとつでありますが、えーと…、とまあそんなこんなで、とりあえず入館。 平日だから空いていて、写真撮り放題だったんですが、そんな中から、おサカナ以外の生き物を中心に紹介したいと思います。 何故なら、おサカナは泳ぎまくるので、あまりいいのが撮れなかったからなんですが、まずは牡蠣。 広島らしく牡蠣の展示には無駄に力を入れていて、深い水槽に展開されている 「牡蠣筏」 はなかなかの力作。 ま、見て面白いものではなかったりするんですけど。 まったく動きのない展示というのも、如何なものか? やってる当人たちもそう感じたのか、イカが放流されたりしてましたけどね。 筏 (いかだ) には、イカだろ? そんな意図が込められているのかも知れません。 で、興味深かったのは 「カキの一生」 という解説。 お盛んな牡蠣夫婦の私生活を垣間見ることが出来るんですが、広島弁の牡蠣タン、可愛ぇぇ♪ 栄養状態がいいとメスになって、そうでないとオスになるというのも、何かスゴいっすなぁ。 昔は牡蠣にはオスしかいないと思われていて、だから牡蠣には 「牡」 という字が使われているそうですが、養殖でどんどん餌を与えたりすると、雌ガキばっかりになったりしないんっすかね? 牡蠣だけで1回分の原稿が書けそうなんですが、で、次。 カブトガニ。 キモいっすな。 カブトガニのかぶと焼きとか、あまり食べたくはないんですが、コイツら、血 が青いんだそうですな。 これ 。 カブトガニを太陽に透かしてごらん、真っ青に流れる、カニの血潮〜♪ ミミズやオケラやアメンボ以上に、あまりお友達にはなりたくありませんが、ということで、次。 ウミウシ。 あなたを追って出雲崎、哀しみの日本海 (中略) まるでウミウシ〜♪ 陸のウシが大好きな僕も、ウミウシはあまり食べたくなかったりするんですが、どんなふうに調理するんっすかね? ざく切りにして、フルーツポンチ? 彩りはよさそうなんですが、で、次。 スナメリ。 可愛いです。 で、次。 クラゲ。 愛しいです。


< 宮島水族館@みやじマリン (その2) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 今回、僕が訪れた時には 「深海魚ッチ (しんかいウォッチ) 」 という特別企画展をやっていたんですが、なかなかうまいネーミングっすよね。 中身のほうも実に興味深いものだったりするんですが、ということで、まずは (写真・いちばん上) 。 一時期話題になったダイオウイカっすな。 凍結保存されていた奴はぶっちゃけ、そこまで大きくはなくて、ダイオウイカを名乗るにはちょっと、力不足ではないかと。 小王イカ、あるいは王子イカ、もしくは普通のイカ。 その辺りが分相応ではないかと思うんですが、いや、さすがに普通のイカよりは遙かにデカいんですけど。 で、 (写真・上から2枚目) は、一時期話題になった噂の深海魚でありますな。 大地震が起きる直前に姿を現すというリュウグウノツカイ。 超レアものなんですが、そいつが0℃の水に浸かった半生状態で展示されていて、自由にオサワリ出来るという、画期的な企画。 おおっ♪ さっそくナデナデしてみたんですが、ザラザラしてるような、ネトネトしているような肌触りだったりして、気持ち悪ぃぃぃ。 一生に一度体験出来るかどうかの貴重なチャンスなので、飽きるまで何度も何度もしつこくオサワリしたんですが、そうこうしているうちに、重大な事実に気付きました。 何かこれ、サケガシラって書いてね? 僕がずーっと噂の深海魚だと思って撫でていたのは、実はぜんぜん違う魚だったっぽいんですが、オフィシャルサイトには 「リュウグウノツカイにタッチ!」 とか書いてありませんでしたっけ? 何だか腑に落ちなくて、ちょっとテンションが下がってしまったんですが、後から調べてみたところ、 こんな事情 があった模様です。 あ、土日限定でしたか。 サケガシラは50本近くも上がったそうで、希少価値がないこと、この上なし。 展示台は3mくらいの長さがあって、サケガシラが2本、直列に並べられていたんですが、リュウグウノツカイだと1本でこの長さなんでしょうな。 平日は空いていてよかったし、前日の天気のいいうちに弥山に登れたのはラッキーだったんですが、この件に関してだけ言えば、ちょっと失敗。 ちなみにサケガシラの名前の由来は鮭頭ではなく、頭が裂けているところから来ているそうですが、どうでもいいやぁ、こんなチンケな魚。。。 で、その下はご存知、ダイオウグソクムシたん。 鳥羽水族館に5年くらいずーっと断食している奴がいて、話題になってましたよね。 残念ながらその個体はお亡くなりになってしまいましたが、死因は食べ過ぎによる消化不良…では、さすがになかった思います。 かと言って餓死でもなかったそうですが、謎の生き物でありますなぁ。 とまあそんなことで、深海企画は以上っす。 あとは通常展示エリアから、何らかのサカナと、コツメカワウソたんの写真でも。 ブサカワ系が好きな僕にとって、カワウソたんは思いっきりストライクだったりするんですが、以上で水族館は、おしまい。


< 大元神社と厳島神社 (満潮編) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 続いては厳島神社っす。 港方面からだと、五重塔と千畳閣→厳島神社→多宝塔→みやじマリンという流れが順当なんですが、超満潮の時刻に合わせたかったので、厳島神社を後ろに持ってきました。 と、その前に (写真・いちばん上) 。 大元公園の端っこにあった大元神社を簡単に紹介。 屋根が異例の長板葺で、中世の絵巻物には見られるが、他に類例を見ない日本唯一の 「六枚重三段葺」 の建物である…らしいっすぜ。 凄ぇぇぇぇぇ! いや、見てもよく分からなかったんですけど。 厳島神社よりも歴史が古く、宮島の神社の大元はここなんだそうですが、こじんまりとした地味なお社でありました。 縦と斜めの格子の幾何学模様が何だかオシャレだったので、とりあえず記念に1枚。 で、残りは厳島神社なんですが、やっぱりここは満潮時がいいっすなぁ。 小雨が降っていたのがちょっと残念なんですが、平日にも関わらず、人が大過ぎぃ。 しかもガイジン含有率が半端ありません。 日本人よりも多かったような気が。 ここに来るには2回目なので、初回ほどの感動は無かったんですが、ま、いいんじゃないっすかね? ということで、続いてはランチタイム。 …と、その前に、おやつタイム。 ダイオウグソクムシたんは何も食べなくて平気なんですが、ショウノウサバムシくんは、いっぱい食べます。 ちなみにショウノウというのは脳が小さいという意味ではなく、樟脳くさいという意味。 子供の頃、樟脳の臭いがプンプンする服を着て学校に行ったところ、 「防虫剤くせぇ!」 と言われて虐められた。 そんな過去の辛い思いが込められているんですが、樟脳ではなくて、パラジクロロベンゼンくさかったのかも知れませんけど。

 で、おやつタイム。 当初の目論見通り、 紅葉堂 弐番屋 で、揚げもみじソフトを食べることにしました。 平日で日本人が少ない今がチャーンス! 外人さんが焼き牡蠣の屋台に集 (たか) っている姿はよく見かけたんですが、揚げ紅葉はあまり好みではないのか、お店はガラガラでありました。 正式名所は 「揚げもみソフト」 であるらしいので、店のお姉さんにそれを所望する旨を伝えたところ、 「え? ソフトクリームですかぁ? 普通のバニラでいいですかぁ?」 とか言われて、今ひとつ僕の希望が伝わってないっぽいような? 案の定、普通のソフトクリームの値段を言われて、 「あ、それじゃなくて、揚げもみじのソフトクリームを…。」 それでようやく理解して貰えたんですが、もしかして店のお姉さん、 「揚げもみソフト」 という商品名をきちんと認識していないとか? クソ恥ずかしいのに勇気を出して、ちゃんと正式名称を言ったのにぃ。。。 事前の下調べの結果、揚げ紅葉は餡とクリームとチーズ、容器はワッフルかカップ、ソフトクリームにかけるソースはチョコ、ブルーベリーなど数種類。 これらを自由に組み合わせるシステムであると認識していたんですが、面倒になったのか、2種類くらいの組み合わせに集約された模様です。 「餡+ワッフル」 という無難な組み合わせにしたんですが、ということで、出来上がり〜。 ほれ 。 揚げ紅葉は揚げたてアツアツで、冷たいソフトクリームとのコンビネーションが、たまらんっ♪ が、前日に普通の揚げ紅葉を食べてしまっていたので、感激もひとしお…とまではいかなくて、感激も朝潮くらいだったりしたんですが、で、続いてはランチタイム。 宮島の名物といえば牡蠣とアナゴさんの2本立てなんですが、魚介類の類があまり好きではない僕としては、どちらもあまりソソられるものがありません。 で、無難なところで、お好み焼きを食べることにしました。 ほれ 。 ぶっちゃけ、ちょっと微妙な感じだったので、敢えて店名は出しませんが、商店街の中にあるお店ということだけ。 ま、広島らしい昼食ということで、それなりに満足して、で、時間にちょっと余裕があるので、最後にもう一度、千畳閣に言ってみることにしました。 雨は止んだんですが、屋根のあるところで座ってゆっくり時間を潰すには、ま、100円くらいの出費はやむを得ないかなと。


< 豊国神社@千畳閣 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 写真のコメントが適当なこと、この上ないんですが、うん、意外と悪くはありませんな。 未完成だから完成度は低いし、実際は857畳敷らしく、看板に偽りがあるんですが、ま、100円ならこんなものかと。 ちょっと小高いところにあるので、海や厳島神社の屋根を眺めることが出来るし、とまあそんなことで、桜が盛りを過ぎていたのはちょっと残念だったんですが、盛りのサケガシラは存分に堪能出来たし、とまあそんなことで、今回の旅は、おしまい♪

 ということで、今日はエディ・ロックジョー・デイビスっす。 いいっすよね、ロックジョー。 僕が長らく通っていた岐阜支店の住所が六条江東というところだったので、何だか他人という気がしません。 ちなみにこれは六条 (ろくじょう) 江東 (えひがし) と区切るのが正解なんですが、ゴリラのおねえちゃんは 「ろくじょうえ・ひがし」 と発音するので、違和感がありあり。 ちなみにゴリラのおねえさんというのはカーナビの中の人なんですが、曲がるときに交差点の名前を読み上げてくれるんですよね。 「この先、ろくじょうえ・ひがしを、右方向です。」 みたいに。 その度に 「区切り、ちゃうやろ!」 とツッコミを入れていたんですが、転勤でそれも聞けなくなって、ちょっと残念。 その為、エディ・ロックジョー・デイビスも別にどうでもよくなったんですが、先日、ISOの内部監査で名古屋の本社に行く機会があり、その帰りにタワーレコードに寄って、この 『ザ・ベスト・オブ・エディ・ロックジョー・デイビス・アンド・シャーリー・スコット・アット・ジ・オルガン』 という1枚を仕入れてきたので、とりあえず簡単に紹介しておこうかと。 無駄にクソ長ったらしいタイトルなんですが、ベツレヘム・レーベルがキング・レコードの傘下になった際、キング時代のロックジョーの吹き込みを寄せ集めて作ったものであるようです。 アンド・シャーリー・スコットと銘打たれておりますが、スコットが参加しているのは12曲中の7曲のみ。 残りはドグ・バグビーという人がオルガンを弾いていて、看板に偽りありもいいところ。 そう、日本語ライナーで原田和典クンが嘆いております。 参加率58.3%っすか。 また千畳閣のほうがタタミ率85.7%で、マシっすよね。 ちなみにシャーリー・スコットは当時、スタンリー・タレンタインの奥さんだったりして、これは言わば “不倫セッション” ということになろうかと思うんですが、とりあえずまあ、聞いてみることにしましょうかぁ。

 1曲目、ロックジョーのオリジナルで、 「エディーズ・ファンクション」 。 ええで、伊豆不惑ショー。 40歳のオッサンが主演 at 伊豆。 まったくソソられるものがない出し物でありますが、 「うま味紳士」 とか、あの辺りが好きな人がターゲットなんすかね? よく分かりませんが、で、演奏のほうはというと、紳士とは思えない下品な仕上がりだったりして、ま、ロックジョーっすからね。 最初からあまり多くは期待していなかったんですが、逞しさと塩辛さを併せ持つ音色、タンカを切るようなフレーズ、闇を切り裂くようなブロウなど、ロックジョーのプレイはどこをとっても個性のかたまりだ。 そう、原田クンがうまいこと書いてくれておりますが、まさに逞しくて塩辛いっすな。 宅麻伸も、イカの塩辛もあまり好きではない僕にとっては、ちょっと辛いものがあるんですが、アーシーで泥臭いテーマの後、テナーのソロがあって、明確にはテーマに戻らずに、おしまい。 そういう流れだったりするんですが、レイ・バレットのコンガだかボンゴだかが入っているのもあって、ソウル色が強いっす。 シャリ・スコは脇役に徹していて、あまり目立ちません。 で、次。  「ピープル・ウィル・セイ・ウイ・アー・イン・ラブ」 。 「みんな、私たちがラブラブだって言うのぉ♪」 そんな感じっすかね? ミュージカル 『オクラホマ』 からのナンバーで、オスカー・ハマースタイン3世の作詞、リチャード・ロジャース作曲という、黄金の歌物ナンバー。 オクラホマというとオクラホマミキサーとか、大倉ホモ三木さんとか、そんな言葉が浮かんでくるんですが、いかにも小唄小唄したミディアム・テンポの佳作に仕上がっております。 こういうムードのロックジョーは、悪くないじょー。 で、テーマの後、すぐにオルガンのソロになるんですが、上品で歌心に溢れていて、さすがはシャーリー・スコットって感じ。 …とか思っていたら、ここから5曲ほどはドック・バグビーの担当なんですな。 パグという変な顔の犬っぽい名前ということ以外、何も情報を持ち合わせてはいないんですが、普通にいい感じなので、まったく問題は無いのではなかろうかと。 ロックジョーのソロも手堅く纏まっていて、悪くないと思います。

 で、次。  「アイ・ワナ・ビー・ラブド」 。 これまた歌物っぽい小粋なナンバーでありまして、オルガンとテナーのちょっとしたソロが楽しめます。 続く 「サテン・ドール」 も、以下同文。 魅惑のムード・テナーっぽくて、ちょっと物足りなく思うかも知れませんが、下手にコテコテのブロウを聞かされるよりかは全然マシで、ま、気軽に聞き流しておけばいいのではなかろうかと。 次の 「トゥ・ビューティフル」 も似たような感じなんですが、こちらはバラード調なので、よりムーディ勝山な仕上がりとなっております。 で、次。  「レディ・バード」 はタッド・ダメロン作のバップ・ナンバー。 スインギーでドライブ感があって、歌心にも富んでいて、いいじゃん♪ 出だしはどうなることかと思いましたが、2曲目から完全に息を吹き返しましたな。 バグビー最高や。 シャーリー・スコットなんか、最初からいらんかったんや! …と思っていたら、次で復活しました。  「スコッティ・ブー」 。 これではまるで、シャーリー・スコットが高木ブーだと言ってるみたいじゃないか。 そう憤りを覚えずにはいられませんが、よく見たら自分で作った曲にこの名前を付けているんですな。 自虐? 試しに “boo” の意味を調べてみたところ、高木ぶーのブー、ブーイングのブーの他に、スラングで 「恋人」 という意味もあったりするようなんですが、で、曲のほうはというと、意外と勇ましいアゴ勇。 そんな感じのワイルドなファンキー・チューンだったりして、ロックジョーの持ち味とよくマッチしております。 テーマの後、すぐにオルガンのソロになるんですが、これも何だか骨太な仕上がりだったりして、もしかしてスコットとバグビー、逆なんじゃね? そんな気すらしてしまうんですが、こっちのほうのセッションも悪くありませんな。 で、テナーのソロらしいソロはなくて、おしまい。 とりあえずオルガンをフィーチャーしてみました。 そういう趣向なのかも知れませんが、これはこれで、アリかも知れません。

 で、次。  「エブ・タイド」 。 しばらくシャリ・スコとのコンビが続くことになるんですが、前曲から一転、今度はしみじみとしたバラードが展開されております。 「エブ・タイド」 という、ちょっぴりエボダイっぽい名前とは裏腹に、微妙に 「ミスティ」 っぽい綺麗な旋律の曲だったりするんですが、またしてもオルガンが大きくフィーチャーされていて、ロックジョーの出番は些少。 というか、もしかして皆無? ま、1曲くらいはこういうのがあってもいいかも? そんな気がしないでもなくて、で、次。  「ティア・ワナ」 はロックジョーのオリジナル。 ラテンっぽいリズムに導かれ、久々に品の無さバリバリ全開なロックジョーの登場だじょー。 テーマに続いて、テナー、オルガンの順でソロが披露され、最後にテナーが出てきて、おしまい。 で、次。 ここから先は歌物ナンバーが3つ並ぶんですが、まずは 「アウト・オブ・ノーホエア」 。 パーカー派のアルト奏者が好んで吹く曲。 そんな印象があったりするんですが、ここでのロックジョーのケレン味のない吹きっぷりも、うーん、まずまず? そんな気がしないでもありません。 ちょっとクドいのが玉に傷なんですが、あ、正しくは 「玉に瑕」 と書くんですな。 ちょっぴり蝦 (エビ) に似ているんですが、瑕疵担保責任とかにも使いますよね、この漢字。 きず、欠点、過失 = 瑕疵。 エビを食べて下痢になる = 蝦痢。 ちょっと紛らわしいんですが、ということで、次。  「オール・オブ・ユー」 。 図太いテナーの音色と、そこに絡むアーシーなオルガン。 どういう仕上がりになっているか、聞く前から何となく見当が付くんですが、見当と言えば、遣唐使。 拳闘で健闘したり、ケント紙にケント・デリカットの絵を書いたり、いろいろ多才だったりしますよね、遣唐使。 ということで、ラストっす。  「オール・ザ・シングス・ユー・アー」 。 パーカー派のアルト奏者が好んで吹く曲。 そんな印象があったりするんですが、ここでのロックジョーは、ま、無難な仕上がりかと。 オルガンが再びバグビーに変わるんですが、ぶっちゃけ誰が弾こうが、誰が非行に走ろうが、別にどうでもいいような気がして来ました。 ピアノに比べると今ひとつ個性が出にくい楽器だったりしますよね。 オルガンより、お彼岸のほうがいいよね? 彼岸ダンゴも食えるし。 そんな気がしないでもないんですが、とまあそんなこんなで、おしまい。

【総合評価】 「アンド・シャーリー・スコット」 という看板に偽りありもいいところなんですが、結果的にそれは、あまり大した問題ではなかったな…と。 好き嫌いが分かれそうなロックジョウのスタイルも、1曲目さえ乗り切ってしまえば、あとは何とかなっちゃいます。 オルガンより、お彼岸のほうがいいよね? そういう人にはまったくオススメ出来ませんが、歌物中心の選曲でとっつきやすいし、そんなにクドくないのもあるし、まあまあそこそこ?


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