THE KICKER (MILESTONE)

JOE HENDERSON (1967/8/10)

THE KICKER


【パーソネル】

JOE HENDERSON (ts) MIKE LAWRENCE (tp) <except #7> GRACHAN MONCUR (tb) <except #7>
KENNY BARRON (p) RON CARTER (b) LOUIS HAYES (ds)
【収録曲】

(01-03) MAMACITA / THE KICKER / CHELSEA BRIDGE
(04-06) IF / NARDIS / WITHOUT A SONG
(07-08) O AMOR EM PAZ / MO' JOE
【解説】 ( 2015年07月05日更新 / 連載 1,170回 )

 日光に行って来ました。 日光を見ずして、結構と言うなかれ。 そんな言葉がありますが、僕はけっこう、日光を見る前から 「けっこう」 と言っていたような気がします。 けっこう仮面の “おっぴろげジャンプ” で、 「こりゃ、けっこう〜♪」 とか。 そんな僕が初めて日光に行ったのは中学の修学旅行だったんですが、詳しくは ここ 参照。 かなり前に書いたネタなので、自分で読み返すのもクソ恥ずかしい、過去の黒歴史なんじゃないか? そのように懸念していたら、意外と大丈夫だったんですが、ひとつだけ訂正。 今回、バスで奥日光まで行って判明したんですが、いろは坂のカーブは上りと下りを合わせて、全部で47…ではなくて、48というのが正解でした。  「浅き夢見し、酔いひもせず、ん〜♪」 と、最後のところで感極まるんですよね。 よって、最後のカーブは 「ん」 。 で、昔の僕は 「いろは坂のカーブ命名問題」 に随分と固執しているんですが、今回、バスに乗って検証した結果、わりと順当に 「これは確かにカーブやな。」 と思える曲線に的確に名前が付けられていることが判明して、実によく出来てるなぁ。 そんな感慨に耽ることが出来たんですが、ちなみに日光は東照宮なんかがある下のほうと、中禅寺湖なんかがある上のほうに大別することが出来ます。 その2つのエリアを結ぶのが 「いろは坂」 なんですが、今回は日程の都合もあって、下のほうの神社仏閣の類は無視して、湖と滝とお花。 そっちのほうに重点を置くことにしました。 ということで、出発〜♪

 日光へは東京方面からなら東武特急を使うのが普通なんでしょうが、北千住とやらで乗り換えるというのが何だか面倒で、東北新幹線で宇都宮まで行って、そこでJRの日光線に乗り換えるというルートにしました。 ちなみに、今回の行程は こちら 。 千手ヶ浜というところのクリンソウの花がちょうど見頃っぽいので、初日はそれをメインに持ってくることにしたんですが、 これ っすな。 一般車両の乗り入れが禁止されているエリアなので、低公害バスというのに乗るか、船に乗るか、歩いて行くかの三択になるんですが、僕は菖蒲ヶ浜から船というプランに勝負を賭けることにしました。 その昔、男体山の神 (大蛇) と、赤城山の神 (大百足) が戦ったのが戦場ヶ原で、勝負がついたのが菖蒲ヶ浜なんだそうですな。 勝ったのは大蛇のほうで、敗れた百足 (むかで) は船に乗って、湖の対岸へと逃亡。 足が百本あっても駄目かぁ。 じゃ、今度は手を千本にしてみるぅ? そう、作戦を立て直したのが千手ヶ浜なんだそうですが、いや、最後のくだりは僕の創作なんですけど。 調べてみたら、日光開山の祖・勝道上人が建てたという千手観音堂が、かつてここにあったため…という、実につまらない由来だったりするようなんですが、千手観音ってフル・バージョンと簡易版、2つのタイプの奴がいたりしますよね。 簡易版だと手が42本くらいしかなかったりして、手抜きもいいところ。 最初に手を1000本作っておいて、そこから958本の手を抜いて42本にしたのなら、ぜんぜん手抜きではないんですが、勢い余って手を抜きすぎると41本になっちゃったりするし、なかなか難しいっすよね。 …とまあ、そんな千手ヶ浜に行くことにしたんですが、JR日光駅前にはハイカーっぽい出で立ちの中高年男女の姿がちらほら。 東武日光駅前からは一般観光客っぽい人たちがそこそこ乗り込んできて、で、神橋で半分くらいが降りて行きました。 中禅寺温泉でガイジンの中年ペヤングが降りて、ハイカー中高年はやっぱり、千手ヶ浜のクリンソウ目当て? …とか思っていたんですが、菖蒲遊覧船発着所というバス亭で降りたのは、僕一人だけでありました。 遊覧船乗り場というので、華やいだ雰囲気を頭に描いていたんですが、6月の平日ということもあってか、寂れまくっていて、閑散感が半端ありません。 しかも、結構な量の雨が…。

 今回、諸般の事情により、この時期のお出掛けとなったんですが、梅雨の真っ只中で、天気は大丈夫だろうかと心配していたら、やっぱりと言うか、案の定と言うか。 金曜日は曇りで、夕方から雨の予想。 土曜日はずーっと雨で、日曜日に何とか持ち直してくれるかどうか。 そんな感じだったりして、うーん…。 「奥日光には梅雨がない」 という戯れ言だけが心の拠り所だったんですが、何とか持ちそうだと思っていた金曜日に既に雨に降られてしまって、駄目じゃん! 遊覧船の切符はバス亭の前の食堂兼お土産屋みたいなところで売られているようなんですが、人気がまったく感じられなくて、うーん…。 しばらくしたら奥のほうからオバハンが出て来て、何とか無事に切符を手に入れることが出来たんですが、ということで、出発〜♪


< 菖蒲ヶ浜から千手ケ浜へ (その1) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)
 

 遊覧船について、詳しくは ここ 参照。 千手ヶ浜コースはクリンソウが咲く今の時期だけ定期便が運行しているようですが、行きも帰りも乗客は僕一人だけでありました。 乗員は運転手を含めて、計3名もいたんですけどね。 船着き場に着いた時、桟橋の柱みたいなのにロープを巻き付けて、船を横付けさせる作業にどうしても2名ほどの人力が必要になるようですが、ちなみに乗船料は片道380円。 乗船時間は15分ほどで、これで、どれくらいの燃料費が掛かるのかはよく分かりませんが、半分が人件費だとして190円。 3人で山分けすると、1人あたり63円ちょっと。 ロープ係の人はけっこうな重労働だったりするんですが、やってられませんな、こりゃ。 土日で天気がよければ、さすがにもうちょっと乗客が増えるものと思われますが、とまあそんなこんなで、千手ヶ浜に到着〜。 ちなみにこの千手ヶ原、正しい読み方がよく分からなくて、 「 “せんてがはら” 行きの船って、これでいいっすかぁ?」 とか、桟橋のオッサンに聞いてしまったんですが、 “せんじゅがはら” が正解だった模様。 間違ってるなら訂正しろよ、オッサン! そう思わずにはいられませんが、別にどうでもいいやぁ。 そんな捨て鉢な気分だったんでしょうな。 どうせ1人あたり63円ちょっとだしぃ…。 日光には小田代ヶ原という地名もあって、僕は 「お…おだだいがはら?」 とが読んでいたんですが、これは “おだしろがはら” というのが正解。 小田くんの代理とか、そういうのではなく、小さな田代というのが由来みたいですが、出所報告記念会見とかやってたみたいですな、田代まさし。 とまあそれはそうと、千手ヶ原。 クリンソウの群生地は2箇所ほどあるようですが、帰りの船が出発するまでの猶予は約1時間。 両方回るのはちょっと厳しそうなので、草加市奥日光自然の家の敷地内のほうは諦めて、下のほうのエリアを目指すことにしました。 (写真・ちょうど真ん中) みたいな木の橋を渡って、湖畔を湖畔をススムくん。 10分ほど歩くと (写真・下から2番目) の乙次郎橋に到着〜。 この辺りの民家に住んでる伊藤誠クンの父が乙次郎で、 「日光の仙人」 とか呼ばれていたそうですな。 これ っすか。 あ、 “おつじろう橋” とか読んでしまっていたんですが、正解は “おとじろう橋” なんですな。 …とか思ったら、これはどうやら、ぜんぜん関係のない “おとじろう” であるっぽいんですが、 こっち っすな。 いずれにしろ、桟橋のオッサンに 「 “おつじろう橋” って、どっちっすかぁ?」 とか聞かなくて、よかった。 そう思わずにはいられませんが、で、橋を渡って湖のほうに行ってみたんですが、クリンソウの花など、どこにも咲いて無くて、も…もしかして、時期が遅かったとか? 6月上旬の時点で、今年は例年よりも早く見頃になったとか書いてありましたからなぁ。。。

 雨の中、こんな僻地まで来たのに、この仕打ちっすかぁ。。。 ガックリしながら少し陸地のほうに歩いて行くと 「仙人庵」 という掘っ立て小屋みたいなのがあって、そこではセルフサービスのホットコーヒーが無料で用意されておりました。 飲みませんでしたけどね。 猫舌で、熱いの苦手だしぃ。 で、そこの近くにクリンソウが咲いているのを発見。 おお、こっちのほうに生えていたんっすなぁ。 危うく見落として、そのまま帰っちゃうところでした。


< 菖蒲ヶ浜から千手ケ浜へ (その2) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)
 

 よくよく見るとこの一帯には遊歩道みたいなのも整備されていて、ぐるっと散策しながらクリンソウを愛でられるようになっておりました。 綺麗な小川や池みたいなのもあったりして、花が咲いてなかったとしても、そこそこ満足しそうです。 これなら200円くらい徴収しても誰も文句を言わないレベルだったりするんですが、入場無料で、しかもコーヒーまでサービスしてくれるとは、さすが仙人。 鹿による食害を防ぐためのネットとかも張られているし、遊覧船のおっさんの割り当てを20円くらい減らして、ここの人にあげたほうがいいんじゃないっすかねー? あんなの、船着き場でロープを引っ張るとき以外は、ただ船に乗って座っているだけでいい、クソ楽そうな商売だったりするしぃ。 雨の中、傘をさしての散策&撮影でありましたが、それはそれで、なかなか乙なものでありました。 で、乙次郎橋を湖のほうから眺めたりもして、でもって、引き返して、散策は終了〜。 その軌跡はこんな感じ (↓) でありました。

  【千手ヶ原散策の軌跡】 (←Click Here!!)

 船を降りてジャスト10分で乙次郎橋。 クリンソウ園地の散策が25分で、10分掛けて引き返して、トータルの所要時間は約45分。 猫舌に耐えられる温度になるまでコーヒーが冷めるのに5分くらい掛かったとしても、帰りの船には余裕で間に合います。 船着き場付近の景観もまずまずだったりするんですが、これで天気さえよければ湖の向こうに男体山がどどーんと見えて、最高なんでしょうなぁ。  こんな感じ っすか。 バスが超満員とか書いてあるのが信じられないんですが、戦場ヶ原や小田代ヶ原の散策と組み合わせるなら 低公害バス の利用が便利かと。 初夏から秋にかけての土日祝日は朝4時くらいから運行しているようですが、日の出目当てだったりするんでしょうなぁ。 こういう のを見ると、べっ…別に羨ましくなんかないし、悔しくもなかったりするんですが、夜中の3時前から自転車っすかぁ。 やっぱり、いい写真を撮るにはそれなりの努力が必要なんですなぁ。 380円の船では今回のが精一杯なんですが、で、菖蒲ヶ浜に引き返して、今度は竜頭の滝を目指します。 バスに乗るまでのなさそうなので、歩いていくことにしたんですが、途中に 「さかなと森の観察園」 なんてのもあるので、時間に余裕があって、尚且つ、おさかなを観察してみたいな♪ そういう人がいれば、立ち寄ってみるといいかも知れません。 入場料300円で、魚のエサまで付いて来るみたいだし。 ちなみにここ、さかなだけでなく森も観察出来るようで、隠れた紅葉スポットだったりするようなんですが、今はその時期ではないし、時間に余裕も無かったので、今回は素通りしました。 で、竜頭の滝。 中学の修学旅行では車窓からチラっと見ただけだったような気がするので、今回はじっくり見てみたかったんっすよねー。


< 竜頭の滝 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)
 

 ということで、到着〜。 滝壺の部分は食堂兼お土産物屋の敷地内から眺めるような感じで、ちょっと落ち着きません。 水が真っ直ぐ垂直に落花する直瀑ではなく、渓流瀑の類いなので、こんなの滝じゃないじゃん。 ただの急流じゃん。 そう馬鹿にする人もいたりするんですが、個人的には単純な直瀑よりも、こういうタイプのほうが好きだったりします。 カメラの設定をシャッタースピード優先にして、 「スローシャッターで、水の流れを表現〜♪」 とか、やりたくなっちゃいますよね。 今回、雨が降っていたので、防水コンデジで適当にバシャっと撮るだけになっちゃったんですが、何だかけっこう綺麗な感じになって、ちょっと悔しいです。 クソ重い思いをして、わざわざ一眼レフを持ってきた意味がないじゃん! スマホとかも、あまり写真は綺麗に撮れないようにして貰わないと困るんですが、この竜頭の滝は、先っちょのところが二又に別れているのが素晴らしいっすなぁ。 右と左で角度とかに変化があって、自然の造詣なのに、計算し尽くされた感が半端無かったりします。 俺、今日の晩飯は飛竜頭にするよ! 思わずそう言いたくなっちゃいますが、たかが “がんもどき” に “飛ぶ竜の頭” とは、ずいぶんと大袈裟な名前を付けたものでありますが、うちのほうでは “ひろず” と呼んでおりましたな。 こんな漢字を書くんやぁ♪ …と、子供の頃に感心した記憶が。 何故そんな名前を付けたのかという考察は、またの期待に譲るとして、で、この滝は下から眺めるだけでなく、流れに沿って上のほうまで歩いていけるシステムになっていたりします。 ということで、上ってみました。 途中、ドバドバと豪快に水が流れ下る様を鑑賞出来るスポットがあって、凄ぇぇぇぇぇ♪ 大迫力でありますな、こりゃ。 この先で、流れが二又に別れて落ちていく様子も見て取ることが出来るし、下から見る印象とはぜんぜん違っていて、苦労してここまで上って来た甲斐があった。 そう、心の底から思えます。 で、更に上って、いちばん上の橋のところから眺めてみたんですが、ぶっちゃけ、これはちょっと微妙かも? 遠くに中禅寺湖も見えて、天気がよければそれなりの景観だったりするんでそうが、滝を上から眺めるという豪快さは皆無で、ただの川の流れであるな。 そんな感じでありました。 で、ここまでの散策の軌跡は、こちら (↓) 。

  【竜頭の滝散策の軌跡】 (←Click Here!!)

 菖蒲ヶ浜の船着き場から茶屋のところまで、800mくらい。 そこから滝の上までは水平距離にして400mくらいっすかね? ただ、高低差が60mくらいあるので、ちょっと大変です。 滝の上には滝上というバス亭があるので、諸事情が許すようであれば、そこでバスを降りて、そこから滝壺目指して坂を下るコースのほうが楽でいいと思います。 下から攻める場合、真ん中より上は大して見所もなかったりするので、途中で引き返すというのもアリかも? 滝の上には何にもないんですが、下のほうには 茶屋 があるので、団子を食べたり、お土産屋を覗いたりすれば、バス待ちの時間も苦にならないだろうしぃ。 上のほうでバスが来るのをぼーっと待っていた僕の企画はちょっと失敗でありましたが、ようやくやって来たバスに乗り込んで、続いては本日の最終目的地、日光湯元温泉であります。 出来ればこの日のうちに湯滝も片付けておきたかったんですが、時間が遅くなりそうなので、宿の近くを軽く散策するに留めておきました。


< 温泉寺と湯ノ平湿原 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)
 

 ということで、まずは 温泉寺 。 東照宮の近くにある輪王寺という寺の出張所みたいなものなんですが、実際に温泉に浸かることも出来るという、なかなかレアな寺だったりします。 近くに日帰りで利用出来る温泉がいくらでもあるので、需要は皆無みたいですけど。 で、この寺の周囲は湯ノ平湿原と言って、ちょっとした湿原みたいになっていて、生意気に木道まで整備されていたりしているんですが、この湿原はただの湿った原っぱではなく、名前が示す通り、温泉の源泉地帯だったりします。 周囲には腐った卵の臭いが立ちこめていて、源泉小屋が建ち並ぶという、なかなか珍しい風景が楽しめます。 その辺の水たまりも、ただ水がたまっているだけやな。 そんなふうに思っていたら大間違いで、手を突っ込むとめっちゃ湯だったりして、おおっ♪ 生意気に白濁なんかもしちゃってくれてたりするし、ちょっと感動しますぜ。 10円玉を磨いて綺麗にする遊びなんかも出来るようですが、 ここ 参照。 ぜんぜん綺麗になってないじゃん! そんな気がしないでもないんですが、ま、10円玉がピカピカになるサンポールみたいな温泉というのも、ちょっと体には毒そうだし、これくらいのマイルドさで、ちょうど妥当なのではなかろうかと。 とまあそんなことで、本日のお宿、 湯元板屋 にチェックイン。 板屋と言えば、ゲッツ板谷という奴が、いたや。 そんなことを思い出したりしたんですが、で、この辺りの散策の軌跡はこちら (↓) 。

  【温泉寺と湯ノ平湿原散策の軌跡】 (←Click Here!!)

 ぐるっと回って700m弱の、超お手軽な散策コースでありますな。 修学旅行らしい小学生の集団もいたりして、賑やか。 僕は食べ切れなかった給食のパンを机の中に放置して、カピカピにしたりする少年だったんですが、ここなら食べ切れなかった温泉卵を放置して腐らせてもバレないに違いなくて、いいな♪ そんなふうに思ったりもしたんですが、で、この続きはまた、次回♪

 ということで、今日はジョー・ヘンダーソンだじょー。 ハードバップの次を担う、60年代の新主流派を代表するテナー奏者がウェイン・ショーターだとすれば、その補欠にあたるのがこの人。 いいっすよね、ジョー・ヘン。 一聴してソレと分かる独特のウネウネしたフレージングが超個性的だし、ムサ苦しくて垢抜けないルックスも親近感が持てます。 何と言うかその、 「悔しくない」 んですよね、この人の場合。 何かヘンダーソンとか、アンパンマンにも出て来そうだし。 で、今日はそんなジョー・ヘンについて、心ゆくまで語ろう。 そんなふうに思っていたんですが、残念ながら時間が無くなってしまいました。 仕事が入っちゃったんすよね、この土曜日。 詳しい説明は省きますが、今日も部屋の掃除と、床屋と、くるくる工房に段ボールを持っていく仕事で半日ほど潰れてしまって、残された時間で後半部分とジャケ絵を何とかしなければなりません。 ということで、 『ザ・キッカー』 。 ジョー・ヘンのブルーノート時代のリーダー作は、どれも傾聴に値する名作ばかりだったりするんですが、それに続くマイルストーンの時代は正直、ちょっと微妙。 いや、内容的にはぜんぜん悪くなかったりするんですが、ジャケットのセンスが壊滅的に駄目駄目だったりするんですよね。 今回のこれも書くのがクソ面倒そうで、今から気が重くて、テンションも下がり気味なんですが、マイク・ローレンスという、あまりよく知らないトランペット奏者と、ボントロのグラチャン・モンカー3世が入った3管モノで、ピアノはケニー・バロン。 何とも微妙な面子っすな。 マイルストーンのジョー・ヘンというと、70年代物というイメージがあったんですが、これが吹き込まれたのは1967年。 リバーサイドのオリンキープニュースが新しく作ったレーベルなので、中身が悪い筈は無いんですが、とりあえずまあ、適当に聞いて、軽く片付けてしまいましょう。

 1曲目はヘンダーソンのオリジナルで、 「ママシータ」 。 ケニー・ドーハムの 『トランペット・トッカータ』 という微妙なアルバムでも取り上げられていた、軽いボサノヴァ調のナンバーであります。 ジョー・ヘンのリーダー作でも聞いたことがあるような気がするんですが、調べてもよく和からなかったので、ま、いいか…と。 ブルー・ミッチェルの 『ステップ・ライトリー』 という、これまた微妙なヤツに入っているのも確認出来たんですが、えーと、 これ っすか。 おお、確かに。 で、桑名の花火大会ネタっすな。 この年はNTNがスポンサーから撤退して、めっちゃショボかったようですが、翌年から復活。 今年は2尺玉が前年比+2の18発と、過去最多となるようですが、今年は津でも2尺玉を1発やるそうですな。 津の癖に生意気だぞ! そう思わずにはいられませんが、まずはジョー・ヘンのオリジナルで、 「ママシータ」 。 お母さん、Θ (シータ) なんですかね? それだと毎日、椎茸ばかり食べさせられそうで、ちょっと嫌ですな。 それならまだ、ママα (アルファ) で、毎日アルファルファばかり食べさせられるほうがマシなんですが、一時期、健康野菜として大いに持て囃されたものの、最近とんと見かけなくなりましたよね、アルファルファ。 (中略) 新主流派っぽいような、ジャズ・ロックっぽいような、それを足して2で割った新流ャズ・ッロっぽいようなナンバーだったりするんですが、いくら足して2で割るにしても、そういう発音しにくい割り方というのは、ちょっとどうか?…という気もするんですけど。 そう、前回の解説にあるんですが、今回もまあ、似たような感じなのではなかろうかと。 3管のハモリでテーマが演奏された後、ヘンダーソンのソロになるんですが、そこに残りの2管が絡んでくるという、そういうアレでありますな。 続くピアノのソロでも管の絡みがあって、全般的にアドリブがちょっと分かりにくくなっております。 でもって、テーマに戻って、おしまい。

 で、次。 アルバム・タイトル曲の 「ザ・キッカー」 。 これもわりとよく耳にするナンバーなんですが、勢いがあって、いいっすよねー。 テーマの後、テナー、トランペット、ピアノ、トロンボーンの順で各自のソロがフィーチャーされるんですが、邪魔が入るのは切り替わりの数小節だけで、わりと純粋にソロを楽しめる仕様となっております。 実力不明なロウレンスも、期待が薄かったケニー/バロンもそれなりに頑張ってくれていて、で、最後にルイス・ヘイズのタイコのソロがあって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 最後まで勢いだけで押し切る、押切もえ。 そういうアレだったんですが、ケレン味がなくて、スッキリ♪ で、続いてはビリー・ストレイホーンが作った名曲、 「チェルシー・ブリッジ」 。 あなたにも、チェルシー、あげたい♪ これ っすな。 可愛いっすなぁ、スコットランドの幼女。 こんなイントネーションだったけ? …と、ちょっと違和感があったりするんですが、僕が記憶していたのは、あなたにも、チェルシー、あげたい♪ こんな感じなんですけどね。 いや、字で書いても何も伝わっていないと思いますけど。 僕は断然、ヨーグルトスカッチ派だったんですが、和田基 (ホップ大王) かと思うと、ちょっと嫌なものがありますな。 バター派に転向しますかね? で、演奏のほうはというと、しみじみとしたバラードっすな。 基本テナーが中心で、そこに残りの2管が絡む形でテーマが演奏されて、ジョー・ヘンとケニー・バレルのソロ続くという、そういう流れです。 ヨーグルトスカッチのような青春の甘酸っぱさではなく、どちらかというと大人の世界のバター犬。 そういうアレだったりするんですが、とまあそんなことで、次。  「イフ」 はヘンダーソンのオリジナルなんですが、冒頭からケニー・バロンが大活躍。 この人、見た目がジョー・ヘン以上にムサ苦しくて垢抜けないので、ギャル人気はまったく期待が持てないんですが、実力の程は確かでありますな。 試しに画像検索してみたら、期待していたほどムサ苦しくはなかったんですが、もしかして誰か他の人とゴッチャになってるんですかね? …とか言ってるうちに、管楽器軍団が登場してテーマ部の吹奏が始まりましたが、あ、これはアレですな。 ラリー・ヤングの 『ユニティ』 に入ってたヤツっすな。 確かにアレもジョー・ヘン入りっすよね。 ここでもテナーのソロがしっかりとフィーチャーされていて、聞き応えは十分。 出だしこそ、ちょっと探り探りな感じがあるんですが、やがて、いつものウネウネ節が全開となって、で、トロンボーンとトランペットのソロへと引き継がれていきます。 実力未知数だったマイク・ローレンスなんですが、バリバリですな。 ググってみたら、トヨタはモータースポーツの何たるかを理解していない。 そんなフレーズが出て来たんですが、これは恐らく、違うローレンスくんの発言なのではなかろうかと。 とまあそんなこんなで、おしまい。 最後はちょっと無理矢理テーマに戻る感じだったりしたんですが、なかなかに熱い出来でありました。

 で、次。 ビル・エバンスでお馴染みの 「ナーディス」 。 作曲者にマイルスの名前がクレジットされているんですが、ん、そうだっけ? …と思ってググったところ、 こんなの がヒットしました。 “yomoyama15” のところ。 そういえば “sengoku38” というヤツもいましたなぁ。 …と、ぜんぜん関係のないことを思い出したりもしたんですが、エバンスが書いた曲を、自分のモノにしちゃった説でありますか。 マイルスさんには、参るっす。 そう、エバンスが嘆いていたとも言われておりますが、何はともあれ、エキゾチックでいい曲っすよね。 ジョー・ヘンのキャラとは、ちょっとミスマッチなんじゃないか? そんな懸念もあったんですが、テーマ部は3管のハモリで、わりとそっけなくこなしておりますな。 アドリブに入ると唐突にジョー・ヘンだったりして、この曲を選んだ必然性があまり感じられなかったりもするんですが、以下、トランペット、トロンボーン、ピアノの順に各自のソロがフィーチャーされるんですが、ケニー・バロンの知的リリカルなピアノが顔にぜんぜん似合ってなくて、秀逸。 で、テーマに戻って、おしまい。 で、次。 歌物ナンバーの 「ウィズアウト・ア・ソング」 。 前回も出て来ましたっけ? こんな歌詞 だったりするという話。 意外と人種差別的に重い内容であることにちょっと驚いたんですが、ここでのヘンダーソンは普通に能天気。 テーマ部は最後を除いて、基本、テナーのワン・ホーンな感じで、アドリブに入ってからも、悩み事などあまりなさそうな、何も考えずに楽器を吹いている風のブロウを堪能することが出来ます。 続くピアノのソロも、なかなかいい感じ。 毛に貼ろう、ん〜、快感、サロンパス。 ケニー・バロンに捧げた一句でありますが、とまあそんなことで、おしまい。

 続く 「オ・アモール・エム・パス」 はアントニオ・カルロス・ジョビン作のボサノヴァ曲。 「ワンス・アイ・ラブド」 という名前のほうが知られているかと思いますが、完全ワン・ホーンとなっていて、適度にリラックスした演奏を楽しむことが出来ます。 バロンもいいっす。 少なくともレッド・バロンの看板よりはいいっす。 これ 。 子供なら泣きますよね。 こっちのほう なら、ぜんぜん大丈夫なんですけど。 悪の組織 「鉄面党」 っすか。 何だかめっちゃ、面の皮が厚そうですよね。 塩水でもぶっかけてやったら、 「顔が錆びて力が出ないよぉ…」 とか言って弱体化しちゃいそうなんですが、とまあそんなことで、次。 ジョーくんのオリジナルで、 「モー・ジョー」 。 これもどこかで聞いたことがあるナンバーなんですが、ブルーノート盤のアルバム・タイトルにもなった 「モード・フォー・ジョー」 と同じ曲だじょー。 そう判断して、いいんっすかね? 聞き比べてみるのも面倒なので検証はしませんが、3管編成でアップテンポな迫力のある仕上がりで、ソロの先陣を切るマイク・ローレンスが、なかなかいい感じ。 この人、本当はフレディ・ハバードだったりするんじゃないっすかね? そう言われたら信じてしまいそうなくらい、かなりの実力者だと素人の耳には聞こえたりするんですが、続くジョーくんもバリバリ全開だじょー。 バロンくんも、いいじょー。 で、最後、ロン・カーターのピチカート・ソロが地味にフィーチャーされて、そういえばこの人、ここまでほとんど存在感がなかったりしたんですが、とまあそんなことで、今日のところは以上です。

【総合評価】 冒頭の1曲が何だかちょっとあっさりしていて、3管編成ということもあって、ヘンダーソンの持つ 「アクの強さ」 が、よくも悪くも薄められている感じ。 そのような印象を持ったんですが、なんのなんの。 よくよく聞いたら中身が濃くて、充実していまくりでありました。 ジョー・ヘンの代表的なオリジナル曲もほとんど顔を揃えているし、ジャケットを見て、買うのをやめちゃった人がいるとすれば、それはあまりにも勿体ない話です。 ジャズは見た目じゃない! そう再認識させてくれて、超オススメ♪


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