A NEW CONCEPTION (BLUE NOTE)

SAM RIVERS (1966/10/11)

A NEW CONCEPTION


【パーソネル】

SAM RIVERS (ts,ss,fl) HAL GALPER (p) HERBIE LEWIS (b) STEVE ELLINGTON (ds)
【収録曲】

(01-03) WHEN I FALL IN LOVE / I'LL NEVER SMILE AGAIN / DETOUR AHEAD
(04-05) THAT'S ALL / WHAT A DIFFERENCE A DAY MAKES
(06-07) TEMPTATION / SECRET LOVE
【解説】 ( 2015年07月19日更新 / 連載 1,172回 )

 ( 前回 までの粗筋) 湯ノ湖と湯滝を散策し、東武日光駅前で 「揚げゆばまんじゅう」 を食べ、宇都宮に移動してお土産を買ったら、ちょっと失敗だった。 …ということで、この日の宿泊地、塩原温泉に移動〜。 電車やバスでの移動は ここ 参照。 日光からだと宇都宮に出て、そこから西那須野駅もしくは那須塩原駅まで行って、バスに乗り換えというのが分かりやすそうなんですが、鬼怒川温泉に出て、そこから野岩鉄道に乗り換えるというルートもあるみたいです。 聞いたこともないローカル私鉄でありますな、野岩鉄道。 野本岩男鉄道の略? 岩男クンを知らないヤングな人たち、もしくは、何となく名前は覚えているんだけど、何をした人だったか思い出せない。 そんな人たちのためにリンクを貼っておきます。 これ 。 医師なんですよね、岩男クン。 おかげで、君が代の 「石の〜、いわおとなりて〜♪」 というところを歌う度に、医師の岩男の顔が浮かんでくるという現象に悩まされた人も少なくないと思いますが、妻と子を殺害して、鉄アレイを錘 (おもり) にして、運河に沈めちゃったんっすよね。 ひでぇ。。。 だからというワケではないんですが、野岩鉄道はヤメにして、今回は宇都宮〜ナスナスのほうのルートを利用することにしました。 西那須野と那須塩原、どちらのナスにするかが問題なんですが、バスの時刻表は こちら 。 「塩原渓谷フリーきっぷ」(フリー区間:千本松−塩原温泉間/2日間有効)那須塩原発着 2,050円、西那須野発着 1,650円。 こんな便利でお得な切符もあるんですな。 宇都宮方面からなら西那須野駅のほうが近いし、バスの便数も多いし、乗車時間は短くなるし、料金も安くなるしで、いいことずくめなんですが、帰りは那須塩原駅から新幹線に乗ることになっているんですよね。 西那須野発着のフリー切符でも、差額を払えば何とかしてくれるとは思うんですが、今回の僕の行程の場合、西那須野駅で降りると、バスの待ち時間が50分。 那須塩原駅まで行けば、待ち時間20分で同じ便に乗ることが出来るので、そっちのほうが得策だと判断して、とまあそんなことで、到着〜。 塩原温泉行きのバスが既に待期していて、オッサンが約1名、座席に寝転がったりしておりました。 ただのダラけた地元民なのかと思ったら、このオッサンが運転手であることが判明。 で、フリー切符は車内で買えるという噂だったので、運転席に戻ったオッサンに恐る恐る 「塩原温泉のフリー切符って、ここで替えますかぁ?」 と尋ねたところ、 「買えますよ〜。」 という明快な返事が得られて、無事にゲット。 勤務に臨む真摯な態度という点で、若干の問題がなかったとは言えない気がするんですが、根はいい運チャンだったようで、何より。

 乗客もぼちぼちと増えてきました。 実年世代の夫婦モノが乗り込んできて、その後、妙齢のご婦人5名ほどのグループが。 オッサンがご婦人に座席を譲る (?) だかのやりとりがあったようで、「あ、ありがとうございまーす。」 「こんな親切なおじさん、他にはいないでしょー♪」 みたいな会話が後方から聞こえてきました。 ウゼぇ。 心の底からウゼぇ。。。 こんなおじさん、どこにでもいますよね。 世の中、こんな奴ばかりだったりするので、僕が極度のオッサン嫌いになり、その対極で幼女好きになっちゃたりするのもやむを得ない気がするんですが、何もかも、世間が悪いっ! …とまあそんなこんなで、車内の空気がちょっとだけ微妙になったりしましたが、とりあえず出発〜。 僕はこの日、 「竜化の滝」 に立ち寄ってから宿に入る。 そんなプランを立てていたんですが、他の人々はどうするのかと思ったら、実年世代の夫婦モノは 「もみじ谷大吊橋」 のところで降りて行きました。 その際、車内に残ったご婦人たちに向かって、大きく手を振ったりしておりましたが、ウゼぇ。 最後まで糞ウゼぇ。。。 こういうお調子者は銚子渓のサルにでも襲われればいいと思うんですが、生憎、銚子渓のサルは小豆島にしかいないので、海を越え、山を越え、なかなかここまでは襲いに来てはくれないかと。 ま、ちょっとウザいだけの話で、そこまで忌み嫌う程でもなかったかな? 今になってみれば、そんな気がしないでもないんですが、それはそうと、観光地のチョイスが 「もみじ谷大吊橋」 って、このド素人めが! そう思わずにはいられません。 ここ っすな。 全長320メートルで無補剛桁歩道吊橋としては、本州最大級の長さを誇ります。 確かに規模は立派なんですが、近くにダムを造ったらダム湖が出来たので、とりあえず吊り橋を吊してみましたぁ♪ そんな成り立ちの、何の実用性もない観光用の橋だったりするんですよね。 ただの観光用なのに無料 (ただ) ではなく、お金だって取られちゃいます。 塩原には他にいくらでもタダで渡れる吊り橋があるのにぃ。 ということで僕はここを無視して、その先の 「竜化の滝入口」 というところまで行くことにしたんですが、そのバス亭で降りたのは僕だけでありました。 おかげで1人静かに散策が出来そうで、何より。


< 竜化の滝散策 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 …とか思っていたら、どこからか十数人の男子大学生らしい集団がワラワラとやってきて、周囲は喧噪とアホっぽい空気に包まれてしまったんですが、ウゼぇ。 若いオトコというのも心底ウゼぇ。。。 ま、これで1人寂しくクマに襲われる心配だけは回避することが出来そうなんですが、どうせ食うなら、若い奴らから順番に食ってね♪ 丸亀の名物の 「骨付鶏」 には “若” と “親” の2種類があるんですが、僕は柔らかい若鶏のほうが好きなんっすよね。 クマも同じ趣向であるものと信じておりますが、“若” とか、女子供が食うもの。 そんな粋がった風潮もあるみたいだし、油断はなりません。 とりあえず、ウザい集団から少し距離を置いて、前のほうで人がクマに食われている気配がないか、注意しながら歩いていったんですが、滝に至るまでのルートは渓流沿いのいい感じの遊歩道になっておりますな。 途中、本流のほうの川にある 「布滝」 というのをチラ見出来るスポットがあるんですが、こんなの滝に認定するなよ! そう言いたくなるようなショぼい出来であるので、たとえ見落としちゃったとしても、まったく後悔する必要はありません。 むしろ、見てしまったことを悔いるレベルだったりするんですが、世の中には 「見てはいけないもの」 とか、いくつもありますよね。 機織り中の鶴とか。 せっかく人間の娘に化けたんだから、そのままの姿で機織りすればいいじゃん。 というか、鶴の格好だと余計に仕事がしにくいじゃん。 そんな気がするんですが、鳥類の考えることは今ひとつよく分かりませんなぁ。 という問題がさておいて、更に遊歩道を進んで行くと 「竜化の橋」 というのがあったりします。 小さな吊り橋なんですが、渡るのは無料だし、周囲の景色もいいし、ちょっぴり揺れて適度なスリルも味わえたりして、悪くありません。 その先、次第に渓流っぽさが増していって、そして遂に滝のところに到着。 おおっ♪ 前の集団に追いつかないように、慎重にゆっくり歩いたので、この時点で前方から折り返してくる奴らとすれ違ったんですが、それ以外に小さなお子様を連れた親子3人組がいたりしました。 この遊歩道はけっして険しいものではないんですが、小さなお子様にはちょっと大変だったでしょうなぁ。 で、この3人組は、 「滝も見れたしぃ♪」 とかいいながら、(写真・下から2枚目) の地点で引き返していったんですが、待て、待て、待て、待て、待て〜い! この滝は 「風挙の滝」 と言って、単なる前座みたいなものなんっすけど? 本物はこの先にある (はず) なんっすけど? そのことを教えてあげようかどうしようか、ちょっと悩んだんですが、この先、小さなお子様には更にキツイ道だったりするのかも知れないし、それを知っていて、敢えてここで引き返したのかもしれないし、こんなチンケな滝でも布滝よりかはマシだし、うーん…。 とか思っているうちに姿が見えなくなってしまって、ま、いっかぁ…と。 どうせ他人事だしぃ。

 で、その先はちょっと奥まった雰囲気になってきて、こんなところに本当に滝があるのか、ちょっと心配になって来ちゃうんですが、しばらくするとコンクリートで囲まれたシェルターみたいなのがあって、どうやらそこで道は行き止まり。 「ん?」 と思ったら、そこが見瀑台なんですな。 何年か前に落石があったので、周囲をガチガチに固めちゃった模様。 おかげで開放感がまったく無かったりするんですが、上から石が落ちてきて解放骨折とかは嫌なので、開放感は諦めるしかありません。 で、肝心の滝のほうはというと、目の前にわりとまあまあな迫力で水がザバザバと落ちてきていて、おおっ♪ で、ふと上のほうを見ると、奥のほうに真っ直ぐに落ちている直瀑があって、おおぉぉぉぉ! 3段構えになっているんですな。 長さ130m、高さ約60m、幅約5m。三段になり流れ落ちる。滝の名は、その流れが竜が天を目掛けて登っていく姿に見えることからつけられたとされる。百以上あるといわれる塩原の滝のうち、特に美しいとされる塩原十名瀑の中でも、竜化の滝はその筆頭であるとされる。 そう Wipipedia に書かれておりますが、筆頭であるとされるだけのことはあるヒット商品であるな。 そう評価していいかと思います。 「布滝」 が凡退して、 「風挙の滝」 が地味に内野安打で出塁した後、右中間を綺麗にやぶるタイムリー2ベースヒットって感じ? それを見ずに引き返しちゃった観客もいたようですが、それを知ったお子様は将来、グレちゃうに違いありません。 ま、他人事だから別にいいんですが、とまあそんなことで、本日のお宿、 松楓楼松屋 に向かうことにします。


< 松楓楼松屋へ > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 フリー切符があるのでバスに乗ろうかと思っていたんですが、竜化の滝〜松楓楼松屋の間は片道なら余裕で歩けそうな距離なので、散策がてら歩いてみることにしました。 日光を出ることはちょっと強めの雨が降っていたんですが、塩原に入るとそれも上がって、薄日が差して汗ばむような陽気に。 箒川に沿って、わりと交通量が多い国道を歩く形になるんですが、水の流れが穏やかなところと、ちょっぴり渓流っぽいところ。 この2つのタイプが交互に出てくる感じで、眺めとしては、うーん、まあまあ? ちょっと疲れる割に、得られる満足度は決して高いのは言えないので、大人しくバスに乗っておけばよかった。 そんな気がしないでもないんですが、とまあそんなことで、とりあえず宿に到着〜。 で、ここまでの散策の軌跡はこちら (↓) 。

  【竜化の滝散策&松楓楼松屋への軌跡】 (←Click Here!!)

 あー、こりゃ、GPSの電波の入りが悪くて、暴走しちゃってる感じでありますな。  「風挙の滝」 と 「竜化の滝」 はこんなに離れてなくて、標高差もそれほど無かったと思います。 地図に 「竜化の滝」 と書かれているあたりが正解だと思うので、この結果は参考程度に見ておいてください。 バス停と車で来た人用の駐車場はほぼ同じ位置なんですが、そこから片道600mといったところでしょうか? 40分あれば余裕で往復出来ると思います。 バスがだいたい1時間に1本のペースなので、乗ってきたバスの次の便に乗る。 そんなプランが組めますな。 で、バス停から松楓楼松屋までは1.2キロ、徒歩で約15分といったところでしょうか? 片道なら余裕なんですが、往復2.4キロ+滝までの往復1.2キロ=3.6キロとなると、ちょっと辛いかも? 今回の僕のように西那須野方面から来る途中に立ち寄るか、他の観光スポットと組み合わせるかして、うまくバスを利用したいところでありますが、ということで、2日目の散策はおしまい。 宿レポに関してはまた別の機会に譲るとして、温泉に浸かって、晩飯を食って、また温泉に浸かって、寝て、起きて、で、朝飯の前に周囲を散策してみることにしました。 宿の近くにある 「不動の湯」 。 これは例の風紀乱す行為 (すけべビデオ撮影&覗きの蔓延等) により、2015年6月27日時点で、無期限の閉鎖に追いやられちゃいましたが、もうひとつの 「岩の湯」 のほうは大丈夫。 ここは宿のすぐ対岸にあるんですが、マジ丸見えなんっすよね。 露出狂でなければ無理っ! そう言いたくなるようなロケーション。 朝は6時半から利用出来るとの事なんですが、それより早い時間から入っているヤツもいたりして、半ば無法地帯。 とてもこんなところに入る勇気はないんですが、せっかくなので、チラッと様子くらいは見ておきたいところっすよね。 いや、覗きとかそういうことではなく。 で、6時頃に宿を出て、周囲を少し散策して、時間を見計らって覗いてみて、イケそうだったら、ちょっと湯にも浸かってみる。 そんな作戦を立てて、いざ、出発〜♪


< 福渡温泉@朝散歩 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 一口に塩原温泉郷と言っても、その範囲は広く、大網 (おおあみ) 、福渡 (ふくわた) 、塩釜、塩の湯、畑下、門前、古町、中塩原、上塩原、新湯 (あらゆ) 、元湯。 全部で11もの温泉があったりするんですが、そのうち、僕が泊まったのは福渡温泉というエリア。 入口に近いほうで、温泉街の風情はあまり感じられません。 川の流れを愛でるというのが主眼になるんですが、ということで、まず吊り橋を渡りましょう。 福渡不動吊橋。 これ っすな。 露天風呂の清掃料に200円かかり、夜には吊橋を閉門するとのことで、きちんと管理されて風紀が整っている感じがしました。 そう書かれておりますが、甘いっ、甘過ぎるっ! 実際は こんな状況 だったりするんですが、その現状をこの目で確かめるべく、そっちの方向に歩いていってみることにしました。 国道の反対側なので、より豊かな自然を楽しめるようになっております。 で、問題の不動の湯はというと、 (写真・ちょうど真ん中) な有様。 ロープまで張られて、完全封鎖状態となっておりました。 目の前がちょっと渓流っぽくなっていて、めっちゃいいロケーションだったりするのに、勿体ない話ですなぁ。。。 で、戻る途中に足湯があるのを発見したんですが、こっちのほうも湯が抜かれちゃっておりました。 こんなところでも風紀を乱す行為が横行していたんっすかね? 変態行為は他人様に迷惑を掛けず、ひっそりと断行して頂きたいものでありますなぁ。。。


< 福渡温泉@岩の湯 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 で、吊り橋のところまで戻って、岩の湯のほうの様子を伺ってみると…、幸いにも入浴客は誰もいません。 ただ、服を来た変なオッサンが端っこのほうに座っていて、そこから動く気配が微塵も感じられなくて、うーん…。 どうしようかと思ったんですが、ここまで来たらせっかくなので、服を脱いで、ズボンを脱いで、パンツも脱いで、大自然の中にこの身を委ねてみることにしました。 脱衣スペースはめっちゃ狭いんですが、しっかりした目隠しがあるので、外から覗かれる心配はありません。 他に誰もいなければ、思ったよりも大丈夫っぽいっすな。 で、真ん中あたりに見えている四角い板が置いてあるスペース。 凄く汚くなっちゃっておりますが、かつてはここに四角い浴槽があった模様です。 落石があって怪我人が出て、閉鎖されちゃったみたいなんですが、それで正解かも? この部分は目隠しがあるので、外から覗かれる心配はないんですが、こんなところに浸かっていたら、目の前で脱衣している様子が丸見えじゃん! それも、かなりローアングルな視線で、危険度1000%じゃん! ミニスカギャルとか、脱衣しなくてもパンツを覗かれまくりで、怪しからんっ! これで風紀が乱れないほうがどうかしているんですが、これを設計した人、ちょっと変態過ぎぃ。。。 で、入れるほうの奥のほうの浴槽はというと、そこに至るまでのスペースは大きな岩の陰になっているので、ここも意外と大丈夫そう。 で、湯の中に浸かってしまえば、外からの視線はあまり気になりません。 露出狂としか思えないオッサンが、木のベンチの置かれたあたりを全裸でウロウロしているのが問題なだけで、他に誰も人がいなければ、 思ったよりも難易度は低めでありました。 で、肝心のお湯のほうはというと、これはもう、言うことなし。 浴槽がかなり深くなっていて、注意しないとちょっとデンジャラスなんですが、温泉は上のほうからチョロチョロ落ちてくる以外に、底の砂利っぽいところからも沸き上がってくるようで、なかなかにワイルド。 底に草みたいなのが生えてるっぽくて、ちょっと気持ち悪かったりするんですが、変なオッサンも途中でどこかで消えてくれたし、極上の露天風呂を独占することが出来て、いやあ、極楽♪

 とまあそんなことで、このシリーズ、今回で完結させようと思っていたんですが、ちょっと残ってしまったので、もう1回だけ引っ張ることして、続く♪

 ということで、今日はサム・リバースっす。 あ、じゃ、今日は読まなくていいや。 そう思っちゃう人が続出するに違いないほど、不人気っすよね。 ワケわかんなくて、聞いててもぜんぜん面白くないので、それも当然の結果ではなかろうかと思うんですが、でも大丈夫。 僕もぜんぜんヤル気が出ないので、すぐ終わっちゃうに違いありません。 さ、頑張りましょう。 ということで、 『ア・ニュー・コンセプション』 。 ヒヨコみたいなモフモフの毛皮のコートを纏ったギャルがイカしますなぁ。 パンツ、穿いてるのか、これ? …というのがちょっと気になったんですが、少なくともズボンという意味のパンツのほうは穿いてないっすよね? 下着という意味のパンツのほうがどうなのかは、コートをめくってみないことには何とも言えないんですが、異能のマルチ・リード奏者による独創的なスタンダード集。 「縁は異なもの」 「恋に落ちた時」 など甘美なバラッドが熱いモダン・ジャズに生まれ変わる。 ブレッカー・ブラザーズとの共演でも知られるハル・ギャルパーの清新なピアノも聴きどころ。 CDの帯にはそんなことが書かれております。 サム・リバースにしては、ぜんぜん前衛的じゃなくて、ぜんぜん売れなかった。 そんな噂も漏れ伝わって来ているし、超保守派な僕としてみれば、むしろ喜ばしいかも? そんな、かすかな期待が芽生えたりもするんですが、では演奏を聞いてみることにしましょう。

 1曲目、 「ホエン・アイ・フォール・イン・ラブ」 。 前出の通り、ここで演奏されているのは、すべて有名な歌物ナンバーだったりするんですが、 「恋に落ちた時」 っすか。 小林明子の歌でしたっけ? アイム・ジャスト・ア・ミツカ〜ン 金のごまだれ〜♪ 調べてみたらそれは 「恋に落ちて」 だったんですが、 「金のごまだれ」 を歌っていたのは高橋洋子なんっすな。 新世紀エヴァンゲリオンの 『残酷な天使のテーゼ』 の人。 へぇ〜。 こうして今日も無駄な知識を得ることが出来て何よりなんですが、で、 「落ちた時」 のほうはというと、とってもヤングな作曲家、ビクター・ヤングの作品なんっすな。 ここ でカーペンターズやナット・キング・コールなど、色んな人の歌声を動画で見ることが出来るんですが、個人的にはジャッキー・エヴァンコ(12歳)というのが、いいな♪ …と。 動かないっすけどね、動画。 とても12歳の歌声とは思えなかったりするし、ちゃんとロリ声にして貰わないと、困ります。 で、サム・リバの 「恋オチ」 が、これらの名唱に匹敵する出来なのかと言うと、うーん…。 それなりに原曲の原型を留めてはいるんですが、まったく甘さがないっすな。 甘美なバラッドが熱いモダン・ジャズに生まれ変わる。 そんなふうに書かれておりますが、確かに甘くもなければ、美しくもありません。 こんなことなら、熱いモダン・ジャズなんかに生まれ変わらなかったほうがよかったかも? そんな気すらするんですが、紅茶の美味しい喫茶店の可愛いカップとかのほうが、まだよかったかも? で、演奏のほうはというと、ゆったりとした、ややデフォルメされたテーマに続いて、テンポが速くなって、リバースのソロが登場。 ハル・ギャルパーの清新なピアノを挟んで、リバースが再登場。 けっこう前衛的なブロウをカマして、で、速度が遅くなって、テーマに戻って、おしまい。 そういう流れでありました。 総体的にどう評価していいか分からなくて、うーん…。

 で、次。  「アイル・ネバー・スマイル・アゲイン」 。 個人的には晩年のビリー・ホリデイのイメージが強かったりするんですが、岡崎正通クンの日本語ライナーでは、フランク・シナトラをフィーチャーしたトミー・ドーシー楽団のレコードが大ヒットした。 そのように書かれております。 前曲にも増して、冒頭からいきなりアバンギャルドな予感。 テーマに入ると、それなりにスインギーだったりするんですが、タイコのスティーブ・エリントンという人がブラシとスティックを巧みに使い分けて、キレのあるリズムを叩き出してくれております。 かなり速いテンポ設定で、リバースはテナー、ソプラノの順でソロを吹き分けております。 どちらも小難し過ぎぃ。。。 続くハル・ギャルパー君のピアノは、まあまあ普通に聞けるんですが、黒さがまったくないスタイルで、確かに清新という表現が適切かも? で、リバースが再登場して、しばし意味不明の言葉を叫び続けて、でもって、テーマのようなものに戻って、おしまい。 ということで、次。  「ディトアー・アヘッド」 。 これまたビリー・ホリデイを思い起こさせる1曲なんですが、リバースによれば、歌手のビリー・ホリデイへの敬愛の気持ちを表したものだという。 おお、正解でしたか。 出だしのピアノのイントロがバラードっぽくて美しく、で、ここでのリバースはフルートを吹いております。 異能のマルチ・リード奏者っすなぁ。 おかげで、幾分かは聞きやすい感じに仕上がっているんですが、シダー・ウォルトンを後ろ向きにしたようなピアノの人も、なかなかいい感じ。 で、その後、リバースはテナーを持って再登場して、でもって、テーマに戻って、おしまい。 ま、今までのところ、いちばんマシではあったな。 そのように評価していいのではないかと思います。

 で、次。  「ザッツ・オール」 。 岡崎クンの曲解説もだんだん適当になってきたので、僕としても書くことが何も無かったりするんですが、かなりのアップ・テンポで、リバースはソプラノを吹く。 そういうアレでありますな。 テーマの後、リバース、ギャルパー、再びリバースにリバースという流れでソロが披露されて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 で、次。  「ホワット・ア・ディファレンス・ア・デイ・メイクス」 。 「縁は異なもの」 「恋に落ちた時」 など甘美なバラッドが熱いモダン・ジャズに生まれ変わる。 これの前者のほうでありますな。 これまた、甘くもななければ、美しくもない、そういうビターでハードなモダン・ジャズに生まれ変わっちゃっているんですが、ピアノが抜けたテナー・トリオという、誰得な編成なのも、よりアレだったりしますよね。 さっさと次の曲にいっちゃうのが吉でありましょう。 ということで、次。  「テンプテーション」 。 先ほど仲間外れにされたギャルパー君が、今度は冒頭から頑張ってくれます。 ギャルパーって、ちょっぴり頭が弱そうなギャル。 そんなイメージだったりするんですが、そのピアノ・スタイルはけっこう知的。 頭でっかちになり過ぎて、意味不明なフリー系に走りがちなところがちょっと残念なんですが、ここではその弱点がモロに露呈しておりますな。 で、リバースはソプラノを吹いているんですが、何と言っていいのか、うーん…。 途中からフルートに変わったりするんですが、だからといって、うーん…。 ということで、ラストっす。  「シークレット・ラブ」 。 「秘められた愛」 っすか。 何か、いいっすなー。 ググってみたら、 そういう名前のデリヘルがヒットしたんですが、新規オープン!秘められた快楽をご堪能下さい。その名の通り 「秘密の愛」 。 青春時代にドキドキしたあの感覚を味わってみませんか?! それはもう、是非とも味わってみたいものでありますが、ボーイズラブ・コミック、読み切りシークレットラブ 「ラブリー♪ラブソングを君に」 。 こちらのほうは、あまり読み切りたくはありませんなぁ。。。 で、演奏のほうはというと、おお、意外とまとも? 楽器がフルートなのが幸いしたのか、なかなかラブリーなラブソングに仕上がっているな。 そのように評価していいのではないかと思うんですが、でもまあ、絶賛するほどのものではなかったりするし、とまあそんなことで、今日のところは以上っす。

【総合評価】 サム・リバースにしては、ぜんぜん前衛的じゃなくて、ぜんぜん売れなかった。 そんな噂はまったくのデマだった。 そう思わずにはいられません。 いや、ぜんぜん売れなかったというのは本当なんでしょうけど。 じゃ、甘ったるいだけのスタンダード集のほうがよかったのか? …と言われると、それはそれでちょっとアレなんですが、いずれにしろ、素材が歌モノだというだけの話で、やってることは、まんまサム・リバースであるな。 そういう正しい認識のもとに、覚悟を持って取り組んで頂きたい、そんな1枚なのでありました。 フォー・硬派マニア・オンリーっすな、こりゃ。。。


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