DISCOVERY! (COLUMBIA)

CHARLES LLOYD (1964)

DISCOVERY!


【パーソネル】

CHARLES LLOYD (ts,fl) DON FRIEDMAN (p)
EDDIE KHAN (b) <#1,4,5,8> ROY HAYNES (ds) <#1,4,5,8>
RICHARD DAVIS (b) <#2,3,6,7> J.C.MOSES (ds) <#2,3,6,7>
【収録曲】

(01-03) FOREST FLOWER / HOW CAN I TELL YOU? / LITTLE PEACE
(04-06) BIZZARE / DAYS OF WINE AND ROSES / SWEET GEORGIA BRIGHT
(07-08) LOVE SONG TO A BABY / OL' FIVE SPOT
【解説】 ( 2015年07月26日更新 / 連載 1,173回 )

 ( 前回 までの粗筋) 竜化の滝を散策して、松楓楼松屋に移動して、翌日、宿の周囲をウロウロして、岩の湯に浸かった。 …ということで、日光&塩原温泉の旅も、いよいよラストです。 今回は残りカスみたいなものなので、まったく期待が持てなかったりするんですが、さ、頑張りましょう。 チェックアウト後の最初の目的地は、 ここ 。 で、その次が ここ 。 宿から歩いていけるお手軽スポットというだけの話で、あまり多くは期待出来そうにないんですが、所要時間はそれぞれ30分として、ま、小一時間くらいの暇潰しにはなるかな? …と。 とまあそんなことで、出発〜。


< 松楓楼松屋から天皇の間記念公園へ > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 宿の裏は川沿いリバーサイドな遊歩道になっていたりするんですが、今の時期、ところどころに紫陽花が咲いていたりして、なかなかいい感じ。 毒があるらしいっすな、紫陽花。 が、鹿は構わずに食っちゃうらしいっすな。 西伊豆の電気柵感電事故は僕たちに多くの知識を与えてくれたんですが、100Vの電気でも、ひとつ間違えると怖いっすなぁ。 42ボルトは死にボルト。 安全の講習ではよく、そのように教えられるんですが、詳しくは ここ 。 「100ボルト程度の感電は経験しておいた方が良い!」 って、そうそう。 電気屋のオヤジって、必ずこういうことを言いますな。 「感電して、初めて、一人前!」 みたいな。 実際のところ、AC200ボルトだと、肩の辺りまでガツンとくる感じでクソ痛いんですが、100ボルトならちょっとビリビリするくらいで、大丈夫。 が、ひとつ間違えると、駄目じゃん! 今回の事故はそんな教訓を僕たちに与えてくれたんですが、その後、次々と新しい事実が発覚しました。 100ボルトを400ボルトに昇圧していたって、駄目じゃん! よくそんなクソ恐ろしいものを設置しましたなぁ。。。 危ないのは電圧ではなくて、電流なんだそうですが、400ボルトの活線とか、1m以内に近付くのも嫌です。 うかつに近寄れば感電死なハイスクール・ララバイ電気柵、怖ぇぇぇぇ。。。 幸い、塩原温泉の紫陽花には柵もなく、鹿対策は無策のようでありましたが、食われることもなく、綺麗に咲いていたんですが、で、次。 しばらく歩くと橋があって、それを渡って川のほうを見ると、向こうのほうに (写真・上から2番目) のような三角形の岩が見えました。 調べてみたら、 天狗岩 。 これっすな。 ケン坊の日記。 ケン坊〜♪ 『トムとジェリー』 のアレの節で歌って下さい。 「ひげも使いよう」 でしたっけ? これ …は、ともかくとして、高さ100m、底辺の長さ50m。 なかなか立派な岩でありますなぁ。 上まで昇れるようですが、あまり昇りたくはありませんなぁ。 で、岩を横目に見ながら川を渡りきって、しばらく歩いて天皇の間記念公園に到着〜。

 ・・・・・。 ま、悪くはなかったんですが、所要時間はいいとこ15分。 近くに宿を取った人以外は、敢えて立ち寄るまでもない気がしないでもなくて、で、続いてはビジターセンター。 鳥の生態に初めて目を向けた学者「清棲幸保(きよすゆきやす)博士」を紹介している清棲(きよす)コーナーとか、物品展示販売のキヨスクコーナーとかがあったりします。 どちらも地味なので、2つ合わせて清棲ク(きよすく)コーナーでよかったんじゃ? そんな気がしないもないんですが、その他、動植物とか、野鳥のコーナーとかは、まあまあ。 観客に占める幼女の割合が高かったのは、よかったと思います。 屋外の森林浴ゾーンとか、野鳥の森ゾーンとか、散策によさそう? そんなふうに期待していたんですが、何だか地味で今ひとつだったので、早々に引き上げることにしました。 所要時間、やっぱり15分がいいとこ。 この後はバスに乗って、塩原温泉の中心部あたりっぽいところに移動する予定なんですが、 JRのバス と、 ゆーバス 。 2つのタイプがあったりします。 ゆーバスはビジターセンター前という停留所があったりするんですが、僕はJRバスのフリーパスを買ったので、そっちのほうを利用することにしました。 それだと川の向こうの七ツ岩吊橋というバス亭を利用することになるんですが、おかげでついでに吊り橋も渡ることが出来て、ちょっぴり得した気分。 ということで、渡ってみました。


< 七ツ岩吊橋&紅の吊橋 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 この七ツ岩吊橋というのは橋の片側だけに主塔があるという、吊り橋マニア歓喜の特殊な構造だったりするんですが、吊り橋の素人からすると、大して揺れもしない、普通の橋やな。 そんな感じだったりして、さしたる感動もありません。 ビジターセンター側からだと、かなり急な階段を降りていくことになるので、逆ルートだと、ちょっと辛そうでありますな。 で、橋の半分から向こう側は真ん中がグレーチングでスケスケになっていて、いや〜ん、ぐれーちんぐマチコ先生。 そういえば、まいっちんぐマチコ先生は実写版があったりするんですが、ど根性ガエルよりは3次元にする価値はありそうですな。 あと、 「けっこう仮面」 とかも。 実際に見たら、ただの変態としか思えなかったりするんですが、ということで、吊り橋は以上っす。 「天皇の間」 は間があったのに、あまり間が持たなくて、で、ビジターセンターも外のほうがアレだったので、結果、45分くらいバスの待ち時間が生じてしまいました。 橋のふもとに足湯があったので、時間潰しにちょっと足でも浸けてみますかね? ちょっと歩き疲れたりもしてきたしぃ。 ここの足湯は (写真・ちょうど真ん中) みたいな感じで、温度は極めて温め。 足湯と言えば塩原には こんなの もあるんですが、いくら日本最大級と言っても、所詮は足湯なので、200円も払う価値があるのか、はなはだ疑問。 靴を脱いだり、靴下を脱いだり、ズボンを脱いだり…する必要は無いんですが、ズボンの裾をまくったりするのも面倒で、ギャル連れとかならまだしも、1人足湯とか、あまりソソられるものがないんすよねぇ。。。 今回は暇を持て余しすぎていたので、仕方なく利用することにしたんですけど。 …というのが、僕のスタンスだったんですが、今回、ちょっと認識が変わりました。 ここの足湯は駐車場が隣にあったりするので、わりと人が多かったりするんですが、中には幼女とか、幼男の姿もちらほら。 男のほうは、幼かろうが、オッサンだろうが、僕の興味の対象外だったりするんですが、で、こういう家族連れの奥様がですね、幼いお子様のズボンの裾をまくったりするのが面倒なようで、 「ズボン脱ぎな!」 とか、 そういう命令を下したりするんですよね。 幼男だけでなく、幼女にも。 命じられた幼女は幼女で 「ズボン脱ぐぅ♪」 と、素直に従ったりして、うーん。。。 そのうち、 「ぱんつも脱ぐぅ♪」 とかいい出して、さすがにそれは母親に止められておりましたが、オイオイオイ。 近くにいたのが僕だからよかったようなものの、幼女好きの変態だったりしたら、どうすんねん!? 風紀を乱す行為は厳に慎んで貰いたいところでありますが、とまあそんなことで、足湯、悪くないじゃん♪ そう、再認識した次第でありました。

 ということで、適度に時間も潰れたので、バスに乗って塩原温泉バスターミナルまで移動。 最終日は昼飯をメインに行程を立てたんですが、 こばや食堂 で、スープ入り焼きそばを食おう。 そう、心に決めておりました。 ぶっちゃけ、さほどソソられる食い物ではなかったりしたんですが、この手のB級グルメでは珍しく、食べログの評価がなかなかよかったりするんですよね。 B級感満載なのに、なんでこんなすごい味が出せるのか笑っちゃう。 そう、ノバンディさんも書いております。 ノバンディって、ちょっぴり 「ノーパンって、いいっ♪」 に似ていますよね。この人の言うことなら間違いない! そう確信して、とまあそんなことで、せっかくなので、このご当地グルメを食べてみることにしました。 行列必至という噂だったので、開店直後の11時過ぎを狙って行ったんですが、店の外には誰もおりません。 ラッキー♪ …と思って、店に近付くと、ん!? 何やら、嫌な予感が…。

嫌な予感@こばや食堂

 何か、看板が出てませんかぁ? 気のせいっすかぁ? 日曜営業、定休日は不定休 (主に水曜日) と書いてあったので、こういう事態はまったく想定していなかったんですが、どういうことっすかぁ? 絶望の淵に追いやられながら、尚も諦めきれずに正面のドアに回ってみると、こんな張り紙が。

・・・・・。


 ・・・・・。 よりによってこんな日に消防団視察研修旅行って…。 臨時休業でスープ入り焼きそばが食えなくて、むかついて店に火をつける奴がおったら、どうすんねん!? 消防団の旅行とか、行ってる場合ちゃうやん! ちなみに塩原温泉には他にも数件、スープ入り焼きそばを食べられるところがあるようですが、中で、あまりパチモン臭くないところというと、 釜彦 ということになりますか。 塩原温泉バスターミナルから徒歩10分。 今からでも行けないことはないんですが、べっ、別に、どうしても食べたいというワケでもないしぃ、 「焼そばバゴォーン」 ならスープが付いてくるしぃ、それを麺の上にぶちまければ、ご家庭でも簡単に再現出来る味だったりするしぃ。 すっかりアテが外れて、捨て鉢になって、もう、何だっていいやぁ。。。 で、昼飯候補のひとつとして考えていた、「塩原もの語り館」 の中の 洋灯(ランプ) という店に行ってみることにしました。 地元の食材を活かした洋風メニューで、塩原の味との出会いをお手伝いします。 季節ごとに変わるおもてなし料理を、窓に映る美しい景色とともに味わってください。 おいしい食との出会いは、旅の思い出をより豊かなものにするはずです。 うん、小汚い大衆食堂なんかより、よっぽどいいっすな。 すっぱい葡萄じゃありませんが、「スープっぽい焼きそば」。 そんなの、どうせ不味いに違いなくて、食べる価値はありません。 悔しくなんか無いし、残念でもありません。 最後に変なものを食って、旅の思い出が台無しになっちゃうところでしたが、洋灯(ランプ)の店内は名前のとおり、ランプっぽい灯りがお洒落だったりして、窓からは川の流れと吊り橋が綺麗に見えます。

洋灯(ランプ)の席


 で、メニューのほうもソソられるものが、たくさん。 三元豚ヤシオポークのフリカッセとか、三元豚ヤシオポークの生姜焼きとか、ガーリックペッパーマリネの鶏ももソテー サラダ仕立てとか、アツアツ鉄板のサイコロステーキ膳とか、いいっすなぁ。 豚、豚♪ 鶏、牛♪ が、それらの食材は、今ひとつ塩原っぽさに欠けているような気も。 三元豚ヤシオポークというのは、一応は地元のブランド豚っぽいんですが、うーん。。。 悩んだ結果、「もの語り 夏御膳」 1,300円 栃木の食材、直売所の野菜を使った特製御膳です。 (ヤシオマスムニエル・串かつ・小鉢・味噌汁・お新香) というのにしたんですが、ということで、届きました。

もの語り 夏御膳 1,300円 デザート付き


 ヤシオマスのムニエル、うめぇぇぇぇ♪ で、串カツも、美味ちい♪ 三元豚ヤシオポークではなく、ただのノーブランド豚を細切れにして、串に刺して、油で揚げたものなのかも知れませんが、一緒に串に刺された玉ネギも甘味があって、でもって、デザートは桃のムースでありますか。 これにコーヒーも付くので、これで1,300円なら、観光地の昼飯としては、まあまあではなかろうかと。 で、食後に窓から見えていた吊り橋を渡って、とりあえず もみじの湯 を覗いてみることにしました。 不動の湯と同じく、ここも風紀を乱す行為が問題になったようですが、非社会的、非人間的な行為まで行われていたようでありますな。 この日は非人間的行為は確認されず、というか、人が誰もいなくて非人間状態だったんですが、で、この先の道をずーっと歩いて行けば、何とか寺というところに出る。 そんな看板が出ていたので、とりあえず行ってみることにしました。


< 妙雲寺散策 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 で、着きました。 妙雲寺 と言うんですな。 何も期待してなかったんですが、意外とちゃんとした寺だったりして、写真5枚で1ページを構成出来るくらいには充実。 でもって、バスターミナルまで戻って、いよいよ今回の旅も終盤です。 こばや食堂が激混みの場合は、メシを食って、その辺を適当に散策して、終わり。 そんなパターンもあるかと思っていたんですが、幸か不幸か、洋灯(ランプ)のほうは空いていたので、那須塩原駅に戻る途中で、あと1箇所くらいは観光スポットに立ち寄れそうです。 もみじ谷大吊橋にでも行くぅ? そう思ったりもしたんですが、前回、ここに行こうとするオッサンを 「ド素人め!」 と、心の中で罵倒しちゃいましたからね。 罵倒を無かったことにするというのは、馬頭観音が許してくれないだろうし、うーん…。 ちょっと悩んだ結果、 回顧の吊橋 のほうに行くことにしました。


< 回顧の吊橋&もみじ谷大吊橋 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 回顧橋とかいう停留所でバスを降り、そこから歩いて吊り橋を目指します。 回顧と書いて、 「みかえり」 。 回顧シューマッハとか、そういうのもあるんじゃないかと思うんですが、で、遊歩道のほうはというと、途中から 「急坂」 と 「穏やか」 の2つのルートに分岐するという、そういうシステムになっておりました。 角度は急だけど距離は短めなコースと、その逆。 そういう味付けがなされているんでしょうな。 こりゃ、行きが 「急坂」 で、帰りは 「穏やか」 というのが得策であるな。 誰もがそう考えるに違いないんですが、で、この 「急坂」 というのがマジで急な下り坂だったりして、帰りのことを考えると、だんだん憂鬱になってきます。 が、距離は思ったよりも短くて、わりとあっさり吊り橋に到着しました。 長さ・高さとも、なかなかのものでありますなぁ。 両側がしっかりガードされているので、極度の高所恐怖症である僕でも、ぜんぜん大丈夫でした。 ただ、適度に揺れたりするので、渡っている途中でロープが切れて橋が落ちたりしたら嫌やな感は半端ありません。 橋の真ん中から見る景色はなかなかよかったりするんですが、のんびり立ち止まっている場合じゃないっ! 落ちないうちにさっさと渡り終えて、で、対岸から少し歩いたところに回顧の滝の展望台のようなものがありました。 距離が遠いし、落差や水量もあまり大したことはないし、うーん、そこそこ? 先客のペヤングが1組いて、あまり邪魔をすると舌打ちされちゃいそうな空気が漂いまくっていたので、写真をバシバシっと撮って、すぐに引き返しました。 で、 「穏やか」 …といっても、そこそこ疲れる上り坂をひーこら歩いて、でもって、以上っす。 吊り橋まで、思ってたよりも距離が短くて、ちょっと物足りなかったし、バスの時間まで30分くらいはあるし、で、ここでちょっと欲が出て来ました。 もみじ谷大吊橋のバス亭はすぐ隣みたいだし、もしかして、歩いていけるんじゃね? ということで、歩いてみることにしました。 で、ハマリました。 確かにバス亭までは大した距離ではなかったんですが、そこから吊り橋までは思ったよりも遠かったっす。 しかも、ずーっと下り坂だったりして、こりゃ、帰り道がかなり大変そうでありますなぁ。。。 が、半分以上まで来てしまった以上、このまま引き返すのも癪だし、えーい、行ったれ〜!

 ということで、到着。 金を取るだけのことはあり、さすがに立派な吊り橋ではありました。 お土産屋とかも充実しているので、 「道の駅」 感覚で立ち寄るには、いいかも? が、今回はバスの時間が気になって、吊り橋もバシバシと写真だけ撮って、半分の手前のところで引き返すことにして、で、ダラダラとした上り坂を歩いて、汗ダラダラになって、バス亭に着いてみれば、けっこう時間に余裕があったりしたんですが、とまあそんなこんなで、2泊3日の日光・塩原温泉の旅は、おしまい。 塩原は、いちばん最初に、いちばん立派な 「竜化の滝」 に行っちゃったので、終盤がちょっとシケた感じになっちゃいましたが、一応、行きたいと思っていたスポットは概ねクリア出来たし、泊まった宿はよかったし、岩の湯にも入れたし、スープ入り焼きそばは、別にそんなに食べたいワケでもなかったので、ぜんぜん悔しくなんかないし、とまあそんなことで、おしまい♪

 ということで、今日はチャールス・ロイドっす。 わりと名前はよく聞くんだけど、その生態は謎に包まれている。 僕にとってはそういう存在だったりするんですが、コルトレーン以降の世代の前衛系白人テナー奏者? それくらいの認識しかなかったりします。 日本では 『フォレスト・フラワー』 だけの一発屋。 そういう認識で、概ね間違ってはいないのではなかろうかと。 で、先日、会社の永年勤続表彰で名古屋に行く機会があったんですが、その帰りにタワーレコードに寄って来ました。 で、チャー・ロイの 『ディスカバリー!』 というアルバムを見付けたので、ネタ用に買ってみました。 初リーダー作なんっすな。 60年代ジャズが生んだ最大のスターのひとり、チャールズ・ロイドの記念すべき初リーダー作。生涯を代表するレパートリー 「フォレスト・フラワー」 のスタジオ・ヴァージョンに加え、ジョン・コルトレーンからの影響を滲ませる 「酒とバラの日々」 、ロイ・ヘインズと壮絶なバトルを繰り広げる 「オール・ファイヴ・スポット」 等、すべてのナンバーが後年の大成を予感させる。日本初CD化。 そういうアレであるようです。 で、原田和典クンが書いた日本語ライナーを読んだ結果、下記のような事実が発覚しました。 彼は1938年3月15日、テネシー州メンフィスに薬剤師の息子として生まれた。 いわゆる黒人ミュージシャンと見なされることが多いが、アメリカ先住民、モンゴル人、アイルランド人の血も混じっているという。 ほぉ。 何となく勝手に白人だとばかり思い込んでいたんですが、アメ・モン・アイラン混血だったんっすな。 となると、黒人ジャズ至上主義の僕としては、途端に親近感を持ってしまうことになるんですが、何とも単純でありますなぁ。 で、これ、ピアノがドン・フリードマンだったりするのが期待度が高くて、で、ベースはエディ・カーンもしくはリチャード・デイビス、ドラムスはロイ・ヘインズもしくはJ.C.モーゼス。 悪くないっすよね。 特に女子中学生モーゼスには、大いにソソられるものがあるんですが、いや、せっかくのJCも、名前ソレでは、ちょっとアレっすな。 出来れば 「J.C.まうねす♪」 とかに改名して欲しいところなんですが、適当に名前を考えてみて、で、 「まうねす」 でググってみたところ、【初音ミク】「ミクさん」イラスト/まうねすちぃたら。 そういうのがヒットしました。 後は、おすすめ ミンク鯨生畝須 (なまうねす) とか。 とまあそんなこんなで、とりあえず演奏を聞いてみましょう。

 1曲目、チャー・ロイ、最大にして唯一の人気曲、 「フォレスト・フラワー」 。 1966年のモンタレー・ジャズ祭で演奏された、例のライブ盤で有名っすよね。 僕もそのアルバムを持っているんですが、どんな曲だったのか、まったく思い出せません。 今まで、このコーナーで取り上げられてこなかったところを見ると、僕の心にはあまり響かなかったんじゃないか。 そのように推測されるんですが、このスタジオ・バージョンのほうは、どうなんっすかね? ということで、聞いてみました。 何と言うか、わりと素直にハード・バピッシュな佳曲って感じ? そこから、ハードなブロウへと繋がっていく。 そんな流れだったりするんですが、ロイドのソロは決して分かりやすいものではなく、どちらかというと、苦行。 そう言っていいのではなかろうかと。 しかも、無駄に長いっすなぁ。。。 で、ロイドくんがようやく裏に引っ込んでくれて、続いてはドン・フリのピアノ・ソロ。 これも決してオーソドックスなものとは言えないんですが、まだ耐えられるレベルではありますな。 最後はロイ・ヘンがタイコのソロでそこそこ盛り上げてくれて、で、わりとマシな感じのテーマに戻って、おしまい。 こうして思い直してみると、なかなかの名曲であったな。 そんな気がしてきたんですが、ま、演奏はともかくとして。 ロイドくん、最後まで無駄にウザいしぃ。。。

 こんなクソ暑苦しい日に、こんなの聞くんじゃなかった。 そんな後悔の念で一杯でありますが、でも大丈夫。 続く 「ハウ・キャン・アイ・テル・ユー」 は、とっても分かりやすいバラードに仕上がっていて、ほっと一安心。 しかし何ですな。 これはまるっきり、プレスティッジのコルトレーンのバラード、そのものでありますな。 影響が感じ取れるとか、そんなレベルではなく、知らない人にブラインドで聞かせたら、十中八九はコルトレーンと答えるに違いありません。 ちょっと自信がなくて、 「こ…コルトレーン?」 とか、そんな感じにはなると思うんですけど。 ガーランドのソロが出て来そうな流れの中、ぜんぜん違うタイプのピアノが出てくるので、ますます自信がなくなってしまうんですが、「もしかして…チャールス・ロイド?」 そういう可能性もあることを頭の片隅においておくといいと思います。 で、次。  「リトル・ピース」 。 ロイドのオリジナルなんですが、バラードだし、吹いてる楽器はフルートだしで、これも安心出来る仕上がり。 ただ、スローな曲が続くと、最初の猥雑さがちょっと恋しくなって来たりもするんですが、この人の吹くフルートは、まったく濁りがありませんな。 顔に似合わないクリアーなトーン。 この人、意外と根はインテリで、お上品だったりするのかも知れない。 そんな誤解を生んじゃいそうなんですが、で、途中から、ちょっと飽きてきちゃたりもして、とまあそんなこんなで、おしまい。

 で、次。 これまたロイドくんのオリジナルで、 「ビザーレ」 。 この後、歌物ナンバーは1つしか出て来ないので、明記がないものは自作だと判断して貰うとして、で、これはアレっすな。 ピザーラお届け♪ …っすな。 ちなみにピザーラって、ピザ+ゴジラなんっすな。 変な由来の名前でも、定着しちゃえばソレっぽく聞こえる典型例ではないかと思うんですが、で、 「ビザーレ」 のほうはというと、成るほど、確かにちょっとビザレった感じの曲調だったりしております。 出だし、またしてもスローなので、ちょっとどうかと思ったんですが、次第にテンポが速くなって、それに伴って熱気も加速度的に増大していく。 そういう流れでありました。 モーダルなフレージングが新主流派で、ちょっぴりフリーな香りも漂っていたりします。 こういう小難しい系のを聞かされると、退屈でも、普通のやつのほうがまだマシだった。 そんな気がしてきちゃうんですが、60年代中盤、ジャズは次第に大衆の元から離れていってしまいますなぁ。。。 で、続いては歌物ナンバーの 「デイズ・オブ・ワイン・アンド・ローゼス」 。 日本名 「酒とバラの日々」 。 この邦題を見ると、酒池肉林で、ウハウハ♪ そんな世界が頭に浮かんでしまうんですが、詳しくは Wikipedia 参照。 まったく救いがないストーリーでありますな、こりゃ。 どうしてこんなクソ重苦しい映画の主題歌が、ラブリー&キュートなものだったりするのか、理解に苦しむものがありますが、で、ジョン・コルトレーンからの影響を滲ませる 「酒とバラの日々」。 そう書かれていた通り、これまたプレスティッジのコルトレーンのバラードからの影響を滲ませるとか、そういったレベルではありません。 滲ませるというより、鰺ませるというか、虹鱒せるというか、アジ科の海水魚と、サケ科の淡水魚とが入り交じった状態。 が、聞いているほうとしては、普通に分かりやすいので、心も穏やかで、何より。

 で、次。  「スイート・ジョージア・ブライト」 。 ブラウンではなくて、ブライト。 アップ・テンポの、わりと分かりやすい曲だったりして、この人、意外と作曲のセンスもあるっぽいっすな。 分かりやすいと言っても、一筋縄ではいかない長縄クン。 そういうアレだったりはするんですが、で、ロイドくんのソロも、かなり意味不明。 あ、こういうの、やっぱりもういいっす。。。 ということで、次。  「ラブ・ソング・トゥ・ア・ベイビー」 。 名前からして、バラードっすかね? 幼女好きの僕も、さすがにベイビーというのはちょっとどうか? そんな気がしてしまうんですが、ドン・フリくんのピアノのイントロが、めっちゃいい感じ。 この時点で、ん? 微妙に 「ワルツ・フォー・デビー」 っぽい? 何気にそんな予感がしたんですが、実際のところ、ワルツ・タイムのラブリー&キュートな仕上がりだったりして、で、ロイドくんはフルートを吹いておりますな。 アルト・フルートっぽい、ちょっぴり大人のトーンだったりして、ベイビーといいつつ、意外と熟女趣味? 最近、熟成肉とか、流行ってるみたいっすからね。 中間部で聞かれるピアノのソロもイントロ同様、めっちゃいい感じだし、小難しくないし、退屈でもなくて、ここまでのところベストの出来であるといっていいチョッキ。 そういうアレだったりして、やれば出来るじゃん!

 とうことで、ラストっす。 最後をきっちり締めてくれれば、全体の印象もよくなるんですが、 「オール・ファイブ・スポット」 。 ロイ・ヘインズと壮絶なバトルを繰り広げる、うんぬん。 そう書かれていたヤツっすよね。 で、ちょっと嫌な予感がしたんですが、案の定。 出だしから、かなりハードっすな、こりゃ。 で、ピアノレス・トリオっすか? 一般人が楽しめる要素は皆無であるな。 そう判断せざるを得ませんが、ここまで来ると、ワケが分からんのを通り越して、ちょっぴりカタルシスを感じたりもして、とまあそんなこんなで、おしまい♪

【総合評価】 ワケわかんないヤツなんじゃないかと思って警戒していたら、案の定だった。 そんな感じでありましょうか? 初リーダー作で、これだけ個性バリバリ全開というのは、それはそれで立派だったりするんですけど。 その一方、バラードでは思いきりコルトレーンなところが微笑ましくもあるし、フルートを吹かせれば意外とリリカルだったりするし、ミセスロイドと併用すれば、絶対に虫が寄ってこない気がするし、チャールス・ロイド、侮れません。


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