THE INCREDIBLE KAI WINDING TROMBONES (IMPULSE)

KAI WINDING (1960/11/17,21,23 12/13)

THE INCREDIBLE KAI WINDING TROMBONES


【パーソネル】

KAI WINDING (tb) PAUL FAULISE (b-tb)
JONNY MESSNER (tb) <#1-6> TONY STUDD (b-tb) <#1-6,10> EPHIE RENSNICK (tb) <#10>
JIMMY KNEPPER (tb) <#7-9> DICK LLIEB (b-tb) <#7-9>
ROSS TOMPKINS (p) <#1-6,10> BOB CRANSHAW (b) <#1-6,10> AL BELDINI (ds) <#1-6,10>
BILL EVANS (p) <#7-9> RON CARTER (b) <#7-9> STICKS EVANS (ds) <#7-9>
RAY STRARING (mellophone) <#1-6,10> OLATUNJI (conga) <#1-6,10>
【収録曲】

(01-03) SPEAK LOW / LIL DARLIN' / DOODLIN'
(04-06) LOVE WALKED IN / MANGOS / IMPULSE
(07-08) BLACK COFEE / BYE,BYE,BLACKBIRD
(09-10) MICHIE (Slow Ver.) / MICHIE (Fast Ver.)
【解説】 ( 2015年10月11日更新 / 連載 1,183回 )

 何の盛り上がりも無く、いつの間にか終わってしまいましたなぁ。 何の話かというと、 B-1グランプリ なんですが、あまり話題に上ることも無いまま、気が付いたら結果だけ発表されてました。 オフィシャルサイトを見ても、何がグランプリを獲得したのか、今ひとつよく分からなかったりするんですが、 “熱血!!勝浦タンタンメン船団” というのが1位だったようです。 ベストテンは こんな感じ 。 顕著だった “焼きそば&モツ成分” が希薄になったのはいい傾向なんですが、 “津ぎょうざ小学校” が銅メダルって、マジかよ!? 確か、去年も結構いい成績だったりして、桑名人の僕としては悔しい思いをしたんですが、元々は小学校の給食のメニューであったらしく、普及委員会 (?) のオッサンが体操服にランドセルの小学生コスプレをしていたりして、ドン引き。 ちなみに三重県では “松阪鶏焼き肉隊” というのも10位にランクインしておりますな。 松阪と言えば 「牛」 なのに、何故 「鶏焼き肉」 ? その答えは ここ にあるんですが、なるほど。 “ひね鶏” の処分にルーツがあるんですな。 姫路の “ひねポン” みたいなもん? こってり味噌味 VS さっぱりポン酢。 どちらもイケそうなんですが、ま、昭和40年代からあるのなら、ご当地グルメとして認定するにヤブサカではありませんな。 三重の人気おすすめグルメ特集 。 この中で本物と言えそうなのは伊勢うどん、てこね寿司、さんま寿司、めはり寿司の4つくらいではないかと思うんですが、三重県でも北のハズレの住民の僕は、大人になるまでどれも食べたことがなかったし、存在すら知らなかったりしたんですけど。 仕事で鳥羽のほうに行って、展望台のレストランで 「てこね寿司と伊勢うどんのセット」 を食って、三重県にこんな食い物があることを初めて知ったんですが、美味しいっすよね、手こね寿司。 魚貝類の類いがあまり好きではない僕なんですが、これなら普通に食べられます。 さんま寿司はちょっと癖があるので、サカナ嫌いの人は好きになれないかも知れませんが、めはり寿司なら魚貝類の要素が皆無だったりするので、ぜんぜん大丈夫。 仕事で尾鷲のほうに行った帰りに、よく 「オークワ」 というスーパーで買って食べました。 最近、 「オークワ」 は鈴鹿あたりまで北上して来ているんですが、北のほうの店にも売ってるんっすかね? ここ20年くらいご無沙汰な気がするので、久しぶりに食べたくなってきちゃいました。

 …と思って調べてみたら、いつの間にやら鈴鹿あたりはおろか、愛知や岐阜や静岡にまで進出しているんですな。 スーパーセンターオークワ養老店 。 そう言えば、ありましたなぁ。 大桑国道沿いっすよね? 国道258号線。 大垣と桑名を結んでいるので、桑名人はもっぱら 「大桑国道」 と呼んでいるんですが、 「おおくわ国道」 ではなくて、 「だいそう」 。 沿線にはスーパー 「オークワ」 以外に、百均の 「ダイソー」 もあったような気がします。 ちなみに大垣人は 「ニーゴッパー」 と呼んでいるようで、 「大桑(だいそう)」 と言っても通じなかったりするんですが、麻雀好きなオッサンは 「リャンウーパー」 とか言ってますな。 何か、そういう筋があるんっすかね? 僕はその筋には疎いので、よく解らなかったりするんですが、それはそうと、スーパーのお総菜コーナー。 オークワはどうだか知りませんが、最近よく、三重のB級グルメが売られているのを目にします。 四日市トンテキ、津ギョーザ、亀山味噌焼きそばが3強。 サンシという店で見て、ここだけでやっている企画なのかと思っていたんですが、今日、うちの近くの一号館に行ったら、同じようなものが売られておりました。 一瞬、津ギョーザに惹かれて買いそうになってしまったんですが、思いとどまって、どこの名物でもない、ありふれた 「鶏の唐揚げ」 を買って帰りました。 鶏と言えば最近、 「鶏天」 もよく目にするようになりましたな。 丸亀製麺のトッピングにも普通に採用されていたりします。 数年前、大分の別府のほうに遊びに行くことになって、何が名物なのかと思って調べてみたら 「鶏天」 というのがあって、 「へぇ。」 とか思っていたんですが、あれよあれよという間に全国区になっちゃいましたな。 「やせうま」 はぜんぜん普及しませんけどね。 食べようと思っていたのに食べ損なって、悔しい思いをしていたら、ホテルの夜食に出て来てラッキーだったんですが、その話はえーと…、 ここ にありますな。 2010年というと、もう5年も前になるんですな。 そうそう、勤続20年の表彰で旅行券を貰ったので、それで贅沢をしたんっすよね。 今年も勤続25年の表彰で旅行券を貰ったので、また贅沢をしなければなりませんが、あ、 「ホテルうみね」 のリンクが切れてるっぽい? ここ っすな。 海が見えるというのに惹かれて、ここをチョイスしたんですが、部屋にある露天風呂からはパチンコ屋のネオンが見えたりして、今ひとつリゾート感に欠ける立地ではありました。 当時、めっちゃ贅沢しちゃった感が満載だったんですが、1泊朝食付き 25,950円なんですな。 以外とお安いじゃん♪ 最近、1泊3万円の壁は軽々と突破して、4万円を超えると、さすがにちょっと躊躇っちゅね。 そんな金銭感覚になって来ちゃったんですが、で、 「やせうま」 。 夜食に出て、超ラッキーだったんですが、食ってみたらさほど美味いものでもなかったりして、これなら別に食わなくてもよかったかな? …と。 で、翌日、地獄のところで食った 「だんご汁」 も微妙だったし、鶏天だけが全国デビューを果たしたのも、当然の結果と言えそうなんですが、ま、その土地ならではの名物料理が全国どこでも食べられるようになるというのは、ちょっと残念な気もするんですけどね。

 とまあそんなこんなで、 前回 に引き続き、京都ネタです。 飯に関しては贅沢三昧の予定だったりするんですが、2日目の夜の これ が、ちょっと弱いかな? …と、そんな気がして来ました。 永観堂のライトアップを見るのにチケットを買う行列に並ばなくてもいいのは大きいんですが、五条駅の近くのホテルからはかなり離れていたりするし、料理の内容も1日目と3日目の昼飯と、かぶーるよね? そう、カブール人から指摘されると、確かにそんな気がするし、うーん…。 アフガニスタンの首都っすよね、カブール。 最近は現地語の発音に合わせて「カーブル」と書かれることが多いんですが、そんな昆虫記のパチモンみたいな名前は今ひとつ馴染めないし、カブール人のほうが、ちょっぴりケムール人の親戚筋っぽくて、いいよね? そんな個人的な思いから、表記を改める気はさらさら無かったりするんですが、とりあえずこの日は紅葉のライトアップを捨てて、 京都駅のイルミネーション に切り替えますかね? 去年は11月15日(土)からやってたみたいなので、今年は恐らく14日(土)が初日かと。 となると、飯は このホテルの中の店 がよさそうですなぁ。 ここなら五条駅から地下鉄で1駅、歩いても10分くらいで何とかなるのではなかろうかと。 日、中、仏、伊、鉄板焼き、寿司、天麩羅、よりどりみどり。 天麩羅は初日の夜、鉄板焼きは2日目の昼に食うことになっているので、それ以外がいいかと思うんですが、京都吉兆もあるんですな。 これは船場吉兆とは違う吉兆だとは思うんですが、吉兆と言えば “ささやき女将” のイメージが強過ぎて、あまりいい印象がありません。 京都のほうの吉兆さんにしてみれば、風評被害もいいところなんですが、創業者の長男が大阪の本吉兆、長女の婿が東京吉兆、次女の婿が京都吉兆、三女の婿が船場吉兆、四女の婿が神戸吉兆。 そんなふうに暖簾分けしたみたいです。 京都吉兆のオフィシャルサイトは こちら 。 無駄にモダンで格好よろしおすなぁ。 「食品衛生に関するお知らせ」 とかありますが、客の食べ残しの再提供とは、そういうのはアカンどすえ〜。 ちなみにお値段のほうは、松花堂弁当 (夜) で 9,504円、会席料理だと 14,256円〜 38,016円だそうです。 ま、そんなもんでしょうなぁ。 どうせ端から行く気はないので、所詮は他人事だしぃ。

 とまあそんなこんなで、 ここ を押さえてみることにしようかと。 夜景も綺麗っぽいし、 ピアノライブ もあるし、雰囲気よさそうっすよね。 土曜日だと堀江ミカたんっすかね? そばかすなんて、気にしないわ〜、鼻ペチャだって、だって、だってぇ、お気に入り〜♪ それは堀江美都子っすか。 「花の子ルンルン」 も、そうでしたっけ? 火曜日のほうのサザエさんもこの人なんっすな。 窓を開けましょ、ルル〜ル、呼んでみましょう、サザエさん♪ 美都子に比べると、堀江ミカって、誰? そんなふうに思えてしまうんですが、得意のスローバラードはもちろん、時には、JAZZナンバーをお洒落に、ソウルフルアレンジでお届けします。 一日の終わりにサザンコートで、カクテルと私の歌で癒されてください。 ほぉ、それは癒やれなければなりませんなぁ。 で、メシの部のほうはというと、 「黒毛和牛・松茸ディナー」 というのに、大いにソソられてしまいます。 ぶっちゃけ、松茸はさほど好きではなかったりするんですが、 「赤毛のアン・干し椎茸ディナー」 とかに比べれば、遙かにマシなのではなかろうかと。 赤毛のアンのほうで何を食わせて貰えるのか、見当も付かなかったりするんですが、あんパンとか、そんなんだったりするんでしょうなぁ。 が、残念ながらこのメニューは10月まで。 今のところ、11月分で予約が出来るのはディナーカジュアル (¥4,300) か、シェフズディナー (¥5,500) かの、どちらか。 \1,200円の差額で何がどう違うのかというと、肉料理が付くかどうか。 これは大きく違いますな。 生椎茸と干し椎茸と同じくらいの格差があります。 カジュアルのほうだと肉が付かない代わりに 「マグレ・カナールのロティ」 とかいう、ワケのわからんものが出てくるようなんですが、ちなみに魚料理はどちらのコースも同じで、 「ナッツのクルートを纏った本日のお魚のポワレ」 。 これもよく解りませんな。 まず、クルートが意味不明だし、ポワレというのもどういうものなんだか。。。 調べてみたら前者はパイやパンの皮。また、パンに物を詰めて焼いた料理。 後者はバターや油などを使ってフライパンで食材を焼いて調理した料理のこと。 ほぉ、めっちゃ普通の調理法なんっすな。 要は 「魚の鉄板焼き、ナッツの皮付き」 。 そういう料理なんっすかね? ピーナッツの殻を割ると、中から茶色い皮の付いた実が出てくるんですが、あれを纏ってフライパンで焼かれたりするんでしょうなぁ。 皮はべつに無くてもいいような気がするんですが、ま、ピーナッツの殻が纏うよりはマシだと思って、諦めるしかありません。

 で、お楽しみの肉料理の部のほうはというと、 「牛フィレ・フォアグラのポワレ」 。 うーん…。 フォアグラって、要は肝っすよね? 苦手なんっすよね、肝。 先日、家のわりと近くのバローというスーパーで焼き鳥3本セットを買ったら、そのうちの1本が肝だったので、激しく落胆してしまったんですが、で、フォアグラはというと、過去に一度だけ食べたことがあります。 横浜のブルーノートで。 思ったよりもキモくはなくて、意外と大丈夫だった記憶はあるんですが、積極的に受け入れるところはでは心を開けておりません。 ま、牛フィレとフォワグラがポアされるのも10月いっぱいまでのようなので、11月度は 「牛フィレとエイのひれ」 がポワられているという展開に期待するしかないんですが、炙ってマヨネーズを付けて食うと、けっこうイケますよね。 魚貝類の類いがあまり好きではない僕でも、わりと大丈夫だったりするんですが、これで2日目のメシ計画は完璧でありますな。 昼は、お魚の鉄板焼き、またはフォアグラの鉄板焼きと、国産牛ロース100gの鉄板焼き。 夜は魚のポアレと、牛フィレ・フォアグラのポワレ。 メニューがめっちゃ、かぶーるよね? そう、またしてもカブール人に言われちゃいそうなんですが、うるせぇ! 人の食生活にいちいち口を出すな! カブール人は、かぶら煎餅でも食ってろよ! そう言いたくなっちゃいますよね。 カブール人に何を言われようと、ケムール人に煙 (けむ) に巻かれようと、僕はここでポアレを食う所存でありますが、ところで11月14日が 「世界糖尿病デー」 だというのを君は知っているかな? 僕はたった今、 ここ を見て知ったんですが、スペイン語で秋は、 otono 。おとーにょ と読みます。「お とーにょ」  ってことで、今回は、「世界糖尿病デー」についてです。 おお、上手いっすな! グランヴィア京都はやめて、京都プラザホテルにしようかと一瞬だけ思ってしまったんですが、この日は全国でブルーライトアップが行われるみたいっすな。 これ 。 京都では京都タワーの他、清水寺や東寺の五重塔なんかが青い光で照らされるようです。 青色発光ダイオードフェチのサバくん、大歓喜♪ 東寺なら京都駅からそんなに遠くないし、行ってみますかねー? 街の灯りがとても綺麗ね、東寺〜、ブルーライト東寺ぃぃぃぃ♪ ちょっと歌いにくいんですが、で、このイベントにぴったりのグッズがあるのを発見しました。 ほれ 。 これで完璧、ハゲた外人さんも大満足♪ みんなの分も買っておいてあげるので、11月14日 (土) は、東寺にGO!!

 ということで、今日はカイ・ウィンディングなんっすが、それはそうと、B-1グランプリと並ぶ、もうひとつのビッグイベントの、ゆるキャラグランプリ。 一時、順位の公表が再開された直後は 「こにゅうどうくん」 の野郎を逆転していた ゆめはまちゃん なんですが、すぐに再逆転されて、ズルズルと後退しちぇっております。 現在、39位と44位で、これはもう駄目みたいですなぁ。。。 投票するモチベーション、だだ下がりであります。 こんなことなら最後まで順位は非公表のほうがよかったのにぃ。。。 ゆるキャラで四日市の後塵を拝し、B-1では津や松阪を相手に不戦敗で完敗。うーん…。 変なメガネをかけたら、ブルーライトと共にヤル気も軽減してしまったので、今日も後半は適当に流しておきたいと思います。 どうせ、所詮はカイ・ウィンディングだしぃ。。。 いつも、J.J.ジョンソンのオマケに付いてくる人。 それくらいの認識しかなかったりするんですが、一応、白人トロンボーン奏者の中ではトップという位置付けのようでありますな。 で、今日はそんなカイ君の 『ジ・インクレディブル・カイ・ウィンディング・トロンボーン』 というアルバムを取り上げてみたいと思います。 前々回は 『ザ・マグニフィセント・トロンボーン・オブ・カーティス・フラー』 というのを紹介したんですが、マグニフィセント物に続いて、今度はインクレディブル物。 信じられなーい。 そんな意味でしたっけ? 通販で適当に買ったので、手に届くまでどういった内容なのか、あまり把握していなかったりしたんですが、J.J.ジョンソンとのコンビで知られる白人トロンボーンの第一人者、カイ・ウィンディングがトロンボーン・セクションを従えたユニークな編成で録音した代表傑作。ソロとアンサンブルの絡みが絶妙、ビル・エバンスが3曲に参加しているのも興味深い。 そういったアレであるようです。 確かにパーソネルを見ると、トロンボーンばかり、ずらりと並んでおりますな。 テナートロンボーンとバストロンボーンを各2本ずつ集めるというのが基本構成なんですが、テナーというのがごく一般的なトロンボーンの音域に当たるようです。 サイドマンでは前述のビル・エバンスと、ロン・カーターあたりがメジャーなところ。 もうひとりのピアノはロス・トンプキンスとかいう、あまりよく知らない人だったりして、あまり多くは期待が持てそうにありませんが、とりあえず、ま、聞いてみることにしましょう。

 1曲目、歌物ナンバーの 「スピーク・ロウ」 。 低く囁く、ささやき女将。 そういったところでしょうか? あ…、頭が真っ白になって…、ボソボソ。 ジャズの世界では、わりと元気ハツラツなカツレツ。 そんな感じで演奏されることが多いんですが、…と、ここで重大な事実誤認が発覚。 カツレツって、肉に衣を付けて、ポアレしたものだと考えていいんっすかね? …とか、ふとそんな事が頭に浮かんで、ところで 「マグレ・カナールのロティ」 って、何? そっちのほうもちょっと気になったので調べてみたんですが、フォアグラを採るための鴨だったんですな、マグレ・カナールって。 ロティというのは、ロースト = 蒸し焼き。 そういった調理法であるようです。 鴨の蒸し焼きって、思いきり肉料理やんっ! 肉料理がない代わりに、マグレ・カナールのロティとか、思いきりアホなことを書いてしまいましたが、いやあ、早めに気が付いて、よかったっす。。。 で、鴨の肝より、鴨本体の肉のほうがいいので、ディナーカジュアルのほうでよかったような? どうせ、牛の肉は昼に鉄板焼きで食うワケだしぃ。 もうシェフズディナーのほうを予約しちゃったんですが、どうしたものっすかねぇ。 ま、11月のメニューが判明してから決めればいいんですが、で、このカイ君版はというと、やはり溌溂系な仕上がりとなっておりました。 冒頭からオラトゥンジのコンガがチャカポコで、ノリノリ♪ そういえば、ラテンのリズムで演奏されることが多いナンバーだったりしますよね、これ。 で、その後、トロンボーンの見事なハモリによるテーマが登場するんですが、いやあ、雰囲気いいっすな、こりゃ。 高い芸術性と知性を感じさせるんですが、ベニー・グリーンではこういうの、無理。 そんな気がしちゃいます。 バストロンボーンの低音っぷりがなかなか効果的だし、サビの部分の盛り上がりも完璧。 で、その後、カイ君のソロになるんですが、なかなかのテクニシャンであるな。 そう評価していいのではなかろうかと。 ソロとアンサンブルの絡みが絶妙…というのも確かにそのとおりだと思うし、期待薄だったトンプキンス君とやらのピアノ・ソロも手堅くまとまっていて、最後はオラトゥンジのコンガがチャカポコと頑張って、でもって、テーマに戻って、おしまい。 カイ君、イケるやん♪

 ということで、次。  「リル・ダーリン」 はニール・ヘフティが書き、カウント・ベイシー・バンドの演奏で非常に有名になった曲である。 ここでもその特徴的なスロー・テンポが採用されているが、こちらの編曲もご機嫌この上ない。 カイとロスが再びソロを取り、全編を通してトロンボーン・セクションがカップ・ミュートを用いてみせる。 そう、英文ライナーの日本語訳で小川隆夫クンが書いておりますが、まさしくそういったアレでありますな。 ミュートの装着とスロー過ぎるテンポのお陰で、アーシー過ぎる雰囲気になっていて、都会派アーバンな僕にはちょっとアレだったりするんですが、ま、ボントロ物らしさは十分に発揮されているな。 そのように評価することも出来るかも知れません。 ボントロ、大トロ、中トロ、ネギトロ、カストロ、スカトロ。 トロにも色々ありますが、こうトロトロと書き連ねてみると、「ロ」という片仮名が何か変に見えて来ちゃいますな。 ちなみに魚を入れる箱の事をトロ箱と言ったりしますが、あれは大トロ、中トロのトロではなく、トロール漁で収穫した魚を入れる箱。 そこから来ているんですな。 トロール漁で、魚を獲ろーる。 …とか言ってるうちに演奏のほうは終わってしまったので、次。  「ドゥードリン」 。 これはアレです。 ホレス・シルバー作の有名なファンキー・チューンでありますな。 電話をしながら、いたずら書きをする。 そんな意味があるんでしたっけ? 調べてみたら電話時に限らずに、いたずら書き全般を指すようなんですが、“Yankee Doodle” でアメリカのヤンキーだったり、“cock-a-doodle-doo” で雄鶏の鳴き声だったりするようです。 日本の雄鶏は 「おんどりゃー!」 とか鳴いたりするんですが、ヤンキーの雄鶏はずいぶんとお上品なんっすな。 いや、日本の雄鶏もそんなふうには鳴かないような気もするんですが、で、演奏のほうはアレです。 ダウン・トゥ・アースなムードにトロンボーン・セクションは絶妙なマッチングを示す。 そういう、まっちんぐマチコ先生なアレだったりして、うーん、まあまあ? 個人的には、ちょっとアーシー過ぎるんじゃね? そんな気がしないでもないんですが、テーマに続いて、カイ君の迫力に満ちたミチコ先生なソロが出てきて、その後、ピアノのソロがフィーチャーされるという、いつもの流れでありますな。 各自のソロの合間に時折、アンサンブル軍団が絡んで来るのもお約束だったりして、とまあそんなこんなで、テーマに戻って、おしまい。

 で、次。  「ラブ・ウォークト・イン」 。 「忍び寄る恋」 なんて訳されることもあるシノブ先生。 そういうアレだったりするんですが、これまた超スローなテンポ設定だったりして、やや雰囲気がパターン化している感は否めません。 “いなげや” や! ここで空気を変えてくれるのは“いなげや”しかない! そんな、東京都立川市に本社を置き、関東地方南部を中心に店舗を展開するスーパー待望論が湧き起こったりするんですが、いや、 「否めない」 で何となく “いなげや” が頭に浮かんでしまったんですが、演奏のほうは2分53秒くらいで終わってしまうので、マンネリなのも、ま、許容の範囲内かな…という気も。  ということで、次。 カイ君のオリジナルで、 「マンゴス」 。 安曇野 “MINGOS”のきんやさんは、かなり前にお亡くなりになってしまいましたが、ミンゴスでも、ミンガスでもなくて、マンゴス。 世の中とはマンゴスチンという、マンゴーの正式名称なのか、それとはまったく話が別なのか、今ひとつよく解らない果物があったりするんですが、それはそうと、 「マンゴス」 。 これはアレですな。 マンボっぽいというか、何と言うか、とりあえずまあ、ラテン系っすな。 これまた、わりとスローなテンポ設定だったりするんですが、テーマの合奏の後、カイ君の歌心に富んだトロンボーンと、オラトゥンジのオラついたコンガのソロがフィーチャーされて、テーマに戻って、おしまい。 で、次。 カイ君のオリジナルで、 「インパルス」 。 レーベル名に因んで、安易にこのような名前を付けた模様でありますが、何だかこれ、どこかで聞いたことがあるような? …と思ったら、 「四月の思い出」 のコード進行に基づいて作られたものなんですな。 原曲の香りがプンプン。 ミディアム・ファストくらいのテンポで軽快にバウンスするアレでありまして、それなりにボントロ軍団の絡みはあるものの、カイ君とトンプキンスのケレン味のないアドリブを満喫することが出来ます。 最後はトロンボーンとドラムスとの4バースで大いに盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 いやあ、よかったっす。

 で、次。  「ブラック・コーヒー」 。 ペギー・リーが気だるいムードで歌って大ヒットを飛ばしたナンバー。 そういったアレでありまして、で、ここでの注目点は何と言っても、ビル・エバンスの参加。 それに尽きるのではなかろうかと。 アンサンブルの合間に聞かれるちょっとしたソロは、ま、それなりにビルっぽい? そんな気がしないでもないんですが、目玉になるほどフィーチャーされているワケでもなく、言われなければ気付かないレベルなので、過度の期待は禁物、ホルモンは臓物。 ということで、次。  「バイ・バイ・ブラックバード」 。 これもエバンス入りなんですが、テーマ部のふざけたミュート・プレイがちょっとアレだったりして、トロンボーン特有のほのぼのとしたムードがここでは独特の味を表出する。 まさしくそういった感じの仕上がりだったりします。 で、残すところあと2つ。  「ミッチー」 のスロー・バージョンと、ファスト・バージョン。 タイトルからはどうしても渡辺美智雄の顔が浮かんでしまうんですが、娘の名前に因んだカイ君のオリジナルであるようです。 何とも不憫な名前を付けられたものでありますなぁ。。。 で、演奏のほうはあれです。 スローのほうはテンポが遅いです。 ファストのほうは速いです。 どちらも悪くないと思います。 ということで、今日は以上です。

【総合評価】 1曲目の最初のトロンボーンのアンサンブルを聞いて、イケるやん! …と。 が、2曲目、3曲目と続くにつれて、ちょっとずつダレて来て、 「マンゴス」 「インパルス」 の “語尾に「ス」のコンビ” で持ち直して、で、終盤は惰性で。 そういった構成でありました。 ラストの 「ミッチー」 は緩急バージョンともに良好。 ビル・エバンスの参加は特筆すべきほどのものではなく、むしろ無名なロス・トンプキンスのほうが思わぬ拾い物といった感じでした。 カイ・ウィンディングと甲斐バンド、どちらが上かと言われると、ちょっと難しいんですが、貝があまり好きではない僕でも十分に楽しめるカイでありまして、オススメ♪


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