WHEELIN' & DEALIN' (PRESTIGE)

FRANK WESS (1957/9/20)

WHEELIN' & DEALIN'


【パーソネル】

FRANK WESS (fl,ts) JOHN COLTRANE (ts) PAUL QUINICHETTE (ts)
MAL WALDRON (p) DOUG WATKINS (b) ART TAYLOR (ds)
【収録曲】

(01-04) THINGS AIN'T WHAT THEY USED TO BE / WHEELIN' / ROBIN'S NEST / DEALIN'
【解説】 ( 2015年11月22日更新 / 連載 1,188回 )

 京都に行って来ました。 あれこれ迷走しまくった結果、とりあえず直前になって作った行程表が こちら です。 前回予告 の宿屋とか飯屋とか、またしても大きく変貌しちゃっているんですが、初日の天気が曇りのち雨、2日目と3日目が曇り時々雨、もしくは曇り一時雨。 そんな予報だったんっすよね。 ぜんぜん駄目ぢゃん。。。 雨の中、紅葉のライトアップを見に行くというのもアレなので、2日目の夜に予定していた永観堂のメシ付き鑑賞プランを “昼食の部” に変更して、で、初日の宿は ここ にチェンジしました。 烏丸御池駅に近くて交通も至便だし、有料ながら天然温泉のスパもあるみたいだし、朝飯もなかなか豪華みたいだしぃ。 当初、朝早くから動く目論見で、朝飯無しのところを押さえていたんですが、雨なら別にそんなに慌てて出発する必要もないしぃ。 …とまあ、若干、テンションは下がり気味でありましたが、とりあえず出発〜♪ 桑名からクルマで岐阜羽島まで行って、そこから新幹線といういつものパターンなんですが、ということで、岐阜羽島に到着。 予約した指定席は、んーと、1番D席っすな。 ということは、1号車の4列目かぁ。 で、ホームのいちばん端っこまで歩いて行って、そこでぼーっと列車の到着を待っていたんですが、するとやがて、 「まもなく○番線に列車が到着します。自由席は1号車から5号車…」 というアナウンスが。 ん? 自由席は1号車? で、改めて切符の座席を確認したところ、13号車1番D席という文字が。 1号車の4列目ちゃうやん! 13号車の1列目の4番目やんっ! 慌てて移動を開始したんですが、本当にまもなく列車は到着しちゃうし、1号車から13号車は思った以上にクソ離れているしで、朝っぱらから思いきり無駄に体力を使ってしまいました。 新幹線はお客様の利便性を考慮して、2両編成くらいにしろって! 16両編成だと400mくらいあるみたいですからね。 1号車から13号車への移動だと 300mくらい? グリコ1粒で何とかなるかどうか、微妙なラインなんですが、とりあえず席に辿り着けて、一安心。 よく考えたらガラガラだったので、そのまま1号車の自由席に座ってもよかったような気がするんですが、検札の時に 「1番D席というのを、1号車と間違えて…」 と事情を説明して、車掌さんに心の中で 「アホか」 と馬鹿にされたりしても悔しいので、頑張って指定の席まで移動して、正解だったと言えるのではなかろうかと。

 とまあそんなこんなで、京都駅に到着。 最初の目的地は 東福寺 でありますな。 京都の寺社仏閣の中で、清水寺や金閣寺、銀閣寺なんかと比べると知名度は今ひとつな気がするんですが、紅葉シーズンだけは例外。 京都でも一二を争う加藤一二三九段。 そういうアレだったりするんですが、東大寺と興福寺という、奈良の2大立派なお寺から1文字ずつ貰って命名されたとか、600年前に桜を全部切っちゃったとか、そんなエピソードで知られていますよね。 誰がそんな酷いことを。 ワシントンか? ワシントンが桜を切っちゃっのか? そう思って調べてみたら、違いました。 吉山明兆というオッサンでした。 ここ にその話が出てくるんですが、ワシントンくん、冤罪被害もいいところでありますな。 よく考えたらワシントンくん、600年前にはまだ生まれてませんよね。 で、このお寺、かなり昔にJR東海の 「そうだ京都、行こう。」 で取り上げられています。 これ 。 このキャンペーンは名キャッチコピーが多いんですが、いいっすよね、これ。 さば君がこれを見て、「そうだ東福寺、行こう。」 そう思い立ったとしても、誰も文句は言えないところなんですが、今年の初夏バージョンの こちら もいいっすなぁ。 こっちの橋からあっちの橋を見上げたり、あっちの橋からこっちの橋を見下ろしたり。 こういう光景は京都でもここでしか見ることが出来ないと思うんですが、いやあ、楽しみっすなぁ。 で、東福寺にはどうやって行けばいいのかというと、京都駅から奈良線に乗って、一駅。 そこから歩いて約10分と、かなりお手軽だったりします。 京阪本線の駅もほぼ同じ位置にあったりするんですが、京都駅起点だと、乗り換えがけっこう面倒だったりするんですよね、京阪。 今回、僕は烏丸御池駅のコインロッカーに荷物を預けたいという意図があって、かなり無駄なルートで京阪の東福寺駅に向かったんですが、平日の通勤通学時間帯だったので、駅に降り立つと女子中高生がワラワラと歩いておりました。 修行の邪魔になること、極まりありませんな、こりゃ。 周囲には塔頭寺院が建ち並んでいて、独特の雰囲気があったりするんですが、塔頭〜、俺の肩を、抱きしめてくれ〜♪ 塔頭と書いて 「とうあたま」 でも 「とうとう」 でもなくて、 「たっちゅう」 。 読み方を忘れたらこの歌を思い出して欲しいんですが、とまあそんなことで、本体エリアに到着〜。


< 東福寺 (その1) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 (写真・いちばん上) は 「臥雲橋から見た通天橋」 でありますな。 今年の初夏のポスターでお姉さんが自転車を押しているのが臥雲橋。 え? 自転車でこんなとこ走れるの? …と、不思議に思うかも知れませんが、この橋は公道の一部だったりするので、24時間、いつでも誰でも無料 (ただ) で自由に通行可能。 ただし、自転車やバイクで走ることは出来なくて、押して歩くことになっております。 そっか、こっちの橋の欄干を入れて、こういう構図で撮るという手もあったんっすなぁ。 やるな、JR東海のお抱えカメラマン! もっとも、紅葉シーズンにはこの欄干に観光客がびっしり張り付いているし、そうでなくても女子中高生とかが日常的に普通に利用していたりするので、こんなふうにはなかなか撮らせて貰えなかったりするんですけどね。 で、橋を渡ってしばらくすると、本体部分の境内に立ち入ることになるんですが、先ほど向こうに見えていた通天橋のほうを渡るには、料金を徴収されたりします。 通常は9時から、紅葉シーズンは8時半から入場可能。 僕が到着したのは受付開始の2分くらい前だったので、ちょっとした行列が出来ておりました。 オープンしてしまえば、わりとスイスイ進めたんですが、ピークだと2時間待ちとかになっちゃうみたいです。 ピーク予想の1週間前の平日の朝イチにしておいて、大正解。 ま、その分、紅葉のほうはちょっとまだ今ひとつな状況だったりしたんですけど。 (写真・ちょうど真ん中) とか、 (その下) とかを見て、え? めっちゃ綺麗に色付いてるぢゃん? そう思われた人もいるかも知れませんが、これはあくまでも写真マジック。 RAW現像する際に、かなりあざとく “加工” した賜物でありまして、実態のほうはかなり微妙だったような…? もともと僕は赤緑色弱なので、普通の人に比べて、紅葉がぜんぜん鮮やかに見えてない可能性が高いんですが、世の中の落葉広葉樹はそういう人に気を遣って、普段はあざやかな黄色なのに、秋になると真っ黒になるとか、それくらい劇的な変化をしろって! そう思わずにはいられません。 バナナの皮を見習って欲しいところでありますが、で、通天橋を渡った先が 「開山堂」 とか、そういったエリア。 こちらのほうにも、それなりに建物だとか庭だとかがあったりするんですが、その辺りは軽く流して、じゃ、次に行ってみましょうかぁ。


< 東福寺 (その2) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 ということで、 「本坊庭園」 。 詳しくは こちら 。 重森三玲が昭和14年に作ったもので、新し過ぎて、ちょっとパチモン臭かったりもするんですが、その分、モダンな感性も取り入られていたりして、その筋からの評価は高かったりする模様。 「方丈」 の四方を囲む形で庭が設置されているという構図は、日本庭園界の横四方固めと言ってもよくて、で、まず最初に登場するのは 東庭 。 こじんまりとした児島真理。 そんな感じだったりするんですが、円柱〜、俺の肩を、抱きしめてくれ〜♪ これが非常に印象的っすよね。 僕の写真では5円柱しか写っていないんですが、実際には7本あって、それは北斗七星を表しているんだとか。 荒鷲 (←相撲取り) もビックリの表しっぷりですよね。 ビックリといえば、北の湖理事長の急逝なんですが、子供の頃は嫌いだったんっすけどね、北の湖。 大の輪島派だったしぃ。 親戚のヒロっさん (←八百屋経営) に酷似してましたからね、輪島。 で、続いては 南庭 。 ここがいちばん立派で、典型的な “ヨゼフ枯山水” でありますな。 何じゃそれ? …と思われるかも知れませんが、 これ 。 四日市の海星高校の出身者なら知ってますよね。 僕よりちょっと下の世代だと 「ヨゼフ・カラサンスの歌」 とかも歌わされていたみたいです。 左側が岩エリア、右側が苔エリアになっていて、それぞれに深い意味があるんでしょうが、僕にはよく分からないので、次。 西庭…は、ちょっと地味で、写真栄えしないので、今回は割愛して、その替わり、方丈から通天橋やら開山堂やらの方向を眺めた図を追加しておきました。 屋根付きの傾斜渡り廊下みたいな奴は京都の寺でよく見られる意匠なんですが、いいっすよねー。 渡り廊下〜、渡ろうよ〜、北風ぴいぷう、吹いている〜♪ 思わず、そんな歌を歌いながら渡りたくなるワタリガニ好きの渡哲也なんですが、で、それはそうと、最後は 北庭 。 こちらはガッツ市松模様が一抹の寂しさを表現していて、秀逸。 そのように評価されているらしいので、ちょっと期待していたんですが、個人的には、うーん…。 後ろに見えている昭和の時代の田舎の家の便所みたいな建物もちょっとアレだし、全般的に悪くはない庭だと思うんですが、池泉回遊式庭園のほうが好きな僕にはちょっと高尚過ぎて、 「こうしよう!」 という、重森三玲くんの意図が、今ひとつ読み取れなかったりしました。 でもまあ、如何にも禅寺っぽくて、ま、いいんじゃないっすかね?

 ということで、次の目的地に向かいましょう。 朝昼兼用の飯プランで、 これ を予約してあったんですが、場所は清水寺の近く。 この超有名な観光地は京都駅から鉄道と地下鉄だけで行こうとすると、けっこう乗り換えが面倒だったりするんですが、いちばん近い京阪本線の清水五条駅からでも徒歩で25分くらい掛かったりするしぃ。 バスを使えば多少は歩く距離を少なくすることが出来るんですが、東福寺から祇園方面に向かうバスが五条坂やら清水坂やらを通るので、今回はそれを利用することにしました。 清水寺のすぐ近くまでは行くんですが、今回、13時半から修学院離宮の参観を申し込んであるので、あまり時間に余裕が無くて、湯豆腐を食うだけで、寺を見て回るのは難しそう。 そんな判断に基づいて行程表を作成したんですが、東福寺が思ったよりも早く片付いたので、ちょっと覗いてみるくらいなら、何とかなりような気が。 ということで、超有名な 「清水の舞台」 まで行くことは出来なかったんですが、無料エリアを散策して、その空気を味わうことだけは出来ました。 後で簡単に写真で紹介しますが、いやあ、凄い賑わいぶりでありましたなぁ。 特に女子中高生の修学旅行集団が、半端なくうろついておりました。 中には男子中高生もいたのかも知れませんが、興味のない分野はまったく目に入ってこないので、よく分かりません。 湯豆腐屋さんは10時半のオープン。 予約をしたのもその時間なので、頃合いを図って近くまで行ってみたんですが、本通りからちょっと奥に入っていて、周囲の喧噪が嘘みたいな閑散ぶり。 この時点で嫌な予感がしたんですが、時間になったので、恐る恐る入って見ると…。 シーン。 めっちゃ、静まりかえっておりますな。 店のお兄さんがいたので、JTBレジャーチケットで予約したものである旨を申し上げ、プリントアウトしたメールを見せたんですが、 「え?」 とか言われて、何だか話がぜんぜん伝わっていない模様。 嫌な予感、当社比 150%増量なんですが、しばらく待たされて、何とか店の中に入ることが出来ました。 「今日は修学旅行の団体さんが入っておりまして…」 とか言われて、カウンター席にぽつんと座らされました。 かなり広い店なんですが、今のところ客は僕一人だけ。 一人飯にはかなり慣れているほうなんですが、今まで経験した中で、マックス最大限に気まずい空気でありますな、こりゃ。。。

カウンター席からの眺め♪


 目の前はこんな景色。 由緒ありげな洋風建築と噴水があって、それなりにいい雰囲気だったりするんですが、天気は鈍曇りだし、目の前の竹が何だか鉄格子のようにも見えちゃうし、次第に気分が落ち込んで来ちゃいました。 こんなことならこんな店を予約しないで、清水寺をちゃんと見て、何か適当に買い食いでもすればよかった。。。 大後悔時代に絶賛突入中。 逃げ帰ろうかとも思ったんですが、そのうち、何とか一応は話が通じたようで、プランの写真にあったのと同じ物が提供されて、とりあえずは一安心。

煮物・胡麻豆腐・ゆば造り♪ 天麩羅・田楽・香の物・ご飯♪ ゆどうふ♪

 煮物・胡麻豆腐・ゆば造り・天麩羅・田楽・香の物・ご飯、それに湯豆腐。 確かに 「ゆどうふコース」 っすな。 お味のほうは普通に美味しくて、やさぐれた気持ちも少しずつ解されていったんですが、ただ、問題はメインの湯豆腐。 けっこう大きめの鍋が電磁調理器の上にセットされているんですが、煮立つまでにけっこう時間が掛かって、もういいかな? そろそろ食べられるかな? そう、様子を窺っていると、店のお姉さんがやって来て、鍋に手をかざして、 「どうぞぉ。」 と、無愛想に言ってくれたので、安心して食べたんですが、まだ、温 (ぬる) くて今ひとつだったりして、また少しテンションが下がってしまいました。 で、これ、量が半端なく多いっすよね。 写真だと2切れをタレのほうに移動して、残り6切れくらいに見えるんですが、実際はまだ鍋の底のほうに沈んだりしております。 3兆…って、さすがにそこまでは無いと思うんですが、3丁くらいはあるんじゃないっすかね? 食べても食べてもぜんぜん減らなくて、途中で飽きて来ちゃいました。 一人で湯豆腐を食べに来て、しかも残すって! そう、店員に馬鹿にされても嫌なので、頑張って完食を目指したんですが、他に胡麻豆腐や豆腐田楽もあったりするし、さすがに無理。。。 間違えて2人分の豆腐が投入されていたとしか思えないんですが、これでしばらく豆腐は食いたくないし、豆腐の顔も見たくないっす。。。

 で、この後、本日のメイン会場、修学院離宮への移動ということになるんですが、三年坂、二年坂の雰囲気が好きなので、そこを通って京阪本線の祇園四条駅まで歩いて行くことにしました。 豆腐の腹ごなしも兼ねて、ちょうど好都合なんですが、で、途中、ちょっと時間に余裕がありそうなら、1年前の春に立ち寄って、なかなか楽しかった ここ に寄ってみようかと思ったんですが、ま、いっかぁ。 そんな気もしたので、高台寺の横と石塀小路と八坂神社を通って、駅に向かいました。


< 清水寺と祇園界隈 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

  以上、ここまでの経緯で撮った写真はこんな感じです。 清水順正おかべ家も、12時頃に行けばもうちょっとマシだったんでしょうが、総席数500もある店で結局は、ずーっと独りぼっちでしたからね。 外では修学旅行の女子中学生の集団が待期しておりましたが、そこに混ぜて貰えれば、どんなに良かったか。 いや、余計に孤独感が募るだけかも知れませんが、気を取り直して、次。 祇園四条駅から京阪本線に乗って、終点の出町柳駅で叡山電鉄に乗り換えて、修学院駅に到着〜。 ここまで来ると京都市内とは思えないような郊外っぷりだったりするんですが、ここから修学院離宮までは片道1キロ強の道程。 離宮の中で3キロくらい歩かされるっぽいので、ここは体力を温存したいところなんですが、受付開始の13時10分まではまだ余裕があったので、頑張って近くの 赤山禅院 というところまで足を延ばしてみることにしました。 比叡山延暦寺の塔頭で、京都の表鬼門を護るって、何だかカッコいいっすなぁ。 裏肛門を守るボラギノールに通じるものがありますが、ま、お寺そのものはシケていて、あまり多くは期待出来そうにはないんですけど。


< 赤山禅院 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 …とか思っていたら、意外と悪くありませんでした。 写真マジックで綺麗に紅葉しているように見せかけることが出来たし、何だか桜みたいなのも地味に咲いていたし、何より三十三観音と十六羅漢のインパクトが半端ありません。 後者のほうの全体像は こんな感じ なんですが、落ち葉の絨毯とのコントラストが素敵っ♪ 十六羅漢の中には朽ち果てて首が無くなっちゃったのが三羅漢くらいあったりして、イケてるっ♪ その前には下半身を埋葬された即身物の石像みたいな奴までいますよね。 夜中の肝試しスポットとしては最強レベルでありますが、とまあそんなことで、単なる時間潰し目的で行ってみたら、意外と楽しめるスポットだったりしたんですが、で、このお話、あと4〜5回は、続く♪

 ということで、今日はフランク・ウエスなんっすが、地味っすよね。 フランク・シナトラ、フランク・フォスター、フランク永井、明宝フランク。 こうして名前を書き連ねてみると、ウエス君が最下層のフランク。 そんな空気が漂ってしまいます。 中では明宝フランクが至宝っすよね。 これ 。 肉本来の味を、うんたらかんたら。 そんな趣旨からケチャップもカラシも付けてくれなくて、最初は 「えぇ…」 とか思ってしまうんですが、食べて納得。 憎々しいくらい肉々しくて、美味ぇぇぇ♪ それに比べるとウエスのほうは、まったく魅力が無かったりするんですが、所詮はボロ布みたいなものですからね。 こんなの 。 もっぱら、油とかをこぼした時に拭き取るのに使うんですが、ぜんぜん油を吸ってくれない役立たずな奴も少なくありません。 とまあそんなこんなで、あまり期待が持てないフランク・ウエスなんですが、手持ちのネタが尽きたので、とりあえず仕入れてみることにしました。 単独ではこれといったものが見当たらなかったので、セット物にしたんですが、 これ 。 7枚のアルバムを4枚のCDに収録するという、日本人にはなかなか理解しがたい企画のシリーズなんですが、どうせならもうちょっと頑張って、8枚分を2in1にして4枚組で出せばいいのにぃ。 そう思わずにはいられませんが、で、フランク・ウエスのリーダー作だけで7枚揃えるというのは無理があったのか、サイドマンとして参加しているものも、いくつか混入していたりします。 というか、そっちのほうが数が多い? 素性がよく分からん奴らが多いんですが、そんな中、今回は 『ホイーリン・アンド・ダーリン』 というアルバムを選んでみました。 読み方、それで合っているんっすかね? Amazonのレビューで、すなフキンくん (トップ100レビュアー) が、個人的白眉は3枚目後半 “Wheelin & Dealin” なる一枚。 あの陰気臭い (失礼) コルトレーン御大が、陰気臭くなく、ねちっこく何とも渋いテナーを響かせています。 そう表している奴でありますな。 それをそのまま、間に受けたワケではないんですが、書くのが簡単そうなジャケットに大いにソソられるものがありました。 スケートに講じている人々を写したものなんでしょうが、被写体ブレ、しまくりぃ。 もっとISO感度を上げて、シャッタースピードを稼がなきゃ! そう言いたくなっちゃいますが、今のままのほうがジャケ絵を書くには遙かに楽だったりするので、余計な事はしてくれなくても大丈夫です。 で、これも厳密にはフランク・ウエスのリーダー作とは言えなくて、プレスティッジによくある、オールスター・ジャムセッションな1枚だったりするんですが、ちなみに面子は前述のジョン・コルトレーンの他、もう一人、テナーのポール・クイニシェットが入っていたりします。 レスター・ヤングにそっくりのプレイスタイルからレスター・ヤングのあだな 「プレス(大統領)」 にちなんで 「バイス・プレス(副大統領)」 と呼ばれた。 そういうキャラでありますな。 ウエスくんはフルート以外にテナーも吹いているようで、テナー3本のセクステットという、かなりレアな編成のものもあったりするようです。 コルトレーン以外、 “スター” と呼ぶにはちょっぴりアレな気がしないでもないんですが、で、リズム・セクションはマル・ウィルドロンダグ・ワトキンスアート・テイラーという顔ぶれ。 実に堅実にプレスティッジだったりするんですが、とまあそんなことで、では1曲目から聞いてみることにしましょう。

 まずはエリントン作の懐古厨ナンバー、 「シングス・エイント・ホワット・ゼイ・ユーズド・トゥ・ビー」 。  日本ではもっぱら 「昔はよかったね」 と訳されております。 いきなり、個人的にあまり好きではない曲が出て来て、前途は多難、名探偵はコナン。 で、実際に聞いてみたら、無難。 そんな出来だったりしたんですが、フルート主導、テナー従属なテーマ部から、そのままウエスとソロへと流れていく。 そういうアレだったりするんですが、終盤から地味にテナー軍団が絡んで来たりもしますな。 で、続くテナー・ソロはクイニシェットっすかね? 個人的に、あまり好みではないタイプの演奏をされるお方のようでありますが、で、続いて出てくるトレーン君のソロは、石が流れるような流麗なフレージングで、流石といった感じ。 ぶっちゃけ、プレスティッジ時代のコルトレーンは好みが分かれるところなんですが、間下このみが好みな僕には、ぜんぜん大丈夫でした。 今は こんな感じ なんっすか。 あまり好みではなくなってしまっていて、ちょっと残念なんですが、で、その後、もうひとり謎のテナーマンのソロが出て来たりします。 んーと、これは、ウエス君が楽器を持ち替えて再登場したと判断していいんっすかね? あるいはこちらがクイニシェットだったりするのか? で、その後、明らかにコルトレーンな人が再登場したりするので、結果的にはよく分からなかったりするんですが、で、続いてマル・ウォルドロンのピアノ・ソロが登場。 今ひとつ、お手軽にはスイングしない、独特のノリがなかなかイケてたりするんですが、で、続いて、ぜんぜんイケてないベースのアルコ・ソロが登場。 え? ベースって、ポール・チェンバースだったっけ? そう思って見直してみたら違っていたんですが、ダグ・ワトキンスも弓で弾いちゃったりするんですな。 嘆かわしい限りです。 調べてみたら 弓弾き大正琴 なんてのもあったりするようですが、何でもいいけど大正琴って、一瞬、 「大正義」 と見間違えたりしませんか? “弓弾き大正義” って、そんな変な趣向の奴もいるのかと思ってしまったんですが、とか言ってるうちに、テーマに戻って、おしまい。 ま、無難でありましたな。

 で、次。  「ホイーリン」 。 オリジナルのアルバムには “TAKE 2” “TAKE 1” の順で、同じ曲が続けて入ってるっぽいんですが、ここでは前者だけが収録されております。 賢明な措置であるな。 そう、高く評価したいところなんですが、その場のノリで適当に作ったような、ジャム・セッション特有のナンバーでありますな。 タイトルは車のホイールなんかと同じく、くるくる回る。 そんなイメージなのではないかと思われ、そこでスケートのスピンをジャケットに持って来たのではないかと思われますが、3テナーの絡みでシンプルなテーマが合奏された後、コルトレーン、テナーの人 (その1) 、同 (その2) の順で、各自の溌溂としたソロが披露されるという、そういうアレだったりしております。 で、その後は3者によるノリノリなチョイスが繰り広げられております。 トレーン以外は格下なのかというと、全然そんなことはなく、対等な立場でタイトなブロウを久保帯人。 そういうアレだったりして、大いに盛り上がっております。 で、続くマル君のピアノは、いわゆる “モールス信号” バリバリ全開だったりして、これまた、なかなか。 で、最後に短いタイコのソロを挟んで、テーマに戻って、おしまい。 いかにもジャム・セッションらしい荒削りさに満ち溢れていて、いやあ、よかったっす。

 続く 「ロビンズ・ネスト」 は一転して、ムーディ勝山なムードの仕上がりだったりするんですが、どこかで聞いたことがあるメロディでありますな。 調べてみたらどうやら、 「Just When We're Falling in Love」 というのと同じっぽいんですが、スイングっぽいスインギーなナンバーで、どことなくコスイギン。 そういうアレだったりするんですが、昔、ソ連にいましたよね、コスイギン。 狡猾な政治家で、コスイギンは、こすい。 よく、そのように言われていたような気がするんですが、全国で通用するんっすかね、 こすい 。 あ、純然たる方言というワケではないんですな。 こすいイメージの一方、水銀の小さいやつバージョンという雰囲気もあったりしたコスイギンなんですが、ここではフルートとテナーの絡みが効果的だったりして、ほのぼのとした佳作に仕上がっておりますな。 ソロ・パートはウエス、クイニシェット、コルトレーンの順っすか? …と、ジュン・スカイ・ウォーカーズの人に聞かれても、僕もよく分かりません。 さすがにトレーンだけは判別出来るんですが、それ以外にテナーの人が2人いるようにも聞こえるし、ウエスもテナーを吹いている説で、正解? で、マル君の地味渋いソロがあって、最後はダグ・ワトキンスがピチカート・ソロで締めるんですが、いいっすよね、ピチカート。 ぴちぴちスカートと同じくらいソソられるものがあるんですが、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 ちょっと長過ぎて途中でダレる嫌いはあったんですが、ま、よかったんじゃね? そのように評価していいのではなかろうかと。

 ということで、ラストっす。  「ダーリン」 。 これも元アルバムでは2回続けて出てくる仕様のようですが、ここでは “TAKE 2” だけが採用されております。 「ホイーリン」 と同じく、ノリノリのジャムジャムしたのを期待していたら、スローなテンポのアーシー系だったので、ちょっとアレだったりしたんですが、テーマの合奏の後に出てくる、ほの暗いムードのマルのピアノが絶品だったりして、で、以下、フルートの人、テナーの人達の順でソロが披露されて、最後にもう一度マルのピアノが出て、テーマに戻って、おしまい。 ということで、今日は以上っす。

【総合評価】 1曲目がちょっと微妙だったんですが、2曲目で盛り返して、3曲目もその流れを引き継いで、で、最後は、うーん、まあまあ? ということで、トータルで見ると、まあまあ? そんな1枚でありました。 あ、コルトレーンとマルくんは頑張っていたので、この2人が目当てなら、十分に楽しめるのではなかろうかと。 7枚組トータルでは、他のはまだぜんぜん聞いてないので何とも言えないんですが、 これ が、なかなかの隠れ名盤だったりするので、1,538円なら十分にモトは取れるモト冬木。 そんな気がしたりして、オススメ☆


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