PLAYS CHARLES MINGUS (TIMELESS)

DANNIE RICHMOND (1980/8)

PLAYS CHARLES MINGUS


【パーソネル】

JACK WALRATH (tp) RICKY FORD (ts)
BOB NELOMS (p) CAMERON BROWN (b) DANNIE RICHMOND (ds)
【収録曲】

(01-03) FABLES OF FOBOUS / GOOD BYE PORK PYE / NOSTALGIA IN TIMES SQUARE
(04-06) NODDIN' YOUR HEAD BLUES / DUKE ELLINGTON SOUND OF LOVE / WEE
【解説】 ( 2016年05月08日更新 / 連載 1,209回 )

 ( 前回 までの粗筋 ) 赤湯温泉に泊まって、烏帽子山公園で桜を堪能した。 …ということで、2 日目っす。 行程表は こちら なんっすが、で、この日の宿泊先は ここ 。 めっちゃ良さげっすよね。 オフィシャルサイトを見て 「いいぢゃん♪」 と思って、軽い気持ちでネットで予約を入れてみたんですが、送られてきたメールに 「※キャンセルの際はお電話くださいますようお願いいたします。」 と書いてあって、引くに引けなくなって、うーん…。 宿そのものは非常に楽しみなんですが、いろいろとプランを練っているうちに、もしかして磐梯熱海って、かなり微妙なんじゃね? そんな気がして来ました。 当初は、初日に郡山の周辺で桜を愛でて、ここに泊まって、2日目は仙台で牛タンを食って、鎌先温泉というところに泊まる。 そういうアレだったんですが、福島や宮城の桜の開花が予想以上に早まってしまったので、 “土日月” の予定を “金土日” に前倒しして、山形を中心に回ることにしたんですよね。 その結果、山形 → 磐梯熱海 → 仙台という、かなり無駄の多い移動を余儀なくされる羽目になったんですが、熱海荘にキャンセルの電話を入れるのは何だか気が重いし、牛タン屋も予約を入れてあるので、キャンセルするには電話をしなければならないしで、うーん…。 せっかく遠くまで来たんだから、観光スポットをたくさん回りたいところなんですが、せっかくクソお高い宿に泊まるんだから、少しでも滞在時間を長くしないと何だか勿体ないし、うーん…。 2日の昼は米沢のウシ屋さんを押さえてあるので、 松が岬公園 に行くのは確定なんですが、それだけではちょっと寂しいので、何とかもう1箇所くらいはネジ込みたいところでありますなぁ。 候補として、赤湯からちょっと上のほうに戻って 上山城 、あるいは 斎藤さんちの茂吉クン のところ。 この辺りが桜の名所も兼務していて、いいかな? そんな気がしたんですが、米沢とは反対方向になっちゃうので、どうしても時間のロスとインディオスとシルヴィアが…。 で、いろいろと調べてみた結果、米沢とは反対方向にならない赤湯の次の高畠という駅の近くに まほろばの緑道 というのがあるのを発見して、ま、ここでいっかぁ…と。 あまり多くは期待出来そうにもないんですが、ま、最悪、 ここ に寄るだけでも適度に時間は潰せそうっすよね。 温泉に浸かる余裕までは無いかも知れませんが、売店には “おしどりミルクケーキ” があるみたいだしぃ。 好きなんっすよね、これ。 ネタ にもしちゃったくらい。 で、調べてみたら 日本製乳 って、高畠にある会社だったんっすな。 おお、超地元ぢゃん! 昔のサバくん、 “おしどり” の部分はオマケのようなものなので…とか、とんでもない事を書いてくれちゃってますが、この部分に梅津勇太郎クンの深い思いが込められていたんですな。 とまあそんなこんなで、行ってみましたぜ、おしどりミルクケーキ、略して “おしミルケ” の故郷へ。


< まほろばの緑道 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 駅前には立派な “おしどり” の銅像が建ち…ということもなく、さほどミルケを前面に押し出しているようにも見えなかったんですが、その代わり、 河童 がいました。 由来は こちら 。 遠野から気立てのいい河童を嫁に貰ったんっすかぁ。 べっ…別に、羨ましくなんか無いし! な…何なら、花嫁修行中とやらの長女を貰ってやってもいいかな? そんな気がしないでもないんですが、で、何でもいいけど、無駄なくらいにクソ立派な駅舎でありますな。 桜との絡みが、なかなかいい感じだったりします。 で、 “まほろばの緑道” の桜も、ちょうど見頃でありました。 観光客が訪れるというよりも、地元の若妻が幼女を連れてのんびり散歩しているようなアレだったりして、何ともいい雰囲気でありますな。 浜田広介記念館 まではちょっと距離があるので、レンタサイクルを借りるというのがいいかと思います。 僕も気立てのいい若河童やら幼河童と一緒なら、是非ともそうしたいところなんですが、ま、今回はあまり時間に余裕が無いとうのもあって、適当なところまで歩いていって、それで引き返すことにしました。 途中、簡素なベンチが設 (しつら) えてあったりして、ベンチ好きの血、略して “ベン血” が激しく騒いだりしたんですが、後はえーと、米沢南陽道路のガード下のところに黄色い花が咲いていて、鮮やかでありましたな。 遠くのほうに残雪の山々が見えるのもいいっす。 三脚をセットした本格派の撮り鉄っぽい人達も何人か見受けられたんですが、狙っているのは こういう感じ のアレなんっすかね? 僕もとりあえず、桜とは絡まない位置から撮ってみることにしたんですが、その成果はこちら。

前菜♪


 僕の中で山形新幹線と言えば、 “銀色のカッコいい奴” というイメージだったんですが、残念ながら 400系 はもう引退しちゃったんですな。 今走っている奴は、ちょっと今ひとつのような? 赤湯駅で普通列車を待っている時に、回送で とれいゆつばさ がやって来たんですが、そっちのほうは撮り損ねてしまいました。 ちなみに山形新幹線は在来線の線路を走る “なんちゃって仕様” なので、普通に踏切なんかもあったりするんですが、田舎のオッサンが運転する軽トラが新幹線の踏切待ちをしている姿は、ちょっとシュールだったりします。 とまあそんなことで、ミルケと河童の故郷は、以上っす。 で、続いては米沢に移動〜。 ヨネザワと言えば、アレっすよね。 これ 。 おお、めっちゃ懐かしい♪ めっちゃ欲しかったんっすよね、これ。 が、親に買って貰えなくて、仕方なく自分の力で万引き…する勇気もなく、結局、一度もサカナを吊り上げることのないまま、大人になってしまったんですが、その恨みを今晴らすべく、ヨネザワで米沢牛を食ってやるぅ! …ということで、 この店 を押さえておきました。 ヒトサラ から予約。 かなり有名な店のようなんですが、「吉亭はよして!」 そう、拒絶反応を示す人もあるようで、 食べログ には、けっこう辛辣な評価も。 「およしになって、吉亭〜♪」 そう、おニャン子クラブも歌っていたし、うーん…。 どうやら、ステーキの肉が薄っぺらいらしい。 豚の生姜焼きレベルやんっ! そういったところが低評価の要因のようですが、予めそれを頭に入れておけばそんなに落胆することもないだろうし、少なくとも落雁よりはマシ? そんな気がしないでもないので、吉亭は、およしにならないことにして。 で、予約を入れた11時半まで、まだ時間に余裕があるので、軽く松が岬公園を散策してみることにしました。


< 松が岬公園 (その1) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 米沢駅からはバスに乗ります。 頑張れば歩いて行けないことも無さそうな距離にも思えたんですが、バスでも意外と時間が掛かったので、頑張らなくて正解やったな…と。 で、この公園はアレです。 米沢城の跡と上杉神社を合併させたようなもの。 そういった理解でいいのではないかと思うんですが、ま、言うなれば、桑名の 九華公園 を、ちょっと立派にしたバージョンみたいな。 あそこも桑名城の跡と鎮国守国神社の複合体みたいなものですからね。 個人的には城の部も、神社の部も、さほど興味は無かったりして、もっぱら桜が目当てだったんですが、そちらのほうは期待に違わぬ出来でありましたなぁ。 堀と桜の取り合わせがいいっすよね。 ちょっと離れたところに上杉神社アネックスみたいな、ちょっとした神社みたいなのがあったりしたんですが、 (写真・ちょうど真ん中)(下から2番目) は、そこで撮ったものではなかったかと。  “米沢市金融団” が寄贈してくれた提灯が、何だかサラ金業者の社会還元的な雰囲気を醸し出していて、よかったっす。 いや、もっと堅気の金融団だったりするのかも知れませんけど。 で、適度に散策したところで、適当な時間になったので、ウシ屋さんに移動〜。

立派な入口付近♪ 落ち着いた店内♪


 めっちゃ立派な門構えで、気後れする事、この上無い雰囲気の店でありましたが、予約さえしてあれば恐いもの無し。 席からは庭が見えて、なかなかいい感じです。 大正年間に建てられた文化財の館・江戸末期からの庭園・栗の老木など、当亭自慢の米沢牛・山懐料理とあわせ、 ごゆるりとお楽しみ下さいませ。 オフィシャルサイトにそう書かれておりますが、食べログで食べ物を貶している輩も、建物だけは褒めてましたよね。 で、おしながきは こちら 。 昼の膳 なら、わりとお値打ちだったりするんですが、 「牛づくし」 は小鉢、冷しゃぶサラダ、和風ステーキ、牛焼売、 みそ椀、香物、ご飯っすか。 必要十分にウシが尽くされているな。 そう評価していいかと思うんですが、名物らしい “牛焼売” は出てくるのが遅いらしいし、1,000円安い 「和風ステーキ」 か 「みそ焼きステーキ」 か 「牛網焼重」 で、十分なような気も。 が、小鉢、みそ椀、香物、ご飯が付いて 2,800円だと、米沢牛ではなくて、永沢君だったりするのかも? そんなの、玉ねぎステーキじゃん! ここは思い切ってクソ高いものを食ったほうが、将来、後悔しないような気がしますなぁ。 ということで、 網焼き和風ステーキ 、いったれ〜! 霜降りサーロインか牛ヒレか、どちらかを選ぶことが出来て、サーロインは 150g か 200g か 250g 、ヒレは 120g か 150g か 200g 、それぞれ3階級から選べるようになっております。 お食事のセットのほうも紅花・松・竹・梅と4種類あって、いろいろチョイス出来るというのがいいっすな。 で、どうしようかとちょっと悩んだんですが、前の日に山形牛のヒレステーキを食ったので、今日はサーロインで、重さのほうは 150g で十分っすな。  小鉢二品とか、前菜なんかは別にそんなに食いたくはないし、が、食後のコーヒーくらいはあったほうが嬉しいので 「竹セット」 にして、6,000 + 1,200 = 7,200円っ! また無駄にクソ贅沢しちまったぜぇ。。。 ということで、まずは付出し。


付出し♪


郷土料理系の冷たい何かだったのではないかと記憶しております。 付出しなので、ま、付け足しみたいなものだと思って頂ければ。 で、続いては

霜降りサーロインステーキ+ご飯・味噌汁のセット♪ フィーチャーリング・霜降りサーロインステーキ♪


 メイン登場っ! 余計なものを省いた “竹セット” なので、勝負は早いっす。 焼き加減はミディアムでお願いしたんですが、ざっくりした網のバッテンが、なかなかいい感じ。 噂通り、ステーキにしてはちょっと薄めの肉ではあるんですが、 「こんな分厚い豚の生姜焼きはあらへんやろ!」 と言いたくなるくらいには分厚いし、最初から分かっていたので、まったく問題なし。 で、お味のほうは、美味ちい♪ めっちゃ美味ちい♪ 肉が固いとか、筋張ってるとか言ってる人がいましたが、まったくそんなことはなくて、適度に脂ものっていて、美味ちい♪ 前の日に食った山形牛のヒレステーキは焼き野菜やコーヒーやデザートなんかが付いて 6,000円。 ただし、肉は 80gでちょっと物足りなかったので、それに比べると 150gもある今日のほうがお値打ちのように思えてしまいますな。 接客がなっとらん! そんな声も多く聞かれたんですが、僕が行った時はぜんぜん問題無かったし、吉亭、およしにならなくて、正解っ! ということで、再び公園のほうに戻って、しばし散策。


< 松が岬公園 (その2) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 (写真・いちばん上) はアレです。 城跡に隣接する 上杉伯爵邸 の庭に咲いていた何らかの花。 何やら由緒がありそうな建物+庭という構成なんですが、食い物屋も内蔵されております。 お献立は こんな感じ 。 うるいの冷汁。 あ、コレだったかも知れませんな、吉亭の付出し。 お殿様、あまり大したものを食わせて貰ってねーな。 そう思わずにはいられない 「献膳料理」 なんですが、健全ではあるな。 ま、そんな気は確かにするんですけど。 「雪の膳」 に米沢牛ステーキを付けて 「花の膳」 にして貰わないと、サバ殿としては物足りないんですが、付けて貰ったとしても、たったの 45gっすかぁ。 米沢牛膳もあるんですが、サーロインステーキ膳 (100g) で 6,000円。 小鉢2品、御飯、味噌汁、漬け物が付くので、吉亭で言うと 「竹セット」 以上、 「松セット」 未満で+1,850円相当という感じっすかね? となると、肉単品は 100gで 4,150円。 150gで 6,000円と比較して、ま、いい勝負かと。 で、後は城跡の堀の向こうのほうまで歩いてみたんですが、赤い橋と桜の絡みがよかったな♪ …と。 じっくりと散策するには時間が無さ過ぎて、上杉神社のほうには行けなかったんですが、肉と桜が目当てだったので、まったく問題は無し。 ということで、この周辺の散策の軌跡はこちら。

  【松が岬公園の散策軌跡】 (←Click Here!!)

 距離にして2.8km、メシを除外した移動時間は45分程度。 こうしてみると本当に公園の端っこのほうにしか行ってませんな。 これだけ歩いて標高差がまったく無いというのも何だかちょっと新鮮なんですが、道の上にボーリングの玉を放置しても、まったく転がらなかったりするとか? で、九里学園高等学校のほうに行っちゃってるのはアレです。 九里学園の女子生徒と仲良くなって、クリクリ♪ そういった展開に期待して、潜入を図った…とか、そういう事ではなくて、ただ単に吉亭に行く方向を見誤りました。 めっちゃ方向音痴っすからね、サバ君。 ハンディGPSを持っていても、どっちが南なのかがよく分からなくて、ちょっと道に迷いました。 指南車を一緒に釣れていかないと駄目っすなぁ。 ちなみに九里学園は 「クリ」 でも 「キュウリ」 でもなく、 「くのり」 と読むようですな。 これ 。 1899 (明治32) 年、九里とみ先生、裁縫を習いに来る生徒を教え始める。そこから始まったみたいっすな。 ここ 参照。 昔は米沢女子高等学校という名前だったんですな。 平成11年から共学になって、今の名前に変わったようですが、米沢女子高のままでよかったのにぃ。。。 何だかやたら陸上がお盛んな学校のようですが、 それ以外の活躍で言うと、植木真理さん、東北初の北リジョン賞の受賞、おめでとぉ♪  んーと、 これ ? 珍田結女梨(7才)とか、凄ぇぇぇ! 名前が凄ぇぇぇ! で、真理タンの名前は見当たらないようなんですが、あ、 こっち っすか。 さすがは植木生徒会長っすな。 めっちゃ責任感がありそうなギャルで、植木等とはえらい違い。 で、 部活 で言うと、うん、体操部がいいっすな。 ソフトボール部は、めっちゃ力強そう。。。 後はダンス部、茶道部、生活科学部。 この辺りにちょっと入部してみたいかな…と。 先生の中では 鈴木精センセイ が、ウザいな…と。 エエんか、こんなレゲエのおっさん? とまあ、何の縁もない高校のネタにのめりこんでしまいましたが、バス、新幹線、磐越西線と乗り継いで、本日の宿泊地の磐梯熱海に移動して、でもって、この続きはまた、次回♪

 ということで、今日はダニー・リッチモンドなんですが、いいっすよね、リッチモンド。 ダイヤモンド、中村主水と並ぶ “世界3大・もんど” の1人なんっすが、中ではダイヤモンドが一番リッチで、リッチモンドがその次くらい。 中村主水も仕事人の仕事でめっちゃ稼いでいそうなので、あるいはリッチモンドが負けているかも知れませんが、で、この人はアレっすよね。 チャールス・ミンガス一味の不動のドラマーとして有名なんっすが、さてここで、ちょっとお知らせ。 『ジャズCDの個人ページ』 が移転しました。 そんなメールが届きました。 新しいアドレスは こちら 。 @nifty の “@homepage” が終わるので、後継のサービスに移転という事らしいんっすが、そう言えばうちにもそんな通知が届いていたような? 面倒なので放置していたんですが、 2016年 9月 29日 (木) 15時の時点で、使えなくなっちゃうんだそうで。 アカンやん! 仕方がないのでうちも移転の作業を進めることにしたんですが、新しいサービスはディスク容量10GBのプランで、12ヶ月の料金が 15,000円 (税抜) 。 馬鹿になりませんなぁ。。。 使える容量が多いに越したことはないので、思い切ってポンと契約しちゃったんですが、移行してディスクの使用量を見て、愕然。 58MBしか使ってないやん! そういえば @homepage に置いてあるのって、今すぐ消えちゃったとしてもさほど悔しくはない、というか、今すぐにでも消し去りたい、黒歴史のようなカス・コンテンツがほとんどだというのを思い出したんですが、1GBのライトプランで十分だったような…。 それなら12ヶ月 1,143円 (税抜) で済んだのにぃ。。。 幸い、1ヶ月のお試し期間ということだったので、即座に解約して安いプランに変更することが出来たんですが、最初に申請した “saba” というアドレスが使えなくなっちゃいました。 ということで、新しいURLは http://sabapyon.music.coocan.jp/ 。 いかにも音楽系のサイトっぽくて、いいっすなぁ。 ただ、リンクを貼り直すのがクソ面倒だし、アルファベットの大文字が使えなくなっちゃってるみたいだしで、けっこう大変。 連休中のめっちゃ暇だった時に、やっておけばよかったっすなぁ。。。 ほぼ精魂が尽きたので、今日の後半は適当に片付けたいと思うんですが、とまあそんなことで、 『プレイズ・チャールス・ミンガス』 。 ミンガス君は1979年にお亡くなりになってしまったんですが、本作は “ザ・ラスト・ミンガス・バンド” の面子を集めて、ミンガスゆかりのナンバーばかりを演奏しているという、そういう追悼のアレでありますな。 とりあえず、ジャケ絵を書くのは楽そう。 そんな理由で選んでみたんですが、とまあそんなことで、では演奏を聞いてみることに致しましょう。

 1曲目、 「ファーブルズ・オブ・フォーバス」 。 世間一般では 「フォーバス知事の寓話」 という名前で知られている例のアレでありますな。 リトルロック高校事件が、うんたらこーたら。 個人的には音楽の世界に人種差別やら政治やらの話を持ち込まれると、うんざりしてしまうんですが、 『ミン・プレ・ミン』 のバージョンは、そういうのを抜きにして、純粋に音楽として音を楽しめる仕上がりになっていたんっすけど。 ま、あっちのほうはエリック・ドルフィーとか、テッド・カーソンとか、役者が揃ってましたからね。 あの時はミンガスと一緒になって、フォーバス知事やアイゼンハワー大統領を罵倒していたリッチモンド君でありますが、今回のこれは参加者が小粒。 御大のミンガスはお亡くなりになってしまったので、ベースはキャメロン・ブラウンが担当。 悪くはないと思うんですが、何か茶色なんっすよね、ブラウン君。 で、トランペットがジャック・ウォラス、テナーがリッキー・フォード、ピアノがボブ・ネロムズ。 全員、知らん。。。 リッキー・フォードだけは何となく聞いたことがあるような気もするんですが、ありがちな名前だから既視感があるだけかも知れないし、とまあそんなことで、あまり多くは期待しないで聞いてみたところ、出来のほうは、んー、まあまあ? 罵倒パートがないので政治的な主張は薄く、普通に、ちょっと変な曲。 そんな感覚で聞くことが出来るのではなかろうかと。 2管がわりと激しく絡むテーマ部に続いては、テナーのソロ。 何となくジョージ・アダムスと似てるっぽい? そんな気がしないでもなくて、途中、ラッパとの絡みがあって、けっこう盛り上がって、で、それが結構な長さだったりして、でもって、続いてはピアノのソロでありますか。 地味にスイングしているな。 そういった出だしなんですが、途中からは管楽器との絡みがあってそれなりに盛り上がって、わりとフリーダムなフレーズまで飛び出したりして、ちょっぴりドン・プーレンっぽい? そんな気がしないでもなくて、で、その後、トランペットやベースのソロもフィーチャーされて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 悪くはなかったな。 そのように評価していいのではなかろうかと。

 で、次。  「グッドバイ・ポーク・パイ」 。  “バイ” と “パイ” とで韻を踏んでいて、なかなか秀逸なタイトルなんですが、ポークパイというのはアレっすかね? チョコパイのチョコの代わりに、豚肉で表面をコーティングしたお菓子? 肉巻きおにぎりの中のおにぎりを、クリームを挟んだスポンジケーキに変えたもの。 そう言ってもいいかも知れませんが、何かスゲぇ、不味そう。。。 そんな代物とグッドバイしたくなる気持ちはよく分かるんですが、ちなみに僕はロッテのチョコパイよりも断然、森永のエンゼルパイ派だったりします。 中のマシュマロが、ありえねぇ。。。 そう、酷評する人もいるようですが、あのマシュマロあってこその、天使じゃん! そう、強く主張したいところです。 ある日、近所のスーパーで袋に入ったマシュマロを見つけて、喜んで買って食ってみたところ、スゲぇ微妙だったんですが、で、この曲はアレっすな。 「グッドパイ・ポーク・パイ・ハット」 というのが正式な名称で、 「さよならレスター」 という邦題で呼ばれることもあります。 ポーク・パイ・ハットというのは豚パイみたいな形をした、レスター・ヤングが愛用していた帽子のことなんだそうで。 偲ぶ系なので、しみじみとしたバラードに仕上がっておりまして、2管のハモリで沈鬱なテーマが演奏された後、しみじみとした味のあるテナー・ソロがフィーチャーされております。 レスター・ヤングへの深いペヤング・ソース焼きそば。 そういったものを感じさせて、秀逸。 続くピアノのソロも哀悼感たっぷり。 でもって、テーマに戻って、おしまい。 これで豚パイも安らかに成仏出来ることでありましょう。

 で、次。  「ノスタルジア・イン・タイムズ・スクエア」 。 ミンガスがジョン・カサヴェテス監督の映画 『アメリカの影』 のために書き下ろしたダンディズム溢れる都会的な作品で、うんぬん。 そう日本語ライナーで工藤由美タンが書いておりますが、ギャル系のジャズ・ライターというのはちょっと珍しいっすな。 この オバ…、いや、おねえさん? 2006年2月1日以降、更新が滞っているようでありますが、で、曲のほうはというと、都会的ダンディズムというより、普通にイナカ臭いブルースであるような? ま、イカ臭いブリーフよりはマシだと思って、受け入れるしかありませんが、2管のユニゾンによるテーマに続いて、溌溂としたトランペットのソロがフィーチャーされております。 いい感じで、イカしておりますな。 で、以下、ピアノ、テナーの順で各自のソロが披露されて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 ということで、次。 「ノッディン・ユア・ブルース」 。 ネロモスのクールなイントロに続くのは、タイトル通り、思わず頭で拍子をとってしまうご機嫌なシャッフル・ビートのブルース。 そう、由美りんが書いている通りのアレなんですが、ネロモスの…って、どういう意味なのかと思ったら、ピアノを弾いている人の名前なんっすな。 覚えにくいので、すっかり忘れておりました。 が、確かにクールなイントロだったりして、実にいい雰囲気の立ち上がり。 で、タイトル通り…とか言われても、 NODDIN' の意味がよく分からなかったりするんですが、nodding とは、 nod の現在分詞。 (承諾・命令などの意を示して) (…に) うなずく。 成るほど、だから思わず頭で拍子をとってしまうんですな。 英語にもめっちゃ堪能やん、由美たん。 曲そのものはダサい感じで、都会派アーバンな僕の趣向にはちょっとそぐわないものがあるんですが、ご機嫌なのは同感。 2管のユニゾンでテーマが演奏された後、ご機嫌なトランペットのソロが登場。 ジャック・ウォラスでしたっけ? この名前、覚えておきますぜ。 ま、すぐに忘れちゃうとは思うんですが、で、以下、ピアノ、テナー・ベースの順で、各自のご機嫌なソロが披露されて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 …と思わせておいて、もう一度テーマが出てくるという、わりとよくあるギミックが施されているんですが、ま、いいんじゃないっすか。 やってる当人がそれで幸せならば。

 で、次。  「デューク・エリントンズ・サウンド・オブ・ラブ」 。 タイトル通り、エリントン・サウンドへの熱いラブが感じられる作風でありまして、ま、バラード調なので、静かな愛ではあるんですけどね。 由美タンはノーブルという表現を使っておりますが、個人的にはノーブラのほうが嬉しいかな? そんな気もちょっとだけします。 いや、由美たんがどうのこうのという話ではなくて。 ということで、ラストっす。 最後はミンガスのオリジナルではなく、愛演曲ということで、 「ウィー」 。 これをミンガスが演っているイメージはまったくなかったりするんですが、73年のアルバム 『ミンガス・ムーヴィス』 に収録されているんだそうで。 僕の知ってる 「ウィー」 とは、ぜんぜん違う曲であるように思えて、ちょっと「うぃ…えっ?」 という感じだったんですが、優美なイントロとアウトロと、切れのあるホーン・アンサンブルがリードするスリリングな展開部とのコントラストがクールだという、そういうアレでありますな。 イントロとアウトロで韻を踏むとは、由美タンもなかなかのネギトロ好きでありますなぁ。 もっとも、アウトロというのが何のことなのか、今ひとつよく分からなかったりするんですが、誰かの人名かと思ったら、そんなトロは参加していないみたいだし。 で、演奏のほうはというと、咆哮するリッキー・フォードのテナーが、ジョージ・アダムスっぽくて、続く、何とかという名前の人のトランペットも歯切れがよくて、続くネロムズ君のピアノもけっこう斬新で刷新だったりして、とまあそんなこんなで、テーマに戻って、今日のところは、以上っす。

【総合評価】 1〜2曲目は個人的にあまりにも馴染みがあり過ぎて、新鮮味がない感じがして、で、3〜4曲目は都会派アーバンな趣向の僕には今ひとつマッチしなくて、うーん…。 ぱっと聞き、そのように感じてしまったんですが、あ、でも、5〜6曲目はなかなかいい感じだし、改めて最初から聞き直してみると、どの曲もなかなかにアレだったりするよな。 そう気付かされたりはするんですが、若いギャルや若井はやとにはウケが悪そうだし、ま、ジョージ・アダムスとかが好きな人なら、大丈夫なんじゃね? そういうアレだったりして、万人にオススメはしませんが、3人くらいには薦めてもいいかな? そんな気がしないでもない、そんな1枚でありました。


INDEX
BACK NEXT