THE GRASS ROOTS (ATLANTIC)

GRASSELLA OLIPHANT (1965/1/19,20)

THE GRASS ROOTS


【パーソネル】

HAROLD OUSLEY (ts) BOBBY HUTCHERSON (vib)
RAY MCKINLEY (b) GRASSELLA OLIPHANT (ds)
【収録曲】

(01-03) ONE FOR THE MASSES / THE DESCENDANT / STAR DUST
(04-06) UPTOWN HOURS / MRS.O / HAITIAN LADY
(07-08) SHINY STOCKINGS / GRANDFATHER'S WALTZ
(09-10) STEP LIGHTLY / MOOD INDIGO
【解説】 ( 2016年06月12日更新 / 連載 1,213回 )

 6月に入って嫌なこと、面倒なことが相次ぎました。 まずは6月2日。 健康診断。 嫌っすな、こりゃ。 何が嫌って、針を刺されたり、血を抜かれたり、バリウムを飲まされたり、台の上でゴロゴロとローリングさせられたり、逆さ吊りにされたり、うーん…。 考えただけで胃が痛くなってきたりして、とっても健康によくありません。 で、今年の場合、採血に関しては担当の先生がめっちゃ愛想のいいネーチャンだったので、わりと大丈夫だったんっすが、バリウムが最悪でした。 いつにも増してマズかったとか、そういうこともなく、例年通りの安定のマズさではあったんですが、担当してくれたのが、めっちゃ新人の兄ちゃん。 機器を遠隔操作する手つきもたどたどしく、UFOキャッチャーをやらせたら、めっちゃ駄目駄目そうな雰囲気が半端ありません。 僕でも 2,700円くらい注ぎ込めば、ココアシガレットを1個くらいは獲得出来るような気がするんですが、この兄ちゃんは恐らく、それ以下。 ベテランのおっさんにフォローされながら、彼なりに頑張っているのはよく分かるんですが、いい練習台にされてしまいました。 で、オッサンもオッサンでありましたな。 苦難に耐えて、ようやくお役御免となって、オッサンの指示に従って紙コップで口をすすいで、使用済みの紙コップを何気なくゴミ箱に捨てたところ、 「あ、捨てたぁ!」 と、ちょっと強めの口調でなじられてしまいました。 え、何? アカンかったん? どうやら、口をすすいだ紙コップを流用して、それで水を一杯飲め。 そういう流れに持っていきたかったようなんですが、紙コップの1つや2つ、ケチケチすんな! そう思わずにはいられません。 バリウムを一刻も早く体内から排出すべく、今日はなるべくたくさん水を飲め。 そういうお達しなんですが、どうせなら検尿容器に入れたレモネードを1杯プレゼント♪ それくらいのサービスはして欲しいところっすよね。 生温いペットボトルの水だけ、それも中古の紙コップとか、ケチ過ぎぃ。。。 あ、いや、オッサンがくれたのは水1杯と下剤2錠だけなんっすが、それ以前に、受付のお姉さんから紙パックのお茶を貰っていましたな。 とにかく水分をたくさん摂取して、バリウムをバリバリ排出しなければならんのですが、いつもなら昼過ぎには便意を催すのに、今年は何故だか全然さっぱりだったりして、うーん…。 まだ慌てるような時間ではないと思うんですが、翌日までに出なかった場合は、速やかに病院に連絡を。 そんな注意書きを貰っているので、ちょっと心配になっちゃいます。 もし出なかったら、どうなっちゃうんすかね? バリウムがセメントみたいに固まって出口を塞いでしまって、糞詰まりで憤死。 そんなことになったら大変っすよね。 直ちに病院に駆けつけて、カンチョー。 もしくは最悪の場合、緊急手術ということもあり得る? アリエールとか、飲んだほうがいいっすかね? 洗剤でヌルヌルして、排出が楽になるような気がしないでもないんですが、どうしたものでしょうなぁ…。

 で、そのまま帰宅時間を迎えてしまいました。 出なかった場合はもう一錠と注意書きにあるので、下剤を追加で摂取して、ついでにコンビニで 「キシリトールのど飴」 を買って、バリバリと大量摂取することにしました。 一度に多量に食べると、体質によりお腹がゆるくなることがあります。 そんなことが書かれているんですが、お腹がゆるくなるっていうレベルじゃねぇ! そんな感じで、急性の下痢症状になっちゃうんですよね、僕の場合。 下剤なんかより遙かに即効性があったりするんですが、今年もキシリちゃんのお陰で無事にバリウムを排出することが出来て、何よりでありましたなぁ。 …と、毎年この時期になると、同じようなことばかり書いているような気がするんですが、で、そのままバリウムが排出されなかった場合はどうなっちゃうのか? その話を書いたのかどうか、記憶が定かではなかったりするので、とりあえず書いておこうかな…と。 クソのことは、マーソに聞け! ということで、 ここ 参照。 固まったバリウムが腸に穴をあけてしまい、重篤な事態になります。 え、マジかよ? 腸に穴があくとか、チョー嫌っすなぁ。。。 食事をして水分をたくさん摂っていれば、通常4時間後位に白いバリウム便が排泄されます。 今回、10時半くらいにバリウムを飲んで、夜の8時半くらいまでは出なかったりするので、滞在時間は約10時間。 これは通常ではない、異常な事態であると言ってもよくて、いやあ、ヤバかったっす。 もっと早く、キシリトールのど飴をバリバリ噛み砕いておくべきでありましたな。 遅くても夜には最初のバリウム便が排泄されますが…。 この最終関門だけは何とか突破して、バリウムが最終肛門を突破してくれたからよかったようなものの、翌日になっても排泄されずに便秘になってしまうと痔になっちゃうんっすな。 白いバリウム便に血が混じって、ピンク便になっちゃうこと、間違いなし。 あるいは、均等には混ざらなくて、バニラとストロベリーのミックスみたいなソフトクリームになっちゃうのかも知れませんが、痔になってでも外に出ればまだいいほうで、糞が詰まる状況が回復しないと、最悪、開腹手術という可能性も…。 キシリトールのど飴の力を借りなければ危ないところでした。 ちなみに、キシリ下痢のメカニズムに関しては バナナ先生 が詳しく書いてくれているんですが、 http://www.benpi-kaiben.com/ って、随分とストレートなドメインを所得したものでありますな、バナナ先生。 ただ、中身を読んでみた結果、結局はモンドセレクション最高金賞を受賞したカイテキオリゴの宣伝かよ! …というのが判明して、ちょっぴり落胆しているところなんですが、とまあそんなこんなで、健康診断は以上っす。

 続いては6月5日の電気工事士の学科試験。 津の営業所に転勤になって、ヤングな若手達が勉学に励んでいる姿を横目で見ていたんですが、僕は電気工事施工管理技士を持っているから、関係ないね。 そう、余裕をかましていたところ、今年になって、「よく見たらサバくん(仮名)、電気工事士、持ってないやん!」 というのがバレてしまって、試験を受けろ。 そう、厳命されてしまいました。 この歳になって今さらそんなの、いいのにぃ。。。 講習会があるから、受ける? そう聞かれたんですが、日程を見たら日曜日が5日ほど潰れるという、そういうアレだったので、丁重にお断りさせて頂くことにしました。 んなもん、本業 = 『塩サバ通信』 の原稿書きに、支障が出るちゅうねん! とりあえず本だけ調達して、自力で何とかすることにしたんですが、 Amazonで適当に目についた こいつ を買ってみました。 何か、表紙のイラストが地味にムカつくんですが、よくよく見ると、ベースボールプレイヤー 川崎宗則選手、第二種電気工事士。 そう書かれていたりします。 へぇ〜。ちょっと意外っすな。 この人ってぶっちゃけ、あまり頭がいいとは思えない、脳筋のホモ。 そんな イメージがあったりするんですが、ホモリンですら合格するような試験なら、もしかしてイケるんじゃね? そんな期待感が広がったりして、意外といい人選だったりするのかも? この人の経歴を調べたら鹿児島工業高等学校の出身となっていたので、高校時代に資格を取ったのかも知れませんな。 野球だけじゃなく、ちゃんと学校の勉強もやっていたみたいで、ヤルじゃん♪

 で、本の中身のほうはというと、まさに目からウロコ。 今まで、何も分からずにボーッと電気工事の監督業務をやっていたのが悔やまれるほど、実務的なものとなっておりました。 これはやはり取ったほうがいい…というか、必ず取らなければならない資格のようでありますな。 電気関係で言うと、数年前まで毎年のように電験3種にチャレンジして、完膚なきまでに叩き潰されて、跳ね返されて、挫折して、すっかり諦めモードで今日に至っている次第でありますが、あれに比べればまだ何とかなりそうな気配が感じられなくもありません。 何せ、高校時代の川崎宗則でも何とかなったワケですからね。 ホモに負けては、サバの名が廃れます。 1週間くらい前からぼちぼちと本を読み始めて、前日の土曜日には本業である 『塩サバ通信』 の原稿書きを捨ててまで、わりと真剣に取り組むことにしたんですが、いかんせん、まったく時間が足りん。。。 もっと早くから本腰を入れるべきであったな。 そう後悔しても、もう手遅れでありまして、ここで中途半端に頑張って落ちるよりも、何もしなくて落ちたほうがダメージは少ないかも? そんな気がしないでもなくて、今ひとつヤル気がでなかったんですが、かと言って、今さら塩サバの原稿を書く気にもなれなかったりもするし、結局のところはウダウダと無為な時間を過ごして、でもって、試験当日。 幸い、試験は午後からなので、最後の悪あがきで “必須問題(厳選過去問180問掲載)” のところを重点的に丸暗記することにしたんですが、ちなみに試験会場は愛知大学の名古屋キャンパスというところ。 えーと、 ここ っすな。 再開発が進んでいる 笹島ライブ24 というエリアにあるんですが、最寄り駅は “あおなみ線” の 「ささしまライブ駅」 っすか。 元々は貨物専用線だったのを旅客線化した、今ひとつ地味な路線だったりするんですが、調べてみると、名古屋駅での近鉄からの乗り換えが、ちょっと面倒そうな予感。 それなら、近鉄の米野駅から歩いたほうがまだマシなような気がするので、そっちのルートで行くことにしたんですが、近鉄名古屋線の名古屋市内の駅って、名古屋駅を除くと、どれも微妙にカスだったりするんですよね。 カス度合いで言うと、米野駅なんてのは上から…というか、下から2番目くらいのイメージだったりするんですが、いちばんカスなのは烏森 (かすもり) 駅で間違いないとして。 黄金 (こがね) 駅とかも名前のイメージとは違って、あまり小金を貯め込んだ富裕層が住んでいそうなイメージはなかったりするんですが、米野駅は名古屋駅のすぐ手前ということもあって、いつの間にやらけっこう開発が進んでおりました。 こんな 無駄に立派な歩道橋 なんかがあったりして、あっち側に行こうとするには、ちょっと大変。 とまあそんなこんなで、何とか試験会場に到着〜。 試験は13時から15時まで、14時以降は退出が可能なようで、名古屋にCDを買いに行くついでに、軽くちょっと試験でも受けてみるぅ? そんなふうに考えれば少しは気が楽になりますな。

 ということで、試験開始〜。 4択のマークシート方式で、全部で50問。 合格ラインは60点なので、30問分かれば、イケるやん! そういう計算なんですが、最初のほうには電気の基礎的な知識を問う問題がずらーっと。 僕が買った例のホモリン本は、これの関連の章がいちばん最後になっていて、ぜんぜん学習が手についていなかったので、ヤバス。。。 僕は “電気理論” が大の苦手で、5択式の電験3種では正解率が20%にも満たないという、確率の常識を覆す驚異的な成績を収めた実績があります。 それに比べると電気工事士のほうは基本的な問題ばかりで、オームの法則とか、抵抗の直列・並列接続とかをマスターしていれば大丈夫なんですが、珠算4級で、暗算能力が小学生の低学年レベルである僕にとっては、それすらもかなりの難問だったりして、うーん。。。 今年の上半期の問題と解答が ここ にあるので、興味のある人は是非チャレンジしてみて欲しいんですが、10問目くらいまでは自信を持って、正解っ! そう、確信出来るような回答がほとんど無かったりして、うーん…。 やっぱり、勉強しなくて受かるほど、甘い物ではないっすなぁ。。。 この時点で厭戦ムードが色濃く漂い始めたんですが、ここからサバ君、猛反撃を開始。 11〜40問目くらいに掛けては、 “必須問題(厳選過去問180問掲載)” で勉強したのと同じようなのもいくつかあったし、これまでの日常の業務で身につけた “常識” で何とかなるようなのも 多数。 無資格者ながら、それなりに監督の経験は積んできているので、サバ君、まあまあイケるやん! そんな気がしないでもありません。 終盤の回路図を見て解く問題では、ちょっと息切れしてしまったんですが、トータルで言うと60点あるか無いか、何とも微妙なところでありますなぁ。。。 開始から1時間以内に全ての問題の 「イ・ロ・ハ・ニ」 のいずれかにマークすることが出来て、これ以上、無駄に頑張って考えてみたところで、得点の上乗せに繋がる可能性は皆無に等しいものと思われるので、14時になると同時に、退出。 やった! とりあえず、終わった〜♪ 帰りは名古屋駅まで歩いてみることにして、タワーレコードに寄ってCDを6枚ほど仕入れて、でもって、本日の業務は完了。 その日のうちに解答速報を載せているところがあったので、おそるおそる自己採点してみたんですが、最初の10問、真面目に計算するのが面倒で、適当に答えたところは見事なくらいに勘が外れて、正答率は40%。 せめてここで半分は何とかしておきたかったところなんですが、現実は厳しいっすなぁ。。。

 が、それなりに手応えがあった11問目から40問目くらいまでは、かなりイケてました。 正答率は何と 83.3%って、凄ぇぇぇぇ!! 最後の10問は正答率 50%で、やっぱりちょっとアレだったんですが、出だしの躓きと最後の息切れを、中盤の怒濤の責めで補って、総合点数は68点っ! やった、合格やんっ♪ いやあ、意外とチョロいもんっすな、世間なんて。 後は 7月23日(土)か24日(日)に行われる技能試験に合格すれば、僕も晴れて電気工事士として立派にやっていけることになるんですが、ということで、 技能試験の練習用材料セット を買いました。 その名も 「準備万端」 ♪ 個人的には準備の万端よりも、マルちゃんのワンタンのほうが好きだったりするんですが、ワンタンでは電気工事士として、飯を食っていけませんからね。 ワンタンならそのまま昼飯として食えるので、そっちのほうが話は早いんですが、万端のほうは練習用の器具や電線のほかに、解説用のDVDまで付いていたりして、これだけあれば独学でイケちゃいそう。 子供の頃、学研のマイキットやら、メカモやらが大好きだった僕からすれば、それの電気工事バージョンみたいな感じで、何だかちょっとワクワクしちゃいます。 工具のほうはある程度は揃っているんですが、 これ があったほうが便利そうなので、追加で注文しておきました。 試しにちょっと練習してみたんですが、 VVF-1.6-2C の皮むきがめっちゃ簡単に出来て、ちょっと感動してしまいました。 キシリトールの大量摂取で、ちょっと浣腸を回避することが出来たし、電気工事士の試験ではちょっと感動することも出来たし、嫌なこと、面倒なことだと思っていた6月の一連の出来事も、終わってしまえばいい思い出なんですが、実技試験まで、まだ1ヶ月以上あるし、ま、ぼちぼち頑張ってみようかな…と。 とか言ってウダウダしているうちに、あっと言う間に試験の日がやって来て、準備不足のまま本番を迎えることになるのは、目に見えているんっすけどね。 ディアゴスティーニが 『週刊・電気工事士になろう』 みたいなのを出して、毎週、1回分の器具と電線を送ってくれれば、継続して飽きることなく練習に励めるような気がするんですが、創刊号は “最初の練習用電線セット” が付いて 999円(税込)っ♪ …みたいな。 第2号は “裸銅線 (ボンド線) 用止めネジ”が1本付いて、 1.499円(税込)っ♪ 全55回シリーズで、堂々完結っ♪ …って、今年の試験、とっくに終わってるやんっ! とまあそんなことで、来年、頑張りまっす。

 とまあそんなことで、今週は1回だけ “その他の楽器 (ドラマー編) ” に逆戻りします。 先々週、試験とは別の講習会で名古屋に行ったんですが、その帰りにタワーレコードに寄って買ったCDを紹介しておきたいと思います。 グラッセラ・オリファント 『グラス・ルーツ』 というのがソレなんですが、グラッセラ。 何となくグラノーラ、もしくはマロン・グラッセっぽいっすな。 オリファントのほうはエレファント、もしくはオリックス・ファンを彷彿させるものがあるんですが、個人的にはけっこう好きなんっすけどね、オリックス・バッファローズ。 今年もクソ弱いんっすけど。 で、この人、お洒落な名前とは裏腹に、ジャケットの写真で見る限りは、ちょっぴり夢見がちな黒人のオッサン。 そんな感じだったりするんですが、どうやらタイコを叩くらしいということ以外、その素性は謎に包まれております。 いや、僕が知らないだけかも知れませんが、CDの帯には、50年代末から活躍、スタンリー・タレンタインやサラ・ヴォーンの共演で知られる名ドラマーの初リーダー・アルバム。ボビー・ハッチャーソンも大活躍、グルーヴ感溢れるサウンドにご注目。 そんなことが書かれておりました。 スタ・タレと一緒にやってる記憶がまったく無かったりするんですが、ボビー・ハッチャーソンも大活躍。 この一文に惹かれて、思わず買ってしまいました。 好きなんっすよね、ボビ・ハチ。 で、その他のメンバーはというと、ハロルド・アウズリーという、あまりよく知らないテナー奏者と、ベース弾きのレイ・マッキニー。 末期に成って、真っ黄になった人。 そんな印象の強いマッキニーなんですが、ピアノレスのヴァイブ入りという、ちょっと変則的なカルテット編成でありますな。 新主流派風なのか、あるいはソウルに振れているのか。 面子だけでは何とも判断が付かないんですが、とまあそんなことで、では演奏を聞いてみることにしましょうかぁ。

 1曲目、テナー奏者、ハロルド・アウズリー君のオリジナルで、 「ワン・フォー・ザ・マッシズ」 。 岡崎正通クンの書いた日本語ライナーによると、この人はフレディ・ハバードのヒット作の 「リターン・オブ・ザ・プロディガル・サン」 を書いたことでもわかるように作曲面での才能もなかなかのmのおをもっていて、うんぬん。 これはアレっすかね? 「放蕩息子の帰還」 って奴? 何か、そういうテレビ・ドラマか何かの主題歌なのかと思っていたんですが、ジャズ・オリジナルだったんっすな。 元を辿れば、新約聖書ルカの福音書15章に登場する、イエス・キリストが語った “たとえ話” なんだそうですが、曲のほうはというと、ジャズ・ロック調で、今ひとつ僕の趣向にはそぐわない作風だったような? で、この 「ワン・フォー・ザ・マッシズ」 というのも、アレよりはマシっす。 そんな気はするものの、かなりソウル色が強いっすな。 ヴァイブとテナーのコール・アンド・レスポンスでテーマが演奏されて、その後、アウズリーのテナー・ソロがフィーチャーされます。 途中、テーマの合奏パートを挟んだりして、でもって、続いてはボビ・ハチくんのソロ。 ソウルフルなテナーと、クールネスなヴァイブとの対比が興味深いっすな。 そのように評価することが出来るかも知れませんが、とまあそんなこんなで、テーマに戻って、おしまい。 リラックスしたムードが溢れていて、ま、いいんじゃないっすかぁ?

 ということで、次。 これまたアウズリー君のオリジナルで、 「ディセンダント」 。 全10曲中、半分がこの人のオリジナルということで、アウ君の貢献度が半端無かったりするんですが、descendant = 子孫っすか。 アップ・テンポのなかなか調子のいいナンバーで、いかにも繁栄しそうな子孫だったりして、なにより。 子孫が尊師麻原みたいだったりしたら、最悪ですからね。 テーマの後、テナーのソロになるんですが、何と言うか、 “節度のあるブッカー・アービン” みたいな、ある意味、吹っ切れた吹きっぷりだったりして、実力の程は確かであるようです。 続くハッチャーソンのソロもいい感じにはっちゃけているし、終盤、そこにテナーが絡んで来て、大盛り上がり。 とまあそんなこんなで、テーマに戻って、おしまい。 なかなかに熱い熱演ぶりだったりして、熱延鋼板も大満足。 ということで、次。 歌物ナンバーの 「スターダスト」 。 一転して、しみじみとしたバラードになるんっすが、テーマを丁寧に歌い上げるアウズリー君の姿勢に好感が持てますな。 ほとんどアドリブらしいアドリブが出て来なかったりするんですが、それもまた人生。 で、次。 アウ君のオリジナルで、 「アップタウン・アワーズ」 。 名前はアップタウンなんですが、スローテンポのグルーヴィな仕上がりだったりして、確かにこの人、作曲のセンスに秀でたヒデじい。 そういったキャラでありますな。 テーマに続いてフィーチャーされるテナーのソロも必要十分にブルージーだし、ボビ・ハチとの絡みもいいし、とまあそんなこんなで、次。  「ミセス・オー」 。 王貞治クンの嫁をテーマにしたものではないかと思われるんですが、野村克也の嫁とか、落合博満の嫁とかに比べると、インパクトが薄いっすよね、ミセス王。 曲のほうはというと、アップ・テンポのスインギーな仕上がりだったりして、なかなかなんっすけど。 とまあそんなこんなで、前半はおしまい。

 で、続いては後半。 アウ君のオリジナルで、 「ハイチアン・レディ」 。 ハイチを中米のどこに配置するのか。 そんな配置案な淑女をテーマにした曲なんですが、適度なラテンのフレーバーが耳に心地よく、すこぶる日本人にウケがよさそうな仕上がりになっていたりします。 演奏のほうも、とっても中米の淑女ハイチ、あ〜ん♪ ということで、次。 フランク・フォスター作、カウント・ベイシー楽団の十八番、 「シャイニー・ストッキングス」 。 僕はストキングよりも断然、ナマ足派だったりするので、パンスト・フェチの心情はまったく理解不能だったりするんですが、この曲そのものは、実にいいっずよね。 小粋な大人の女。 そんな空気が感じられるんですが、テーマの後、テナー、ヴァイブの順で各自のソロがフィーチャーされて、でもって、ちょっと捻ったテーマの合奏があって、最後は捻らないテーマで締めて、おしまい。 いやあ、粋っすなぁ。 ということで、次。  「グランドファーザーズ・ワルツ」 。 「爺さんの3拍子」 っすか。 僕は爺ィよりも断然、幼女派だったりするので、爺専の心情はまったく理解不能だったりするんですが、「爺ィのワルツ」 より断然、 「ワルツ・フォー・デビー」 っすよね。 熟女好きなら 「ワルツ・フォー・デヴィ婦人」 というのもアリかも知れませんが、で、これ、実際に聞いてみたら、爺ィにしておくのが勿体ないようなラブリィ&キューティな仕上がりになっていたりして、侮れません。 で、次。  「ステップ・ライトリー」 はジョー・ヘンダーソンのオリジナルだじょー。 グッとテンポを落として、何ともブルージーな演奏に仕上げていたりするんですが、とまあそんなこんなで、ラストっす。 エリントン・ナンバーの 「ムード・インディゴ」 。 こちらは一転、アップ・テンポでスインギーに料理していたりして、いろいろ考えてますなぁ。 とまあそんなことで、今日のところは以上っす。

【総合評価】 全般的に、ほとんどヤル気というものが感じられないレビューに終始してしまいましたが、演奏のほうは文句の付けようがないような快演でありました。 ぶっちゃけ、ボビハチ目当てで買ったようなものなんですが、ハロルド・アウズリーが作曲・演奏の両面で、大活躍。 実質、アウ君のリーダー作であると言ってもよさそうで、グラッセラ・オリファントとやらは、まったく存在感がなかったりするんですが、ま、目立つのが好きなキャラでも無さそうだし、それもまた人生。 とまあそんなことで、超オススメ☆


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