BASS CONTRA BASS (JAZZCRAFT)

LISLE ATKINSON (1978/10)

BASS CONTRA BASS


【パーソネル】

RICHARD WYANDS (p) LISLE ATKINSON (b) PAUL WEST (b)
AL HAREWOOD (ds) KAREN ATKINSON (fl) <#6>
【収録曲】

(01-03) SWEET AND LOVERY / TRANQUILITY / HIT IT
(04-05) SAMBA DE AMOR / LUSH LIFE
(06-07) KAREN / C'MON BABY
【解説】 ( 2016年06月19日更新 / 連載 1,214回 )

 今日は砂丘について考えてみたいと思います。 それも、非常に急いで考えてみたいと思うんですが、題して 『早急に砂丘について考える』 。  “早急” を 「さっきゅう」 と詠むか 「そうきゅう」 と読むかで、語呂のよさが1ランクほど変わってきちゃうんですが、そもそも、どうして砂丘について考えてみようと思ったのかというと、この夏、山陰のほうに遊びに行こうかと思ってるんですよね。 行き先として、出雲のほうを検討していたんですが、調べてみるとけっこう遠いみたいだし、出雲大社にはさほどソソられるものを感じないし、果たしてどうしたものかと。 出雲大社って、大きな社 (やしろ) があるだけっすよね? 僕は寺社仏閣の類いがわりと好きなほうではあるんですが、興味のポイントは 庭 >>> 建物 > 仏像といった感じで、ただの建物にはさほど惹かれるものがありません。 ただの建物でも寺の場合、三重塔があったり、五重塔があったり、九重部屋があったりで、それなりに楽しめるんですが、 九重部屋の朝稽古 (名古屋場所、宿舎徳源寺にて) 。 おお、確かにありますな、九重部屋。 三重県を3倍すれば九重県になるんですが、残念ながら三重県に九重部屋はありません。 でもまあ、桑名には貴乃花部屋が来るから、ま、いっかぁ。 そんな気がしないでもないんですが、一方、神社のほうの建物はというと、何か地味。 個人的にはそんな気がしてなりません。 出雲大社も古代の これ が現存しているなら、行ってみたい気もするんですけどね。 大きな社なら、わざわざ出雲くんだりまで足を延ばさなくても、近場の伊勢で十分に賄うことが出来るですが、 ここ を見ると、伊勢くんの4勝1敗1引き分けみたいだし、これなら、わざわざ行く必要もないような…? 参拝方法対決で勝ち負けとか、言ってる意味がよく分からなかったりするんですが、グルメ対決も 「伊勢うどん」 と 「出雲そば」 なら、出雲のほうが勝ってるような気も。 伊勢の赤福も、桑名の安永餅に惨敗の様相だったりするし、ま、いずれにしろ、神社で得るものと言えば、ジンジャーエールくらい? そんな気がしないでもないので、今回、出雲はパスすることにして、2泊3日の行程のうち、初日は鳥取の観光にあてようかと。

 ということで、砂丘です。 鳥取と言えば砂丘。 観光ガイドに「地球の歩き方」 というのがあるんですが、それの鳥取版は 「砂丘の歩き方」 で、いいんじゃね? そんな気がするほど、鳥取と言えば砂丘。 小松と言えば左京、片山と言えば右京。 砂丘、左京、右京、キョー♪ 砂丘でラッキョー♪ キョー♪ もうちょっと頑張れば、いい感じのラップになりそうなんですが、鳥取に行くのはいいとして、果たして砂丘に行くべきなのか、どうなのか、ちょっと悩んでいたりもします。 意外と 「がっかり名所」 だという人もいますよね。 もっと砂漠みたいなのかと思ったら、ただの砂の丘じゃん。 …みたいな。 砂丘だから 「砂の丘」 で正解なんですが、砂漠じゃないのよ砂丘は、ハッハーン♪ そう、中森明菜も歌ってましたよね。 ちなみに僕は今から30年ほど前に、一度だけ鳥取砂丘に行ったことがあるんですが、高知から高松へ、そして鳥取へ。 かなり変則的な行程でありましたな。 高知で高知城を見て、桂浜を散策して、高松に移動して、屋島でイイダコのおでんの屋台を見て、鳥取に移動して、鳥取砂丘と浦富海岸を散策。 その合間に高知大学と鳥取大学の入学試験を受けるという、そういう旅だったんですが、ま、どちらの大学も落ちちゃったんっすけど。 何でや? …って、入試そっちのけで、観光に耽っていたから。 それが正解ではないかと思うんですが、その時のレポがどこかに残されている筈です。 えーと、 これ っすな。 背景が変な青色で、見にくいことこの上ありませんが、肝心の中身のほうも、黒歴史認定して、サーバー上から消し去りたいレベルだったりしますな。 ニコニコ健全サイトには相応しくない、不適切な記載も目立つしぃ。 この頃のサバくんが昆布青年に毒されていたのがよく分かると思いますが、で、砂丘の話は ここ に出て来ます。 いつの間にやら文体が汚夢老師になっちゃってますが、誰やそれ? …という疑問は、とりあえず無視するとして。

 それはそうと、砂丘でリフトに乗ったんですな、30年くらい前の僕。 今回、鳥取砂丘に行くことになったとして、果たしてリフトに乗るべきか、乗らざるべきか。 ちょっぴり悩んだりしてたんですが、砂丘でリフトとか、何かダサい。 そんな世間体を気にする年頃になっちゃったんっすよね、僕も。 なんの屈託もなく、砂丘でリフトに乗って喜んでいた若かりし頃の僕がちょっぴり眩しかったりするんですが、で、当時の砂丘の思い出はというと、一面に雪が積もっていて、いったいどのへんが砂丘なん だか今ひとつ説得力に欠けていた…と。 そういえば、ほとんど砂丘の記憶が無かったりしたんですが、そういう事だったんっすな。 で、続いては浦富海岸。 こちらのほうは、はっきりと覚えております。 人気 (ひとけ) がなくて、めっちゃ寂しかったんっすが、景色は抜群であったな…と。 今回も、出来ればその思い出の地を再訪してみたいものであるな。 そのように思っている次第でありますが、この時は 「岩本」 というバス亭から遊歩道に入ったんですな。 調べてみたら、海からかなり離れたところにあるバス亭のようなんですが、単なる記憶違いなのか、あるいは、当時はもっと海の近くを通る路線があったのか。 今だと 「網代」 というバス亭が便利なように思えるんですが、 これ で言う、千貫松島・網代展望台コース。 いやあ、ロシア人将校水死体漂着地、楽しみっすなぁ。 正確には “露軍将校遺体漂着記念碑” というものであるようですが、で、あと、 遊覧船 にも乗ってみようかな…と。 で、お泊まり先としては、懐かしの 「ビジネスホテルいわた」 を押さえてみよう…とか、そんな気は、さらさらありません。 あんなヘンな便器や豆腐風呂のホテルは、もう嫌っす。。。 ま、あれからかなりの歳月が経過しているので、便器がリニューアルされている可能性は高いと思うんですが、それはそうと、当時は旅館やホテルの 「ネット予約」 というシステムが無くて、本当に不便でありましたなぁ。 ちなみに ビジネスホテルいわた はジュニアの手によって今でも健全に経営が継続されている模様。 鳥取市ホテル旅館組合経由で、メールやお問い合わせフォームからも予約出来るみたいなんですが、未だに現金書留で予約金を送付させるシステムだったりするんですかね? 泊まることは無いにせよ、めっちゃ懐かしいので、ちょっと外観くらいは覗いてみたいような気もしますなぁ。

 で、問題は砂丘に行くかどうかなんですが、後は昼飯をどうするか。 飯に関しては、ちょっと気になるところを見つけました。 ここ 。 しいたけ会館っ♪ 個人的に椎茸って、さほど好きではなくて、シイタケに快感を覚えたことは一度もなかったりするんですが、じゃ、どんなタケに快感を覚えるのかと言えば、それはもう断然、マツタケっ♪ そんなこともぜんぜん無くて、キノコなら無難に、ブナシメジとかのほうが好きだったりします。 椎茸もナマならけっこうイケると思うんですが、干したヤツはぜんぜん駄目っすな。 切り干し大根なんかも、何かヘンな味がして今ひとつだし、どうして干しただけで、あんなに不味くなっちゃうんすかね? 干されて、性格がひん曲がっちゃったからっすかね? 何か、見た目からして、ひねくれちゃってますもんね、切り干し大根。 干すことによって、旨みが凝縮する。 そう、乾物を擁護する人もいるかも知れませんが、過ぎたるは及ばざるが如し。 「旨み」が過ぎ過ぎて、かえって 「まずみ」 になっちゃってるとしか思えないんですが、この 「しいたけ会館」 の 日帰りプラン が、ちょっと気になったりします。 きのこBランチが 1,950円、Aランチが 2,700円、これで温泉にも入れるようで、けっこうお得かと。 AランとBランでは差額が 750円ほどあるんですが、メニューの違いはと言うと、えーと、 これ 。 「造物」 が、あるかどうか。 椎茸刺身と書かれておりますが、え、椎茸って、ナマで食えるん? 僕は前述の通り、干し椎茸よりも断然、生椎茸派だったりするんですが、かと言って生椎茸を生 (ナマ) で食いたいとは思いませんな。 めっちゃ、腹が痛くなりそう。。。 獲りたでて無菌のヤツなら大丈夫なのかも知れませんが、無菌のシイタケって、そんな矛盾した代物がこの世の中に存在するんっすかね? で、その他のメニューの中では “畑湿地白和合” というのが気になるんですが、はたけしっち・しろわごう?  “白和合” のほうは何となく、白和え的なものであるような気がするんですが、 “畑湿地” が謎過ぎる。。。 …とか思っていたら、ハタケシメジと読むんっすな。 湿地 = シメジ。 何かこう、目からウロコ。 ジメジメした湿地に生えそうですもんね、シメジ。 で、椎茸かきあげと、椎茸ステーキ。 この辺りは普通に美味そう。 sangeetaさんの 「おいしいたけ」 というクチコミによると、椎茸ステーキはベーコンで巻かれているんだそうで、これだと更に期待度がアップ。 が、この椎茸は干し椎茸を戻したものだそうで、それだと期待度ダウンで、相殺して、プラマイゼロっすな。 ランチコースの写真を見る限り、椎茸にベーコンが巻かれているようには思えないので、もしかしたらディナー限定なのかも知れませんが、それだと干されている分だけ、マイナスに振れることになってしまいます。 となると、ちょっと迷いますな。 浦富海岸、鳥取砂丘、椎茸ランチ。 時間の都合でこの3つの中から2つをチョイスすることになるんですが、砂丘と椎茸、どちらを捨てるべきっすからねぇ。。。

 砂丘に踏み切れないのは、真夏だからクソ暑そう。 そんな懸念があるからなんですが、いや、間違いなくクソ暑いでしょうな。 夏はヤバイ 。 でしょうなぁ。。。 ドバイと同じくらい、ヤバイ。 そんな気がします。 が、真夏の砂丘で砂漠気分を味わうサバくん。 それはそれで、ネタとしてイケるような気もするし、せっかく鳥取まで行くんだから、砂丘だけは押さえておきたい気もしますよね。 浦富海岸も捨てがたいし、となると、やっぱり椎茸を捨てるしかありませんかね? 3つのうち、どれか1つを翌日に回すという手もあるんですが、一人椎茸ランチは土曜日は駄目みたいなんっすよね。 ちなみに金土日という日程を予定しているので、2日目の椎茸は不可ということになります。 初日は鳥取市内、2日目は安来の宿を押さえたので、1日目に椎茸ランチと浦富海岸、2日目、真っ昼間よりはまだマシな気がする午前中に砂丘を見て、安来に移動。 それも十分に可能なんですが、松江城とかにも行ってみたい気がするので、椎茸と砂丘と松江の戦いということになりますか。 このうち、ひとつだけが脱落することになるんですが、砂丘に椎茸以上にソソられる食い物があるようなら、悩む必要は無いんですけどね。 ということで、調べてみました。 人気ナンバーワンは、おそらく これ 。 鯛喜 (たいき) の海鮮丼。 食べログで3.5点を超えているというのは、なかなかの高評価だと思いますが、 トリップアドバイザー だと、更に高得点。 鳥取市のレストランで 813軒中1位って、凄ぇぇぇぇ! 逆に813位の店がどんなところなのか、ちょっと気になってしまうんですが、調べてみたら、ただ単にクチコミが1件も無いだけの 話だったりして、ちょっとガッカリ。 313位くらいの店も、1人が1点を付けているだけだったりするので、あまり当てにはなりません。 そもそも食べ物は個人の趣向に大きく左右されますからなぁ。 個人的には、いくら1位の店だといっても、海鮮丼にはあまりソソられるものがなかったりするので、ここはパスかな…と。 ちなみに普通の海鮮丼が 1,200円、普通 + カニ + マグロ = ちょっと豪華な海鮮丼が 1,680円、ちょっと豪華 + イクラ = 豪華な海鮮丼が 1,980円。 僕はイクラがぜんぜん好きではなかったりするので、いくら豪華とは言え、イクラとか要りませんな。 そういう人が多かったりするのか、一番人気は 「ちょっと豪華な海鮮丼」 だったりするようです。

 個人的に気になったのは、もっと質素な食い物で、あごカツバーガー。  “あご” というのはトビウオのことなんだそうですが、すり身をカツ化して、パンに挟んだ食い物であるようです。 浦富海岸の遊覧船乗場、もしくは鳥取砂丘の店で食える模様。 トビウオは飛びまくって体力を使い果たしているので、身がパサパサで、不味い。 そんな噂を耳にしたことがあるんですが、よって、もっぱら、干したヤツを出汁にする要員だったりしますよね。 が、すり身にして揚げたヤツなら、それなりに美味そうだし、いいかも? 同じ海産物系のバーガーとしては もさバーガー というのもあるようですが、こちらは甘海老よりも甘いと言われている、幻の 「もさ海老」 を海老カツ化してパンに挟んだもの。 海老カツが割と好きだったりする僕としては、あごカツよりもこっちのほうに惹かれるんですが、残念ながら『道の駅・神話の里 白うさぎ』 に寄る予定はなかったりするので、無理っぽいっすな。 で、更に調べてみた結果、鳥取にはもうひとつ “ご当地バーガー” があるというのが判明したんですが、その名も鳥取砂丘名物・砂丘らっきょうバーガー 。 鳥取と言えば砂丘、砂丘と言えばラッキョーなんっすが、そんなものをパンに挟んで貰ったところで、ソソられる要素、皆無。 …とか思ってしまったんですが、これが意外とイケそうな感じ。 らっきょうバーガーと言っても、ラッキョーだけが挟んであるワケではなく、豚肉に大葉を挟んだミルフィーユカツにラッキョを添えて、タルタルと甘めのカレーの2種類のソースをかけて、ソフト・フランスパンに挟んだものなんだそうです。 これ 。 おお、むっちゃ美味そう。 椎茸を焼いたヤツなんかより、断然イケそう。 同じ売店には梨ソフトクリームも売っているみたいだし、これで心が傾きました。 椎茸は虐げよう。 そう、心に決めました。 とまあそんなことで、砂丘でラッキョー♪ キョー♪

 ということで、 “その他の楽器 (ベース編) ” っす。 前回はちょっと変則になっちゃいましたが、しばらくはベーシストだけで何とか食いつないでいこうかと。 ポール・チェンバースも、サム・ジョーンズも、手持ちのネタが尽きたので、地味地味なところで何とか賄わなければなりませんが、とまあそんなことで、今日はライル・アトキンソンっす。 ダグ・ワトキンスのパチモンみたいな名前なんですが、1940年生まれなんだそうで。 1978年に吹き込んだ、この 『ベース・コントラ・ベース』 というアルバムが初リーダー作という、遅咲きの桜なんっすが、ということは当時 38歳。 意外と若いんですな。 ジャケットの見た目からして、もっとオッサンだとばかり思ってました。 ピアニストのノーマン・シモンズやドラムスのアル・ヘアウッドと一緒に、ベティ・カーターのリズム・セクションを務めていたりしたようです。 ピアノで言うと、リチャード・ワイアンズともよく組んでいたようですが、本作はそのワイ・アン入りで、タイコはアル・ヘアウッド。 シンプルなピアノ・トリオ編成なのかと思ったら、もう一人、ベースのポール・ウエストも参加していたりするんですが、タイトルの 『ベース・コントラ・ベース』 というのも、そこから来ているものと思われます。  “コントラ” の後は “バス” のほうがしっくりくるんですが、CDの日本語表記は “コントラ・ベース” となっております。 おもいコントラ〜、試練の道を〜♪ 1曲だけフルートのカレン・アトキンソンという人が入ってますが、これはライル君の嫁である模様。 可憐な若妻なのかどうか、写真が無いので何とも言えないんですが、可憐よりカレー、ナローイエロー♪ ということで、では演奏を聞いてみることにしましょうかぁ。

 1曲目、歌物ナンバーの 「スイート・アンド・ラブリー」 。 斎藤、安藤ら、 「バリーゾーゴン」 を鑑賞。 見にいっちゃったんですな、 これ 。 「失神します!」 という、扇情的なポスターに釣られて。 「決して一人では見ないで下さい。」 とも書いてあるので、みんなで連れだって。 わりと素直な性格なんっすな、斎藤、安藤ら。 で、一方、曲のほうはというと、ザザンボ的な下品さとは無縁のスイートでラブリーな仕上がりだったりするんですが、それをアトキンソンの一味は、ミディアム・テンポでスインギーなナンバーに仕上げております。 で、これ、良くも悪くも、ベース弾きのリーダー作やな。 そんな空気がひしひしと感じられますな。 地味そうなオッサンなのに、裏方に徹しようとか、サポートに回ろうとか、縁の下の力持ちろうといった謙虚な姿勢は皆無で、ビシビシと前面に出て来てくれちゃってます。 テーマのメロディをピアノが弾くのではなく、ベースのピチカートでやっちゃう感じ。 ソロ先発はワイアンズで、そこは相方に華を持たせた形でありますが、で、これがなかなか、実にいい感じ。 何がいいって、趣味がいい。 そういったアレだったりするんですが、適度にファンキーで、適度に知的で、素敵♪ 続いてアトキンソンのソロが登場するんですが、ピチカートとスキャットをユニゾンさせるという、ちょっぴりジョージ・ベンソンなテクを披露してくれたりして、でもって、テーマに戻って、おしまい。 思っていた以上にベース・コントラ・ベースした仕上がりでありましたが、ま、これはこれで、アレかと。

 で、次。 アトキンソンのオリジナルで、 「トランクイリティ」 。 ワイアンズのピアノとエアウッドのブラシによるイントロが何とも言えずにスイート・アンド・ラブリーなバラード調のナンバー。 テーマのメロディはアトキンスがアルコで弾くという、そういった趣向でありますな。 そのままベースのソロへと流れていくんですが、アルコとスキャットをユニゾンさせるという、そういったテクも披露されております。 何とも不思議な空気が漂っているんですが、これはこれで、アレかと。 続くワイアンズのピアノ・ソロも、デラ絶品だったりして、で、最後はベースのピチカートで締めて、テーマに戻っておしまい。 で、次。 これまたアトキンソンのオリジナルで、 「ヒット・イット」 。 このオッサン、作曲にも秀でているようで、侮れないアドレナリン。 そういうアレだったりするんですが、ちょっぴりコール&レスポンスっぽいテーマを持ったソウルフルな仕上がりだったりしております。 演奏のほうは、例のピチカートとスキャットをユニゾンがちょっと鼻につく…というか、耳につく嫌いはあるんですが、ワイアンズのピアノが概ね吹き飛ばしてくれるので、ま、いいかな…と。 終盤はヘアウッドとの絡みで大いに盛り上がって、とまあそんなこんなで、テーマに戻って、おしまい。 で、次。  「サンバ・デ・アモール」 。 僕の持っているCDでは 「サンバ・ヂ・アモール」 という表記になっているんですが、痔は無いやろ、痔は。 そんな気がしないでもないので、 「デ」 に変えておきました。 で、タイトルからも解るように、これはアレです。 サンバっす。 超アップ・テンポのピアノとタイコに、アルコのベースが絡むという、これまたちょっと独特な世界が展開されているんですが、歌声とのユニゾンが、さすがにちょっとウザくなって来ちゃいましたな。 こういうのは必殺技みたいに、ここぞという時にだけ繰り出すのが効果的だと思うんですが、中年の粋に達してからの初リーダー作ということで、ちょっと舞い上がっちゃったんでしょうな。 生温かい目で見守ってあげたいと思うですが、テーマの後、弓弾きベース、ピアノの順でソロがフィーチャーされて、でもって、テーマに戻って、おしまい。

 ということで、次。 テーマのすべてからアドリブまで、アルコに専念した 「ラッシュ・ライフ」 は、ベーシストとしての新しい立ち位置を模索した成果と聴くこともできる。 そう、杉田宏樹クンが日本語ライナーに書いていたので、ちょっと嫌な予感がしていたんですが、案の定というか、阿武嬢というか。 結婚しちゃったんっすよね、柔道の阿武教子。 個人的にはちょっとタイプだったりしたんですが、それはそうと、アトキンソン。 ベーシストとしての新しい立ち位置を模索とか、余計なことをしなくてもよかったのにぃ。 模索よりも与作派の僕としては、そう思わずにはいられません。 模索するのと 「もさバーガー食う」 でも、断然 「もさ食う」 のほうがイイしぃ。 ちなみに、うちらのほうでは、垢抜けない = もさい。 そんな言葉を使ったりするので、もさ海老 = ダサい海老。 そんなイメージが抜けなかったりするんですが、漢字では猛者海老と書くようですな、モサエビ。 ぜんぜん、もさくないやん! ということで、次。  「カレン」 。 例の可憐な若妻がゲスト参加したナンバーでありますな。 これでもしカレンたんが 「趣味でちょっとフルート吹いてるのぉ♪」 といった程度の実力の持ち主だったりしたら、公私混同のそしりは免れないんですが、で、実際に聞いてみた結果、特に問題はないな。 そういった結論に達しました。 ベースのアルコが相変わらずなんですが、爽やかなフルートのお陰で、幾分は中和されているようにも思われて、何より。 テーマの後、弓弾き + スキャット = ユニゾンな、お馴染みのテクが披露されて、その後、いい感じのピアノのソロがあって、テーマに戻って、おしまい。 カレンちゃんは添え物程度の扱いだったりするんですが、ま、適切な判断であるな。 そのように評価していいのではなかろうかと。 ということで、ラストっす。 アトキンソンのオリジナルで、 「カモン・ベイビー」 。 小粋なファンク。 そういった感じの仕上がりだったりします。 で、演奏のほうはというと、アルコと唸り声との絡みが、かなりウザいっす。 とまあそんなことで、CDには2曲ほど別テイクのオマケが入っていたりするんですが、きっぱり無視することにして、今日のところは以上っす。

【総合評価】 1〜2曲目のあたり、なかなかいいじゃん。 そんな感じで素直に楽しめることが出来ました。 ワイアンズのピアノは極上だし、ベースもちょっと前面に出過ぎな嫌いはあるものの、なかなかテクニシャンじゃん。 …みたいな。 3曲目以降、だんだんそれが鼻につくようになって、ウザさを感じるようになってくるんですが、でもまあ、舞い上がっちゃっているんだから、仕方がないよね…と。 そこのところを予め覚悟しておけば、それなりに最後まで乗り切れると思うので、さ、耐えましょう。


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