真っ白な掃除機を 眺めては、飽きもせず かといって、触れもせず そんな風に君のまわりで 僕の一日が過ぎてゆく♪ …って、それ、掃除機じゃなくて、陶磁器ちゃうんかい? ということで、今日は “陶磁器” について考えてみたいと思います。 題して、 『陶磁器って正直、よく分からない』 。 ちなみにこれ、井上陽水の 「白い一日」 という歌なんっすが、よく分からん詞を書くオッサンだったりしますよね、元アンドレ・カンドレ。 …と思ったらこれ、井上陽水は作曲だけで、詞を書いたのは小椋佳なんっすな。 言われてみれば確かに、元アンドレにしては、おんどれ。 そんな感じがしないでも無いような気もするんですが、それはそうと、陶磁器。 正直、僕は陶器と磁器と陶磁器の違いがあまりよく分かってなかったりします。 “TOTO” が元・東洋陶器だったりするので、陶器が便器っぽいというのは何となく分かるんですが、冬期にひんやりするのが、陶器。 そんな印象もあったりします。 便座暖房(?)の温度設定が、いつの間にやら 「切」 になってるやん! …という時によく見られる現象なんですが、あ、でも、便座のほうは陶器ではなくて、プラスチックのような気もするし、あ、でも、プラスチックよりも陶器のほうが、更にひんやりするような気もするし、で、陶器というのは、投機の対象になったりもしますよね。 無論、便器とかではなく、美術品やら、工芸品やら、骨董品やらの話なんですが、で、一方、磁器のほうはというと、こちらのほうは、風邪が治る。 そんなイメージがあったりします。 それ、ジキニンじゃね? そう言われると、確かに、そんな気がしないでもないんですが、とまあそんなことで、陶器と磁器と陶磁器って、何がどう違うん? そんな初歩的な疑問から検証してみることにしましょう。
その答えは、えーと…、 こちら 。 あー。 何というか、僕が今まで頭の中で漫然と、陶器なんじゃね? そのように認識していた物って、実は磁器だったんじゃね? そんな気がしてきましたな。 一番上にある写真の右側。 こういう、日常生活で普通に使うヤツが、陶器なんじゃね? そんなふうに思っていたんっすよね。 もう少し詳しく言うと、陶器だか、磁器だか、陶磁器だか、よく分かんないんだけど、何となく磁器ではないような気がする。 というか、これ、瀬戸物だよね? そのように認識していたんですが、僕の住んでいる桑名は、わりと瀬戸に近かったりするので、こういうの = 瀬戸物。 そういうアレだったりするのか、あるいは全国的な傾向だったりするのか、詳しくは分かりませんが、小柳ルミ子の 「瀬戸の花嫁」 も、瀬戸内海ではなくで、瀬戸物のイメージだったりします。 嫁入り道具に茶碗とかを持ってきそうな、所帯じみた光景が脳裏に浮かぶんですが、写真を見た限りでは、陶器 = デコボコしている、磁器 = ツルッとしている。 そういう判断で合ってますかね? で、陶磁器というのは陶器と磁器の総称で、そういう単独の器があるという話ではないんっすな。 で、陶器と磁器は、何がどう違うのかというと、原料が違う。 その一点に収斂するようですが、陶器 = 土、磁器 = 石の粉。 陶芸教室なんかでよくやっている、土をこねて、ろくろで形を整えて。 アレは磁器ではなくて、陶器を作っているという事になるんですな。 よくよく考えたら、陶芸教室であって、磁芸教室ではないので、当然と言えば当然なんですが、で、陶器と磁器の見分け方については、前述の “器.com” の記事を参照して下さい。 陶器のほうは、吸水性多孔性なので水が浸透するそうなんですが、これはちょっと意外でしたな。 そんなんで便器を作ったら、下痢便の水分が便器に吸い込まれて、普通の軟便みたいになっちゃうじゃん!
…と、そこで登場するのが、釉薬。 釉薬が勇躍して、便の水分が便器に吸い込まれるのを阻止するという、そういう構造なんですが、いわゆる 「うわぐすり」 っすよね。 コイツをうわぐすらずに焼くと、素焼きになるんでしたっけ? 古典的な素焼きの焼き物と言えば、埴輪が有名だったりするんですが、素朴な風合いが魅力だったりしますよね。 で、一方、不気味な存在感を醸し出すのが土偶なんですが、アレは何なんっすかね? 見た目的には鉄製っぽい感じがするんですが、名前が土偶だから、素材は土だったりするとか? 遮光器土偶とかだと、わりと鉄っぽい質感に見えるんですが、 ハート形土偶 は普通に土っぽいので、こいつもやっぱり、陶器の一種だったりするとか? で、装飾用途であれば素焼きでもいいんでしょうが、コイツを実用的な茶道具とかに応用しようとすると、やはり吸水性というのがネックになる気がしますな。 吸水性のある急須とか、無駄に語呂はいいけど、実用性という点ではちょっと、どうよ? そんな気がしないでもありません。 で、ググってみたら、 こんなサイト が。 三重県工業研究所 窯業研究室 稲垣順一、西川孝。 クリスマスキャロルが流れる頃には〜♪ それは稲垣潤一っすな。 順一クンのほうは、僕の地元の三重県で窯業の研究で頑張っているようですが、窯業。 粘土などの非金属鉱物を窯かまや炉で高熱処理し、陶磁器・瓦かわら・煉瓦れんが・ガラス・セメントなどを製造する工業。 そういう業 (ワザ) でありますな。 三重県四日市市は、紫泥 (しでい) の萬古焼急須産地であり、伊勢茶の産地でもあります。 萬古焼は本来、桑名で生まれた焼き物なんっすが、今ではすっかり四日市名物みたいになってしまって、ちょっぴり悔しいっす。 が、せっかくなので、その歴史やら、特徴やらを調べてみたいと思うんですが、えーと、 これ っすな。
ここでは触れられていないような気がするんですが、萬古焼の原料は葉長石 (ペタライト) なんだそうです。 石が原料ということは、陶器ではなく、磁器ということになるワケですが、萬古焼と言えば土鍋というくらい、土っぽい風合いが特徴の焼き物だったりしますよね。 どうやら、陶器と磁器の間の性質を持つ半磁器 (b器) に分類される…という、そういうアレだったりするようです。 知らぬ同士が、小皿叩いて、半磁器おけさ〜♪ 三波春夫の 「チャンチキおけさ」 の節で歌って頂きたいんですが、陶器と磁器の見分け方のところに、叩いた時の音についての言及がありましたよね。 陶器を叩くと、にぶい、低い音。 磁器を叩くと、金属的な澄んだ高い音。 当然、半磁器の小皿を叩くと、にぶくもなくて、澄んでもない、中間くらいの中音が出ることになるんですが、萬古焼だと恐らく、 「バンコ〜ン♪」 みたいな。 で、萬古焼の急須は釉薬をうわぐすらずに作るんだそうですが、つまりはまあ、素焼きであると。 これが陶器であれば、そこそこ吸水性を持つことになるんですが、コイツは半磁器なので、微妙に給水する急須が出来上がるんですが、吸水性というのは、ただ単純に “水” だけを吸うのではなくて、そこに含まれる成分をも吸収するという。 で、半磁器の萬古焼の素焼きの急須は、うまい具合に、お茶の “うまみ” の成分は吸わなくて、 “にがみ” の成分だけを吸ってくれるので、渋くなくてうまい、マイルドなお茶になると。 そんな、うまい具合にいってくれるものなのか、ちょっと怪しい気がしないでもないんですが、土のほうのアレだとか、石のほうのソレだとか、焼く温度とかでもいろいろと違ってくるだろうし、もう、真面目に考察するのが面倒になっちゃうくらい、陶磁器というのは奥が深いものでありますなぁ。
で、結局のところ、何が言いたかったのかというと、このところ、ちょっぴりお茶の間で話題になっている 『なんでも鑑定団』 で取り上げられた、国宝級 (?) の “曜変天目茶碗” とやら。 本物だとか、パチモノだとか、瀬戸物だとか、色んな話が出てきて、端から見ている分には、めっちゃ面白い展開になってきましたなぁ。 いや、瀬戸物だとかという話は出ていませんか。 そもそも、僕が、こういうの = 瀬戸物。 そのように判断していた瀬戸物というのは、一体いかなる物であるのか。 その問題についての検証がまだ手付かずだったんですが、瀬戸物 = 陶磁器の通称。主に畿内以東でいう。 (中国・四国・九州では唐津物という) 。 へぇ〜。 で、問題になっている “曜変天目茶碗” とやら。 そもそもこれは、お茶を飲むための茶碗なのか、飯を食うための茶碗なのか。 そういう根源的なところから、僕は何も分かっていなかったりするんですが、本来、茶碗というのは茶をたしなむ為のお椀な筈なので、飯を食うアレを茶碗と称するのは、ちょっと違うんじゃね? そんな気がしないでもありませんよね。 ま、飯を食うアレの茶碗と言っても、飯だけを食うのに使うとも限らなくて、桑名の殿様が時雨 (しぐれ) で茶々漬けする場合、茶も同時に摂取することになるので、別に茶碗でもいいんじゃね? そういう意見もあろうかと思いますが、一方、永谷園のお茶漬け海苔。 アレ、お茶漬けと言いながら、お茶ではなくて、湯を掛けて食べるんっすよね? 原材料名を見ると、調味顆粒 (食塩、砂糖、抹茶、昆布粉) 、あられ、海苔、調味料 (アミノ酸等) となっていて、微妙に昆布茶フレーバーではあるんですが、お茶で漬けるワケでもないのに、アレを食うお椀を茶碗と呼んでいいのかというと、若干の疑問が残ります。 何故、アレを茶碗と言うようになったんや? そこから順に疑問を晴らしていく必要がありそうなんですが、えーと…、 ここ 。
そうそう。 飯を食うほうではなく、お茶を飲むほうの茶碗。 アレは確かに “湯飲み茶碗” と言いますよね。 略して、湯飲み。 湯ではなく、飲むのはお茶なのに “茶飲み茶碗” とは言いません。 その一方、一緒にお茶を飲むお友達のことは “茶飲み友達” と言って、決して “湯飲み友達” とは言いません。 ま、それはそれで、別にどうでもいいとして、今回、問題になっている “曜変天目茶碗” とやらは、 “天目茶碗” の一種なんだそうですが、何となく、天茶を食うのによさそうな茶碗っすよね。 小ぶり過ぎね? 丼じゃないと、ぜんぜんボリュームが足りないんじゃね? そう思われるかも知れませんが、天茶なんてものは、それ単品で食べることはまずなくて、天麩羅屋で天麩羅のコースの最後の締めとして出てくるのが普通なので、これくらいでちょうど適度であるように思われます。 が、天目茶碗というのは、鉄釉をかけて焼かれた陶器製の茶碗のことなんだそうで、天麩羅とはあまり関係が無さそうなんですが、鉄の釉薬をうわぐするので、独特の色合いになるとか、そういったものであるようですな。 その中でも “曜変天目茶碗” というのは、面倒なので、詳しい解説は割愛。 というか、僕自身、まったく何も分かってなかったりするんですが、日本では3個しか残っていないそうで、それらはすべて国宝に指定されているんだとか。日本どころか、世界中を見渡してもこの3個しか実存しないようで、これが今回、ラーメン屋の店主が持ち込んだのが、幻の4個目の “曜変” なんじゃね? …というので、大変な騒ぎになったワケで。 おい中島、鑑定しようぜ! …と、誠之助クンに目利きをさせたところ、2500万円という、国宝級にしては意外とリーズナブルなお値段が付けられたんですが、本物の “曜変” であると判断されて、めでたしめでたし。
ところが、これをテレビで見た “専門家” が、ヨーロッパで18世紀以降に開発された「スピネル顔料」 (陶磁器の釉薬用絵具) を塗り付けて発色させたものだ…と。 幼稚園の工作だとか、中国の安物のパチモン土産物だとか言い出して、あー、確かに。 僕も最初っから何だか怪しいと思ってたんだよねー。 世間ではそんな方向に流れに傾いて、それで騒ぎが収束するのかと思ったら、再鑑定の結果、そのような顔料の成分は検出されなかったような気がする。 そんな話が出てきたりして、これはもう、わかんねーな…と。 あー、確かに。 僕は最初っからアレは本物だと思っていたんだよね。 ただ、本物だけど、出来の悪い失敗作なので、2500万円という鑑定額は実に妥当で、誠之助クン、凄ぇぇぇぇ! 今現在は、そういった空気が優勢なようでありますな。 僕としてはどっちに転んでも、とりあえず陶磁器ネタで1回分の原稿を賄えて、万々歳なんですが、ちなみに国宝に指定されている本物の “曜変天目茶碗” のひとつが これ 。 別名 “稲葉天目” って、マジっすか? 三代将軍・家光の時代、春日局を経て、後に淀藩主となる稲葉家へ伝えられたとされる。 そういったアレであるようですが、ちなみに僕も、本名としては、稲葉家の一員だったりするんですけど。 押し入れの奥のほうとかを探したら、こんなお宝が出てきちゃったりしませんかね? あー、でも、うちの稲葉家は一度、火事で燃えちゃってますからなぁ…。 あ、でも、土偶のWikipediaを見ていたら、世界最古の土偶としては2014年現在、チェコ共和国で出土した旧石器時代のものであるとみられる。だが、住居が火事を起こした結果粘土製品が偶然に素焼きになってしまったと言う説も有る。 そんな記載もあったりして、もしかしたら、パチモンのお宝が出てくる可能性なら、あるかも? そういえば、ほぼ全焼という燃えかただったにも関わらず、何故だか焼け残ったポータブル便器が今でも残っておりますな。 陶器では無く、プラスチックの便器なんですが、ちょっぴり熱で変質したり、煙でいぶされたりして、とっても貴重な便器になっちゃっているかも? 一度、鑑定に出してみようかと思うので、その際は誠之助クン、よろしくね☆
ということで後半なんっすが、先週はこのコーナーを1回お休みさせて貰って、アレでしたな。 でもまあ、ずっと先延ばしにしていた仕事の書類が溜まって、追い詰められちゃったんだから、しょうがないじゃん! よって、お詫びはしません。 反省もしません。 とりあえず2月28日が工期末な工事2件は何とか片付いたんですが、今度は3月10日が工期末な工事の書類が2件ほど控えていて、うーん…。 とりあえず、今日の時点でその作成に取りかかるという気はさらさら無かったりするんですが、レビューのほうは毎度のごとく、適当に片付けちゃいましょう。 しばらく、今ひとつ気の進まない “ギター編” を無理矢理に引っ張ってきたんですが、ここで心機一転して、今週から “オルガン編” をお届けしてみよう。 そんなふうに思っている次第でありますが、こちらもまた、日本では今ひとつ不人気なジャンルっすよね。 で、手始めは、ジミー・スミス。 ブルーノートに腐るほどリーダー作があって、しかも初期のヤツは似たようなタイトルのものが多くて、まったくソソられるものがなかったりするんですが、そんな中からとりあえず、BLP-1551の 『ジミー・スミス・アット・ジ・オルガン第1集』 というのを選んでみました。 全部で4曲しか入っていないので、勝負が早いかな…と。 ルー・ドナルドソンのアルト入りというのが、ちょっといいかな? …と。 残りの面子もケニー・バレルと、アート・ブレイキーなので、無難かな? …と。 無難と言えば、今週の 『名探偵コナン』 は、コナン君がドローンで連れ去られるという展開だったようですが、ま、タケコプターがありなら、小学生くらいなら難なく吊り上げられるような? でもまあ、そんな話は別にどうでもいいので、とりあえず演奏のほうを聞いてみることにしましょうかぁ。
1曲目、歌物ナンバーの 「サマータイム」 。 冒頭からスローなバラードというのは、意表をつかれて、うひょー。 そんな展開だったりするんですが、しかもアルトとオルガンのデュオって、大丈夫なんかい? そう、心配になっちゃうんですが、結果的には大丈夫でした。 4分31秒という短めの演奏なので、余裕で耐えられます。 というか、全部で4曲しか入ってないのに、こんなにあっさりと終わってしまって、大丈夫なのか? …と、余計なところで心配になってきちゃうんですが、物静かなオルガンをバックに、ルーさんがソウルフルなアルトでテーマを吹く。 そういうアレだったりして、で、途中、じっくり聞かせてくれる感じのスミスのソロがフィーチャーされて、でもって、アルトのテーマに戻って、おしまい。 わりと淡々とした展開だったりするんですが、担々麺が好きな人なら、いいんじゃないっすかぁ?
ということで、次。 「ゼアズ・ア・スモール・ホテル」 。 ジミーは、若く有望なギタリスト、ケニー・バレルと、活発なドラマー、アート・ブレイキーと共演している。 ペースは中間テンポだ。 まずバレルが軽くスイングするソロを弾き、次に長く躍動的なオルガンのソロ、そしてケニーがもどってきてスミスと4小節交換をし、続いて2人いっしょに何小節か演奏をしたあと、ブレイキーが強烈なソロを叩く。 そしてジミーとケニーがオリジナル通りのメロディにもどって終わる。 そう、原文ライナーの日本語訳に書かれているようなアレが展開されている模様です。 いかにも小唄小唄した曲調だったりするんですが、小唄と言えば、山本コウタロー。 本名は山本厚太郎なんっすな。 ちなみに “メロリンQ” の山本太郎の本名は、山本太郎。 太郎のほうは厚太郎でない分だけ、ちょっぴり薄っぺらな印象があったりするんですが、で、演奏のほうはというと、ま、先ほど引用した通りでありますな。 バレルのソロはとっても快活で、その背景でピコピコとオルガンを弾いているジミー・スミスが、地味に酢味噌であるな…と。 自分のソロの出番になると、俄然ヤル気を発揮して、熱っぽいプレイで僕らを魅了してくれることになるんですが、ブレイキーの叩きっぷりも、次第にヒートアップしていくのが見て取れて、この辺りの相乗効果には、僧正遍昭 (そうじょうへんじょう) も思わず、大興奮。 百人一首の坊主めくりで、たまにめくられたりしますよね、僧正遍昭。 えーと、 これ 。 坊主史上で最も素性 (すじょう) が怪しいと言われる素性法師 (そせいほうし) の親父なんっすな。 桓武天皇の血を引いているようで、素性法師 (そせいほうし) の素性 (すじょう) 、ぜんぜん怪しくないじゃん! げに、名前のイメージだけで適当なことを言ってはいけないな。 そう思わずにはいられませんが、 素性 (すじょう) というのは何となく酢醤油っぽいので、ジミー・酢味噌とは気が合うかもしれなくて、とまあそんなことで、A面の2曲は、おしまい。
で、次。 ケニー・バレル作の刺激的なマイナー・ブルース、 「オール・デイ・ロング」 。 何か、そんなタイトルのプレスティッジ盤があったように記憶しておりますが、こちらのほうはルーさんを加えたカルテットによる演奏となっている模様です。 で、曲のほうはというと、刺激的でマイナーなブルースであるな。 そういうアレだったりするんですが、冒頭、オルガンのフットペダルを用いたウォーキング・ベースっぽいアレが、なかなかに歩いているな。 そういうソレだったりするんですが、アーシーで、ブルージーで、息苦しくなるような導入部から、次第にテンポが速くなって、快活になっていく様が、なかなかいい感じであるな…と。 ルーさんのパーカー・ライクなソロも満喫することが出来て、ジャム・セッション好きのジャムおじさんには、もう、たまらんっ♪ ちなみに僕はジャムパンよりもクリームパン、その上をいくのがチョココロネ。 そういう趣向の持ち主で、ジャムっぽいのはさほど好きではなかったりするんですが、こいつは意外に悪くないな。 そう、素直に賞賛ミコナゾールな、そんなアレでありました。 ということで、ラストっす。 パーカー・ナンバーの 「ヤードバード・スーツ」 。 日本名は 「ヤードバード組曲」 となっておりますが、別に組まれているような気はしない、シンプルなバップ曲でありますな。 テーマに続いて飛び出してくる、疾走感に溢れまくったルー・ドナルドソンのアルトのソロが圧巻。 まさに、パーカー派の面目躍如といった感じなんっすが、面目躍如と天目茶碗って、ちょっとだけ似ていますよね。 いや、似ているのは、面目と天目の部分だけなんですが、天目茶碗の種類の中に “油滴天目” というのもあるそうですな。 何だか、背脂たっぷりのラーメンを食べるのに最適な茶碗っぽい感じがするんですが、ま、それこそ、丼でなければ、この上なく物足りないような気もしちゃうんですけど。 で、ソロ2番手はバレルっすかね? 極めて快活な出来でありまして、で、その背景でピコピコとオルガンを弾いているジミー・スミスが、地味にスミソニアン協定だったりするんですが、自分のソロの出番になると、俄然ヤル気を発揮して、で、最後はアルトとギターとオルガンとタイコの絡みで大いに盛り上がって、とまあそんなこんなで、テーマに戻って、で、今日のところは、以上っす。
【総合評価】 オルガン・ジャズというよりも、オルガン入りのジャム・セッション。 そういったアレだったりして、特にルーさんが健闘しているので、遣唐使の人には、いいかも? そんな気がしないでもない、そんな1枚でありました。