A LITTLE TASTE (RIVERSIDE)

JOHNNY “HAMMOND” SMITH (1963)

A LITTLE TASTE


【パーソネル】

VIRGIL JONES (tp) HOUSTON PERSON (ts)
JOHNNY "HAMMOND" SMITH (org) LUIS TAYLOR (ds)
【収録曲】

(01-03) NICA'S DREAM / CLEOPATRA AND THE AFRICAN KNIGHT / BENNY'S DIGGIN'
(04-05) BRAKE THROUGH / ELOISE
(06-07) A LITTLE TASTE / TWIST THE SHEETS
【解説】 ( 2017年05月28日更新 / 連載 1,258回 )

  嫌なこと連発の、めっちゃ気の重い一週間でありました。 まずは、嫌なこと第1弾、健康診断。 これは嫌です。 恥ずかしいものの提出を求められたり、針を刺されたり、変な液体を飲まされたり、台の上でぐるぐるローリングさせられたり、パンツを脱がされそうになったり。 まずは、恥ずかしいものの提出。 検便を出せと言われました。 しかも2日分。 ま、別にそれはいいんっすが、今年はまだ、サンプル採取用の容器を貰ってないような?  いや、もしかしたらずっと前に貰ったのかも知れませんが、それを無くしちゃったような? が、もしかしたらまだ貰ってないだけかも知れないし、とりあえず様子を見ようかな? …と。 1週間くらい前になったら貰えるのかも知れないし、5日くらい前になったら会社の机の上に置いてあったりするかも知れないし、さすがに3日くらい前になったら何とかなるんじゃね? そんな、淡い期待を抱きながら日々を過ごしていたんですが、事態は一向に改善されないまま、そうこうしているうちに、検査の当日になってしまいました。 さば君、ちょっとピンチ。 あ、でも、今年から検査項目が減ったという可能性もありますよね。 簡便化の為、検便は勘弁して欲しい。 そんな通達があったのかも知れず、あ、でも、1ヶ月くらい前に貰った検診の通知には、大腸がん検査 = “サンプルうんこ” を2日分持参するように明記されているし、さば君、やっぱりピンチ。 検便の日なのにウンコが出なかった小学生が、思い悩んで、通学路の途中で見つけた犬のウンコを提出して、変な細菌がうじょうじょ検出されて大問題になった。 そんな話はよく耳にするんですが、今回の場合、その手も使うことが出来ません。 検便のサンプル容器とか、そんなに都合よく、通勤コースの途中に落ちてくれたりはしませんからね。 ただの運搬用容器であれば、マッチ箱で代用することも可能なんですが、最近の潜血検査用のアレは、けっこうケミカルな作りになっていたりして、えーと、 こんなやつ 。 コミカルな作りなら笑いを取ればいいし、シニカルな作りなら、皮肉のひとつも言っておけば何とかなりそうなんっすが、ケミカルとなると素人では如何ともしがたく、これはもう、諦めるしかありません。

 ということで、検査当日。 受付のお姉さんからウンコの話を振られる前に、機先を制して、こちらのほうから切り出すことにしました。 「あのぉ…、大腸がん検査のやつ、容器を無くしちゃったみたいで…」 すると、お姉さんは 「あらぁ。」 とか言って、簡単に許してくれて、新しいサンプル容器を渡してくれました。容器代を請求されたら自腹で払う覚悟を決めていたんですが、普通にタダでくれました。 金曜日には必ず出します! そんな方向で和解が成立して、いやあ、こんなことなら3日くらい前に、容器を貰いに来ればよかったっすなぁ。 ここ数日、容器の紛失をネチネチ責められるんじゃないかと気が気ではなくて、ストレスが溜まって、ウンコに血が混じる思いだったりしたんですが、これでもう、スッキリ♪ …が、検診はこれで終わりというワケではありません。 というか、まだ始まってすらいません。 この先、様々なタイプの拷問が僕を待ち受けているワケでありますが、ま、直腸指診が無いだけマシだと思って諦めるしかありませんな。 あれはマジで拷問…というか、マジでコーモンだったりしますからね。 別に痛いということは無いんですが、人格を否定されている感が半端ないというか、イケない悦びに目覚めてしまいそうというか。 大腸がんの検診で、指診されるか、ウンコを提出するかの2択を迫られるなら、検便チョイスが賢明かと思うんですが、検便を持ってこなかったヤツは、強制的に指診する。 そんな指針は無かったようで、何よりでありました。

 で、まずは身長・体重の測定とか、視力検査とか、聴力検査とか、血圧の測定とか。 この辺りは、まだ気楽でありますな。 身長測定の際、慎重に背筋をピンと伸ばすことを心掛けたので、背丈が縮むという屈辱を味わなくて済んだのは何よりでありましたが、そこでちょっと気を抜いたら、体重がめっちゃ増えちゃっておりました。 こんな時、空中浮遊の術を使えていたら…。 麻原尊師にもっと真剣に学んでおくべきだった。 そんな後悔の念に駆られずにはいられませんが、若い頃は “水中クンバカ” の真似事とか、そんな修行しかして来ませんでしたからね。 で、視力検査のほうは死力を尽くした結果、まずまずの成績を得ることが出来たんですが、どのように死力を尽くしたのかというと、いつもは裸眼でさっぱりだったりしたので、今年は頑張って眼鏡を掛けてみたんっすよね。 眼鏡が死ぬほど似合わなくて、せっかくのカワイイ顔の僕が台無しになっちゃうので、これまで頑なに人前では眼鏡を掛けないようにしていたんっすが、背に腹はかえられません。 メガネっ娘フェチとか、僕にはまったく理解できない趣向だったりするんですが、メガネっ娘ではなくて、 しまねっこ なら、まだ解るんっすけどね。 今年の “ゆるキャラグランプリ” も出るのかと思ったら、 ここ を見る限り、現時点ではまだエントリーしてないようなんっすが、 活イカ 活っちゃん姉弟 とか、こんなんで勝負出来るんか、島根県? …と、他県事ながら、ちょっと心配になっちゃいます。 姉はイカらしくやわらかい性格。 ま、言いたいことは解らんでもないっすな。 めっちゃ軟体動物っすからね、イカ。 で、弟はわんぱくで握手が大好き。 ま、足が10本ありますからな。 丁寧な両手握手で対応するとしても、一度に5人分は対処出来るので、かなり効率はいいんじゃなかろうかと。 ま、千手観音に比べたらイカの足など足下にも及ばないし、そもそもソレって、握手じゃなくて、握足なんじゃね? そんな気がしないでもないんですが、で、これ、ただのイカではなくて、 “活イカ” のキャラなんっすな。 ま、死んだイカのキャラとか、ちょっと嫌なので、 “活” で正解なんでしょうが、広島あたりだと “イカの姿フライ” のキャラとか、いそうなんっすけどね。 で、イカの姿フライと言えば数年前、何となくお土産に買った結果、大ハマリしてしまった 瀬戸内レモン味 。 先日、何気なく大山田の向こうのスーパーサンシに入ってみたら “瀬戸内レモンフェア” なるものをやっていて、このイカのヤツも売っていたので、思わず購入。 昼飯を食った直後だったんですが、我慢出来ずに即座に開封。 で、バリバリと1袋、あっという間に完食してしまいました。 やっぱりウメぇ♪ が、こうして間食で完食ばかりしているから、体重も増えちゃうに違いなくて、先生、俺、明日から空中浮遊の修行、もっと頑張るよ!

 ということで、続いては聴力検査。 いつも余裕でクリアしていたので、何の心配もしていなかったんですが、例年に比べて音が小さいように思えて、何だか聞こえにくかったような? 何ちゅうか、難聴の予感? 聴力が衰えてしまったら、超能力でカバーするしかないんっすが、それで何とかなるものなんっすかね? 「透視」 というのはよく耳にするし、ユリ・ゲラーも得意にしているんですが、 「透聴」 というのは、あまり目にしませんよね? 普通の人には聞こえない声が聞こえるとか、それって単なる 「幻聴」 のような気がするんですが、聴力の低下はジャズ・ライター (←自称) としては命取り。 せめて、佐村河内クンくらいの聴力は守りたいところでありますが、で、続いては血圧測定。 僕は今まで、血圧に関しては特に問題視されたことはなくて、今回も血の圧力は正常でありました。 圧力団体に入っても問題なくやっていけそうなんっすが、低血圧の人とか、押しが弱そうなイメージがありますからね。 ま、僕も決して押しの強いほうではないんですが、で、問題なのは血の圧力ではなくて、中身のほう。 毎年、血液検査でたっぷりの尿酸値やら、悪玉コレステロールやらが検出されて、このままではヤバいと脅されていたりします。 尿酸値が高いって、嘗めると酸っぱかったりするんですかね? 実際に嘗めてみたことはないのでよく分からんのですが、もし、酸っぱいのが駄目なら、糖分も増やしてみるとか? 甘酸っぱくて、いい感じになるんじゃないっすかね? いや、痛風なのに糖尿病も併発って、もっとヤバそうな気もするので、ヤメといたほうがいいっすかね? イカの姿フライ (瀬戸内れもん味) は、酸っぱいだけで甘さは感じないんですが、めっちゃ美味しかったりするので、現状維持でいっかぁ。 そんな気がしないでもありません。

 ということで、採血。 これは嫌です。 健康診断でも一二を争うくらい、嫌です。 針を刺されて、めっちゃ痛いというのも嫌なんですが、自分の血が抜かれているのを見ていると、何だか血の気が引いて、貧血になっちゃいそうです。 献血とか、絶対に無理っ! 出血多量とか、そんな事態になったりしたら、マジでショック死しちゃうかも知れませんが、自分でリストカットしちゃう人とか、勇気あり過ぎぃ! リスカは勘弁して貰って、やおきんとか、菓道とかで勘弁して貰いたいところでありますが、うまい棒の関連会社って、何だかよく分からなかったりしますよね。 詳しくは、えーと、 ここ 参照。 リスカ = 立正堂スナック菓子っすかぁ。 なるほど! で、リスカ (武藤兄・代表作 「うまい棒」 製造) 、菓道 (武藤弟・代表作 「蒲焼さん太郎」 製造) 、やおきん (武藤兄弟の親戚・代表作 「うまい棒」&「蒲焼さん太郎」 卸問屋) 。 そういった関係だったんっすな。 この兄弟と親戚のオッサン、優秀過ぎぃ! 武藤兄弟なら、砂糖を使わずに無糖で何とかしてくれそうだし、とまあそんなこんなで、次。 エコー検査。 薄暗い部屋でベッドの上に寝かされて、器具を使ってオネーサンにじっくり、ねっとりと攻められました。 最初のうちはオネーサンも椅子に座った状態で、わりと冷静だったんっすが、そのうち、ベッドの上に乗り込んできて、ぴったり体を押しつける感じになって、で、ついにはパンツを脱がされそうになって、さば君、ピンチ! 暗くてよく分からなかったんですが、チラッと横目で観察したところ、思ったよりもかなりベテランのオネーサンであることが判明したので、観念して、されるがままに、この身を委ねることにしたんですが、「体重、増えましたぁ?」とか言われて、ドキッ。 何故、そんな僕の特定機密を知ってるねん? 「肝臓に脂肪が付いている」 とも言われちゃったんっすが、マジっすかぁ? 脂肪肝っすかぁ? フォアグラっすかぁ? 「去年は何も書かれてなかったんですが、今年は書かれると思います。 というか、書きます!」 そう、力強く宣言されてしまって、ああん。。。 僕もいよいよ、先が長くないかも知れませんなぁ。。。

 うなだれて、で、続いては検尿。 もう、糖尿でも何でもいいやぁ。 どうせ、脂肪肝で死亡しちゃうんだしぃ。 捨て鉢な気持ちで、出始めと出終わりの尿を捨てて、こんな荒んだ心でも、しっかり中間尿を採取する辺りが律儀で立派でありますなぁ、僕って。 で、続いては肺のレントゲン。 これは痛くも痒くも、コーフン的な要素も何も無い検査なので、特にハイな気分になることもなく肺の写真を撮られて、はい、おしまい。 で、最後は胃透視でありますかぁ。 最後にラスボスが待ち受けている感が半端ありませんな。 胃透視とか、ぜんぜん、愛 (いと) おしく無いし、伊東市と違ってハトヤも無いし、出来れば避けたいところなんっすが、許しては貰えません。 いや、胃透視を避けることは可能なんっすけどね。 その変わり、胃カメラを飲まされるだけで。 どちらか好きなほうを選べるシステムなんっすが、どちらも好きではないので、毎年の悩みどころだったりします。 バリウムよりも胃カメラのほうが楽。 そんな話を耳にしたりもするんですが、今までにやった事がないので、今ひとつ踏み切れなかったりします。 新しいものにチャレンジする気がまったく皆無な、めっちゃヤル気のない超保守派だったりしますからね、僕。 ということで、今年もバリウムでいいやぁ…と。 去年は検査の担当が新人 (←オネーサンの補佐付き) で、めっちゃモタモタしてくれて、練習台感が半端なかったりしたんですが、今年はベテランのオッサンだったので、わりと楽でした。 台のうえに横になって、右に左に、ぐるぐるぐるぐるグルコサミンにローリングさせられまくって、最後に器具でグイグイと胃の辺りを押されて、で、やっとのことで、無罪放免。 やった、今年の検診、終わったぁ♪ …と、この時点で、今ひとつ完全にスッキリしないのが胃透視の弱点だったりするんですが、白いウンコがちゃんと出るか。 それが最後の難関だったりしますよね。 次の日の朝までにバリウムが排出されないと、ヤバい。 そんな雰囲気の注意書きを渡されたりして、めっちゃ不安になってしまいます。 今までに出なかったことはないんですが、 「バリウム 出ない どうなる」 でググると、腸閉塞とか、開腹手術とか書いてあったりして、ヤベぇ…。 その場で2錠の下剤を飲まされて、予備として2錠渡されたりするんですが、いつも効果のほうは今ひとつな気がして、信用がありません。 そこで登場、キシリトールのど飴。 一度に多量に食べると、体質によりお腹がゆるくなることがあります。 そんな注意書きが書かれているんですが、僕にとっては効果てきめん。 「お腹がゆるくなる」 なんて、生やさしいレベルじゃねぇ! そう言いたくなるほど、激しい下痢に襲われることになるんですが、バリウム摂取後は、こいつが力強い味方になってくれます。 退社時間になっても、一向に排出される気配が感じられないので、家に帰るクルマの中で、バリバリバリバリ。 飴を嘗めるとか、嘗めたことをやってる場合ではないので、バリバリと噛み砕きまくって、が、渋滞中に急な便意に襲われたりしてもアレやな。 そんな懸念もあったりするので、一時的に摂取を中止して、で、無事に家までたどり着くことが出来たので、安心して晩飯を食って、食後のデザート替わりに、バリバリバリバリ。 果たして、これで…。

 数分後。 キタァァァァァァァ! 便所に駆け込み、無事に排出、完了。 が、ここからがちょっとした地獄でありました。 数分ごとに激しい便意に襲われました。 5回くらい便所に駆け込みましたかね? キシリトールくん、効果あり過ぎぃ…。 飲んだ以上のバリウムが排出されたとしか思えなくて、高速増殖炉になった感が半端なかったりするんですが、とまあそんなこんなで、今年の僕の健康診断は、おしまい♪

 ということで、今日はジョニー・ハモンド・スミスっす。 このところ、ジミー・スミスと、ロニー・スミスと、ロニー・リストン・スミスは、ジャズ・キーボード奏者における3大スミスと称されることがあるが、うんぬん。 そんな流れで話を進めているんですが、今回はジョニー・ハモンド・スミス。 ロニー・リストン・スミスはキーボード奏者なんっすが、こちらは正当なオルガン弾きなので、ロニー・リストンは破門して、替わりにジョニー・ハモンドを入れて、新たにジャズ・オルガン奏者における3大スミスを結成したほうがいいんじゃね? そんな気がしないでもありません。 ジミー、ロニー、ジョニーで、いい感じに3兄弟っぽく韻を踏んでいたりするし。 ただ、日本での人気や知名度は、ジョニ・ハモだけが突出して今ひとつだったりして、誰? …という状況だったりするんですが、その素性も謎に包まれていたりしますよね。 このコーナーでも一度だけ取り上げたことがあるんですが、それが コレ だったりするので、ぜんぜん、本人の顔が見えてこなかったりします。 何や、この謎のアメリカンなヒーロー? で、今回、ネタ用に新規購入した 『ア・リトル・テイスト』 というアルバムによって、初めてその正体が明らかになったんですが、何というか、めっちゃ普通の黒人のオッサンだったんっすな。 で、この作品のポイントは2つ。 まずは、リバーサイド盤であるということ。 このレーベルは、洒脱なオシャレ系のイメージがあったりして、オルガン・ジャズの印象がまったくなかったりするんですが、で、2つめは参加メンバー。 ヴァージル・ジョーンズのトランペットと、ヒューストン・パーソンのテナーが入ってます。 ヒュー・パー君は分かるんですが、ヴァージル君はどちらかというと新主流派なイメージがあったりするので、オルガンとの絡みはちょっと異色かと。 その他、ドラムスのルイス・テイラーが入って、ギター抜きの2管入りオルガン・カルテットという変則的な編成だったりして、何だかイケそうな予感が。 とまあそんなことで、では1曲目から聞いてみるころにしましょうかぁ。

 まずは、ホレス・シルバーのオリジナルで、 「ニカズ・ドリーム」 。 「ニカの夢」 という邦題で知られる人気曲っすよね。 ここに出てくる “ニカ” というのは、捜査二課とかではなく、カニでもなく、 “何とかニカ” とかいう夫人のことだったりするんですが、ジャズ界のパトロンだったそうですな。 パトロンというと、小学校の時に何かで使ったハトロン紙が頭に浮かんでいて、ちょっぴり安っぽいイメージがあったりするんですが、ニカ夫人はけっこう貢いでくれたみたいっすな。 その功績を讃えてシルバーがこの曲を、セロニアス・モンクが 「パノニカ」 を捧げていたりするんですが、詳しくは ここ 。 おお、けっこう美形っすな。 で、この 「ニカの夢」 も、ラテン調の日本人好みな佳曲だったりするんですが、これをオルガン・ジャズで演奏すると…。 エエやん! イケるやん! というかこれ、オルガン・ジャズ臭さ、略して、オルジャ臭が極めて希薄だったりしますよね。 テーマ部はラッパが吹く主旋律にテナーが絡む感じで、で、バックのリズムは、ご陽気にラテン。 で、ソロ先発はヴァージル・ジョーンズでありますな。 世間一般的にはあまり知られてないキャラだったりするのかも知れませんが、バジルを上手に育てるのが得意そうっすよね。 で、ここではフレディ・ハバードを彷彿させるような溌剌としたプレイを聞かせてくれていて、でもって、続いてはヒューストン・パーソンのテナー。 ヒューストンというとゲイラカイトが有名なんっすが、目が血走った感じがいかにもヒューストンだったりして、ま、 「血走った」 なら、千葉市でもいいような気もするんっすけど。 で、続いてはジョニ・ハモくんのオルガン・ソロ。 泥臭さは希薄で、クールにスイングする様が、めっちゃイケてますな。 ちなみに各自のソロの合間にはテーマの断片の合奏パートが挿入されて、いかにもホレス・シルバーな空気が感じられたりするんですが、で、オルガンの後はセカンド・テーマとドラムスの掛け合いのようなパートがあって、でもって、本テーマに戻って、おしまい。 ソウルというより、ハード・バピッシュな快演でありまして、いいぢゃん♪

 で、次。 ジョニ・ハモくんのオリジナルで、 「クレオパトラ・アンド・ジ・アフリカン・ナイト」 。 「クレオパトラとアフリカの騎士」 っすぁ。 いいっすよね、クレオパトラ。 少なくとも、クレクレタコラよりは、何でも欲しがりそうにないし、で、これ、例の 『ザ・スティンガー』 でも再演しているようです。 昔の僕がどんなことを書いているのかと思ったら、えーと、いかにもクレオパトラらしいエキゾチックなメロディが印象的なナンバーでありまして、2テナーのハモり具合も何だか妖しいムードを醸し出しております。 で、これ、アフリカンというよりも、ちょっぴりボサノヴァっぽいお洒落な感じもあったりして、いや、オルガン・トリオ+2テナーという編成でこのようなサウンドが描けるとは、ちょっと意外でした。 なるほど、あっちは2テナーだったんっすな。 で、こっちはトランペットとテナーという黄金の組み合わせだったりするんですが、曲そのものは確かにエキゾチックで、ちょっぴりボサノバな雰囲気。 あちらでも頑張っていたヒュー・パー君が、ここでも見事なソロを聞かせてくれているんですが、ソウルフルで骨太ながらも、ほんの少しだけ知性も垣間見られたりする、抜群のバランス感覚。 で、間に合奏パートを挟んで、続いてはヴァージルのソロ。 前曲ではちょっぴりフレディ・ハードだったんっすが、ここでは微妙に、えーと、名前を忘れちゃったんすが、誰でしたっけ? 頭がハゲてるトランペッター。  『フライト・トゥ・ジョーダン』 にも入ってる、んーと、ディジー・リース。 あ、それ。 そのハゲっぽい感じもあったりして、途中、ちょっぴり倍テンポになって盛り上がったりして、で、間に合奏パートを挟んで、続いてはオルガンのソロ。 普段ならピアノが出てくるタイミングでこの楽器が出てくるというのは、ちょっと意外な感もあるんですが、適度にグルーヴ感があって、で、途中から管楽器コンビも絡んで来たりして、なかなかいい感じだったりして、でもって、テーマに戻って、おしまい。 ファンキーな快演でありまして、いいぢゃん♪

 …と、ここまで真面目に解説し過ぎて、ちょっと疲れが出て来たので、そろそろ手を抜こうかと思うんっすが、ここから3曲ほどハモンド・スミスのオリジナルが続きます。  「ベニーズ・ディギン」 はアップ・テンポのハード・バピッシュな佳曲で、テナー、トランペット、オルガンの順で、各自の良好なソロが披露されます。 中でもヴァージル君、めっちゃ頑張ってます。 どこの馬の汁とも知れない馬汁 (ばじる) なんっすが、イケるやん! ここまで割と冷静な感じだったハモンド君も、はっちゃけちゃってるし、終盤、ちょっぴりタイコの人との絡みもあったりして、でもって、テーマに戻って、おしまい。 で、次。  「ブレイク・スルー」 。 ちょっぴりポップで、変な感じの曲だったりするんですが、トランペット、テナー、オルガンの順で繰り広げられるソロ・パートは、それなりに気合いが乗ってアレだったりして、ま、悪くは無いかな…と。 で、次。  「エロイーズ」 。 これはアレっす。 エロいっす。 妖艶なバラードという感じ? テナーもしくはラッパとオルガンとのデュオみたいな感じで演奏が進められるんっすが、賑やかなのばかりが続いたので、ここいらで気分転換のチェンジ・オブ・ペース。 ま、悪くないんじゃないっすかぁ? 3分52秒という、ほんのちょっとした小さなプチ小品でありました。

 で、次。 アルバム・タイトル曲の 「ア・リトル・テイスト」 。 キャノンボール・アダレイのペンによるファンキー・チューンで、曲・演奏共に、うーん、まあまあ? 表題曲のわりにはややインパクトに欠ける嫌いがあるんですが、ま、いっかぁ…と。 ということで、ラストっす。 ハモンド・スミスのオリジナルで、 「トゥイクスト・ザ・シーツ」 。 日本語ライナーで廣瀬大輔という人が、非常にハード・バップ色の濃い1枚で、ブルージーなオルガン・ジャズはこの1曲だけ。 そんなことを書いていたので、ちょっと警戒したんっすが、確かにコテコテ系で、ちょっとアレっすな。 晩節を汚した感が無いわけでもないんですが、ま、これはこれでアレだし、とまあそんなことで、今日のところは以上っす。

【総合評価】 オルガン・ジャズとしては、非常にハード・バップ色の強い、ちょっと異色の仕上がりだったりして、いいぢゃん♪ ソウル系でコテコテなのが嫌いな人にも、十分に受け入れられる素晴らしい作品でありますが、ただ、冒頭の2曲の出来が素晴らしすぎて、で、3曲目がソレに続く出来で、中盤以降はちょっぴり失速しちゃったかな…という気も。 が、ヴァージルはラッパが上手だし、ヒューストンは人間がパーソンだし、最初の3曲だけでも十分に元は取れるので、オススメ☆


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