RAHSAAN RAHSAAN (ATLANTIC)

RAHSAAN ROLAND KIRK (1970/5/11,12)

RAHSAAN RAHSAAN


【パーソネル】

RAHSAAN ROLAND KIRK (ts,fl,manzello,strich,cl & other miscellaneous instruments)
RON BURTON (p) VERNON MARTIN (b) JAMES MADISON (ds) JOE TEXIDOR (tamb,sound tree)
DICK GRIFFIN (tb) <#1> HOWARD JOHNSON (tuba) <#1> LEROY JENKINS (vln) <#1>
SONELIUS SMITH (celesta,p) <#1> ALVERN BUNN (conga) <#1>

【収録曲】

(01-01) THE SEEKER : 〜 BLACK CLASSICAL RAP / THE SEEKER / THANK YOU, BIRD / NEW ORLEANS
(02-03) SATIN DOLL / (INTRODUCTION)
(04-04) MEDLEY : 〜 SENTIMENTAL JOURNEY / GOING HOME / IN MONUMENT / LOVER
(05-07) SWEET FIRE / (INTRODUCTION) / BABY LET ME SHAKE YOUR TREE
【解説】 ( 2017年12月17日更新 / 連載 1,283回 )

 貝偏に有ると書いて、賄う。 貝が有ることで、何を賄うのか? 今日はこの謎に迫ってみようと思うんっすが、昔、 「貝本位制」 とか、そんな経済があったんじゃね? …というのが僕の予想なんっすけどね。 貝殻とか、いかにも大昔に通貨として流通してそうだし。 桑名だと、3蛤から転じて、3ハマー。 そんな単位があったりしても不思議ではないっすよね。 ということで、えーと、 「賄」 という漢字 。 意味の3番のところに 「まいない」 などという謎ワードがありますが、その中に 「贈り物」 という単語が出て来ます。 そういえば、贈るという漢字も貝偏っすよね。 右側は 「増える」 と同じパーツなんっすが、貝が増えると言えば、貝増。 桑名にはそういう名前の時雨ハマグリ屋があったりします。 ほれ 。 “しぐれ” は貝増で買います。 そういう主婦もいれば、ウチは貝新やで。 会心の “しぐれ” が手に入るで。 そういうオバハンもいたりして、アレなんっすが、一口に貝新と言っても、いろいろな派閥があったりするし。 新佐衛門だとか、新七だとか、新之助だとか、新七だとか。 新しいのばかりみたいやけど、古いのはないんか? そんな疑問が湧いてくるんっすが、古い貝新とか、それはもう、貝新ではなくて、貝古なので、無くても当然かな…と。 古い貝とか、あたっちゃいそうで、何か嫌だし。 で、貝増と言えば、 貝増吉郎 という県議会議員がいますな。 まだ現役なのか、それとも廃業しちゃったのかは不明なんっすが、このオッサンの実家が時雨ハマグリ屋なのか、それとは無関係なのか、本名なのか、芸名なのか、詳しいことはよく分かりません。 貝増 。 全国でおよそ240人だから、本名である可能性もありますよね。 伊賀地方に多いとのことで、微妙に地元とちゃうやん感があったりもするんっすが、いずれにしろ、この貝増くん、貝増の時雨煮を賄賂として贈られたことは無いみたいだし、クリーンな政治家であると判断しても、よしろうであるな…と。

 で、この賄賂という言葉の 「賂」 のほうにも貝が入っておりますが、先ほどの漢字・漢和辞典によると、貝という字は子安貝 (貨幣) の象形なんだそうで。 貨幣という、決定的なキーワードが登場したんっすが、貝類の全般が貨幣なのではなくて、子安貝限定なんっすかね? ハマグリではあかんのか? …と、ちょっぴり不満だったりするんっすが、えーと、 これ 。 これを見て、小判形というのは、子安貝の形を模したものなんじゃね? …という説が、ふと浮かんで来たんっすが、で、小判の大きいのバージョンが、大判。 大判と言えば、大判焼きなんっすが、大判焼きって、ぜんぜん小判形じゃないんじゃね? そんな新たな疑問も。 今川焼き、回転焼き、太鼓焼き、二重焼き。 地方によって、色んな名前で呼ばれているようでありますが、いずれも、単純に丸い形をしていて、小判形では無いっすよね。 ちょっと調べてみた結果、丸い形の今川焼きとの差別化を図るため、小判形をした大判焼きというのを作ってみた…と。 が、そのうちに面倒になって、普通の丸い形に戻しちゃった…と。 関連サイトとしては、んーと、 これ とか。 昭和40年代のデパチカで流行していた 「都まんじゅう」 。 これは回転式機械を用いた実演販売形式の、小さな今川焼のことだが、うんぬん。 ああ? 「都まんじゅう」 ちゅうたら、桑名で仏壇に供える これ やろ? ま、別に玉川軒のヤツじゃなくてもいいんっすが、このパサパサの奴やろ? 「都まんじゅう」 で画像検索すると、小さな今川焼きみたいなヤツが、圧倒的多数だったりするんっすが、世の中が間違ってるやろ? こんなん とか、ただのパンダ焼きやん! で、このヒゲ面@むさ苦しいオッサンは、型のちがいに着目すると、大判焼はその名の通り大判小判の形、つまり楕円である。今川焼きも楕円であり、真円の形のものはその形から太鼓焼きと呼ばれる。 そんなことを書いておりますが、大判焼きも、今川焼きも、太鼓焼きも、どれも普通に真円の形やろ! 楕円ちゃうやろ! いずれにしろ、無駄に長くて、最後まで読む気が失せてしまったんっすが、ま、この点に関しては、あまり他人様のことを言えた義理ではないんっすけどね。 今日もまた、如何にして、どうでもいいネタを引き延ばそうかと苦慮しているところでありますが、その努力も無駄な徒労に終わっちゃいそうなので、とまあそんなことで、ここから本題に入ります。

 魚偏に有ると書いて、鮪。 ということで、今日はマグロについて考えてみたいと思うんっすが、鮪。 賄うと同じく、右側には “有” というパーツが使われておりますが、これは右手の象形+切った肉の象形なんだそうで。 何でもいいけど象形って、どうして象の形なんっすかね? 犀形とか、河馬形とかではアカンのか? …と、ちょっぴり不満だったりするんっすが、象形の “象” は、動物の象のことではなく、物の形、目に見えるすがた。 そういった意味であるので、河馬形では、やっぱりアカンな…と。 ちなみに、象という漢字は、普通に動物の象の象形だと思うんっすが、 「象」 という漢字 。 確かに、象だゾウ。 そんな感じがよく出ている漢字っすよね。 で、それはそうと、右手の象形+切った肉の象形。 こいつの左に魚を付けて、どうして鮪になるんや? …というのが疑問なんっすが、語源と由来は こちら 。 「鮪」 の 「有」 は 「外側を囲む」 という意味で、うんぬん。 右手も、切った肉も、関係ないんっすな。 “鯖” なんかと比べて、何だか今ひとつピンと来なかったりするんっすが、でもまあ、干されて鰹節に加工されること前提で付けられた “鰹” よりは、まだマシかと。 中途半端に加工された “生節” の立場はどうなんねん? 個人的に、生節はあまり好きではないので、立場がどうなろうと、僕の知ったことでは無いんっすが、目が黒いから、眼黒 (まぐろ) 。 この説も、今ひとつピンときませんな。 マグロに限らず、魚の目って、大抵、黒とちゃうんけ? それに、目黒と言ったら、サンマちゃうんけ? まだ、真黒 (まぐろ) 説のほうが説得力があるんっすが、マグロの代表がクロマグロであるため、真黒の説も捨てがたい。 うん、別に無理に捨てんでもエエんちゃう? ちなみに、クロマグロは別名、本マグロとも呼ばれ、それ以外のマグロは、パチモンであると言っていいかと思うんすが、特にバチマグロとか、パチ感が半端なかったりしますよね。 けど、言うほど本マグロって、本物か? 他のマグロでも、大して変わらんのちゃうん? そんなふうに思っている人もいるかも知れませんが、大きさからしてもう、ぜんぜん違います。 ほれ 。 ビンナガマグロ、ショボっ! バチマグロは別名、メバチマグロとも呼ばれるんっすが、こうしてみると、そんなにパチモンでもなくて、中堅クラスくらいの風格はありますな。 目がパチっとしているのが名前の由来なんっすが、確かに、つぶらな瞳だったりして、可愛い♪ ビンナガマグロは目も小さいし、取り柄がないっすよね。 ま、世の中には、「ちっちゃい目が可愛いよ」 って、恋人なら言うカナ? そんな松本ちえこフェチの人もいるかも知れないので、人生…というか、マグロ生を、そんなに悲観しなくてもいいかと思うんすが、先ほど、取り柄がないと言い切っちゃったんっすが、よくよく考えたら、ビンが長い。 そんな、他のマグロにはない特徴を備えているワケだし。 ちなみに、ビンというのはヒレのことらしいんっすが、えーと、 これ 。 おお、確かに胸鰭がめっちゃ長いやん♪ ま、その事が生きている上で、どれくらい役に立っているのかは、よく分からんのですが、人間に例えてみると、胸毛が濃い。 それくらいの意味しかなかったら、むしろ、ちょっと嫌だったりするんっすけど。

 が、ビンナガマグロで作られるツナ缶も非常に家庭での登場回数の多いもの。 この記述は、かなり重要なポイントだったりしますよね。 シーチキンの材料がどんな種類のマグロなのか、今まで考えたこともなかったんっすが、えーと、 これ っすか。 おお、確かにビンナガやん♪ もしくは、キハダマグロ。 カツオのシーチキンというのもありますが、コイツの場合は格下感が顕著なので除外するとして、で、シーチキンの種類によって、使われているマグロが違うんっすな。 びんながまぐろの腹部だけを使用した “シーチキンとろ” 。 こんなのがあるって初めて知ったんっすが、えーと、 これ っすか。 おお、めっちゃ美味そうやん♪ この記事ではビンナガマグロが高級扱いで、キハダマグロは格下とされているようですが、 “シーチキンL” というのがキハダなんっすな。 油のほうも、ファンシーとかが綿実油であるのに対して、 “L” のほうは大豆油。 “L” は恐らく、ライトなんじゃね? そんな気がするんっすが、果たして味にどんな違いがあるのか、注意して食べ比べてみるというのも一興かも知れません。 もし、本マグロのシーチキンというのがあったりすれば、めっちゃ美味いんじゃね? そんな気もするし、案外、こういうのは安いマグロのほうがイケるんじゃね? そんな結果に終わるような気もするし、で、今回、どうしてマグロをネタにしようと思ったのかというと、今度の正月、 ここ に行ってみよう。 そんなふうに画策していたりするからなんっすけど。 マリーナシティホテルに泊まって、黒潮温泉に浸かって、ポルトヨーロッパでイルミネーションを見て。 で、昼飯はやっぱ、 ここ かな? …と。 生マグロの解体ショー、楽しそう&美味しそう♪ 出張サービス もやってくれるみたいなんっすが、マグロ入場 : マグロが職人と共に入場 会場内を練り歩く。 マグロ入刀式等 : 解体前の余興。 めっちゃ盛り上がりそうっすなぁ。 気になるお値段はというと、こちら、本マグロ20kgのコースで、税込 388,800円と、大変お値打ちになっております。 高っ! が、1人前10貫の寿司が40人分は賄えるみたいだし、1人当たりに換算すると、9,720円。 やっぱり、高っ! 現地で食えば、本マグロ赤身握りは6貫で 1,000円らしいので、マグロの王様やマグロ王子が会場内を練り歩き始める前に、さっさとお引き取り願ったほうが得策なのではなかろうかと。 で、現地ではせっかくだから、本マグロ中トロ握りくらい、いっちゃう? お値段は4貫 1,000円ということで、大変お値打ちっすよね。 3貫 1,000円で、大トロも食えるみたいっすが、大トロって、さすがにトロ過ぎやろ? そんな気がするので、何事も中くらいが中庸で、無難なのではなかろうかと。 あと、揚げ物コーナーの、マグロ竜田揚げなんてのも、めっちゃ美味しそう。 サバなんていう下劣な下魚でも、竜田揚げにしちゃえば、イケるやん! そんな食べ物に変貌したりするので、マグロなら、更にイケるやん♪ そう期待しても、大丈夫っすよね?

 で、お泊まり先のホテルのほうは、【豪華夕食を愉しむ】 海のリゾートグルメ旅プラン「和会席」。 そういうのにしちゃいましたぜ。 和食だから、 ここ っすな。 豪華夕食だから、最上級の藤会席 (8,800円) と思っていて、いいんすかね? 実は、更にその上に 【超豪華夕食を愉しむ】 とか、 【スペシャル超デラ豪華夕食を愉しむ】 とか、そういうのがあったりするのかも知れませんが、デラックスと、名古屋弁の 「でら」 とを掛けた、デラ豪華。 これより上はさすがに無さそうなんっすけど。 現時点では 12月26日までのメニューしか分からないんっすが、どんなものを食べさせて貰えるのか、めっちゃ楽しみ♪ で、このホテルは朝食のほうもめっちゃ期待が持てそうなんっすが、 ほれ 。 朝から、生マグロの解体ショー。 こんなんあるんだったら、昼間は別に、いっかぁ。 そんな気もしちゃうんっすが、あとは、厳選した約15種類を揃えた、和歌山県ブランド梅 「紀州南高梅」 などの梅干の食べ比べとか。 朝っぱらから和歌山ラーメンというのも、ちょっといいかも? お部屋のほうも、オーシャンビューバス&バルコニー付ツインルームを押さえたし、イルミのほうも クチコミ を見ると、めっちゃ評判がいいみたいだし、ちなみに、2年ほど前までは最低評価だった ここ も、さすがに改善を図ったみたいっすな。 むしろ、2015年版がどんなに酷かったのか、ちょっと見てみたかった気もするんっすが、普通に見られるレベルになっちゃったのだとすれば、それはそれで、何だか寂しいかも? がっかり名所として有名な高知の 「はりまや橋」 が、めっちゃ立派な橋に変貌したりしたら、かなりガッカリしそうな気がしますもんね。

 ということで、初日はマリーナシティを堪能。 で、翌日は和歌山城にでも行ってみようかな? …と。 で、午後は ランチ&入浴 のプランを押さえておきました。 和歌山加太温泉 加太海月。 旧・吾妻屋シーサイドホテルっすか。 ホっテルはシーサイド、吾妻屋シーサイド、レジャーもシーサイド、うぉうぉうぉう、シーサイド、シーサイド、シーサイド♪ この替え歌を歌える分だけ、旧の名前のほうがよかったんじゃね? そんな気がしないでもないんっすが、シーサイドでは今ひとつ語呂もよくないので、歌えなくても、別にいっかぁ…と。 デザートに加太特産のところてんをご用意いたします。 ぜひご賞味ください♪ …っすか。 “ところてん” は漢字だと “心太” と書くんっすが、加太で心太。 字面的には韻を踏んでいて、ちょっといいかも? 「どうもー。吾妻屋加太でーす。」 「心太でーす。」 で、漫才コンビを組めそうだし。 で、時間に余裕があれば、近くの 淡嶋神社 にも寄ってこようかな? …と。 とりあえず年明けは、和歌山で3回分くらいの原稿を賄えるものと期待しておりますが、だけども、問題は、来週だ〜、ネタがない♪ …と、井上陽水の 「傘がない」 の節で歌っておいて、とりあえず今日のところは、おしまい。

 とまあそんなことで、その他の楽器 (その他編) 。 相当頑張って引っ張った双頭コンボ物も、遂にネタが尽きてしまったので、今日のところはローランド・カークでも取り上げてみようかと。 “キング・オブ・その他の楽器編” とでも言えそうなキャラだったりしますよね。 晩年は頭に “ラサーン” を付けて改名を図ったんっすが、今日はそんなラサーン時代の代表作、 『ラサーン・ラサーン』 を取り上げてみたいと思います。 1曲目がスタジオ録音の組曲風の作品で、残りはヴィレッジ・バンガードでのライブ物。 寄せ集め感が半端ないし、ジャケ絵を書くのもめっちゃ面倒臭そうなんっすが、とりあえずまあ、頑張ります。 お子様が4人いるんっすが、食い付いているのは向かって左側の幼女だけで、残りの3人は 「何や、このオッサン?」 みたいな醒めた顔をしてますよね。 が、裏を向けると こんな感じ だったりして、みんな、懐いてくれたみたいで、何よりでありますなぁ。 後ろでマーライオンみたいな奴がマンゼロだか、ストリッチだかを咥えているのも、イケるやん! で、この前半と後半。 吹き込まれた場所こそ違いますが、録音日は1日違いだし、サイドマンのほうも中核部分のほうは同一。 言うほど、寄せ集めではなかったりするのかも知れませんが、で、ラサーン君の担当楽器は、テナー、フルート、マンゼロ、ストリッチ、クラリネット、そして、“other miscellaneous instruments” とクレジットされております。“miscellaneous” の意味を調べてみたら、 「種々雑多な」 。 こんな、ローランド・カークの持ち楽器の記述に特化した英単語があったんや! …と、ちょっぴり感動してしまいましたが、その他、ピアノのロン・バートン、ベースのバーノン・マーティン、ドラムスのジェームス・マディソン、パーカッションのジョー・テクシドールといった人々が付随しております。 テクシドールという、手櫛の通りが良さそうな人は、具体的にはタンバリンと “sound tree” という楽器を担当。 音の出る木みたいな物っすかね? で、スタジオ録音のほうはディック・グリフィンのトロンボーン、ハワード・ジョンソンのチューバ、リロイ・ジェンキンスのバイオリン。 この3つがプラスされている模様。 とまあそんなこんなで、では演奏を聞いてみることにしましょうかぁ。

 1曲目、 「ザ・シーカー」 。 鹿か、歯科か、詩歌か、志位か。(←共産党のおっさん) その、いずれかの 「ザ」 ではないかと思われますが、 「ブラック・クラシカル・ラップ」 「ザ・シーカー」 「サンキュー・バード」 「ニューオリンズ」 。 この4部からなる組曲である模様っす。 中身のほうは日本語ライナーで後藤誠クンが詳しく書いてくれておりますが、語りを中心とした 3分35秒までが第1部、その後、本編と言える 「ザ・シーカー」 があって、ゴングの響く直後の 9分47秒からが第3部。 カークのMCで始まる 14分07秒からが第4部。 そういったアレだったりするようっすな。 出だしは、リズムのない、地味目な集団即興演奏みたいなのをバックに、カーク君が何かを語るという、かなりフリーな作風。 4人中、3人のお子様が、「何や、このオッサン?」 と思ってしまうのも、やむを得ないかな…と。 何となく、説教されているような気持ちになっちゃいますよね。 3分ちょっとで終わるので、そこまで耐えるしか手立てはないんっすが、その後に出てくる本編は普通に聞ける演奏だったりするので、いやあ、よかったっす。 雑多な空気を引きずってはいるんっすが、基本、モーダルな新主流派風の演奏で、チューバ、トロンボーンという低音な管楽器と、バイオリンの組み合わせが、けっこうハマリます。 カークは普通にテナーを吹いてる感じっすかね? 後半、リズムが途絶えて、チュー・トロのコンビが地味にフィーチャーされるパートがあって、カークがまた何やら、ぶつぶつ言い始めて、その先、リズムが復活して、バーノン・マーティンのピアノが登場。 ちょっぴり控え目なマッコイ・タイナーみたいで、悪くないソロを聞かせてくれで、で、ここで満を持してカークのテナーが登場。 コルトレーンを彷彿させる、スピリチュアルで真っ当なブロウを聞かせてくれて、でもって、賑やかなテーマに戻って、おしまい。 ゴーンとゴングがなって、カークが勢いよく喚きだしで、ここからが第3部でありますな。 …と思わせておいて、再び 「ザ・シーカー」 みたいなテーマが登場して、そしてまた、各自のアドリブ・パートへと突入します。 ピアノ、バイオリン、マンゼロ、コンガのソロが聞かれる。 そう、後藤クンが書いている辺りだと思われるので、これが 「サンキュー・バード」 の部分であるな。 そのように判断していいのかの知れません。 「ありがとうトリ」 。 “ありがとウサギ” みたいな奴なんっすかね? あの不細工キャラ、個人的にはけっこう好きだったりするので、頑張って欲しいところでありますが、とか言ってるうちに、めっちゃニューオリンズな雰囲気の演奏が始まるんっすが、これが第4部の幕開けでありましょう。 ストライド・ピアノやクラリネットを含むトラディショナルな演奏が聴かれる。 そういうアレだったりして、個人的な趣向にはまったくそぐわない代物だったりするんっすが、ま、いっかぁ…と。 で、最後、カークが何やらブツブツと呟いて、おしまい。 いやあ、大作でありました。

 で、ここからはライブ物。 まず手始めに歌物ナンバーの 「サテンドール」 。 カーク君お得意の “1人2本管楽器吹き” のテクを楽しむことが出来るんっすが、2分15秒という、ほんのちょっとした小さなプチ小品だったりして、ま、お気楽に楽しんで頂けたらいいのではなかろうかと。 で、次。  「メドレー」 。 その前に 「イントロダクション」 ということで、カー君本人によるMCが聞けるんっすが、誠クンがご丁寧に日本語で全文を書いてくれているので、興味のある人は自分でCDを買って、読んでみてね♪ ここに書き写す気は、さらさらありません。 敢えて、ほんの一部分だけを紹介すると、 (会場歓声) (会場笑) (会場爆笑&拍手) みたいな。 現地のアメリカンなオッサン達、めっちゃウケてますな。 下手な漫才コンビよりも笑いが取れそうなんっすが、で、続いては “演奏の部” でありますな。 まず最初にマンゼロで 「センチメンタル・ジャーニー」 を吹いて、続いてテナーで 「ゴーイング・ホーム(家路)」 のメロディを演奏。 で、その後、1人で同時に2つの曲を演奏するという大道芸が披露されます。 ま、見世物としては、イケるんじゃね? そんな気がしないでもありません。 その後、 「イン・モニュメント」 というのが演奏されて、最後はロジャース = ハートの 「ラバー」 で締めるというプログラムなんっすが、4曲もメドレーしているようには思えなかったりして、とまあそんなこんなで、おしまい。

 で、次。  「スウィート・ファクター」 。 こいつはイケます。 ゆったりしたテンポの、スピリチュアルな演奏。 カークは複数の楽器と肉声を交えながらテーマを演奏。 ソロはテナー、ピアノの順。 誠クンの解説は極めて簡潔なんっすが、マジ、スピリチュアルっすな、こりゃ。 黒人音楽の持つ、深いディープな哀しみのようなものが色濃く出されていて、こいつ、単なるお笑い芸人ではねぇな…と。 カークのソロはコルトレーンを彷彿させる、高い精神性を感じさせるアレだったりして、イケるやん! で、続いて出てくるバーノン・マーティンのピアノ・ソロも、見事な出来映えだったりして、でもって、テーマに戻って、おしまい。 で、この後、またしても (観客爆笑) なMCを挟んで、最後のナンバー、 「ベイビー・レット・ミー・シェイク・ユア・トゥリー」 が始まります。 ピアノのイントロで始まるスピリチュアルな演奏で、カークはフルートとピアニカを演奏、そして自らソウルフルに歌っている。 そういったアレでありますな。 おお、言われてみれば確かに、ピアニカかも? すぐにホースが臭くなって、その筋のフェチにとっては、たまらん♪ そういった楽器だったりするんっすが、ローランド・カークが吹いたピアニカとか、ちょっとヤバ過ぎて、ハァハァ…。 ブルージーなピアノと、濁ったトーンのフルート、そしてカークの “魂の叫び” 。 これぞ正しく、ブラック・ファンクの極み。 イケるやん♪ …とまあ、そんなことで、今日のところは、以上っす。

【総合評価】 そしてカークの “魂の叫び” 。 これぞ正しく、ブラック・ファンクの極み。 イケるやん♪ この一文が、全体を通しての総合的な評価であると言っていいかと思いますが、ラサーンのオッサン、渾身の1枚でありました。


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