SPANISH STEPS (BLACK LION)

HAMPTON HAWES (1968/3/10)

SPANISH STEPS


【パーソネル】

HAMPTON HAWES (p) JIMMY WOODE (b) ART TAYLOR (ds)
【収録曲】

(01-03) BLUES ENOUGH / SONORA / BLACK FOREST
(04-06) DANGEROUS / SPANISH STEPS / MY ROMANCE
【解説】 ( 2018年07月22日更新 / 連載 1,309回 )

 会社の旅行で九州に行ってきました。 …と、その前に、会社の金で箱根のクソ高い宿に泊まってきました。 そっちのほうのアレがまだ残っているので、片付けなければなりませんが、えーと、( 前回 までの粗筋 ) 2日目、 クソ高い宿 に泊まって、その翌日、塔ノ沢駅の周辺と箱根湯本駅の周辺を散策した…と。 でもって、昼飯っす。 箱根湯本には日帰り温泉施設があったり、旅館の日帰りプランがあったりして、温泉入浴&昼食の組み合わせも、いくつか選択肢があったりするんっすが、そんな中、僕は これ をチョイスしてみました。 あ、ちょうどこれを書いている7月21日と、これが更新される7月22日を境に、昼食のメニューがリニューアルされるみたいっすな。 僕が予約した段階では、吉池自慢の和食膳 「放心亭膳」 (ほうしんていぜん) というのが最高級プランで、料金は 6,500円(税別・入湯税別)。 で、中身のほうはというと、足柄牛一品と旬のお刺身、彩り豊かな特撰膳であるな…と。 いいっすよね、足柄牛。 何というか、人柄がよさそうな牛…というか、牛柄がよさそうな牛。 そんな気配が感じられるような気がしないでもありません。 で、それ以外に4つのプランがあって、お値段のほうは 4,800円 (税別・入湯税別) と、すべて横並びになっております。 で、中身のほうはというと、 「足柄重膳」 (あしがらじゅうぜん) 足柄牛の照り焼きを御重で。 「早川膳」 (はやかわぜん) 近海の旬を集めた目にも鮮やかなお刺身膳。 「小田原軍鶏膳」 (おだわらしゃもぜん) 鶏の美味しさをご堪能頂ける親子煮膳。 「麦とろ釜飯膳」 (むぎとろかまめしぜん) 麦飯、山芋、かまめし膳。 そういうアレだったりするんっすが、この中では断然、 「足柄重膳」 というのが魅力的でありますな。 軍鶏 (しゃも) というのも悪くはなくて、軍鶏 (しゃも) か、シシャモか。 その2択であれば、即断即決で軍鶏 (しゃも) に一票を投じることになろうかと思うんっすが、僕があまり好きではない魚貝類の類いの中でも、群を抜いて抜群に最悪だったりしますからね、シシャモ。 何がアカンって、子持ちなのが最も悪く最悪だったりするんっすが、魚卵、いらん…。 魚卵 (ぎょらん) 〜、パレードが行くよ〜♪ その昔、山下達郎がそんな歌を歌っていた気がするんっすが、そんなパレード、見たくもねぇ…。 で、シシャモと言えば、シッシャ長谷川くんは元気なんっすかね? その昔、うちの郵便受けにオウム真理教の広告が入っていたことがあったんっすが、その中身というのが 「シッシャ長谷川くん、水中クンバカ世界記録を樹立!」 みたいなヤツでありました。 水の中で息を止める修行っすよね、水中クンバカ。 呼吸を止めて、1秒、あなた真剣な目をしたから〜♪ 「タッチ」 だと、たったの1秒なんっすが、シッシャ長谷川くんはそれを遙かに更新していたような? ちなみに井上嘉浩クンが5分30秒でしたっけ? 「すいません、心臓が止まってしまって…」 みたいな言い訳をして、尊師から 「何を怖がってんだよ!」 と、激しく叱責されておりましたが、そんな麻原彰晃くんの記録は15秒。 岩崎良美の15倍相当で、イケるやん!

 軍鶏 (しゃも) に、シシャモに、シッシャ長谷川くん。 この中で “親子煮膳” にするなら断然、軍鶏 (しゃも) だと思うんっすが、ニワトリとタマゴを煮たヤツと、足柄牛の照り焼き重。 この2つがまったく同じ値段となると、牛柄がよさそうな牛を照り焼いたほうを、どうしても選んじゃいますよね、普通。 まして、麦飯と山芋のヤツも同じ値段だとか、ありえん…。 そんな批判が相次いだのか、今日と明日を境にメニューを見直した模様でありますが、最高級の 「放心亭膳」 と、お刺身膳の 「早川膳」 はそのままで、麦飯と山芋のヤツには足柄牛の柳川が付くようになったんっすな。 ま、当然かと。 で、 「足柄重膳」 が 「足柄膳」 というのになって、牛の照り焼き重から、牛鍋御膳へと、リニューアル? で、照り焼きのほうは 「須雲膳 (すくもぜん) 」 という名前になった? これで、ほぼ、中身と値段の均衡が取れた感じになりましたが、で、僕はというと、変更前の 「足柄重膳」 を頼んだ次第でありますが、旅館のフロントで、日帰りプランを予約したものであることを告げて、 4,800円 (税別・入湯税別) を支払って、で、ダイニングルーム 「放心亭」 というところに移動して、で、カウンター席に案内されました。

カウンター席からの眺め♪

 目の前に綺麗な庭が広がっていて、めっちゃエエやん♪ ぼーっと眺めているだけで、心が放たれるようで、まさしく 「放心亭」 。 係のお姉さんに 「お飲み物はどうされますかぁ?」 と聞かれて、ウーロン茶を頼んだところ、それはすぐに出てきたんっすが、料理のほうは、けっこう待たされましたな。 放心亭というより、放置亭? そんな気分になりかけた頃に、ようやく最初の一品…というか、二品が登場。

前菜♪

 何かの葉物野菜を自家製で何とかしたもの。 キムチのようなもの。 そんな説明があったような気がするものと、豆の蜜煮? 何で、こんだけのもんを出すのに、そんな時間が掛かんねん? そんな気がしないでもないんっすが、ま、修行の一環だと思って、諦めるしかありません。 ここから先は、わりと順調なペースで出てくるようになったので、特に問題はなかったし。 ということで、次。

マグロの刺身♪

 マグロの刺身。 山葵醤油で食べるのではなく、 「利休なんとか」 とか、そんな説明があったような? 利休掛け。 これっすな。 このサイト、つい最近、どこかでリンクを貼った覚えがあるんっすが、利休とはゴマ料理の名称です。 あ、それそれ。 刺身に胡麻ダレって、合うんか? …と思ったら、意外と悪くはなかったりしたんっすが、で、次。

足柄牛の照り焼き重♪

 真打ち登場、足柄牛の照り焼き重っ♪ 美味いっ! 文句なしに美味いっ! 足柄牛は照り焼かれているのではなく、別添えの照り焼きのタレ、もしくは、お好みによって塩(?)だか、山葵だかで食べるというシステムなんっすが、この照り焼きのタレが、めっちゃ美味いっ! ぶっちゃけ、肉抜きで、タレだけ御飯に掛けて食べても、それだけでイケるやん! …みたいな。 ま、肉も柔らかくて普通に美味かったので、文句の付けようが無かったりするんっすが、ひとつ問題があるとすれば、クソ高い宿の朝食が無駄に豪華だったので、まだあまり腹が減っていなかったりして、何か、勿体ねぇ…。 で、その他、

茶碗蒸し&味噌汁♪

 茶碗蒸しと味噌汁も付きます。 ちなみに、この “ちっちゃい急須” みたいなヤツが照り焼きのタレ入れっす。 3つ並んでいるのが 、お好みで使う塩(?)だか、山葵だか。 こうして見ると、塩では無いっすな。 柚子胡椒と七味? ま、いずれにしろ、照り焼きのタレが最強過ぎるので、タレ+αで併用して使うことをオススメしますが、で、最後に

デザート♪

 フルーツのゼリー寄せ。 デザートが “果物をただ切っただけのヤツ” だったりするとガッカリなんっすが、ゼリーで寄せられているので、問題なし。 ということで、最初にちょっぴり放置されたこと以外には何の不満もなく、しかも、追加で注文したウーロン茶が218円とかだったりして、安っ! めっちゃ良心的やんけ! 定期的にメニューも変更されるみたいだし、こりゃ、リピートありやな…と。 んなことで、続いては、庭っす。  『庭園散策・入浴付き』 昼食プランとか言っても、所詮は旅館の庭やし、オマケみたいなもんやろ。 …と、あまり多くは期待していなかったんっすが、思いのほかに広くて、立派で、普通に800円くらい徴収されても、文句は言えないレベルでありました。詳しくは ここ 参照。 例えば園内を流れる清廉な水の流れ。 これは庭園のすぐ横を流れる 「須雲川」 から取り入れたもので、 『日本最古の水力発電』 として、伝えられております。 おお、マジか? で、ここ、旧岩崎家の別邸だったんっすな。 弥太郎かと思ったらそうではなくて、三菱第二代社長・岩崎彌之助だそうっす。 ここ 参照。 かつてはイギリス人建築家ジョサイア・コンドルの設計による洋館も母屋に隣接していたが、関東大震災により倒壊し、日本家屋だけが残ったという…って、マジすか? 桑名の 六華苑 には、イギリス人建築家ジョサイア・コンドルの設計による洋館があって、今でもきっちり残ってますぜ。 勝ったな。 そんな優越感に浸らずにはいられませんが、東海地震で倒壊しちゃわないか、ちょっと心配ではあるんっすけど。 で、 『悪魔が来りて笛を吹く』 。 いよいよ来週っすな。 六華苑でロケしたらしいっすぜ。 来年1月スタートのNHK大河ドラマ 『いだてん』 のロケもやってたみたいっすぜ。 とまあそんなこんなで、六華苑には負けちゃってるかも知れないけど、吉池旅館も、ま、頑張ってるみたいだし、そのお庭の写真を軽く紹介しておきますかね。


< 吉池旅館の庭園 (その1) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 まずは、手前のエリア。 池とか、清廉な水の流れとかがあって、素晴らしいっすな。 で、流れているのは水だけではなくて、(写真・いちばん下) 。 つくばい? 手水鉢? …とか思っていたら、これ、温泉だったんっすな。 こんなところから源泉が沸いているって、何だか、ワクワク♪ で、続いては、


< 吉池旅館の庭園 (その2) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 奥のほうのエリア。 こっちのほうにも池とか、清廉な水の流れとかがあったんっすが、紫陽花が綺麗でしたな。 んなことで、最後に温泉の部。 飯のほうにばかり気を取られて、風呂のほうはあまり事前に下調べせずに現地に向かったんっすが、入口から遠い、いちばん奥のほうにありました。 バスタオルと普通のタオルは風呂場にあるものだとばかり思っていたんっすが、ん? 見当たらん…。 もしかして、自分で用意しなければアカンのだとか? 大きな荷物は駅のコインロッカーに入れちゃったので、手元に無いがな…。 アカンがな…。 もしかして、フリチンのままで風呂に入らなアカンとか? ま、それは別に普通だからいいんっすが、移動の際とかはちゃんと前を隠さないと、どうにもこうにも落ち着かないんっすよね…。 露出狂の人とか、よく、堂々と露出しますよね。 僕には真似出来ん…。 ま、脱衣所から湯船の中まで、他の人の目にとまらないように、光速に近い早さで移動すれば、 “見られる被害” は最小限で済むかも知れませんが、風呂から出た後、身体を拭かずにベタベタのままパンツを穿くと、蒸れて雑菌が繁殖しちゃいそうだし、うーん…。 打ちひしがれて、脱力しながら脱衣所を出たところ、掃除のおばちゃんがいたので、ダメ元で 「ここってタオル、無いんっすかぁ?」 と泣きついてみることにしたんっすが、もしかしたら、タオルの代わりに雑巾を貸してくれるかも知れないし。 雑巾なんかで身体を拭いたら、雑菌が繁殖しちゃいそうな気もするんっすが、背に腹はかえられません。 背中は無理でも、腹くらいなら拭けますよね、小さな雑巾でも。 前を隠すだけなら、ミクロサイズでも必要十分だったりするし。 で、聞いてみた結果、 「あ、フロントにありますよぉ。」 と、あっさり種明かしをしてくれたんっすが、あ、そういうシステムだったんっすな。 なら、最初の受付の時に、そう言ってくれたらよかったのに。 フロントまで、遠いがな! で、また、フロントから風呂まで、戻らなアカンがな! ま、これも修行だと思って諦めるしかありませんが、フロントで風呂道具を借りて、再び風呂場へ。 ちなみにバスタオルは貸与で、小さいほうのタオルは持ち帰ってもいいと、そういうシステムでありました。

 で、肝心の温泉はというと、まずは内風呂。 温室みたいになっていて、明るくて、開放的で、エエやん♪ で、続いて露天風呂のほうへ行ってみようと思ったら、ん? もしかして、ここの風呂って、これだけとか? もっとよく探せばあるかも知れないと思って、頑張って探してみたら、おお、こんなところに何やら、秘密の入口のようなものが。 で、中に入ってみたら、狭い洞窟みたいなのがあるだけで、うーん…。 やっぱり、この旅館の風呂って、これだけっぽいっすなぁ…。 最初から露天風呂がないと分かっていれば諦めも付くんっすが、普通にあるものだと思い込んでいたので、ちょっとガックリ。 …とか思っていたら、普通にありました。 えーと、 ここ 参照。 男性露天風呂には洗い場がございません。男性露天風呂と男性大浴場は離れておりご移動の際は衣服を着てお移り頂いております。 そういうシステムだったんっすな。 ちょっと面倒…。 他の人の目にとまらないように、光速に近い早さで移動すれば、大丈夫かも知れませんが、途中でコケたりしたら終わりだし、最低限、パンツくらいは穿いて移動するのが得策ではなかろうかと。 ちなみに露天風呂のほうも、思ってたほど広くはなくて、うーん、まあまあ? 自家源泉でワクワクらしいんっすが、無色無臭であまり特徴がないし、うーん、そこそこ? 風呂に関しては、他の日帰り専用施設とかのほうが充実しているっぽいんっすが、飯は高級っぽくて美味かったし、庭に関しては唯一無二だし、で、その後、大広間みたいなところでゴロッと横になって休憩することも出来るし、トータルで言うと、ここを選んで、正解やったな…と。 とまあそんなこんなで、今回の箱根の旅は、ほぼ、おしまい。 オマケとして、最後に


< 小田原城だじょー > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 小田原城に寄ってみることにしました。 駅から歩いて10分くらいと、手頃な散策コース。 で、今の時期、紫陽花と花菖蒲のコラボが、なかなか見事でありました。 んなことで、最後の晩飯。 小田原駅の近くの ここ を押さえてみました。 小田原で、何も、大阪名物を食わんでも…。 そんな気がしないでもないんっすが、他に予約出来るところもなかったし、ま、いっかぁ…と。 今回、会社の金でクソ高い宿に泊まったんっすが、2日とも揚げ物は出なかったので、結果オーライではありましたな。 17時という早い時間なので、他に客は2組くらいしかいなくて、予約無しでも楽勝なんっすが、僕の場合、予約 = 一人で店に入る勇気を補完するもの。 そういう位置づけだったりするんっすよね。 串カツは揚げるのに時間が掛かるので、まずは “とりあえずの一品” を頼むといい。 そんなクチコミを見たことがあるような気がするので、とりあえず、えーと、オフィシャルサイトは こちら っすか。 メニューは ここ 。 とりあえずマカロニサラダとレモンサワーを頼んで、後は串カツを適当に。 レンコン、ハムカツ、とうもろこし、チーズ。 そんなところでしたかね? どれもカラッと揚がっていて、熱々で、美味ちい♪ で、追加で海老と、紅しょうが。 紅しょうが、意外とイケる。 そんな噂を小耳に挟んだことがあるような気がするので、最後はこれで、さっぱりと締めよう。 そんな算段だったんっすが、これがちょっと失敗でした。 いや、紅しょうがの串カツそのものには、何の問題も無かったんっすが、1串に3切れ、スライス状の紅しょうがが刺さっているんっすよね。 ソースの入った容器はかなり小ぶりで、ドボンと漬けても最初の1切れ分にしか付着しません。 ソース二度漬け禁止! …らしいし、残った2切れ、どうすればエエねん? 酔った頭でしばらく悩んでいたんっすが、ふとテーブルの上に目をやると、容器に入ったソースがあるやん! これを掛ければエエやん! で、ドバドバと大量に掛けてしまってから、気付きました。 激辛ソースって、書いてあるやん! で、実際のところ、 激辛でした。 アヘアヘ…。 紅しょうがそのものも、けっこうピリピリするし、うーん…。 慌てて、お口直しで、2本追加。 と…、とにかく、甘そうなヤツを。 玉ネギと、最初に食って美味しかった、とうもろこし。 それで口の中のアヘアヘも何とかなって、でもって、おしまい。 外に出ると、ちょっと強めの雨が降っておりました。 傘は小田原駅のコインロッカーの中に入れちゃったので、手元に無いがな…。 アカンがな…。 濡れながら駅まで走ったのも、激辛ソースがアヘアヘだったのも、今となってはいい思い出のような気がしないでもなくて、とまあそんなこんなで、楽しかった箱根の旅は、おしまい☆

 でもって、今日はハンプトン・ホーズっす。 日本では 「ウマさん」 の愛称で親しまれ、わりと人気もあったりするんっすが、馬は “ホース” やがな。 そんな気がしないでもありません。 ホーズは、1952年から1954年にかけて、米国陸軍の一員として軍務で日本に駐留した。この時期の日本は、戦後占領期の間にビバップを受容し、日本人演奏家によるモダン・ジャズが定着しつつあった。 日本に滞在中、ホーズは飛び入りで演奏に参加するなどして、植木等や穐吉敏子などといった日本人ジャズメンとしばしば交流し、ジャム・セッションなどを行った。 当時、ホーズと親しく接した日本人たちは、ホーズの姓を曲解してか、「馬 (ウマ) さん」 の愛称でホーズを呼んでいた。 そう、Wikipedia にも書かれております。 なるほど、曲解っすか。 ひねくれてますな。 で、この人のピアノのスタイルというのは、アレっすよね。 いわゆる、パウエル直系のハードバッパーとはちょっと毛色が違って、少なくともファンキー系ではないな…と。 アーシーでもないし、イッシーでもないし、あ、先日、会社の旅行で九州のほうに行ったんっすよね。 バスガイドのおばさんが池田湖のイッシーがどうのこうのと言っておりましたが、屈斜路湖のクッシーが屈指の出来であるのに比べ、イッシーのほうは二番煎じな感じが拭えないな…と。 そんな気がしないでもありません。 いや、どっちが元祖なのかは知りませんが、勝手にパチモン呼ばわりされたりして、イッシーくんとしては、一矢報いたい。 そんなふうに思っているかも知れません。 で、ハンプトン・ホーズ = ブルースの名手。 そんな印象が強かったりするんっすが、泥臭くない、ドライで乾いた彼のブルースは、都会派アーバンな僕の趣向にもぴったりマッチしていて、エエやん♪ そんなふうに高く評価していたりするんっすが、60年代に入ると、ちょっぴり作風が変わったりしますよね? このアルバム で、強くソレを感じた次第でありますが、いや、劣化したとか、堕落したとか言うのではなく、ちょっとイメージが変わっちゃったけど、これはこれで、エエやん♪ …と。 読み返してみても、あまり大したことは書かれていなかったので、どこがどのようにチェンジしたのか、その実態をつかみにくいかとは思いますが、簡単に言うと、クールで知的になったな…と。 モーダルな新主流派に、ちょっぴり影響を受けちゃったかな? …みたいな。

 んなことで、今日は 『スパニッシュ・ステップス』 というアルバムを取り上げてみたいと思うんっすが、1968年の録音なので、イメチェン後。 3月10日って、僕が生まれる一週間ちょっと前の話なので、仲間やん♪ …みたいな意識が芽生えて、思わず依怙贔屓したくなっちゃうんっすが、何でもいいけど依怙贔屓の “依怙” って、ちょっぴり “蝦蛄” に似ておりますな。 贔屓のほうは、貝まるけの感じだったりするし、魚貝類や甲殻類があまり好きではない僕としては、依怙贔屓はよくない。 そう、声を大にして言いたくなっちゃいますが、それはそうと、このアルバムの日本語ライナーで、原田和典クンがなかなか面白いことを書いているので、ちょっと引用させて頂くと。

第1期 (1951〜59) パーカーのサックス・プレイをそのまま鍵盤におきかえたかのような歯切れ良く痛快なアプローチを展開。 アップ・テンポの曲はもちろん、ブルース・ナンバーにも天下一品のノリを示す。

第2期 (1964〜71) ドラッグ療養を経て、シーンに復帰。 ホーズ自身はインタビューでビル・エバンスからの刺激を受けたことを語っているが、ほかにもマッコイ・タイナーやハービー・ハンコックらのプレイをチェックしていたことは間違いないのではと思う。 使用するハーモニーの幅が広がり、バラード解釈にも大きな魅力を発揮し始めた。

第3期 (1972〜74) 糟糠の妻ジャクリーンと別れ、ジョシー・ブラックと交際。 彼女の好みを受けてファンク〜ロック的なサウンドに取り組み、コスチュームもスーツからジーンズ系に。 髪型はアフロ・ヘアへと変化し、アコースティック・ピアノよりもエレクトリック・キーボードを重視した。

第4期 (1975〜77) ジョシーと破局し、再びアコースティック・ピアノを重視した純ジャズ路線に。 何か達観したかのようなタッチとハーモニー、限りない深みを感じさせるバラード・プレイがひたすら感動を運ぶ。

おお、めっちゃ的確で、わかりやすい! で、第3期があまりにも黒歴史過ぎぃ…。 ジョシー・ブラックというのが、とてつもなくブラック女子であった模様でありますが、髪型はアフロ・ヘアへと変化し。 これは、ハービー・ハンコックも掛かっちゃった “病気” でありますな。 ハービーの場合は、オンナ絡みでなく、枕元に大日如来が立ったとか、そっち系の話だったと思うんっすけど。 で、本題に戻って 『スパニッシュ・ステップス』 。 先ほどの分類で言うと、第2期に当たりますな。 タイトルから、エバンス、マッコイ、ハービー以外に、チック・コリアも入ってるんじゃね? …というのを予感させたりするんっすが、ジミー・ウッドのベース、アート・テイラーのドラムスと組んだ、オーソドックスなトリオ編成。 ホーズくんは無論、生ピアノに専念しております。 ジャケットを見る限り、髪型のほうも、小ざっぱり。 これは期待していいんじゃね? そんな予感が半端なかったりするんっすが、ということで、1曲目。  「ブルース・イナフ」 。 ホーズのオリジナルっす。 5曲目まですべて自作で固めて、ヤル気が感じられまくりだったりするんっすが、で、これはアレっすな。 ブルースっす。 十分にブルースっす。 50年代のソレを彷彿させる 「歯切れ良く痛快なアプローチ」 は、ブルース・ナンバーにも天下一品のノリを示していて、あ、こりゃ、間違いなくホーズやな…と。 アート・テイラーのタイコが珍しく、ちょっと耳障りだったりする場面もあるんっすが、テイラー、テラやかましい…。 そう、文句を言いたくなるようなレベルではなく、終盤、黙ってしまってピアノの無伴奏ソロになるシーンもあったりして、とまあそんなこんなで、おしまい。 ぶっちゃけ、特筆すべき何かがあるというワケではないんっすが、ま、悪くはなかったな…と。

 で、次。 「ソノーラ」 。 心震わす美メロ・ワルツ 「ソノーラ」 をフィーチャーした人気盤が遂にオリジナル・デザイン&フォーマットでの世界初CD化! そんなふうに書かれていたので、めっちゃ期待度が上がってしまったんっすが、その上がったハードルを易々と飛び越えてしまう、素晴らしい “美メロ” でありますな、こりゃ。 今井メロも、メロメロ。 まず何と言ってもホウズのオリジナルでエヴァンスの 「ワルツ・フォー・デビー」 と並び称されるワルツの名曲 「ソノーラ」 。名手ジミー・ウッディのベースとアート・テイラーのドラムを従えミディアム・テンポで奏でられるこのロマンティックなヴァージョンは正に不朽の名演といってもいいだろう。 そこまで絶賛されちゃっているんっすが、どこでなのかというと、 ここ 。 永遠のジャズリスナー5歳児にとってはやはり 「ソノーラ」 に尽きるんですよねェ〜。 そんなカスタムレビューもあります。 何で5歳児なんや? 3歳児ではアカンのか? 3歳児では、山菜みたいやからか? 今ひとつ、その意図が読み取れないんっすが、とにかく 「ソノーラ」 が完璧過ぎて、すっかり心震わされてしまったので、これ以降の曲は別に、どうでもいいやぁ。 …そんな気分になっちゃいましたが、とりあえず、次。  「ブラック・フォレスト」 。 「黒い森」 っすな。 まっくら森は〜、不思議なところ〜、朝からずっと、まっくら クライ クライ♪ 名曲っすよね。 “日本・森歌謡” の中では、熱田神宮会館のやつに匹敵する出来の良さなんじゃね? そんな気がするんっすが、優しいぃぃぃ〜、森にはぁぁぁ〜、神話がぁぁぁ〜、生きてるぅぅぅ〜♪ これ っすな。 で、このホーズの 「黒い森」 も、日本の森に負けない美メロだったりするんっすが、まるで歌物スタンダードのような美しい旋律を持ったアレでありますな。 戦慄するほどではないんっすが、ホーズくん、作曲家としての腕前も、イケるやん♪ で、無論、ピアノを弾かせても、やるやん♪ ベースの人と、タイコの人も、適度に絡んできて、いい感じにインタープレイだし、50年代ホーズっぽいフレーズが聞けたりもするし、で、ベースの人と、ドラムスの人のソロもフィーチャーされておりますな。 まさにトリオであるな感が半端なかったりして、でもって、テーマに戻って、おしまい。 エエやん♪

 で、次。 「デンジャラス」 。 個人的には、デンジャラスよりも、 「ドンジャラ」 のほうが、いいんじゃね? そんな気がしないでもないんっすが、いろいろとググっていたら、 こんな商品 が。 おお! チロルの色んな味が袋に入ったヤツを買うと、同じ種類を3個ずつ集めたくなっちゃう人間を心理を巧みに突いた、素晴らしいアイデア商品やんけ! ていうか、本物でやればいいんじゃね? そんな気がしないでもないんっすが、今の時期、 “牌” が解けて、グニャッとなっちゃいそうだし。 で、ホーズくんの 「デンジャラス」 はというと、超アップ・テンポの快活なナンバーでありまして、鍵盤の上で飛び跳ねまくる指の動きを、存分に堪能することが出来るな…と。 で、次。 「スパニッシュ・ステップス」 。 アルバム・タイトル曲でありますな。 ということは、作った本人、もしくはプロデューサーは、 「ソノーラ」 よりも、こっちのほうがイケるやん! …という自信があったものと思われますが、いいっすよね、スパニッシュ。 僕の通っていた高校にも何人かスペイン人教師がいて、黒板に 「スパニッシュ・ゴー・ホーム!」 と落書きされていたりしましたが、主に英語とか、キリスト教倫理とかの担当だったんっすけどね。 スペイン人なので、英語が変に訛っていたりするし、日本語も堪能ではないし、メリット、無いやんけ! …な状況だったんっすが、で、曲のほうはというと、確かにちょっぴりスパニッシュな感じがしなくもなくて、悪くはないな…と。 が、日本人にはやっぱり、 「ソノーラ」 のほうが胸に染みるものがあって、タイトルを担うには、ちょっぴり力不足? そんな気がしないでもありません。

 で、ラスト。 「マイ・ロマンス」 。 最後に歌物を持って来ましたか。 バラード解釈にも大きな魅力を発揮し始めた…な、第2期なので、期待が持たれるところなんっすが、普通にロマンスっすな。 栗っすな。 いや、それはロマンスではなくて、マロンっすな。 途中からバラードというより、ミディアムな感じに転じるんっすが、エバンスの影響を色濃く感じさせる作風だったりして、とまあそんなこんなで、おしまい。

【総合評価】 で、この後、CDだとオマケが5曲も入っていたりします。 うち、2つは別テイクなんっすが、そうでもないのもあって、とっても得した気分♪ が、アルバムとしては、元の6曲で完結しちゃってる感が半端ないので、ちょっぴり蛇足かな? …という気も。 で、収録曲ではやはり、 「ソノーラ」 の出来が群を抜いて抜群なんっすが、それ以外も、いわゆる “ハズレ” がなくて、当たり前のように “アタリ” を連発するホーズって、やっぱ凄いな…と。 48歳でお亡くなりになってしまったホーズくんなんっすが、晩年の達観したバラードも聞いてみたいし、恐いもの見たさで、アフロな第3期も覗いてみたいような気がするし、で、第2期の代表作であると断言してもいいような気がする、これ、超オススメ☆


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