WISHBONE (MAINSTREAM)

REGGIE MOORE (1971)

WISHBONE


【パーソネル】

REGGIE MOORE (p) HANK HAYNIE (b) CHIP LYLES (ds)
【収録曲】

(01-02) WISHBORN / WHAT ARE YOU DOING THE REST OF YOUR LIFE
(03-05) FUZZY / PINOCCHIO / VONETTA
(06-07) HAVE MERCY / A LOVE REMEMBERED
【解説】 ( 2018年07月29日更新 / 連載 1,310回 )

 会社の旅行で九州に行ってきました。 3泊4日だったんっすが、ぶっちゃけ、アホかと言いたくなるような行程が組まれていたので、このレポートも恐らく、2回シリーズですっかり片付いてしまうのではなかろうかと。 何がアホって、1日目が博多、2日目がハウステンボス。 ま、ここまではいいとして、3日目の宿が、指宿って…。 3日目の宿が 「蟹すき」 だったりしても、蟹が好きではない僕としては、あまり嬉しくはなかったりするんっすが、指宿というのも、ちょっと…。 何がアカンって、遠過ぎぃ! その一言に尽きるんっすが、どのへんなのかと思ったら、 このへん 。 ほぼ、九州の南の果てやんけ! 佐多岬よりはちょっとだけマシというレベルやんけ! しかも、池田湖があるやんけ! イッシー が出るところっすよね。 個人的に、超常現象の中では “UMA” というのが、いちばんアレやな。 そんなふうに思ってしまうんっすが、 “UMA(うま)” とか、競馬場に行けば、いくらでも走ってるやんけ! 珍しくも何ともないっすよね。 やっぱ、心霊写真っすよね。 これ とか。 少年の両手が消えた!? おお、シャツがめっちゃ “YMCA” やん! …というところに、まず目が行ってしまうんっすが、で、あとは、えーと、少年の両手が消えているようにも見えますな。 何か、めっちゃ不自然。 こういう、写っていない系ではなくて、もっと幽霊がはっきり写っている心霊写真を出さんかい! そう、言いたくなっちゃうんっすが、んじゃ、リクエストにお応えして。 集合写真にだれも知らない子が…。 おお、めっちゃ写ってるやんけ! 元画像には顔も出ていましたが、実際にそこにいたように写っていました。 …って、用務員のオバサンが、そこにおっただけとちゃうんけ? そんなふうに思ってしまった君は、とても心が汚れちまってますなぁ。 僕なんか、心がとってもピュアなので、犬の加工、やめろ! JSの素顔、ちゃんと見せろ! そんなふうにしか思わなかったりするんっすが、そういえば用務員のオバサンだけ、犬の顔になってませんよね。 生体として認識されなかったとしか思えなくて、となると、やっぱり、本物!?

 とまあそれはそうと、指宿、遠過ぎぃ…。 その結果、どのような弊害が発生したのかというと、3日目、ハウステンボスをかなり早く出発したのに、途中、観光らしいものと言えば、絶賛工事中の熊本城を下のほうから眺めて、その近くでお土産を買って、昼飯を食っただけ。 バス移動だけで、ほぼ1日が潰れてしまいました。 で、最終日は鹿児島の 「西郷どん」 大河ドラマ館 という、超絶どうでもいいところに寄っただけ。 実質、最初の2日間だけやな。 「旅のしおり」 が配布された時点で、そのように悟った次第でありますが、とまあそんなことで、初日の博多編。 夜の宴会まで、終日フリーというプランだったんっすが、三重の僻地に住んでいる社員に配慮したのか、名古屋駅10時50分発の新幹線で博多に向かうという、出遅れ必至な行程が災いして、ホテルに到着したのは14時半頃でありました。 しかも、博多の駅前とか天神とかではなくて、 ヒルトン福岡シーホーク 。 めっちゃ高級でクソ高そうなところに、会社の金で泊めて貰えるのは嬉しいんっすが、 “シーサイドももち” って、場所が微妙過ぎぃ…。 何とも半端な時間にこんなところに連れて来られて、限られた時間で、一体どこで何を、どうしろと? いきなり 「フリーやで」 と言われても、フリチンでその辺を歩き回るわけにもいかないし、うーん…。 が、よくよく調べてみると、フリチンはともかく、海パン一丁でウロウロしていても、さほど不審に思われないところが近くにあることが判明しました。 ほれ。 海っぴビーチ♪ ネーミングのセンスはちょっとアレなんっすが、とれとれピチピチ、カニ料理〜♪ そんな歌を口ずさみながらビーチを散策するというのも、悪くないかも? ま、個人的にカニ料理はそれほど好きではないし、カニは “とれとれ” でも、 “ピチピチ” は、せんやろ? そう、キダ・タローを問いただしたくなっちゃいますが、 『かに道楽』 のコマーシャルっすよね。 道楽じゃなくて、仕事として、カニを料理せんかい! そう、文句を言いたくもなるし、でもまあ、カニ料理はそれほど好きではないから、それほど熱くなる程のことでもないな…と。 とまあ、そんなことで、


< シーサイドももち海浜公園 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 とりあえず、ホテルの部屋から1枚。 20何階かだったかと思いますが、景色は群を抜いて抜群でありますな。 今回の旅行を立案した人が、とりあえずこのホテルに泊まってみたい。 そんなふうに考えてしまったのも、納得のレベル。 ちなみに、右に見えている丸いのはヤフオクドームっすな。 で、外に出て、百道浜を散策。 百道 = ももち。 こういう漢字だったんっすな。 「百恵 = ももえ」 なので、読めなくもない気がしないでもありません。 “ももみち” だとちょっぴり “速水もこみち” になって、水の流れが速くなっちゃいそうだし。 おきに流されたりしたら、後鳥羽上皇っすからね。 で、今回、写真には撮らなかったんっすが、ビーチにはピチピチなJCの集団とかもいたりして、悪くはありませんな。 このまま夜の宴会の時間まで、観察を続けてもいいかな? そんな気もしたんっすが、 (写真・ちょうど真ん中) に写っている洋風のお城みたいな建物。 ここのところから船が出ているらしいんっすよね。 ほれ 。 おお、海の中道。 これまたちょっぴり “速水もこみち” なんっすが、前々から一度、行ってみたいと思ってたんっすよね。 花とか綺麗に咲いているみたいで、写真を撮るにはよさそうかな? …と。 陸続きなので、 ここ参照 で、鉄道でもアクセスが可能なんっすが、博多からだとグルッと遠回りしなければならなくて、船のほうが最短距離で行けて、便利そうやな…と。 行くなら、船やな…と。 かねてからそんなふうに考えていたんっすが、今回、お泊まり先のすぐ近くからその船が出ていることが発覚して、これはもう、行くしかないな…と。 マリゾン15時30分発で、15時50分に到着。 2時間散策して、18時00発の船に乗れば、18時20分には港に帰ってこられるので、19時からの宴会には間に合うな! …と。 んなことで、行ってみました。


< 海の中道海浜公園 (その1) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 ということで、着きました。 結論から先に言ってしまうと、思ってたよりも、めっちゃ広いやんけ! で、思ってたほど、花が咲いてないやんけ! 時期が悪かったのか、あるいは、花がめっちゃ咲いているエリアにまでたどり着けなかったのか。 えーと、園内は こんな感じ 。 こっち側の博多湾だけではなく、あっちのほうの玄界灘も見てみたいな。 玄界灘と言えば、 段田男のデビュー作 やもんな。 見ないという手はないよな。 そんなふうに思っていたんっすが、玄界灘に至る遙か手前で、体力の限界だな。 そんな境地に達しました。 先ほどの場内マップで言うと、右下の 「港レストハウス」 というところ。 ここに船が着いて、で、 (写真・上から2番目) のマリンワールドを横目に、 「西口」 というところから公園の中に入ろうと思ったら、思った以上にクソ遠いやんけ! …という事実が事実が発覚して、で、その手前に 「ワンダーワールド口」 というのがあって、あ、 “わんだーわーるどろ” ではなくて、 “わんだーわーるど・口 (ぐち) ” 。 ワンダーワールドって、何か、 “めっちゃお子様向けっぽい感” が半端なかったんっすが、もう、こっちの “口” で、エエかぁ…と。 で、入ってみたら案の定、 “くじらぐも・ふわんポリン” とか、“こどものとりで” とか、 “ちびっこ広場” とか、 “じゃぶじゃぶ池” とか、こりゃ、子供を連れていない単独の大人が来るところではないな…と。 こんなところを子供を連れていない単独の大人がウロウロしていたら、不審者に間違えられるな…と。 さっさと “サンシャインプール” に移動して、外から水遊びをしている幼女を眺めるのが得策であるな…と。 が、その様子をパシャパシャとカメラで撮ったりすると、不審者に間違えられる恐れがあるので、撮影のほうは無難に、お花だとか、池だとかに留めておいて、で、続いて、


< 海の中道海浜公園 (その2) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 “スカイシェルター” のほうへ行ってみることにしました。 何かと思ったら、日陰の休憩所なんっすな。 少し高台になっていて、そこから見下ろす、とってもヨーロピアンなガーデンが、なかなかでありました。 その後、ワクワクしながら “ワクワク池” を横断して、でもって、本日の散策は、おしまい。 これだけでも十分に歩き疲れたんっすが、こうして振り返ってみると、公園全体の30%くらいしか制覇していない感じっすかね? ま、端っこのほうは、単なる “未開の地” っぽかったりするんっすが、水族館の中も見て、幼女観察にも本腰を入れて…ということになると、余裕で1日は時間を潰せそうな? 今回は時間がなくて、ほんのサワリだけになっちゃったんっすが、とまあそんなことで、港のほうに戻ってみると、(写真・下から2番目) 。 椰子の木の影が横に長く伸びて、いい感じに黄昏れて来ましたなぁ。 ま、実際はここまでいい感じに黄昏れてはいなかったんっすが、写真だと、何とでもソレっぽく見せられるよな…と。 帰りの船から撮った (写真・いちばん下) も、同様。 この日の “日の没する時間” は19時30分頃だったかと思うんっすが、ベストの夕暮れを眺めるには、1時間早い感じでありましたな。 ももち浜からも、めっちゃ綺麗な夕日が撮れそうな予感だったんっすが、宴会が19時開始なので、泣く泣く海を後にして、でもって、1日目のフリータイムは、おしまい。 ちなみに、宴会の会場はヒルトン福岡シーホークの 「アルゴス」 というところ。 結婚式ではないので、こんなに薔薇は飾られてなかったし、もっと地味な装いだったんっすが、ちなみにここ、福岡ソフトバンクホークスが優勝した暁には、祝賀会か何かが開かれるんだそうですぜ。 ま、今年は無理っぽい気配が濃厚なんっすが、とりあえず、奮発したな! …と。 10年前の北海道旅行の時は、洞爺湖サミットの会場だった このホテル だったりしたし。

 で、出された料理のほうも、奮発したな! そう言いたいところなんっすが、ぶっちゃけ、微妙やったな…と。 バイキングというか、ビュッフェというか、ま、それなりやな…と。 握り寿司をしこたまガメているオッサンがいたので、自分も! …と思って取りに行ったら、マグロもサーモンもイカもタマゴもネタ切れで、新たな補充もなく、いなり寿司 (3個) しか成果が得られなかったのは、ちょっとアレなんっすけど。 会社の人がケチったとかと言うと、決してそんなことはなく、余計なところで奮発していたことが明らかになったんっすが、食い物がだいたい出払ったのを見計らって、スペシャルゲストが登場! 何か、よく知らんマジシャンの人でありました。 まあまあそこそこ盛り上がって、で、便所に行って、戻って来たら、沢田研二の 「勝手にしやがれ」 が聞こえてきました。 一瞬、会場を間違えたのかと思ったんっすが、ん? いつの間にか、カラオケ大会が始まったとか? 人が便所に行ってる間に、何、勝手に 「勝手にしやがれ」 を熱唱してくれてるねん! 僕が歌える数少ないレパートリーのひとつやのに! 憤慨しながら自分の席に戻って、そこでようやく事態が把握出来ました。 まさかの、特別ゲスト(2人目)やったんか! 東京から来たものまね芸人なんだそうで、自称 “ものまね四天王” の次の世代なんだとか。 そこそこ有名な人だったのかも知れませんが、観客の反応は今ひとつだったりして、半分、切れてましたな。 そういう芸風なのかも知れませんが、それが何とも痛々しくて、早く終わらないかなぁ…。 そんな微妙な空気が漂う中、何とか最後の1曲を歌い終わって、拍手、拍手、ぱちぱちぱちぱち。 いやあ、よかった。 終わった、終わった。 ほっとしたのも束の間、司会進行のお姉さんが、「皆様、これで終了して、よろしかったでしょうか?」 暗に促されて、どこからともかく、 「アンコール!アンコール!」 という、自棄気味のコールが。 芸人、再登場。 いよぉ、待ってました! 「普通、アンコールというのは、司会の人に言われる前に、自主的にやるものだと思うんっすけど?」 またしても “キレ芸” を披露して、場の空気を微妙なものにして、それでも最後は元気に、西城秀樹の 「ヤングマン」 。 皆さん、歌と振り付け、ご一緒に! 素晴らしい、YMCA〜、YMCA〜♪ そこそこ盛り上がって、これで心霊写真の “両手が消えた少年” も、きっと成仏したのではなかろうかと。 んなことで、九州旅行の1日目は、おしまい♪

 ということで、今日はレジー・ムーアっす。 誰? …と、本題に入る前に、いやあ、台風でしたなぁ。 いや、これを書いている7月28日21時26分現在、まだ、こっちに近づきつつある最中だったりするんっすが、このままだと夜中に三重県に上陸するっぽい? 少し前の予想では、鈴鹿と津の間の江戸橋あたりに来そうな感じだったんっすが、少し南に逸れて、伊勢とか鳥羽のほうになったっぽい? ホントに来るんか? …というくらい、桑名では雨も風も今のところ、さっぱりだったりするんっすが、 今日開催する予定だった花火大会は早々と延期が決まっちゃいました。 月曜日にやるっぽいので、天気が回復してくれるといいな…と。 到着予定時刻もどんどん遅くなってる気がするし、迷惑な台風でありますなぁ…。 とは言え、来てしまった以上は、被害が出ない程度に、仕事に呼び出されない程度に、そこそこ強い雨が降ったり、ビュービュー風が吹いたりしてくれないと、何だか物足りん…。 とか言ってるうちに、次の日の朝になりました。 台風は伊勢の辺りに上陸したっぽいっすな。 少し逸れたからか、桑名の辺りはそこそこ強い雨が降ったり、ビュービュー風が吹いたりしたくらいで、被害はなかった模様っす。 この分だと、月曜日の花火大会は大丈夫っぽい? 平日なら人も減って、ゆっくりと見られて、かえって好都合だったりするかも知れませんが、とまあそんなこんなで、レジー・ムーアっす。 誰? …と聞かれても、僕にもよく分かりません。 何となく、スーパーのレジとかで、ムアーっとしていそう。 そんなイメージしかなかったりするんっすが、杉田宏樹クンが書いたライナーノートによると、マニアックな興味を刺激するピアニストである…と。 1938年ニューヨーク生まれ。 学生時代はホレス・シルバー、ビル・エバンス、ハービー・ハンコック、マッコイ・タイナー、チック・コリアといったあたりのピアニストを愛聴していたそうっすが、何というか、王道をゆくというか、ミーハー趣味というか。 その後、プロとしてデビューしたものの、表舞台に立つことなく、地味に日々を過ごして、今日に至る…と。 いや、まだ生きているのかどうか、サダカではないんっすが、もしご存命だとすれば、今年で80歳でありますな。 傘寿っすか? 「傘」 の略字が八と十を重ねた形になり、八十と読めることに由来しています…と。 米寿まで、あと8年。 米寿のお祝いは、ベージュのパンツがいいな♪ …と、心待ちにしているのではないかと思われますが、いや、まだ生きているのかどうか、サダカではないんっすけど。 で、今日はそんなムーア君の 『ウィッシュボーン』 というアルバムを取り上げてみたいと思います。 1971年の録音で、彼の初リーダー作なんだそうっすが、70年代物らしく、ジャケットのボーン君の頭は、めっちゃアフロ。 太い黒縁眼鏡がトレードマークで、何となく、人がよさそうな顔をしておりますな。 マッコイ・タイナーとは、対極。 ピアニストとしての実力の程は、現時点ではまったくの未知数なんっすが、とまあそんなことで、とりあえず演奏を聞いてみることにしましょうかぁ。

 まずは、アルバム・タイトル曲の 「ウィシュボーン」 。 その昔、歯と骨を丈夫にする “ハボーン” という薬物があった気がするんっすが、ウィッシュボーン。 う…、異臭、ボーン! ガス爆発か、何かっすかね? 気付いた時は既に手遅れみたいな。 と思ったら、杉田クンの日本語ライナーに解説がありました。 「ウィッシュボーン」 はサラダドレッシングの名前に由来する、アップテンポで生命力が漲ったナンバー。 そういうアレなんだそうっす。 えーと、 これ っすか。 サラダドレッシング、関係ないやん! ま、アップテンポで生命力が漲ったナンバーであるには違いないので、名前の由来は別に大した問題ではなかったりするんっすが、ブルースっぽいような、微ファンキーなような、鳥の鎖骨のような、ちょっと形容しがたい作風でありますな。 で、演奏のほうはというと、シンプルなトリオ編成で、ベースがハンク・ハイニー、ドラムスがリップ・ライルズ。 誰? …と聞かれても、僕にも分かりません。 テーマ 〜 ソロ 〜 テーマと、終始ピアノがリードする展開は、ジェットコースターのような爽快感に溢れる。 切れのいいシャープなドラムスが鋭いリズムを刻み、最後は全員がピタリと着地する。 そういったアレだったりして、とにかくまあ、派手派手なオープニングでありました。

 で、次。 「ホワット・アー・ユー・ドゥーイング・ザ・レスト・オブ・ユア・ライフ」 。 長ったらしい名前なんっすが、日本語ではシンプルに 「これからの人生」 。 ミシェル・ルグランが作曲した 69年の映画 『ハッピー・エンディング』 の主題歌。 ピアノ独奏でテーマを弾いた後に、トリオで再びテーマを奏で、最後までピアノ主導で進む。 定石通りのスロー・テンポなのだが、ムーアは所々でオリジナル・メロディの道から外れて、独自性を表現。 終盤には全員で盛り上がる場面も用意している。 そういったアレが展開されている模様っす。 オリジナル・メロディの道から外れて、独自性を表現…って、アドリブはジャズの本質なんじゃね? そう、思わずにはいられないし、終盤、マジに全員で盛り上がるんか? そう、心配になっちゃうほど、途中までは淡々とした、やや単調なバラード・プレイに終始しておりますな。 で、終盤、確かに全員で盛り上がる場面は、きっちり用意されていたんっすが、スロー・テンポで 8分21秒というのは、ちょっと長過ぎぃ…な気が。 と、ここで残念なお知らせが。 月曜日に延期された桑名の花火大会なんっすが、中止! …となりました。 ああん…。 台風の影響により打上げ場所である中州の状態が著しく悪く、現場の安全確保及び機材等の搬入・設営ができないため、うんぬん。 そこそこ強い雨が降ったり、ビュービュー風が吹いたりしたくらいかと思っていたんっすが、意外とアカンかったんっすな…。 これからの人生、何を楽しみに生きていけばいいんっすかね? とりあえず来週、石取祭でも見にいくかぁ…。

 気を取り直して、次。 「ファジー」 は趣を変えたR&B調のナンバー。 ファンキーなピアノ・プレイがノリノリで、エレクトリックベースがグルーヴィなサウンドに貢献。 ハイニーの二刀流によって、本トリオの多様な音楽性が可能になった好例だ。 そういったアレだったりしております。 二刀流って、生とエレキ、どっちのベースもイケるやん! そういう意味で言ってるんっすかね? ファンキーというより、ファンクな作風で、さすがは70年代物。 頭をアフロにしただけのことはあるな! …と。 ムーアくんがあまりにもノリノリ過ぎて、ベースがエレキなのか、なめたけがエノキなのか、誰も別に気にとめない気がしないでもなくて、でもって、次。 ウェイン・ショーターが60年代のマイルス・デイビス・クインテット在籍中に提供したナンバーが2曲続けて取り上げられるんっすが、まずは 「ピノキオ」 。 エレキ → エノキ → ピノキ、おおっ! オリジナルは 『ネフェルティティ』 に入っておりましたが、それよりも若干テンポを速めに設定して、休む間もなくピアノがエンディングまで駆け抜ける…な、と。 ライルズのドラムスがリーダーを鼓舞するシーンが聴き逃せない。 そんなふうにも書かれておりますが、終始、オラオラ! …煽っている感じで、どのシーンのことを言ってるのか、聴き逃しちゃったな…と。 で、続く 「ヴォネッタ」 は、 『ソーサラー』 の収録曲。 バラードで、しみじみと、地味っす。

 で、次。 「ハブ・マーシー」 。 ハブ・マーシーといえば、羽生善治と田代まさし。 あのマーシーが帰ってくる 。 ぜひ読んで見てね! …って、可愛いポーズで言ってんじゃねーよ! そんな気がしないでもないんっすが、協会で演奏した頃の雰囲気を蘇らせた、オリジナルのゴスペル・ナンバーでありますな。 ジョー・ザヴィヌルの 「マーシー・マーシー・マーシー」 も、めっちゃゴスペルなアレだったりするんっすが、そういう系なんでしょうな、マーシー。 慈悲、情け、容赦 (生殺与奪の権を握られている罪人などに対して罰しないで許そうとすること) 。 そんな意味があるんだそうで。 ここ に用例として、 “Have mercy!” というのも出て来ますが、後生だから! え、何それ? 「往生しまっせ〜」 みたいな決め台詞? で、曲と演奏はというと、オスカー・ピーターソンを想記させる演奏と曲調で、後半は同一パターンを繰り返しながら、エンディングに。 そのキメの着地点からは、当時のライブのラスト・ナンバーとして人気があったことを想像させる…な、と。 なるほど、これを最後に持ってくるワケでありますな。 で、アンコールの声が上がったら、最後は 「ヤングマン」 で締める…と。 ピーターソンというより、ジュニア・マンスなノリだったりして、70年代に、こういうのもアリかな? …と。

 で、アルバムのほうは、これでラストではなくて、もう1曲。 「ア・ラヴ・リメンバード」 。 ムーアの個人的な経験が曲名に反映されているとのこと。 …とのこのなんっすが、その個人的な経験というのが、どういうものなのかは分かりません。 リズミカルに弾むピアノ演奏からは、当時30代前半だったムーアの脂の乗った様子が伝わってくる。 そういうアレだったりするようなんっすが、リリカルなワルツ調のナンバーで、言うほど、脂ギトギトか? そんな気がしないでもなくて、とまあそんなこんなで、今日のところは以上っす。

【総合評価】 1曲目を聞いて、エエやん♪ そんなふうに思ってしまって、これは思わぬ “拾い物” だったりするかも? そんな期待が高まったんっすが、で、最後まで聞いた結果、うーん、まあまあ? 70年代物らしく、バラエティに富んだ演目が楽しめる造りだったりするんっすが、その分、やや散漫な印象もあったりして、でもまあ、マニアックな興味を刺激するピアニストであるのは確かだし、通ぶりたいオッサンとかには、ツーブリアーン♪


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