JASMINE (ECM)

KEITH JARRETT (2007/3/24,25)

JASMINE


【パーソネル】

KEITH JARRETT (p) CHARLIE HADEN (b)
【収録曲】

(01-03) FOR ALL WE KNOW / WHERE CAN I GO WITHOUT YOU / NO MOON AT ALL
(04-05) ONE DAY I'LL FLY AWAY / INTRO 〜 I'M GONNA LAUGH YOU RIGHT OUT OF MY LIFE
(06-08) BODY AND SOUL / GOODBYE / DON'T EVER LEAVE ME
【解説】 ( 2018年09月30日更新 / 連載 1,318回 )

 長崎に行ってきました。 仕事半分、遊び半分というか、仕事2割、遊び8割な感じだったんっすが、旅費は会社が出してくれるみたいなので、あまり贅沢は出来ないな…と。 経理のお姉さんに絶対、何か言われちゃいますもんね。 自腹を切って贅沢するに吝 (やぶさ) かではないんっすが、領収書の絡みがあるし、うーん…。 ということで、とりあえず往路は高速バスを利用することにしました。 前回 も書いたんっすが、 グラバー号 というヤツっす。 長崎市から最も遠くまで行く高速バスなんだそうっすが、所要時間は 11時間40分、走行キロは 904kmっすかぁ。 僕は終点より少し手前の長崎駅南口で降りる予定なので、それよりは少し短いかも知れませんが、大概でありますなぁ…。 誰がこんなもん、利用すんねん? …と思ったら、意外と若いギャルが多かったりしたんっすが、3列シート27人乗りで、18人くらいは乗っていたのではなかろうかと。 座席は指定出来ないんっすが、乗車券を見たら “1-A” という席で、おお、いちばん前やんけ。 ラッキー♪ すぐ目の前に冷蔵庫もあって、ジュース飲み放題やんけ♪ …と思ったら、野菜シュースしかなかったりして、いらん! 超絶、いらん! コーヒーとかお茶もあるみたいっすが、それらは車両の真ん中の辺りに用意されているようで、面倒なので、ま、いっかぁ…と。 で、すぐ隣の席は若いギャルでありました。 むさいオッサンとかよりは遙かにマシなんっすが、ただ、ちょっと緊張するなぁ…と。 いびき、歯ぎしりで、迷惑を掛けちゃうかも知れないし、夜中に 「ウケケッ!」 とか、変な寝言を発して、不気味がられるかも知れないし。 …とか思っていたら、「真ん中の席はちょっと狭いので。 窓際の席が空いているので、よかったら。」 そう、運転手から声を掛けられて、後ろのほうに移動していっちゃいました。 おお、これで、ウケケ放題やんけ♪ ま、 “1-C” の席も若いギャルなので、あまり夜中にウケケらないほうが賢明かとは思いますが、とまあそんなこんなで、出発〜。

 寝れるんか? …というのが最大の心配事だったんっすが、めっちゃ寝れました。 19時40分の出発だったんっすが、21時頃から爆睡していたような? 途中、兵庫県の何とかというところで休憩があって、目が覚めたんっすが、その後も、ぐっすりとお休みになられました。 夜中は座席の横にプライベートカーテンというのが吊されるんっすが、いや、これはいいっすな。 ちょっぴり閉塞感はあるんっすが、周囲から遮断されて、自分の世界に浸ることが出来ます。 が、あまりにも早くから寝過ぎたのが災いしたのか、夜中の3時くらいに目が覚めてしまって、それから、あまり眠れなくなってもうたやんけ…。 そもそも、この “1-A” という席、目の前が冷蔵庫なのが災いして、あまり足を伸ばせないような気がしないでもなくて、だいたいからして、足が長過ぎだったりしますからね、僕って。 短足に生まれればよかった…。 そう、嘆息しているうちに夜が開けて、とまあそんなこんなで、長崎に到着〜。 途中、ちょっと遅れ気味みたいな話があったんっすが、運転手さんが頑張ってくれて、ほぼ定刻でありました。 お疲れ様っす! で、この日は朝から工場検査。 僕一人で行くつもりだったんっすが、除塵機屋さんの名古屋支店の所長が一緒に行ってくれることになって、長崎駅まで車で迎えに来てくれました。 気さくなオッサンなので、気が楽なんっすが、いいっすよね、気さく。 これがもし、与作なオッサンだったりしたら、一緒に木を切らなければならなかったりするし、遺作なオッサンだったら、これが最後の仕事ということになっちゃうし。

 とまあそんなこんなで、工場検査、開始〜。 今回、お客さん = 役所の担当者は同行しないことになったので、とっても気が楽なんっすが、ただ、事前に配布されたスケジュールによると、朝の9時から夕方の5時まで、予定がぎっしり。 あ、こりゃ、この日のうちには帰れないな。 会社のお金でホテルにお泊まり、やむを得ないな…と。 ま、昼の12時に終わるスケジュールだったとしても、その日のうちに帰る気は、さらさら無かったんっすが、で、この検査というのが、思いのほかにサクサクと進んでしまって、昼の12時には終わってまったやないけ! …と。 お昼は、除塵機屋さんの工場の人が、弁当を用意してくれるんやろな。 僕は、除塵機屋さんの工場の人からすると、 “お客さん” な立場だったりするので、そこそこ豪華な弁当やろな。 楽しみ♪ …と、乞食根性で、めっちゃ期待してたのに、当てが外れたやんけ! あ、でも、名古屋支店の気さくなオッサンが、きっと何とかしてくれるよね? 土曜日の夜は会食を予定しております。 事前にそんなメールを貰ったので、予約を入れていた某ホテルの夕食をキャンセルすることにしたんっすが、夜だけじゃないよね? 昼間っから甘えてもいいんだよね? とっても謙虚な僕は、自分から催促するような浅ましいそぶりは見せず、ただ、心の中で、「ね? ね?」 と、念じていたんっすが、それが通じたのか、「じゃ、お昼にでも行きますかぁ。」 …と。 あ、そうっすかぁ。 別にそんなつもりはなかったんっすが、そういうことなら、お供させて頂くことにしちゃうかな? …と。 近くにあるホテルのレストランで、 「せっかくだから、トルコライスでも食べますか?」 ということになったんっすが、おおっ♪ 一度、食べてみたいと思っていたんっすよね。 快活CLUB のメニュー にもあるんっすが、どうせ食べるなら、本場の長崎で。 そんな思いから、これまで自重していたんっすよね。 どうせ食べるなら、本場の門司港で。 同じように 「焼きカレー」 もずっと自重していたんっすが、ある日、我慢出来なくて注文してしまって、で、食ってみたら、何だかわりと普通のカレーっぽくて、今ひとつ 「焼き感」 がなくて、ちょっとガッカリだったんっすが、本場の門司港で食べればまた違ったのか、どこで食っても似たようなものなのか、今ひとつ釈然としなくて、うーん…。 あの悲劇を、今度は繰り返さずに済みそうなんっすが、で、本場の長崎で食べたトルコライスは、どうだったのかというと、うーん…。

 そもそも、これ、どういう食べ物なのかというと、ナポリタン (スパゲティ) と、ピラフの上に、豚カツが乗っているという。 ピラフがカレー味なところがミソで、いや、味噌味ではないので、ミソではなくて、ピラフがカレー味なところがカレーで、で、スパゲティ = イタリア = ヨーロッパ、 カレー = インド = アジア、その中間やから、トルコやんけ! そういうところから命名されたようなんすが、じゃ、豚カツは? …というと、不明。 いや、ちゃんとした由来があるのかも知れませんが、気さくなオッサンは、この点に関しては、何も言及してくれませんでした。 仕方が無いので、自力で調べたことろ、えーと、 これ 。  “大人のお子様ランチ” っすか。 なるほど。 で、オッサンが言ってたのは 「トルコ架け橋説」 でありますな。 そこにポークカツが加わって架け橋になるという解釈から…。 ここのところが、まったく釈然としないんっすが、ト○コ風呂由来説。 そういう説もあるんっすな。 確かにオッサンにとっては、トルコ = 風呂というイメージが強過ぎるんっすが、精力をつけて頑張ってほしい、という理由で、レストランの経営者がボリュームのあるメニューを考え、うんぬん。 これも何か、違うな…と。 そっち方面なら、レバニラ炒めとか、スッポンエキスとか、イモリの黒焼きとかに走りますよね、普通。 ま、由来はどうあれ、お味のほうはどうだったのかというと、ナポリタンと、カレー味のピラフの上に、豚カツを乗せた食い物やな…と。 ナポリタン、カレー味のピラフ、豚カツ。 それらは別に長崎でなくても、どこでも普通に食えるものだし、それらを1つの皿に盛り合わせてみたところで、1+1+1=3 以上のものが生まれているワケでもないし、1たす2たす、1たす2たす、サンバルカーン♪ …でもないし、でもまあ、奢って貰ったものに文句を言うのもアレだし、話のタネとしては、こうして11行くらい稼ぐことが出来たワケだし、ま、普通に美味しいし、食べて納得というか、二度目はないというか、 「いやあ、美味しかったっす!」 と、当たり障りのない感想を述べておいて、とまあそんなことで、ご馳走様っしたぁ♪

 で、工場検査が昼までに終わって、めっちゃ時間が余ったのでしまったので、何となく、気さくなオッサンと一緒にドライブに行くという流れに。 別に、そこに行きたいというワケではなかったんっすが、夜行バスでこちらに来る途中、諫早インターというところを通ったのを思い出して、 「そう言えば、諫早干拓って、どの辺にあるんっすかぁ?」 という話題を振ったところ、 「じゃ、行ってみますかぁ。」  そんな流れに。 え? ま、別にいいっすけど…。 ということで、連れてって貰うことにしました。 何か、 諫早湾干拓堤防道路 というのがあるみたいっす。

< 諫早湾干拓堤防道路 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)
 

 ということで、到着〜。 え? 干拓地というので、堤防で仕切られた内側は、ぜんぶ陸地になっているのかと思ったら、普通に海やん! 何か、農民と漁師の間で、もめ事になってたよね? それくらいの知識しか無かったんっすが、えーと、 これ っすか。 大変に難しい問題でありますが、部外者の立場で、無責任な感想を述べさせて貰うと、道路の両側が “海” で、おおっ♪ …みたいな。 ちょっと珍しい眺めっすよね。 ぶっちゃけ、諫早ドライブには、さほど乗り気ではなかった僕なんっすが、イケるやん! ただ、あまりにも天気が今ひとつ過ぎたのがアレなんっすが、晴れていれば、雲仙普賢岳が綺麗に見えるらしいんすけどね。 で、ここまで遠征しても、まだまだ時間が余りまくっていたりして、 「じゃ、雲仙のほうまで行ってみますかぁ。 道の駅に土石流の被害がそのまま残っているところがあって、何たらかんたら。」 え? ま、別にいいっすけど…。 何か、レアそうなものが見られそうだし。 ということで、連れてって貰うことにしました。


< 土石流被災家屋保存公園 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 ということで、到着〜。 土石流被災家屋保存公園 というところでありますな。 おお、これは凄ぇぇぇぇ。 土石流というだけのことはあって、めっちゃ土と石が、流れ込んで来てるやん…。 雲仙普賢岳というと、火砕流の被害の印象が強烈なんっすが、火砕だけでなく、土石も流れて来ちゃったんすよね、そう言えば。 水無川という名前に、当時の記憶が蘇って来ました。 大変な被害だったようっすが、幸いなことに、土石のほうは流れてくるのが事前に分かっていたので、住民はすべて避難していて、人的被害はなかったみたいっす。 火砕流のほうはマスコミの人とか、消防団の人とかが犠牲になっちゃったんっすけど。 で、部外者の立場で、無責任な感想を述べさせて貰うと、屋根の上の太陽熱温水器が、めっちゃ懐かしいな…と。 松下電工製ではなかったんっすが、うちの家の屋根にもあったんっすよね、これ。 太陽光で発電するのではなく、太陽の熱で湯を沸かすというヤツで、うちにあったのは 「ゆワイター」 という名前でありました。 ちょっと曇っているとアレなんっすが、夏の晴れた日だと、けっこう湯が沸いたものでありますぜ、ゆワイター。 この日は小雨まじりのドン曇りだったので、湯は沸かんし、雲仙普賢岳もぜんぜん見えなくてアレだったんっすが、ま、いずれにしろ、貴重なものを見せて貰って、気さくなオッサンに、感謝! …な一日でありましたな。 帰り道、 「長崎市内まで80何キロ」 とかいう看板を見て、どんなところまで連れてきてくれたんや。 …と、ちょっぴりビビってしまったんっすけど。 でもって、本日の宿泊先、 ホテルニュー長崎 にチェックイン。 当初は違うホテルを予約していたんっすが、土曜日の夜は会食を予定しております。 そんなメールを貰って、そういうことなら、長崎駅の近くに泊まったほうが、何かと便利かな? そう考えて、ここに変更しました。 朝食付で 14,700円というプラン。 経理のお姉さん的に、許容限度を超えたお値段でありますが、いろいろと調べた結果、クレジット決済でネット予約した場合、パソコンから領収証を発行することが出来るんっすが、JTB (るるぶプランは除く) と、日本旅行に限り、額面を分割することが出来るみたいなんっすよね。 今回は日本旅行を利用したんっすが、とりあえず 8,500円の領収書を出してみて、経理のお姉さんに何か言われたら、こっそり 6,200円のほうに差し替えようかな…と。 その結果、特に何も言われなかったので、もう一声、 9,200円くらいで、チャレンジしてみても、よかったかな? …と。 いや、それだときっと、何か言われたでしょうなぁ。 ギリギリの線だったのではないかと思うんっすが、で、気さくなオッサンとの会食。 「名前は聞いたことがあると思いますけど、思案橋のほうの店に行こうかと。」 え? それなら、わざわざ駅前のホテルに変えなくてもよかったような? ま、なかなかいい感じの店で、美味しいものを食べさせて貰ったので、別にいいんっすけど。

 で、僕としては、美味しいものを食べさせて貰った時点で、それでサヨナラということで、ぜんぜん良かったんっすが、気さくなオッサンは、それで許してはくれませんでした。 強制的にスナックに連れて行かれました。 まだ、わりと早い時間だったんっすが、クソ喧しい集団が次から次へとやって来て、大音量でカラオケを歌いまくって、何だかなぁ…。 こういう店にくると、必ず 「こちら、お静かね。」 と言われちゃうタイプの僕としては、今ひとつ居心地がよろしくなかったりするんっすが、お洒落なジャズが流れている店とかのほうが、いいのにぃ…。 ま、幸いなことに、カラオケのほうは、あっちのほうのクソ喧しい集団に完全に占拠された状況なので、こっちまで回ってくる恐れはなさそうなんっすが、…とか思って安心していたら、僕の連れの気さくなオッサン。 この時点で、完全なる酔っ払いと化していたんっすが、「よぉし。カラオケ、3曲ぶっ続けで入れてやるぅ!」 で、結局、僕のほうにも回って来ちゃいました。 このオッサン、僕より3つほど年上で、歌える “昭和歌謡” が、わりと被っているのが不幸中の幸いだったんっすが、西城秀樹、松山千春、郷ひろみ、熱唱しちゃいましたぜ…。 喉が痛ぇぇぇ、もう、声が出ねぇぇぇ…。 あっちのほうのクソ喧しい集団も、僕の歌声に合わせて、 「おっくせんまん! おっくせんまん!」 とか言ってて、変に盛り上がっちゃったんっすが、結局、その店の閉店の12時まで引っ張られてしまいました。 完全に酔っ払ったオッサンに、「福山雅治がお気に入りのラーメン屋、行きましょうかぁ!」 と言われたんっすが、さすがに勘弁して貰って、とまあそんなこんなで、長崎の夜は更けていったのでありました。 ま、楽しかったんっすけど! とまあそんなこんなで、この話の続きは、また次回。

 ということで、今日はキース・ジャレットっす。 日本では知名度も人気も、トップクラスだったりするんっすが、個人的にはさほど気が進まなくて、うーん…。 とまあそれはそうと、台風っすな。 日曜日の夜にやって来て、月曜日の朝には抜けちゃうという、無能もいいところなヤツなんっすが、これを書いている 9月29日(土)16時21分現在、今のところ、風も雨も、まだまだぜんぜん大したことはなかったりします。 明日の夜がヤバいっぽいんっすけどね。 今までの台風は2〜3日くらい前まで、これ、桑名の辺り、モロに直撃を食らうんちゃう? …みたいな予報が出ていて、実際のところ、かなり離れたところを通過するというのが通例だったんっすが、それでもこの前の21号は、1件だけ仕事に呼ばれるくらいの影響はあったんっすけど。 で、今回の24号は、今までとは逆のパターンで、2〜3日くらい前まで、わりと逸れていきそうな感じだったのに、ここに来てモロに直撃を食らいそうな感じになって来ました。 ウェザーニュースによると、現時点で桑名のアメダス地点から台風までの距離は1370km。 それが、最接近時には10km以内になるって、マジっすか? あまりにも、ど真ん中過ぎて、台風の目にすっぽり入って、何事も無いまま終わってしまう可能性すらあるんっすが、被害が出たり、仕事に呼び出されたりしない程度に、ザーザー雨が降ったり、ビュービュー風が吹いたりしてくれないと、何だかちょっと物足りなくて、寂しかったりするんっすけど。 呼び出しを食らうと、そんな悠長なことも言ってられなくて、で、その可能性が決して低いとは言い切れなくて、となると、原稿を書く時間がなくなって、その場合、後半は適当に片付けても心が痛まない、個人的にはどうでもいい、キースでいいかな? …と。 そう心に決めて、初めて気が付いたんっすが、このコーナーで取り上げたことがあったんっすな、キース。 ほれ 。 あ、 『ケルン・コンサート』 やんけ! ま、定番中の定番なので、このチョイスは別に不思議ではないんっすが、将来的にはやはり、ネタ的にキースとかも取り上げておいたほうがいいかな? そう思って、この前、CDを買っちゃったっすよね。 手始めはやはり、無難に 『ケルン・コンサート』 かな? …と。 これ、既に持ってたんかい! 幸い、違うアルバムも買っていたので、今回、ネタに困ることは無いんっすが、ということで、 『ジャスミン』 。 むしろ、最初からこっちのほうが本命だったので、特に問題は無いんっすが、ついでだから、有名な 『ケルン』 のほうも押さえておこうか…とか、余計なことを考えちゃったのがアレだったけで。 で、これ、圧倒的にジャケットが魅力的っすよね。 30秒くらいで書けそうやん♪ …というので、中身は度外視して、 “一目惚れ” でこいつをポチっちゃったんっすが、2007年の録音で、ベースのチェーリー・ヘイデンとのデュオ。 中身的にはハズした予感が、半端ねぇ…。 それならそれで、後半はすぐに終わって、結果オーライだったりするんっすが、とりあえず演奏のほうを聞いてみることにしましょうかぁ。

 まずは1曲目、歌物ナンバーの 「フォー・オール・ウイ・ノウ」 。 個人的にキースがあまり好きでなかったりするのは、特に論理的な理由があるワケではなく、ギャルに人気があるみたいで、何か、いけ好かない。 そういう、極めて感情的なものだったりして、黒人至上主義者としての、人種差別的な思いもあったりするし。 ジャレットとか、小洒落た名前を名乗ってんじゃねぇ! …みたいな。 ま、単なる “聞かず嫌い” でありますな。 が、今回、改めて 『ケル・コン』 を聞いてみて、何でこれが、こんなに持て囃されてるんや? …と疑問に思ったりもしたので、聞かず嫌い。 聞いてみたけど、やっぱり今ひとつ。 そういう状況だったりもしたんっすが、このアルバムの1曲目のコレ、悪くないやん♪ 何か、小難しいピアノを弾くオッサン。 そんなイメージを勝手に持っていたんっすが、普通にビル・エバンスっぽい、耽美派やんけ! 毛嫌いする要素、どこにも無いやんけ! いや、時おり漏れ聞こえる、変なうめき声みたいなのは、 「ケッ!」 と毛嫌いされても仕方ないような気もするんっすが、しばしの間、リリカルで透明なピアノ世界が展開されて、でもって、続いてチャーリー・ヘイデンのベース・ソロが登場。 ニールス・ペデルセンみたいに、これ見よがしな超絶技巧に走るでなく、淡々としたピチカートなんっすが、歌心に溢れていて、やるやんけ、チャリ・ヘイ。 計算してみたら、当時70歳ぐらいかと思われますが、円熟の境地と言っていいのではなかろうかと。 で、最後、再びキースが登場して、こ洒落っとなソロを披露して、でもって、テーマに戻って、おしまい。 普通にエエやんけ!

 で、次。 「ホエア・キャン・アイ・ゴー・ウィズアウト・ユー」 。 どこかで聞いたことがある気がするメロディなので、恐らくは歌物ナンバーではないかと思われるんっすが、クレジットを見ると、ヴィクター・ヤングの名前が書かれておりますな。 さすがは、ヤング。若いっすな。 そんな感じの綺麗なバラードでありまして、キースのリリカルなピアノと、それに続くヘイデンの円熟のピチカート。 その双方を楽しむことが出来るな…と。 でもって、次。 「ノー・ムーン・アット・オール」 。 「月とてもなく」 などという、古風な邦題が付けられております。 何となく、「つきたての餅」 みたいなアレだったりするんっすが、ビル・エバンスに弾かせてみたら、めっちゃハマリそうな曲調だったりして、で、無論、キースに弾かせてみても、見事な仕上がりであるな…と。 すっかりキース信者に転んでしまっている自分が、ちょっぴり可愛いな♪ そう、思わずにはいられませんが、もともと、キスフライは好きなほうだったし、別に、いいじゃん! …と。 いいっすよね、キス。 名前が可愛いし、漢字で書くと “鱚” で、喜びにあふれた魚だし。  “鼠頭魚” なんて書き方もあるみたいなんっすが、 漢字だと読めない食べ物の名前ランキング 、堂々の第1位。 これはちょっと反則やろ…。 そんな気もするんっすが、醴 (あまざけ)。 これも読めませんな。 普通、甘酒 (あまざけ) やろ? …というので、鱚 (きす) と同じく、これも反則な部類なんっすが、鹿尾菜 (ひじき) 。 これは他に漢字を思いつかないので、普通に難読といっていいかと思うんっすが、難読と言えば、岐阜にある坂祝という地名。 “さかほぎ” と読むんっすが、仕事で美濃加茂とかに行く時に、ちょうど昼時に坂祝を通ったりすると、ここのコンビニでよく、ナンドックというのを買って食べましたな。 インドカレー屋で出されるナンと、ホットドックのドック部との合作のような食い物なんっすが、やっぱ、難読地名のところで食べるなら、ナンドックだよね♪ …と。 実にどうでもいい話を唐突に思い出してしまったんっすが、で、次。 「ワン・デイ・アイル・フライ・アウェイ」 。 いいっすよね、フライ。 揚げ物といったらフライだよね。 そう思わずにはいられませんが、豚カツみたいに肉を揚げるのはもちろん、アジやキスのような魚だって、揚げてしまえば美味しく頂くことが出来て、最強の調理法なんじゃね? そう、断言してもいいのではなかろうかと。 ま、天麩羅でも別にいいんっすが、で、演奏のほうはというと、しみじみとした、心に染みるバラードであるな…と。

 で、次。 「イントロ / アイム・ゴナ・ラフ・ユー・ライト・アウト・オブ・マイ・ライフ」 。 いいっすよね、イントロ。 世の中には “いいトロ” と “悪いトロ” があって、イントロは間違いなく “いいトロ” だと思うんっすが、大トロ、中トロ、豚トロ、スカトロ。 前の3つが “いいトロ” で、最後のは “悪いトロ” っすよね。 で、この 「イントロ」 のほうががキースのオリジナルで、続く 「アイムなんちゃら」 のほうは、スタンダードかな…と。 どこが境目なのか、ぶっちゃけ、よく分からなくて、ま、トータルとして、しみじみとした、心に染みるバラードであるな…と。 同じような演奏ばかり続いて、にわかキース信者の僕も、さすがにちょっと飽きて来ちゃった感はあるんっすが、残すところあと3曲っす。 いつ、台風で呼び出しを食らっても大丈夫なところまでこぎ着けましたが、ジャケ絵を書くのは1分で大丈夫だし、その点では、めっちゃ気楽でありますな。 ということで、次。 「ボディ・アンド・ソウル」 。 日本名 「身も心も」 。 この翻訳はシンプルにして、至高っすよね。 これがもし 「肉体と精神」 だったらこの歌はストア学派になっていたであろう。 そう、今から21年くらい前の僕が書いておりますが、 ほれ 。 記念すべき、第1回でありますな。 今から思えば、何故、ストア学派??? …なんっすが、ストイックといわれる禁欲主義的心情をもち、うんぬん。 何となく、言わんとすることは、分からんでもありません。 「心」 だけならともかく、 「身も心も」 だから、ぜんぜんストイックでも、禁欲主義でもないやん。 そんな気がしないでもなくて、言わんとすることは、やっぱりよく分からんのですが、それはともかく、これは名曲っす。 バラードはもちろん、速いテンポで演っても、けっこうカッコよかったりするんっすが、ここでのキースは、ま、普通にスローっすな。 無論、それが悪い筈がなく、普通にしみじみ。 アドリブではちょっぴり、倍テンポっぽくなったりする場面もあるし、チャリ・ヘイも頑張ってるし、11分09秒って、無駄に長いやん。 …とは、ぜんぜん思わなかったりするし、とまあそんなこんなで、、テーマに戻って、おしまい。

 で、次。 「グッドバイ」 。 こいつを最後ではなく、 “ラス2” に持ってくる辺りが憎いっすな。 で、これ、いい曲っすな。 で、演奏のほうは、しみじみバラードっすな。 で、ラスト。 「ドント・エバー・リーブ・ミー」 。 ジェローム・カーンと、オスカー・ハマースタイン2世。 最強コンビっすな。 歌詞は ここ 参照。 意外と大したことは言ってないな。 そんな気がしないでもないんっすが、これが英語だと、めっちゃお洒落に聞こえたりして、卑怯っすよね。 で、メロディのほうは、しみじみの極み。 最後の最後まで、バラードで押し通したのは、むしろ筋が通っていて、筋子 (すじこ) 好きとしては、何とも嬉しい限り。 ま、個人的には、筋子 (すじこ) よりも、節子 (せつこ) のほうが好きだったりするんっすが、「何で蛍、すぐ死んでしまうん?」 とか、たまらんっ♪ とまあそんなことで、今日のところは、以上っす。

【総合評価】 キース、最高やんけ! 今まで、真面目に聞いたこともないのに毛嫌いしていた自分が、ちょっぴり可愛いな♪ そう、思わずにはいられませんが、ここで取り上げられている楽曲は、どれも耽美的で素晴らしく、ぶっちゃけ、 『ケルン・コンサート』 より、ぜんぜんイケるやんけ! …と。 ちなみにこれ、キースがニュージャージーにある自宅にヘイデンを招いて、彼の家の中のスタジオで2日間にわたってデュオをおこない、うんぬん。 で、それをテープに収めたという、ほとんど私家録音のようなアレなんっすが、その、めっちゃ “普段着” なところが、たまらんっ♪ これを書いている 9月29日(土)21時42分現在、本当に台風、来るんか? …と言いたくなるような、とっても 「こちら、お静かね。」 な状況なんっすが、そんな夜にぴったりの1枚なのでありました。


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