TIME FOR THE DANCERS (PROGRESSIVE)

ROLAND HANNA (1977/2/17)

TIME FOR THE DANCERS


【パーソネル】

ROLAND HANNA (p) GEORGE MRAZ (b) RICHARD PRATT (ds)
【収録曲】

(01-03) CHERYL / TIME FOR THE DANCERS / FLIGHT TO ANN'S VILLE
(04-06) ODE TO A POTATO PLANT / JED / DOUBLE INTENTIONS
【解説】 ( 2018年10月21日更新 / 連載 1,321回 )

 京都に行ってきました。 …と、その前に、長崎に行ってきました。 そっちのほうを先に片付けなければならないんっすが、えーと、 前回 の粗筋。 眼鏡橋と、その周辺と、大浦の辺りを散策した。 そういうところまで話が進んでいたのではなかろうかと。 で、今回が長崎観光のメイン、次回が長崎観光のおまけ、次々回になって、ようやく京都。 そんな流れになろうかと思うんっすが、ということで、まずはこちら。


< 大浦天主堂 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)
 

 おお〜っ! …うら、天主堂。 いいっすな。 世の中に “表天主堂” と “裏天主堂” がある場合、 “裏” のほうが大切なところまで、隠さずに見せてくれそうな期待感があるんっすが、更にそれが “大いに裏な天主堂” となると、ハアハア…。 が、よくよく考えると、 “大裏” ではなくて “大浦” なので、それほどコーフンするようなものではなかったりするのかも知れず、しかも券を買う時、係のお姉さんに 「中って、写真を撮ってもいいんすかぁ?」 と聞いてみたところ、 「中は撮影禁止となっております。」 そう言われて、ちょっぴりテンションが下がりました。 しかも、「 1,000円になります。」 …って、高っ! 相撲取りの高安でも、もうちょっと安いんじゃね? そんな気がしちゃうんっすが、 「博物館のほうもご覧になってくださいね。」 あ、そういう余録があるんっすな。 なら、ま、しょうがないかな…と。 で、そもそもここは、どういうところなのかというと、 ここ 参照。 歴史としては、1597年の日本二十六聖人の殉教。 そんな事件があったんっすな。 星人と言えば、バルタン星人、ウンモ星人。 ・・・。 日本二星人くらいしか思い浮かばなかったりするんっすが、小倉優子の 「こりん星」 は、爆発しちゃったみたいだし。 それに比べて聖人のほうは、日本に二十六人もいたみたいで、なかなか盛況なんっすが、1597年2月5日、豊臣秀吉の命令によって長崎で磔の刑に処された26人のカトリック信者。 そういった人たちであった模様っす。 聖人を殺しちゃうとか、罰当たりもいいところなんっすが、よくよく調べたところ、処刑されたことによって、聖人に格上げされた。 そういう時系列だったりするようで、ま、よくある 「2階級特進」 みたいなアレっすかね? で、どういう人たちが殺されちゃったのかというと、フランシスコ吉 (きち) 、コスメ竹屋、ペトロ助四郎、ミカエル小崎などなど。 豊臣秀吉の時代に、こんなオシャンティな名前の日本人がいたというのが驚きなんっすが、ルドビコ茨木、12歳で最年少。 長崎のアントニオ、13歳。 こんなお子様たちもいたようで、涙を禁じ得ません。 フランシスコ・ブランコという、公園で遊んでいただけで処刑されちゃったっぽい28歳のスペイン人もいたりするし、豊臣秀吉、酷ぇぇぇ…。

 で、この人たちがいつ、聖人に昇格したのかというと、1862年。 死んじゃってから、265年も経ってるやんけ! その間、成仏出来ずに、浮遊したり、地縛したりしていたものと思われますが、その霊を慰めるために、この教会が建立された…と。 ざっくり、そういったアレである模様でありますが、で、見学のポイントとしては、 ここ 参照。 鐘楼とか、マリア像とか、そんなん、あったんっすなぁ。 小バジリカとやらも、小走りで通過しちゃったような? 撮影禁止! …と言われると、じゃ、しっかりと自分の目に焼き付けなきゃ。 そんなふうには考えなくて、ケッ! お高くとまりやがって。 そんなふうに思ってしまったりするんっすが、実際、高いし。 高石ともやと同じくらい、高いし。 でもまあ、近石真介と同じくらい近いし、検非違使は平安京の治安を守ってくれるし、ま、しょうがないかな…と。 でもまあ、写真を撮らせてくれないのはちょっとアレなので、内部は軽く流すことにして、で、その他のエリア。 敷地内マップ 、参照。 ※ 旧羅典神学校、旧長崎大司教館は、キリシタン博物館として開館しております。 そういうアレだったりするんっすが、ぶっちゃけ、博物館のコンテンツとして、 “キリシタン” という素材は、あまりソソられるものがなかったりしますよね。 切り干し大根博物館よりは、ちょっとだけマシ。 そんなレベル。 今ひとつっすよね、切り干し大根。 干すことにより、うま味の成分が凝縮する。 そんなふうに評価する人もいるみたいんっすが、個人的には大根の “マズ味” が凝縮されちゃっているとしか思えなかったりして、ま、アレよりはまだ、キリシタンのほうがいいかな? …と。 旧羅典神学校、旧長崎大司教館。 この建物自体もそれなりに歴史がありそうで、風情が感じられたし。 えーと、前者は これ っすか。 プチジャン神父という、プチダノンとコチジャンのコラボみたいな神父が造ったんっすな。 で、一方、後者のほうは、 これ 。 ド・ロ神父という、泥臭そうな神父が造ったんっすな。 で、博物館としての詳細は こちら 。 施設案内 のところを見ると、名前の表記がプティジャン神父となっていて、これだと、今ひとつプチダノンっぽくなくて、駄目じゃん。 で、ド・ロ神父、建築現場の足場から転落して死んでるじゃん! ちゃんと安全帯を付けなきゃ、駄目じゃん! 「1メートルは、一命取る」 って、土建屋の安全講習で、あれだけ言われていたのにぃ…。

 ということで、ここはおしまい。 いかにも長崎っぽくて、よかったな♪ そんな気がするんっすが、で、続いては グラバー園 でありますな。 グラバーというオッサンと、グラマーなお姉さんなら、断然、後者のほうがソソられるんっすが、グラバーというオッサンと、ハワイの飲み物、グァバ。 この勝負もやはり、後者の勝ちっすな。 グラバーと、グラグラの歯なら、グラバーが勝てるかも知れませんが、そんなグラバーのオッサンのおうちを拝見する前に、ちょっぴりその辺で時間稼ぎを。 というのも、11時半から昼飯の予約を入れてあるんっすよね。 ゆっくりグラバってると、それに間に合わなくなっちゃいそうだし、とまあそんなことで、港に停泊している馬鹿デカい船の近くまで行ったり、波止場にたたずんでみたり、川縁の公園を覗いてみたり。


< 波止場にたたずみ & リバーサイド散策 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)
 

 単なる時間調整のつもりだったんっすが、悪くないっすな。 (写真・いちばん上) は、下界からグラバーのオッサン家に向かう途中の通り。 “グラバー通り” という名前であるものと思われますが、海がチラッと見える坂道。 いかにも長崎でありますな。 (写真・上から2枚目) は、波止場にあった浮き輪をフィーチャーしたもの。 「波止場 浮き輪」 で画像検索したら、まったく同じヤツが出てきたんっすが、 ほれ 。 誰でも撮りたくなっちゃうんっすよね、これ。 僕の写真には、めっちゃデカい船も写っているから、勝った! そう、言っていいかと思うんっすが、で、浮き輪の輪っかの上にボケて見えているのは 女神大橋 でありますな。 いいっすよね、斜張橋。 フィリピン人のお姉さんに 「社長サン、斜張橋アルよ!」 とか言われたら、即座に店に入りたくなっちゃうほど、僕は斜張橋が好きなんっすが、で、この波止場にはこの浮き輪以外にも、 “いかにも波止場なアレ” も完備されておりました。 マドロスが足を乗せる、例のヤツ。 えーと、 これ 。 ボラードまたはビットと言うんっすな。 2本1組のものをボラード (Bollard) 双係柱といい、1本のものをビット (Bitt) 係船柱、頭が十字形のビットをクロス・ビット (Cross Bitt) という。 ほぉ。 もっと詳しくは、 ここ 参照。 ほぉ、ほぉ。 詳しすぎて、どうでもいいな。 そんな気がしないでもないので、次。 リバーサイドな公園。 えーと、 これ っすか。 川というか、運河なんっすな。 ちょっぴり季節外れな “向日葵” と、めっちゃ季節にドンピシャな “彼岸花” が咲いていたんっすが、赤ではなくて、白いヤツ。 これまた無駄に詳しくて、読んでいる途中で、どうでもよくなって来ちゃうんっすが、 ここ 参照。 で、最後。 “領事館の小径 (こみち) ” 。 いいっすなぁ、小径 (こみち) 。 小径、小町、ムチムチ、キムチ。 この中で、いちばんソソられるのがムチムチで、その次が小町なんっすが、3番目くらいにはいいような気がします。 で、そうこうしているうちに、いい時間になったので、予約していた店に行くことにしました。 ANAクラウンプラザホテル長崎グラバーヒルの中にある 和食・中華 「潤慶」 。 長崎というのは、和と中華と阿蘭陀 (オランダ) が融合した街で、それにちなんだ “和華蘭 (わからん) グルメ” なんてのもあるみたいっすが、この店は “蘭” を除外した “中和” な路線。 「ミニチャンポン・皿うどんセット」 というのも、ちょっと惹かれるし、 こっちのほうの店 の 「トルコライス」 も魅力的なんっすが、悩んだ結果、 「居留地弁当」(\2,300) というのを予約してみました。 結果、前の日に除塵機屋さんのオッサンが、別の店でお昼にトルコライスを食べさせてくれたので、2日連続で、昼間っからトルコ浸りにならなくて正解だったんっすが、で、この弁当の中身のほうはというと、

 ・本日のお造り二種盛り合わせ ・地魚の焼き物 ・長崎天婦羅 ・長崎角煮
 ・白御飯 香の物 ・吸物 ・季節のデザート

ま、適度に、いい感じかな? …と。 いいっすよね、角煮。 角煮というだけで、何を四角く煮ているのかは明記されていないので、 角麩 を煮たのが出てきても文句は言えないんっすが、え、これ、東海地方のローカルフードやったん? 愛知・岐阜で食される…と書かれておりますが、三重でも食うで、普通に。 少なくとも桑名では、角麩を食わないことはない。 そう言っていいかと思うんっすが、長崎では食わないような気がするので、長崎角煮 = 豚の角煮。 そう考えていいんっすよね? で、もうひとつ、長崎天婦羅という謎の食い物が。 ググってみたら、長崎の郷土料理で、小麦粉・水・卵黄を混ぜ、砂糖・塩・酒などで味をつけた衣をつけて揚げた天ぷら。 えび・白身魚・鶏肉などを用いる。 天つゆは使わず、そのまま食べる。 卓袱 (しっぽく) 料理にもよく用いる。 そういうアレみたいなんっすが、ほぉ、エエやん。 角煮、天麩羅のダブル・メインで、昼飯としては、これで十分っすよね。 とまあそんなこんなで、お、キタぁぁぁぁ♪

居留地弁当♪

 結論から言いましょう。 長崎角煮、美味ぇぇぇぇ♪ 無論、角麩ではなく、ちゃんと豚を四角く煮たものだったし、で、続いては、長崎天婦羅。 微妙…。 衣の感じは天麩羅というより、フリッターっぽい? で、衣に味が付いているので、何も付けずにそのまま食べる。 そういうコンセプトの食い物である筈なんっすが、ん? ほとんど味がないような? 何だか物足りなくて、納得がいかなくて、うーん…。 天つゆにドップリと浸けて、食いてぇ…。 でもまあ、普通の天麩羅なんか、長崎でなくても、いつでも、どこでも食べられるし、地元っぽいものを食えたという点では、これはこれで、アリかな? …と。 もしくは、これは “長崎天麩羅” ではなく、 “味無しフリッター” という食い物なんや。 そう、自分に言い聞かせるというのもひとつの手かも知れないし、でもって、
デザート♪

 季節のデザート。 何という食い物と、何という果物なのかは忘れましたが、普通に美味しかったので、トータルとしては、よかったな♪ …と。 お店の雰囲気とか、係のお姉さんの接客とかは、とっても良好だったし。 とまあそんなこんなで、満足してホテルを出て、グラバー園のほうに歩いて行こうとしたら、バス旅行の団体がいたんっすが、ん? 西鉄バスの旗を持って、何か喋っているオバサンのガイドさん、どこかで見たことがあるような? 今年の7月に会社の旅行で、博多からハウステンボス、熊本、指宿、鹿児島と移動する際に利用したのが、確か西鉄バスだったような気がするんっすが、あの時のオバサンのバスガイドちゃうんけ? 一瞬、声を掛けて確かめようかと思ったんっすが、相手はめっちゃオバサンだし、別段、再開の喜びを分かち合いたい相手であるとも思えないし、お仕事で忙しそうだし、ま、いっかぁ…と。 そういえば、高校の修学旅行も九州だったんっすが、あの時のバスガイドさんは若干19歳のギャルでありましたな。 可愛かったし、性格もよかったし、あのギャルガイドさんなら、再開の喜びを分かち合うに、やぶさかではない気も…。 あー、でも、当時19歳ということは、今は50過ぎっすよねー。 オバハンっすよね。 きっと、綺麗なオバハンになっているとは思うんっすが、思い出は美しいまま、心の中に留めておいたほうがいいような気も…。 で、当時のネタをどこかに書いている筈なんっすが、えーと、 このシリーズ っすな。 背景が変な青色で、めっちゃ読みにくい…。 当時のデザイン担当、塩サバ2号によると、サバをイメージした青色の壁紙なんだそうっすが、センス、悪過ぎぃ…。 で、中身を書いているのは僕なんっすが、改めて読み返してみると、ちょっとした “黒歴史” だったりして、僕の心はサバ色の壁紙のように、ちょっぴりブルー。 で、この高校の修学旅行でも長崎に行っているんっすが、その話は 最終回 の最後のほうに、ちょっとだけ。 なんか、蝶々婦人のレリーフだか銅像だかがあったような気がしたところと、グラバー邸と大浦天主堂と原爆のところでしたっけね? その、蝶々婦人のレリーフだか銅像だかがあったような気がしたところ = グラバー邸であることが、今回の32年ぶりくらいの再訪で明らかになったんっすが、その話は、んーと、また次回。

 ということで、今日はローランド・ハナっす。 まったくソソられるものがありませんな。 何がアカンって、まず最初に名前がアカンのっすが、ローランド・ハナって、ローランドゴリラと、ハナ肇のハイブリッドとしか思えなかったりしますよね。 いつも同じ事を書いている気がするんっすが、32年ほど前から変わらずにローランド・ハナ肇なイメージなので、仕方がありません。 で、続いて、顔がアカンっすよね。 しかも、ちょっとアカンくらいの話ではなく、もう、絶望的なくらい、どうしようもありません。 このコーナーでも過去に2回ほど取り上げたことがあるんっすが、まず最初は こちら 。 本人の顔を出すのは得策ではないな。 そんな思慮が働いたものと思われるジャケットだったりします。 で、ローランドゴリラと、ハナ肇、やっぱり登場しておりますな。 で、その次が これ 。 本人の顔を出すのは得策ではない路線は、ここでも継承されております。 ハナちゃんって、こんな顔のギャルやったんや♪ そんな誤解を招きかねないジャケットだったりします。 で、ローランドゴリラと、ハナ肇、またしても登場しております。 他に書くこと、無いんかいっ! で、僕の手持ちはこの2作をもって枯渇してしまったので、今回、ネタ用に新たに購入することにしたんっすが、 『タイム・フォー・ザ・ダンサーズ』 。 タイトルはけっこう、お洒落っすな。 が、ジャケットにローランド・ハナ肇の顔がぁぁぁ! あぁぁぁぁ! しかも、録音されたのは1977年。 ジャズはもう、完全に死んでしまっていて、何も期待が持てそうになかったりするんっすが、ちなみに、このむさ苦しい顔のオッサンは、 “サー” の称号を持つ、うんぬん。 そんなふうに紹介されることがありますよね。 “サー” の称号って、卓球の愛ちゃんかよ! そう、冷笑気味に思ったりもしたんっすが、今回、田中英俊という人が書いた日本語ライナーを読んで、その謎が判明しました。 (前略) この頃のハナは困窮するアフリカのリベリアを援助するためにソロ・コンサートを盛んに行い、その収益をリベリアに送っていた功績が認められ、ハナはリベリアの大統領から “サー” の称号を与えられている。 …って、マジもんやんけ! ジャズマンって、演奏は “神” のレベルでも、人間としては、ゴミ屑だったりするのが通例なんっすが、こういうエピソードを読んじゃうと、ハナを見る目も、ちょっと変わっちゃいますよね。 ただの “むさ苦しい顔のオッサン” だと思っていたら、実は “人間が出来ている、むさ苦しい顔のオッサン” やったんや!

 んなことで、1曲目。 「シェリル」 。 チャーリー・パーカーのオリジナルっすな。 で、演奏が始まった瞬間、ん? てっきりピアノ・トリオだとばかり思っていたんっすが、何か変な楽器が入ってる? が、よくよく聞いてみたら、ベースが悪目立ちしているだけであることが判明したんっすが、担当はジョージ・ムラーツでありますか。 いいっすよね、ジョージ・ムラーツ。 もし、『情事ムラムラ通信』 というスケベ系のサイトがあったりしたら、その愛称は 『情事ムラ通 (じょーじ・むらつう) 』 だよね。 そんな気がするところが、たまらんっ♪ で、ドラムスはリチャード・プラットでありますか。 ぷらっとこだま を利用して、ぷらっと京都あたりに遊びに行きそうなキャラなんっすが、交通費を節約して、その分、ちょっとリッチな宿に泊まっていそうっすよね。 リチャードはリッチ宿やど! …みたいな。 で、ベースのピチカートとピアノのユニゾンで、ちょっと変な感じなテーマが演奏された後、わりと普通なトリオに戻って、ハナくんのソロがフィーチャーされると。 そういった流れでありますな。 ムラ通くんのベースがちょっと悪目立ちしておりますが、ま、何とか許容範囲かと。 で、ハナくんのプレイはアドリブが進むにつれて次第に熱さを増していって、何だか意外と、けっこう盛り上がっちゃったりしておりますな。 で、その後、ムラーツくんのムラムラするベース・ソロがフィーチャーされるんっすが、超絶的なテクニックのひけらかしが半端ねぇ…。 で、ピアノのソロを挟んで、最後は3者による熱いバトルが繰り広げられて、テーマに戻って、おしまい。 何というか、ま、思った以上に派手ではありましたな。

 で、この先、しばらくハナくんのオリジナルが続くんすが、まずはアルバム・タイトル曲の 「タイム・フォー・ザ・ダンサーズ」 。 エリック・サティのような水彩画を連想させる淡いハーモニーとメロディは、ニューヨークのバレエ教室の片隅で奏でられるようなロマンティックな作品だ。 どうしてあの風貌のハナからこんなエレガントな楽曲が、と不躾な事を思ってしまうが、うんぬん。 田中クンが日本語ライナーで、めっちゃ失礼なことを書いておりますな。 人を見た目で判断するとか、最低やん! ま、言ってることは、まったくもってその通りだと思うんっすが、あの顔でラブリー&キュートなピアノを弾いちゃうとか、片腹痛いっすよね。 で、実際問題、どれくらいエレガントな楽曲なのかと思って聞いてみたら、うーん、確かに。 水彩画という比喩は今ひとつよく分からんのですが、少なくともマイマイガよりは、オーマイガー。 そんな気はするし、で、演奏のほうはというと、ピアノの無伴奏ソロに始まり、そこにベースが絡んでテーマが演奏されて、やがてドラムスも加わって、次第に気分が高揚していく。 そういった流れでありますな。 で、その後、ピアノとベースのソロがフィーチャーされるんっすが、ムラーツくんはアルコでテクニシャンぶりを遺憾なく発揮していて、いかんな…と。 遺憾という程ではないんっすが、個人的にちょっと苦手なんっすよね、ベースの弓引き。 ま、さほどしつこくはないので、許容の範囲内ではあるんっすが、とまあそんなこんなで、テーマに戻って、おしまい。 ま、悪くはなかったな。 そのように評価していいのではなかろうかと。

 で、次。 「フライト・トゥ・アンズ・ヴィレ」 。 6/8拍子のロマンティックな作品で、どことなくミシェル・ルグランの映画音楽にも通じる小粋なテーマが魅力であるな…と。 実際、なかなかいい感じの仕上がりだったりするんっすが、で、ソロに入るとブンブンうなるムラーツのベースとスウィングの塊のようなブラッドのリズムに乗り、豪快かつ端正なピアノを奏でるハナ。 そういった世界が展開されております。 ピアノに続いて、ムラーツくんもブンブンうなるベースのソロを披露してくれるんっすが、ピチカートだから、まだマシかな? …と。 でもって、ミシェル・ルグランの映画音楽にも通じる小粋なテーマに戻って、おしまい。 豪快かつ端正なピアノ。 確かにそんな感じだったりして、なかなか上手いこと言うやん、田中クン。 で、次。 「オード・トゥ・ポテト・プラント」 。 意訳すると 「じゃがいも農園への詩」 とでも言おうか、ハナらしいヒネリのあるタイトルだな…と。 曲調のほうは、ぜんぜん芋っぽくなくて、エモい。 そのように評価していいのではなかろうかと。 小粋にスイングする歌物ナンバーって感じ? 顔に似合わない綺麗なメロディを書いてくれますよね、マジで。 で、演奏のほうはと言うと、時々テクニカルな旋律を叩き込むハナだが、サラリと弾いてのけてしまうのが真の実力者の証。 それはムラーツにも言える事で、ハードなクラシック・トレーニングをやり遂げた二人だが、全くテクニックだけの音楽にならないところが素晴らしいな…と。 そっかぁ? 少なくともムラーツのソロに関しては、単なるテクニックのひけらかしなんじゃね? そんな気がしないでもないんっすが、それをサラリと弾いてのけてしまうのが真の実力者の証なんでしょうな、多分。

 で、次。 「ジェド」 。 ジョージ・ムラーツのペンによるバラードで、近年腕を痛め以前のように演奏できないと聞くが、早く復活して超絶スウィングを聴かせてほしいものだ。 そう、田中クンが願っているようなアレだったりします。 関係ないやん。 そんな気がしないでもないんっすが、ま、いっかぁ…と。 で、演奏のほうは、アレっす。 バラードっす。 趣味がよくて、悪くないな。 そう評価していいのではないかと思います。 ということで、ラストっす。 「ダブル・インテンションズ」 。 憂いを持った哀愁サンバ。 なかなか上手いこと言いますな、田中クン。 たまに関係ないことを書いたりもするんっすが、ま、いっかぁ…と。 ラテンな乗りは日本人の感性にもぴったりフィットして、で、ここでのハナのピアノからは情熱的なパッションが感じられ、甚だ、ハナであるな…と。 華もあるし、ハナ肇だし、ちなみにこの芸名、姓 = 興奮すると鼻の穴が大きく開くクセから、名 = ハナが敬愛したジャズピアニスト和田肇 (俳優和田浩治の実父、歌手淡谷のり子の前夫) に由来する…と。 え、マジでローランド・ハナが由来なん? …と思ってしまったんっすが、よく見たら、ハナのほうは鼻の穴で、敬愛するジャズピアニストは、肇 (はじめ) のほうっすな。 で、中盤、ムラーツくんの超絶テクなソロも披露されて、で、終盤のハナくんは超絶ノリノリだったりして、アルバムの最後を飾るに相応しい、テンション・アゲアゲな仕上がりであったな。 そのように評価していいのではないかと思うんっすが、とまあそんなこんなで、今日のところは、おしまい。

【総合評価】 ジャズは顔じゃない。 改めて、そう教えられた1枚でありました。 1曲目の出だしがちょっとアレなんっすが、それ以降は特に問題なし。 これでジャケットがハナの顔じゃなければ、もうちょっとオススメ出来るのにぃ…。 その一点だけが残念な、そんな1枚でありました。 あと、ムラーツがちょっとウザいんっすが、それが許せるようなら、まあまあ、オススメ☆


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