LIVE IN L.A (V.S.O.P.)

PETE JOLLY (1960/10/11,1961,1962/2/27,5/29)

LIVE IN L.A


【パーソネル】

PETE JOLLY (p) RALPH PENA (b) <#1-3> CHUCK BERGHOFER (b) <#4-10> NICK MARTINES (ds) <#4-10>
【収録曲】

(01-03) OLEO / TIME AFTER TIME / FALLING IN LOVE WITH LOVE
(04-06) THE RED DOOR / BLUES IN THE CLOSET / I'M BEGINNING TO SEE THE LIGHT
(07-08) SOMEDAY MY PRINCE WILL COME / YEAH!
(09-10) WHISTLE WHILE YOU WORK / BLUESETTE
【解説】 ( 2019年01月06日更新 / 連載 1,331回 )

 年末ですなぁ。 これが更新される頃には無事、年も明けているものと思われますが、今、これを書いているのは大晦日。 9連休の3日目でありますな。 というか、うちの会社、9連休なんっすよね? 1月4日は出勤とか、言わないっすよね? 会社の机の引き出しの中に、来年の…というか、これが更新される頃には今年になっている2019年の、会社がお休みの日に “○” が付けられたカレンダーのようなものが入っているので、念のために確認しておいたほうがいいな。 そう思いつつ、それを果たせずに今日に至ってしまいました。 何故かと言うと、仕事納めの日に会社に戻らなかったからなんっすけど。 その日は昼過ぎから事務所内の掃除をすることになっているんっすが、面倒くせえなぁ…。 出来ることなら、サボりたいなぁ…。 そんな思いはみじんもなかったんっすが、どうしても抜けられない現場の監督の業務があって、で、そこから家に直帰すれば、所要時間は15分くらい。 が、会社に行こうとすると、道が空いていたとしても1時間30分くらい。 ・・・。 が、最後の日なので、行く気はあったんっすよね、めっちゃ。 とりあえず、事務所の掃除が終わった頃を見計らって…、いやいや。 現場の仕事が片付いたら速攻で会社に向かって、で、1月4日がお休みであることを確認して、安心して、おうちに帰ろうと。 が、その前日に某町から電話が掛かって来たんっすよね。 マンホールポンプの調子が悪いので、見てくれんか…と。 何でも、自動で運転しなくて、 「水位高」 の警報が出ちゃったんだとか。 幸い、汚水が溢れる前に気が付いて、手動でポンプを運転して、事なきを得たみたいなんっすが、で、夕方の5時頃に見にいった結果、んー、フロートスイッチが引っ掛かって、作動しなかったっぽい? その日はもう暗くなっていたし、雪が舞っていてクソ寒かったし、とりあえず手動で汲めるだけ汲んでおいて、本格的な対策は、明日の朝、また、考えるかぁ…。 そういう方向で役所の担当者と意見が一致したので、その日は会社に戻らずに、直帰した…と。

 で、翌日。 何となく、これなら引っ掛からずに、うまく作動するような気がしないでもない。 そんな位置にフロートスイッチを移動することにしたんっすが、ということは、やはり、マンホールの中に入らなければならんということっすかね? 出来ることなら、それだけは避けたいんっすけどねぇ…。 マンホールの中に溜まっているのって、マイルドな言い方をすれば、汚水。 はっきり言えば、ウンコ水っすからね。 それと同時に台所から油なんかを流してくれたりすると、それが固まって、何とも言いようのない惨状を呈することになるんっすが、そんなところに、入れと? この僕に、入れと? やっぱ、入らなければならんのでしょうなぁ…。 クルマの中を探せば、どこかにカッパがある筈なんっすが、僕は整理整頓がチョー苦手だったりして、要るものとか、要らないものとか、使わないものとか、廃棄物とか、ゴミとかがゴチャゴチャになっていて、どこに何があるのか、分からん…。 何とかカッパのズボンのほうだけは見つかったっすが、上のほうが見当たらん…。 今現在、防寒用にウインドブレーカーみたいなのは着ていたりするので、ま、これでいっかぁ…と。 ちなみに、昔、うちの会社にいた仙石さんは、スーツを着て、マンホールの中に入ってたそうっすぜ。 さすがに上着は脱いだんでしょうが、ワイシャツとスラックス姿で。 作業服が無いので、やむを得ず…というのではなく、いつもいつも。 で、お客さんがいなくなったら、作業服に着替える…と。 エエェェェェ…。 何でも、「これが俺の営業戦略や!」 とか言って、息巻いていたそうっすが、「そこまでして、ウチの為に…。」 役所の担当者の人が感動して、涙を流して、その結果、仕事が貰える…と。 そういう策略だった模様です。 「うわぁ…。」 と、ただ引かれるだけのような気がするんっすが、ま、仙石さんがイエスと言うのなら、それで千石イエスなんでしょうなぁ。

 僕はさすがに、そんなアホな真似はしないんっすが、カッパの上が見当たらないので、ま、防寒着でいっかぁ…と。 誰か、他の若い社員と一緒だったら、「防寒着しかないから!」 と、傍観して、そいつにやらせるところなんっすけどねぇ…。 で、それを着てマンホールに入った結果、防寒着に汚物が付着して、めっちゃウンコ臭くなってしまいました。 このクソ寒いのに、防寒着を着られんようになったやんけ! クソのせいで、クソ、クソぉ…。 とりあえずポリタンクに汲んであった水で、ざっと洗ってはみたんっすが、それを着てコンビニに入ったりしたら、ちょっとした異臭騒ぎになっちゃうような? ま、僕が犠牲になったお陰で、某町がウンコ水で溢れる危機から脱したワケで、そう考えれば、僕の心のヒロイズムは充足されて、よかったな♪ …と。 とまあ、そんなことで、じゃ! 爽やかにその場から立ち去ろうとしたんっすが、すると、役所の担当者が、「実はもう1箇所…。」 何でもポンプが自動で停止しなくて、回りっぱなしになってるっぽい…と。 その場合、汚水が溢れる心配はないんっすが、電気代が半端なく高くなってしまって、やはり、あまり喜ばしい事態とは言えません。 普通の日なら、 「ま、そのうちに、暇を見て…。」 とか言って、とりあえず問題の解決を先送りするところなんっすが、9連休 (←たぶん) に入っちゃいますからね。 年内に片付けておいたほうが無難であるような気がしないでもありません。 で、行ってみた結果、んー、フロートスイッチが引っ掛かって、作動しないっぽい? で、何とかするには、マンホールの中に入らなければならないっぽい? あ、それ、もういいっす。 さっき、やったばかりだし。 防寒着も水で洗っちゃったし。 汚水が溢れるならまだしも、ちょっと電気代がかかるだけだし。 あ、それに僕、今から他の現場にいかなければならないし。 そこ、僕が現場代理人だし。 現場代理人代理に現場に行って貰っているので、行かなくてもいいと思われるかも知れないけど、なるべく現場に顔を出すようにと上司から言われちゃったし。 そんなことで、じゃ! あ、でもアレっすよね。 よくよく考えると、

 会社に行く手間 + 面倒な事務所の掃除 >>> マンホールの中に入る屈辱

気が向かないベクトルを不等号で表すと、そうなりますよね? 俺、頑張るよ! 今年中にマンポンの不具合を直して見せるよ! 今はどうしても次の現場に行かなければならないんだけど、午後4時には戻ってくるよ! きっとだよ! 間違いないよ! で、その結果、防寒着が再びウンコ臭くなってしまったんっすが、この状態で会社に行くというのも、ちょっとなぁ…。 事務所がほんのり、ウンコ臭くなってしまって、爽やかに新年を迎えられなくなっちゃいますよね。 あ、それに、何となく、これなら引っ掛からずに、うまく作動するような気がしないでもない。 そんな位置にフロートスイッチを移動したんっすが、実際にちゃんと動くかどうか、確かめたワケではないっすからね。 そこまでちゃんと見届けるのが本当のプロというもんやろ? そやろ? そんな気がしないでもないので、とりあえず夕方の5時まで、様子を窺ってみることにしました。 その結果、汚水がぜんぜん溜まらずに、本当にちゃんと動くかどうか、確かめるには至らなかったんっすが、ま、いっかぁ。 動かなかったら、そのうちに 「水位高」 の警報が出るだけだし、出たら出たで、その時にまた考えれば…。 んなことで、そのまま家に帰っちゃったんっすが、1月4日が本当にお休みなのかどうか、確かめられなかったのが少し心残りではあるんっすが、ま、休みじゃなかったら 「何しとんのや? 今日から出勤やで!」 と電話が掛かってくるだけだし、掛かってきたら掛かってきたで、その時にまた考えれば…。 で、マンポンのほうも、ちょっと気にはなっていたんっすよね。 次の日に電話で呼び出されるくらいなら、自主的に様子を見に行ったほうが得策かも? そんな気がしないでもないんっすが、でもまあ、いっかぁ…。

 そして迎えた連休初日。 家でボーッと 「トムとジェリー」 を見ていたら、電話が。 わっ、やっぱり来たかぁ…。 何か、めっちゃ嫌な予感がしてたんっすよね。 が、着信の番号を確認すると、問題の某町ではなく、その奥のほうの某市の水道課の携帯番号でありました。 それはそれで、嫌やんけ…。 話を聞くと、どうやら、某ポンプ場のタンクが空になっちゃったみたいなんっすが、それ、いちばんアカンやつやんけ…。 下水道の世界では、溢れ出す汚水。 上水道の世界では、断水。 それが最悪の事態だったりするんっすよね。 が、タンクが空になった原因はわりとはっきりしていて、水が入ってくるほうの配管。 そこのバルブが全閉になっていた模様。 あー、それ、何となく心当たりがあります。 実はその現場で、仕事納めの前の前の日にある作業をしていて、役所の人に色んなバルブを開けて貰ったり、閉めて貰ったりしてたんっすよね。 あー、最後に水が入ってくるほうの配管のバルブを開けるの、忘れてたぁ。 テヘッ♪ そういう事ではないかと思うんっすが、その辺りは役所の担当の人も薄々と承知しているようで、 「何て言うか、人災みたいなものなんですけど。」 そんなふうに言っておりました。 原因がはっきりしているので、その対策も簡単で、 「バルブを開けたら、水が入って、タンクが一杯になりました。」 あ、そりゃ、よかったっすな。 僕の出る幕も無さそうで、何よりな話でありますが、「…が、水が止まらなくて、タンクが溢れちゃってます。」 ・・・。 で、僕はどうすればいいのかというと、「ちょっと見に来てもらうワケにはいきませんかぁ?」 ・・・。 あー、それ、恐らく、ボールタップがイッちゃってますな。 その辺りは役所の担当の人も分かっているようで、 「多分、浮き…みたいなのが駄目なんだと思いますけど、何か、特殊なのを使ってるみたいで…。」 たまーに、よく分からんのがあったりするんっすよね。 定水位弁みたいな、妙に凝ったヤツを使っていたり。 ・・・。 あー、僕、どちらかというと電気・計装のほうが専門なんで、そういう機械系のアレはちょっと苦手なんっすよね。 特殊なボールタップって、そんなの見ても分からないし、分かったとしても換えがないし、あったとしても、それを換えるだけの技能がないし…。 それにそっち、かなり山の奥のほうなので、めっちゃ雪が積もったりしてませんかぁ? 雪道の運転、めっちゃ苦手だし、で、ボールタップというと、タンクの上のほうっすよね? 僕、高いところもめっちゃ苦手なので、行ってみたところで、まったく何の戦力にもならないような…? 「来てもらうワケにはいきませんかぁ?」 ・・・。 結局、押し切られてしまいました。 泣く子と地頭とお役所さんには勝てないやぁ…。

 で、行ってみたら案の定、けっこうな積雪だったりしたんっすが、そこの現場、かなり急な坂を下った先にあるんっすよね。 で、そこから脱出するには、Uターンして、その急な坂を登るか、あるいは、川の堤防みたいな細い道のほうに出て抜けるか。 平時なら堤防のほうに抜けるほうが楽なんっすが、雪が積もっているとなると、路肩の状況が見えなかったり、滑ったりして、最悪、川に転落するという可能性も…。 かと言って、あの急な坂を登れる気はまったくしなかったりするし、とりあえず現場にたどり着くことは出来たんっすが、帰りのことを考えると、今からめっちゃ憂鬱…。 で、タンクのほうはというと、猿梯子を昇らなければならんのですが、まず最初に役所の人が実践してくれて、で、僕も一応、形だけでも、昇ろうと努力している姿だけは見せておかなければならないな…と。 で、おそるおそる昇ってみました。 タンクの上には雪が積もっていて、そんなところに行って、足を滑らせて転落でもしたら、かえって迷惑な話なので、梯子のいちばん上まで行って、で、タンクの蓋の開口から、こっそり様子を窺ってみることにしました。 あー、確かに、ちょっと特殊なボールタップみたいな何かが付いておりますな。 それで、僕としては納得がいったので、そのまま下に降りるとして。 その後、役所の人たちが頑張って、いろいろと動作を調べてくれたんっすが、その結果、やっぱりどうも、特殊なボールタップらしきものが壊れたっぽい。 そんな方向で意見が一致しました。 いやあ、原因が分かって、よかったっすなぁ。 後は専門の業者の人が、何とかしてくれるのではなかろうかと。 もしかしたら、ウチの会社がその専門の業者だったりするのかも知れませんが、今回、僕が呼ばれたのは、もしかしたら、ポンプのほうもどこか悪くなっているかも知れない。 そっちのほうの心配が主なものであったらしく、「あー、そっちのほうは大丈夫っぽいっすね、多分。」 そう断言することによって、無事、無罪放免となりました。 で、残された問題は、あとひとつ。 この場からどうやって立ち去るか。 そこでありますなぁ…。

 「あの、これ、どっちに行ったほうがいいと思いますかぁ?」 役所の若い兄ちゃんに相談してみたんっすが、彼が指さしたほうは、あちら。 Uターンして、急な坂を登るというルート。 「あの細い道を突っ切るよりは、エエんとちゃいますか?」 僕もそう思います。 頑張って、苦労して、何とかUターンして、あっちのほうを目指すことにしたんっすが、急な坂のかなり手前の平坦なところで、先に進めなくなっちゃいました。 一応、スタッドレスは穿いているんっすが、何か、めっちゃ嫌な予感がしてたんっすよね…。 何とか抜け出して、そこから加速して、この勢いならもしかして、イケるかも? そんな希望の光がチラッと見えてきたんっすが、ふと、バックミラーで後ろの様子を見ると、何か、役所の人たちがこちらに向かって、何か言ってるような? で、減速して止まったところ、そこから先に行けなくなってしまいました。 ・・・。 年配のおじさんが、「あっちから行ってもうたほうが、エエんちゃうか?」 エエェェェェ。 無駄に頑張っちゃったおかげで、そこそこ前に進んでしまっていて、あっちから行こうと思えば、かなりな距離をバックで戻らなければならんのっすけど…。 僕はバックが超苦手なので、広い道でもなるべくなら避けたいところなんっすが、道はクソ狭いし、雪は積もっているし、向こうの方に役所のクルマが止まっていたりするし…。 かと言って、そのまま前に進んだところで、急な坂を登れるような気がぜんぜんしないし、うーん…。 必死こいて、頑張って、苦労して、バックして、ようやく 「あっち」 のほうに抜けることが出来たんっすが、川の堤防みたいな細い道は、思ってたよりもぜんぜん楽勝だったりして、こんなことなら最初から、こっちのほうに行けばよかったなぁ…と。

 ちなみに、このポンプ場、タンクの水が無くなったり、ポンプが壊れて動かなかったりしても、バルブ操作でバイパスに切り替えてやれば、圧力がかなり弱くなっちゃうものの、ぜんぜん水が出ないというワケでもない。 そんな補助的な設備だったりするので、ま、年明けにでも、専門の業者に何とかして貰えばいっかぁ。 そんな方向で話がまとまって、ま、よかったな…と。 ちょうど昼飯の時間なので、近くのコンビニで何か買って、それを食べてから家に帰ることにしたんっすが、大通りに出たところにあるコンビニは道の向こう側。 反対車線を横切って入らなければならんのっすが、後ろからクルマが何台も着いて来ているし、あまり後続に迷惑は掛けたくないな。 出来ることなら、ブレーキを踏まずに突っ切りたいな…と。 前からクルマが来ているんっすが、今ならまだ間に合う。 このタイミングなら、行けるっ。 えーい、いったれ〜! で、右折して駐車場に入ろうとしたら、

 ガガガガガッ、ガガッ!!

もの凄い音と、めっちゃ嫌な振動が。 えっ、溝に落ちた? ヤバい? 何とか勢いで突っ切って、無事に乗り切ることが出来たんっすが、後から見たら溝ではなく、 こんなの に乗り上げちゃったみたいっす。 駐車場の入口に、これの短いバージョンが何個か並んでいて、それの隙間から入店しなければならなかった模様でありますが、いやあ、よく見てませんでしたな。 テヘっ♪ …ていうか、かなり高さがあるヤツだったんっすが、よく突っ切れましたなぁ…。 前輪は大丈夫だったと思うんっすが、後ろのほうが引っ掛かった? 動揺を抑え、平静を装って、何食わぬ顔で店に入って、買い物を済ませたんっすが、最後にレジのお姉さんが 「お気を付けて!」 と行ってくれたのは、雪が降っていたからっすよね? ガガガガガッ、ガガッ!! …を、見られたワケじゃないっすよね? 大丈夫っすよね?? 平成30年は平静を保てずに終わってしまいましたが、来年はガガガらないようにしたいと思います。 …と、抱負を述べておいて、今日のところは、おしまい。

 とまあそんなことで、今日はピート・ジョリーっす。 いいっすよね、ジョリー。 トムとジェリーとジョリーなら、トムがいちばんいいな♪ そんな気がするんっすが、子供の頃は断然、ジェリー派だったんっすけどね。 で、藤田淑子さん、お亡くなりになってしまいましたなぁ…。 代表作は 「一休さん」 と 「キテレツ」 と書かれておりましたが、僕にとっては断然、ジェリーっすな。 ジェリー : 藤田淑子 / トム : 八代駿 / ナレーション : 谷幹一 / ドルーピー : 玉川良一。 これ以外は認めん! で、藤田淑子さんが68歳って、意外と若くてビビったんっすが、ジェリーの声を担当していた頃は14〜15歳だったみたいっすな。 マジかよ? 現役JCなのに、「ネズミは諦めが肝心なんだ。」 みたいな達観した台詞を言ってたんっすな。 凄ぇぇぇぇ! で、当時を偲んで、9連休の初日に旧日本語吹替版の 「トムとジェリー」 を見ていたところ、電話で呼び出されちゃったんっすが、とまあそんなこんなで、ピート・ジョリー。 知ってますか? 僕は知りません。 名前だけは何となく聞いたことがあるような気もするんっすが、ピート・ジョリー (1932〜2004) は、1950年代からロスアンジェルスを中心に西海岸で活躍したピアニストで、サイドメンとして、アート・ペッパーやチェット・ベイカーのアルバムでも演奏しています。 ほぉ。 個人的にウエスト・コースト系はあまり好きではなかったりするんっすが、ペッパーやチェットとやっていたんなら、イケるかも? そんな期待が持てるような気がしないでもありません。 で、今日はそんなジョリーの 『ライブイン・L.A』 というアルバムを取り上げてみたいと思うんっすが、1960〜62年にかけて、ロスアンジェルスの 「レッド・チムニー」 もしくは 「シェリーズ・バー」 というところで行われたライブ演奏の集大成…というか、寄せ集めというか。  「シェリーズ・バー」 というのはシェリー・マンが経営していたヤツっすかね? …と思ったら、それは 「シェリーズ・マン・ホール」 でしたか。 何となく、マンホールポンプを思い出しちゃうので、改名しろ! そう、言いたくなっちゃいますが、とまあそんなこんなで、1曲目。 「オレオ」 。 ロリンズのオリジナルっすな。 急速調なテーマはピアノとベースのユニゾン。 この前 のドン・フリードマンのやつも、このパターン頻出で、かなりウザかったんっすが、今度のコレは、エエやんけ! そんな気がしちゃうんっすが、この差違はなんなんっすかね? ちなみにベース弾きは2人名前が書かれているうちの、ラフル・ペーナとかいう人のほう。 名前からしてペナペナなのかと思ったら、意外と芯の太い音を出してくれています。 ジョリーのソロはめっちゃスインギーで、背後のペーナも抜群の存在感を示しているんっすが、それより何より、ライブハウスの臨場感が、凄ぇぇぇ♪ ちゃんと演奏、聞いてるんか? そう言いたくなるくらい、かなり大きな声で話しをている客の様子が、バッチリ録音されています。 中盤、ベースのソロがかなりしっかりフォーチャーされるんっすが、嫌みな感じはみじんもなくて、とまあそんなこんなで、テーマに戻って、おしまい。 エエやんけ!

 で、続いては、歌物スタンダードの 「タイム・アフター・タイム」 。 一転して、しっとりとしたバラードとなります。 テーマ部はベースのアルコとの絡みという、地雷要素満載な仕様なんっすが、まったくなんの問題もありませんな。 「げへへへへへ」 という、酔っ払いの下品な笑い声もバッチリ収録されていて、「酒場でDABADA」 なムード満点。 ぶっちゃけ、カクテルピアノと言ってしまっていいアレなんっすが、お正月なんだし、極上の緩さが、たまらんっ♪ あ、これを書いている現在、既に年が明けたんっすが、おめでとうございます。 今年もよろしくお願いします。 んなことで、次。 「フォーリング・イン・ラブ・ウィズ・ラブ」 。 原タイトルも語呂がよくて、出来がいいんっすが、ちょっと長過ぎるのが欠点。 片仮名で書くのが面倒なんじゃ! …と、そこで邦題が登場するんっすが、 「恋に恋して」 。 簡潔だし、意味もしっかり踏襲しているし、日本語って、凄ぇぇぇ♪ で、演奏のほうはというと、イントロがちょっぴりマイルスの 「オール・ブルース」 で、その後でしっかり、お馴染みのメロディが登場するという、そんな仕掛けとなっております。 アップテンポで、ノリノリ。 ジョリーのピアノはブロックコードで、ゴリゴリ。 何というか、お下劣ゴージャス。 そういったジャンルっすかね? いかにもB級っぽいっすが、そこがまた、たまらんっ♪ アドリブに入ると、一転、小粋な感じになったりするんっすが、演奏が進んで興が乗ってくるにつれて、次第にまた下品さが顔を出し始めて、そういうところも人間的で、いいな♪ …と。 終盤、ベースのアルコ・ソロが出てきて、これがもしポール・チェンバースだったら顰蹙を買うところなんっすが、なんか、許せちゃうな…と。 かなりのテクニシャンで、人の声のように聞こえる…というか、あるいは、ハモリながら弾いているのかも知れませんが、後半、そこにピアノも絡んできて、いや、こりゃ、観客に受けるでしょうなぁ。 話し声のわりに、あまり拍手の音は入ってなかったりするんっすけど。 とまあそんなことで、 「オール・ブルース」 に戻って、で、本テーマには戻らずに、おしまい。

 …と、ここまで、よく考えたら、ドラムス抜きのデュオだったりするんっすな。 個人的に、このフォーマットはあまり好きではないんっすが、それがぜんぜん気にならないくらい、充実したパフォーマンスであったなぁ…と。 で、ここからは、ドラムスも入ってトリオになるんっすが、まずはえーと、ズート・シムズ作の 「ザ・レッド・ドア」 。 日本語ライナーで杉田宏樹クンが、 「コンファメーション」 を下敷きにしたような。 そんなことを書いておりますが、ちなみに僕は子供の頃、スーパーカー下敷きを下敷きにしておりました。 6年生くらいになって 「なめ猫」 の下敷きに変えたりしたんっすが、で、演奏のほうはというと、バップな感じ? タイコが入った分、やや粗雑な感じになっちゃってますが、ニック・マルティニスという人が叩いているんっすな。 で、ベースはチャック・バーグホファーとかいう人に代わったっぽい? ここでもアルコのソロがフィーチャーされるんっすが、ちょっとウザい感じはありますな。 終盤はピアノとドラムスの4バースがあったりして、でもって、テーマに戻って、おしまい。 で、次。 「ブルース・イン・ザ・クローゼット」 。 おすぺ師匠こと、オスカー・ペティフォードのオリジナルでありますな。 シンプルなリフ・ブルースで、個人的にあまり好きではないんっすが、ここでのジョリーくん一味は、

 ちゃんちゃーんちゃーんちゃ、ちゃーんちゃちゃん、ちゃんちゃん、ちゃんかちゃん♪

これの繰り返しの間に、「チンチン♪」 とか 「ひゅーひゅー♪」 みたいな音を出して合いの手を入れたり、ピアノ・ソロの途中で、どこかで聞いたことがあるようなメロディを引用したり、いかにもライブらしい遊び心に溢れているな…と。 途中、ベースのソロも登場するんっすが、今度はピチカートなので特に問題はなくて、とまあそんなこんなで、テーマに戻って、おしまい。 …と思わせておいて、何度もしつこく繰り返すエンディングも、なかなか秀逸でありますなぁ。 で、次。 「アイム・ビギニング・トゥ・シー・ザ・ライト」 。 エリントン絡みのナンバーのようっすが、ここでのジョリーの弾きっぷりは、まるっきりレッド・ガーランド。 これ、ブラインドフォールド・テストで出題したら、誤答率100%なんじゃないっすかね? もう、後藤クンも誤答するレベル。 ライブの臨場感も抜群で、極上のカクテルピアノでありますな、こりゃ。 ということで、次。 「サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム」 。 実はマイルスより、こっちのほうが半年ほど早く取り上げているみたいなんっすが、何気に選曲も秀でてますよね。 演奏のほうも、普通にいいし。 で、次。 「ヤー!」  ホレス・シルバーの曲なんっすが、このチョイスもちょっと意外。 で、演奏のほうはというと、思った以上にノリノリでファンキーだったりして、ヤルやんけ! そのように評価していいのではなかろうかと。 で、次。 「ホイッスル・ホワイル・ユー・ワーク」 。 あまりよく知らん曲なんっすが、 「口笛吹いて働こう」 などという邦題が付けられておりますな。 口笛吹いて〜、空き地へ行った〜、知らない子がやって来て〜、「遊ばないか?」 と笑って言った〜♪ こっちのほうは遊んでいればいいんっすが、口笛を吹きながら働かされるとか、最悪やんけ…。 で、これってもしかして、白雪姫? だとすれば、あまりよく知らん曲な筈がないんっすが、で、聞いてみたら、あー、これっすかぁ。 で、よくよく考えたら 「いつか王子様が」 も、白雪姫っすよね。 何となく、シンデレラなイメージがあったりするんっすけど。 で、演奏のほうはというと、超アップ・テンポだったりして、ちょっぴりバド・パウエルっぽい鬼気さえも感じさせる、そんな、意外な仕上がりとなっておりました。 が、出来としては、エエやんけ!

 ということで、ラストっす。 「ブルーゼット」 は、トゥーツ・シールマンスのオリジナル。 こちらはちょっぴり、エバンスっぽかったりする? 最後まで、ハズレ無しやんけ! そんな結果に終わって、とまあそんなことで、おしまい。

【総合評価】 西海岸だからとか、白人だからとか。 そんな偏見は、まったく何の意味もありませんでした。 もしかして、今年取り上げたアルバムの中でも、一番の出来なんじゃね? そんな気がしちゃうほどのアレだったりして、超オススメ☆


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