MISTY NIGHT (ARGO)

KING FLEMING (1960)

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【パーソネル】

KING FLEMING (p) RAIL WILSON (b) ROYCE ROWAN (ds) AUBRIE JONES (bongo)
【収録曲】

(01-04) OVERT / SHOULD I / TEACH ME TONIGHT / OOOO, THOSE BLUES
(05-07) MISTY NIGHT / WHEN YOUR LOVER HAS GONE / WALK SOFTLY
(08-10) MOONLIGHT IN VERMONT / LOVELINESS OF YOU / IMPORTED BLUES
【解説】 ( 2019年06月02日更新 / 連載 1,351回 )

 うわぁぁぁぁぁ、ヤベぇぇぇぇぇ。 カメラが見つからねぇぇぇぇ…。 ( 前回 参照 )  という状況から1週間が過ぎました。 とりあえず先週末の時点で、どこを探しても見当たらなくて、でもまあ、週明けに会社に行ったら、何事もなかったかのように、僕の机の上にカメラが置いてあったりするんじゃね? …と。 もしかしたら、置いてなかったりするかも知れませんが、置いてあったらいいな♪ …と。 人生、希望を持って生きることは、とっても大切だったりしますからね。 が、行ってみたら、ハンコを押さなければならない書類の類いがゴミのように溜まっているだけで、カメラはどこにも見当たらなくて、ああん…。 夢も希望も無い世の中に絶望を覚えずにいられませんが、でもまあ、点検写真の提出期限まで、あと2週間ほどは猶予があるし、それまでには何とかなるんじゃね? そんな気がしないでもありません。 で、そんなある日、あ、そういえば! ふと思い出したことがありました。 点検の際、小幼さん (仮名) に言われて、計測器具の入った工具箱のようなものを現場に持っていったんっすが、仕事が終わって荷物を片付ける際に、誰かがカメラをその中に入れちゃったんじゃね? …と。 その可能性は十分にありますよね。 というか、それしかないような気がしてきました。 犯人は恐らく、小幼さん (仮名) なのではなかろうかと。 根拠は無いんっすが、何となくそんな気がします。 故意ではなく、恋でも、鯉でもなくて、過失だとは思うんっすが、僕のカメラを持っていった人は、正直に手を挙げて下さい。 先生、怒らないから。 で、それとなく、問い質してみました。 「この前、点検に行った時、測定器具の入った箱みたいなの、ありましたよね?」 「はぁ?」 しらを切るとは、怪しいっすなー。 「何か、板の厚さを測るヤツ(?)、みたいなのが入ってたの…」 「ああ。」 思い出したフリでありますか。 中々の役者でありますな。 「アレの中にカメラが入ってるんちゃうかと…」 カメラを紛失しちゃった旨は、それとなく伝えてあったんっすが、その犯人がようやく分かりました。 それは、貴方だ! ビシッ! (←超決めつけ。) いやあ、一時はどうなることかと思ったんっすが、やはり、2週間ほどの猶予期間中に何とかなりましたな。 世の中は夢と希望に満ちあふれているな。 そのように言っていいのではなかろうかと。

 ということで、オープン・ザ・工具箱〜。 中にはカメラがちゃんと…。 ん? 見当たらないっぽい? 「あれ? 無い…」 「残念でした〜。」 小幼さん (仮名) に、そんなふうに言われちゃったんっすが、う〜! 何か、めっちゃムカつくんっすが、そして再び、絶望の淵へ…。 で、その次の日でしたか、携帯に電話が掛かって来て、 「金曜日、空いてる?」 …と。 ちょうど何の予定も入っていない日だったので、その旨を申し述べたところ、「川乗川 (仮名) 、行ってくれる?」 …と。 本名のほうは山川豊的、ならびに加減乗除的に変換するということで察して頂きたいんっすが、僕がカメラを無くしたと思しき現場が、そこなんっすよね。 点検の際、管理人のオッサンに、 「外水位の水位計の指示がおかしいで、見てくれへん?」 そう言われて、見てみたところ、「ああ、おかしいっすね。」 そういう状況であることが判明したんっすが、どこがどのようにおかしいのかといわれると、さぁ。 そこまではちょっと、分かりかねますなぁ。 どうも、水位計本体がアカンっぽい。 そういう見立てだったんっすが、となると、僕のような素人の出る幕ではありません。 餅は餅屋、蛇の道は蛇、ハンバーグのおいしいトンカツ屋さん。 最後のはちょっと違うような気もするんっすが、岐阜の瑞穂市の辺りでしたか、そういう看板を出している店があったんっすよね。 で、ハンバーグと言えば、マルシンハンバーグ。 子供の頃に食べて、あまり美味しくなかったような記憶があるんっすが、何というか、ハンバーグとは別の食い物ですよね。 が、懐かしくはあるので、先日、弁当用にと思って、買ってみました。 これ 。 おお、こんなの出てたんっすな。 黒いパッケージで、めっちゃオトナの雰囲気なところ、みみちゃんが台無しにしてくれちゃってるんっすが、油をひかずに中火で両面を約2分間、カリッと焼いて食え的な指示にしたがって、きっちりタイマーで2分間計測して焼いたところ、ちょっと焦げ気味になっちゃったんっすが、で、弁当に入れて、お昼休み。 ワクワクしながら食べたところ、うーん、微妙…。 爽やかな香りと刺激的な辛みの 「ブラックペッパー」 を入れたくらいではどうにもならないくらい、ハンバーグとは別の食い物であることが判明したんっすが、で、もう1個残っているんっすが、あれ、どうすんねん? ま、美味しくないというだけで、別段、食えないこともないので、弁当のおかずに困って、どうしようもなくなった時に、また焼いて食おうと思うんっすが、 美味しく焼く方法 。 マルシン、マルシン、ハンバーグっ♪ あ、弱火〜中火で書いてあるやん!  餃子のほうもこの前、自分で作って焼いてみたら、うまくいかなかったので、参考にしたいと思うんっすが、マルシンハンバーグのほうは、焼き方だけでどうにかなるようなレベルとは思えなくて、あ、でも、こうして動画でみると、けっこう美味そうっすな。 あ、でも、焼いてる最中は意外とイケそうだったんっすが、焼き上がってしまうと、そうでもないっすな。 やはり、ただ焼くだけではなく、何か一工夫が必要なのではなかろうかと。

 そこで、 アイデアレシピ@ハンバーグ編 。 福豆とマルシンハンバーグの炊込みご飯とか、マルシンハンバーグの洋風味噌汁とか、凄ぇ不味そう…。 冒険し過ぎて、企画倒れに終わっちゃった感が半端ないんっすが、ハンバーグフライ。 あ、これはイケそうっすよね。 これこそ、ハンバーグのおいしいトンカツ屋さんが、超得意そう。 が、朝っぱらから揚げ物をするのは面倒だし、火の不始末で、会社から帰ってきたら、火事で家が焼けちゃってたりしても嫌だし、家が焼けたら、マルシンハンバーグを自棄食いするしかないっすよね。 で、えーと、何の話でしたか。 餅は餅屋、水位計は水位計屋。 ということで、原因調査は専門家にお任せすることになったんっすが、それが金曜日ということになった…と。 で、小幼さん (仮名) は家庭の都合で休まなければならないかも知れないので、代わりに行ってくれ…と。 了解しやした! で、そういうことなら一緒に長江くん (本名) も連れてって、写真を撮り直すことにしようかな…と。 提出期限も迫ってきて、いよいよ、のっぴきらならない状況になりつつありますからね。 長江くん (本名) は点検の時にも来ていて、真犯人が発覚するまで、カメラをどっかにやっちゃったんじゃね? そんな疑いを掛けられた可哀想なキャラだったりするんっすが、現場代理人として名前を出しているので、点検写真が見つからなかった暁には、 「わたくしの不徳の致すところで…。」 と、お客さんに頭を下げて貰わなければならない立場だったりして、すなわち、撮り直しに協力する義務がある…と。 叱られるよりはエエやんけ! ただ、撮り直すといっても、エンジンオイル交換だとか、オイルフィルターと燃料フィルターの交換だとか、バルブクリアランスの点検調整だとか、燃料噴射ノズルの噴霧テストだとか、保護装置試験 (油圧低下・水温上昇) の単体試験だとか、そういうプロの手を煩わせなければならないものは素人の僕たちには無理な相談でありまして。 とりあえず、ポーズとしては 「見てるだけ」 の外観点検の写真くらいしか撮れなかったりするんっすが、それでもまあ、無いよりはマシっすよね? お客様に頭を下げるにしても、その角度が60度から45度に軽減されるくらいの効果は期待出来るのではなかろうかと。

 そんなことで、金曜日。 小幼さん (仮名) は、家庭の都合が別にどうでもよくなったみたいで、「行けるようになったわ」 …と。 そこで、とりあえず一緒に行って、手伝って貰って、写真を撮り直すことにしたんっすが、 「○○○○さん (←エンジン設備点検担当の下請さん) の分の写真も無いん?」 「そうなんっすよ…。」 「えらいことやん!」 (ニヤニヤ) 「そうなんっすよ…。」 言われなくても分かるくらい、えらいことなんっすよね、実際。 が、面と向かって言われると、ちょっとムッとしちゃうんっすよね。 言われなくても分かってるわい! で、引け目を感じつつ、 “ポンプとかを見ている状況” のポーズを取って貰って、バシバシとその様子を激写させて頂いた次第でありますが、よくよく考えたら小幼さん (仮名) って、カメラをどっかにやっちゃった張本人やん! まったく何の根拠も証拠も無いんすが、僕の心証としては、限りなく黒に近いダークグレー。 こんな感じ だったり。 カラーコードで言うと、#040404くらいっすな。 となると、何も引け目を感じる必要はなく、撮影に協力するのは当然の義務である気がするんっすが、とりあえず自分たちで出来る範囲では、最善を尽くしたな。 その状況を100とした場合、ま、47%くらいは何とかなったかな? そんな気がしないでもないくらいの写真は取ることが出来て、 「ありがとうございました…。」 僕はとってもオトナなので、表面上の感謝は忘れません。 まだ、ぜんぜん足らんような気もするんっすが、ま、叱られるのは現場代理人だし。 で、そうこうしているうちに、水位計屋さんがやってきたので、そっちのほうの手伝いをすることになったんっすが、その間、小幼さん (仮名) は何やらゴソゴソと自分の車の荷物を漁ったり、僕の車を外から覗き込んだり。 僕のカメラを探しているんっすかね? 失礼な! 車の中もちゃんと探したって! その結果、どうしても見つからなかったので、諦めて写真を撮り直すことにしたんやんけ!

 で、一応、○○○○さん (←エンジン設備点検担当の下請さん) にも、電話で協力を要請してみることにしました。 間違えて僕のカメラを持って帰っちゃった可能性がゼロではないし、そうでな かったとしたら、再び現場に来て貰って、恰好だけでも点検しているフリをして貰って、その様子を激写させて頂けたら…。 「一応、こっちの車の中も探してみます。」 との事だったんっすが、数分後、僕のところに吉報は届きませんでした。 「となると、もう一度、現場に来て貰って、恰好だけでも点検しているフリを…」 「大変やでー。」 めっちゃ、気乗りのしない口ぶりだったんっすが、 「大変なのは分かってるんっすけど…」 尚も食い下がったんっすが、「カメラを探すというのが、いちばん楽やと思うでー。」 「いくら探しても見つからんので…」 「カメラを探したほうがエエと思うでー。」 「 ・・・ 。 」 埒が明きませんな。 普通、鞄の中も、机の中も、探したけど見つからなかった時の返答は、「まだまだ探す気ですか? それより僕と踊りませんか?」 やろ。 そして初めて 「ウフフ〜、ウフフ〜♪」 な心境に至れるんやろ? そう思わずにはいられませんが、ま、実際、点検の写真を撮り直すというのは、たとえ 「フリ」 だけだとしても、かなりクソ面倒だったりしますからなぁ。 長江くんに45度ほど頭を下げて貰うだけで何とかなるんだったら、そうして貰うかぁ…。

 で、外の吐出水槽のところにある水位計の調査が一段落したので、ポンプ場の中へ入っていくと、手に何か黒いものを持っていた小幼さん (仮名) が、「ほれ」 …と。 何気なく手元に目をやると、あああああぁぁぁぁ! カメラやんけ! 「補機盤の中にあったで。」 エエエエぇぇぇ…。 「そこ、何回も探したんっすけどね…」 「ここんとこにあったでー。」 第一発見者の証言を元に、当時の様子を再現してみると、 ここ にあったそうなんっすが、エエエエぇぇぇ…。 こんなところに置いた記憶、まったく無いんっすけど…。 見つかって嬉しい気持ちはあるんっすが、ちょっと腑に落ちない気も…。 「この盤の中、何回も探したんっすけどねー。」 「中ばっかり見るから。 扉のこっちとか、意識にないから。」 小幼さん (仮名) は、そういう人間の心理的なものを説いてくれましたが、言われてみればそんな気がしないでもないし、ま、何はともあれ、見つかって、よかったぁ♪ …とは言うものの、何だかちょっと…。 こんな不安定なところに、無意識のうちにカメラを置いたりするかぁ? で、いくら中ばっかりに注意がいってるとは言え、扉を開け閉めする際に、ぜったい視界に入ると思うんすよね。 勢いよく開け閉めしたら、下に落ちちゃいそうな感じだし。 ちなみに最後、何の写真を撮ったのかと思ってチェックしてみたら、隣の盤の表の集合表示灯を写したものでありました。 試運転をして、模擬で故障を出して、表示灯が点灯する様を激写したものでありますな。 試運転をしていたら、排気管から鳥の巣の残骸が出てきたらしいので、長江くんにカメラを渡して、それを撮って貰って、その後、小幼さんに呼ばれて、その指示で何かの写真を撮ったような記憶があって、その後、カメラがなくなっちゃったので、間接的にしろ、小幼さん (仮名) が悪いっ! そんな心証が生まれてしまったんっすが、どうやら思い違いだったようで…。 あ、でも、隣の盤の表の面の写真を撮った後、隣の盤の中にカメラを置き忘れたりするかぁ? 第一発見者の証言には、やや不自然な点がある。 残念ながら、そう思わずにはいられなくて、うーん…。

 そうこうしているうちに水位計の点検が終わって、小幼さん (仮名) は帰っていったんっすが、車の中で弁当、その日のおかずはマルシンハンバーグではなくて、ウインナーを炒めたものが主菜だったんっすが、それをパクつきながら推理を働かせて、たどり着いた結論は…。 小幼さん (仮名) 、自分の車を探す。 あ、こんなところにカメラがあるやんけ! 本人の所業によるものか、長江くんの仕業なのかは分かりませんが、大騒ぎした以上、今さら自分が持ってたとは言い出しにくい…。 昔のワープロだと 「飯田市かねて」 に変換されちゃうくらい 「言い出しかねて」 、そうや! 電気の盤の中にあったという事にしたろ! が、僕が 「そこは何度も探した」 と言ったので、 「あ…、実はその、この扉のここのところに…。」 そういう不自然な発言になってしまった…と。 それがいちばん、ストンと腑に落ちますよね。 正直に言ってくれれば、先生、別に怒らなかったのにぃ…。 第一発見者が、実は真犯人だった! 何ともよくある展開でありますが、探すのをやめた時、見つかることもよくある話で。 この  “「夢の中へ」 の法則” の有用性がまたしても実証された次第でありまして、とまあそんなこんなで、(悲報) 「さば君、カメラを見つけてくれた恩人を、犯人扱いする」 の巻 は、おしまい。

 ということで、今日はキング・フレミングっす。 前回に引き続き、 “アーゴのピアニスト@厳選アルバム19枚分” みたいな10枚のCDからのチョイスなんっすが、キング・フレミングって、誰や? …と。 何となく、左手の法則の王様っぽい。 そんな気がする以外、何も浮かんでこないキャラっすよね。 が、調べてみたら、以前にもこのコーナーで一度だけ取り上げられておりました ほれ 。 東館山高山植物園っすか。 懐かしいっすなぁ。 ニッコウキスゲ、6月下旬から7月の頭ころにかけて咲く花っすよね。 で、今年はそれくらいの時期に、日光へニッコウキスゲを見に行こうかな? 以前からそんな計画を立てていたんっすが、諸般の事情からその実現が難しくなりそうで、とりあえず6月中旬頃に1泊で、どこか手近なところに行ってみようかな…と。 その時期だと、紫陽花とかホタルとかが、いい感じっすよね。 鎌倉にしようか、伊豆にしようか、それとも箱根にしようか。 昨日は1日、何故だか全然、この原稿を書こうという気になれなくて、いろんな宿に予約を入れたり、即座に気が変わってキャンセルしたりを繰り返しているうちに夜になってしまって、で、これを書いている今現在、日曜日の午後2時44分くらいだったりします。 この後、夕食の準備をしなければならないし、何だかダラダラ、無駄な時間を過ごしてしまいましたなぁ。 カメラが見つかって、清々しい気持ちで週末を迎えることが出来た筈なんっすけどね。 ということで、あまり時間がないので、今日の後半は手短に。 『ミスティ・ナイト』 。 こいつを紹介しておきましょう。 ジャケットをググった結果、2つくらいのタイプが出てきたんっすが、 これ とか。 おお、いかにもシカゴの黒人ピアニストといった感じの風貌でありますな。 左手を 「フレミングの左手の法則」 みたいにしていないのは、 プレスティッジ に気を使ったのかもしれませんが、これは右手っぽい? フレミングには右手も左手も、両方ありますよね。 で、こっちバージョンのジャケットでありますが、これはどうやらコンピ盤である模様。 今回のこれと、前回取り上げた 『スタンド・バイ』 と、更にもう1枚が入っているみたいなんっすが、となるとオリジナルのジャケットは これ っすかね? 確かにミスティなナイトっぽいっすよね。 書くのがそんなに面倒ではなさそうなのが救いなんっすが、とまあそんなことで、では演奏を聞いてみることにしましょうかぁ。

 まずは1曲目、フレミングのオリジナルで、 「オバート」 。 僕の持ってる10枚組のCDは、基本、1枚に2つのアルバムが収録されているんっすが、前半は これ 。 こいつがまた、意外と素晴らしい出来だったりして、その後ろに持ってこられるのは、ちょっと荷が重い? そんなふうに懸念していたんっすが、ぜんぜん大丈夫でした。 こっちのほうも、なかなかエエやんけ! ピアノ・トリオ+ボンゴという編成で、サイドマンの詳細に関しては割愛します。 個人的にはよく知らん人たちだったりするんっすが、で、ボンゴ入りというのが、ちょっとどうか? それも懸念材料のひとつだったんっすよね。 貝類があまり好きではない僕としては、スパゲティのボンゴレとか、余計なものを入れるな! …としか。 が、実際に聞いてみたら、ぜんぜん大丈夫した。 軽いラテンのリズムに乗せて、エキゾチックなテーマが演奏される。 そういうアレだったりして、日本人にはウケがよさそう。 ラテン好きっすからね、日本人。 ラテン、雨天、ガテン。 雨天は雨が降って鬱陶しいし、ガテンは肉体労働だし、あまり好きになれる要素がなかったりするんっすが、ラテンはいいっす。 で、エキゾチックなのも、いいっす。 まーばゆいくらいにエキゾチック、ジャパーン♪ (おっくせんまん、おっくせんまん♪) 2分49秒という、ほんのちょっとした小さなプチ小品で、あまりアドリブらしいものも出てこないので、やや物足りない感はあるんっすが、ジャズなんか、雰囲気だけで聞けばエエんや。 そういう立場で考えれば、これもアリかな? …と。 で、次。 「シュッド・アイ」 。 歌物のスタンダードであるものと思われますが、ミディアム・テンポの、いかにも小唄小唄した仕上がり。 で、アドリブ・パートは軽快にバウンスするスインガー。 そういった感じでありますな。 雰囲気的には、ちょっぴりウイントン・ケリーっぽい? ちょっぴりB級っぽい感もあるんっすが、それもまた、エエんちゃうんけ? …と。

 で、次。 「ティーチ・ミー・トゥナイト」 。 「今晩教えて頂戴ナ」 みたいな、もうちょっと何とかならんかったんか? そう言いたくなるような邦題があったような気がするんっすが、いや、それは 「ラブ・ミー・トゥナイト」 = 「今晩愛して頂戴ナ」 っすか。 で、これはアレっす。 しみじみとしたバラードっす。 で、演奏のほうは、レッド・ガーランド風? “極上のカクテル・ピアノ” という陳腐な表現がぴったりなんっすが、陳腐と言えば 「しんぷスーパー農道」 とかいう、とっても超越した農業の道がありますよね。 交通情報でこの名前を耳にする度、どういう漢字なんかと思っていたんっすが、新婦スーパー農道。 おお、めっちゃ若妻っぽいやん! いや、新婦が必ずしも若いとは限らないんっすが、旧新川郡 (にいかわぐん) と旧婦負郡 (ねいぐん) をつないでいるから、新婦なんっすな。 …と、調べ物をしているうちに、演奏のほうは終わってしまったので、次。  「オーーー・ゾーズ・ブルース」 。 フレミングのオリジナルっす。 “Oooo,Those Blues” なので、横棒を3本ほど書いておいたんっすが、 「おーーー!」 …と感動する程のものではなく、ま、普通にゾーズなブルースかな…と。 都会派アーバンな僕の趣向とはややマッチしませんが、ま、1曲くらいはこういうのがあっても、許容の範囲内かな…と。 で、次。 フレミングのオリジナルで 「ミスティ・ナイト」 。 普通、タイトル曲というと、アップ・テンポで派手派手だったりするのが通例なんっすが、ちょっぴり意表を突かれたバラードだったりしております。 ま、 「霧の夜」 っすからね。 こういう感じになっちゃいますか。 都会派アーバンな僕の趣向はぴったりなんっすが、これぞ都会の夜、オトナの夜といった感じ。 哀愁っすな。 あ、異臭。 そういう、ヘンな臭いがしそうなのではなくて、哀愁。 バイバイ、哀愁でいと♪ あれの原曲は 「ニューヨーク・シティ・ナイツ」 という洋物だったりするんっすが、まさしく都会の夜の様相。 で、これ、3分01秒という、ほんのちょっとした小さなプチ小品で、あまりアドリブらしいものも出てこないので、やや物足りない感はあるんっすが、ジャズなんか、雰囲気だけで聞けばエエんや。 そういう立場で考えれば、以下同文。

 で、次。 「ホエン・ユア・ラバー・ハズ・ゴーン」 。 ラバーにハズ・ゴーンされちゃうと、ちょっと辛いっすよね。 騾馬がいなくなっても、一部のウマ科好き以外はさほどダメージがなかったりするんっすが、で、演奏のほうはというと、ディープにハッピーな感じ? テーマ部は何だか、うすら暗い感じがあるんっすが、アドリブ・パートに入ると、軽快にバウンスするスインガーだったりしますよね? 騾馬に去られたダメージは、さほど大きくなかったようで。 んなことで、次。 フレミングのオリジナルで、 「ウォーク・ソフトリー」 。 柔らかく歩いている感じの、なかなかの佳曲。 演奏の雰囲気としては1曲目と似たような感じでありますな。 お気楽なウイントン・ケリー風。 こっちはボンゴ入り、あっちはコンガ入りなんっすが、 これ を思い出しました。 いやあ、懐かしいっすな、俳句王決定戦。 で、次。 ムーンライト・イン・バーモント。 日本名、「バーモントの月」 。 バーモントと言えばカレーやろ。 日本人なら間違いなくそう考えるところなんっすが、アメリカ人にとって、バーモントは月なんっすな。 文化人類学的に貴重な事例と言えそうです。 で、曲のほうはというと、言うほど月っぽくはなく、カレー臭くもなく、ま、普通にバーモントやな…と。 しみじみとしたバラードであるな…と。

 で、次。 「ラブライネス・オブ・ユー」 。 フレミングのオリジナルで、1曲目とか、7曲目とかっぽかったりする、軽めのケリーっぽいアレでありますな。 地味ながら自作曲の出来がよかったりするんっすが、短めの演奏で、ちょっぴり物足りない感がないでもなくて、でもって、ラストっす。 最後も自作曲で、 「インポーテッド・ブルース」 。 これはアレっす。 ブルースっす。 ピアノの人以外に、ベースとドラムスの人にも活躍の場が与えられていて、とまあそんなことで、今日のところは以上っす。

【総合評価】 全般的に軽いノリではあるんっすが、ま、肩肘張らないリラックスした仕上がりで、いいんじゃないっすか? …という気がしないでもない、そんな1枚でありました。


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