PIANO MAN (STEEPLE CHASE)

HILTON RUIZ (1975/7/10)

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【パーソネル】

HILTON RUIZ (p) BUSTER WILLIAMS (b) BILLY HIGGINS (ds)
【収録曲】

(01-03) ONE FOR HAKIM / MISTY THURSDAY / MEDI U
(04-07) STRAIGHT STREET / BIG FOOT / ARRIVAL / GIANT STEPS

【解説】 ( 2019年09月08日更新 / 連載 1,362回 )

 月曜日、勤務時間中に携帯に電話が掛かって来たんっすが、相手の名前を見た瞬間、「あ、やべぇ…」 と。 ここ の 【超・余談】 というところに書いたんっすが、先週の日曜日、あと施工アンカーなんちゃら管理士みたいな資格の試験が、滞りなく開催される筈だったんっすよね。 が、直前になっても受験票が届かず、不安を覚えながらも、そのまま放置していたら、とうとう試験の当日になっちゃったんっすよね。 で、ま、いっかぁ…と。 講習だとか試験だとかは、会社にそういう係のオッサンがいて、申請手続きとかは、すべてやってくれている筈なんっすが、ボーッとしていて忘れちゃったのか、あるいは何らかの不備が発生したのか。 でもまあ、既に終わってしまった話だし、 「覆水盆に返らず」 だし、英語バージョンだと、こぼしてしまったミルクを悔やんでも、うんちゃらかんちゃら。 僕の中でこの問題は既に解決済みだったんっすが、電話を掛けて来たのが、講習だとか試験だとかを担当する係のオッサンだったので、 「ああ…」 と。 出来ることなら、その問題にはあまり踏み込まず、そのままそっと放置しておいて欲しかったんっすが、「あと施工アンカーのヤツって、行ってもうた?」 ズバッと直球勝負っすか! うろたえつつも、平静を装って、 「え、何でしたぁ?」 我ながら、何とも白々しいと思わずにはいられませんが、僕の必死の “平静感” は、平成から令和の時代に変わっても十分に伝わったようで、「その口ぶりやと、行ってもうてないな…。」 おお、正解。 確かに、行ってもうてないっす! 話を聞くとどうやら、インターネットで受験の申し込みはしてあったみたいなんっすが、その場合、自分でネットから受験票をダウンロードしなければアカンかった模様でありまして、「えー、マジっすか? 知らんかった…。」 いや、これはマジで知りませんでした。 係のオッサンもよく分かっていなかったようで、ちなみにこの試験は管理をする人向けと、施工をする人向け、2つのタイプがあるんっすよね。 うちの事務所では僕だけが管理するほうを受けて、他の4人くらいが施工するほうを受けることになっていたんっすが、後者のほうは9月8日が試験日。 そっちのほうを受けることになっていたヤングな若手社員が、1週間前になっても受験票が届かないことに疑問を持って、オッサンに問い合わせた結果、実は自分で受験票をダウンロードしなければアカンらしいことが発覚した…と。 つまりまあ、オッサンが悪い! …と。

 ま、そのことで、オッサンを責める気はまったくないんっすが、人間誰しも、うっかりすることはありますからね。 「もぉ、うっかりさんなんだからぁ!」 「てへっ♪」 そういう方向で、円満に解決を図るつもりなんっすが、ヤングな若手社員も、あと3日ほど早く疑問に思って、オッサンに問い合わせてくれていたら、僕のほうもギリギリ間に合ったのにぃ…。 ま、そのことで、若手を責める気はまったくないんっすが、「君たちは間に合って、よかったね! 試験、頑張ってね!」 そう、エールを送ってあげたいと思います。 というか、1週間前になっても受験票が届かないことに疑問を持った時点で、あんたがオッサンに問い合わせすればよかったんじゃね? そう、結果論だけで物事を考えて、僕を非難する人がいるかも知れませんが、ま、確かにね。 今になって思えば、それが正解だったよね。 でもまあ、既に終わったことだし、来年頑張るから、もういいじゃん! そう思わずにはいられなくて、とまあそんなことで、この問題は解決しました。 で、それに先立つ、先週の金曜日でしたか。 勤務時間中に携帯に電話が掛かって来たんっすが、相手の名前を見た瞬間、めっちゃ嫌な予感が。 営業担当の大畑さん (仮名) だったんっすが、「緊急対応で、どこどこに行って貰えませんかぁ?」 とか、「ナニナニの書類が出てないみたいなんっすけど、どうなってますかぁ?」 とか、大抵がクソ面倒だったり、とっても心が痛んだりする要件だったりするんすよね。 本名のほうは大小と田畑の変換で察して貰うとして、で、今回は前者のパターンでありました。 「某町の学校給食センターから電話があって、ボイラーの減圧弁の調子が悪いみたいなんっすけど、見に行って貰うことは出来ますかぁ?」 と。 同じ町内での仕事が終わって、近くのホームセンターの駐車場で弁当を食って、車の中で昼寝をして、さすがにこの時間やと、今日は事務所に戻らんとアカンなぁ。 …と、漠然と考えていたところなので、見に行って貰うことは、十分に可能なんっすけどね。 が、出来ることなら、あまり見に行きたくはありませんなぁ…。 その理由を順序だてて書いてみたいと思うんっすが、

 まず第1に、ボイラーって、何やねん? …と。 うちの会社は上水道だとか、下水道だとか、揚水機場だとか、排水機場なんかがメインで、 水を相手に商売をしている、いわゆる “水商売” だったりするんっすが、ボイラーって、何やねん? 湯とか蒸気とか、ちゃうん? そんなん、知らんがな…と。 何のしがらみか、何故だかこの給食センターだけ、ボイラー設備の点検業務を請け負っているんっすが、専門業者の人に点検して貰って、その結果を報告書として差し出すだけでは許して貰えず、何かトラブったり、不具合が発生したりすると、すぐに呼び出されちゃうんっすよね。 しかも、待ったなし。 「給食が作れんようになると困る!」 とか言われて。 そんなこと言われても、こっちも困るがな…。 ちなみに僕は小学生の頃、給食がとっても苦手な少年でありました。 楽しみなのは揚げパンと、鯨のノルウェー風と、カレーと、冷凍みかんと、プリンと、ゼリーと、牛乳に入れるミルメークくらい。 ししゃものフリッターというのが最悪でありましたな。 そんなに嫌いではないメニューでも食べるのがクソ遅くて、昼休みや掃除の時間まで食べさせられたりして、基本的には苦痛でしかなかったので、「給食が作れんようになると困る!」 と言われても、まったく説得力がなんっすが、すぐ近くのファミマでシーチキンのおにぎりでも買ってきて、児童と生徒に配ればエエがな…としか。 でもって、ボイラー室って、クソ暑いねん! …というのが、出来ることなら、あまり見に行きたくない主な要因なんっすが、ま、簡単に言うと、見にいってもよく分からんのに、急かされるのは確実で、ツライ…と。

 が、そのような正当な理由を述べても、うちの営業と、客先の担当者が許してくれるとは思えず、仕方がないので、とりあえず見に行くだけ、見に行ってみることにしました。 本当に見るだけっすからね。 見た結果、「あー、やっぱ、アカンっぽいっすな。」 そういう判断を下して、それで終わりっすからね。 後はボイラーとか蒸気に詳しい人に何とかして貰うしかないんっすが、僕ってほら、新しい工事の監督業務が一件入って来たし、排水機場の月点検と年点検を複数箇所抱えているし、マンポン設備が壊れたら、その対処をしなければならないし、面倒なのでずーっと放置している書類が限界まで溜まっちゃってるし、ジャズ関連のWebサイトの原稿を書かなければならないし、ジャケットの絵だって手書きしなければならないし、ネコに餌をやらないとニャーニャー煩いし、何やかんやと忙しくて、門外漢のボイラーなんかに関わっている余裕はありません。 で、ボイラーの減圧弁の調子が悪いって、どういうふうに悪いのかと思ったら、蒸気配管の減圧弁の一次側には圧力が掛かっているのに、二次側の圧力が “0” になっている…と。 おお、完璧な減圧ぶりやん! これ以上ない働きっぷりであると褒めてやるしかありませんが、よくよく話を聞いてみると、そういう、流れを完全に止める役割というは、仕切弁という奴らが仕切っているんだそうで、減圧弁に求められているのは、 違う、そうじゃない。 鈴木雅之に言われて、始めて知ったんっすが、確かに圧力を減じてくれないと困るんだけど、 “0” では意味がねぇ。 そういう世界らしいんっすよね。 今回、問題が発生している蒸気配管は食器洗浄機に繋がっているそうなんっすが、圧力ゼロでは、コイツらがちっとも働いてくれないんだそうで。 やっぱ、世の中に圧力団体というのは必要なんやな。 そう、再認識させられるエピソードなんっすが、ただ、あまりにも圧力が強過ぎると壊れちゃうかも知れないので、そこんとこ、よろしくね♪ そんな微妙なバランスを担っている、とっても偉大な弁だったんっすな、減圧弁。

 「調整で何とかならん?」とか、簡単に言われちゃったんっすが、そんなん、素人には、無理! いつも水の配管でお世話になっている職人さんにも聞いてみたんっすが、「蒸気はなぁ…。」 と、気乗りのしない返事しか貰えなくて、うーん…。 現在、バイパスのバルブを開けて、それで何とかしているみたいなんっすが、もし、圧力が高くなり過ぎて、食器洗浄機が壊れたりしたら大変なので、早急に何とかしろ! そんなご用命だったんすが、配管サイズ100ミリの減圧弁が、そんな簡単にすぐ手に入るとは思えないし、それに、どのメーカーのどんな機種なのかも分からないし…。 やんわり、その趣旨を申し述べたところ、「見て分からん?」とか、簡単に言われちゃったんっすが、ま、そこまで言うのなら、見るだけは見てみますけどね。 で、見てみた結果、桃のマークが付いていたっんっすが、あ、これはベンの弁っすな。 「ベン 減圧弁 蒸気」 でググったら これ が出てきたんっすが、ベンの減圧弁の 「弁天」 。 パッと見た感じ、コイツにそっくりなので、ま、これでいっかぁ。 そんな確信を得ることが出来ました。 受注生産で、納期が3ヶ月とかだったら、ブツが手に入るまで、食器洗浄機クンには高圧的な態度に耐えて、頑張って生き延びて貰うしかないんっすが、調べてみたら普通に 通販 で売ってるやん! 当日出荷可能18:00まで受付。 そんなことが書いてあったりしませんかね? で、商品レビューを見ると、客先で使用している生産設備の蒸気供給ラインにおいて、減圧ができなくなったので緊急修繕が必要となり、既設品と同じ部品を手配、購入して交換しました。選定の理由は、他社に比べ納期がはっきりしていて、早かったからです。 ・・・・・ 。 こんなの客先の担当者に見られちゃったら、今すぐ注文しろ! で、すぐに直せ! そう言われちゃうのは必至。 「と、とりあえず納期を確認してみまっす。」 営業担当の大畑さん (仮名) に電話して、管材屋さんにファックスを入れて貰うことにして、で、一応、こっちからも管材屋に電話を入れてみたところ、担当者は外出中。 金曜日だし、返事がくるのは来週になっちゃうかも知れませんなぁ。 で、実際にモノが入ってくるのは、その2〜3日後か、1週間後か、場合によっては数ヶ月後だったり。 その旨を説明させて頂いて、じゃ、今日のところは、そういう事で!

 何とか現場から逃げ出すことが出来たんっすが、ボイラー室はクソ暑いし、客先の担当者からのプレッシャーは半端ないし、こういう時、間に入って圧力を和らげてくれる “減圧弁くん” みたいな人がいてくれると助かるんっすけどねぇ…。 で、月曜日、管材屋さんから納期の連絡が入りました。 2〜3日。 やっぱ、すぐに入って来ちゃうんっすな。 「何とか今週中には入ってくるみたいなんっすけど、平日の作業は…」 「給食があるから、無理っ!」 非常時なんだから1日くらい、給食の担当者は休職しちゃえばいいのに…。 で、今度の土曜日にやってくれ。 そういう話になっちゃいました。 エエぇぇぇぇ…。 週末はジャズ関連のWebサイトの原稿を書かなければならないし、ジャケットの絵だって手書きしなければならないしで、何かと忙しいんっすけど…。 こんなことなら、結局はめっちゃ暇だった先週のうちにこっちの原稿を書いておいて、今週、小ネタにすればよかったんっすなぁ…。 さすがに2週続けて手を抜いたりすると、ちょっぴり良心の呵責を覚えてしまうくらい、責任感の強いキャラだったりしますからね、僕。 一度、サボリ癖がついちゃうと、そのままズルズルいっちゃうような気がするし。 で、土曜日に取り替えるというのは、それでいいとして、それまでの期間が心配なので、一度、今のヤツの調整をして貰えないか…と。 エエぇぇぇぇ…。 説明書を見たら、キャップを外して調整ボルトを回してやれば何とかなるような気もするんっすが、天井を走っている配管なので、脚立の上に昇らなければならないし、僕、高所恐怖症なので高いところは駄目だし、周りに熱水と蒸気の配管が走りまくっていて、クソ熱くて、ちょっと触っただけで火傷しちゃいそうだし、それになにより面倒だし、出来ることなら関わり合いになりたくないんっすけどねぇ…。 が、それでは客先の担当者が許してくれそうにないので、とりあえず下請の配管屋さんに来て貰って、業務を丸投げすることにしました。 ほら、餅は餅屋って言うし、蛇の道は蛇とも言うし、マンポン技師が給食の施設に手を出したりするのは衛生上の問題があるような気もするし、おいら、ボイラーのことは何にも分からなかったりするしぃ。 で、来て貰って、見て貰った結果、「何か、減圧弁、普通に働いてるんちゃうん?」 という状況であることが判明しました。 いや、何となくそんな気はしてたんっすよね。 バイパス配管に減圧弁はないので、そこのバルブを開けたら1次側と2次側は同じ圧力になる筈なのに、2次側のほうは半分くらいの数値になってたし。 減圧弁の前後の仕切弁を仕切ってバイパスを開けたのかと思ったら、どうせ流れてないんだしぃ。 …と思って、そのままにしていたみたいだし。 もし、何らかの事情で減圧弁が復活したとしても、バイパスを開けたら2次側の圧は高くなるんじゃね? そんな気がしないでもないんっすが、僕、蒸気のことは何にも分かってなかったりするしぃ。 でもまあ、蒸気が上機嫌で減圧されているんなら、それでいいんじゃね? そういう方向で話が進んで、とりあえず冬休みまで様子を見ることになりました。

 ところで、株式会社ベンって、どうして桃のマークなんっすかね? 疑問に思って調べてみたら、その答えが ここ に。 会社発足時に、日本一のバルブメーカになるために、日本一の桃太郎にあやかって桃を表わす図案の中に当時の社名のFVを抱き合わせたものが考案された。 おお、言われてみれば、桃の中に “FV” が潜んでおりますな。 かなり微妙ではあるんっすけど。 で、沿革 を見ると、

  藤島製作所 → フシマン製作所 → フシマンバルブ製作所 → フシマンバルブ → ベン

 このように社名が変遷した模様っす。 ん? 当時の社名の “FV” は、どこ? …と思ったら、 “fushiman Valve” で “FV” ということなんでしょうな、多分。 このマークには “いつまでもみずみずしい、さわやかな会社でありたい” との願いが込められている。 そんなことも書かれておりますが、桃のマークで、ベン。 桃を食べ過ぎて、下痢便。 そんな状況しか思い浮かばなくて、さわやかさとは無縁な気がしないでもないんっすが、「見て分からん?」とか、簡単に言われて、見てみた結果、あ、桃のマークで、ベンの弁やん! そう、すぐに判別することが出来で、よかったな♪ …と。 もし、桃ではないマークのバルブだったら、未だに正体が分からず、路頭に迷っていたに違いありません。 危ないところでした。 が、もう大丈夫。 「見て分からん?」とか、簡単に言われた時に、めっちゃ役に立つかも知れないページを発見しました ほれ 。 どれもこれも基本、ダセぇ…。 特に蟻印と金賞がアレなんっすが、蟻は(株)アリキっすか。 アリ有りきで蟻にした感じっすな。 で、金賞のほうは (株)石谷バルブ製作所 。 ホームページも、なかなか洒落ておりますな。 Webデザイナー憧れのフレームを駆使していて、凄ぇぇぇ! タイトルは右から左に流れるし、素敵なBGMが流れるし、地球はクルクル回るし、半端ねぇぇぇ! こういうのを見ちゃうと、うちの 『塩サバ』 はまだまだやな。 そう、痛感せずにいられませんが、いつかこんな、イラストが動いたり、右から左に流れたりするハイテクなサイトに生まれ変われることを夢見て、とりあえず今日のところは、おしまい。 んなことで、 お疲れサバ〜

 ということで、今日はヒルトン・ルイツっす。 前回から、 mora で買ってみたヤツを取り上げるシリーズというのをやる予定だったんっすが、CDが手元にないと何かと面倒だし、土曜日は仕事が入っちゃいそうだし、とりあえず今週はジャケ絵を書くのが簡単そうなヤツを適当に選んでおくか…と。 が、その仕事もなくなり、心に余裕も生まれたので、通販サイトで手に入れた謎ピアニストの 『ピアノ・マン』 というアルバムを取り上げてみることにしようかと。 …と思っていたら、別の要件で呼び出されることになって、結局、あまり余裕はなくなってしまったんっすが、意外とこのジャケットは、書くのがそんなに面倒ではない気がしないでもないので、ま、いっかぁ…と。 ファン待望の彼の代表作が、日本初CD化! ラテン出身者特有のフレージングと鮮やかな歌心が醸し出す艶のある作品! CDの帯にはそんなことが書かれているし、ベースはバスター・ウイリアムス、ドラムスはビリー・ヒギンズ。 サイドマンも名前が知れているし、これ、かなり期待してもいいんじゃね? そんな予感が半端ありません。 リーダーそのものが謎すぎるのが懸念材料ではあるんっすが、ジャズ・ミュージシャンにとって血筋というのは大切なものだが、本アルバムのヒルトン・ルイツに関しても同様にいえる。 彼はニューヨーク生まれのアメリカ人であるが、プエルトリコの血が流れているだけに気質も明るく、音楽の面にもこうした要素が多分に滲みこんでいる。 特にルイツの場合は自らの血のほかに、キューバやスペインといった民族音楽の下地もあり、ラテン音楽を演奏するさまざまなグループの中で腕を磨いてきた。 もちろんジャズ・ピアノの伝統およびさまざまな、うんぬん。 書き写している途中で、クソ面倒になって来たので、以下は割愛しますが、日本語ライナーで佐藤秀樹クンが、そんなことを書いておりますな。 要は、ラテン系だから、御陽気だよね…と。 あ、そうそう。 先ほどの動くサバなんっすが、 ここ から無断で勝手に使用させて頂きました。 「鯖専用日本酒サバデシュ」 って、何やねん…。 んーと、 これ っすか。 個人的に、日本酒もサバも、そんなに好きではないので、あまりソソられるものはなかったんっすが、んなことで、とりあえず演奏を聞いてみることにしましょうか。

 まずは1曲目。 「ワン・フォー・ハキム」 。 ルイツがいつも一緒に演奏していた仲間のベース奏者、ハキム・ジャミに捧げて書かれたオリジナル。 軽やかでリズミックなタッチはプエルトリコの血を引く彼らしい味わいを見せている。 そう、佐藤秀樹クンが書いているようなアレだったりします。 何でもいいけどプエルトリコって、プエル・トリコじゃなくて、プエルト・リコなんっすよね。 スペイン語発音は、プゥエルト・リーコ、英語発音だと、ポータ・リーコウ、または、プウェァルタ・リーコウとなるみたいなんっすが、これだと “増えるワカメ” の親戚感が、かなり薄まっちゃいますよね。 あまり虜 (とりこ) にはなれないな…と。 で、曲のほうはというと、確かにラテン風味っすな。 が、ピアノのタッチは意外とあっさりしていて、「情熱 熱風 せれなーで」 感は、やや希薄かと。 えーと、 これ っすか。 普通にエエ歌やん! さすがは筒美京平といった感じでありますが、ゆれてハラハラ Night & Day ポニーテールぅ♪ 伊達歩の歌詞も、伊達に歩んでねーな…と。 で、テーマに続いて、ルイツのピアノ・ソロ。 ラテン出身者特有のフレージングと鮮やかな歌心が、艶を醸し出しているな。 そう、評価していいのではなかろうかと。 で、次。 「ミスティ・サーズデイ」 。 ピアニストのデューク・ジョーダンの作品。 作曲者自身の録音が少し前にあったばかりで、プロデューサーであるニルス・ウインターの提案によって取り上げられた…と。 ニルスの提案なら、受け入れるしかないっすよね。 ニルスって、ふしぎな旅をしそうだし。 「サバを煮るっす。」 とか、言いそうだし。 美しくデリカシーなメロディを持つこの曲はジョーダンの名演で聴くことが出来るが、ルイツのリリカルな面を示す演奏も悪くない。 秀樹クンはそう言っておりますが、基本、あまり盛り上がらない割に、11分11秒と無駄に長くて、艶を醸し出しているというより、若干、お通夜の雰囲気が…。

 んなことで、次。 「メディU」 。 メリー・ウィリアムスのオリジナルで、スィンギーなプレイで魅せる。 そういったアレなんっすが、ちなみに日本語ライナーには 「メディリ」 と書かれておりますな。 確かに “U” と “リ” は似てるんっすが、似て非なるものなので、 「間違えちゃった。テヘッ♪」 と、訂正して頂ければ幸いかと。 メリー・ウィリアムスって、メリー・ルー ウイリアムスと同一人物なら、かなり古い時代のピアニストの筈なんっすが、曲調がえらくモーダルなので、ちょっとビビりました。 ググったら 「 Medi I 」 というのが見つかったんっすが、えらい美人サンなんっすなぁ。 で、ここでのルイツくんのプレイは、なかなかいいな♪ そのように評価していいのではなかろうかと。 で、次。 「ストレート・ストリート」 。 あまり聞いたことがない気がするんっすが、ジョン・コルトレーンのオリジナルなんだそうで。 秀樹くんも 「比較的知られていない」 と書いておりますが、ちょっぴりタッド・ダメロンっぽい、なかなかの佳曲だったりしております。 で、演奏のほうは、ルイツくんのストレートな弾きっぷりが、いいな♪ …と。 で、次。 「ビッグ・フット」 。 今度はチャーリー・パーカーのオリジナルを取り上げておりますが、ぶっちゃけ、これは失敗やったな…と。 まったく日本人受けしないタイプの楽曲だし、ミディアム・スローなテンポ設定も、ビ・バップのスピード感を阻害している感じだし。 で、ここでのルイツのピアノは、ちょっぴりフィニアス・ニューボン・ジュニア。 テクニカルなテクニシャンぶりを発揮していて、ま、頑張ってるんじゃね? …と。 で、バスター・ウィリアムスも地味なベース・ソロで地味に存在感を示していて、その後、ビリー・ヒギンズのタイコがフィーチャーされるパートもあったりして、トリオとしての三位一体がインタープレイなのは評価出来るんっすが、いかんせん、10分41秒というのは無駄に長いなぁ…と。 でもって、テーマに戻って、おしまい。 ま、演奏そのものは悪くなかったんっすが、 「でかい足してんじゃねぇ!」 そう言いたくなるのが、ちょっと難かな? …と。

 で、次。 「アライバル」 はルイツの2つ目のオリジナル。 ブルージーな雰囲気の演奏が印象に残る。 そういうアレだったりします。 ちょっぴりお洒落な曲調で、微妙にビル・エバンスっぽい感じがなくもなくて、悪くないと思います。 が、ソロが始まると、やっぱりちょっぴりフィニアス・ニューボーン・ジュニアで、というか、さらにフリーっぽくなる局面もあったりして、で、中盤以降、ベースやタイコの人に焦点が当たるパートもあって、トリオとしての三位一体がインタープレイなのは評価出来るんっすが、いかんせん、8分09秒でも、やっぱり長いなぁ…と。 んなことで、ラストっす。 CDオマケ曲なので、基本的にどうでもいいんっすが、 「ジャイアント・ステップス」 。 コルトレーンのめっちゃ有名なのを持ってきましたなぁ。 が、メロディ・ラインがどうこうというタイプの曲ではないので、アドリブの素材として、いかにソロが展開されているのかという方面にしか興味が向かなかったりするんっすが、で、イントロからいきなり、難解キャンディーズな気配が半端ねぇ…。 が、お馴染みのテーマが登場して以降は、わりとオーソドックスで、ほんの少しだけ気持ちを取り戻すことが出来て、で、急速超のピアノ・ソロも破綻が無くて悪くなくて、が、続くベース・ソロは無駄に長くていいところがなくて、ま、本編でオクラ入りなのも、やむなしかな…と。 で、その後、ビリー・ヒギンズのソロがフィーチャーされて、ま、これは若干、マシだったりして、とまあそんなこんなで、テーマに戻って、おしまい。 んなことで、今日のところは以上っす。

【総合評価】 期待したほど、よくはなかったっす。 が、めっちゃ悪いということもなくて、まあまあいい感じなのも、いくつかは散見されました。 ただ、プエルトリコの血が流れているだけに気質も明るく。( ←これ ) を感じさせるのは半分くらいしかなくて、が、気質が暗くて、何が悪い! そんな気概を感じさせるものもいくつか散見されて、総体的にみると、まあまあやな。 そんな1枚でありました。


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