THE GENE HARRIS TRIO PLUS ONE (CONCORD JAZZ)

GENE HARRIS (1985/12)

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【パーソネル】

STANLEY TURRENTINE (ts) GENE HARRIS (p) RAY BROWN (b) MICKEY ROKER (ds)
【収録曲】

(01-04) GENE'S LAMENT / MISTY / UPTOWN SOP / THINGS AIN'T WHAT THEY USED TO BE
(05-06) YOURS IS MY HEART ALONE / BATTLE HYMN OF THE REPUBLIC

【解説】 ( 2019年09月15日更新 / 連載 1,363回 )

  『くわなにさくはな』 。 こんなのが出ておりました。 RHYMESTER の Mummy-D って、このオッサン、この世界では有名だったりするんっすかね? ヒップホップ? ラップ? この世界で僕が知ってるのって、 「DA.YO.NE」 と 「メロラップ」 くらいなので、ぶっちゃけ、よく分からなかったりするんっすが、で、みんなもう、飽き飽きしているとは思うんっすが、せっかくなので動画を貼っておきましょう。 ほれ 。 どうせなら 「くわなラップ」 も、よく分からんオッサンではなく、メロ嬢のようなビッグネームに歌って欲しかったんっすが、でもまあ、めっちゃ桑名を宣伝してくれているので、Mummy-D には、感謝! …でありますな。 1970年生まれって、意外にも僕よりも年下みたいなんっすが、“歴史通” Mummy-D、三重県桑名市 「魅力みつけびと」 2019年担当に就任 っすか。 2020年担当は是非、 “塩通” Sabba-P (←さっばぴょん) に! そう、自薦したいところなんっすが、あ、来年は既に、白洲信哉 (文筆家、文化イベントプロデューサー) の就任が決まっているんっすか。 そんな “しらす干し” みたいなヤツより、 “サバ節” のほうが、いい出汁が取れると思うんっすが、んーと、 このオッサン ? 父方の祖父母は、白洲次郎・正子。 母方の祖父は文芸評論家の小林秀雄。 おお、勝てる気がしねぇ…。 しかも、めっちゃイケメンやんけ! ちなみに、2018年は柏井壽 (小説家) 。 特段、何らかの活動をしていたような記憶はないんっすが、氏はハマグリの一番の旬が6月である事にも触れ、 「ハマグリの日」 を制定する事を伊藤市長に提案するなど、セッションを大いに盛り上げた。 そんなものが制定されたという話も聞かないし。 その点、今年の Mummy-Dクンは、やってくれたな! そのように評価していいのではないかと思うんっすが、『くわなにさくはな』、普通にエエやん♪ 同市を象徴する祭り、ユネスコ無形文化遺産認定にして “日本一やかましい祭” と称される石取祭(いしどりまつり)。その太鼓をサンプリングしたトラックに歴史好きたる氏だからこそ成し得るリリックの世界観、そして何よりもキャッチーなパンチライン。 え、パンチラ? そんなシーン、あったっけ? 思わず最初からじっくり見直してしまったんっすが、 パンチライン 。 あ、そこで区切るんっすかぁ…。 でもまあ、よく考えたら、クリィミーマミならともかく、Mummy-D のぱんつとか、どうでもいいな…と。

 で、探してみたら、 去年バージョン もありました。 バックで流れている曲、なかなかいいっすな。 ジャジーっすよね。 で、映像のほうは、ハマグリっすな。 ちなみに僕は断然、ハマグリよりも甘栗派なので、この映像を見ても、さほどソソられるものがなかったりするんっすが、煮ても焼いても、そんなにアレなんっすが、ま、揚げてくれさえすれば、アゲアゲかな? …と。 ハマグリフライも、はまぐりの天麩羅も、意外とイケます。 牡蠣なんかも、煮ても焼いても、そんなにアレなんっすが、牡蠣フライは美味しいっすよね。 で、牡蠣と言えば、広島。 この月末に遊びに行く予定なんっすが、焼き牡蠣や牡蠣飯はともかく、牡蠣フライはちょっと食べてみたいな…と。 まだ、時期ではないんっすかね? Rが付く月が、どうのこうの。 そういう話がありますよね。

 January February March April May June July August September October November December

 Rが付くのは1〜4月と、9〜12月、付かないのが5〜8月。 おお。 その辺に3日ほど放置した生牡蠣を食ったら食中毒になりそうな暑い時期は、きっちりアカンということになって、凄ぇぇぇ! 逆に、岩牡蠣というのは夏期が旬の牡蠣だったりするんっすが、えーと、岩牡蠣と真牡蠣の違いって何? 岩牡蠣の水揚げ時期は6〜9月で、真牡蠣は10月〜4月っすかぁ。 セプテンバーはRの付く月ではあるんっすが、ちょっと微妙? ま、別にどうしても牡蠣が食いたいというワケでもないし、それ以外の広島グルメでも、ぜんぜん大丈夫なんっすが、となると、候補の筆頭はやはり、広島風お好み焼きということになろうかと。 広島風お好み焼きを略して 「広島焼き」 というと、広島人がブチ切れる。 そんな話はよく耳にするんっすが、ま、桑名人の僕も、時雨煮のことを佃煮と言われると、ちょっとムッとするので、その気持ちはワカランでもないんっすが、 桑名市の噂 。 上のほうに出てきますよね。 朝早く、時雨売りのおばちゃんが時雨を売りに来て起こされる。 そんな話は聞いたことがないんっすが、赤須賀あたりには出没するんっすかね? で、くわなめし、しぐれ肉巻きおにぎりで町興ししようとしている。 これは完全、失敗に終わりましたな。 町おこし用に新しく考えた “ご当地グルメ” とか、恥ずかしいのでやめて欲しいんっすが、この点ではトンテキの四日市と、津餃子の津が、ちょっと羨ましかったり。 ま、津餃子なんてものは、給食に馬鹿デカい揚げ餃子が出ていたというだけの話で、そんなもん、中学校の修学旅行の時に泊まった東京の 「ちょうよう館(?)」 とかいう旅館の晩飯にも出たわ! そう言いたくなっちゃうんっすが、んーと、 これ ? 中庭とかあって、けっこう立派な旅館だったんっすなぁ。 いちばん下に出てくるエジプト壁画ちっくな浴場にはまったく記憶がないんっすが、生徒が使う大浴場は新館の地下にあり、男女別で小さな銭湯くらいの規模だった。 そっちのほうを利用したんっすかね? いずれにしろ、晩飯に馬鹿デカい揚げ餃子が出たこと以外、まったく記憶になかったりするんっすが、で、今回、僕は愛媛県の松山市 → 船で広島県の呉市 → 船で広島市。 そんなルートで回る予定なんっすが、松山にも “ご当地お好み焼き” みたいなのがあるんっすな。 三津浜焼き 。 B級グルメって大抵、 「○○○○をひろめ隊」 みたいな恥ずかしい団体名を名乗って、こういう、どうでもいい 「○箇条」 みたいなのを制定してますよね。 で、平成船手組の人たちは、三津浜風お好み焼きを略して 「三津浜焼き」 と言っても、別にブチ切れたりしないみたいなんっすが、というか、自分たちで 「三津浜焼き」 と言ってるみたいなんっすが、 広島県の “〇〇焼 。 広島市以外は普通に、 “地名+焼き” を甘受してますよね。 そのほうがアイデンティティもはっきりとして、得策だと思うんっすが、 “呉焼き” なんてのもあるんっすな。 そうとも知らず、呉市にある広島焼きっぽい店に予約を入れちまったぁ…。

 ちなみに、 ここ 。 シャイで、無口で、恥ずかしがり屋で、強度のコミュ障である僕は、基本、一人で店に入れなかったりするんっすが、予約さえ入れておけば大丈夫。 勇気を振り絞って、店に入る。 → 「生憎、満席でして…」 とか言われて、断られる。 → 深く傷付く。 そういう流れになるのが耐えられないナイーブな少年 (←Mummy-D よりも年上) だったりするんっすが、予約さえ入れておけば、まず断られることはないっすからね。 むしろ、「お待ちしておりました!」 と、ニッコリ歓迎されたりするんっすが、訪れた店があまりにもガラガラだったりすると、わざわざ予約を入れる程でもなかったな。 そんな微妙な空気になったりすることもあるんっすけど。 で、呉でネット予約が可能な店を探したところ、この店がヒットしました。 ネットだけで完結する即予約ではなく、リクエスト予約なのがちょっとアレなんっすが、予約の可否の返答をメールでくれる店もあるので、ま、大丈夫かな…と。 が、電話が掛かって来ました。 ビクッ! 大抵、予約内容を確認されて、 「あ、それでオーケーっす…」 みたいな返答さえする事が出来れば、それで大丈夫なんっすが、今回はちょっと違いました。 質問1。「テーブル席とカウンター席がございますが、どちらがよろしいですかぁ?」 「あ…、カウンターのほうで…。」 「かしこまりました。」 おお、かしこまられた! これでもう、安心。 …と思ったら、次なる質問2が。 「鉄板から直接ヘラでお召し上がりになりますかぁ? それともお皿とお箸を用意しますかぁ?」 「あ…、鉄板で直接…。」  「かしこまりました。」 おお、かしこまられた! 今度こそ、もう大丈夫。 広島風お好み焼き、略して広島焼きは、お皿に入れてお箸で食べるのではなく、鉄板から直接ヘラで食べるのが、通。 そんな話を聞いていたので、即座に回答することが出来たんっすが、 「この客、通やな!」 そんな印象を店員に与えることが出来たに違いなく、今回の僕は100点でありましたな、我ながら。

 それはそうと、徳兵衛って、広島にあるのに、関西風のお好み焼きを食べさせる店じゃなかったっけ? 予約が成立してしまってから、その点が心配になったんすが、広島で広島焼きではないお好み焼きを食うとか、何の意味もなかったりしますからね。 が、大丈夫でした。 それは徳兵衛ではなくて、 徳川 っすな。 混ぜ焼き式で客が自分で焼く方式を採用するお好み焼きチェーンで、メインとなる商品は関西風お好み焼きである。 そんなもんは大阪で食えばエエねん。 広島ではやっぱり、広島焼きを食いたいじゃけぇ。 広島弁が合ってるかどうかは、甚だ怪しいんっすが、2006年10月より、広島風お好み焼・鉄板居食家の新業態店 「徳兵衛」 を展開している。 あ、そういう関係なんっすな、徳川と徳兵衛。 名古屋のほうだと 「にぎりの徳兵衛」 という寿司屋のイメージが強いんっすが、広島風お好み焼の新業態店なら、まったく問題なし。 呉なのに呉焼きじゃなくて、広島焼きの店なんじゃね? その点がちょっと引っ掛かるんっすが、そもそも呉焼きというのはどういうものなのかと思ったら、軍港で船を作る職工が休憩時間に手早く食べられるよう、呉名物の細うどんを使って生地を二つ折りにした半円形が特徴。呉市で提供されています。 あ、いいっす。 僕、広島焼きはウドンではなくて、焼きそば派だし、軍港で船を作る職工ではなく、ウンコ用のポンプを整備したりする監督なので、生地を二つ折りにした半円形じゃなくても大丈夫っす。 で、話を戻して、松山の三津浜焼き。 例の、どうでもいい “10箇条” によると、 (その一) 三津浜で古くから親しまれている 「ちくわ」 を使っている。 ほぉ。 サバ家で子供の頃に作られていたお好み焼きも竹輪入りだったので、何だか親近感が湧きますな。 ちなみに、お味のほうはウスターソース味だったりするんっすが、大人になって 「おたふくソース」 というのが桑名辺りでも簡単に手に入るようになり、おたふく+マヨネーズ味へと移り変わると同事に、具のほうも竹輪から、豚肉とかイカ入りとかになって、で、いくつか飛ばして、(その五) トッピングは、肉や海産物、牛脂など各店で様々に工夫している。 この 「牛脂」 が大きな特徴みたいっすな。 ちょっとクドそうなんっすが、美味そう♪ で、(その六) 二つ折りの半月型で提供される。 軍港で船を作る職工とか関係ないし、瀬戸内海を挟んだ対岸でも、同じ形状やんけ! 恐らく、元は狭い鉄板を有効に使うために折ったとされる。 これが正解なんでしょうな。 で、(その八) 通はコテを使って鉄板の上で食べる。 そうそう。 通はやっぱり、コテを使って鉄板の上で食わねばなりません。 これは三津浜焼きでも、呉焼きでも、広島焼きでも、共通。 根性焼き…は、ちょっとヤメておいたほうがいいかと思うんっすが、焼きゴテとか、焼き鉄板とか、根性だけでどうにかなる問題ではないっすからね。 ま、それは煙草の火でも同じことなんっすけど。

 で、この三津浜焼きも美味しそうではあるんっすが、呉で広島焼きを食べるから、別に食べなくてもいっかぁ…と。 で、同様に、広島で広島焼きを食べなくても、別にいっかぁ…と。 広島焼きって、食べる前はめっちゃテンション上がるんっすが、実際に食ってみると、「こんなもんかぁ。」 みたいな感じで、ちょっと熱が冷めちゃうんっすよね。 その、熱が冷めるのを少しでも食い止める為に、鉄板から直接食べることが推奨されているのではないかと思うんっすが、で、広島で広島焼き以外のものとなると、結局、元に戻って牡蠣フライということになりますかね? で、牡蠣フライが食べられて、ネットで即予約が出来る店を探してみたんっすが、お一人様だとリクエスト予約になっちゃたり、ランチだとやっぱりリクエスト予約になっちゃたりで、なかなかこれといった店が…。 ま、店から電話が掛かって来ても、基本、「あ、それでオーケーっす…」 みたいに答えておけば、それで大丈夫なんっすが、そうは言ってもやっぱり、ちょっと気が重い…。 ま、それはそうと、色々と調べているうちに、広島焼きと牡蠣以外にも、広島名物らしきものがあるのを発見。 【季節ごとの先付や牛コウネ焼き、広島名物のガンス・牡蠣フライなど】 がお楽しみいただけます♪ そんな宣伝文句が書かれている店がいくつもありました。 牛コウネ焼き? ググってみたら、牛の部位なんっすな。 これ 。 「コウネ」 は 「炎の肉」 という意味だそうで、炎が上がるほど脂がのっています。 えー? それって、牛脂と大差ないんじゃ? が、牛の脂、美味いっすからね。 コウネも普通に美味そうで、チクショー! それ、コウメじゃね? そんな気がしないでもないんっすが、 毎日チクショー! 毎週ネタを考えるだけでもアレなのに、毎日。 「継続は力なり」 という言葉の強烈なアンチテーゼであると言えそうなんっすが、ごく稀に、ちょっと笑えるのがあったりして、どうしたんや? 今日はどっか調子悪いんか? そんなふうに心配になったりしますよね。 で、もうひとつ、広島名物のガンス。 フンガー フンガー、フランケン、ざます ざますのドラキュラ、ウォーでがんすの狼男、おれたちゃ怪物三人組よ〜♪ そうでガンス♪ んーと、 これ ? 宇和島のじゃこカツ、もしくは徳島のフィッシュカツみたいなもんっすかね? 鳴門に行った時、フィッシュカツを買って食ったら美味しかったので、今度は愛媛でじゃこカツを食べてみよう。 そのように画策していたんっすが、広島の “がんす” も追加でがんすな。 その他、「汁なし担担麺」 なんてのもあるみたいなんっすが、これもなかなか美味しそう。 こいつも、店を探して食べてみますかね? 間違えて、神奈川県の県央地域に位置する市で、トリノへの思いを自作のラップに込めないよう、気を付けなければならんのっすけど。

  「汁なし担担麺」 かと思ったら〜、
  「海老名市ガンガン ズンズン グイグイ 上昇」 でした〜。

  チクショー!!

 ということで、今日はジーン・ハリスっす。 有名っすよね。 何か、何処かで聞いたことがあるような気がする程度には日本でも名前が知られてます。 で、 「スリー・サウンズの…」 と補足すれば、多くの人は 「ああ!」 と納得すると同事に、ちょっぴり落胆。 あまり、日本で人気の出るタイプのキャラではありませんからね。 個人的には、そんなに嫌いではなかったりするんっすが、んなことで、 mora にあったのを買ってみました。  『ザ・ジーン・ハリス・トリオ・プラス・ワン』 。 1985年の作品みたいなんっすが、見た目、若い頃とあまり変わってませんよね。 御陽気なオッサンという感じ。 こういう、脳天気で陰影のないタイプは日本人にはウケないんっすが、本国アメリカの一般大衆の間では大人気。 で、プラスされたワンは誰なのかと思ったら、スタンリー・タレンタイン。 『完全ブルーノート・ブック』 には、タレンタインはアメリカで最も高いギャラを取る男らしいが、果たしてそれは本当だろうか? …みたいな趣旨の記載があったんっすが、確かに、あちらの一般大衆にはウケそうなキャラっすよね。 で、プラスではない元のトリオのほうも、なかなかのメンツで、ベースがレイ・ブラウン、ドラムスがミッキー・ローカー。 ヘイ、ミッキー、廊下を走っちゃ、いけないよ。 かつて、そんな何の捻りもない俳句を捻り出した記憶があるんっすが、某ネズミの学生生活の一コマを描写した作品でありますな。 で、一方、レイ・ブラウンのほうは山下洋輔のエッセイに名前が出てきたので、ジャズを聞き出す前から名前だけは知っていたんっすが、ジャズマンの名前を日本語に訳すみたいなシリーズで、レイ・ブラウン = 褐色光線みたいな。 元ネタは油井正一センセイらしいんっすが、中でも最高傑作はタッド・ダメロン = 勃○時不能論ではなかろうかと。 で、これ、ライブ盤だったりして、アメリカの一般大衆の盛り上がりが半端なかったりするんっすが、…と、最初に答えを言ってしまったんっすが、とりあえず1曲目から聞いてみることにしましょうかぁ。

 まずはレイ・ブラウンのオリジナルで、 「ジーンズ・ラメント」 。 ジーンの哀しみなど、微塵も感じさせないブルース・ナンバーなんっすが、フェードインで、次第に音が大きくなってくるところが、なかなかに秀逸。 あたかも、ライブ・ハウスのドアを開けて、店の中に足を踏み入れるかのような雰囲気を疑似体験することが出来ます。 冷蔵庫に牛乳があたかもしれない。 「あたかも」という単語を用いて短文を作りなさい。 そんな設問に対する、模範的な回答でありますな。 で、演奏のほうはというと、トリオで演奏されるテーマ部は、極めて単純なリフ・ブルース。 が、この時点で既に観客は大盛り上がり。 「ヤー!」 とか、 「オーライ!」 とか、 「フー!」 とか、煩せぇぇぇ…。 で、続いてタレンタインのソロが登場。 極めて寛いだ雰囲気の寛 (ヒロシ) 。 そんな感じで、観客を 「イェー!」 な世界へと誘ってくれます。 続くジーンのピアノ・ソロも臭いフレーズ連発で、これでもか! …とばかりに盛り上げてくれて、いやあ、エンターテイナーぶりが半端ありませんな。 その後、タレンタインが再登場して、斎藤 一 (さいとう はじめ) なブロウをブチかまして、最後はちょっぴり落ち着きを取り戻して、で、明確にテーマには戻らずに、おしまい。 9分32秒という、かなり長めの演奏なんっすが、中だるみとか一切無くて、最後までハイなテンションが持続していて、凄ぇぇぇぇ♪ そのように評価していいのではなかろうかと。 で、次。 「ミスティ」 。 エロ系のジャズ・ピアニスト、エロール・ガーナのオリジナルなんっすが、スタンダードと言っていいくらい人口に膾炙していて、何でもいいけど膾炙って、膾 (なます) と何かっすよね? 炙って、何なのかと思ったら、炙 (あぶりにく) 。 おお、めっちゃ美味そう♪ で、曲そのものは、しっとり系のバラードなんっすが、ここでのタレンタインの “魅惑のムード・テナー” っぷりは、必聴。 途中からテンポが速くなって、軽快にバウンスするスインガー風になるんっすが、それはそれでいい感じだし、で、終始出ずっぱりで、ジーンはここでは脇役に徹していて、でもって、スローなテーマに戻って、おしまい。 5分42秒と、そこまで長くない時間で旨くまとめていて、ベテラン = オッサンの味であるな。 そのように評価していいのではなかろうかと。

 続く 「アップタウン・ソップ」 は1曲目と同じく、レイ・ブラウンのオリジナル。 イントロではそのレイ君のピチカートが強力無比だったりして、で、テーマそのものはブルージーなブルースっす。 観客、ここでも大盛り上がりなんっすが、アメリカ人って基本、臭いくさいのブルースが好きっすよね。 タレンタインの “大人の余裕” なブロウと、ジーンのエンタメなピアノ。 そのどちらも満喫することが出来て、観客は思わず、 「イェーーー!」 んなことで、次。 「シングス・エイント・ホワット・ゼイ・ユースド・トゥ・ビー」 。 「昔はよかったね」 という、爺ィの繰り言のような邦題と、もっさりの極みのような曲調で、日本人ウケは最悪なんっすが、スタ・タレ & ジン・ハリのコンビの持ち味にぴったりフィットしていて、悪くはないな…と。 むしろ 「いいな♪」 …と。 そのように言っていいかも知れませんが、ジャズに名曲はない。 ただ、名演奏があるのみ。 そんなクサい台詞も、何となく納得してしまいますな。 よくよく考えたら、僕って、古いジャズばかり偏向して喜んで聞いているので、 「昔はよかったね」 と言ってるも同然だったりするんっすが、1985年という、何とも半端な時期の演奏も、普通によかったな。 そんな仕上がりだったりして、よかったな…と。 で、次。 「ユア・イズ・マイ・ハート・アローン」 。 クドくて、ディープな曲調が目立つなか、いかにも歌物らしいポップな作風は一服の清涼剤のようであるな…と。 この表現、わりとよく目にするんっすが、清涼剤って、何なんっすかね? 仁丹みたいなもん? 普通の小粒で銀色の仁丹は、味も見た目も年寄り臭すぎて、ナウなヤングの間では不人気だったんっすが、グリーン仁丹とか、梅仁丹とか、レモン仁丹とかはお洒落でしたよね。 ググってみたら、今現在、普通の年寄り臭い仁丹と、次点で年寄り臭い梅仁丹しか生き残ってないっぽい? あ、梅仁丹も、のど飴タイプがあるだけっぽい? 最近、瀬戸内レモン味が流行っているので、レモン仁丹も頑張って復活させて欲しいものでありますが、で、演奏のほうはというと、タレンタインの悠揚たるブローと、ジーン・ハリスの超ノリノリなピアノの両方が楽しめて、よかったな♪ …と。 そのように評価していいのではなかろうかと。

 んなことで、ラストっす。 「ザ・バトル・ヒム・オブ・ザ・リパブリック」 。 日本では 「リパブリック賛歌」 という名前で知られているんっすが、もっと分かりやすく言うと、おたまじゃくしは、カエルの子〜♪ もしくは、まーるい緑の山手線〜♪ アメリカ合衆国の民謡・愛国歌・賛歌であり、南北戦争での北軍の行軍曲である。 そういうアレなんだそうっすが、愛国歌だけに、アメリカ人はこの歌が大好き。 これさえ演っておけば、盛り上がるのは必至。 そういうナンバーなんっすが、ここでのジーンはスロー・テンポの無伴奏ソロで、ジーンと感動させる系のプレイを展開していて、ちょっと意外でありますな。 …とか思っていると、一転してテンポが速くなって、超ノリノリな世界に変わったりして、この辺り、オタマジャクシからカエルへの変態を旨く表現しているな…と。 テーマからピアノ・ソロへ。 しばらくトリオで大いに盛り上げておいて、で、満を持してタレンタインが登場。 しばし豪快なブロウをカマしてくれて、アメリカ人もめっちゃ盛り上がっていて、よかったな♪ …と。 とまあそんなことで、今日のところは以上っす。

【総合評価】 シャイな日本人の仮面を脱ぎ捨てて、今日ばかりはアホなアメリカ人に転生して、心を無にして、無邪気に楽しみたい。 そんなアレだったりして、☆オススメ☆


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