SWAHILI (EMARCY)

CLARK TERRY (1955/1/3,4)

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【パーソネル】

CLARK TERRY (tp) JIMMY CLEVELAND (tb) CECIL PAYNE (bs)
HORACE SILVER (p) WENDELL MARSHALL (b) OSCAR PETTIFORD (b,cello) ART BLAKEY (ds)
【収録曲】

(01-04) SWAHILI / DOUBLE PLAY / SLOW BOAT / CO-OP
(05-08) KITTEN / THE COUNTESS / TUMA / CHUCKLES
【解説】 ( 2020年01月26日更新 / 連載 1,379回 )

 何でも欲しがる、クレクレタコラ〜♪ (クレクレ!) …ということで、呉に行って来ました。 何でもいいけど、キモいっすよね、 タコラ 。 見た目、まんまタコで可愛げがないし、強欲だし。  絵本が欲しいからって、刀で斬り殺しちゃうとか、あり得ねぇ…。 Wikipedia によると、不思議な森に住む怪獣・タコラは木の家に住み、その上から望遠鏡を覗いて欲しいものを見つけると、それを何とかして入手しようとする。場合によっては極めて暴力的な手段を用いるが、多くの場合企みは失敗し、手痛い報復を受けて終わる。 そんなストーリーみたいなんっすが、確かに、極めて暴力的な手段でありますな。 が、この回に限って言えば、企みは見事に成功しているし、さほど手痛い報復も受けてないような? 奪った絵本が超絶つまらなかったというだけで、実害はありませんよね。 それこそ、刀で斬られて酢ダコにされるくらいの報いを受けて当然だと思うんっすが、やっぱ、このクソ蛸、どうしても好きにはなれませんな。 僕の中では

 タコラ = イクラ = オクラ

そんな位置づけだったりするんっすが、イクラに限らず魚貝類の卵の類いって、ぜんぜん好きじゃないし、オクラもネ無駄にバネバしているだけで、まったく美味いとは思えないし。 めっちゃ低いレベルで同列だったりするんっすが、とまあそんなことで、 ( 前回 までの粗筋) 縮景園と広島城と平和公園を散策し、メルパルクで昼飯を食った。 当初の予定 では、縮景園と広島城を散策 → 昼飯 (12:00に予約) → 平和公園を散策 (資料館の見学を含めて) 。 で、その後、呉に移動となっていたんっすが、メシの前に時間が半端に余ってしまったので、平和公園の散策 (資料館の見学を含まず)を前倒しすることにして。 で、昼からもう一度、資料館のところまで歩いて行くのが面倒になったので、早めに呉に移動することに。 広島から呉まではJR呉線というので行くことが出来るんっすが、僕はクレソンがあまり好きではないので、ソソられるものがありません。 で、バスで行くことにしました。 これ っすな。 クレアライン。 めっちゃ、シチューを作るのが得意なおばさんが乗ってそう。 クッキーを作るのが得意なおばさんは乗ってなさそう。 で、実態はというと、シチューやクッキーを作るのが得意かどうかはよく分からないおばさんだとか、さばさん (←僕のこと) なんかが乗車していたんっすが、出発地の八丁堀もしくは広島バスセンターというのは、原爆ドームのすぐ近くなので、その付近から呉に移動する場合、広島駅に出てJRに乗るよりも、よっぽど便利かと。 便数も似たようなもんだし。 僕が昼飯を食ったメルパルクはバスセンターの隣なので、めっちゃ好都合だったんっすが、だから尚更、 資料館 まで歩いていくのが面倒になっちゃったんっすが、日本人なら一度は見ておく義務があるとは思うんっすけど。 魂の叫び とか、これを見たら号泣する自信があります。 いや、人目があるので、そこまではいかないかも知れませんが、ウルウルしちゃうのは間違いなし。 この写真は津田蔵吉くんか、福岡重春くんのものだと思うんっすが、上田キヨちゃんのボロボロのセーラー服とかだったら、もうアカン…。

 何か、やっぱ、ちゃんと見ておけばよかったな…。 今さらながら、ちょっと後悔しているんっすが、で、このクレアラインのバス、予約不要で席も自由なんっすが、空いていたら呉方面行きの場合、右の窓側の席がオススメ。 海が見えて、なかなかいい感じっす。 海の向こうにずーっと陸地が見えていたんっすが、アレが江田島だったんっすな。 江田島・能美島・倉橋島 。 どれも微妙に繋がっているような、離れているような? 呉の本土と倉橋島の間にあるのが有名な 音戸の瀬戸 なんっすが、ドラえもん音頭、アラレちゃん音頭と並ぶ “世界3大・おんど” のひとつっすよね。 日進小学校の盆踊りで、子供用にこの手の音頭が毎年ひとつは採用されていたんっすが、改めて聞き直してみると、普通に名曲っすな、 これ 。 3番までいくと、さすがにちょっと飽きちゃうんっすけど。 で、そうこうしているうちに、呉に到着〜。 何でもいいけど 「呉」 って、 「よぉ!」 と、オッサンが手を挙げているような漢字っすよね。 呉氏 とか作りたくなっちゃうのも納得なんっすが、 これ とか、無駄に力作だったりするし。 で、呉で見てみたいものベスト3。 まずは 大和ミュージアム 。 え、ヤマト? 宇宙戦艦? …と思ったら、そうではなくて、宇宙が付かないほうの戦艦大和。 それならちょっと、見てみたいかも? ぶっちゃけ宇宙戦艦のほうには、特に何の思い入れもなかったりするんっすよね。 昔、会社のオッサンが携帯の着メロに使ってたな。 そんなことを思い出したくらいで。 さらば〜地球よ〜、旅立つ船は〜、宇宙〜戦艦〜、チャラララララ、「はい、○○ですけどー。」 そのタイミングで電話に出るんかい!

 宇宙でないほうの戦艦大和のミュージアムなら、ま、行ってみてもいいかぁ。 そんな気がしないでもなくて、で、その2。 てつのくじら館 。 大和よりもこっちのほうが、断然ソソられますな。 こちらのほうは絶対に外せないんっすが、ここで問題が発覚。 今回の旅は1月3〜4日という日程だったんすが、 「てつのくじら」 のほうは3日までお休みなんっすよね。 大和のほうはやってるみたいなんっすけど。 じゃ、両方、4日にすればいいじゃん。 そう思われるかも知れませんが、その3。 夕呉クルーズ 。 軍艦巡りの船が出ているのは知っていたんっすが、夕暮れの呉 = 夕呉を巡る便があるんっすな。 朝日とか、夕日とか、夕焼けとか、夕暮れとかが大好きな僕としては、見逃すことが出来なくて、早速、予約を入れることにしたんっすが、えーと、 ここ 。 夕呉クルーズは日の入り時刻15分前の出航で、時間が毎日変わるんっすが、1月3日は16:50出航となっていました。 いいっすよね、“夕呉” 。 思わず一句、詠みたくなっちゃいますよね。

  夕暮れの 呉でグレタが グレた夏 (解釈 : 環境少女グレタちゃん、呉でグレる。)

 僕が行ったのは真冬だったんっすが、グレるのはやっぱり夏だよね? そんなイメージが強いので、ちょっぴり捏造。 で、このクルーズは絶対に外せないな…と。 「てつのくじら」 も外せないな…と。 大和ミュージアムは別に外してもよかったんっすが、休館と日程との絡みがうまくいかなくて、うーん…。 で、結局、3日の午後に大和 → 夕呉、次の日の朝、てつのくじら 。 そんな日程を組んでみました。 なら、呉に泊まればよかったんっすが、2食付きで、よさげな宿が確保出来なかったので、ま、 ここ で、いっかぁ…と。 広島と呉を行ったり来たり。 ちょっと面倒なんっすが、ま、いっかぁ…と。 で、呉。 バスで駅前に着いたんっすが、けっこう都会っすな。 人口は21万ちょっと。 14万人の桑名よりも多いので、ま、栄えているのも当然かな…と。 人口が少ないのに、えらく都会だったりすると、何か悔しいっすからね。 駅から大和ミュージアムは余裕で徒歩圏内なんっすが、駅の2階から連絡する屋根付きの通路があって、それが 「ゆめタウン」 まで続いているっすな。 “Youme” と書いて 「ゆめ」 。 中国地方とか九州でよく見ますよね。 滋賀で言う平和堂みたいなもんっすかね? 大和ミュージアムや 「てつのくじら館」 へは、ゆめタウンの店内を突っ切っていく形になるんっすが、エエんか? 癒着ちゃうんか? そう、疑いたくなっちゃいますな。


< 大和ミュージアム > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 んなことで、入場〜。 中身のほうはというと、うーん、まあまあ? 戦艦大和の1/10スケールの模型が目玉なんっすが、ま、所詮は模型だし。 個人的には隣の 「大型資料展示室」 のほうが興味深かったっす。 魚雷とか。 ぶっちゃけ、機雷と、地雷と、魚雷の違いがよく分かってないレベルだったりするんっすが、 特攻兵器 「回天」 十型 (試作型) なんてのもありました。 神風特攻隊の海バージョンみたいなヤツでしたっけ? 中はめっちゃ狭くて暗そうで、閉所&暗所恐怖症の僕は、特攻無しでも、ここに閉じ込められただけで、泣き叫んで、お漏らししちゃいそう…。 恐怖症 。 この中だと閉所と暗所以外、高所というのも、どうしようもなくアカンのっすが、蛇、犬、クモ、血液、死体、雷。 この辺りも勘弁して欲しいっすな。 雷に関しては落ちて丸焦げになること以外に、電気機器に落ちて、壊れて、休みの日に仕事に呼び出される恐怖とかもあるんっすが、で、 「回天」 と言えば、 人間魚雷 「回天」 キューピーストラップ なんてのもありましたな。 めっちゃ叩かれて、販売中止になったみたいなんっすが、さすがにコレは…。 キューピーも、仕事を選べよ…と。 仕事を選ばないと評判のキティさんも、さすがにコレはお断りっすよね。 で、これ、元は京都の料亭の庭に展示してあったものだそうですが、どうしてまた、そんなところに? 確かにこの 解説 を見ると、 (寄贈:湯豆腐 嵯峨野) とありますな。 んーと、 これ っすな。 純・和風なお庭に 「回天」 。 めっちゃシュール…。 何か、色々と考えさせられるものがありますが、で、後は零戦だとか、火星二一型エンジンとか。 今はマンポンとかの担当になっちゃいましたが、以前、エンジン整備の監督が主要な職種だったので、クランクシャフトとかピストンとかを見ると、ワクワクしちゃいますな。 アピタの常用発電機用のエンジンが足を出しちゃったのも、今となってはいい思い出…かも? 「エンジン 足出し」 でググったら、画像検索の2件目くらいに これ が出て来て、ちょっぴり自分が有名になった気分に浸れたり。 読み返してみたら、私の携帯の着メロはですね、「宇宙戦艦ヤマト」 ではなく、うんぬん。 そんなフレーズが出て来て、偶然の一致 (?) に、ちょっとビビったり。 更に読み進めた結果、黒歴史である 「ひなのネタ」 の連発で、ちょっぴり過去の自分が嫌になってしまったり。

 んなことで、大和ミュージアムは以上っす。 ま、一度くらいは見ておいたほうがいいかな。 そんな感じでありましたが、で、続いてのスケジュール、夕呉クルーズの乗船まではまだ時間があるので、 「大和温泉物語」 というところに行ってみることにしました。 もともと、平和記念資料館にしようか、こっちにしようか、ちょっと迷ったんっすよね。 この日に泊まるホテルには大浴場がないので、やっぱ温泉かな? …と思ったんっすが、【さっぱりコース】 最大10時間・ご入浴のみで 1,250円。 高っ! じゃ、資料館のほうで、いいやぁ…と。 「ご入浴のみ」 というのは、貸しタオルや館内着が付かないということなんっすが、それを付けると 1,850円。 高っ! 最大10時間とありますが、せいぜい1時間くらいしか滞在しないし、勿体ないからホテルのユニットバスで、いっかぁ…と。 が、諸般の事情により、結局、こっちに行くことになったんっすが、結果、うーん、まあまあ? のんびり出来て、疲れは取れましたな。 内湯と露天風呂が離れていて、屋上にある露天のほうは、歩行浴とか、寝湯とか、ヨーロピアンバスとか、そういう “役物” が中心で、普通の大きな風呂がないのが、ちょっとアレかな? …と。 全般的に混んでたし。 でもまあ、時間調整には最適で、とまあそんなことで、夕呉クルーズ。 僕が予約した時点では 「残63/定員90」 みたいな感じだったんっすが、その後、順調に予約が入った模様で、ほぼ満席の状況でありました。 待合室の椅子に座って余裕をカマしていたら、乗船待ちの列に並ぶのに出遅れて、いい席を確保出来るか、微妙な情勢だったんっすが、ギリギリ、何とかなりました。 んなことで、出航〜。


< 夕呉クルーズ (その1) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 結論から先に言ってしまいます。 (写真・いちばん上) とか (上から2番目) みたいな綺麗な夕日が見られた時点で、もう、大満足♪ いやあ、素晴らしいっすな。 年末年始ということで、潜水艦もたくさんいたみたいだしー。 いや、めっちゃテンション上がりますよね、潜水艦。 せん・せん・潜水艦〜、ヘイ、はりゃ、ホー、はにゃ、なんたら、かんたら♪ 思わず 「ジンギスカン」 の節で歌いたくなってしまうんっすが、何でもいいけど潜水艦って、こんなふうに上の部分に立ち乗りして、いいものなんっすかね? そのまま潜水したら海に投げ出されること必至なんっすが、潜らなくても、ズルッと足を滑らせて、ドボーン! …と海に転落しちゃいそうな? どうしてこんなところに人が乗っているのかというと、太陽が沈む日の入り時刻に海上自衛隊艦船の自衛艦旗(16条旗)が降下されるとき、合図とともにラッパによるラッパ譜君が代が吹奏されます。 このセレモニーに合わせての事なんっすが、ところで、 「ラッパ譜君が代」 って、何? …と思ったら、あ、 「ラッパ譜くんが、代(しろ)?」 じゃなくて、ラッパ譜の 「君が代」 なんっすな。 ラッパ譜くんって、誰? …とか、思ってしまいました。 この儀式は潜水艦だけでなく、


< 夕呉クルーズ (その2) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 (写真・いちばん上) みたいに、普通の船の上でも行われるんっすが、で、旗が降ろされると (写真・上から2番目) みたいに、艦船に灯りが灯されるという。 しみじみとした、いい催しであったな…と。 そのように評価していいのではなかろうかと。 んなことで、おしまい。 綺麗な夕焼けが見られるかどうかは、天候次第、運次第なんっすが、夕暮れの呉でグレるとか、もってのほか。 逆に心が洗われた思いでありますが、先生、俺、明日から学校をサボって、環境少女になるよ! そう誓っておいて、で、この続きはまた、次回。

 ということで、今日はクラーク・テリーっす。 地味っすな。 日本では、何か、名前くらいは聞いたことがあるような気がしないでもない。 …という程度の知名度しかなくて、人気のほうは皆無。 かく言う僕も、何か、根が暗くて、照り焼きが好きそうなオッサン。 そんなイメージしかなかったりするんっすが、実態としては、無駄に御陽気で脳天気だったりして、そこのところが日本人にウケない要因なのではなかろうかと。 今日はクラーク・テリーっす。 そう聞いて、じゃ、今日の後半は適当に読み飛ばしちゃおう。 そう思った人は、少なくないに違いありませんが、かく言う僕も、そのひとり。 何か、気が進まないっすよね。 が、トランペットは人材に乏しいので、あまり気乗りしないキャラも取り上げないと、恰好がつかない。 そんな理由で過去にも5回ほど、ここで取り上げられております。 さすがに手持ちが枯渇してしまったので、ネタ用に1枚仕入れてみることにしたんっすが、 mora には、意外とたくさんあるんっすな。 この ラテンっぽいの も気になったんっすが、オッサン2人分のジャケ絵を書かなければならないのが面倒なのでパスさせて貰って、で、熟慮の結果、 『スワヒリ』 というアルバムを取り上げてみることにしました。 こちらのジャケットもオッサン2人なんっすが、後ろのほうの人 (←誰?) はボケていて、存在しないに等しいので、ま、何とかなるかな? …と。 中身のほうはまったく不明なんっすが、とりあえずポチって、後から調べてみた結果、1955年のエマーシー盤。 セシル・ペインのバリサクと、ジミー・クリーブランドのボントロが入った地味渋い3管編成で、ピアノはホレス・シルバー、ドラムスはアート・ブレイキー。 え? 何、この強力なリズム・セクション。 ベースはウェンデル・マーシャルが主なんっすが、もうひとり、オスペ師匠こと、オスカー・ペティフォードが名前を連ねていて、こちらはもっぱら、チェロを弾いている模様。 2曲目だけベースを弾いてるみたいなんっすが、照り焼き好きのオッサンには勿体ないくらいの面子でありますな。 ま、日本で不人気というだけで、あちらでは普通に重鎮みたいなんっすけど。 んなことで、俄然、期待が高まったんっすが、では、演奏を聞いてみることにしましょうかぁ。

 まずは、アルバム・タイトル曲の 『スワヒリ』 。 クインシー・ジョーンズの曲で、編曲も担当してみるみたいっすな。 スワヒリ語というのはアフリカだったと思うんっすが、その名の通り、アフリカンでエキゾチックな仕上がりだったりして、エエやん♪ テリーのラッパに地味な低音2管が絡むテーマ部のアレンジが秀逸で、さすがといった感じなんっすが、もしかしたらクインシーって、桂きん枝よりも音楽の才能があるんじゃね? そんな気すら、してしまう程なんっすが、で、ソロ先発はクラ・テリ。 この人の演奏って、何と言うか、名人芸。 難しいフレーズを、そうと感じさせずに、さらっと吹いてしまう感があるんっすが、ここではブレイキーのアフリカン野生児なドラミングに煽られて、けっこう熱いプレイをカマしてくれてますな。 終盤、他の地味な2管もちょっぴり絡んでくるんっすが、基本、テリーの独壇場といった感じで、でもって、テーマに戻って、おしまい。 エエやん♪

 ということで、次。 結論から言ってしまうと、このアルバムは1曲目が断トツにピークの極みで、以下、次第に、そんなでもなくなってしまうので、心して掛からなければなりませんが、 「ダブル・プレイ」 。 これもクインシーの曲なんっすが、何と言うか、せっかくランナーが出たのに、内野ゴロで台無しやな…みたいな。 テーマ部は3管のアンサンブルに、ベースのピチカートが絡む、なかなか小粋で洒落たアレンジなんっすが、ウエスト・コーストっぽいというか、編曲に凝り過ぎというか、あまり僕の趣向には合致しない作風でありますな。 ソロ先発は、テリー。 ミュートを駆使して、バックでは常時、地味な2管が絡む。 そういうアレだったりして、で、続いてはベースのピチカート・ソロ。 これが恐らくオスペ師匠なのではないかと思われるんっすが、なかなかの名人芸ではありますな。 花王名人劇場に出しても、パンツじゃないから恥ずかしくないもん! …みたいな。 が、聞いてるほうとしては、ちょっと恥ずかしかったりして、とまあそんなこんなで、テーマに戻って、おしまい。 うーん、まあまあ? で、次。 「スロー・ボート」 。 テリーのオリジナルなんっすが、名前の通りスローで、ボーッとした感じで、都会派アーバンな僕の趣向には、今ひとつ、そぐわないな…と。 3管の絡みの合間に聞こえるピアノがなかなかいい感じではあるんっすが、そういえばこれ、ホレス・シルバーっすよね? ここまで、ほとんど活躍の場が与えられなかったんっすが、日の目を見ることが出来て、よかったな…と。 が、すぐにチェロのピチカート・ソロに主役の座を奪われて、で、以下、テリー、クリーブランドと続いて、最後にディープな合奏パートがあって、おしまい。 うーん、まあまあ?

 で、次。 「コープ」 。 作曲者としてテリーとヘンダーソンという2人の名前がクレジットされているんっすが、えーと、 ここ 参照。 自分で “暴走老人” とか言ってるところが、かなりイケてるんっすが、モダンと言ってもちょいと古風な雰囲気を残していて、うんぬん。 おお、確かに、暴走老人のおっしゃる通り! そうなんっすよね。 それをヨシとするか、アカンと突き放すかで、評価が大きく変わってしまうんっすが、この 「コープ」 も、かなり古風チックな仕上がりかと。 イントロのシルバーこそ、なかなかモダンなんっすが、3管の絡むテーマはノスタルジックな雰囲気だし、で、以下、テリー、ペインの順で、まあまあなソロがフィーチャーされる…と。 この人が日の目を見るのも、このアルバムではこれが初っすかね? セシル・ペインのバリトンはとてもヨロシイ。 バリバリ吹きまくらぬところが彼のよさである。 そんなことが書かれておりますが、そうそう。 確かに、暴走老人のおっしゃる通り! ヘロヘロなところが味なんっすよね、セシ・ペンの場合。 で、その後、クリーブランドが出て来て、シルバーのソロっぽいのも最後にちょっとだけ登場して、でもって、テーマに戻って、おしまい。 古風なのを度外視すれば、まあまあかな? そんな気がしないでもありません。

 で、次。 テリーのオリジナルで、 「キッチン」 。 調べてみると、 これ とか、ジャケットの表記が 『プレイズ・スワヒリ・アンド・キッチン』 となっていて、もしかしたらこれが正式名称なのかも知れませんが、制作者側はこれが2枚看板のうちの1枚だと考えているワケっすな。 これはちょっと、期待! …なんっすが、聞いてみたら、ただのバップ曲やんけ…。 そういうアレだったりしました。 あ、アドリブの素材としては、こういう単純なのがいいのかも知れませんが、確かにクリーブランド、セシ・ペン、テリーと続くソロは、どれもなかなかイケてるな…と。 で、みんな、お待たせ! 待望のホレス・シルバーのピアノ・ソロも、しっかりフィーチャーされていて、小粒っぽい雰囲気ながら、いかにも 「らしい」 フレーズを堪能することが出来るな…と。 以下、ベースとの絡みだとか、ブレイキーのタイコのソロとかもあって、最後はテリーのラッパとペティフォードのチェロの4バース。 でもって、テーマに戻って、おしまい。 シンプルながら、いかにもジャズらしいという点では、本作で一番だったな。 そのように評価していいのではなかろうかと。 で、次。 「ザ・カウンテス」 。 作曲者としてテリーとグリーンという2人の名前がクレジットされているんっすが、小粋な歌物っぽい仕上がりのアレだったりします。 3管の絡みでテーマが演奏された後、クリーブランドがいい感じのソロを披露してくれておりますな。 個人的には、クリーブランドより断然、長島スパーランドやろ? そんなふうに思っていたんっすが、なかなか侮れないな…と。 続くペインのソロも、人の痛みが分かる感じだし、で、その後、チェロのピチカート・ソロという、このアルバムではお馴染みのアートがあって、で、みんな、お待たせ! 待望のホレス・シルバーのピアノ・ソロ、ここでもしっかり楽しめて、で、最後はテリーが手堅く締めて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 1曲目が断トツにピークの極みで、以下、次第に、そんなでもなくなってしまう。 そんなことを最初のほうに書いたんっすが、このところ、ちょっと盛り返して来ているようで、何よりであるな…と。

 で、次。 クインシー作曲の 「ツーマ」 。 ツナならシーチキンなんっすが、「ツーマ」って、何なんっすかね? 刺身のつま? あなたはどうしてる? 「刺身のつま」 の知られざる存在理由 。 お刺身を注文すると必ずついてくる刺身のつま。食べる人や食べない人、さまざまですよね。 …って、え? つまを食べない人とか、おるん? つまを食べないとか、つまらないじゃん。 そんな気がするんっすが、よくよく考えてみると、 「つま」 って言うほど、詰まった食べ物ではなかったりしますよね。 ま、刺身のパックに添えられているタンポポよりは存在意義があると思うんっすが、大根には殺菌や抗菌作用があるので、大根をつまにした上に刺し身をのせることでリスクが軽減され安全に食べることができるんです。大根以外に添えられている菊やワサビも同様に殺菌効果があるので、二重で安心できますね。 …って、え? マジか? あれ、タンポポじゃなくて、菊やったんか? で、しかも殺菌効果があるとか、マジっすか? ま、除虫菊とかあって、虫を排除出来るくらいだから、菌ぐらいは余裕で殺っちゃえるのかも知れませんが、すると何か? もしかして、パセリとかにも殺菌作用があったりするとか? で、ググってみたら、 ほれ 。 殺菌作用だけでなく、栄養まであるやん! ほうれん草や、あしたばよりもβ-カロチンが多いって、マジっすか? あしたばのジョーも真っ青だじょー。 とまあそれはそうと、 「ツーマ」 。 しみじみとしたバラードで、テリーの歌心を存分に堪能することが出来る。 そういうアレだったりして、で、そこに低音の地味な2管やホレスのピアノが絡んでくるアレンジも秀逸で、ただちょっと、テリーのラッパがワウワウしていて、何か、ふざけているな…と。 こういうところが日本人に不人気な要因なんでしょうな。 何と言うか、大阪人っぽい気質を感じさせるところがあるんっすが、んなことで、ラスト。 そのテリーくんのオリジナルで、 「チャックレス」 。 最後はビシッと決めて欲しいところなんっすが、聞いてみたら、何か変なバップ曲みたいなアレだったりして、やっぱ、空気読めねぇなぁ…と。 ま、アドリブの出発点としてはいい感じで、演奏そのものは悪くない感じなんっすが、とまあそんなこんなで、今日のところは以上っす。

【総合評価】 1曲目がよかったので期待が高まったんっすが、それ以降は、まあまあ。 途中、ちょっぴり盛り返したので、イケるかと思ったんっすが、最後はやっぱりコケちゃいましたな。 ま、僕の好みの問題なので、一概にアカンとは言い切れないんっすが、ちなみに僕が買ったのは (Bonus Track Version) と書かれた、全部で16曲ほど入ってるヤツ。 別テイクが入っているだけなのかと思ったら、 「ボヘミア・アフター・ダーク」 とか 「アイ・キャント・ギブ・ユー・エニシング・バット・ラブ」 とかの “新曲” もあって、、選曲的にはこっちのほうが一般受けしそう。 が、中身のほうはクラリネットやギターが入っていたりして、リーダーがクラーク・テリーであること以外、特に本編との共通点はないようで、別になくてもいいオマケやったな…と。 まとめて購入すると 1,571円なんっすが、1曲209円でバラでも買えるので、よっぽどのマニアでない限り、 「スワヒリ」 の単品でいいかも? …という気がしちゃう程度には、オススメ☆


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