自動給水装置が壊れました。 自動給水装置というのは自動で水を供給してくれる装置。 ま、そういったものなんっすが、要はポンプなんっすけどね。 ポンプと圧力タンクと圧力スイッチ、もしくは圧力センサーとインバーターなんかがセットになっていて、誰かが蛇口を開いて、水を使って、水圧が下がるとポンプが自動で起動して、誰かが蛇口を閉じて、水を止めると、水圧が上がって、ポンプが自動で停止する。 そういう動作を自動でやってくれる装置なんっすが、ある日、某役場の建設課の知らない人から携帯に電話が掛かってきました。 「荏原のポンプなんですけど、水漏れしているんですけど、見に来て貰う事って、出来ますかぁ?」 そのような業務を、お隣の上下水道課からの依頼で、よく請け負ったりしているんっすが、あの超有能な技術者にお願いすれば、きっと何とかしてくれるはず。 そんな話を小耳に挟んで、僕のところに電話してきたのではなかろうかと。 はぁ…。 ま、見に行くだけでいいのなら。 見た上で、「あ、確かに水が漏れてますね!」 そのように判断する “水漏れ判定士” みたいな業務であれば、こんな僕でも何とかなるのではなかろうかと。 で、その水漏れを直せるかどうかは、また話が別なんっすが、そういうのは専門の “水道屋さん” の仕事ですからね。 僕の本業はジャズ・ライター兼ジャケット絵師で、副業として電気屋さんの真似事のようなことが出来ないワケではないんっすが、ポンプとか配管とか、そっち方面は基本、無理やな…と。 面倒臭ぇ…。 気が進まねぇ…。 出来ることなら、水漏れ判定業務そのものも、他社もしくは他者に委ねたい。 そんな気分だったんっすが、話を聞くと2台ポンプがあるうちの1台から水が漏れていて、もう1台のほうでは正常に水が供給出来ているらしく、「じゃ、そんなに緊急を要するというワケでもないんっすね? ね!?」 とりあえず、ま、そのうちに、暇を見て、気が向いたら、見に行くだけは行ってみることにして。 が、なかなか気が向かなかったので、しばらくそのまま放置していたんっすが、年末間際になって催促の電話が掛かって来て、仕方がないので、見に行くだけ、行くことにしました。
すると、インバーター (?) か何かを冷やす為のホース (?) みたいなヤツの付け根のニップル (?) みたいなヤツが腐って折れて、そこから水が漏れることが判明したんっすが、あ、これくらいなら、僕でも何とかなるんじゃね? 部品そのものも、ホムセンとかで容易に調達できるんじゃね? この程度なら、いちいち見積書を作ったりするのも面倒なので、サービスで、無料 (ただ) で直してあげてもいいんじゃね? そんなアレだったんっすが、で、ニップル (?) みたいなヤツの寸法をザクッと測って、後から調べてみたんっすが、何か半端なサイズのような気がしないでもなく、後日、もう一度、現場を調査することに。 で、行ってみて、その部品をホースから外そうとしたところ、ぴや〜〜〜〜っ! …と、水が噴出しました。 あ、これ、もしかして、ポンプを止めて、吐出側のバルブを締めてやらないとアカンやつだったりするとか? その自動給水装置は某町営住宅に設置されていたんっすが、となると、全戸断水は不可避だったりするとか? しかも、ただのニップルかと思っていたヤツも、よく見ると、あっちとこっちで径が違ったりするし、中も筒抜けではなくて、真ん中に仕切りがあって、そこに小さな穴があいているという、とてもホムセンとかで容易に調達できるとは思えない特殊なものだったりして、しかも自動給水装置の画面をよく見ると 「CPU Er5」 とか、そんな表示が出ているし。 “Er” って、もしかして、エラーっすかね? 個人的に、エロというのは決して嫌いではなかったりするんっすが、エラーというのはどうしても好きになれなかったりして、もしかしてこれ、思ってたより遥かに重症だったりするとか? 僕でも何とかなるようにはとても思えなくて、これはもう、メーカーさんに頼むしか…。 修理に来て貰えるのは年明けということになると思うんっすが、とりあえず、水漏れしてないほうのポンプは一見すると普通に運転しているように思われ、もしかして、二見や三見したりすると、かなりヤバいことになっているのかも知れませんが、何とかこの状態で無事に年を越してくれることを祈るしかありませんなぁ…。
で、無事に年も明けた1月4日のこと。 携帯に電話が掛かってきました。 生憎、僕は旅先 = 広島の呉にいて、スマホをマナーモードにして、鞄の中に放り込んでいたので、気付かなかったんっすが、お昼前くらいに何気なくチェックしたら、某役場からの着信履歴が…。 うわっ、ヤベぇ。 例のアレか? めっちゃ嫌な予感がしたんっすが、よく見ると建設課ではなくて、上下水道課。 で、うちの会社の営業の社員からはメールが。 「某ポンプ場で水漏れのようです。」 おお、別の現場やんけ。 よかったぁ♪ ま、それはそれで、あまりよくない気がしないでもないんっすが、 「とりあえず1台運転にしてもらいました。週明けの対応お願いします。」 と書いてあるし、じゃ、そんなに緊急を要するというワケでもないんっすね? ね!? …とまあそんなことで、 ( 前回 までの粗筋) 呉で大和ミュージアムを見て、大和温泉物語に浸かり、夕呉クルーズを堪能した。 今回の行程はここ 参照なんっすが、呉でいちばん行きたかった 「てつのくじら館」 が1月3日まで年末年始のお休みだったので、ここだけ2日目に回すことにした…と。 にも関わらず、宿を広島駅前に取ってしまったので、けっこう面倒だったな…と。 鉄道だと広島駅から呉駅まで、呉線というので行くんっすが、 『クレッセント』 が最後まで聞けちゃうくらいの時間が掛かります。 ま、これは極めつけの名盤なので、ぜんぜん苦にはならないんっすが、これがもし、汚夢線 (オム線) とかだったら最悪っすよね。 ここ でフルに聞けるんっすが、こんなの聞きながら電車に乗ったら、起きていたら悪酔いしようだし、寝ていたら魘されそうだし。 何でもいいけど、これ、著作権はエエんか? JAZZ喫茶を経営していたらJASRACが来た。音楽文化・JAZZ喫茶文化をどう考えているのか! 最初からいきなり、 「払えばいいんじゃね」 とか言われてますが、確かに。 ジャズのアルバムのジャケットとか、スキャンして無断で勝手に載せたりすると、著作権とか何とか、ヤバいんじゃね? そんな気がして、毎回、苦労して手書きしているジャケット絵師の僕からすれば、払いたくなければ、コルトレーンのフレーズをコピーして、自分で楽器を吹けばいいんじゃね? そう思わずにはいられなくて、とまあ、そうこうしているうちに、呉駅に到着〜。
駅からの屋根付きの連絡通路を歩いて、ゆめタウンの中を通って外に出ると、(写真・いちばん上) のように、目の前にドドーンと潜水艦が見えて来て、インパクトが半端ありません。 まさに 「鉄の鯨」 といった感じ。 小学校の給食で出た 「鯨のノルウェー風」 が大好きだった僕としては、これでノルウェー風、何人分や? …とか思ってしまうんっすが、これ、外観を潜水艦っぽくした博物館ではなくて、本物の潜水艦を陸揚げして展示しているところが凄いっすよね。 軍事機密とか、エエんか? …とか思ってしまうんっすが、スクリューなんかはイミテーションに取替えられているみたいっすな。 ここ 参照。 このブログ、めっちゃ詳しいやんけ! 僕が補足する事など、何もないように思えるんっすが、隣の建物の中身に関しては何も触れられてない気がするので、そっちのほうを簡単に補足しておくと、 これ 。 どちらかというと、この資料室のほうがメインで、これを最後まで見届けると、ご褒美のオマケとして、本物の潜水艦の中に入ることが出来るよ! …といった構造になっていたりするんっすが、1階が 「海上自衛隊の歴史」 の資料。 うーん、まあまあ? 少なくとも亀田史郎の資料よりはマシだと思うし、で、2階は 「掃海艇の活躍」 。 ここがなかなか、興味深かったっす。 いいっすよね、掃海艇。 何となく、 名探偵 荒馬宗介 が総会の場で、「爽快すね!」 とか言って、「そうかい?」とか、言われていそうで。 実際のところ、爽快どころではない、めっちゃ危険な任務らしいんっすが、掃海というのは何をするのかと思ったら、機雷の除去。 機雷、地雷、魚雷。 この3つの中で、何がいちばん嫌いかというと、機雷が嫌い。 そういう人は少なくなると思うんっすが、ま、実際はどれもヤバいんっすけどね。
機雷と魚雷を総称して、水雷という言い方もあるみたいなんっすが、地上で使われる地雷に対して、水の中で使われるのが機雷と魚雷。 機械水雷、略して機雷、魚形水雷、略して魚雷。 で、クソ危ない機雷を除去して海をお掃除する業務が、掃海。 それに関する資料がたくさん展示されておりました。 (写真・上から2枚目) の何らかのマシーンも、それに関する何らかではなかったかと。 メカメカしくて、恰好いい! カメカメしい亀田兄弟なんかより、よっぽどイケてると思うんっすが、(写真・ちょうど真ん中) 。 壁のところを見ると、「MINE SWEEPER 何とか」 と書かれておりますな。 言われてみればマインスイーパーって、そういうゲームっすよね。 あれは機雷ではなく、地雷の除去のような気もするんっすが、英語だと地雷も機雷も “Mine” 。 クッキンアイドルは 「アイ!マイ!まいん!」 個人的に、まいんちゃんって、意外と地雷なんじゃね? そんな気がしていたんっすが、あながち、間違いではなかったようで。 この頃 はマジ、可愛かったっすけどねぇ。 で、3階に 「潜水艦の活躍」 に関する資料の展示があって、潜水艦に関する知識と興味が深まったとことで、最後に本物の 「潜水艦あきしお体験」 が出来る…と。 そういう仕組みになっているワケです。 一瞬、潜水艦あさしお? …と、空目してしまうんっすが、 「あきしお」 。 「あさしお」 だと この親方 の顔が浮かんでしまうので、違う名前でよかったな…と。 これだと 「てつのくじら」 ではなく、 「ぶさいくなおっさん館」 になっちゃいますよね。 で、書いていて思いだしたんっすが、資料室のほうに 「潜望鏡体験」 みたいなコーナーがありました。 潜望鏡と言えば、子供の頃から羨望の的だったので、特段、覗き趣味などない僕でも、覗いてみたい! そんな願望に駆られてしまいました。 僕の前にいたペヤングのうちのギャルのほうが、じっと覗いて、 「昼の景色と、夜の景色が見えるぅ。」 とか言ってたので、リアルではなく、映像による模擬体験みたいなんっすが、それでもいい。 早く俺にも覗かせろ! が、僕の前にもう一人、糞ガキがいて、じーっと潜望鏡を覗き込んで、ずっとその場から離れません。 いつまで見てるんや、このガキ! さっさと変われ! イライラしながら後ろで待機していたんっすが、覗き終わっても、一向にその場から離れようとしません。 「ママ、ママー!」 とか言って、どうやらママが来るのを待ってるみたいなんっすが、そんなところで待つな! ちょっと離れたところで、待て! が、この糞ガキは、その場から立ち去ろうとせず、ママのほうも一向に姿を現さず、もういいっ! パチモンの潜望鏡なんか、別に見たくないっ! 残念でもないし、悔しくなんかないっ! 諦めて、その場から僕が立ち去る羽目になりました。 あの糞ガキと、その親、ぜったいに許せん! 末代まで祟ってやるぅ!
んなことで、続いて 「潜水艦あきしお体験」 。 そこそこ混んでいて、じっくりと写真を撮ることもままならず、せかされる感じで、ちょっとアレだったんっすが、何と言うか、 「ほぉ〜」 という感じでありますな。 詳しくは例のブログを見て貰うとして。 で、本物の潜望鏡もありました。 ウザい糞ガキもいなくて、余裕で覗くことが出来たんっすが、覗いてみたら普通に外の景色が見えるだけで、 「ふーん」 という感じでありましたな。 こんなものの、しかもパチモノに、ムキになったりして、ちょっと大人気 (おとなげ) なかったかな? そんな気がしないでもないんっすが、反省はしないし、糞ガキと、その親に謝る気など、さらさら無いし。 とまあそんなこんなで、呉は以上っす。 呉線に乗って、広島駅に戻って、近くの店でお好み焼きを食べる。 残されたスケジュールは、それだけになってしまったんっすが、予約していた11時半には、まだちょっと早いので、駅の辺りをウロウロしながら、何気なくスマホをチェックしたところ、某役所からの着信履歴と、営業担当社員からのメールが入っていた…と。 そういう話の流れだったりします。 緊急ではないとは言え、役場の担当者からすると、 「こいつ、電話に出んわ!」 というので、ちょっと不快だったろうし、僕の心も、ちょっと沈んでしまいました。 が、ここは気分を切り替えて、お好み焼き、お好み焼き! めっちゃ楽しみにしていたんっすよね。 スケジュールのどこに 「お好み焼き」 を組み込むか、散々悩んだ結果、いちばん最後に持ってくることにしたんっすが、開店前から店の前には多くの人が並んでいて、かなりの人気店だったりするようで、楽しみ! が、諸般の事情により、店の名前は敢えて書きません。 ま、先ほどの行程表を見れば、そこにバッチリ書かれているんっすが、で、店が開いて、予約してあるサバくん (仮名) であることを告げたところ、鉄板の前のカウンター席に案内されました。 目の前でお姉さんとお兄さんが一生懸命お好み焼きを焼いていて、何となくカメラを取り出しにくい雰囲気だったので、写真はありません。 いちばんオーソドックスな肉玉 (焼きそば入り) をオーダーして、待つこと約10分。 キタぁぁぁぁぁ! 内心、食べにくいやんけ! …と思いつつ、地元の人は箸ではなく、金属のコテ(?)を使って食べるらしいので、僕もそれを真似することにして。 で、結論を言ってしまうと、うーん、やっぱりちょっと、微妙? 個人的には、そういう食べ物だったりするんっすよね、広島風のお好み焼き。 食べる前まではめっちゃテンションが上がるんだけど、実際に食ってみると、そんなでもないような? が、本当に美味しい店も、あったりするのかも? そんな期待で、毎回、広島に行く度にお好み焼きを食べて、で、結果、やっぱり微妙だったりするという。 今回の店の場合、何と言うか、粉物を食べているというより、蒸したキャベツのソース炒め? …みたいな感じだったりして、最初のうちはよかったんっすが、途中からちょっと飽きてしまいました。 でもまあ、お好み焼きを食べずに帰ったら、それはそれで後悔しちゃいそうだし、で、これを書いていたら、何かめっちゃお好み焼きが食べたくなってきたので、今日の夜は自分でお好み焼きを焼いて食べることにして。 広島風ではなく、関西風のまぜまぜ焼き方式なんっすが、ぶっちゃけ、そっちのほうが美味しいような? 広島の人が読んだら、気を悪くしちゃいそうな結末になってしまいましたが、牡蠣フライは美味しかったし、縮景園と広島城はよかったし、呉のほうも楽しかったし、お土産に買った 揚げもみじキット も楽しくて美味しかったし、広島、最高や! カープ、今年こそ優勝や! …とまあそんなことで、今回の旅は、おしまい。
んなことで、今日はハワード・マギーっす。 前回 のクラーク・テリーに引き続き、日本での知名度や人気の程は、今ひとつ。 バップ期はバリバリ吹くキャラだったみたいなんっすが、薬に手を出してアカンようになってしまって、その後、何とか復帰を果たしたものの、ヘロインでもやってたんか? …と言いたくなるような、ヘロヘロ系のトランペッターに成り下がってしまいました。 ヘロインでなくてアヘンなら、アヘアヘ系としてやっていけたかも知れないのにぃ…。 ま、どちらも似たようなものなんっすが、日本では不人気であるにも関わらず、このコーナーではけっこう取り上げられたりして、手持ちのネタは枯渇寸前。 唯一、残っているのが これ なんっすが、 『チェリー色の人生』 みたいな日本語の名前が付いているヤツ。 ジャケット絵師と立場からすると、めっちゃソソられるものがあるんっすが、中身のほうはというと、めっちゃ生ぬるいイージー・リスニング系。 ジャズ・ライターの立場からすると、決して褒められたものではなくて、心の中で葛藤した結果、試しに他のアルバムを買ってみることにしました。 『ジャズブラザーズ』 というのがソレなんっすが、1977年の録音で、ジャズクラフトという、短命に終わったデンマークのレーベルから出されたものなんだそうっす。 後にストーリーヴィルから再発されることになるんっすが、チャーリー・ラウズと組んだ2管編成で、ピアノはバリー・ハリス、ドラムスはグラディ・テイト。 面子的には、かなり激しくソソられるものがありますな。 問題は参加者全員が律儀に顔を揃えたジャケットなんっすが、どうしてまた、よりによって、こんなクソ面倒なものを…。 でもまあ、端から似せる気が皆無なら、さほど苦痛ではないような気がしないでもないし、何より、聞いてみたら中身のほうが悪くなかったので、ジャケ絵師の僕には申し訳ないんっすが、こっちのほうで行ってみようかと。 んなことで、では、演奏のほうを聞いてみることにしましょう。
まずは1曲目、 「イン・ゼア」 。 このアルバムは最後を除いて、すべてマギーのオリジナルで占められているんっすが、これを聞く限り、作曲のほうの才能も、なかなかであるな…と。 AABA形式のハード・バピッシュなナンバーで、シンプルながらも、サビの部分はちょっぴりファンキーだったりして、エエやん♪ サビとか、エンジニアにとっては敵以外の何物でもなかったりするんっすが、自動給水装置のニップル(?)の部分も錆びて腐っちゃったし。 あ、そういえば最初、僕がニップル (?) とか思っていた謎の配管材は、正式には “オリフィス” という物体であることが判明しました。 こんな感じ のヤツ。 別に圧力差を測定して流量を求める必要があるとは思えないような、ただの冷却用ホースに付いていたんっすが、どうしてまた、こんな無駄に小洒落たものを? オリフィスとか、無駄に名前がカッコいいので、特に意味も無く使いたくなる気持ちも分からんではないんっすが、サビがイケてるテーマ部の合奏が終わって、で、ソロ先発はマギーでありますな。 ちょっぴりヘロヘロしてはいるものの、この時期のマギーとしては快調なほうで、歌心に富んだアドリブを楽しむことが出来るな…と。 で、続いてはチャーリー・ラウズのテナー・ソロ。 この人も日本ではあまり評価されてなかったりするんっすが、ここでのソロは普通に傾聴に値する出来であるな。 そのように評価していいのではなかろうかと。 が、この曲の白眉は、続くバリー・ハリスのピアノ・ソロにあると言っていいかも知れません。 ジャケットの写真だと、見た目は年相応にオッサン臭くなってしまっているんっすが、プレイのほうは若い頃そのまんま。 適度にブルージーで、それでいて気品があって、たまらんっ♪ もしかしてバリ・ハリって、バリバリ君よりもセンスあるんじゃね? そう思ってしまうほどなんっすが、ただ聖教新聞で連載されていた漫画というだけの話で、別にピアノがバリバリ弾けるワケではないっすからね、バリバリ君。 で、最後は tp→ts→tp→ts の4バースでそこそこ盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 ハード・バップのツボを押さえた、なかなかの佳曲であったな…と。 そのように評価していいのではなかろうかと。
で、次。 「ワン・フォー・ジョージ」 。 山本譲二、高橋ジョージ、昼下がりの情事。 “世界3大・ジョージ” のうち、どのジョージのためのワンなのかは定かでありませんが、ミディアム・スローのブルージーなナンバーで、2管とピアノのコール&レスポンスな感じのテーマに続いて、ソロ先発はバリ・ハリ君。 これがもう、たまらんっ♪ 続くハワ・マギのソロもなかなか味わいがあるし、チャーリー・ラウズはどこを切ってもスモーキー。 そう、田中英俊クンが日本語ライナーに書いてますが、 こんな感じ ? これはスモーキーなラウズではなく、うずらたまごのスモークのような気もするんっすが、で、その後、ベースとピアノが地味に絡むパートのようなものがあったりして、でもって、テーマに戻って、おしまい。 普通によかったな。 そのように評価していいのではなかろうかと。 で、次。 「アイランド・ムード」 。 「島の気分」 と言われても、色んな島があると思うんっすが、宮島とか、江田島とか、能美島とか倉橋島とか。 が、これは間違いなく南の島の気分でありますな。 が、 こんな感じ の島ではなく、カリブ海に浮かぶ島。 コンガ入り、ラテンのリズムで、ノリノリ♪ で、ラウズとマギーの絡みでテーマが演奏されるんっすが、ミュート・トランペットがいい味を出してますよね。 日本人ウケすること、この上ない曲調で、先陣を切るマギーのソロも快調そのもの。 続くラウズはスモーキーだし、最後、ハリスが短く纏めて、でもって、ラテンなテーマに戻って、おしまい。 ここまで3曲、ハズレなしで、エエやん♪
続く 「フリスキー」 も、ラテンっぽい仕上がりなんっすが、アップ・テンポで賑やかな分、やや哀感に欠ける嫌いがあるような気がしないでもなくて、が、ソロ先発のバリー・ハリスは好調そのものだし、続くマギーもバリバリ吹いているし、最後を締めるラウズはスモーキーだし。 悪くは無いな。 そのように評価していいのではなかろうかと。 田中英俊クンによると、コール・ポーターのスタンダード 「恋とは何でしょう?」 のコード進行を用いメロディをすげ替えたビバップの手法で書かれた作品だし。 …なんだそうっすが、言われてみれば確かに、ちょっぴり 「恋何 (コイナン)」 っぽいような? ま、言われなければ分からないレベルなんっすが、 「恋とはどんなものかしら?」 そんなお嬢様っぽい口調の邦題もあったりして、その場合は 「恋どんな」 っすかね? で、最後はラッパとテナーの絡みで大いに盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 あ、そうそう。 どうでもいい話なんっすが、今回の広島・呉の旅の行程表の最後のほうに京都の伊勢丹が組み込まれていて、何で? …と思われた人もいるかも知れませんが、諸般の事情により、その日の晩飯用に伊勢丹で弁当を買って帰ることにしたんっすよね。 ここ で予約しておいて。 通常なら 「はつだの和牛弁当」 に行くところなんっすが、元旦に家で 「すき焼き」 を食べたし、セブンのおせちが 「肉おせち」 ( ← ここ 参照 ) だったし、さすがに肉はヤメておくか。 そんな理性が働いて、 これ にしておきました。 2,916円(税込)。 高っ! が、高いだけあって、美味しかったっす。 <紫野和久傳/ムラサキノワクデン> 名前からして、ワクワクしちゃいますよね。 で、えーと、次。 「ドリフティン」 。 ド・ド・ドリフの、ドリフティン〜♪ いいっすよね、ドリフターズ。 僕が小学校を卒業して、中学に上がった頃、ドリフはガキ向けで、糞ダサい。 これからは 「ひょうきん族」 の時代や! そんな流れがあったりしたんっすが、えーと、 土8戦争 。 あ、僕の家が燃えた頃 = 小5の頃は確かに、欽ちゃんが流行ってましたな。 「欽ドン」 とか 「欽ドコ」 とか。 萩本欽一は長野オリンピックの閉会式で醜態を晒してしまったんっすが、長万部太郎が、すべてを挽回してくれましたよね。 何度見ても泣けますよね、 これ 。 もう、角松敏生をカルロス・トシキの代わりに、オメガトライブに召喚したくなっちゃうレベル。 ま、それが無理なら、カルロス・ゴーン&オメガトライブでも。 で、 「ドラフティン」 なんっすが、名前の通り、ゆったりと漂う雰囲気が、いいな…と。 ちょっぴりディープな感もあるんっすが、バリー・ハリス、マギー、ラウズと続くソロは、どれも悪くないな…と。 最後を締めるベースの人のソロも、地味ながら、華がないな…と。 でもって、テーマに戻って、おしまい。
で、次。 「クィーンズ」 。 明るく楽しい系のナンバーっす。 で、次。 「サーチ」 。 ベースのピチカートでテーマのメロディが演奏される、何か歌物っぽい小粋なナンバーっす。 ベースの人、ここまで割と活躍してくれていたんっすが、名前を出してませんでしたな。 ライル・アトキンソンという人っす。 寡聞にして、知らねぇ…。 で、ラストっす。 僕の持っているCDには、この後、 「アイランド・ムード」 と 「フリスキー」 の別テイクが入っているんっすが、もしかしたらこれもCDオマケなのかも知れない 「ホエン・サニー・ゲッツ・ブルー」 。 このアルバムでは唯一のスタンダード・ナンバーなんっすが、唯一のバラードでもあり、本採用されても不思議ではない高い完成度を誇ります。 テーマのメロディをラウズが吹いていて、そこのところがマギーのリーダー作としては、相応しくないな。 そう判断されたのが、オマケに甘んじることになった一員ではないかと思うんっすが、というか、最後までマギーは出て来ませんな。 ま、サイドマンに華を持たせるナンバーを1曲入れるというのも、よくあるパターンなんっすが、ま、オマケ扱いも、しょうがないかな? …と。 んなことで、今日のところは、おしまい。
【総合評価】 バリー・ハリスを始めとする “ジャズ兄弟” のみんながよく頑張ってくれて、地味な佳作に仕上がりました。 オリジナル曲の出来もいいし、マギーのラッパそのものもヘロヘロというより、フラフラな感じに留まっているし、酸いも甘いもかみ分けたイチゴ味とレモン味のグミみたいで、good!