FREE FORM (BLUE NOTE)

DONALD BYRD (1961/12/11)

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【パーソネル】

DONALD BYRD (tp) WAYNE SHORTER (ts)
HERBIE HANCOCK (p) BUTCH WARREN (b) BILLY HIGGINS (ds)
【収録曲】

(01-03) PENTECOSTAL FEELIN' / NIGHT FLOWER / NAI NAI
(04-06) FRENCH SPICE / FREE FORM / THREE WISHES
【解説】 ( 2020年02月16日更新 / 連載 1,382回 )

 妖刀村正伝説。 いいっすなぁ。 ワクワクします。 半端なく厨二心をくすぐられます。 “ようとう” という言葉の響きが、たまらん♪ いや、妖刀を平仮名で書いてしまうと、台無し感が半端なかったりするんっすが、 “ようとう” と言えば、羊頭狗肉。 羊 (ひつじ) の頭に、狗 (いぬ) 肉っすかぁ。 意味としては “竜頭蛇尾” と似たようなものではないかと思うんっすが、厨二心をくすぐられるのは羊頭よりも断然、竜頭っすよね。 竜頭蛇尾も、後半を切り離してしまうと、何だか今ひとつなんっすが、竜頭だと 「りゅうとう」 ではなく、 「りゅうず」 と読みたくなっちゃうし。 腕時計の巻き巻きとかする部位っすよね。 自動巻きだと竜頭を巻き巻きしなくても、自動で巻いてくれるし、そもそもクォーツなら巻き巻きする必要もないんっすが、あの部位って、言うほど 「竜の頭」 に似てるか? …と言われると、全然、そうでもないような? で、調べてみたら、 ほれ 。 “りゅうず” と平仮名で書かれると、今ひとつピンとこないんっすが、 “リューズ” と片仮名で書くのが、いちばんカッコいいっすよね。 英語だと思っちゃう人は少なくないと思うんっすが、姿が龍に似ていて、よく吼えると言われた 「蒲牢 (ほろう) 」 という中国の伝説中の生き物の頭が、うんぬん。 おお、この微妙に蒲鉾 (かまぼこ) っぽい中国の伝説の生き物は、始めて聞く名前でありますな。 んーと、 これ っすか。 竜生九子の一つなんっすな。 九子のうち、一子も知らなかったんっすが、これで1個だけ分かって、少しだけ賢くなりました。 賢い率 11.1%なので、まだまだこれからなんっすが、確かに蒲牢 (ほろう) の頭は竜頭っぽいな…と。 で、シチズンのサイトに戻って、確かに懐中時計に紐や鎖を通してつるす部分は、お寺の釣鐘 (つりがね) をつり下げるための綱を通す部分である 「 鈕 (ちゅう) 」 ぽいな! …と。 やがて、懐中電灯は腕時計へと進化を遂げるんっすが、それに伴い、ただの紐を吊り下げるための輪っかだった “竜頭” は、ぜんまいを巻き巻きしたり、時間を合わせたりする役割を担うことになったんっすが、名前だけはそのまま引き継がれることになった…と。 おお、何か、めっちゃ納得♪

 ということで、続いては “飛竜頭” について考えてみたいと思います。 竜頭の飛んでるバージョン。 随分と御大層なネーミングなんっすが、正体は これ 。 何と言うか、豆腐を油で揚げた油揚げを分厚くした厚揚げを丸くして刻んだ野菜とかを入れたバージョン? “伊勢ひりょうず” とありますが、サバ家では “ひろず” と呼んでたような? えーと、 飛竜頭 。 関西でいう、がんもどき。 この言い方は、ちょっと分かりにくいんっすが、関東でいう “がんもどき” のことを、関西では “飛竜頭” と呼ぶ。 そういう意味でありますな。 ひりゅうず、ひろうす、ひりうす。 サバ家では更に変化して、ひろず。 “がんもどき” などという言い方は、オトナになるまで聞いたことがなかったので、桑名というのはやはり、コトバ的には関西寄りなんやな…と。  “がんもどき” というのは、肉を食えないことになっている坊さんが考案した、苦肉の策なんでしたっけ? 何でもいいけど、苦肉の策の “苦肉” って、どんな肉なんっすかね? 苦肉ではなく、酸っぱ肉なら、腐った肉なんやろうな。 そう、何となく察しがつくんっすが、苦い肉。 ゴーヤチャンプルーっぽい、何か? いや、あれはゴーヤが苦いのであって、肉が苦肉なワケではないっすよね。 えーと、 苦肉の策 。 あー、苦 (にが) いんじゃなくて、苦 (くる) しまぎれの肉なんっすかぁ。 若いという字は、苦しい字に似てるわー♪ そんな歌もありましたが、アン真理子の 「悲しみは駈け足でやってくる」 っすか。 アン真理子って、あんまり (こ) な名前だと思うんっすが、明日という字は明るい日と書くのねー♪ そんなこと、 こんな暗い声 でボソボソと歌われても、あまり説得力がないんっすが、若いという字は、苦しい字に似てるわー♪ そんなことを、こんな暗い声 でボソボソと歌われると、説得力が半端ありませんな。 が、涙が出るのは、若いという印 (しるし) ねー♪ この一節は納得がいきませんな。 僕は決して若いとは言えないお年頃であるような気がするんっすが、めっちゃ涙、出まくります。 例えば、 これ を食べた時とか、号泣に近い状態になっちゃったんっすが、辛い物が苦手な若手ではないオッサンも、十分に注意しなければならないな…と。

 で、えーと、坊さんの、苦肉の策の、がんもどき。 何となく俳句っぽくなっちゃいましたが、季語は 「雁」 、季節は秋。 “かり” とも “がん” とも読むんっすが、雁の肉、食いたいなー。 でも、僕、坊主だから、肉を食うワケにはいかないし、うーん…。 で、試しに、豆腐をつぶして、ニンジンやレンコン、ゴボウなどと混ぜて、油で揚げて食ってみたら、うん、雁 (がん) の肉の味っぽくて、美味しい! → 雁 (がん) もどき。 そういう話なんっすが、この坊さん、どうして雁 (がん) の肉の味を知ってるんや? …という疑問は、とりあえず置いといて。 僕でも知らないっすぜ、雁 (がん) の肉。 どんな味がするんや? Gu-Gu ガンモ みたいな味なんか? 雁 (がん) もトリなので、鶏肉みたいな味がしても不思議ではないんっすが、普通、雁 (がん) なんか、食うか? Wikipedia によると、他にも鳥類の肉のすり身を鶏卵大に丸めて煮たり蒸したりする料理 「丸 (がん)」 に似せて作ったという説や、がんもどきの中にきくらげではなく安物の昆布で代用したら丸めた形の表面に糸昆布が現れてその様子が雁が飛んでいるかのように見えたからという説などが存在する…そうなんっすが、そっちのほうが説得力があるような? 糸昆布のほうは、風流ですらあるんっすが、確かにあの黒いのって、渡り鳥が飛んでるように見えますよね? 関西では “飛竜頭” と呼ぶんっすが、飛んでいるのは竜の頭ではなく、雁 (がん) やったんかー♪ 僕は芦屋雁之助ではないんっすが、 “雁が飛んでる説” を、頑として推し進めて行こう。 そう、心に誓った次第でありました。

 で、えーと、竜頭蛇尾。 初めは勢いがよいが、終わりのほうになると 振るわなくなること。 頭は竜のように立派なのに、尾は蛇のようにか細くて、ショボい。 そういった意味なんっすが、蛇はあの細い尻尾で、何の不自由もなく立派に生きているのに、勝手にショボいものの代名詞にされたりして、いい迷惑っすよね。 勝手に足を書き加えられて、 「蛇足だ!」 とか、言われちゃったりするし。 で、この意味からすると、竜頭蛇尾と羊頭狗肉って、ちょっと意味が違うんじゃね? そんな気もしてきました。 羊頭狗肉って、アレでしたっけ? 羊頭となるも、狗肉となるなかれ。 それの省略形・四字バージョンでしたっけ? いや、違いますな。 それは鶏口牛後っすな。 鶏の口と、牛の尻という意味から、大きな集団の一構成員になるよりも、小さな集団で 指導的な立場に立ったほうがよいということ。 そういう意味なんっすが、牛の尻尾とか、テールスープにすると美味しいのに、つまらないものの代表みたいな扱いをされて、いい迷惑っすよね。 鶏のくちばしとか、煮ても焼いても、食えなさそうじゃん! で、一方、羊頭狗肉。 羊 (ひつじ) の頭も、狗 (いぬ) 肉も、どちらもあまり食べたくはないんっすが、見かけや表面と、実際・実質とが一致しないたとえ。良品に見せかけたり、宣伝は立派だが、実際には粗悪な品を売るたとえ。羊の頭を看板にかけながら、実際は犬の肉を売る意から。 犬の肉は粗悪な品の代表扱いっすかぁ…。 中国人って差別的で、色んな動物に喧嘩を売ってる感じなんっすが、喧嘩なんか売ってないで、ちゃんと狗肉を売れって! いや、それを売って、文句を言われているんっすが、で、えーと、羊頭と言えば、狗肉なんだけど、妖刀と言えば、村正だよね♪ …と。 そんなことで、妖刀村正伝説。 詳しくは ここ 参照。 「村正」 とは、室町時代から江戸初期にかけて伊勢国 (三重県) 桑名 に存在した刀工集団の名称で、うんぬん。 そう! ここ、重要。 桑名も 「その手は桑名の焼き蛤」 という故事ことわざ (?) で、どこにあるのかはともかく、名前だけはそれなりに知られている…ような気がしないでもないんっすが、いかんせん、そんな言葉を知っているのはオッサンとか、爺さんとか、年寄りとか。 もはや、「よっこいしょういち」 とか、「冗談はよし子ちゃん」 と同じレベルの死語と化していて、ヤングな若者たちにとっては、 「はぁ…?」 一応、 故事ことわざ辞典 にも載っているんっすが、【意味】 その手は桑名の焼き蛤とは、うまいことを言ってもだまされない。その手は食わないというしゃれ。 …って、まったく何の意味もないし、そもそも桑名市民はそんなに焼き蛤なんか食わないし、うーん…。

 で、一方、昨今は刀剣ブームとやらで、刀剣女子 (笑) なんてのも出現している模様。 刀剣が流行っている一方、 闘犬 のほうは、ひっそりと店を畳んでしまった模様でありますが、高校生の頃、大学受験で高知に行った際、2年連続で遊びに行った思い出の施設がぁ…。 どうして2年連続なのかというと、受験に失敗して浪人したからなんっすが、翌年、再チャレンジするも、再び撃墜されて、以来、ここに2度と足を踏み入れることはありませんでした。 当時は 「とさいぬパーク」 などという、小洒落たガラス張りの建物ではなく、 「土佐闘犬センター」 とかいう、陰気な公民館みたいな施設だったんっすが、クソつまらなかった記憶しかないので、ま、潰れて当然かな…と。 が、

 2016/09/20 とさいぬパークに対して地元の金融機関が法的処置をとりました。
 2017/05/11 施設の最終営業日を19日と決定しました。
 2017/05/19 52年にわたる営業を終了しました。
 2017/05/22 施設建物を裁判所の管理に委ねました。

 この流れを見ると、何だか寂しくて、涙を禁じ得ません。 刀剣ブームもやがて、闘犬のように下火になっちゃうに違いありませんが、まだイケてる今のうちに、桑名 = 村正というイメージを定着させて、ヤングな若者たちへの知名度の向上を図らなければ! …と、個人的に勝手な使命感に燃えていたんっすが、とか思っていたら、 こんな たかり企画、いや、クラウドファンディングが。 クラファンと言えば2年前だったか、はまぐり犬が 「桑名水郷花火大会で2尺玉を上げたいワン!」 とか言って、金をたかっていたヤツ。 桑名の花火大会で上がる2尺玉が増えることは、桑名の知名度の向上に役立つ…ような気がしないでもない。 そんな気がしたので、賛同して、お金を出資して、僕のお陰で目標額の200万円を達成することが出来て、桑名の夜空に大きな2尺玉が上がったんっすが、ぶっちゃけ、今さら1発くらい単発でドーンと上がったところで、大したインパクトはないな。 それよりむしろ、「ワンワンワン、ワワーン、ワン!」というアナウンスがクソ寒くて、実際、7月の予定が台風の影響で11月に延期になったのもあって、実際の気温もクソ寒かったんっすが、桑名の品位を著しく下げたように思われて、無駄銭やったな…と。 で、花火と言えば、去年でしたか、主催者自ら、 「エンディングをもうちょっとマシにしたい!」 という意図で、金をたかっていたヤツ。 実際、桑名の花火は中盤の “NTN超特大仕掛” というのが抜きん出ていて、ラストの “空中ナイヤガラ” とやらは糞ショボくて、それこそ竜頭蛇尾もいいところなんっすが、そこのところをアンチに突かれて、毎年、悔しい思いをしておりました。 アレが少しでもマシになれば。 そんな希望を持って、賛同して、お金を出資したんっすが、返礼品に魅力がないのもあってか、はまぐり犬以下の目標額であるにも関わらず、目標額を達成することが出来なくて、エンディングは相変わらずショボいままで、ああん…。 で、一方、はまぐり犬のクラファン第2弾。 今度は 「立体化したいワン!」 とか言って、着ぐるみを作る予算をたかっていたんっすが、個人的には、どうでもいいな。 そんな気がしたので、今回はパス。 にも関わらず、余裕で目標金額を達成しやがったんっすが、で、立体化した結果、作られた動画が これ っすか。 心の底から、どうでもいいっすな。 桑名の知名度向上に、まったく何の寄与もしてないじゃん…。 あ、そういえば、桑名関連の動画というので、何気なく見ていた これ 。 へぇ、長島にこんなん、あるんや。 …とか思っていたら、つい先日、ここで発砲事件がありましたな。 ま、ある意味、知名度は少しだけ向上したかな…と。

 で、 桑名総鎮守 桑名宗社(春日神社)への 「宝刀村正写し」 奉納プロジェクト 。 「写し」 って、何や? …というのがよく分からなかったんっすが、ググってみたら、 ほれ 。 今ひとつよく分からないんっすが、レプリカではないんっすな。 レプリカでは、まったくソソられるものがなかったりするんっすが、個人的なランキングで言うと、

  カプリコ >>>>>> レプリカ = パプリカ

 みたいな。 レプリカとか、ただのパチモンだし、パプリカとか、ただのピーマンだし。 その点、カプリコはめっちゃ美味しいんっすが、ここ30年くらい、食べたことがないような? 無性に恋しくなってきたので、後でスーパーに行って、買ってこようと思うんっすが、レプリカではなくて、写し。 名古屋の河村たかし君が、やっきになっている名古屋城天守閣の復元。 鉄筋コンクリートで、見た目だけ本物っぽく造るのが 「レプリカ」 で、オリジナルに忠実な木造で復元させるのが 「写し」 。 そんなイメージっすかね? で、村正の写しを作るのに、いかほどのお金をたかるつもりなのかと思ったら、400万円。 エエぇぇぇぇ…。 ちょっとボリ過ぎ、欲張り過ぎちゃうん? 桑名の花火のオフィシャルのヤツもそうなんっすが、大きく出て目標額を達成できなかったりすると、恥をかくだけだと思うんっすけど。 …とか思っていたら、募集開始からわずか4時間足らずで目標を達成していて、ちょっと笑いました。 村正の知名度と人気、半端ねぇぇぇぇ! ちなみに、写しを作る意義としては、

 1つは、 「村正=桑名」 という考えを定着させ、地域の誇りとなってほしい。

 これはもう、まったく持って賛同します。 僕が密かに個人的に勝手に燃えていた使命感に合致するもので、これはもう、出資するしかないな! …と。 で、続いては

 2つは、 「村正の逸話の虚と実を明らかにする」 ということです。

 要するに、村正は 「妖刀」 なんかじゃない! そのことを世間に知らしめたいみたいなんっすが、個人的に、それはちょっと…。 村正は妖刀伝説があるからこそ、人気になったと思うんっすよね。 ま、自分ちのお宝が “祟りグッズ” 扱いされるのは、不本意。 その気持ちは分からんでもないんっすが、村正が 「妖刀」 でなければ、ただの刀じゃん…。 前回、博物館で展示した時は、ノリノリで 妖菓 「村正」 とか作っていたし、今後もこの方向性でいいと思うんっすけどね。 何なら、新たに 「妖菓ようかん」 とかを作って貰っても。 ちなみに、僕も無論、出資することにしたんっすが、返礼品としては 7,000円の “宝刀村正 ペーパーナイフ2本” というのを選びました。 神社に納められた宝刀村正の形を模したミニペーパーナイフ。 ミニチュア刀掛け台に、クリアファイル3とポストカード6枚も付いてきて、かなりお得なような? ペーパーナイフのクオリティが気になるところなんっすが、紙を切るためのナイフっすよね? 紙製のナイフじゃないっすよね? 「妖刀」 のリターンは、とんだ羊頭狗肉だった。 そう、ならない事を願って、今日のお話は、おしまい。

 

 ということで、今日はドナルド・バードっす。 何かちょっと、微妙っすよね。 いや、日本での知名度は抜群だし、ブルーノートを始め、多くのリーダー作が残されているし、サイドマンとしても腐るほど顔を出しているし、毛嫌いする要素はどこにもなかったりするんっすが、マイルスみたいにカリスマ性があるワケではないし、リー・モーガンほどヒップでもないし、フレディ・ハバードのような先取性もないし、ケニー・ドーハムのように哀愁に特化しているワケでもないし。 何と言うか、欠点はないんだけど、キラリと光る持ち味がないというか。 テナーでいうと、ハンク・モブレイみたいな立ち位置っすかね? ま、これはあくまでも僕個人の見解なので、世の中には恐らく、バード・LOVE♪ …な、愛鳥家もいるに違いありませんが、その愛鳥家からしても、あ! よく見たら “Bird” じゃなくて、 “Byrd” じゃん! というので、ちょっぴり欺された気になったり。 紛らわしいので 「どなるど・びゃあど」 みたいな表記にして貰いたいところなんっすが、で、今日はそんなビャード君の 『フリー・フォーム』  フレディ・ハバードのような先取性もないし。 そう、サバの野郎に言われたのが悔しくて、「ハバードみたいなの、出来ないじゃん!」 そう、挑発されて、 「出来らあっ!」 と反発して作ってみた、そんな1枚でありますな。 いや、多分。 テナーにウェイン・ショーター、ピアノにハービー・ハンコックを配するという、ビャード君のドヤ顔が目に浮かぶような人選だったりして、しかも、フリー・フォーム。 モードを超越して、更にその先の世界を目指すビャード君の先取性、半端ねぇぇぇ! ま、ビャード表記はいい加減ウザいので、以下、自粛することにしますが、ちなみにベースはブッチ・ウォーレン、ドラムスはビリー・ヒギンズ。 この辺りは穏健な雰囲気なんっすが、ま、あまり尖りすぎて、険悪な雰囲気になってもアレなので、ちょっと気を遣ったんでしょうな。 この人、プロフェッサーと呼ばれるくらい、知的なキャラだったみたいだし。 んなことで、では、演奏を聞いてみることにしましょうかぁ。

 まずは1曲目、バードのオリジナルで、 「ペンタコスタル・フィーリン」 。 何か、名前からして、モードっぽいっすよね。 ペンタトニック・スケールとか、何かそんなん、ありましたよね? で、演奏が始まって、唖然、呆然、アムンゼン。 めっちゃ糞ダサい、ジャズ・ロックやんけ! こんなのをやりたいが為に、ショーターとハービーを招聘したのかと思うと、何かちょっと哀しくなってしまうんっすが、ま、ハービーに関して言えば 「ウォーターメロン・マン」 みたいな、糞ダサいのもあったりするんっすけど。 ショーターも 「アダムス・アップル」 とかはジャズ・ロック調だったりしますよね。 よくよく考えたらビリー・ヒギンズとか、ジャズ・ロックの権化のようなドラマーなので、こういう展開は当然、予想されたところなんっすが、 ペンテコステ 。 微妙に綴りは違うような気がするんっすが、原文ライナーを見ても、彼が成長期を過ごした日曜日の教会がうんぬん。 そのようなことが書かれている気がするし、どうやら 「エーメン」 の系統っぽいっすな。 僕はこの路線があまり好きではないのでアレなんっすが、そう言えばバードって、こういうヤツやったんや…。 2管のユニゾンでテーマが演奏された後、バードのソロになるんっすが、ま、普通によく歌っていて、悪くはないな…と。 ちなみに 「スイカ男」 が入っているハービーの 『テイキン・オフ』 とは、リズム・セクションがまったく同じだったりするんっすが、あっちは1962年5月の録音なので、こっちのほうが半年ほど早かったりするんっすな。 もしかして、ハービーがこれをパク…ではなくて、インスパイアされた可能性もあるとか? ちなみに、あっちでラッパを吹いているのがフレディ・ハバードなんっすが、ハバードみたいに、出来らあっ! というか、既に、やってらあっ! モーダルというワケではなく、ファンキー調ではあるんっすが、続くショーターのソロは既に新主流派なスタイルを確立していて、流石やな…と。 続くハービーは、まんまスイカっぽいんっすが、こういうベタな路線も悪くないな…と。 んなことで、テーマに戻って、おしまい。 リズムが糞ダサいこと以外、特に問題のない仕上がりだったりして、変にモーダルなのを期待さえしなければ、普通にアレやな…と。

 で、次。 モーダルなのに期待していたみんな、お待たせ!  「ナイト・フラワー」 はハービー作のファンタスティックなバラードなんっすが、そうそう。 こういうのを期待していたんっすよねー。 テーマ部はトランペットのワン・ホーンで演奏されるんっすが、そこに絡むハービーのピアノが、めっちゃリリカル。 この新人、この後、大化けするかも知れないっすな。 で、その後、大日如来のお導きで、頭をアフロにしちゃったり。 そんな未来が見える気がするんっすが、ソロ先発も、このハービーとか言う新人のピアニスト。 新人ながら信心の深さを感じさせ、で、この後、ショーター君のお出ましとなります。 この人のミステリアスなバラードには定評があるんっすが、その後、バードが引き継いで、テーマに戻って、おしまい。 いやあ、完璧でした。 ということで、次。 バードのオリジナルで、 「ナイ・ナイ」

 (ヾノ・∀・`)ナイナイ

 ヤル気、あるんか? …と聞かれたら、こう答えるしかないんっすが、ふわっとした感じのキュートな曲調でありますな。 2管のユニゾンでテーマが演奏されるんっすが、わりとシンプルな仕上がりで、でもって、ソロ先発はバード。 よく歌うフレーズはクリフォード・ブラウン直系な感じで、非の打ち所がナイナイな…と。 続くショーターも自分の世界を確立していて、言うことナイナイな…と。 で、最後を飾るハービーのソロは、めっちゃ才能あるアルよ。 そんな出来だったりして、でもって、テーマに戻って、おしまい。 ヤル気がナイナイので、簡単に片付けてしまいましたが、次。 「フレンチ・スパイス」 。 個人的にフレンチはあまり好きではなくて、ホテルの料理でもフレンチのプランだと避けてしまうんっすが、好みの順列で言うと、

  破廉恥 = フリチン >>>> フレンチ

 ということになりますな。 確かに破廉恥とフリチンは、同列やな。 そう、納得して頂けると同事に、いくらなんでも、フレンチがフリチン以下というのはないやろ? そう、遺憾に思う人もいるに違いないんっすが、ま、所詮は個人の好みっすからね。 他人からとやかく言われる筋合いはないんっすが、で、 「フレンチ・スパイス」 。 フランス料理に欠かせない!常備したいスパイス&ハーブ 。 ブーケガルニ、カトルエピス、エルブドプロバンス。 どれもまったく馴染みがありませんな。 ジョウビタキは常備してても、ブーケガルニなんか常備してねぇよ。 そんな愛鳥家は少なくないと思うんっすが、適度にスパイスの効いた、エルブドプロバンスっぽい仕上がりの曲でありますな。 もう、エロ葡萄、プロパンっす! …みたいな。 ソロ先発はショーターなんっすが、妖しさ全開で、続くバードは、愛しさ全開。 最後を飾るハービーは、涼しさ満点で、クールな感じが、たまらんな♪ …っと。 適当なことを書いておいて、次。 アルバム・タイトル曲の 「フリー・フォーム」 。 これはアレっす。 めっちゃフリーっす。 どれくらいフリーなのかというと、フリチンも霞んでしまうほど。 フリチンが霞んでいるのは、モザイクが掛かっているからなんじゃね? そんな可能性もあるんっすが、オーネット・コールマンの 『ジャズ来たるべきもの』 が録音されたのが1959年5月なので、61年11月の時点でフリーに目覚めたというのは、早いのか、遅いのか。 ちなみに “ジャズ来た” でタイコを叩いているのがビリー・ヒギンズなんっすが、ジャズ・ロックからフリーまで、芸風の幅が広いっすよね。 コルトレーンなんかも後年はフリーに走ってしまったんっすが、61年11月と言えば 『ライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』 を出した頃で、モードでバリバリな感じ? そう考えると、バードの先進性が際立つんっすが、フリーと言っても無意味に喚き散らすような無秩序なものではなく、それなりに知性を感じさせるところが、さすがはプロフェッサーという感じ。 プロゴルファー猿では、こうは行きません。 ゴルフはけっこう上手いんっすけどね、猿。 で、これ、フリーにしては聞きやすい…とは言っても、11分08秒もあるので、それなりの覚悟は必要なんっすが、無駄に自由に吹きまくった結果、そのあおりを受けちゃったのが、 「スリー・ウィッシュズ」 。 ハービーのオリジナルなんっすが、収録時間の関係で発売当初はオクラ入りになってしまい、CDオマケ曲として、ようやく日の目を見ることになった模様。 モーダルでいい感じの曲なので、遅ればせながらも発掘されて、よかったな…と。 とまあ、そんなこんなで、以上っす。

【総合評価】 出だしがいきなりジャズ・ロックで、心が萎えかけたんっすが、その後、完全に輝きを取り戻しました。 ドナルド・バード、意外と先取性、あるじゃん。 …というのが判明したし、ショーターはやっぱり凄いし、で、初リーダー作発表前の弱冠21才くらいのハービーが、凄ぇぇぇぇぇ! で、こんなアルバムを作ったブルーノートのアルフレッド・ライオンも、やっぱスゲェな。 そんな思いを新たにした、そんな1枚でありました。


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