幻想ノート (DOUBTMUSIC)

沖 至 (1975/12/9,11)

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【パーソネル】

沖至 (tp) 藤川義明 (as) 翠川敬基 (p,b,cherro) 田中保積 (ds) 吉増剛造 (poetry reading) <#5>
【収録曲】

(01-03) 黒い鉄ねこ面 / サン・ドニ通りの子猫たち / エスカルゴ
(04-06) ほほえむ南里さん / 古代天文台 / シーザーとカポネ
【解説】 ( 2020年11月15日更新 / 連載 1,419回 )

 アースが生んだ〜、正義のマグマ〜♪ いやあ、いいっすなぁ、マグマ大使。 聖徳太子、弘法大師、マグマ大使。 “世界3大・たいし” のうち、いちばん大志を抱いているのは、マグマ大使じゃね? そんな気がするんっすが、大志を抱くのは 「少年」 と、相場が決まってますからね。 聖徳太子はオッサンだし、弘法大師もオッサンだし、少年では、ねーな…と。 じゃ、マグマ大使は少年なのかと言うと、それもちょっと微妙な気はするんっすが、んーと、 これ っすか。 これで言うと、いちばん右は、どう考えても少年ではないんっすよね。 千年くらいは生きてそうな? いや、仙人と千年は違うので、もしかしたら、そこまで長生きではないのかも知れませんが、現存している仙人って、だいたい何歳くらいなんっすかね? んーと、 神石高原四仙人衆 。 こんにゃく仙人 : 年齢不詳、神石牛仙人 (通称 牛仙人) : 年齢不詳、トマト仙人 : 年齢不詳、ピオーネ仙人 : 年齢不詳。 ・ ・ ・ 。 よりによって、まったく何の情報も得られないサイトにアクセスしてしまいましたが、あ、でも、よく見たら、 「こんにゃく仙人より挨拶」 のところに、何か書いてありますな。 みんな元気で暮らしておるか? ここ、神石高原町で修行してもはや数千年・・・。 ほぉ。 つまり、3歳から修行を開始したとして、数千年と3年。 千年など、余裕でクリアしていることが判明したんっすが、今まで生きてきて、 「千年に一人の逸材」 を、数人は見ているという事っすよね? 凄ぇぇぇぇぇ! で、何でもいいけど、ピオーネ仙人。 名前のとおり 「おねえ」 だが芯が強い。 言うほど、名前のとおり 「おねえ」 かぁ? そんな気がしないでもないんっすが、ピオーネ → ピおねえ。 ま、そこそこ 「おねえ」 ではありますな。 で、性格は、姉御肌。 「おねえ」 と姉御肌って、別の概念のような気がしないでもないんっすが、で、「こここここ」 「じじじじじ」 「トトトトトト」 「ピピピピピピ」。 各自、浴衣の柄が、なかなかお洒落でありますな。 神石牛仙人の浴衣を見て、「かみいしうし」、もしくは 「かみいしぎゅう」 ではない事に気付かされたんっすが、広島県神石郡神石高原町。 「じんせきこうげんちょう」 と読むんっすな。 またひとつ、賢くなってしまったんっすが、この無駄な知識を今の仕事に活かせる機会はなさそうだし、で、えーと、改めて、 マグマ大使ご一行 。 右から2人目は、少年っぽいっすよね。 赤いチョッキに、青い半ズボン。 完璧っす。 今どき、チョッキって…。 ベストやろ? そんなふうに思われるかも知れませんが、ベストだと、「ベストを尽くす」 のベストと混同しやすいし、アスベストなんかも吸着しちゃいそうだし、今日もチョッキを着て、直帰するけど、何か文句ある? そう、開き直りたい気持ちで一杯だったりして、で、何や、このヘルメット? …というのも、ちょっと気になりますな。 額の部分の細長い “▼” もアレなんっすが、あご紐、どうなってんねん? もし、耳の部分がモフモフになっているのだとすれば、これからの季節、土木作業員にとっては、かなり有益なアイテムになり得る可能性を秘めていると言えそうなんっすが、そもそもこの少年、誰や? …というのが、よく分からなかったり。

 ぶっちゃけ、 「マグマ大使」 って、動いているところを見たことがないんっすよね。 主題歌の出だしの部分を、何となく知ってるくらいで。 せっかくなので、動画を探してみることにしたんっすが、んーと、 これ とか。 おお、謎の少年の、貴重な “ヘルメットを被ってないバージョン” が! いや、もしかしたら、これがデフォなのかも知れませんが、何や、この髪型は? この変な髪型がコンプレックスで、それを隠蔽するためにヘルメットを被ったりするのかも知れませんが、特技は 「笛を吹くこと」 。 おお、微妙に 「マグマ大使〜♪」 みたいなメロディになってるやん! ま、事前に言葉で 「マグマ大使〜」 と通知して貰わないと、そうは聞こえないレベルではあるんっすが、ちゃんとマグマ大使には伝わっているみたいなので、他人がとやかく言う筋合いは、ねえな…と。 で、このロケットみたいな乗り物、垂直に降下できるやん! 凄ぇぇぇぇぇぇぇ! これさえあれば、オスプレイなど、用無しになっちゃいそうなんっすが、ホリエモンロケットにも、似たような挙動のヤツがありましたよね。 んーと、 これ っすか。 「残念…ですよね。 あら〜って、感じですね、これは…。」 お姉ちゃん、涙ぐんでるやん…。 気の毒で、居たたまれない気持ちになってしまいましたが、高度100kmの宇宙空間を目指したが…。 35mくらいは飛びましたかね? もうちょっとだったんっすけどね。 惜しい! で、一方、マグマロケット。 これの中にマグマ大使が搭乗しているのかと思ったら、ロケットそのものが変形して、マグマ大使が登場。 おお、こういうシステムだったんすかぁ。 そんなことも知らずに、マグマ大使を語っていたんか? そう、思われるかも知れませんが、だからぁ、動いているところを見たことがないって、最初から言ってるじゃん! マグマ大使初心者にとっては、何もかもが新鮮だったりするんっすが、まず、基本の Wikipedia から押さえておくと、『マグマ大使』 (マグマたいし) は、手塚治虫の漫画作品、およびこれを原作にした特撮テレビ番組うんぬん。 え、これ、手塚治虫の漫画やったん? そんなことも知らずに (以下略) 。 動いているところ…どころか、止まっているところも、あまり見たことがなかったんっすよね…。

 で、原作 、ポチっちゃいました。 後先を考えずに、全巻、いっちゃいました。 ま、全3巻なので、ハズしてもダメージは最小限に抑えられそうなんっすが、ある朝、目をさますと、まもるくん一家は前世紀の世界にいた! なるほど。 あの変な髪型の少年は 「まもるくん」 だったんっすな。 めっちゃ、地球の平和を守ってくれそうな名前なんっすが、ま、恐らく、実務に関してはマグマ大使に丸投げという形になるんでしょうけど。 で、 (中略) ゴアのわるだくみにたちむかうロケット人、マグマ大使とは何者? 何者? …って、答えはもう、出てるじゃん。 ロケット人じゃん。 ま、僕はそんなことすら、知らなかったりしたんっすが、なるほど、確かにあの生態は “ロケット人” と呼ぶに相応しいものだったりしますよね。 金正恩はトランプくんから 「ロケットマン」 と呼ばれたりしておりましたが、ロケットマン VS ロケット人。 勝負の行方、めっちゃ気になりますなぁ。 ま、原作にそんなエピソードは出てこないかも知れませんが、ロケット人の敵役は 「ゴア」 なんっすよね? 副大統領? で、 『マグマ大使』 第1巻・ 「ゴア編」 。 大使くん、原作だと、めっちゃ男前だったりするんっすが、少年…とまでは言えないまでも、十分に青年の範疇であるな…と。 大志を抱く資格は十分に持ち合わせていると言えるのではなかろうかと。 で、第1章 : きわめてユニークなプロローグを期待する読者の失望。 え、何これ? ちなみに僕は手塚治虫の漫画って、一度も読んだことがないんっすよね。 アニメも、ぜんぜん見たことがないような? 藤子不二雄のほうが断然、好きだし、身近だったりするんっすが、古田くんちに 『ドラえもん』 の単行本が何冊かあって、読ませて貰ったらめっちゃ面白かったので、自分でもお金を出して買いました。 正確に言うと、家のお金をちょろまかして買ったんっすが、だって、当時、まともにお小遣いを貰えてなかったんだから、しょうがないじゃん! で、買った漫画は机の引き出しの中に隠しておいたんっすが、これ、バレたらきっと、親に叱られるなぁ…と。 そこで、当時からめっちゃ賢かったサバくんは、考えました。 そうや、古田くんから貰ったということにしておこう! で、裏表紙の反対側のとこにマジックで、古田くんっぽい筆跡(←推定)で、 「古田」 と署名しておいたんっすが、古田くん、いつも面白い 『ドラえもん』 をタダで譲ってくれて、ありがとう♪

 今では金銭的に、ちょっぴり余裕のある大人になることが出来たので、もしよければ、あの時のお礼に、古田くんに 『スーパーくいしん坊』 (電子版) を譲ってあげてもいいかな? そんなふうに思っていたりするんっすが、後先を考えずに、勢いで3巻まで買っちゃったんっすよね。 全9巻にしなかったのが、せめてもの救いなんっすが、3巻でも十分に後悔するレベルだったりして、手放すことに、まったく悔いはありません。 が、よくよく考えたら、あの時のお礼に…って、古田くんには、何もして貰ってないやん! 『ドラえもん』 、自分のお金で買っただけやん! ま、正確には自分のお金じゃなくて、親からパクった金なんっすが、古田くんには何の関係もない話やん! 危うく騙されて、貴重な 『スーパーくいしん坊』 を手放しちゃうところでありましたが、そういう事なら、手放すのはやめて、手鼻でもかむことにして。 手鼻をかんでみたところで、スマホが鼻水まるけになるだけで、何のメリットもないような気がするんっすが、僕は損得だけで生きている人間ではないっすからね。 やっぱ、人生、二宮尊徳だよね? …と。 二宮金次郎の慣れの果てっすよね、尊徳。 尊徳だけで生きたところで、何の損も得もないような気がするんっすが、で、えーと、 『マグマ大使』 の第1巻。 ざっと読んでみて感じたのは、まず第一に、まもるくんのパパの髪型が、変。 まもるくんよりも、変。 というか、原作では、まもるくんの髪型はそんなに変ではなかったりするんっすが、にも関わらず、パパの髪型は、変。 髪に目がいってしまって、肝心の内容があまり頭に入ってこなかったりするんっすが、ある朝、目をさますと、まもるくん一家は前世紀の世界にいた! これに関して、僕はちょっと誤解していました。 これ、20世紀に書かれた漫画だとして、前世紀ということは、19世紀? …とか思っていたら、ぜんぜん違いました。 前世紀というか、紀元前? というか、それより、もっと前? 普通に恐竜とか、出てくるんっすよね。 ま、どんなに昔でも、紀元の前である限りは、紀元前で合ってるかと思うんっすが、とにかくまあ、髪型が変なパパは新聞記者で、ある日、そのパパのもとに謎の人物から電話が掛かってきた…と。 いいかね よく聞くんだ しあさっての朝八時から… 一時間だけ… あんたをはじめ世界中の二千人の記者の人を ある場所へご招待する。 ああ、これは不味いっすなぁ。 めっちゃ不味いっす。 これはもう、間違いなく、トラブルの元になります。 何が不味いって、 「しあさっての朝八時から」 。 この言い方がもう、致命的なくらいに命取りっす。 謎の人物、やってくれちゃいましたなぁ…。

 このコーナーでも、何度か取り上げたことがあるかと思うんっすが、 「三重弁」 を覚えてみよう 。 この動画の1分40秒あたりから。 そう、三重では1日後 → 2日後 → 3日後 → 4日後は、明日 → 明後日 → ささって → しあさって。 んなもん、当たり前やんけ! 全国共通で、そうやって言うと信じて疑わず、今まで生きてきたんっすが、世の中には3日目のことを 「しあさって」 という、ワケのわからん人種が存在するって、マジっすか? 僕は津の営業所から名古屋の本社に転勤になって、そこで初めて、その事実を知らされたんっすが、いやあ、 『世界ふしぎ発見』 っすなぁ。 3日後は 「3(さん)あさって」 やから、 「ささって」 、4日後は 「4(し)あさって」 やから、「しあさって」 。 三重県人の言ってることのほうが、論理的に考えても、合ってるやん! 「しあさって」 が3日後なら、 「ささって」 は、何日後やねん! そもそも、 「ささって」 という言葉が存在しない。 そんな、タワケたことを抜かしやがる奴もいるそうなんっすが、調べてみたら、こんな 衝撃的な調査結果 が。 「ささって」、三重県だけやん! 全国比 5.4%なんだそうっすが、三重県、そんなに人、いましたっけ? んーと、令和2年9月1日現在で、1,768,632人っすかぁ。 日本の人口は令和2年10月1日現在で、1億2588万人くらい。 ざっと計算して、1.4%くらい? となると、三重県以外にも 「隠れ “ささって” 派」 が、かなりいるということになるんっすかね? 岐阜県の飛騨地方や、富山県の一部でも使われているみたいなんっすが、そうやって聞くと、何だかその地区の住民に、親近感を持ってしまいますよね。 飛騨、いいじゃん♪ 飛騨牛とか、美味しいし。 富山もいいっすよね。 薬とか、美味しいし。 いや、薬、美味しいか? …と言われると、無論、例外もあるんっすが、少なくとも、正露丸糖衣は甘くって、美味しいっすよね。 子どもの頃、甘くて美味しいので、喜んで舐めていたら、突然、強烈な苦みに襲われて、泣いちゃったことがあるんっすが、こんな子供だましな薬の存在を、許してもエエんか? 子供心にも、憤りを覚えずにはいられませんでしたが、つまるところ、薬は、アカンな…と。 あ、でも、富山には 「ます寿司」 もあるから! で、えーと、しあさっての朝八時から (中略) あんたをはじめ世界中の二千人の記者の人を、ある場所へご招待する。 世界中の記者のうち、1,997人は3日後(しあさって)に集合場所にやってきたものの、三重と飛騨と富山の記者の姿はなく、これが後々、遺恨を残すことになって、イカンっすよね、こりゃ。

 幸い、まもるくんのパパはこの3件の住民ではなかったようで、3日後、ある場所に招待される…というか、土地付きで、家ごと、どこかに飛ばされることになるんっすが、で、その謎の電話を掛けてきた相手というのが 「ゴア」 の部下だったと。 ゴア本人は、先ほどの動画にも登場しておりましたが、そうこうしているうちに、漫画のほうにも出てきました。 おお、結構、似てるやん♪ さすがは手塚治虫センセイ、絵がお上手でありますなぁ。 で、そうこうしているうちに、1時間が経過して、二億年のむかしから現在に引き戻されて、で、そうこうしているうちに、第2章 : ここで非現実的な英雄が登場する。 いきなり、マグマ大使、登場。 おお、何て、非現実的な! で、なんやかんやあって、まもるくんはマグマ大使の寝ぐらに連れて行かれるんっすが、 「おかえりなさい、マグマ」 。 マグマ大使の嫁? 彼女? …が登場。 おお、何て非現実的な髪型。 みんなにも、その髪型を見せてあげたくて、 「マグマ大使 彼女」 で、画像検索してみたんっすが、うーん、出て来ませんなぁ。 これ は、違いますよね? 66年にはTVドラマ 「マグマ大使」 に主人公の妻・モル役を演じる。 あ、実写版のほうっすか。 ま、お陰で、マグマ大使の妻が 「モル」 という名前であることが判明したんっすが、 「マグマ大使 モル」 で、画像検索っと。 お、出ました。 ほれ 。 言うほど、非現実的な髪型でもないじゃん。 そう、落胆させてしまったかも知れませんが、でもまあ、エロ可愛いから、いいじゃん! で、そうこうしているうちに、アース様が登場。 え? アースって、仙人のオッサンなん? アースが生んだ〜、正義のマグマ〜♪ この歌のイメージから勝手に、アース = マグマ大使の母親。 そのように思い込んじゃってました。 ウルトラの母みたいなのを頭に描いていたら、まさかの爺ぃキャラで、がっかり…。 もう、アースには何も期待しないっ! で、そうこうしているうちに、マグマ大使と妻のモルが、子供を作るシーンが登場。 ま、正確に言うと、マグマ大使と妻のモルの子供をアースが作るシーンだったりするので、みんなが期待するような、あんなことやら、こんなこと。 ああん、そんなことまでぇ♪ そういった場面は、まったく出てこなかったりするんっすが、そうして生まれたのが、ガムくん。 で、マグマ大使は、まもるくんとお友達になって、その証として、 特殊な超音波の 「笛」 をプレゼントします。 ふぇ〜♪ ひとつ吹くとガムが、ふたつ吹くと妻のモルが、みっつ吹けば私がとんで行くからね。 え、そんなシステムやったん? 「マグマ大使〜♪」 っぽいメロディで、呼びかけてたんちゃうん? 改めて、まもるくんが笛を吹くシーンを見返してみたところ、笛を3つ吹いているようには聞こえなかったので、原作と実写版では設定が変わったのかも知れませんが、となると、 「モル〜♪」 みたいなメロディで笛を吹くシーンもあるんっすかね? 個人的に、マグマ大使を呼び付ける必要性は、特に感じなかったりするんっすが、エロ可愛いモルちゃんを呼び付けて、あんなことやら、こんなこと。 ああん、そんなことまでぇ♪

 僕は今から、モル笛の練習に励みます。 そんなことで、じゃあ!

 ということで、今日は沖至っす。 名字と名前で漢字2文字。 シンプルで、カッコいいっすなぁ。 その素性に関しては、まったくよく知らんかったりするんっすが、 日本のジャズ・トランペット奏者 。 ここに名前があったので、とりあえずネタ用にアルバムを1枚仕入れてみることにしました。 8/25 トランペッター沖至、パリに死す。 あ、わりとつい最近、お亡くなりになってるやん! それにしても、パリに死す。 カッコいいっすなぁ。 僕もどうせなら、さいたま市なんかじゃなくて、パリとか、ニューヨークとかで、 「死す」 したいところでありますが、ジャズ評論家サバ氏、さいたま市に死す。 略して、さいたま死。 これはこれで、悪くないかも知れませんが、ま、どうせなら地元で 「桑名死」 したいかな? …と。 遺灰は揖斐・長良川に流して貰って、やがてそれは海へと流れて、そこでハマグリの餌になって、貝殻の成分の足しにでもなれば、それで本望。 で、沖至クンの経歴などに関しては、追悼記事を読んで貰うとして。 で、 『幻想ノート』 。 よく分からんのっすが、とりあえずジャケ絵を書くのがそんなに面倒ではなさそうなので、これを選んでおきました。 で、聞いてみた結果、 ・ ・ ・ 。 ま、これはアレっすな。 今日の後半は、近年稀に見るほどの短いものになっちゃうかも知れない。 そんなポテンシャルを秘めた作品であることを、最初に書いておきますが、んなことで、ぼちぼち、いきますかぁ。

 まずは1曲目。 「黒い鉄ねこ面」 。 ちょっと可愛いタイトルなんっすが、何百年も経た石牢の様な地下室が、パリには多い。 (中略) 黒い鉄製の奇怪な猫面が、沖を見下ろす様に壁に懸かっている。 猫面に手を掛けた仲間に、次々と良くないことが起る。 交通事故にあったり、愛猫が狂死したり…。 それは実説だ。 そんなことが、福島輝人クンの日本語ライナーに書かれております。 それは実説だ…って、何とも嘘っぽいっすなぁ。 ま、 『幻想ノート』 っすからね。 どんな幻想をライナーノートに書いて貰ってもいいんっすが、しかし、沖は黙々とトランペットを吹いている。 この曲は、この猫面をヒントに創られた。 沖の、いささかシュルレアリスト風怪奇志向の視点が顕著化されたものだ。 そういうアレだったりするんっすが、怪奇志向っすかぁ。 個人的には、棟方志功のほうが…。 で、福島クン、沖は黙々とトランペットを吹いている。 そんなふうに書いておりますが、これは実態とは懸け離れていて、ベースとドラムスをバックに、アルト・サックスを従えて、バリバリとフリーにラッパを吹きまくる。 そういうアレだったりして、雰囲気としては、オーネット・コールマン・カルテットのドン・チェリーって感じ? いやあ、キツいっす。 苦行に近いでおじゃるな。 そう、公卿も苦言を呈しておりましたが、ま、半端ないエネルギーの “ほとばしり” のようなものは感じられるんっすけど。 ただ、個人的には、ほとばしりよりも、犬走りのほうが好きだったりするし、土建屋の業務に携わっていると、たまに遭遇するんっすよね、 犬走り 。 実際に犬走りを犬が走っている場面に遭遇したことはないんっすが、犬走りのコンクリを打った、その日の夜に、猿が走り回って、足跡を付けられたことはあったりします。 猫の足跡なら可愛いので、そのまま放置してもいいんっすが、猿はアカンっすな。 至る所にウンコまでしてあったし、沖至、いい加減にしろ! いや、至る所だからと言って、沖至に罪を被せるのは、冤罪もいいところなんっすが、そうこうするうちに、藤川義明クンの、ほとばしるアルト・ソロが炸裂。 んーと、 この人 っすか。 1969年11月から71年5月にかけて存在した新宿ピットインのニュージャズ・ホールは、副島輝人をオーガナイザーとして、うんぬん。 あ、幻想的なライナーノートを書いている福島クン、こんなところに名前が出て来ましたな。 オーガナイザーっすかぁ。 ちょっと、おっかないざぁ。 そんなイメージがあったりするんっすが、そうこうしているうちにアルトとラッパが激しく絡み合って、で、演奏が盛り上がった処でフェイド・アウトしてゆくと、我々はうつつの闇に立たされている…と。 あまりにもフリー過ぎて、ちょっとアレだったりしたんっすが、最初に断っておきます。 結果的にこの曲が、いちばんマシでした。 この先、どんどんと暗闇に沈み込んでいくか、もしくは、半端ない狂気の発露となるかの両極だったりするので、今のうちに覚悟を決めて貰うとして。

 で、次。 「サン・ドニ通りの子猫たち」 。 またしても猫であるがこれは生きた猫。 猫の柔軟な姿態と手ざわりは、グロテスクなエロティシズムを持っている。 福島クンは、そんなふうに書いておりますが、そっかぁ? 普通に、可愛ぇぇ♪ それだけのような気もするんっすが、サン・ドニは、パリの有名な娼婦街。 可愛いなどと云うものではない、奇怪なルージュとアイシャドウ。 あ、そういうの、僕の趣向にはまったく、 そぐいませんな。 ケバいのは苦手っす。 見た目はケバくても、中身が純朴だったりすれば、それはそれで、最高にアリなんっすが、見た目がケバくて、中身は、あばずれ。 そういうのは、ちょっと…。 あばずれって、漢字で書くと、阿婆擦れっすぜ? 「湯婆婆の床擦れ」 みたいなのしか、頭に浮かんでこなかったりするんっすが、イントロの翠川のソロは、我々を意識の白日夢の世界へと誘う…と。 翠川敬基。 ベース弾きっすな。 無伴奏のアルコ・ソロは確かに幻想的だったりして、白日夢というか、白目 (しろめ) をむくというか、不気味さが半端ないっす。 で、そのうち、タイコとラッパとアルトが出て来て、テーマらしきものを奏でるんっすが、盛り上がらなさは微塵も改善されず、で、その後、アルトの人の深く沈み込む系の精神世界なソロが展開されて、で、テーマの合奏パートを挟んで、陰鬱なラッパのソロがフィーチャーされて、うーん…。 ということで、次。 「エスカルゴ」 。 初めてカタツムリを食した時の、あのコリッとした異様な歯ごたえを、あなたは覚えているだろうか。 いや、食べたこと無いしぃ。 食べたいとも思わないしぃ。 トランペットとベースのデュオは、抜群の緊密状態を提示して、うんぬん。 前の曲の悪いところを、そのまま引き継いでくれちゃっているんっすが、やがて藤川の烈しいアルト・ソロに移る…と。 なるほど、 「激しい」 じゃなくて、 「烈しい」 。 こっちのほうが、烈しい感じがよく出ますな。 藤川の演奏は面目躍如とも云うべきダイナミックな中にも厳しさを持ったものだったりして、で、田中のパーカッシブルなドラム・ソロがそれに続く…と。 その前に、沖至が絡んで来て、集団即興演奏っぽくなるパートがあったりするんっすが、で、田中。 確かにパーカッシブルっすな。 決して派手さはないんっすが、じわじわ、輪島。 そんな、次第に盛り上がっていく感があったりして、が、盛り上がりきらないうちにテーマに戻ってしまって、おしまい。

 で、次。 「ほほえむ南里さん」 。 “みなみざとさん” じゃなくて、 “なんりさん” 。 南里文雄。 沖至の師匠でありますな。 師匠というと、仙人みたいな爺ぃの姿が頭に浮かんでくるんっすが、 『闇の忍者タスケ』 の師匠とか。 このオープニング、めっちゃ名曲だったりするんっすが、これにくらべると、至クンの 「南里さん」 は、うーん…。 トランペットの無伴奏ソロという、その時点で、あ、遠慮させて頂きます。 そう、言いたくなっちゃうようなアレなんっすが、そして昨年、パリで南里文雄の訃報に接した時に創った曲。 あ、師匠、お亡くなりになっちゃいましたかぁ。 隙を突かれて、刀で突かれて、「ぐべっ!?」っと、逝っちゃいましたかね? さらば…師匠…。 んなことで、次。 「古代天文台」 。 この1曲こそ、このアルバムのハクビシン。 そう、言い切ってしまって大丈夫かと思うんっすが、沖至である。 古増剛造である。 んーと、 この人 っすか。 詩人。 パーソネルに (poetry reading) という記載があったんっすが、ジャズと詩の朗読の融合。 この企画期待は決して新しい物ではなく、ミンガスの こんなアルバム もあったりするんっすが、ここでの剛造クンのポエトリー・リーディングは、かなり強烈。 古代天文台に、雪ィ〜、降り積もり、ああ、雪が降る、雪が降る♪ あまり、大したことは言ってないような気もするんっすが、実際に聞いてみれば、分かります。 何じゃ、こりゃ? 特に終盤は、何か変なモノに取り憑かれて、完全に逝っちゃってます。 背後ではラッパとアルトとタイコの人が詩人を煽りまくり、そのうちにベースの人までアルコで挑発を初めて、ああ、古代、古代、古代、古代、古代、ああぁぁぁぁぁぁ♪ その後、憑き物が落ちたかのように、平静を取り戻す瞬間があったりするんっすが、ああ、緑のマコト、緑のマコト、緑のマコト、緑のマコト、おおおぉぉぉぉぉ♪ 再び、狂気に支配されたり、正気に戻ったりを繰り返しながら、でもって、おしまい。

 で、ラストっす。 「シーザーとカポネ」 。 パリで沖至が住んでいた辺りは、ジュリアス・シーザーの古戦場であったという。 そういうアレを、ああして、こうして、(中略) 事実、演奏がフェイド・インされてくると、これは内面の嵐が延々と吹き荒れているのだ。 暴力的なサウンドの中で、珍しくも翠川のピアノが断片的に聴こえてくる。 フッと思い出した様にテーマが出て演奏が終わると − 我々は夢幻の世界からズームバックする様に後退して、眠りからさめる様に少しずつ現実に呼び戻されていて、とまあそんなこんなで、おしまい。

【総合評価】 「幻想」 とは、かくも意味不明で、耐え難いものであったのか。 そんな現実を突きつけられる、マゾの人向けの1枚でありました。 ウリャ、ウリャ!


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