FIESTA (VERVE)

CHARLIE PARKER (1951/3/12,1952/1/23)

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【パーソネル】

CHARLIE PARKER (as) BENNY HARRIS (tp) <#7-9,11>
WALTER BISHOP (p) TEDDY KOTICK (b)
ROY HAYNES (ds) <#1-6,12> MAX ROACH (ds) <#7-11>
JOSE MANGUEL (bongo) LUIS MIRANDA (conga)
【収録曲】

(01-03) UN POQUITO DE TU AMOR / TICO TICO / FIESTA
(04-06) WHY DO I LOVE YOU / (alt take-1) / (alt take-2)
(07-09) MAMA INEZ / LA CUCARACHA / ESTELLITA
(10-12) BEGIN THE BEGUINE / LA PALOMA / MY LITTLE SUEDE SHOES

【解説】 ( 2020年12月13日更新 / 連載 1,422回 )

 このところ、将棋の世界が何かと話題なんっすが、君は将棋が好きかな? 僕はですね、さほどでもありません。 生姜、将棋、将軍、ショウゲンジ、聖護院ダイコン。 この5つの中なら、どれも同じくらい特にソソられるものがなくて、低いレベルで順位を付けるのが難しかったりするんっすが、まずは生姜。 地味っすよね。 豚肉の生姜焼きは、めっちゃ美味しいんっすけどね。 が、豚肉の生姜焼きが美味しいのは、あくまでも豚肉が美味しいからであって、べっ…別に、生姜がエラいというワケでは無いんだからねっ! その証拠に、イワシの生姜煮とかは、個人的にまったく嬉しくなかったりします。 でも、それって、イワシがアカンだけの話で、生姜には何の罪も無いんじゃね? むしろ、イワシの臭みを取るのに頑張ってくれてるんじゃね? そう言われると、確かにそんな気がしないでもないんっすが、でも、所詮は薬味とか、香辛料とかの類いだし! 堂々と “主役” として、何かを論じるような食材じゃないし! 何故、僕がそこまで意固地になって、生姜の価値を認めようとしないのか、理解に苦しむところでありますが、実は生姜には “主役” として活躍を期待される場が、ちゃんとあったりします。 しかも、意外とたくさん。 まずは 「飲み物の部」 。 ホットでもアイスでも、どちらでもイケます。 まず、温かいほうからいくと、 生姜湯 。 めっちゃ、温まりそうっすなぁ。 そもそも、どうして生姜糖を飲むと、体が温まるのか。 その秘密はまず、 「湯」 にあります。 湯は、温かいっすからね。 そら、温まるやろ…と。 温水洋一というオッサンがいるんっすが、温かい水 (ぬくみず) って、それ、湯やろ? そう言いたくなるくらい、温かいっす。 で、生姜湯の場合、湯で温まるだけでなく、生姜のほうでも温まります。 キュウリは体を冷やすと言いますが、生姜はその逆。 キュウリを生姜醤油で漬けたりすると、冷えるのか、温まるのか、はっきりしろ! そう、相撲取りの高安 (たかやす) から文句を言われそうなんっすが、そういうアンタも、高いのか、安いのか、はっきりしろ! …と。 敏いとうとハッピー&ブルーなんかも、幸福なのか、憂鬱なのか、よく分からないし、意外と世の中って、相反する要素が混在することが、そんなに不思議ではなかったりするとか? で、生姜は何故、体が温まるのか。 その答えは、 ここ 参照。

 生姜の冷えを和らげる効果は、生姜に含まれる辛味成分「ジンゲロール」「ショウガオール」「ジンゲロン」の働きによるもの。 おお、ショウガオール。 めっちゃ、生姜に含まれてそう。 蛭 (ヒル) の唾液腺から分泌されるヒルジンと同じくらい、日本語っぽいネーミングなんっすが、で、ジンゲロールとジンゲロン。 こちらはちょっと、ジンゲ兄弟っぽいっすな。 好きな言葉は 「仁義」 、好きな体毛は 「○ンゲ」 、俺たち “ジンゲ兄弟” 、ヤー! 好きな体毛とか、そんなもん、いちいち報告してくれなくて結構なんっすが、女性が嫌いな男性のムダ毛1位は背中! こんな記事もありますな。 背中の毛を 「ムダ毛」 とか、言うな! 背中から落ちたとき、クッション代わりになるんや! そう、相撲取りの高安 (たかやす) に叱られそうなんっすが、背中から落ちて負けるのが前提なのは、ちょっとどうかと思うんっすけど。 ま、それはそうと、ジンゲ兄弟とショウガオールには、体を温める…というか、冷えを和らげる効果があると。 おお、温める効果はないんっすな。 ま、温めるには、それなりのエネルギーが必要っすからね。 生姜ごときに、そんなパワーが宿っているとは思えなくて、言われてみれば、当然かな…と。 で、一方、キュウリ。 体を冷やすのにも、ある程度の “熱量” が必要だと思うんっすが、99%が水だと言われているキュウリに、そんな力があるんっすかね? もしかして、水で冷やしてるだけなんじゃね? そんな疑念が湧いてきたんっすが、んーと、 体を温める食べ物・冷やす食べ物 。 あ、冷やすのはキュウリだけではないんっすな。 夏が旬の野菜は体を冷やし、冬が旬の野菜は体を温める。 え、これ、マジっすか? 「何となく、そんな気がする」 という推測や、 「だったら、いいな」 という願望じゃなくて? 地面の下に出来る野菜は、何となく温かそうで、地面の上に出来る野菜は、何となく涼しそう。 そんな、直感だけでこのチラシを作ってしまった感が半端ないんっすが、そんなことで、エエんか、担当栄養士 : 柴田? 温めるか冷やすかの見分け方も例外があるので、目安だと思ってください。 そんな “目安” で逃げて、エエんか、相撲取り : 高安 (たかやす) ? いや、高安 (たかやす)、関係ないっすね。 とんだ、とばっちり。 実際のところ、陰陽道なんかが絡んだ話で、科学的な根拠はあまり無かったりするようで、とにかくまあ、生姜というのは何となく、体を温めてくれるような気がするなぁ…と。 温めてくれたら、いいなぁ…と。

 となると、冷たい飲み物と生姜は、あまり相性がよくないようにも思えるんっすが、そんなことはなく、大阪では有名らしい “ひやしあめ” という謎の飲み物。 アレは、生姜湯の冷たいバージョンみたいなものらしいっすな。 麦芽水飴(または米飴)を湯で溶き、生姜の搾り汁や卸し生姜を加えた飲料なんだそうっす。 美味いんか? …と言われると、飲んだことはないので、何とも言えないんっすが、イメージからすると、そんなに美味いものでは無さそうな気が? が、それに炭酸を加えて、英語にしてやれば、意外とイケそうな気も? ジンジャーエールになりますよね? もしかしたら、似て非なるものになっちゃうかも知れませんが、生姜味の炭酸水という意味では、一緒や! …と。 子供の頃は、生姜味の炭酸水だとは知らずに、飲んでいたんっすけどね。 英語が苦手な子供だったので、仕方が無いんっすが、ジンジャーエールのジンジャーって、生姜やったんか! その、衝撃の事実を知ったのは、かなり大人になってからでありました。 そうとも知らずに、勝手に神社にエールを送ったりして、何とも無駄な少年時代を過ごしてしまいましたが、で、神社と言えば、伊勢神宮。 ここには生姜を使ったお菓子が伝わっていたりします。 その名もズバリ、 生姜糖 。 おお、懐かしい♪ 小学生の頃、さば兄が、弟から金をふんだくって、くじ引きのようなイベントを開催していて、それの当たり…というか、ハズレが、生姜糖だったような? 生姜糖に、鉛筆で直に 「古いので食べないで下さい」 と、書いてあったような? 大して美味しくもないので、誰も食べなくて、いつまでも、しつこく残っていたりするんっすよね。 メーカーさんサイドとしても、不人気なのを自覚しているのか、最近は 笑が十 (しょうがとう) なんてのを作っているんっすな。 生姜・抹茶・ニッキ・黒糖・ゆず・サイダー・珈琲・ブルーベリー・マンゴー・メロンと様々な種類があります。 生姜糖は、生姜味なのが最大のネックで、それが不人気である最大の要因だったりするので、生姜以外の、抹茶・ニッキ・黒糖・ゆず・サイダー・珈琲・ブルーベリー・マンゴー・メロン味だったら、イケるかも? が、どれも中途半端な味になっちゃってる気がしないでもなくて、結局のところ、生姜味が、いちばんマシ。 そんな落ちが付きそうな気もするんっすが、とにかくまあ、飲み物やお菓子の世界では、生姜も結構、頑張ってくれてるなぁ…と。

 でも、主役とまではいかないよね? ま、せいぜい、名脇役って感じ? 脇役って、何となく脇毛が生えてそうなので、最近では “バイプレイヤー” と言ったりするみたいなんっすが、女性が嫌いな男性のムダ毛ランキングの5位以内には入ってなかったんっすけどね、脇毛。 もしかして、許された? そう言えば、鼻毛なんかもライキング外だったし、それらの毛は “ムダ毛” ではなく、“必要悪毛” に分類されているのかも知れませんが、で、生姜。 普段は脇役に徹しているんっすが、年に3日ほど、 「ハレの舞台」 に登場することがあります。 そう、石取祭。 「そう」 と言われても、全国的な知名度は、さっぱりだと思うんっすが、んーと、 これ 、もしくは、 これ 。 ググっても、この2つくらいしかヒットしなかったので、全国的にはまったく知られてないのかも知れませんが、石取祭の時に、これを囓るんっすよね。 というか、これと枝豆しか食わないみたいっす。 僕の住んでる町は石取祭ではなく、クソしょうもない金魚祭の参加エリアなので、真偽の程は定かで無いんっすが、3日間、生姜と枝豆だけを食って、あとは、ただひたすら酒を飲んで、鐘と太鼓を叩いて、大騒ぎをするという。 その昔、『これが日本の祭膳だ!』 みたいな、クソつまらない企画のテレビ番組があって、そこで取り上げられておりました。 レポーターは確か、桑野信義 (クワマン) ではなかったかと記憶しているんっすが、山積みになった生姜を見て、 「これは “祭膳” 以前の問題ですね…。」 と、ディスられておりました。 こっ…、これが桑名の流儀なんやから、クワマン如きが口出しすんな! …と、この時ばかりは、ちょっとだけ生姜の肩を持ちたくなったんっすが、あの、茎の付いた生姜を梅酢で赤く漬けたヤツ、 「はじかみ」 という名前だったんっすな。 いや、正確に言うと、 「はじかみ生姜の梅酢漬け」 ということになるんっすか。 よく、切り身系の焼き魚なんかにも添えられてますよね。 若いギャルや、さほど若くはないオバサンが、恥じらいながら 「はじかみ」 をカミカミしている様は、なかなかソソられるものがあるんっすが、 美しい大和言葉 「はじかみ」 の意味と由来について 。 ほぉ、なるほど。 「はじ赤み」 → 「はじかみ」 っすかぁ。 何か、心の底から納得がいきますな。 「歯でかんで辛い物」 という説もあるみたいなんっすが、僕は断然、 「はじ赤み」 を支持します。 それはそうと、はじかみは食べる物なの? …って、ハァ? 「はじかみ」 を食べずに、何を食べろって言うんや? 枝豆か? 枝豆だけ食え、言うんか? 桑名が誇る伝統の “祭膳” を馬鹿にすんなぁぁぁぁ! ま、ここでは、焼き魚に添えられている 「はじかみ」 って、食べてエエんか? そんなシチュエーションに限定しての話だと思うんっすが、刺身の上に乗ってるタンポポみたいなものだと思ってる人もいるかも知れませんからね。 で、回答としては、無論、食えよ! …と。 さすがに、茎の白いところまで食えとは言いませんが、 「はじ赤み」 の部分は、食えよ! …と。 で、食って、「うーん、酸っぱい」 って、なれよ! …と。

 …と、ここまで生姜をプッシュしておきながら、僕はまだ、生姜を完全には許しておりません。 生姜なんかより、「プッシュG軟膏」 をプッシュしてやるぅ! 生姜に何か、恨みでもあるのか? そう、思われるかも知れませんが、実は、あります。 めっちゃ、恨んでます。 生姜のお陰で、余計な出費を強いられた事を、僕はまだ根に持ってます。 根菜類っすからね、生姜。 根に持たれるのも、やむを得ないところなんっすが、何年か前に箱根へ遊びに行ったんっすが、小田原で晩飯を食べてから帰ろうかと。 ネットで簡単に予約出来るところが 「串カツ田中」 しかなかったので、ま、いっかぁ…と。 ぜんぜん小田原っぽく無いんっすが、美味しいっすからね、串カツ。 で、あれこれ頼んで、適度に酎ハイも飲んで、すっかり、いい気分になって、で、最後は何で締めようか? …と。 そこで頭に浮かんだのが、紅ショウガ。 本場の大阪では定番で、人気も高いらしいんっすよね、紅ショウガの串揚げ。 さっぱりして、口直しにいいかも知れない。 そんな気がしたので、 “締め” に頼んでみることにしました。 最初に出された普通のソースの他に、テーブルの上に、何やら違ったソースが置いてあったので、それを掛けて食べてみました。 辛っ! めっちゃ、辛っ! 紅ショウガも辛いんっすが、ソースがめっちゃ、辛っ! 後から見たら 「激辛ソース」 と書かれていたんっすが、口の中がヒーヒーで、ひぃぃぃぃぃ…。 たまらず、トウモロコシを追加で注文して、甘めのソースで食べて、それで “締め” にしたんっすが、余計な出費をさせやがって。 生姜の野郎、許せん! それって、八割方、 「激辛ソース」 のせいじゃね? というか、よく確認しなかった、自分のせいなんじゃね? そう言われると、確かにそんな気がしないでもないんっすが、生姜そのものも普通に辛かったし、 串カツに関する調査結果発表 。 男性人気1位は紅しょうが…って、こんなランキング、認めんっ! とまあ、そんなこんなで、生姜と、相撲取りの高安 (たかやす) は、とんだ、とばっちりでありましたが、で、将棋と、将軍と、ショウゲンジと、聖護院ダイコンに関しては、気が向いたら、また、次回。

 ということで、今日はチャーリー・パーカーっす。 今回から “アルトサックス奏者編” になります。 しばらく日本人が続いたんっすが、久々のガイジン復帰。 やっぱ、ジャズは外人だよね。 …という偏見から、未だに抜け出せずにいるんっすが、それ以外のジャンルだと、断然、日本好きなんっすけどね。 万年筆も、パーカーじゃなくて、パイロットやろ? …みたいな。 子供の頃、憧れの文房具だったんっすよね、万年筆。 「中一コース」 とか 「中一時代」 とかを年間購読すると、特典として万年筆が貰えて、それで客が呼べるような時代だったんっすが、所詮はタダで貰えるものなので、さほど高品質なものではなくて、日ごとに不満が募り、高校に進学したのを気に、思い切って奮発して、家の金をちょろまかして、憧れのパイロットの万年筆を買ったりしたんっすが、やっぱ、 ミューレックス っすよね? おお、今見ても、カッコええ♪ ペン先と本体が一体になっていて、オール・ステンレス製で、めっちゃ近未来っぽいんっすが、17,600円(税込)。 高っ! 中古で600円くらいなら、思い出に浸るために買ってみようかと思っていたんっすが、これはちょっと…。 プラチナ万年筆で我慢しますかね? インクカートリッジはパイロットより、プラチナのほうが好きだったんっすよね。 んーと、 これ 。 おお、これこれ♪ このボールが、何かと使えるんっすよね。 インクを使い切ったら本体をカッターで切って、中のボールを取り出して、収集していました。 何に使うのかというと、机の上で転がしたり、床の上で転がしたり。 とまあそんなこんなで、万年筆の世界では、あまりソソられるものがなかったパーカーなんっすが、ジャズの世界でも同じ。 偉人であることは認めるんっすが、ぶっちゃけ、聞いて、面白いものではなかったりするんっすよね。 パーカーはレロレロ言ってるばっかで、モンクは聞いてると腸捻転を起こしそーになるし、ギル・エバンスとか骨と皮だけの、ただのジジィだろ? ラズウェル細木が、そんな不遜な発言をしておりましたが、概ね、同意。 パーカーって、レロレロ言ってるばっかすよね。 学生時代に長島スパーランドでアルバイトして、初めて貰った給料を握り締めて、近所の 「シェトワ白揚」 に走って、CDのコーナーで 「チャーリー・パーカー・オン・サヴォイ・完全盤」 を買ってしまったのは、思い出したくもない痛恨の無駄遣いだったんっすが、あまりにもアレなので、後に、イリノイ鮭くんにタダであげちゃいました。 いや、「いらんのなら、頂戴!」 とか、言われて。 買った当時は、CD3枚組で1万円近くだったんっすが、今ならプレミアが付いて、その10倍くらいの値段で取引されてるとか? もし、そうなら、何としても取り返さなければならんのですが、んーと、 これ 。 ¥1,580。 安っ! ブックオフオンライン、物の価値を知らないにも程があるんっすが、ま、このお値段でも、別に欲しいとは思わないんっすけど。 で、今回、パーカーを取り上げるにあたって、どのアルバムにするか、ちょっと悩んだんっすが、結果、 『フィエスタ』 というのにしてみました。 後藤雅洋クンが日本語ライナーを書いているんっすが、その冒頭部分が共感に値するものだったので、無断で勝手に引用させて貰うと、

 私はダイアル、サヴォイ時代のチャーリー・パーカーを聴いて彼の凄みを実感した世代なので、かつてはヴァーブ時代を少し下に見ていたことは否めません。 しかしある年齢に達し、この考えの視野の狭さに気が付きました。 その最初のきっかけがこのラテン・ナンバーを極上のテイストで演奏したアルバムだったのです。 アドリブ満載のダイアル、サヴォイ盤はスリル満点ですが、正直よほど気合いが入ってないと聴き続けるのがしんどいのも事実。 ですから仕事が終わって一服したいときなどはこのヴァーブ盤を聴いて和んでいたのです。

いやあ、後藤雅洋クンも歳を取りましたなぁ。 が、これが評論家目線ではない、一般ファンの素直な心情っすよね。 サヴォイ盤の、しかも完全盤とか、聞いてられるかぁぁぁぁぁ! ちなみに完全盤というのは何が完全なのかと言うと、別テイクまで完全に入っちゃってる…と。 ジャズのレコードの録音というのは、基本 “一発録り” で、ひとつの曲を何回か演奏してみて、その中でいちばん出来がいいのを “本テイク” として、採用。 それ以外は “別テイク” といって、オクラ入りになるんっすが、そんな失敗テイクも、もれなく完全に収録してくれちゃってるんっすよね、完全盤は。 曲の最後まで演奏してくれているならまだしも、始まって10秒くらいで終わってしまった “超失敗テイク” まで、律儀に入っていたりします。 「チャーリー・パーカー・オン・サヴォイ・完全盤」 の場合、多いものだと “take-12” くらいまで、あったり。 いくら、アドリブ・パートは毎回違うとは言え、同じテーマを12回も聞きたくねぇぇぇぇぇ…。 極度のマニアか変態以外、誰も得をしない作りだったりするんっすが、そんな苦行の世界は捨て置いて、今日は脳天気なラテン・ジャズを、お気楽に聞き流すという方向で進めさせて行きたいと思います。 んなことで、1曲目、 「ウン・ポキート・デ・トゥ・アモール」 。 バド・パウエルに 「ウン・ポコ・ローコ」 という有名なオリジナルがあるんっすが、これは “ウン・ポ・シリーズ” の姉妹編ということなりましょうか。 作曲者として Gutierrez という名前がクレジットされておりますが、ググるとめっちゃ動画とかがヒットするので、かなり有名なナンバーなのではなかろうかと。 で、演奏のほうはというと、冒頭からボンゴとコンガのコンビが大活躍で、で、その後、パーカーが出て来て、脳天気でラテンなテーマを吹くという、そういうアレだったりします。 で、その後、パーカーのソロが出て来ます。 ぶっちゃけ、ダイアルやサヴォイ時代のような凄みとか、切れ味とか、切れ痔とかは感じられないんっすが、才能の片鱗の断片のようなものくらいは垣間見えたりして、腐ってもパーカーやな…と。 で、その後、ボンゴだか、コンガだかのソロを挟んで、ウォルター・ビショップJr. のピアノが登場。 この人、『スピーク・ロウ』 の一発屋だとばかり思っていたんっすが、バップ期から活躍している実力派なんっすよね。 ここでも、なかなかいい感じのソロを弾いてくれているんっすが、いかんせん、あまりも短か過ぎて、物足りねぇ…。 でもって、脳天気なテーマに戻って、おしまい。

 で、次。 「ティコ・ティコ」 。 最近、『チコちゃんに叱られる!』 で、唯我独尊ゲームという、時間潰しのつまらない企画をやっているんっすが、「チコチコチコチコ、チャーハンは、ふすま」 とか、ワケがわからん…。 あの 「チコチコチコチコ」 の部分で、この 「ティコ・ティコ」 という曲を思い出したりするんっすが、アップ・テンポの調子のいいナンバーでありますな。 パーカーの吹くテーマはよく歌っていて、で、その後、ボンゴだか、コンガだかのソロがフィーチャーされて、その後、パーカーもちょっとだけソロを吹いて、でもって、テーマに戻って、最後は打楽器がフェイドアウトして、おしまい。 全般的に軽い仕上がりで、演奏時間も短くて、物足りないこと、この上なかったりするんっすが、ま、ヴァーブのパーカーは基本、こんなものだと思いますぜ、バブー。 あ、最後のは、イクラちゃんで。 んなことで、次。 アルバム・タイトル曲の 「フィエスタ」 。 「まつり」 っすよね? フィーエスタ、フィエスタ、フィエスタ、豊年フィエースタぁぁぁぁ♪ 北島三郎の「まつり」の節で歌うと、普通にイケるんっすが、いいっすよね、まつり。 はじかみ生姜でも囓って、盛り上がりたいところでありますが、で、パーカー祭りはというと、ミディアム・テンポのグルーヴィな仕上がり。 ソロ・パートでは、それなりのキレも感じられるし、ちょっと長めのピアノのソロもあるし、で、最後に打楽器の人が前面に出てきて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 で、次。 歌物スタンダードの 「ホワイ・ドゥ・アイ・ラブ・ユー」 。 本テイクの他に、完走した別テイクが2つも入っていて、お得感が半端ありません。 ゆったれりとしたグルーヴィな仕上がりで、パーカーは3回とも、まったく違ったアプローチでアドリブを展開しております。 …と、プロが聞けば、そういうことになるのかも知れませんが、素人がぼーっと生きてる限りでは、ま、どれも似たり寄ったりかな? …と。 が、別テイクは、ちょっぴりパーカーに覇気がないような気がしないでもなくて、破棄されるのも、やむなしかな…と。 ま、結果、破棄されずに、こうして日の目をみちゃっているんっすが、こういう “失敗” が、世間の目に晒されるって、本人的には、どうなんっすかね? 犯罪を犯して卒業アルバムを晒されちゃうのは自業自得なんっすが、パーカーくん、別に何も悪いことをやったワケじゃないのに…。 ま、ちょっぴり薬物に走った時期もあったみたいなんっすが、で、個人的には、やっぱり “別テイク” とか、いらんな…と。

 で、次。 「ママ・イネズ」 。 これはアレっす。 悪い子はいねぇが? 泣く子はいねぇが? で、家に行ってみたら、悪い子、いねず。 ママ、いねず。 留守やんけ! そんな、ナマハゲの悲劇を描いた作品っすよね? 「ママ、黒酢」 なら、健康にもいいし、体も柔らかくなったのにぃ。 ところで、酢を飲むと体が柔らかくなるというのは、ちゃんと科学的な根拠があるんっすかね? キュウリは体を冷やす…と同じように、推測、もしくは願望だけで言ってるような気がしないでもないんっすが、梅酢じゃなくて、黒酢で “はじかみ生姜” を漬けると、黒っぽい「はじ赤み」というか、 「はじ黒み」 に、なるんっすかね? 黒酢って、言うほど黒くはないので、生姜も黒くはならないような気もするんっすが、で、演奏のほうはというと、トランペットが入っておりますな。 ベニー・ハリスっすか。 わりと溌剌としたプレイを聞かせてくれていて、それに触発されたのか、パーカーのプレイにも覇気が感じられて、ママはいなくても、ハリスがいて、よかったな♪ …と。 で、次。 「ラ・クカラチャ」 。 ここにもハリスくんがいてくれるんっすが、ちょっぴり古臭い感じの吹きっぷりだったりして、別に、いてくれなくてもよかったかな? …と。 パーカーくんのほうは、普通に快調なんっすけどね。 6曲目までが 1951年3月、7曲目以降が 1952年1月の吹き込みみたいなんっすが、後半のほうが体調がよかったのかも知れません。 体調が快調だと、怪鳥ロプロスも空を飛ぶし、いいことずくめっすよね。 で、次。 「エストレリータ」 。 聴き所は、メキシコの作曲家ポンセの美しい楽曲 「エストレリータ」 でみせるロマンチックな気分。 そう、後藤雅洋クンも書いておりますが、テーマでの、伸びやかなアルトの歌いっぷりから、この日のパーカーが、心身共に、伸身の新月面であったことが窺えます。 で、次。 そして “ティン・パン・アレイ” の大物作曲家、コール・ポーターの手になるラテン風の名曲 「ビギン・ザ・ビギン」 ですね…と。 何が 「そして」 なのかというと、後藤クンが、聴き所は…と言ってる、その流れの続きなんっすが、ビギン・ザ・ビギン。 前のビゴンと、後ろのビギンでは意味が違って、英語で書くと “BEGIN THE BEGUINE” 。 カリブ海のマルティニーク島で生まれた民族舞踏 「ビギンダンス」 を始めましょうという意味で、ポーターはマルティニークの宗主国であるフランス滞在中にパリでこのダンス・リズムを知って作曲したそうですぞ…っと。 個人的にこの曲は、さほど好きではなかったりするので、後藤クンが言うほど、聴き所だとは思わなかったりするんっすが、ま、悪くは無いので、別にいいかな? …と。

 で、次。 おりぇあ! うぇあ、うぇりゃぁぁぁ♪ そんな感じの楽しげな “雄叫び” で幕を開ける 「ラ・パロマ」 。 パロマというと、ガス器具のイメージなんっすが、スペイン語で 「鳩」 という意味なんっすな。 鳩のガス火焼きとか、あまり美味そうではないんっすが、ベニー・ハリスのラッパも入っていて、賑やかで、いいかな? …と。 んなことで、ラストっす。 最後に何故か、1951年のセッションに戻って、 「マイ・リトル・スエード・シューズ」 。 パーカーの有名なオリジナルなんっすが、「私の小さなスエードの靴」。 何か、可愛いっすよね。 スエードって、どんなん? 「どすえ」 っぽい、何か? …と思って調べてみたら、 こんなの 。 おお、可愛ぇぇ♪ 「スエード 子供用」 で、画像検索した結果なので、「スエード おっさん用」 だと、また違うのかも知れませんが、タイトルに相応しい、可愛い感じの曲だったりして、アルバムの締めを飾るには、相応しいな…と。 最後が 「紅ショウガの串揚げ (激辛ソースがけ) 」 だったりすると、台無しっすからね。 トウモロコシっぽい演奏で、今日のところは、おしまい。

【総合評価】 パーカー入門には、やっぱヴァーブ盤やな。 バブー。 そう、再認識させられた1枚でありました。 仕事が終わって一服したいときなどに、最適っ★


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