THEM DIRTY BLUES (LANDMARK)

CANNONBALL ADDERLEY (1960/2/1,3/29)

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【パーソネル】

CANNONBALL ADDERLEY (as) NAT ADDERLEY (cor)
BOBBY TIMMONS (p) <#1-5> BARRY HARRIS (p) <#6-9> SAM JONES (b) LOUIS HAYES (ds)
【収録曲】

(01-03) DAT DERE / DAT DERE (alt.take) / DEL SASSER
(04-06) SOON / WORK SONG (alt.take) / WORK SONG
(07-09) JEANNINE / EASY LIVING / THEM DIRTY BLUES
【解説】 ( 2021年01月10日更新 / 連載 1,426回 )

  『将棋めし』 。 こんな漫画があったんっすな。 ということで、将棋です。 あまり興味はないし、ぜんぜん詳しくなかったりするんっすが、またしても将棋ネタ。 ポケットメイトの将棋と、ホテルニューアワジの 「きつねうどん」 くらいしか、書くことがなかったりするんっすが、まだまだ引っ張ります。 さすがに将棋は今回で終わりにして、以後、囲碁の話にしようか? そんなふうに思ったりもするんっすが、囲碁は将棋以上に興味がないし、まったく詳しくなかったりするので、果たして、どんなものかと。 で、『将棋めし』。 前代未聞、将棋×めしの異色マンガ! プロ棋士・峠なゆたが対局の休憩中に食べるメニューとは!? 主人公の 「なゆた」 は、女流棋士ではなくて、女性棋士なんっすな。 何が、どう、ちゃうんや? そう、思った人もいるかと思いますが、僕にもよく分かりません。 何せ、将棋にはぜんぜん詳しくなかったりしますからね。 ということで、調べてみました。 んーと、 これ 。 わかりやすく言うと、そこそこ将棋が強いギャルならなれるのが、女流棋士。 が、いくら将棋が強くても、オッサンではなれないのが、女流棋士。 一方、めっちゃ将棋が強ければ、なれるかも知れないのが、棋士。 めっちゃ将棋が強ければ、老若男女を問わず、棋士になる資格があるんっすが、あ、老若男女のうち、“老” は、アカンっすか。 棋士になるには、奨励会という会に入会することが奨励される…というか、奨励会という会に入って、四段に昇段しないと棋士にはなれなかったりするんっすが、じゃ、どうすれば昇段するのかというかというと、これはもう、将棋で勝つしかありません。 「500万円で、どうでっしゃろ?」 みたいな商談で昇段することはなくて、 「わはははははは。」 「あはははははは。」 みたいな笑談で昇段することもありません。 笑ってる場合、ちゃうやろ! …と、諫められるような厳しい世界。 で、この奨励会、29歳くらいまでに四段に昇段出来なかったら、強制的に退会させられちゃいます。 千代大海でも退会させられます。 相撲はそこそこ強くても、将棋は弱そうっすもんね、千代大海。 将棋の 「香」 みたいに、一直線に前に出るタイプではなく、よく引き技で自滅していたので、相撲のほうの強さも、そこそこだったりしたんっすが、男でも女でも追手風親方でも、老いてさえいなければ、平等に棋士になるチャンスは与えられている…と。 んーと、追手風親方 。 あ、ちょっと老いてますな。 アカンっすな。 が、若いギャルは追手風親方ではないので、大丈夫。 将棋さえめっちゃ強ければ、普通に棋士になることは可能なんっすが、ただ現実には、女流棋士ではない “女性棋士” というのは、今のところ、まだ一人もいないんだそうで。

 が、漫画の世界なら、大丈夫。 おっさんが主人公だと、おっさん読者のウケがよくなさそう。 そういう判断なのか、なゆたちゃん、第1巻・第1話の時点で、いきなり6段だったりします。 凄いっすよね。

  6段 = 段田男 (だんだだん)×2 + ん + ん

そういう計算になりますかね? いや、違いますな。 平仮名なら、それでいいのかも知れませんが、漢字だと

  6段 = 6×(段田男)− 6×(田男)

っすかね? いや、最初に段田男から田男を引いてから6倍したほうが、無駄がないっすか。

  田男 ...(((´ω`;)ウワァァァァ

これで、田男を引いた…というか、めっちゃ田男が引いた感じになったかと思うんっすが、それはそうと 「なゆた」 。 めっちゃ、数字が大きそうな名前っすよね。 僕が子供の頃、日本IBMのコマーシャルだったか、数字の桁の単位を順番に挙げていくヤツがあったんっすが、

  一 (いち) 十 (じゅう) 百 (ひゃく) 千 (せん) 万 (まん)
  億 (おく) 兆 (ちょう) 京 (けい) 垓 (がい)
  𥝱 (じょ) 穣 (じょう) 溝 (こう) 澗 (かん) 正 (せい) 載 (さい) 極 (ごく)
  恒河沙 (ごうがしゃ) 阿僧祇 (あそうぎ) 那由他 (なゆた) 不可思議 (ふかしぎ) 無量大数 (むりょうたいすう)

というヤツ。 んーと、 これ 。 おお、めっちゃ懐かしい♪ 探せば、何でもあるものなんっすなぁ。 子供心に、最後の 「無量大数」 を、 「無量」 と 「大数」 に分けてるところに違和感を覚えたものでありますが、あと、

  𥝱 (じょ) 穣 (じょう)

この並びは、アカンやろ? …と。 読みが紛らわし過ぎて、正確に伝えることが何より大切な 「数字」 の世界では、トラブルのもと。

九条葱(1本)= 9𥝱 (じょ)円 と、九条葱(1本)= 9穣 (じょう)円では、1000倍違いますからね。 というか、葱、高過ぎぃぃぃ。 ハイパーインフレにも程があるんっすが、𥝱 (じょ)というのは環境依存文字らしく、ちゃんと表示されているのか疑問だったりするし、いずれにしろ、値段が1000倍も違うと、九条葱ファンから苦情が出ますよね。 他の単位と読みが被らない、例えば、 「葱(ねぎ)」 みたいなヤツのほうが、よかったんじゃ? 九条葱(1本)= 9葱(ねぎ)円。 これならきっと、九条葱ファンも、ねぎらってくれるのではなかろうかと。 で、それはそうと、恒河沙 (ごうがしゃ)より先は、ヤケクソ感が半端ないっすよね。 いくら一文字で、よさげな漢字を思い付かないからって、いきなり三文字かよ!? …みたいな。 郷ひろみの立場を、考えたことがあるんか? …と。 「2億4千万の瞳」 は、とっても、えきぞちぃぃぃぃっく、ジャパンなんっすが、もし、この先、日本の人口がハイパーインフレを起こして、1阿僧祇2千恒河沙人くらいになっちゃったら、

  出逢いは、阿僧祇千恒河沙の、胸騒ぎ〜♪ (あそうぎせんこうがしゃっ♪ あそうぎせんこうがしゃっ♪)

歌いにくいやんけ! バックコーラスの人も、大変やんけ! 何とか、1極2千載人くらいの増加で収まって欲しいところなんっすが、

  (ごくせんさいっ♪ ごくせんさいっ♪)

これなら全然、イケますな。 とまあ、そんなことで、峠なゆた (6段)。 この名前は、那由他 (なゆた)という数字の単位から取ったのではなくて、 Wikipedia によると、焼酎のブランドが、どうのこうの。 結果的に、登場人物の名前が、あまり一般的ではない分かりにくいものになっていて、覚えにくいのが難点だったりするんっすが、宝山貴善 (ほうざん たかよし) とかより、恒河沙ガチャピン (こうがしゃ がちゃぴん) とかのほうが、いいのに。 いや、よくないっすか。 いずれにしろ、なゆたちゃんはプロ棋士としては、極めて貴重な若いギャルであると。 しかも、かなり巨乳であると。 かわいい巨乳プロ棋士が勝つために食う! この設定、いるか? 個人的に、そんな気がしないでもないんっすが、いや、僕が貧乳フェチだとか、そういう話ではなくて。 巨乳、貧乳、牛乳。 みんなちがって、みんないい。 いや、牛乳はそんなに好きではないんっすが、ミルメークを入れて飲めば、ぜんぜん大丈夫。 そういう、僕の趣好の話ではなくて、最近、こういうのって、物議を醸しますよね。 「宇崎ちゃん」 の献血ポスター とか、 碧志摩メグ とか。 胸を強調していてロリコン丸出し。 そんなふうに批判されたみたいなんっすが、えっ? えっ? ロリコンなら、いや、ロリなら普通、貧乳っすよね? いや、ロリ顔で巨乳というのは、大いにソソられるものがあるんっすが、個人的には昔のキャラの「しま子」さんも、なかなかエエなぁ…と。 そういえば、うちにも 「伊勢志摩子」 というキャラがいましたよね。 あまりにも黒歴史過ぎるので、掘り起こしたくはないんっすが、 このコーナー に登場していたような? 第1回が 「詰碁」 のゲームっすかぁ。 文体が東海林さだおのパク…ではなく、インスパイアしたものだったりするし、志摩子が登場しなくても、十分に黒歴史でありますな。 で、志摩子が出てくるのは、 この回 からでありますか。 ・ ・ ・ ・ ・ 。 読み返してみたら、意外と嫌いではなかったんっすが、一方、碧志摩メグのほうは、この騒動を乗り越えて、一般人からも受け入れられる立派なキャラに成長しました。 で、 こんな動画 も。 CV : 小松未可子。 この人、世間一般での知名度が如何ほどなのか分かりませんが、少なくとも桑名出身の有名人として、瀬古利彦なんかより、「みかこし」 のほうを推していきたいな…と。 で、この動画、多度大社、大フィーチャーでありますな。 多度大社だけで1本持たせるだけでも、かなりの荒技なんっすが、 (前編) って。 (後半) では、何を紹介するつもりなんっすかね? で、碧志摩メグちゃん、2次元版はかなり可愛いんっすが、着ぐるみはちょっと、微妙なような? 頭、デカ過ぎへん? で、白い大鳥居というのが出てくるんすが、多度には 「大鳥居」 という地名があって、そこに排水機場があって、たまに仕事で行ったりすることがあるんっすが、この地名、「おおとりい」ではなくて、「おおどりい」と読むんっすな。 ほれ 。 今までずっと、 「大鳥居 (おおとりい)」 って、鳳啓助みたいやな。 そんなふうに思っていたんっすが、まさか、大鳥居 (おおどりい) ヘップバーンだったとは!

 で、多度大社の動画。 「え〜、メグ勉強不足。 知らんだやん!」 この言い方、ちょっと違和感がありますなぁ。 「ペプシが出してたファンタみたいなジュース?」 「それ、ミリンダやん!」 そういう会話はあり得るんっすが、「知らんだやん!」とは、言わんような? 志摩のほうでは言うのかも知れませんが、碧志摩メグの 「やんやん」 は、ちょっと不自然な感じがするんっすよね。 で、馬が9頭で、 「うまくいく」 のお守り。 これ、 『ムー』 の広告にも、似たようなコンセプトの掛け軸があったりしましたな。 こんな感じ の。 ま、確かに、同じ数字の 「九」 でも、九条葱の掛け軸とかよりは、御利益がありそうな気がするんっすが、で、 『将棋めし』 。 あ、棋譜の監修は広瀬章人クンなんっすな。 羽生善治に魂を抜かれちゃった人。 ほれ 。 うわぁぁぁぁぁ…。 田男じゃなくても、引いちゃいますが、勝負の世界の厳しさを如実に捉えた1枚…というか、3枚だったりして、ピューリッツァー賞モノでありますな、こりゃ。 あまりにも気の毒過ぎて、同情が “愛” に変わって、広瀬クンを応援したい自分がいたりするんっすが、ちなみに、この後、無事に社会復帰を果たして、竜王のタイトルも獲得してたりするので、ご安心を。 で、漫画の中身のほうも、なかなか面白かったっす。 少なくとも、3巻くらいまでは、一気に読み進んでしまいました。 途中から出てくる将棋好きJKと、高校の将棋同好会の話もよかったんっすが、4巻あたりから登場人物が増え過ぎて、ちょっと分かりにくくなって来たのと、 “めし” よりも “将棋” のほうに重点が置かれるようになった気がしないでもなくて、うーん…。 ぶっちゃけ、将棋の時に食べる “めし” とか、おやつって、そんなにバリーエーションは無いんっすからね。 羽生クンもホテル・ニューアワジでは、いつも 「きつねうどん」 だったりするし。 で、一方、あまり多くは期待していなかった 『将棋の渡辺くん』 。 何故、あまり多くは期待していなかったのかというと、個人的に渡辺くんという棋士が、あまり好きではなかったからなんっすが、何か、気難しくて、陰険そうな感じがするし。 が、漫画を読んで、イメージが一変。 渡辺くん、ちょっと可愛いやん♪ ぬいぐるみが大好き、特に犬と熊のぬいぐるみが大好き。 が、生身の犬は苦手。 虫も大嫌い。 世間の常識に極めて疎く、おまぬけ。 サッカーとか、フットサルとかをやってるみたいなんっすが、基本、運動神経はさっぱりで、どんくさい。 甘い物、特にケーキとか、チョコレートとかが、大好き。 競馬と漫画も大好き。 そういうキャラだったんっすな、将棋の渡辺くん。 で、こちらも3巻までは一気に読み進んで、先ほど、4巻を読み始めたところなんっすが、おお、 『すみっコぐらし』 のネタが! ファンの方から、大きい段ボールに入った “ぬいぐるみ” が送られてくるという話。 で、箱を開けてみたところ、

  めぐみ 「すみっコぐらしだ!!」

めぐみさん (←渡辺明クンの嫁) は、旦那の 「ぬいぐるみフェチ」 には否定的で、いつも、ぬいぐるみをぞんざいに扱ったりするんっすが、この、すみっコの “とかげ” は、気に入った模様。 恐竜の生き残りなんだけど、捕まっちゃうのを恐れて、とかげのフリしてるの。 そんな知識まで披露しちゃいます。 知り合いの子供 (はなちゃん) が教えてくれた そうです。 「あのね、すみっコの “とかげ” は、ね!」 って、ちょっと得意気に教えてくれたんでしょうな。 幼女 (はなちゃん) 、可愛ぇぇ♪ で、これ、実は、ぬいぐるみではなくて枕だったりするんっすが、 明クンが 「確かにテレビを見る時、ちょうどいい」 と、無造作に頭を乗せようとすると、ばっと枕を奪い取って、

  めぐみ 「ちょっ! とかげがお父さんくさくなる!!」

で、枕カバーを付けることになるんっすが、とかげの枕、いいっすなぁ。 めっちゃ欲しい♪ 僕も、大の “すみっコ” 好きだったりするんっすよね。 数年前まではキティちゃん好きだったんっすが、寝返りました。 寝返っても、正しい枕さえあれば、寝違える心配がなくて、安心。 で、この漫画を読んだからというワケではないんっすが、注文したのは、この漫画を読む前なんっすが、ポチっちゃいましたぜ、 『福袋 2021年 すみっコぐらし 雑貨』 。 福袋って基本、いらないものだったり、欲しくないものだったり、使い道がないものだったり、趣味が合わないものだったり、ゴミだったり、不良在庫の処分品だったりが、もれなく詰まっているイメージで、開けてみたら、ガッカリ…。 そんなパターンが大半なんっすが、ま、雑貨なら、ハズレはないかな? …と。 アイテム数が12点前後の 5,500円 (税込) の福袋もあったんっすが、12点はさすがに多過ぎる気がしたので、5点前後の安いほうにしておきました。 どんな商品が入っているかは、届いてからのお楽しみに。 わくわくドキドキ☆ で、その成果の程は…、次回にでも紹介したいと思うので、お楽しみに☆

 ということで、今日はキャノンボール・アダレイっす。 日本での知名度や人気は、かなり上位に位置していますよね。 根はパーカー直系なんっすが、そこからハード・バップやファンキー路線に向かったところが、一般市民に受け入れられた要因ではなかろうかと。 で、そこから更にソウル路線に走ったりしなかったのも、賢明でしたよね。 決して、ソウル = ダサいというワケではないんっすが、日本人のウケは今ひとつだったりするんで。 近年は1周回って、クラブ・シーンなんかでは、ソウル = イケてるみたいな風潮も生まれていたりするんっすが、詳しい経歴とかは、 Wikipedia 参照。 あ、ソウル・ジャズ、ファンキー・ジャズの立役者の一人とか、書かれてますな。 ま、ソウルと言えば、ソウルっすよね。 逆に、キャノンボールほどソウルな奴は、そうそういない気がするんっすが、オルガンとかギターを入れない = ソウル・ジャズではない。 そういう認識での話で。 で、キャノンボールという、あだ名。 普通に Cannonball = 砲丸だと思っていたんっすが、キャノンボール・アダレイが好きな人 = 砲丸贔屓…みたいな。 ほうがん贔屓って、漢字、ちゃうやろ? 判官贔屓 やろ! そんなツッコミは置いといて、あだ名の 『キャノンボール』 の由来は、キャンニバル (cannibal:大食漢) に由来する。 これ、マジっすか? 確かに、めっちゃ大食漢っぽいキャラではあるんっすが、砲丸っぽいキャラだったりもしますよね。 で、普通、JULIAN "CANNONBALL" ADDERLEY みたいに、あだ名は真ん中に置かれるのが通例なんっすが、この人の場合、名前の "JULIAN" が消し飛んで、"CANNONBALL" が本名みたいになってますよね。 ジュリアンって、顔か? そんな気がするので、当然の結果と言えそうなんっすが、今日はそんなキャノンボールの 『ゼム・ダーティ・ブルース』 というアルバムを取り上げてみたいと思います。 元々はリバーサイド盤で、今回のジャケ絵は、そちらを採用させて貰ったんっすが、その後、いろいろと権利の問題なんかがあったようで、キャピトルだか、ライムライトだか、そんなところから再発されることになります。 その際、別テイクが加えられて、曲順も変更されたりして、何が何だか、分からなくなっちゃっているんっすが、今回、曲順に関しては、僕の持っているCDに準拠することにして。 で、これはアレっす。 キャノンボールが1959年中期に結成したクインテットによる、初のスタジオ・レコーディングである。 彼らのアルバム第1弾は、サンフランシスコのジャズ・ワークショップ出演中にライブ録音されており、同年末にリリースされて、すぐさま圧倒的な大成功を収めた。 私たちは本当にびっくりし、大喜びもしたが、当然のことながら、後に続く同じようなヒット作がもっと欲しいと痛切に感じた。 そう、原文ライナーの日本語訳でオリン・キープニュースが言ってるようなアレだったりします。 要するに、二匹目のドジョウ狙いというワケでありますな。 ちなみに、圧倒的な大成功を収めた第1弾というのは、 これ 。 ジャケ絵を書くのが面倒そうなので、このコーナーで取り上げたことはないんっすが、これは名盤っす。 半端ない名盤っす。 フロントには弟のナット・アダレイを据え、で、リズム・セクションはボビー・ティモンズサム・ジョーンズルイス・ヘイズ。 鉄壁のクインテットっすな。 この面子でアルバムを作って、ハズレる筈がないんっすが、ここで問題が発覚。 八角親方は、元・北勝海だった。 そんな事実が発覚しても、何の問題もないんっすが、キャノンボールと共演する為にジャズ・メッセンジャーズを退団したティモンズが、再び、引き戻されてしまった…と。 Wikipedia にも、書かれておりますな。 1959年から1960年までキャノンボール・アダレイとも共演するが、1960年に再びブレーキーのもとに復帰してアダレイを落胆させた。 落胆のあまり落雁を自棄食いして、肥満に拍車が掛かった。 そんなことは書かれておりませんが、で、ティモンズの代役として呼ばれたのが、バリー・ハリス。 それはそれで、めっちゃソソられるものがあるんっすが、結果、このアルバムは、個性が異なる2人のピアニストのプレイを楽しめる、そんなアレになってたりします。 とまあそんなこんなで、では、演奏を聞いてみることにしましょうかぁ。

 再編されたアルバムでは、ティモンズ参加のセッションがA面に集められているんすが、まず最初は 「ダット・ゼア」 。 ティモンズの有名なオリジナルっすよね。 第1弾のライブ盤で好評だった 「ジス・ヒア」 の、二匹目のドジョウ狙いで作られたのは明白なんっすが、ドジョウ、いました。 ゴスペル色の強いファンキー・チューンなんっすが、日本人の心に、ビビッとヒット。 ディープな真っ黒さが、たまらんっ♪ が、演奏のほうはというと、テーマ部とか、意外と抑制の効いた知的なものだったりして、ルイス・ヘイズのサトルなドラミングが、なかなかイケてるな…と。 サビの部分は、かなり盛り上がったりするんっすが、その後、AABAの “A” の部で、再び冷静さを取り戻し、で、キャノンボールのソロがスタート。 伸びやかで、ケレン味がなくて、よく歌っていて、文句のつけようがありません。 ただの脳筋な砲丸投げ選手みたいな風貌なんっすが、意外と地頭 (じあたま) は、よさそう。 地頭 (じとう) としても、立派に荘園管理の職責を全うしそうなんっすが、続くナットのコルネット・ソロも、ファンキーな味があって、いいっすな。 フレージングも、とてもよく練られていて、で、続いてティモンズのピアノ・ソロが登場。 冒頭からブロック・コードで、ガンガン攻めてくるんっすが、ディープな真っ黒さが、たまらんっ♪ で、その後、セカンド・テーマの合奏パートのようなものがあって、本テーマに戻って、おしまい。 全体の構成もきっちりしていて、ハード・バップ 〜 ファンキー・ジャズのお手本のような仕上がりでありました。 で、次。 「ダット・ゼア」 の別テイク。 いくら名曲でも、同じメロディーを続けて聞かされるのは苦痛なんっすが、キャノンボールも、ナットも、ティモンズも、まったく違った感じのアドリブになっていたりするので、それなりに興味深いものはあるな…と。 全般的にテンションが低めで、没テイクになったのも納得なんっすが、 “抑制の美学” と捉えることも出来るし、ま、とりあえず、次。 『デル・サッセー』 はサム・ジョーンズのオリジナル。 颯爽としたナンバーで、テーマ部から、すーっと自然な感じにキャノンボールのソロへと入っていく流れが、好きっ♪ とどめなく、自然に湧き出す自噴井戸のようなフレージングなんっすが、地下水が湧き出る自噴井戸について - 井戸おやじの井戸端会議 。 なかなか、洒落たブログのタイトルを付けましたな、井戸おやじ。 地震・雷・井戸おやじ。 語呂もいいっす。 僕もちょっぴり井戸に関わる仕事をしてたりするんっすが、井戸忠という、伊藤忠商事のパチモンみたいな会社に仕事を依頼したり。 岐阜の大垣辺りだと、自噴する井戸が普通にあったりするんっすが、さすが、 “水都” を自認するだけのことはあるな…と。 で、自噴井戸は新入社員にも似て、元気な大地の力を感じさせてくれます。 なかなか、いい事、言ってますな、井戸おやじ。 そう言えば、RCサクセションに、仲井戸麗市って、いますよね。 僕は最初、なかい・どれいいち? …と読んで、奴隷市場みたいな情景を思い浮かべてしまったんっすが、そうこうしているうちに、ピアノのソロが始まりました。 ちょっぴり抑え気味のクール・ファンキーさが耳に心地よく、ティモンズと寺門ジモン、どちらがピアノが上手いかと言われたら、やっぱりティモンズかな? …と。 お笑いなら、寺門ジモンだと思うんっすけどね。 何事も、適材適所っすよね。 とまあそんなこんなで、颯爽としたテーマに戻って、おしまい。 ナットくんはソロの出番がなかったんっすが、弟を甘やかせてはいけない。(戒め) そんな兄貴の思いが感じられて、ま、これはこれで、いいかな? …と。

 で、次。 スタンダード・ナンバーの 「スーン」 。 テーマ部は、ナットのコルネットのワン・ホーンで演奏されております。 弟には、飴と鞭を使い分けなければならない。 そんな兄貴の “愛” が感じられるんっすが、ミュート・プレイがめっちゃマイルスっぽくて、いいっすよね。 で、そのままナットのソロへと流れていくんっすが、抑制の効いた、なかなか知的な感じのプレイであるな…と。 で、その後、兄貴が乱入してきて、知性をパワーで吹っ飛ばすソロを披露してくれるんっすが、最後はサム・ジョーンズがベースのソロで渋くまとめて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 兄と弟のキャラの違いが浮き立って、なかなか出来のいいドキュメンタリーであったな…と。 で、次。 「ワーク・ソング」 …の、別テイク。 僕は別テイク否定派で、CDの後ろにオマケで入ってるならまだしも、本編に続けて連続で出てくるような暴挙は、絶対に許せなかったりするんっすが、今回ばかりは例外。 本テイクでは、バリ−・ハリスがピアノを弾いているんっすが、オマケのほうはティモンズなんっすよね。 個性が異なる2人のピアニストのプレイを、同じ曲で聞き比べられるのは、めっちゃ貴重で、楽しみ。 ちなみに、オリン・キープニュースは原文ライナーの日本語訳で、ナットの新曲 「ワーク・ソング」 が、なかなかの難曲だったこと。 リハーサルはまったくやってなかったし、そのラインはコルネット奏者である作曲者のナットにとって、とりわけ難しいものだった。 そんなことを書いているんっすが、自分が書いた曲なのに、吹くのが難しいって、そんな事、あるんっすなぁ。 じゃ、自分の吹きやすいような曲にしておけばいいのに。 そんな気がしないでもないんっすが、作曲者であるナットと、コルネット奏者であるナット、略して、コルナットとの間で、葛藤があったものと思われます。 演奏を聞いた限り、ぜんぜん、そんな裏事情は分からなくて、普通に、簡単に吹いてるように思えるんっすけどね。 この曲はコール&レスポンスで演奏されることが多いっすが、このバージョンは2管のユニゾンでテーマを演奏するという、シンプルな構成。 で、ソロ先発はキャノンボール。 本テイクのほうを聞き慣れていると、あ、別モンやな…と。 続くナットのソロも同様なんっすが、で、その後、最大の関心事である、ティモンズのソロが登場します。 ファンキーな曲調はバリー・ハリスより、むしろ、ティモンズのほうがお似合いなので、まったく違和感はないんっすが、全般的に、ちょっぴり覇気がないような?

 ということで、続いて、 「ワーク・ソング」 (本編) 。 ほんのちょっとだけテンポが速くなっていて、テーマ部にはコール&レスポンスが採用されております。 続くソロ・パートは、別テイクと同じ順番なんっすが、こっちが本テイクだと言われると、「100%…SOかもね!」 とまではいかないまでも、60%くらい…SOかも知れない。 そんな気がしないでもありません。 で、注目の的であるバリー・ハリスのソロなんっすが、いや、これはいいっすな。 ファンキーな真っ黒路線とは、一線を画したキャラなんっすが、そのコンロラストが、むしろ新鮮やな…と。 ブルーカラーではなく、ホワイトカラーな 「ワーク・ソング」 って感じ? ちなみに、ブルーカラーやホワイトカラーのカラーって、 「色」 じゃなくて、 「襟」 なんっすな。 ブルーカラーは 「青い襟」 の意で、肉体労働に従事する労働者の制服や作業服の襟などが青系であったことがその語源となったといわれる…と。 いや、襟が青なら、全体も青やろ? そんな気もするんっすが、ちなみに、マンポンの修理とかに従事しているサバくんが着ている作業着は、アイボリー? クリーム色? ベージュ? これ を見る限り、少なくとも、 「きなり色」 ではなさそうなんっすが、そんな、黄色い えなりかずき みたいな色、ちょっと嫌だし。 言うほど、黄色くはなかったりするんっすけどね、きなり色。 で、いっそのこと、作業着をウンコ色にしてくれたら、ウンコが付着した時に、目立たなくていいと思うんっすが、で、次。  「ジーニー」 。 デューク・ピアソンのオリジナルっすよね。 このアルバムの目玉って、「ダット・ゼア」 や 「ワーク・ソング」 じゃなくて、実はコレなんじゃね? そんな気がしてしまうくらい、非の打ち所のない仕上がり。 ピアソン、天才か? …と。 ピアニストとしては、ちょっと影が薄いんっすが、作編曲の才能は、同世代の中では、頭ななつ分くらい抜きん出てますよね。 ピアニストとして影がちょっと薄い部分は、ここでは名手のバリー・ハリスがうまくフォローしていて、この曲に関して言えば、ティモンズじゃなくて、正解かと。 ソロはキャノンボール、ナット、ハリスの順なんっすが、裏に回った面子が、テーマの断片っぽい感じの “合いの手” を入れるパートもあったりして、完成度、高ぇぇぇぇぇ。 最後を締めるサム・ジョーンズのソロも秀逸で、でもって、いい感じのテーマに戻って、おしまい。 いやあ、完璧っす。

 で、次。 歌物スタンダードの 「イージー・リビング」 。 キャノンボールのアルトをフィーチャーした感じっすかね? ちょっぴり装飾過多で、クド過ぎる嫌いがないワケではないんっすが、それらをすべて受け入れてこそ、 “愛” やろ? …と。 そんな気がしないでもなくて、で、その後、バリー・ハリスの趣味のいいソロがあって、再びアルトが出て来て、でもって、テーマに戻って、おしまい。 んなことで、ラストっす。 アルバム・タイトル曲の 「ゼム・ダーティ・ブルース」 。 作曲者としてキャノンボールの名前がクレジットされておりますが、ちゃんと曲作りに励んだワケではなく、適当にアドリブで、ブルースっぽい何かを吹いている感じ。 で、それに適当なタイトルを付けてみた感じ。 「それらの汚いブルース」 って、本人も汚いやり口であるのは自覚しているみたいだし、ジャズの世界なら、こういうのもアリかな? …と。 キャノンボールに続いて、コルネットのソロもフィーチャーされるんっすが、ナットがこんなディープなブルースを吹くのって、ちょっと貴重な気がするし、で、続くバリー・ハリスのピアノはアフター・アワーズな寛いでいる感が満載で、その後、2管の兄弟が、ちょっとしたテーマのようなものを合奏して、仲のよいところを見せつけてくれて、これはこれで、アリかな? …と。 そんな気がしないでもなくて、でもって、今日のところは、以上っす。

【総合評価】 面子、選曲、演奏、どれもすべて、パーフェクトに完璧でありました。 パー璧(ぱーぺき)って、ヤツ? ま、確かに 「お気楽な暮らし」 とか 「汚いブルース」 とか、ちょっとアレなのもあったんっすが、それらをすべて受け入れてこそ、 “愛” やろ? …と。 砲丸贔屓な人にも、そうでない人にも、どんな人にも平等に、激オススメ☆


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