タダ勝。　戦で怪我を負ったことのない凄い人。　必殺技は 「スラッシュ・ドラゴンフライ」 。　前回 、ちらっと紹介した くわにゃんの動画 に、そんなキャラが出てましたよね。　で、この必殺技、何かの漫画に、そういう名前のヤツがあるんか？ …くらいに思っていたんっすが、違いました。　スラッシュ・ドラゴンフライ ＝ 蜻蛉切。　なるほど。　くわにゃん、細かいネタを仕組んで来ましたな。　トンボが英語で “ドラゴンフライ” だというのは初めて知ったんっすが、竜 （ドラゴン） 飛 （フライ） 。　おお、めっちゃカッコええ♪　あ〜あ、幸せの〜　ドラゴンフライよ〜　どこへ　お前はどこへ　飛んでゆく〜♪　これなら英語嫌いの長渕剛の納得しちゃうんじゃないかと思うんっすが、 これ 、マジで言ったんっすかね？　ま、長渕なら、マジで言ったとしても、まったく不思議ではないんっすが、で、長渕剛の 「とんぼ」 と言えば、 これ 。　清原の引退セレモニーに駆けつけて、熱唱したんっすよね。　こんな コラ画像 もよく見掛けるんっすが、違和感がなさ過ぎて、一瞬、何がおかしいのか、よく分からなかったりして。　ま、それはそうと、ドラゴンフライ（竜飛）。　そういえば、竜飛岬って、ありますよね。　ごらんあれが竜飛岬、北のはずれと、見知らぬ人が、指をさす〜（中略） あ〜あ〜あ〜あ〜、津軽海峡、冬景色ぃぃぃぃぃ♪　赤の他人が知ったかぶりして、気安く、石川さゆりに声を掛けてんじゃねーよ！　そう、思わずにはいられませんが、んーと、 これ 。　竜飛岬より大間崎のほうが “北のはずれ” やんけ！　なれなれしい上に、嘘を教える。　最悪のオッサンでありますな。　見知らぬ人というか、モノを知らん人やんけ！　とまあそんなことで、今日は 『不審者声掛け事案』 について考えてみたいと思います。

　ということで、 これ 。　 “セリフ集” 以外のコンテンツもあったりするんっすが、不審者の行為としては、 「声かけ」 以外に、「つきまとい」 「痴漢」 「風呂場のぞき」 「露出要求」 「下半身露出」 「不審な行動」 「不審な接触」 「不審な接近」 「暴行」 「暴言」 「部品狙い」 「バイク盗」 「自転車盗」 「イノシシ出没」 。　そういったジャンルがある模様です。　いや、イノシシはちゃうやろ？　そんな気がしないでもないんっすが、で、バイク盗。　これ、犯人は絶対、尾崎豊っすよね。　こいつ、夜の校舎、窓ガラス、壊してまわった 「器物破損」 の嫌疑もあったりするし、とんでもない不良だったりするんっすが、よくないっすよね、不良。　もう、「不良」という漢字からして、良くない感じが、ひしひしと伝わってくるんっすが、んーと、 不良 。　僕がここで話題にしたいのは、２番目の 「不良行為少年 （他人の徳性などを害する年少者） のこと」 なんっすが、んなことで、 不良行為少年 。　不良行為少年は （中略） 「非行少年には該当しないが、飲酒、喫煙、深夜徘徊その他自己又は他人の徳性を害する行為、つまりは不良行為を行っている少年」 と規定されている。　え、マジっすか？　不良、可愛いもんじゃん♪　で、尾崎豊は不良なんかではなく、れっきとした非行少年であることが明らかになったんっすが、ちなみに、不良少年は こんな感じ 。　おお、絵に描いたような不良少年でありますな。　ま、実際、絵に描いた不良少年だったりするんっすが、で、当然 “少女バージョン” もあるものだと思っていたんっすが、検索した結果、該当なし。　いらすとや にしては、ぬかった感じなんっすが、別の名称になっている可能性はありますよね。　で、検索ワードを 「ヤンキー」 にしてみたところ、 マイルドヤンキー というのが出ました。　え？　マイルドヤンキー ＝ ＤＱＮなん？　“マイルドヤンキーやＤＱＮ” なので、イコールではないのかも知れませんが、他には、 派手な衣装で椅子に座る成人たちのイラスト なんてのも。　マスクをしてないので、今年バージョンではなさそうなんっすが、これでマスクをしたら、より一層、ヤンキーらしさが際立つな…と。　ま、これで “不良少女” の代替を任せることも可能なんっすが、もうちょっとこう、スケバンっぽいのはないんっすかね？　で、探してみたら、 これ 。　おおっ♪　これぞ、僕の求めていた、理想の “キング・オブ・スケバン” ってイメージ。　いや、スケ （女） だから、キングは変っすか。　クイーン・オブ・スケバン。　そう、言い直しておきますが、一方、非行少年や非行少女のイラストは見当たらなくて、関連として、 こんなの しかありませんでした。　こんなの、 “接骨院” とかの流用で、いくらでもバリエーションを増やせそうなんっすが、 接骨院 。　あ、ぜんぜん違いますな。　マッサージをする手のマークと「接骨院」と書かれた看板を掲げ、うんぬん。　こんな手のマークを掲げた接骨院は、見たことないような気もするんっすが、そういえば接骨院っで、言うほど、骨を接続してくれませんよね。　僕がスキーでコケて脚の骨を折った疑いが持たれた時、とりあえず接骨院 （ほねつぎ） に行こうとしたら、「そんなとこ、アカン！」 とか言われて、整形外科のある病院へ連れて行かれたんっすが、骨を接がないなら 「不接骨院 （ほねつがない）」 とかに改名しろって！

　ということで、声掛け事案。　2021年01月分から順に見ていこうと思うんっすが、

　　自転車に乗り、自転車の女子生徒に道を尋ね、下着を見せるよう求めた。
　
　　　「よかったらスカートの中のパンツ見せて」
　
　　愛媛県松山市東石井 露出要求 2021/01/23

　なるほど。　これが 「露出要求」 というジャンルでありますか。　で、何て、ストレートな！　自分の欲望に、あまりにも忠実過ぎる気がするんっすが、が、わりと紳士的ではありますよね。　「よかったら」 と、お断りを入れているところに、好感が持てます。（←持つなよ。）　わざわざ 「スカートの中のパンツ」 と、指定しているところにも、周到さが窺えます。　ただ 「パンツ見せて」 とだけ声を掛けて、エコバックの中から、しまむらで買った未開封のパンツとかを出されて見せられても、実行者 （男性、３０歳位、小太り、黒色ウインドブレーカー、白色スポーツ自転車） としては、ぜんぜん嬉しくないっすもんね。　過去のそのような失敗を踏まえた上での、考えに考え抜いた言動のように思われますが、いずれにしろ、このような変態的な声掛けは、決して許されるものではないな…と。

　　下校途中の児童に暴言を吐き、追いかけた。
　
　　　「クソ」「ボケ」
　
　　愛知県扶桑町柏森 暴言 2021/01/22

　なるほど。　確かにこれは 「暴言」 でありますな。　「ちゃんと板を “八の字” にして滑れや！」 という、スキーのボーゲンとは、ワケが違います。　ググってみたら こんなの があったんっすが、レビューを見る限り、カナダ人には概ね、極めて不評である模様。　何がそんなに気に入らないんっすかね？　んーと、箱から出して機能しない （2020年2月10日にカナダでレビュー済み）　これは落ち続けた。詳しく調べると、クリップの１つがすべての方法（写真参照）を閉じることさえしないことが判明したので、それが保持できないのも不思議ではありません。　あ、要はアカンってことなんっすな。　アメリカ合衆国人には、極めて好評みたいなんっすが、カナダにだけ不良品が出回っているんっすかね？　￥4,701と、決してお安くはないのに、クリップの１つが閉じることさえしなくて落ち続けるようでは、「クソ」「ボケ」 と、罵りたくなるのは当然なんっすが、で、一方、扶桑町柏森辻田の実行者 （男性、５０代位、ひげ、小柄、オレンジ色ナイロン製上着、黒色ジャージズボン、マスク、灰色ニット帽） は、下校途中の児童の、何がそんなに気がくわなかったのか…。　暴言を吐かれただけでなく、追いかけられるとか、怖過ぎぃ！　こういう、真にアカンやつと、ただのパンツ好きと、イノシシとは、分けて考えたほうがいいかと思うんっすが、

　　通行中の女子生徒に声をかけ、髪を触った。
　
　　　「髪にゴミがついています」
　
　　宮城県仙台市宮城野区宮城野 不審な接触 2021/01/22

ＪＣが 「不審な接触」 の被害にあったみたいなんっすが、これ、ただの親切なような気も…。　ま、変なオッサンにいきなり髪をサワられたりしたら、女子中学生としては、 「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ！！」 なんでしょうが、実行者は （若い男性、１５歳位、小柄） らしいじゃん。　ここから恋に発展しても、不思議ではないシチュエーションなんっすが、見た目がキモかったんっすかね？　ムサくて、ダサかったんっすかね？　15歳位って、普通、 こんな感じ っすよね？　コメントに 「 1:50 盗んだバイク引火してて草 」 というのがあって、見たらホントに燃えていて、草。　職場の休み時間とか、電車の中とかでこれを読んでいる人は、不用意に動画を見ないよう、心から忠告しておきますが、

　　下半身を出し、登校途中の児童らに声をかけた。
　
　　　「触ってみる？」
　
　　北海道北見市とん田西町 下半身露出 2021/01/22

　みねぇよ！　条件反射で、思わず、そう言ってしまいましたが、実行者は （若い男性、１０代後半〜２０代、身長高め、黒色フード付き上着、黒色または青色ズボン） 。　いや、意外とご褒美かも？　一瞬、そんなふうに思ってしまったんっすが、何でもいいけど、黒色ズボンと青色ズボンでは、かなり違いますよね。　目撃者は露出された局部のほうに目がいってしまって、ズボンの色まで、ちゃんと見なかったんっすかね？　で、何でもいいけど、1月22日の北海道北見市とん田西町って、めっちゃクソ寒そう。　露出された局部が、しもやけになっちゃったりしないんっすかね？　寒冷地の露出管は保温工事をするのが常識なんっすが、そういえば、ずっと前、配管の保温工事の監督をすることになって、材料検収の写真を撮るにあたって、保温屋さんが持って来た筒みたいな部品の名前がよく分からなくて、「これ、何ていう名前ですか？」と聞いてみたら、「ホーン筒」という答えが返ってきたので、 「ほーん。」 と思って、黒板にそう書いたところ、黙って黒板消しとチョークをひったくられて、 「保温筒」 と書き直されたのを思い出しました。　そんな経験があるので、真冬の北海道での露出は、致命的だと思えるんっすが、

　　帰宅途中の２０代女性に声をかけた。
　
　　　「トイレを貸して欲しい、漏れそう」
　
　　広島県広島市南区西蟹屋 声かけ 2021/01/22

　ああ、これ。　似たような案件をたまに見るんっすが、普通に切羽詰まってただけなんじゃ？　カテゴリーが 「露出」 ではなくて 「声かけ」 となっているので、そこまで悪質ではない気がするし、万一、露出にまで至っていたとしても、それほどまで切迫して、追い詰められていた。　そのように捉えることも出来ますよね。　で、

　　登校途中の女子生徒に声をかけた。
　
　　　「今日も寒いですね」
　
　　神奈川県横浜市金沢区瀬戸 声かけ 2021/01/22

　んなもん、ただの挨拶やんけ…。

　　自転車に乗っていた女性に声をかけ、卑わいな画像をスマートフォンで見せた。
　
　　　「ちょっと教えてもらっていいですか」
　
　　福岡県朝倉市甘木 卑わいな声かけ 2021/01/22

　おお、「卑わいな声かけ」 という新しいジャンルが！　言ってること自体は、卑猥でも何でもなかったりするんっすが、卑わいな画像をスマートフォンで見せた。　これとの合わせ技で、 「卑わいな声かけ」 に認定されちゃったんっすな。　自ら露出するわけでも、相手に露出を要求するワケでもなく、卑わいな画像を見せて、教えを請う。　うーん、よく分からん。　スマホで調べよや！　そう、言いたくなっちゃいますよね。　ちなみに 「卑わいな画像」 で画像検索しても、期待したほど、卑猥な画像が出てこなかったりするんっすが、 「卑わい」 と、一部を平仮名にして、猥褻な感じを薄めちゃったところがアカンのっすかね？　ちゃんと敗因を分析した上で、改めて 「卑猥な画像」 で、再チャレンジしてみたところ、うわぁぁぁぁぁぁ…。　職場の休み時間とか、電車の中とかでこれを読んでいる人は、まかり間違っても、試したりしてはいけませんが、「卑わいな画像」でヒットした これ なら、まだしも。 【重要英単語の覚え方】 受験勉強にも使えます …って、使えるか、これ？　「何故、彼は卑猥なんですか？」 とか、そんな例文、受験に出ますかね？　英語力のない僕は、Why he is Hiwai？ とか、書いちゃいそうなので、 “vulgar” という単語を覚えられたのは収穫なんっすが、今のところ残念ながら、受験の予定はなかったり。　で、試しに先の例文を翻訳ソフトに掛けたところ、Why is he erotic？　そんな答えが出たんっすが、エロチック。　無理にバーガーにこじつけなくても、これで十分っすよね。

　　遊んでいた女児に声をかけ、返答され、卑わいなことを言った。
　
　　　「自分の股間を見たいんだけど、鏡持ってる？」「じゃあ（股間を）見てくれる？」
　
　　東京都足立区西新井本町 卑わいな声かけ 2021/01/22

　おお、またしても 「卑わいな声かけ」 の事案。　で、言ってる事も、まさしく卑猥です。　が、鏡がなくても、自分の股間くらい、見れるやろ！　そんな気がしないでもありません。　自分で自分の股間を見られないほど、股関節が硬いオッサンだったりするのかも知れませんが、というか、自分で自分の股間を見たところで、まったく何にもコーフンしないような？　もしかして、自分で自分の股間を見たところで、まったく何にもコーフンしないんじゃね？　その事実に気が付いて、後半は女児に見せる方向にシフトした模様でありますが、ぶっちゃけ、これも僕には、よく分からん…。　 「露出要求」 なら、まだ分からんでもないんっすが、女児に見せつけて、「きゃぁぁぁぁぁ！！」 とか言われるのが、快感なんっすかね？　「きゃー、のび太さんのエッチ！」 みたいな。　いや、あれは 「風呂場のぞき」 っすよね。　のび太がフリチンになってるシーンは、たまに見掛けるっすが、アレは別に好きでやってるワケではなさそうな？

　　自転車に乗り、意図的な様子で転倒し、児童らを怒鳴った。
　
　　　「助けてくれないなら、帰れー！」
　
　　愛知県春日井市十三塚町 暴言 2021/01/21

　言われんでも、帰るがな…。

　　遊んでいた男子生徒に声をかけた。
　
　　　「どこの中学校？」「研究のため唾液を集めている」
　
　　兵庫県尼崎市塚口町 声かけ 2021/01/17

　うわぁぁぁぁ…。　これが、 「遊んでいた女子生徒に…」 だったら、まだ分かるんっすが、あ、でも、もしかしたら、無料 （ただ） でＰＣＲ検査をしてくれる、ただの通りすがりの親切な研究者という可能性も？　で、もうちょっとインパクトのある “声掛け” をしてくれないと、終わるに終われない感じになって来ちゃっているんっすが、

　　通行中の女児の頭を触り、声をかけた。
　
　　　「変なおじさんです」
　
　　福岡県福岡市城南区別府 不審な接触 2021/01/16

　自覚があるうちは、まだ大丈夫。

　　通勤途中の３０代女性に暴言を吐いた。
　
　　　「ブス」
　
　　広島県東広島市西条岡町 暴言 2021/01/15

　酷ぇぇぇ…。　シンプルに、酷ぇぇぇ…。

　　通行中の女子生徒に後ろから近づき、声をかけた。
　
　　　「オレと濃厚接触しよう」
　
　　兵庫県神戸市東灘区田中町 声かけ 2021/01/14

　うわぁぁぁぁぁ…。

　　女子生徒らに声をかけた。
　
　　　「ねぇねぇ、知らない人に声掛けられたら怖い？　自分のこと不審者と思う？」
　
　　沖縄県恩納村仲泊 声かけ 2021/01/12

　怖いわ！　思うわ！

　　登校途中の男児らに後ろから声をかけ、追いかけた。
　
　　　「変な人が来るぞ、走れ」
　
　　岩手県盛岡市小鳥沢 つきまとい 2020/11/26

　お前や！

　…ということで、おしまい。

　ということで、今日はアート・ペッパーっす。　日本での知名度や人気は、絶大なものがありますよね。　白人なんっすが、クール・ジャズに走ったりせず、アドリブ１本で勝負しているところが、一般市民に受け入れられた要因ではなかろうかと。　アンニュイな気怠さと、情熱の両面を併せ持っていて、キャリアの後半は後者のほうが先行することになるんっすが、前期の作品からは 「ガラスの十代」 のような儚さが感じられます。　壊れそうなものばかり、集めてしまうよ、輝きは飾りじゃない、ガラスの十代〜♪　“光GENJI” って、普通にいい歌が多いっすよね。　シブがき隊は 「スシ食いねェ！」 みたいなネタに走っちゃったんっすけど。　で、ペッパーの場合、その破滅的な人生も、日本での人気に拍車を掛けております。　詳しくは後藤雅洋クンの これ を読んで貰うとして、読むのが面倒臭いという人の為に要約しておくと、“ジャンキー” であった…と。　中毒性がありますからね。　噛めば噛むほど味が出るので、止められなくなっちゃうのも、やむを得ないんっすが、美味しいっすよね、ビーフ・ジャーキー。　で、ジャズマンと言えば、麻薬。　日本人の音楽家 （←長渕剛とか） とか、野球選手 （←清原とか） とか、一部、薬物に走っちゃう人もいるんっすが、アメリカのジャズマンの場合、クスリに走らないほうが少数派なんじゃね？ …というくらいの頻度で、ジャンキーだったりします。　ジャズ ＋ ヤンキー ＝ ジャンキー。　そんな公式が成り立つくらい。　で、アート・ペッパーの場合、アートという芸術的、且つ、ペッパーという警部っぽい名前。　これもポイントが高いっすよね。　ペッパー警部、邪魔をしないで〜、ペッパー警部、私たちこれから、いいところ〜♪　子供の頃は、何てウザいオッサンや。　そんなふうに思っていたんっすが、大人になって、改めて考えてみると、何てウザいオッサンや。 …と。　その思いは一貫して変わらないんっすが、で、今日はそんなペッパーの 『モダン・アート』 というアルバムを取り上げてみたいと思います。　このコーナーのコンセプトは、 “ジャズ名盤ガイド” の類いには取り上げられない、隠れた名盤を取り上げる。　そういうアレだったりするんっすが、手持ちのネタが枯渇してしまった昨今、そんなことも言っておれなくなってきました。 50年代ペッパーを代表する１枚と言っていいかと思うんっすが、元々は “INTRO” という超マイナーなレーベルから出されたもの。　後藤雅洋クンが、コアなマニアは、当時入手がきわめて困難だった「イントロ」「アラディン」「タンパ」といったマイナー・レーベルでの演奏を賞賛していたのです。　そう、書いているうちの、ひとつでありますな。　僕が持っているＣＤは 『アート・ペッパー・オン・アラジン・Vol.２』 という副題が付いていて、 『モダン・アート』 のほかに、アラジン・セッションの何曲かが加えられていたりするんっすが、曲順も勝手に変えられていたりして、余計なこと、すんな！ …と。　今回はオリジナルに準拠した曲順で紹介しようと思うんっすが、シンプルなワンホーン・カルテットで、ピアノはラス・フリーマン。　いいっすよね、フリーマン。　何か、 「自由な男」 って感じで。　これがもし、フリチンマンだったりしたら、ただの露出なんっすが、ベースにベン・タッカー、ドラムスにチャック・フローレスと、こちらもなかなか渋いところを押さえていて、とまあそんなことで、では、演奏を聞いてみることにしましょう。

　まずは１曲目、 「ブルース・イン」 。　テーマ部がなく、終始、アドリブで押し通す感じなんっすが、ペッパーのアルトとベンのベースだけによるデュオでプレイされる。　淡々としたベース・ラインのビートに対し、ペッパーのアルトは絶妙とも言うべき微妙なタイミングをとって、心の琴線を揺さぶるかのような哀感に満ちたブルース・フィーリング溢れる感動と余韻を感じさせる見事なプレイを聞かせている。　そう、日本語ライナーで大和明クンが絶賛しているようなアレが展開されております。　個人的に、ブルースもデュオも、あまり好きではなかったりするんっすが、これは別格。　端的に言えば、50年代ペッパーのすべてが、この 6分02秒に凝縮されているといっても過言ではない。　そんな気がするくらい、デラ絶品。　これはもう、アルトの詩人であるな…と。　恋を無くした人はみな、寒い詩人になるという〜♪　そう、野口五郎が 「むさし野詩人」 で歌っておりましたが、ペッパーの場合、 “クールな詩人” って感じ。　夏場の死人はドライアイスで冷やさないとヤバいんっすが、ちなみに、ここでいう “クール” は、いわゆるクールジャズとは別で、一聴すると淡々としているようで、心は熱く燃えているぜ！ …みたいな。　ということで、次。 「ビウィッチド・ボザード・アンド・ビワイルダード」 。　陰を踏んでいて、いいん♪　そういったアレなんっすが、ロジャース ＝ ハートのコンビによる歌物スタンダード。　BEWITCHED , BOTHERED AND BEWILDERED、翻訳ソフトに掛けたら 「魅惑されて、煩わされて、当惑します」 と出たんっすが、何かこれ、どこかに書いたことがあるような？　もしかして、これ、前にも取り上げたことがあるとか？　あるいは、誰か他の人が他のアルバムでこの楽曲を演っていたのかも知れませんが、この長ったらしい日本語訳を集約して、僕の持っているＣＤでは 「魅せられて」 という表記になっております。　ジュディ・オングっすなぁ。　ここ 参照。　で、こっちの 「魅せられて」 も、作曲：筒美京平に、負けず劣らずの名曲だったりするんっすが、ラス・フリーマンのピアノのイントロが、いい感じ。　デュオも悪くはないな。　前の曲で一瞬、そんなふうに思ってしまいそうになったんっすが、やっぱ、ピアノとドラムスが入っているほうが、エエなぁ…と。　しっとりとしたバラード調のプレイなんっすが、ペッパーの持つ哀感が遺憾なく発揮されているな…と。　真ん中に出てくるラス・フリーマンのピアノ・ソロも、けだし絶品であるな…と。　で、再びアルトのソロが出て来て、でもって、テーマに戻って、おしまい。　いや、完璧っすな。　この冒頭の２曲で、僕はメロメロ、今井メロ。

　で、次。　ＣＤだと 「サボイでストンプ」 が出て来て、僕の耳はこの並びに慣れてしまっているんっすが、 「ホエン・ユー・アー・スマイリング」 。　これが本来の曲順です。　僕の持ってるＣＤには 「君微笑めば」 という邦題が書かれているんっすが、翻訳ソフトに、これはちょっと無理でしょうな。 「あなたが微笑む時」 。　それくらいが精一杯だと思うんっすが、 「あなたが微笑んでいる時」 。 ま、こんなもんでしょう。　で、演奏のほうはというと、軽くテーマをフェイクしていく 「君微笑めば」 でのペッパーは、まさに彼の世界にひたりきっているかのようだ。　そのアドリブのバックをつけるフリーマンのコンピングがまた軽妙な味を示す。　そのソロも軽妙でスインギーであり、ペッパーとフリーマンによるフォーバースも洒落た愉しいやりとりである。　そう、大和明クンが書いているようなアレが展開されております。　ミディアム・テンポで軽快にバウンスする、スインガー。　そういったアレだったりして、チャック・フローレスのブラッシュ・ワークが、軽妙洒脱であるな…と。　いいっすよね、チャック・フローレス。　旅館の部屋が風呂レスでも、大浴場があれば、問題ないな。　部屋には便所と洗面さえあれば、いいな…と。　が、ズボンがチャックレスだったりすると、意図せずに露出することになりかねないので、よくないな…と。　で、次。 「クール・バニー」 。　いいっすよね、バニー・ガール。　個人的には、マックバーニー切開法というのも、わりと好きだったりするんっすが、 『ライフ・アンド・デス』 というゲームで模擬体験したことがあります。 “お医者さんごっこ” が出来るのかと思ってワクワクしてたら、あまりにも本格的で、ドン引きだったんっすが、んーと、 これ 。　もう、ＢＧＭからして、トラウマもの。　一方、 「クール・バニー」 のほうは名前と裏腹に、めっちゃホットだったりするので、大丈夫。　ペッパーのオリジナルなんっすが、スタンダードの 「ラブ・ミー・オア・リーブ・ミー」 を基に作られたと思われる。　アップ・テンポに乗ったペッパーの躍動感漲るソロが素晴らしい。　フリーマンのソロも軽妙な味を示す。　ペッパーとフローレスのエイトバースのスリリングな盛り上がり、そしてラスト・コーラスでのフリーマンの洒落たバッキングなど、全編に快活なリズムを送っているリズム・セクションの軽快な動きと共に、息の合った快演だな…と。　ぶっちゃけ、ペッパー、凄ぇぇぇぇ！

　で、次。 「ダイアンズ・ジレンマ」 。　いなべ市に大安町 （だいあんちょう） というのがあって、とってもめでたいんっすが、ここでいうダイアンはペッパーの元嫁でありますな。　スタンダード曲の 「シャイン」 のメロディーに基づいた作品であろう。　アルトとピアノによるユニゾン・テーマの響きが快く、アドリブ・コーラスに入ってのペッパーが心憎いばかりの良いフレーズを綴っていく。　またそれにぴったりとつけるフリーマンのコンピングも快調であり、彼のソロもリズミックでよく歌っているな…と。　ＣＤにはオマケの別テイクが入っていて、今回、それに関しては見なかったことにする方針なんっすが、オリジナル・テイクと別テイクではテーマのバックを彩るフローレスのドラムのつけ方も違い、また前者ではスティック、後者ではブラッシュ・ワークでのバッキングの違いもみせている。　そんなことも書かれているので、興味のある人は、聞き比べてみるといいかも知れませんなぁ。 （←他人事。）　個人的には、アルトとピアノによるユニゾン・テーマの響き。　これの途中で、ユニゾンからハモリに転じる辺りの小技が、好きっ♪　桂小枝と同じくらい、好きっ♪　不倫の写真が出回って、アカンくなってしまったんっすよね、桂小枝。　興味のある人は 「桂小枝　不倫　プリン」 で画像検索してみるといいかも知れませんなぁ。 （←他人事。）　ということで、次。　 「ストンピン・アット・ザ・サヴォイ」 。　本来はこのタイミングで登場するんっすな、「サヴォイでストンプ」。 「寒いでストーブ」 という、ちょっとお寒いネタもあったりするんっすが、 「サヴォイでストンプ」 のようなスウィング・ナンバーにおいても、ペッパーはイマジネイティヴな魅力溢れるアドリブを歌心豊かに奏でる。　特にピアノ・ソロに続くストップ・タイムに乗ったソロが心ひかれるな…と。　いいっすよね、ストップ・タイム。　ストップ大麻だと、薬物乱用防止のキャッチフレーズにも使えるし。

　ということで、次。 「ホワット・イズ・ディス・シングス・コールド・ラブ」 。　「恋とは何でしょう」 というのが一般的な邦題なんっすが、 「恋とはどんなものかしら」 と、オカマ口調になったりすることも。　略称は “恋何（こいなん）” 、もしくは “恋どんな” 。　もう、日本語ライナーを書き写すのも面倒になって来ちゃったんっすが、歌心に溢れた快演であるな…と。　んなことで、ラスト。　 「ブルース・アウト」 。　冒頭の 「ブルース・イン」 と対をなす、オリジナルのブルース。　やはりアルトとベースのデュオで演奏されるんっすが、最後は渋く、おしまい。

【総合評価】　アルバム名、ジャケット、面子、選曲、演奏。　どれもすべて、完璧っす。　こんな１枚がイントロなどという、ネギトロみたいなマイナー・レーベルから生まれたのが奇跡なんっすが、トロ好きの人にも、とろくさい人にも、等しく、激オススメ☆