BIRDCALL (UNITED ARTISTS)

VI REDD (1962)

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【パーソネル】

VI REDD (as,vo)
HERB ELLIS (g) <#1-5> ROY AYERS (vib) <#1-6,8-10> KANSAS LAWRENCE (tp) <#6-10>
RUSS FREEMAN (p)  BOB WHITLOCK (b) <#1-5> LEROY VINNEGAR (b) <#6-10>  RICHIE GOLDBERG (ds)
【収録曲】

(01-03) IF I SHOULD LOOSE / SUMMERTIME / ANTHROPOLOGY
(04-05) ALL THE THINGS YOUR ARE / I'D RATHER HAVE A MEMORY THAN A DREAM
(06-08) NOW'S THE TIME / JUST FRIENDS / PERHAPS 〜 COOL BLUES
(09-10) I REMEMBER BIRD / OLD FOLKS
【解説】 ( 2021年07月18日更新 / 連載 1,450回 )

 ( 前回 までの粗筋 ) 薬師寺を散策した。 ということで、続いては唐招提寺。 奈良市の “西ノ京” と呼ばれるエリアの観光スポットはこの2強ということになると思うんっすが、実際のところ、薬師寺のほうが圧倒的に強そうで、1強1弱、もしくは1本命・1オマケ。 そんな感じだったり。 もうひとつ、弱小系マニアックなところで 垂仁陵古墳 なんてのもあったりします。 全長 227メートル。 地図で見ると、めっちゃ立派な前方後円墳だったりするんっすが、いかんせん、古墳というのは横からだと、ただの “こんもりした荒地(?)” にしか見えなかったりするし、垂仁天皇というキャラも、あまりにマイナー過ぎて、集客力に欠ける気がします。 垂仁(すいにん)、垂仁(すいにん)、なんちゃら垂仁(すいにん)、よく食べる、垂仁(すいにん)〜♪ 「スイミーの歌」 の節で歌う分には問題ないと思うんっすが、この 「なんちゃらスイミー」 という部分、何と言っているのかよく分からなくて、モヤモヤしますよね。 金魚に餌をやり過ぎて、残ったカスが水に溶け出して、モヤモヤしているのと同じくらい、モヤモヤします。 クソガキが 「鯉って、スイミーが大好きなんだ!」 と、どうでもいい発言をして、結果、肝心の歌詞が聞き取れなくなって、イライラして、ガキを池に突き落としたくなっちゃうんっすが、お姉ちゃんもお姉ちゃんっすよね。 「まぁ、上手に描けたわね!」 とか、下手にガキの絵を褒めるたりするから、クソガキがつけ上がるんや! そう思わずにはいられなくて、ま、実際、半端なく上手に描けているので、褒めたくなる気持ちも分からんではないんっすけど。 いずれにしろ、垂仁天皇のせいでスイミーを思い出して、モヤモヤとイライラが募ってしまったんっすが、でも大丈夫。 問題は解決しました。 ほれ 。 スイミー、スイミー、ごはんにスイミー♪ エエぇぇぇぇ…。 何か、今ひとつ釈然としなくて、モヤモヤ感が深まってしまったんっすが、で、このブログの人は 「きっとお腹が減るんだね」って、日本語がちょっと変かも。 そこのところに引っ掛かりを感じているみたいなんっすが、いや、問題はそこちゃうやろ? 僕は過去にも何度か、このコマーシャルについて言及しているんっすが、よく食べる、スイミー♪ この部分が、おかしいっすよね。 「よく食べる、鯉〜♪」 もしくは、「よく食べられる、スイミー♪」 これが正解っすよね。 が、この話にあまり深入りすると、奈良ネタが10回シリーズくらいになってしまうので、本題に入ります。

 唐招提寺 。 今回、11時半から、JR奈良駅と近鉄奈良駅の中間あたりにあるホテルのランチを予約している関係で、薬師寺と唐招提寺の見学に当てる時間は各40分。 スイミー天皇の古墳は、パス。 そんな行程を立てていたんっすが、薬師寺で思った以上に時間を費やしてしまった場合、唐招提寺のほうは、パスしてもいいかぁ。 そんなふうに考えておりました。 ぶっちゃけ、古墳レベルのソソられ具合だったんっすよね。 今の時期、蓮の花が綺麗らしい。 そんな情報があったので、ま、軽く覗いてみるかぁ…と。 薬師寺のほうは駆け足で、当初の予定通り、40分くらいで一通り回ることが出来たので、じゃ、行ってみるかぁ…と。


< 唐招提寺 (その1) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 で、到着〜。 薬師寺から北へ500mくらい、歩いて5分強といったところでしょうか。 修学旅行のJCとかもいて、それなりに華やいでいた薬師寺と違って、こっちのほうはひっそりとしておりますが、まず最初に目に入ってくるのが (写真・いちばん上) の “南大門” 。  簡素ではありますが、歴史の重みを感じさせる建造物でありますな。 …と思ったら、 これ 。 昭和35年(1960)に天平様式で再建されたもの。 歴史の重み、ないやん! で、これが天平様式でありますか。 天平ではなく、干瓢 (かんぴょう) にしておけば、巻き寿司の具にもなって、一石二鳥だと思うんっすが、よくよく考えると、お寺の門を巻き寿司の具にする必要はまったくないような気もするので、干瓢 (かんぴょう) ではなく、天平 (てんぴょう) 。 この選択は正解だったかも知れません。 で、門の手前の左側のところに門番がいて、そこで入場料を払う仕組みになっておりました。 前回参照、スマホのアプリで買える奈良交通のフリー乗車券のオマケのクーポンを門番のオッサンに見せて、 「これ、使えますか?」 と聞いたところ、 「はい、使えますよー。」 と、快い返答。 「ひさしぶりに見ましたわー。」 とも言われたんっすが、このクーポン、入場料が団体料金相当に割引になったり、地味にお得だったりするんっすが、まったく浸透してないっぽいんっすよね。  地味にお得なのに、勿体ない…。 んなことで、通常は 1,000円もぼったくられるところ、800円で入ることが出来たんっすが、地味な寺の分際で、なかなか強気な価格設定でありますな。 ここは鑑真が開いた寺として知られているんっすが、商業主義に走るとは、「非暴力・不服従」 が、聞いて呆れますな。 いや、暴力を振るわないというだけで、金儲けをしないとは誰も言ってないし、そもそも、最初から服従しないと言ってるワケだし。 ていうか、それ、ガンジーだし。 鑑真、関係ないし。 言われてみれば確かにそうなので、納得して、大人しく拝観させて頂くことにして。

 で、(写真・上から2番目) は、んーと、 金堂 っすか。 国宝 奈良時代(8世紀後半)。 おお、凄ぇ! 見た目は地味なんっすが、歴史の重みを感じさせる建造物でありますな。 外観は、正面間口七間 (中央間は約4.7m、両端へは次第に狭くなり、3.3m) 、うんぬん。 桑名には八間通りという、道幅が八間くらいあるような気がする大通りがあったりするんっすが、買ったな! …と。 ま、奈良にしては、頑張ったほうじゃね? そう、ねぎらいの言葉を掛けてあげていいかも知れません。 道幅が八間 = 14.56mって、言うほど大通りか? そう言われると、ま、名古屋の100m道路に比べれば、確かにちょっとだけ狭かったりするんっすが、桑名にしては頑張ったほうだと思うし、エエやん! で、この金堂、建物としては地味な見た目なんっすが、中に安置されている仏像は、なかなかのラインアップだったりします。 本尊:盧舎那仏坐像、その左右に千手観音立像と薬師如来立像。 更に木造梵天・帝釈天立像の2体があって、プラス、木造四天王立像が4体。 持国天立像、増長天立像、広目天立像、多聞天立像。 総計、んーと、9体っすか。 で、これらすべてが、国宝。 凄ぇぇぇぇぇ! 中でも個人的なオススメは千手観音くん。 世間でよく見かけるのは、千手観音とは名ばかりの、本手が2本、脇手が40本の、実質・四十二手観音。 そんな “なんちゃってバージョン” だったりするんっすが、脇手1本で25本分に相当するという換算で手を打ったみたいなんっすよね。 脇手(40×25)本 + 本手2本 = 1,002本。 半端な2本は、ま、サービスということで。 が、この唐招提寺の千手観音くんは違います。 ちゃんと手が千本あります。 マジで。 正確には大脇手42本 + 小脇手911本で、合計・九百五十三手観音だったりするんっすが、出来た当時はちゃんと手が千本あったんじゃね? いや、知らんけど。 そのように言われております。 失われた47本は、 「ああ、忙しい、忙しい。 忙しくて、千手観音の手も借りたい。」 とか言って、借りていった人が、そのまま返さずに “借りパク” しちゃったのではないかと思われますが、これ以上、パクられては、かなわん。 そんな防犯上の観点からか、金堂の中に入ることは出来ず、金網の隙間から覗く形になっちゃうのが、ちょっと残念。 ま、のぞき部屋みたいで、それはそれで、趣があったりするんっすけど。 で、 (写真・ちょうど真ん中) は、 鼓楼礼堂 。 いずれも鎌倉時代に作られた物なんっすが、前者は国宝で、後者は重要文化財。 見た目は地味なんっすが、凄ぇぇぇぇぇ! で、この “礼堂” は、 境内図 を上から見て貰うと分かるように、 “東室” と一体になっていて、その間の部分が “馬道 (めどう)” と呼ばれる通路になっていて、向こう側に抜けられるようになっております。 “馬道” くらい、桑名にも、あらぁ! 意味も無く、対抗心を燃やしてしまいましたが、 馬道 (めどう) ではなく、馬道 (うまみち) という、ただの 北勢線の駅 なんっすけどね。 1914年(大正3年) の開業だから、それなりに歴史の重みがあるし! で、(写真・下から2番目)(いちばん下) は、 経蔵宝蔵 。 経蔵と宝蔵と竹中平蔵で、 “世界3大・○○ぞう” と呼ばれるんっすが、そのうちの2つがここに並んで建っております。 めっちゃ 校倉造 (あぜくらづくり) やん。 凄ぇぇぇぇぇぇ! おー、フニクリ、フニクラ、フニクリ、フニクラ、校倉 (あぜくら) 、門倉 (←失踪)、キャバクラ♪ おー♪ 特に経蔵は正倉院よりも古い、日本最古の校倉造であるらしく、無論。国宝。 ついでに宝蔵のほうも、国宝。  いやあ、半端ないっす。


< 唐招提寺 (その2) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 で、次。 (写真・いちばん上) 。 ちょっとした竹林がありました。 いい雰囲気っす。 で、 (写真・上から2枚目) 。 蓮の花が咲いてました。 背後の校倉造りと相俟って、なかなかいい雰囲気っす。 で、 (写真・ちょうど真ん中) 。 “金堂・講堂 & 鼓楼” の並びっす。 何気ない構図なんっすが、国宝建築3連チャン。 で、 (写真・下から2枚目) は、礼堂の庇部分から見た講堂ではなかろうかと。 僕の通っていた海星高校では、体育館に集められて、ありがたいお話を聞かされる 「講堂講話」 という宗教行事があったように記憶しておりますが、海星高校の体育館と違って、こっちの 講堂 は歴史の重みがあります。 唯一、現存する平城京の建物なんだそうっすな。 で、中にはちゃんと仏像も安置されております。 弥勒如来坐像と、持国天・増長天立像。  このうち、弥勒くんは重要文化財止まりなんっすが、 持国と増長の天くん2人は、2019年に晴れて国宝に昇格した模様。 手下のほうが偉くなってしまって、弥勒くんは複雑な心境ではないかと思われますが、「国宝になったからって、増長するんじゃねーよ!」 と、増長天を諫めたりするんっすかね? ちなみに講堂は金堂と違って、建物の中に入って、じっくり仏像を拝むことが出来るシステムになっているんっすが、で、 (写真・いちばん下)。 鐘楼から見た鼓楼と礼堂。 2つの建物が一体化している感じが、いいな♪ …と。 そんな気がして、個人的にお気に入りの1枚なんっすが、で、


< 唐招提寺 (その3) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 (その3) 。 薬師寺が2ページ・写真10枚だったのに、それを超えました。 意外と見所が豊富だったんっすが、 (写真・いちばん上) は、東のほうのエリア。 苔むした雰囲気がモスっぽくて、いいな♪ …と。 苔むした雰囲気がモスっぽくて。 略して、苔モスた雰囲気、もしくは、モスむした雰囲気。 たまらんっ♪ モスむした…だと、蛾 (モス) と虫がウジョウジョいるみたいでアレなんっすが、で、(写真・上から2番目) は、北のほうのエリアの、土塀。 ヘイヘイ♪ 塀、好きなんっすよね。 平城京はぜんぶ塀で囲って、 “塀城京” にしろ! そう、厳命したくなっちゃうくらい。 囲いはカッコいいと思うし、で、数ある塀の中でも “土塀” というのは、何だかちょっとドバイっぽくて、ヘイヘイ♪ で、 (写真・ちょうど真ん中) 。 何やら囲われているエリアがあったので、何かと思って覗いてみたら、井戸。 いいっすよね、井戸。 井戸の何がいいのかというと、奥が深そうなところが、たまらんっ♪ ま、井戸の中には浅井戸という、あまり深くない井戸もあったりするんっすが、浅井戸は浅いどー。 どれくらい浅いのかというと、 浅井戸と深井戸の違い 。 浅井戸というのは、昔からよく使われている井戸で8メートル程度の深さまでのものを指します。 十分、深いやん! 足、つかへんやん! 溺れるやん! で、この唐招提寺の井戸、どれくらいの深さなのか分かりませんが、 ここ の写真を見る限り、そんなに深くはなさそう? 足、つきそう? これなら溺れなさそう? が、深くないと思って飛び込んだら意外に深くて、不覚にも溺死。 そんな可能性もあるので油断は禁物なんっすが、井戸は奈良時代に唐招提寺が創建される際に創建者である鑑真和上が自ら掘った井戸であると伝わるものであり、 「醍醐」 の名は仏教における 「味わい」 を示す五段階の区分の最上位にあたる意味を持つ事から、かつては非常に清らかでおいしい水が湧き出していたと考えられます。 鑑真自ら、井戸を掘りましたかぁ。 とっても感心な鑑真なんっすが、僕ならそんなクソ面倒な仕事は、下請けの 井戸忠 に丸投げしちゃいますけどね。 岐阜支店に勤務していたころ、「工事は “いとうちゅう(?)” にお願いする。」 という話が出て、え? 伊藤忠? 何で、そんな大手の商社が? …と思ったら、「いとうちゅう」 ではなく、 「いどちゅう」 だったんっすが、かつては非常に清らかでおいしい水が湧き出していたと考えられる井戸も、今では濁った水が淀んでいるだけで、ほら、ちゃんと専門の業者に頼まないからぁ…。 素人が安易に井戸掘りなどに手を出してはいけない。 そんな戒めが込められた貴重な史跡でありますが、で、鑑真と言えば、 これ 。 有名っすよね。 教科書で見た覚えがあります。 で、この像はどこにあるのかというと、 ここ 。 残念ながら2022年3月まで工事をしていて、中には入れません。 で、現在、鑑真和上坐像は新宝蔵に遷座されているみたいっすが、じゃ、 ここ へ行けばいつでも見られるのかというと、そうではなく、6月5日〜7日の3日間しか御開帳してくれない模様。 勿体ぶりますなぁ…。 その代わり、身代わりのパチモンが作られて、通年、 ここ で見られるようになっているんっすが、身代わりの分際で、勿体ぶって奥のほうに鎮座しているので、あまりよく見えませんでした。 パチ鑑真なんか別に、いいやぁ…。

 で、 (写真・下から2枚目) 。 ちょっぴりドバイっぽい土塀の写真にあった門から中に入ってみたところ、蓮の花がいっぱい。 いや、花は数えるほどしか咲いてなかったんっすが、蓮の葉っぱが繁茂しておりました。 凄いっすよね、蓮の葉。 めっちゃ水を弾きますよね。 撥水効果っすよね。 蓮 (はす) だから撥水 (はっすい) なのか、撥水 (はっすい) だから蓮 (はす) なのか。 ロータス効果 。 そうそう、蓮って、ロータスなんっすよね。 ケニー・ドーハムに 『クワイエット・ケニー』 という人気盤があるんっすが、その冒頭を飾る名曲が 「ロータス・ブロッサム」。 おお、カッコええ。 お洒落でアーバンで都会的なイメージなんっすが、それが日本だと 『静かなるケニー』 の冒頭を飾る名曲、 「蓮の花」 となってしまいます。 ダサっ! 抹香臭っ! 僕が小学生だった頃、スーパーカーの大ブームがあって、 “ロータス・ヨーロッパ” という車が人気だったんっすが、日本語だと “蓮欧州” 。 ダサっ! で、そんなロータスでありますが、その葉っぱの撥水性は半端ありません。 丁度、この日は雨上がりだったので、ハスの葉はその微細構造と表面の化学的特性により、決して濡れることがない。 葉の表面についた水は表面張力によって水銀のように丸まって水滴となり、うんぬん。 その様子を撮影することに成功しました。 (写真・いちばん下) がソレなんっすが、おお、確かに水銀みたいに丸まって水滴になっておりますな。 このキラキラ水滴に、何かお洒落な名前を付けてあげたいと思うんっすが、蓮+水銀で “ハスイギン” というのはどうっすかね? 葉+水銀の意味も掛かっているんっすが、昔、ソ連にいたコスイギンという、こすい政治家みたいで、いいかな? …と。 んなことで、予想に反して見所満載だった唐招提寺は以上なんっすが、今回もまた、一寺 (イチテラ) だけで終わってしまいましたな。 奈良ネタ、この調子だと、あと5回くらいは続くことになると思いますが、ヨロシク☆

 んなことで、今日はヴァイ・レッドっす。 本コーナー初登場となる謎キャラなんっすが、チャーリー・パーカーを敬愛する黒人ギャル系アルト兼ヴォーカリストなんだそうで。 ギャルがジャズをやる場合、ボーカルやピアノ、バンド系を覗くと、アルトを選択する人が多い気がします。 肺活量の関係で、テナーは難しかったりするんっすかね? ちなみに僕は、肺活量はさっぱりなんっすが、快活量 = 快活クラブに通う頻度なら、わりと自信があります。 先日の木曜日、4月に受診した脳ドックで、脳ではない肺と腎臓(?)だかの再検査を言い渡されたので、休みを取って名古屋の病院に行ったんっすが、昼過ぎに終わったので、桑名に戻って、快活クラブで遅めの昼飯を食べました。 平日限定の ランチパック というのがお得なんっすよね。 一部店舗限定なんっすが、東海3県は、ほぼ大丈夫かと。 入店時に希望のメニューを申告しなければならず、ハンバーグ&カニクリームコロッケランチとか、よさそうに思えるんっすが、 「ハンバーグとカニクリームコロッケの奴で!」 と、申告するのが面倒なので、 「あ、唐揚げで…」 みたいな。 ぶっちゃけ、かなり微妙なんっすけどね。 いや、唐揚げそのものは揚げたてサクサクで美味しいんっすが、皿に盛られた御飯のうえに唐揚げが乗っかっていて、底辺感が半端なかったりします。 唐揚げに米粒が付着しているし、その米粒が、おろしポン酢の入れ物に落下して浮遊するし、とても富裕層のランチとは思えなかったり。 ま、飯代は500円相当なので、こんなもんだとは思うんっすが、で、えーと、ヴァイ・レッド。 既に、 このアルバム は持っていたんっすが、個人的にちょっと微妙に思えて、このコーナーで取り上げるべきか否か、悩んでいたんっすが、調べてみたらこの人、 『バードコール』 というアルバムも出していて、で、試しに買って聞いてみたら、あ、こっちのほうがエエやん! …と。 パーカーの愛奏曲を中心に彼女のソウルフルでスインギーな歌とプレイが堪能できる。 そういうアレだったりして、日本人にも受けがよさそう。 前半と後半、2つのセッションから構成されているんっすが、前者にはギターのハーブ・エリスが入っていたりします。 個人的には、いらんかったような気もするんっすが、いや、この人がどうのというより、ギターという楽器そのものが。 ロックの世界では花形満であるギターも、ジャズだと左門豊作になっちゃうんっすよね。 名前は豊作でも、出来のほうは不作…みたいな。 で、後半のセッションにはカンザス・ローレンスという謎のラッパ吹きが入っているんっすが、どうやらこれは、カーメル・ジョーンズの変名である模様。 いいっすよね、カーメル。 かっぱっぱ、ルンパッパ、かっぱ黄桜、かっぱっぱ ボンピリピン、飲んじゃった、ちょーっといい気持ち〜、カーメル、カーメル、カーメル、カーメル、いける、ける、ける、ケロップ♪ そう、歌いたくなっちゃうくらい、イケてると思います。 何曲かロイ・エアーズのヴァイブが入っていて、ヴァイとヴァイブの絡みが楽しめそうだし、後半のベースはリロイ・ビネガーだし、面子的には、なかなかイケそう。 ドラムスのリッチー・ゴールドバーグという人も、名前からして金持ちで金ピカなハンバーグっぽいし、とまあそんなことで、では演奏を聞いてみることにしましょうかぁ。

 まずは1曲目、 「イフ・アイ・シュッド・ルーズ・ユー」 。 「もし、私があなたのシュッとしたルーズ・ソックスだったら」。 そんな意味っすかね? シュッとしたルーズ・ソックスって、存在自体が矛盾している気がするんっすが、愛というのは常識では語れませんからね。 ギターをバックに、ヴァイちゃんが切々とテーマを歌い上げるんっすが、ハスキー・ヴォイスで、ちょっぴりロータス・リーフ = 蓮っ葉な雰囲気。 途中からピアノとベースとドラムスが入って来て、テンポも少し速くなって、何ともジャジーな世界が展開されるんっすが、で、続いてピアノ・ソロが登場。 さっき書くのを忘れておりましたが、ラス・フリーマン。 いいっすよね。 少なくとも、モロだし・フリチンマンよりは公序良俗に反していないと思うんっすが、で、続いてヴァイちゃんがアルトを引っさげて登場。 テーマのメロディをフェイクする感じのソロを披露して、でもって、歌無しのテーマに戻って、おしまい。

 で、次。 「サマータイム」 。 ペーソスに溢れた名曲なんっすが、いいっすよね、ペーソス。 ペヤングソース焼きそば、略して、ペーソス。 いや、ペソースじゃん。 言われてみれば確かにそうなんっすが、ヴァイちゃんのハスキーなボーカルが曲調とぴったりマッチして、半端なくソウルフルな仕上がりとなっております。 ここでもハーブ・エリスのギターが、けっこう目立つ地位を確保しているんっすが、ま、いっかぁ。 そんな気もしてきました。 で、テーマの後、ヴァイちゃんのアルト・ソロが披露されるんっすが、なかなかに骨太で悪くないっす。 ジャケット写真を見ても、めっちゃ腕が太いし、たくましい宅麻伸。 そんな感じ。 で、歌ありのテーマに戻って、おしまい。 で、次。 「アンソロポロジー」 。 ギターとヴォーカルのユニゾンによるテーマが斬新。 ま、はっきり言えば、ウン・ポコ・ローコ (ちょっと変) なんっすが、アン・ポロがウン・ポコっぽくなっちゃうのは、ま、必然かと。 で、その後、ギターとピアノのソロがフィーチャーされて、アルトとベースの絡み → アルトとドラムスの絡みと進んで、ちょっとウン・ポコなアン・ポロに戻って、おしまい。 最後、ヴァイちゃんが歌から離れて、何か喋るところが、ちょっと可愛いな♪ …と。 そういえば、 「可愛いいな」 という名前のスケベ女優がいましたな。

 で、次。 「オール・ザ・シングス・ユー・アー」 。 パーカー派アルト奏者の課題曲といっていいアレなんっすが、それを踏まえて、ここでのヴァイちゃんは得意の歌を封印して、アルト1本で勝負しております。 で、演奏はというと、極めて正統派でストレート。 そのトーンはポール・デスモンドなんかよりも、よっぽど図太いし、何とも男勝りでありますな。 マサ斉藤に勝る…とまでは言いませんが、マサルには勝りますよね、間違いなく。 『じゃりン子チエ』 に出てくる コイツ 。 性格がめっちゃ女々しいんっすもんね、コイツ。 …とか言ってるうちにアルトのソロが終わって、ギターのソロが出て来て、続いてピアノがフィーチャーされて、最後にベースのピチカート・ソロがあって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 ケレン味がなさ過ぎて、ちょっと物足りなく思えるかも知れませんが、ま、ビ・バップというのは基本、こんなもんだし。 で、次。 「アイド・ラザー・ハブ・ア・メモリー・ザン・ア・ドリーム」 。 寡聞にして、よく知らん曲なんっすが、綺麗なメロディのバラード・ナンバー。 ヴァイちゃんはここでも、アルト1本でじっくりと歌い上げております。 テーマの後、アルトのソロがあって、続いてギターのソロが出て来て、で、テーマに戻って、おしまい。 シンプル過ぎて、ちょっと物足りなく思えるかも知れませんが、バラードは基本、変に凝らないほうがコラーゲン。 そんな気がするので、これでいいかと。

 で、次。 「ナウズ・ザ・タイム」 。 有名なパーカー・ナンバーなんっすが、歌詞、あるんっすな、これ。 ヴァイちゃんが謎の歌を披露してくれちゃってます。 英語には疎いので、何を言ってるのかはよく分からんのっすが、ぶっちゃけ、歌うには不向きなような? 歌っている本人も、すぐにそれを察したのか、2コーラス目はアルトとトランペットのユニゾンになるんっすが、お! カンザス・ローレンスこと、カーメル・ジョーンズでありますな。 通称・カメ嬢。 クリフォード・ブラウンの流れを汲む正統派のハード・バッパーなんっすが、その前にパーカーの流れを汲む正統派のバッパーであるヴァイ・レッドのソロがあって、で、その後、カメ嬢の登場となります。 バリバリ吹きまくるというより、地味に “味” で勝負するタイプなんっすが、歌心に富んだフレージングを連発して、で、続いてロイ・エアーズのヴァイブ・ソロが登場。 ここまで、裏でひっそり、それらしき音は聞こえていたんっすが、ようやく前面に姿を現しましたな。 で、その後、ラス・フリーマンのいい感じのソロがあって、最後は as→tp→vib の4バースがあって、でもって、歌なしのテーマに戻って、おしまい。 2管編成になったことにより、よりハード・バップ色が強くなった感じで、エエやん♪

 で、次。 「ジャスト・フレンズ」 。 これまた、パーカー派アルト奏者の必須科目みたいなナンバーなんっすが、真っ先に僕の頭の中に浮かんできたのは、チェット・ベイカーのヴォーカル。 よって、歌入りでもいいかな? …と思ったら、ちゃんと歌ってくれていたんっすが、「オカマの囁き」 と言われるチェットと比べると、何とも男らしいな…と。 ソロ先発はカーメル・ジョーンズで、これがまた、何ともいい味を出してくれているんっすが、で、その後、ロイ・エアーズのヴァイブが出て来て、で、歌うテーマに戻って、おしまい。 アルトはお休みだったんっすが、ま、それもアリかな…と。 で、次。 「パーハップス」 「クール・ブルース」 のメドレー。 というか、 流れとしては、1コーラス目がヴァイブ主導の 「クール・ブルース」 で、その後、すぐに2管のハモりで 「パーハップス」 が出てくる感じっすかね? その後、ヴァイブ、ラッパ、ピアノ、アルトの順で、各自の充実したソロが披露される…と。 各自、マジで充実していて、聞き応え十分なんっすが、で、 「パーハップス」 らしきテーマに戻って、おしまい。 で、次。 「アイ・リメンバー・バード」 。 恐らく、ヴァイちゃんがパーカーに捧げた自作の哀悼歌ではないかと思われますが、と思ったら、違いました。 作曲者を見たら L. Feather とクレジットされておりました。 レナード・フェザーっすな。 フェザー、シック、ジレット、貝印。 “カミソリ四天王” の一人として知られておりますが、切れ味の鋭い音楽評論家として有名。 が、本職はピアニスト兼作曲家であるらしく、この曲もブルージーさと哀感さが綯い交ぜになった、なかなかの佳曲に仕上がっております。 何でもいいけど、綯い交ぜ (ないまぜ) って、こんな字を書くんっすな。 種々の色糸をより合わせて、紐?(ひも)?などをなうこと。  元々はそんな意味らしいんっすが、紐などを綯う。 おお、確かにこの漢字でありますな。  「綯うなヤングにバカウケ」 とかにも応用出来そうなんっすが、で、演奏のほうはというと、ヴァイちゃんの真っ直ぐな吹奏が心に響くな…と。 で、以下、カメ嬢、ロイ・エアと続くソロもイケてるし、でもって、テーマに戻って、おしまい。

 で、次。 「オールド・フォークス」 。 最後はバラードで、しっとりと。 ヴァイブのイントロに続いて、ヴァイちゃんが哀感に満ちたテーマを歌い上げ、そのままアルトのソロへと突入。 以下、ヴァイブ、トランペット、ピアノの順で、各自の充実したソロが披露されて、で、テーマに戻って、今日のところは以上っす。

【総合評価】 よかったっす。 意外とよかったっす。 前半も悪くはなかったんっすが、特に後半、カーメル・ジョーンズの入ったセッションがよかったっす。 ラス・フリーマンとロイ・エアーズもよかったっす。 無論、ボーカル兼アルトのお姉さんも。 あの、消えそうに、燃えそうな、ヴァイ・レッドの〜、心を写しだしてみせてよ〜、揺れながら〜♪


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