BUD SHANK QUARTET (PACIFIC JAZZ)

BUD SHANK (1956/11/7,8)

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【パーソネル】

BUD SHANK (as,fl) CLAUDE WILLIAMSON (p,celeste) DON PRELL (b) CHUCK FLORES (ds)
【収録曲】

(01-03) A NIGHT IN TUNISIA / TERTIA / ALL OF YOU
(04-06) THEME / JIVE AT FIVE / SOFTLY, AS IN A MORNING SUNRISE
(07-08) POLKA DOTS AND MOONBEAMS / THE LAMP IS LOW
【解説】 ( 2021年08月29日更新 / 連載 1,455回 )

 リニア・鉄道館に行ってきました。 いや、あんた、「あと施工なんちゃら」 の試験とちゃうかったんか? それを口実に、このコーナーの更新をサボってたやんけ! そう思われるかも知れませんが、直前になって会社の、そういう関係の担当をしている係の兄ちゃんから電話が掛かって来たんっすよね。 「日曜日の試験、こういうご時世だから、心配ですよね?」 こういうご時世というのは、アレです。 コロナ、やばい。 超やばい。 三重県も、かなりヤバい感じになってきちゃったんっすよね。 1日の新規感染者数が40人とか50人とか言ってた頃は大騒ぎしていたんっすが、最近は400人とか500人といったレベルになって、感覚が麻痺して、そんなにヤバいとは思わなくなってきちゃったんっすが、試験会場は愛知県で、こっちのほうは、更にその上を行く感じだったりするし。 つまり、アレっす。 感染がヤバいので、今回の試験は欠席しても、特にお咎めはない…と。 キャンセルしても受験料は帰ってくる…と。 で、支店長に判断を求めたところ、 「自己判断で!」 と言われた…と。 おお、マジっすか? ぜんぜん勉強していなかったので、渡りに船、地獄に仏、鬼に金棒、猫に小判。 そんな感じなんっすが、いや、後の2つはあまり関係ありませんか。 ま、いずれにしろ、ありがたい話なんっすが、「が…」 。 ここで僕は考えました。 実はこの試験、去年もすっぽかしているんっすよね。 わざわざ大阪まで行って2日間の講習を受けて、で、試験は名古屋で、何月何日。 そんな話は聞いていたんっすが、いつまでたっても手元に受験票が届かず、「ん?」とか思っているうちに試験当日になってしまって、あまり大した資格でもないし、ま、いっかぁ…と。 どうやら、受験票は自分でインターネットのサイトからダウンロードしなければアカンかったらしいんっすが、そんな話、聞いてないし! 去年まで、会社の、そういう関係の担当をしている係は、あまりヤル気の感じられないオッサンだったんっすよね。 それに比べて、中途採用で新しく入った今の兄ちゃんは、ヤル気もあって、親切丁寧で、わざわざコロナ感染の心配をして、電話までくれて、その意気に応える為にも、欠席するのが筋ではないか? そんな気がしないでもないんっすが、さすがに2年続けて試験をすっぽかすというのは、どうか? 今年は、僕のせいではないとは言え、というか、去年の僕もぜんぜん悪くなくて、すべて係のオッサンがアレだったからなんっすが、罪を憎んで、人を憎まず。 心の広い僕は、まったく根に持ってなかったりするんっすが、「が…」。

 ここで試験をサボると、それを口実に、このコーナーの更新をサボることが出来なくなってしまうな…と。 いや、自分から白状しなければ、誰にも分からないとは思うんっすが、ほんのちょっとだけ、良心の呵責が…。 で、もうひとつ。 高潮注意報が出されると、排水ポンプの運転補助という名目で、現場に呼び出される某・排水機場があったりするんっすよね。 8月上旬の土日に、夕方の5時とか、早朝4時とかに、連続4回ほど電話が掛かって来て、 ・・・・・ 。 家から近ければまだいいんっすが、車で片道1時間ほど掛かったりするし、行ったら行ったで、4時間くらいは拘束されちゃうし、それこそ、このコーナーの原稿を書く時間が無くなってまうやん! 塩サバ通信、命! …の僕としては、 それだけは避けたいところ。 ここは現場の近くに住んでいるオッサンに押しつけ…、いや、お願いするしか。 で、4回とも行って貰いました。 さすがに、かなり ぼやいていて、支店長なんかにも言いつけたみたいで、「4人くらいでローテーションを組んで、交代で行って貰うようにせんと!」 と、言われてしまったんっすが、で、この週末は大潮だったりして、また土日に呼び出される可能性が…。 が、日曜日は試験があるから、無理っ! 土曜日も試験の勉強をしなければならんから、無理っ! オッサン以外の2人も、僕と同じ試験を受けることになっているので、無理っ! ということで、今回もオッサンにお願いすることになったんっすが、もし、試験をすっぽかしたりすれば、そちらに行かなければならなくなってしまいます。 黙っていればオッサンには分からないと思うんっすが、ほんのちょっとだけ、良心の呵責が…。 んなことで、諸般の事情により、これは試験を受けるほうが得策であるな! …と。

 で、前日。 大阪での2日間の講習が中止になって、インターネットでのWeb講習に変更になったので、それで勉強するかぁ…と。 直前になるまで、一度も見たことがなくて、付け焼き刃もいいところなんっすが、ちなみに僕はこの 「付け焼き刃」 という言葉、かなり大人になるまで、ずーっと 「付け刃焼き」 と、間違えて思えていました。 何となく、魚の漬け焼きのようなものが頭の中にイメージとしてあったんっすよね。 直前になるまで、一度も見たことがなくて、 「つけばやき」 もいいところなんっすが…と、書こうとして、付けば野球。 そんな変な予測変換が出て来て、ん? あ、そういえば 「つけばやき」 じゃなくて、 「つけやきば」 だっけ? そう、改めて気付かされた次第でありますが、その付け焼き刃さえも、ままなりませんでした。 Web講習、視聴可能期間が先週の日曜日までやんけ! 詰んだ…、終わった…。 直前に勉強出来ないとか、クソ仕様もいいところなんっすが、幸い、紙のテキストは送られて来ているし、講習会は去年受けたので、何となく雰囲気は分かっているし、ま、何とかなるかな? …と。 で、猛勉強しました。 もう、 宗猛(そう たけし)もびっくりするくらいの猛勉強。  宗茂 (そう しげる) と宗猛 (そう たけし) の宋兄弟は桑名が誇る英雄、瀬古利彦のライバルなので、あまりいい感情を持っていないんっすが、あと、中山竹通とかいうヤツも。 これ を見ると、中山クンのほうが、よっぽど日本人受けするキャラで、瀬古とか、桑名の出身でなければ、真っ先に切り捨ててしかるべき存在である気がしないでもないんっすが、で、えーと、何の話でしたか。 猛勉強。 そう、宗猛(そう たけし)のように猛勉強した結果、夕方を前にして、飽きました。 完全にヤル気がなくなりました。 あまり、根を詰め過ぎるのも考え物であるな。 そんな気がしちゃうくらい、人間の集中力というのは持続しないものでありますな。 1ヶ月前から初めて、1日に30分とか勉強したほうがよかったんじゃね? そんな気がしないでもないんっすが、今更そんなことを言われても! そういうことは、1ヶ月前に言って貰わないと! 「今ならWeb講習の動画も見れるで。」と、ちゃんと教えてくれないと!

 ちなみにテキストは467ページほどある、クソ分厚いものだったりして、それを1日で片付けるというのは、端から無理な相談だったりするんっすが、宅急便で送られてきたのを開封したのが、試験の2日前だったりするし。 めっちゃ重かったので、嫌な予感はしてたんっすけどね。 第1章が 「あと施工アンカーの知識(1)」 。 これは主に、 あと施工アンカーそのものに関するもの。 第2章が 「あと施工アンカーの知識(2)」 。 これはコンクリートに関するもの。 ここまでは何とか持ちこたえることが出来たんっすが、第3章の 「あと施工アンカーの知識(3)」。 ここでヤル気が途絶えました。 設計荷重、アンカーボルトに作用する力、あと施工アンカーの耐力、金属拡張アンカーの耐力、接着アンカーの耐力、あと施工アンカーの構造規定、鉄筋コンクリート構造の基礎、力学の基礎。 もう、項目を羅列しただけで、アカンっすよね。 物理やんけ! 計算問題ばっかりやんけ! 僕は計算が大の苦手だったりするんっすが、この時点で、ある程度の 「計算」 は立ちました。 この試験、あまりにも情報が少な過ぎて、ネットを見ても過去問題とか、まったく見当たらなくて、どんな型式で出題されるのかすら、分かっていなかったりするんっすが、少なくとも受験票を見る限り、午前の部 (2時間) と、午後の部 (1時間半) があるっぽいな…と。 テキストは 「あと施工アンカーの知識(4)(5)」 まであって、中身のほうはそれぞれ、あと施工アンカー技術者・管理者のための安全衛生、 (同) 施工管理となっております。 恐らく午前の部が技術的な問題で、午後からが安全と施工管理であろうな…と。 で、この手の試験は大抵、60点以上が合格ということになっているんっすが、アンカー本体、コンクリート、計算問題。 この3つのうち、計算問題は恐らく0点に近い結果になるであろう…と。 身の程をよくわきまえていますからね、僕。 となると、残りの2/3で満点を取ってやれば、66点くらいになるので、午前の部は合格。 ヨシ! 計算問題は捨てても、何とかなるな! そのように計算出来ますよね。 で、午後の部に関しては、試験当日の昼休みに勉強すれば、何とかなるんじゃね? これで試験勉強の目処は付いたので、その日の夜は翌日の試験に備えて、英気を養う方針にシフトするとして。

 ちなみに、試験の会場はどこなのかと思ったら、 ポートメッセなごや 。 また微妙な…。 名古屋駅の近くとか、栄とかなら電車で行くつもりだったんっすが、 電車でのご来場 。 桑名からだと名古屋駅で 「あおなみ線」 という糞ダサい奴に乗り換えることになるんっすが、どう考えても無駄であるな…と。 地図の右下に木曽岬町というのが見えるかと思うんっすが、そこをマウスで掴んで右のほうにドラッグすると見えてくる、ナガシマスパーランドの左のところが、サバくんちっすからね。 伊勢湾岸道で一直線。 車なら30分掛からないのではなかろうかと。 名古屋市内の道路は無駄に車線数が多かったり、謎のバスレーンがあったり、一方通行が多かったりで、あまり車では走りたくないし、駐車場も心配だったりするんっすが、ここなら大丈夫。 先見の明がある河村たかし君が、レゴランドに押し寄せまくる観光客を想定して、 こんな立派な駐車場 を作ってくれましたからね。 収容台数 5,010台。 レゴランドの半端ない集客力からすると、すぐ満車になっちゃう可能性があるんっすが、試験の受付開始が9時から。 その1時間前に着くようにすれば、さしものレゴ民も半数くらいはまだ辿り着けてないのではなかろうかと。 早めに行って、駐車場で最後の復習をするようにすれば、完璧っすよね。 あと施工アンカー本体と、コンクリートの問題で、満点近い点数を取る必要があるので、念には念を入れなければなりません。

 で、当日、8時前に無事、駐車場に入庫することが出来ました。 思ったよりは車が止まっていたので、ちょっと意外だったんっすが、それにしてもクソ立派な駐車場でありますな。 名古屋市金城ふ頭駐車場は緑いっぱいスタイリッシュ! 確かにめっちゃスタイリッシュでありました。 が、ちょっとした誤算もありました。 駐車場に止めた車の中は薄暗いし、エンジンを切るとクソ暑いし、テキストはクソ分厚くて無駄に重いし、まったく勉強する気がしねぇ…。 ということで、諦めました。 いまさらジタバタしたところで、どうなるワケでもないし。 で、しばらく車の中でボーッと過ごして、8時半過ぎに試験会場へと向かいました。 いかにもアンカー技師っぽい兄ちゃんやオッサンがたくさん歩いていたんっすが、 「あと施工アンカーなんちゃら」 だけでなく、「中小企業診断士」 の試験もポートメッセで行われるみたいっす。 いかにもアンカー技師っぽい兄ちゃんやオッサンだと思ったら、実は半分以上、中小企業診断士志望の兄ちゃんやオッサンだったんっすな。 この会社の従業員、少なっ! これは間違いなく中小企業! そのような診断を下す職業っすよね。 試験でどんな問題が出されるのか、まったく見当が付かないんっすが、1次試験合格率×2次試験合格率が 3~8%って、マジっすか? 38(さば)くんは、この 3~8%に入れる気がまったくしないんっすが、それに比べたら 「あと施工アンカーなんちゃら」とか、カスみたいなもんっすよね。 ま、ほとんど勉強してないので、アカン気がしないでもないんっすが、解答用紙が配られた時点で、ほんの少し希望の光が見えて来ました。 マークシートやん。 やりぃ♪ 選択式ならマグレでも、そこそこの底上げが期待できますよね。 もっとも、電験三種の 「理論」 の試験では、5択式の問題なのに正答率が20%を下回るという、確率を超越した結果を出したことがあるんっすが、今度は大丈夫。 マークシートを見ると、30問くらいが 「○×問題」 なんっすよね。 テキストの練習問題も半分くらいは 「○×」 だったんっすが、まさか本物の試験もそうだとは思いませんでした。 2択なら、マグレでも50点。 あと10点分くらいは、さすがに何とかなるっしょ?

 ただ、落とし穴もありました。 「○×問題」 の場合、間違えると減点されちゃうんだそうで。 そんなの当たり前じゃん。 そう思われるかも知れませんが、正解すれば +1点、間違えれば 0点ではなく、間違えたら−1点。 エエぇぇぇ…、マジかよ?  どちらか分からない問題があった場合、イチかバチかの勝負に出るより、敢えて何も答えないほうが安全かも知れませんが、心情的になかなかそんなワケにもいかないし、うーん…。 一応、分からない問題も適当に答えておいたんっすが、果たしてそれが吉と出るか、凶と出るか。 で、「○×問題」 以外の4択の問題も10問くらいはあったような? テキストの練習問題にもあった、 「次の4つの文章のうち、もっとも適切なもの(あるいは、不適切なもの)は、どれか」 という型式が半分で、残り半分が計算問題で、答えの数字を4つの中から選ばせるものだったり、図表みたいなのが書かれていて、その中から正しいものを選ばせるものだったり。 その辺のアレはきっぱりと捨てたので、25%の確率に掛けるしかないんっすが、ま、全体的な手応えとしては、 「○×問題」 で致命的な間違いをして減点されたりしなければ、60点はイケたかな? …と。 ただひとつ、午前の部に安全とか施工管理の問題が、普通に出されていたのが気がかりなんっすが、じゃあ一体、午後の試験は何をやらされるねん? 嫌な予感がマックスなんっすが、

 的中! 午後の試験はマークシートではなく、記述式でありました。 設計荷重、アンカーボルトに作用する力、あと施工アンカーの耐力、金属拡張アンカーの耐力、接着アンカーの耐力。 その辺りの完全に捨てたジャンルから計算問題が2問。 最終的な答えだけでなく、途中の計算の過程も採点の対象になるんだそうで、詰んだ…、終わった…。 こんなことなら最初から、スパッと棄権しておけばよかった…。 土日をまるっと無駄にしてもうた…。 解答用紙が配られた時点での絶望感は半端ないものでありましたが、いざ、試験が始まって、試験問題の冊子を開いた段階で、ほんのちょっとだけ希望の光が。 一目でアカンと分かる計算問題なんっすが、よく見たら計算に使う公式は、ちゃんと書いてくれているんっすな。 この公式に与えられた数字を入れてやれば何とかなりそう? 僕は計算が大の苦手で、足し算だけならまだしも、引き算となると、ちょっと怪しくなってくるし、掛け算が出て来たら絶望だし、割り算となれば、きっぱりと諦めるしかないんっすが、幸い、この試験は電卓を使えるんっすよね。 もしかしてコレは、イケるかも? 最終的に、合ってるかどうかはともかく、回答欄をすべて埋めることが出来て、まったくの白紙で、泣きながら会場を後にするという屈辱だけは避けることが出来ました。 ヨシッ、終わった〜♪ で、せっかくの金城ふ頭駐車場だし、周囲をざっと散策してみようかな…と。 さすがに一人でレゴランド本体に入る勇気はなかったんっすが、隣接する 水族館 のほうなら大丈夫かな? …と。 が、やっぱりちょっと、微妙かな? …と。 お一人様 メイカーズピア というのもアレだし、うーん…。 ファニチャードーム もあまり興味がないし、うーん…。 最悪、伊勢湾岸道で家とは反対方向に走って、 刈谷ハイウェイオアシス で海老せんべいでも買って帰ろうかと思ったんっすが、あ、よくよく見たら、 リニア・鉄道館 というのがあるやん。 僕は別段、鉄道とか、さほど好きではなかったりするんっすが、話のタネにはなりそうっすよね。 で、今日はその話を書こうと思っていたんっすが、試験のネタだけで1回分の原稿を賄うことが出来たので、この続きはまた、次回☆

 んなことで、今日はバド・シャンクなんっすが、ちょっと意外な人選っすよね。 ぶっちゃけ、僕の頭の中にはありませんでした。 いや、名前くらいは聞いたことがあるんっすが、テナーを吹く人だと思っていました。 が、ある日、僕がよくCDを買っている通販サイトからメールが来て、そこに貼られていたリンクにアクセスしたところ、 こんなの が。 で、3枚目にありますよね、バド・シャンク。 というか、4枚目と5枚目もバド・シャンクで、何だか無駄に充実しちゃっているんっすが、ふーん。  特に興味はなかったんっすが、何気なく説明文を読んでみると、西海岸の名アルト奏者が最初に録音したポップス・ヒット集という一文が。 え? バド・シャンクって、アルト奏者やったん? じゃ、取り上げないと! そんな義務感に駆られてしまったんっすが、くだんのCDは 10/20発売なので、別口を当たってみることにしました。 んーと、 これ 。 おお、これ、どこかで見たことがありますな。 ジャケットがめっちゃカッコええ♪ 僕は西海岸のジャズがあまり好きではなく、結果、このバド・シャンクも今までスルーしてきたんっすが、パシフィック・ジャズだけは別格。 ジャケットのセンスが抜群すぎて、中身は度外視して、買いたくなってしまいます。 ということで、 『バド・シャンク・カルテット・フィーチャーリング・クロードウィリアムソン』 。 あまりにも長すぎるので、フィーチャーされている人は無視させて貰うことにしますが、シャンクにはもう1枚、 こんなアルバム も。 名前がまったく同じなんっすが、別物っすよね? レーベルがブルーノートとなっておりますが、多分、違いますよね? どっかのマイナー・レーベルが作った奴の権利をブルーノートが買い取ったっぽい? ググってみたら、 これ 。 あ、やっぱ、パシ・ジャズっすよね。 らしくないジャケットも、これはこれで悪くないんっすが、通の間では “イラストのシャンク” と呼ばれているんだそうで。 一方、僕が今回、取り上げようとしているほうは “寝そべりのシャンク” 。 ソースは ここ 。 面子についても触れられておりますな。 クロード・ウィリアムソン (ピアノ) 、ドン・プレル (ベース) 、チャック・フローレス (ドラム) から成るトリオをバックに従えています…と。 いいっすよね、チャック・フローレス。 チャック全開っぽくて。 いや、チャックがフローレスというだけで、全開とはどこにも書かれていないんっすが、というか、よくよく考えたら、チャックが全開でも、何にも嬉しくないような? むしろ、不快なような? あ、でも、よくよく考えたらチャックと言っても、オッサンの股間とは限りませんよね。 山ねずみロッキーチャックという可能性だってあるワケだし。 というか、 「山ねずみ」 と書こうとしたら 「山根済み」 と変換されてしまって、まだ山根は済んでねぇ…。 そう、言いたくなってしまいましたが、で、バド・シャンクはアルト以外にフルートも吹いているんっすな。 アルトとフルートの二刀流って、多いっすよね。 僕は楽器がぜんぜん吹けないので、よく分からんのっすが、縦笛と横笛、そんなに簡単にイケちゃうものなんっすかね? 寝そべって縦笛を吹けば横笛になるので、イケるような気はするんっすが、ま、そんなこんなで、では演奏を聞いてみることにしましょうかぁ。

 まずは1曲目、 「ア・ナイト・イン・チュニジア」 。 並び建つ、内藤医院、忠実屋。 そんなジャズ曲名俳句の傑作があったと記憶しておりますが、関サバ師匠作? 何でもいいけど忠実屋って、無くなっちゃったんっすな。 1994年(平成6年)3月1日に株式会社ダイエーに吸収合併され、消滅した。 おお、そんな前の話でありましたか。 ま、それはともかく、 「チュニジアの夜」 の邦題で知られるディジー・ガレスピーの有名曲でありますな。 正確には、ピアニストのフランク・パパレリという人との共作みたいなんっすが、ドラムスとベースとピアノによるエキゾチックな導入部に続いて、バド・シャンクがフルートでテーマを演奏します。 なるほど、そう来ましたかぁ。 いいっすよね、フルート。 少なくとも、フルチンよりは心を洗われるものがあるんっすが、いや、そんなものと比較すること自体、フルートを冒涜している気がするんっすが、ちなみに僕は、フルチンよりもフリチン派だったりします。 が、今回、フルートと韻を踏むために、敢えてフルチンのほうを使ったんっすが、節操がないとも言えるし、変幻自在と評価することも出来るし。 で、このフルートも悪くはないんっすが、個人的には続くクロード・ウィリアムソンのピアノ・ソロが、ツボにはまりました。 めっちゃバピッシュで、バド・パウエルっぽい♪ ある意味、シャンクとパウエルの “バド・コンビ” と言えそうなんっすが、クロード・ウィリアムソン、凄ぇぇ! 真木蔵人と同じくらい、凄ぇぇ! まったく凄さが伝わってこない喩えでありましたが、その後、ベースのソロにフルートが絡むパートがあって、ちょっとしたドラムスのソロがあって、 テーマに戻って、おしまい。 なかなか凝った演奏であったな。 そのように評価していいのではなかろうかと。

 で、次。 「ターシャ」 。 とっても凄い蔵人・ウィリアムソンのオリジナルで、しみじみとしたバラードでありますな。 ウィリアムソンの弾くチェレスタがノスタルジックな雰囲気を醸し出しているんっすが、で、バド・シャンクはアルトを吹いております。 で、これがまた、たまらんっ♪ 半端ない哀愁味は50年代のアート・ペッパーを彷彿させるものがあって、めっちゃ日本人にウケそう。 消え入りそうな儚さと、畑岡奈紗があって、たまらんっ♪ で、ベースのピチカート・ソロを挟んで、ん? シャンクくん、今度はフルートを吹いてる? もっとじっくりアルトを聞きたかった気もするんっすが、ま、本人の自由だし、これはこれで悪くないし。 で、ここから先が、ちょっとテンポが速くなったテーマ部のように思えたりするんっすが、妙に凝っているところが、いかにも西海岸でありますなぁ。 その後、フルートのソロがあって、相変わらず秀でたクロード・ウィリアムソンのピアノ・ソロがあって、ドラムスのソロが出て来て、ん? その後、テンポが急にめっちゃ速くなって、怒濤のようなアルト・ソロが炸裂。 次の曲が始まったのか? …と思ってしまうような急展開でありますが、出だしの “泣きのアルト” から一転、 “脅しのアルト” で責めまくるシャンクが、凄ぇぇぇぇぇぇ! で、その後、アップ・テンポなピアノ・ソロが出て来て、アップ・テンポなアルトによるテーマが出て来て、ドラムスと絡んだりしながら、おしまい。 なかなかドラマチックな演奏であったな。 そのように評価していいのではなかろうかと。

 で、次。 「オール・オブ・ユー」 。 コール・ポーター作の有名な歌物なんっすが、ゆったりしたテンポで、ベースのピチカートがテーマのメロディを奏で、そこにフルートが絡むという、なかなか凝った仕上がり。 …と思ったら、急にテンポが速くなって、今度はアルトで、再びテーマを吹くという、二段構え。 で、ソロ先発はシャンクのアルトでありますな。 ちょっぴりアート・ペッパーな風情なんっすが、それに続くクロード・ウィリアムソンは、何気にバリー・ハリスであるな…と。 で、ドン・プレルのベースのソロがフィーチャーされて、ストップ・タイムを効果的に使ったアルトのパートがあって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 いかにも歌物らしい、小粋な仕上がりだったりして、で、次。 「テーマ」 。 クロード・ウィリアムソンのオリジナルみたいなんっすが、もうちょっと凝ったタイトルを付けられなかったのか? …と。 「ラーマ」 とか、 「ユーマ」 とか、 「メンマ」 とか、 「サンマ」 とか、ちょっと考えただけでも、いくらでもありますよね。 あ、「ユーマ」というのは “UMA(未確認生物)” というヤツなんっすが、未確認生物って、ただの馬 (ウマ) じゃん。 …と思ったら、 「ユーマ」と読むんっすよね、これ。 ネッシーとか、クッシーとか、イッシーとか、ツチノコとか、その辺りが有名なんっすが、マイナーなところでは、 この本 に出てくるヤマピカリャーとか。 ただの肥大化したイリオモテヤマネコなんじゃね? そんな気がしないでもないんっすが、で、この 「テーマ」 は、アレっす。 わりとシンプルなテーマで、メロディをじっくりと聞かせるというより、アドリブの出発点として適当に作った感じで、シャンクの奔放なアルト・ソロを堪能出来る。 そんなアレになっております。 ピアノのソロも楽しめるし、終盤は as→ds→p→ds の8バースだか4バースだかで盛り上がっているし、絵に描いたような典型的なハードバップで、いいな♪ …と。

 で、次。 「ジャイブ・アット・ファイブ」 。 カウント・ベイシーとハリー・エディソンの共作なんっすが、この演奏を聞いた人は、ほぼ間違いなく、 「あ、こりゃ、アート・ペッパーやな。」 そう、思ってしまうのではなかろうかと。 聞く人が聞けば、 智弁学園と智弁和歌山のユニフォーム みたいに、明確な違いがあるのかも知れませんが、素人の耳には、一緒や! …と。 高校野球の決勝、これを書いている時点では、まだ試合が始まっていないんっすが、つい先日、奈良に遊びに行って、楽しんだ身としては、智弁学園のほうを肩入れしたくなりますな。 が、和歌山も普通に好きなので、ま、どっちが勝っても、いいかぁ…と。 ジャズは西海岸よりも東海岸派なんっすが、高校野球は断然、東日本よりも西日本の高校を応援している身にとって、今年の夏の高校野球の終盤は、どっちが勝ってもいい試合ばかりだったんっすが、決勝戦が終わると、夏の終わり感が半端なくて、寂しい…。  で、次。 「ソフトリー・アズ・イン・ア・モーニング・サンライズ」 。 普通に訳せば 「朝日のように、やわらかさん」 。 そうなる筈なんっすが、 「朝日のように爽やかに」 という邦題が定着してますよね。 ちなみに 「やわらかさん」 というのは、サンジルシが出している やわらか味噌 なんっすが、さば家の朝には欠かせません。 ま、今朝はパンだったので、欠かしてしまったんっすが、で、このバド・シャンクのバージョンは、 “爽やか” というより、ちょっと憂いを帯びた仕上がりでありますな。 今日からまた、仕事かぁ…。 みたいな。 途中から、ちょっぴり希望の光が見えて来たりするんっすが、テーマの後、まず最初にウィリアムソンのピアノ・ソロが登場します。 希望の光が見えます。 続いてシャンクのアルト・ソロが出て来ます。 よし、頑張ろう! そんな気になります。 で、続いてベースのピチカート・ソロ。 縁の下の力持ちとして生きていこう。 そんな人生の指針が見えて来ます。 で、ドラムスのソロで、ババババババ♪ …となって、で、再び憂いを帯びたテーマに戻って、おしまい。

 で、次。 「 ポルカ・ドッツ・アンド・ムーンビームス」 。 何となくポルカが月光なのは分かるんっすが、途中の “ドッツ” の扱いが難しくて、全体としては意味不明。 困った時の翻訳ソフトなんっすが、 「水玉模様と月光」 。 おお、なるほど! ポルカがドッツとムーンビームスなんじゃなくて、ポルカ・ドッツとムーンビームスだったんっすな。 で、何度かムーンビームスと書いているうちに、強烈に ゼリービーンズ が食べたくなって来たんっすが、いや、さすがにこんな量はいらないんっすが、 Wikipedia 参照。 ホテルのビュッフェスタイル朝食にて。 日本のホテルでこんなの、見たことがないんっすが、 アメリカ合衆国大統領のロナルド・レーガンはこの菓子が大好きだった事でもよく知られている。 へぇ。 そういう話を聞くと、何か親近感が湧いてきますよね。 ちなみにブッシュ大統領はプレッツェルを喉に詰まらせて死にそうになっていましたが、で、ゼリービーンズではなく、ムーンビームスはというと、冒頭のチェレスタの音色がノスタルジーを掻き立て、続くフルートが、深窓の令嬢感を高めてくれる…と。 いいっすよね、令嬢。 少なくとも宍戸錠よりは、いいじょー。 というこいとで、次。 ラストっす。 「ザ・ランプ・イズ・ロウ」 。 Amazon の Terakadoクンのレビューには、ちなみに最後の曲は「パヴァーヌ」となっていますが、LP発売時のタイトルは 「Lamp is low」 です。Ravel の名前もクレジットされているので、パヴァーヌであることに間違いはありませんが、テーマの演奏が終わったあとは転調してアップテンポの演奏になります。パヴァーヌそのものの演奏というよりは、アランフェスのテーマのあとに曲調を一気に変えるチック・コリアの 「スペイン」 の構成に近いと思います。 そんな事が書かれておりますが、英語版Wikipediaは、普通に "The Lamp Is Low" (Peter DeRose, Bert Shefter, Mitchell Parish) となっております。 で、 Ravel の名前はクレジットされてません。 パリッシュというワニを食いそうな人、他2名っすな。 そういえばこれ、何か “いわく付き” なんでしたっけ? んーと、 これ 。 あ、「亡き王女のためのパヴァーヌ」 っすか。 ただ 「パヴァーヌ」 としか書いてないので、ピンと来ませんでしたが、「The Lamp Is Low」 との絡みは下のほうに。 ま、曲にまつわるゴタゴタは置いといて、演奏のほうはアレっす。 フルートによるバラードで始まり、一転、テンポが急にめっちゃ速くなって、シャンクの “責めのアルト” が炸裂するという。 もう、このパターンにも慣れたところで、おしまい。

【総合評価】 期待度は皆無に近いものがあったんっすが、いやあ、よかったっす。 50年代アート・ペッパーが好きな人なら絶対イケるに違いないアルト + 深窓の令嬢系フルート。 西海岸っぽさは希薄なので、アドリブ、命! …の人にも楽しめるし、日本人にもお馴染み&人気なスタンダード + それ以外な選曲もバランスがいいし、フィーチャーされるクロード・ウィリアムソンは真木蔵人だし、そんなこんなで、超オススメ☆


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