幸せは歩いてこない だから歩いてゆくんだね〜♪ 名言です。 確かにその通りだと思います。 さすがは水前寺清子、いい事を言いますなぁ。 めっちゃ前向きっすよね。 …と、ここまでは、いいっす。 で、次。 一日一歩、三日で三歩〜♪ ここもまあ、いいっす。 言いたいことはいくつかあるんっすが、少なくとも、計算は合ってます。 いんいちがいち、いんにがに、いんさんがさん。 1×3=3。 九九 (くく) の中でも、いちばん難易度が低い 「いちの段」。 暗算が極めて不得手な僕でも、さすがにここは大丈夫っす。 ここで躓くようだと、先が思いやられるんっすが、大丈夫でした。 一日一歩、三日で三歩。 合ってます。 で、問題はこの次。 三歩進んで、二歩下がる〜♪ 下がるんかい! せっかく、 「前向きである」 という評価を下したのに、それを台無しにしちゃう敗退行為っすよね。 敗退行為、敗退行為、昨夜 (ゆうび) ぬ三合 (さんごう) ビン 小 (ぐわ) 残 (ぬく) とんな♪ 「ハイサイおじさん」 の節で歌うとしても、めっちゃ歌いにくいし! あ、でも、これって、アレっすよね。 三歩進んで、二歩下がる。 くるっと踵を返して逃げるというより、そのままジリジリと後ずさりするイメージ。 よって 「前向き」 なのは維持されていると言えそうなんっすが、それにしても…。 一日一歩、三日で三歩。 この時点で、歩かなさ過ぎぃ! そう、言いたくなってしまうんっすが、更に二日で二歩後退。 トータル、五日で一歩しか進んでねぇじゃん!
あ、でもこれ、二日で二歩後退とは、言ってませんよね。 三日目に一歩進んだ次の瞬間、タンタンと二歩後退。 そういう可能性もありますよね。 それなら三日で一歩進んだことになるので、さっきの計算よりは前に進んだ感があるんっすが、それにしても…。 成人女性の一般的な歩幅が60センチだとすると、3日 × 24時間 = 72時間で60センチ。 時速に直すと、0.8333cm/h。 あの、足が速くて、松島トモ子を襲ったりする 「チーター」 の異名を持つ水前寺清子とは思えないような足の遅さなんっすが、いやいや。 水前寺清子 = チーターって、別に、あの、足が速くて、松島トモ子を襲ったりする 「チーター」にちなんだものではなくて、チビの民子 (←清子の本名)、略して 「チータ」 だから! 最後、 「ター」 って、伸ばさないから! で、そもそも、松島トモ子を襲ったのはライオンとヒョウだから! 冤罪だから! ということで、前にもこのコーナーで紹介した松島トモ子のオフィシャルブログ 「ライオンの餌」 。 風の便りでは、あのライオンとヒョウは私を咬んだ直後、ヒヒに襲われて死んだと聞いていた。 え、マジかよ? ライオンやヒョウにしてみれば、そこに餌 = トモ子がいたからちょっと噛んだだけなのに、何て不憫な…。 というか、ヒヒって、ライオンやヒョウよりも強いんか! …というのが、ちょっと衝撃なんっすが、 で、水前寺清子 = チーターでないとなると、別に時速0.8333センチでも、いいかぁ…と。 しかも、水前寺清子 = チータ = チビの民子の略となると、成人女性の一般的な60センチよりも、更に歩幅が小さい可能性もありますよね。 「水前寺清子 歩幅」 で、検索ぅ! んーと、 「一日一歩三日で三歩」 で1km歩くには約18年かかる 。 あ、これ、誰でも生きているうちに、一度は計算したくなるんっすよね。 日本人男性で計算しているのがちょっとアレなんっすが、 歩幅をn [cm] とすると、条件より1日目にn、2日目に2n、3日目に3n、4日目に2n、5日目にnの地点へと進んでいき、うんぬん。 あ、 “五日で一歩” 説を採用しているんっすな。 「二歩下がる」 の部分はグレーゾーンなので、何とも言えないところなんっすが、で、下のほうにはちゃんと、日本人女性の場合の計算結果もありました。 民子がチビであることを加味していないのは、詰めが甘いと言わざるを得ませんが、詰めが甘いと、ハイチュウやミルキーを食べた時に、詰め物が取れたりするので、注意が必要っすよね。 で、 水前寺清子 Wikipedia 。 愛称の 「チータ」 は、小柄だった水前寺を作詞家の星野哲郎が「ちいさなたみちゃん」と呼んだことに由来する。 あ、チビの民子じゃなくて、 “ちいさなたみちゃん” でしたか。 ま、いずれにしろ、一般的な成人女性よりも歩幅が狭そうなことには替わりがないんっすが、芸名の水前寺は故郷・熊本市の水前寺成趣園から、清子は熊本ゆかりの戦国武将・加藤清正からそれぞれ取られている。 あ、水前寺が水前寺公園由来なのは何となく分かっていたんっすが、清子のほうは加藤清正でしたか。 「せいしょこさん」 っすよね。 とまあそんなことで、行ってきました、 水前寺成趣園 。 世間一般には 「水前寺公園」 という名前で知られているんっすが、ここに行った話だけで1回分のネタが賄えるとは思えないので、とりあえず水前寺清子ネタで引っ張っておきました。 が、それでもまだ不安なので、とりあえず今回の旅で泊まった宿を紹介しておこうかと。 本来なら このコーナー で取り上げるべきなんっすが、そこまで特筆すべき点がある宿でもなかったので、ま、 清子のオマケで、いいかぁ…と。
んなことで、 菊南温泉ユウベルホテル 。 熊本市内で1月3日にお一人様で泊まれて、2食付きで、大浴場があって。 この条件だと、あまり選択肢がなかったんっすよね。 そんな中、最後まで悩んだのが ここ 。 水前寺公園が目の前という立地。 で、 飯 がめっちゃ美味そう。 自家製辛子蓮根・一文字ぐるぐる・馬刺しの “熊本3大郷土料理” が、しっかり組み込まれているのが、ポイント高いっすよね。 辛子蓮根は自家製で揚げたてアツアツみたいだし、馬刺しも色んな部位が楽しめそうだし。 肥後牛溶岩焼き付きのプランもあるし、そっちのほうには 「真鯛のエスカロップ サラダ仕立て」 などという謎の料理も。 エスカロップ? んーと、 これ ? これと真鯛とサラダが結びつかないんっすが、少なくとも 「鰈の煮付け」 よりは美味そうっすよね? あまり好きではないんっすよね、鰈(カレイ) 。 平べったいだけやん! …みたいな。 同じ平べったいだけの魚でも、平目(ヒラメ)だと、何だか美味そうに思えてしまうんっすが、 『じゃりン子チエ』 に出てくるヒラメちゃん、可愛いし。 で、飯に関しては大いにソソられるものがあるんっすが、ただ、この宿、1月3日だと、お一人様はシングルの部屋にしか泊まれないし、いや、和洋室とかにも泊まれないことはないんっすが、クソ高いし、大浴場がひとつしかなくて、時間によって男女入替になるみたいだし、うーん…。 その替わり、貸切風呂が無料で使えるみたいだし、別館のほうに行けば好きな時間に入れる大浴場があるみたいなんっすが、何かそれも面倒だし、うーん…。 一方、ユウベルホテルのほうには、最上階デザイナーズ洋室 (温泉ジャグジー風呂付) なんてのが。 お値段も2食付きで 22,691円と、わりとリーズナブルだったりするし、こちらも別館ながら、隣接する日帰り温泉施設を無料で利用出来るみたいだし、料理のほうも一応、 “熊本3大郷土料理” は網羅されているみたいだし。 で、「美味そうな飯」 と 「豪華な部屋+バラエティに富んだ風呂」 を天秤に掛けた結果、後者のほうを選んでしまいました。 めっちゃ郊外にあって、交通の便が心配だったんっすが、菊南温泉というところまでバスで行けば、そこから徒歩で5分くらいみたいなので、ま、何とかなるかぁ…と。 便数は少ないんっすが、ユウベルホテル前というバス停に止まるバスもあるみたいだし。 で、前回 参照の熊本城を散策した後、宿に向かうことにしたんっすが、それらしきバスがやってきて、ん? これ? んー、違う? あ、これで合ってるっぽい? あ、行っちまったぁ…。 逡巡しているうちに、乗りそびれてしまいました。 が、次にやって来たのがホテル前のバス停に止まるヤツだったので、ラッキー♪ ということで、到着〜。
基本、ビジネスホテルみたいな感じなので、客室までの案内だとか、荷物を持ってくれるサービスとかはなく、ま、それはそれで、お気楽で、いっかぁ…と。 で、楽しみにしていた最上階デザイナーズ洋室は、
ということで、水前寺成趣園 。 庭園マニア垂涎の水前寺。 僕も日本庭園が好きなので、よだれをダラダラ垂らしながら散策したんっすが、さっきとは 違うリンク を貼っておくと、阿蘇の伏流水が湧き出る池を中心に、ゆるやかな起伏の築山、浮石などが配された庭園は四季折々の自然と庭園美を楽しめます。 おお、なるほど。 阿蘇の伏流水が湧き出ているんっすな。 そのお陰で、池の水がめっちゃ綺麗♪ で、鯉なんかもいたりします。 よく見ると、微妙に人面魚っぽかったりもするんっすが、で、池ではない陸地には猫もいました。 おお、猫やぁ♪ …と思って、ドドッと近寄ったら、逃げられました。 もっと慎重に行くべきでありましたな。 一日一歩、三日で三歩。 それくらいのペースで散歩しないと、猫 = 幸せは掴めないな…と。 で、鳥もいました。 また 違うリンク には、東海道五十三次の名所が縮景された、うんぬん。 そんなことが書かれているんっすが、そんなの、桑名にだって、 似たようなの があるし! 突如として、ライバル心をむき出しにしてしまいましたが、で、(写真・いちばん下) のようなものも。 この 園内地図 で言うと、右下の辺り。 特に名のある何かではなさそうなんっすが、で、池の周りをぐるっと歩くと、反対側には、
神社なんかもあったりして、いやあ、よかったっす。 ちなみにここ、市電 「水前寺公園」 下車・徒歩約4分、またはJR豊肥本線「水前寺駅」下車・徒歩約10分。 街の中心部から、かなり離れていたりします。 豊肥線の水前寺駅とか、ど田舎やろ。 …と思っていたら、高層マンションが立ち並んでいて、めっちゃ都会で、ビビりました。 都会のオアシスという感じだったんっすが、で、最後、水前寺清子に一言。 何が 「一日一歩」 や。 国木田独歩 (くにきだ・どっぽ) を見習え! …と。 独歩のどこを見習うのかというと、最後までチョコたっぷりなところ。 …って、そりゃ、トッポやがな! ということで、熊本のお話は、おしまい。
んなことで、今日はハンク・モブレイっす。 いいっすよね、トッポ。 いや、書いているうちに食べたくなって、スーパーへ買いに走ったんっすが、ポッキーはプレッツェルの外側にチョコなので、手で持つ部分にはチョコが付いてないんっすが、トッポはプレッツェルの中に入っているので、最後までチョコたっぷり。 逆転の発想の勝利でありますな。 が、久しぶりに買って食ってみたら、ん? ポッキーのほうが美味くね? そんな気がしないでもないんっすが、ま、味の好みは人それぞれっすからね。 亀田のつまみ種よりも、ブルボンの味ごのみのほうが好みな人もいるだろうし。 ちなみに僕は、味ごのみより、間下このみのほうが好みなんっすが、ま、それはそうと、ハンク・モブレイ。 日本では絶大な知名度と、微妙な人気を誇りますよね。 いや、モブレイが好きな人は少なくないと思うんっすが、何かダサいイメージがあるので、あまり大っぴらにモブレイ好きを広言出来ない空気があるというか。 何かトーンとか、フレージングとかがイモっぽいし、多作過ぎてレア感がないし、華もないし、名前が 「反蜘蛛無礼」 で、蜘蛛が嫌いで礼節に欠けそうだし。 ま、僕も蜘蛛は大嫌いなので、それでモブレイを嫌いになる理由にはならないんっすが、ということで、 ハンク・モブレイのWikipedia 。 レナード・フェザーによって 「テナー・サクソフォーンのミドル級チャンピオン」 と呼ばれたことで知られ、ジョン・コルトレーンほど鋭くもなければスタン・ゲッツほど円やかでもない音色を指している。 あ、この “ミドル級チャンピオン” って言うの、日本の評論家が適当に付けたものだと思っていたんっすが、レナード・フェザーだったんっすか。 で、ミドル級というのは、中庸っぽい感じがするところから、適切なフレーズかと思うんっすが、チャンピオンと呼べるような強さは感じないし、どちらかというと、交通安全の標語で、都会地方で佳作に選ばれた。 その程度の成果のように思えるんっすが、今日はそんなモブレイの 『ノー・ルーム・フォー・スクエアーズ』 というアルバムを取り上げてみたいと思います。 これ、タイトルがいいっすよね。 直訳すると 『四角の為の部屋は無い』 。 渥美清、楽屋に入れて貰えなくて、廊下。 そんなシチュエーションっすかね? でも、大丈夫。 スクエアというのは顔が四角いかどうかは関係なくて、イケてるか、イケてないか。 渥美清、やっぱり駄目じゃん! スクエアの反対が ヒップ なんっすが、ヒップの類語として、頭の固い者たち・上流階級・保守的な人々を意味する 「スクウェア (スクエア) 」 が使用されるのが一般的である。 『ノー・ルーム・フォー・スクエアーズ』 = 『ヒップじゃない奴、お断り』 みたいな。 で、これ、ジャケットが最高にヒップっすよね。 モブレイは多作家で、ブルーノートに腐るほど多くのリーダー作を残しているんっすが、さしものアルフレッド・ライオンやリード・マイルスもいい加減、面倒になったのか、アルバム・タイトルやジャケットが投げやりな奴が多かったり。 これ とか、その最たるものっすよね。 見た目だけで、「いや、もう僕いいです。」 「聞きたいなって気にさせない。」 この “ツナマヨ・フレーズ” も、さすがに飽きてきたし、言ってること自体、そんなに間違ってない気もするんっすが、この 『ノー・ルーム〜』 は、ジャケットだけで、買い! …やなと。
で、中身のほうはというと、2つのセッションから構成されております。3:3ではなく、4:2という配分なんっすが、4のほうはトランペットがリー・モーガン、ピアノがアンドリュー・ヒル、ベースがジョン・オー。 2のほうは、それぞれ、ドナルド・バード、ハービー・ハンコック、ブッチ・ウォーレン。 ドラムスはどちらもフィリー・ジョー・ジョーンズ。 どちらも甲乙付けがたいっすな。 亀なら甲だし、乙姫様なら乙だよね。 そんなふうに簡単に甲乙を付けることが出来ないんっすが、で、ピアノがどちらも新主流派系っすよね。 ダサいモブレイが浮いてしまうのではないか、ちょっと心配なんっすが、ま、浮いたら浮いたで、足に重りを付けて沈めればいいし。 ということで、では、演奏を聞いてみることにしましょう。
まずは1曲目、モブレイのオリジナルで 「スリー・ウェイ・スピリット」 。 3分割で、ウェーイwww そういったアレでありますな。 明朗なハード・バップではなく、かといってモーダルでもない、ちょっと不思議な雰囲気の曲なんっすが、ピアノのイントロからして、かなり “尖って” ます。 「とんがり帽子のメモル」 に匹敵するものがあるんっすが、とんがり帽子のメモらない、メモります、メモる、メモれば、メモろう。 メモったほうがいいと思うよ。 メモらないと絶対に忘れるし。 そう、忠告しても、「うるせぇ! メモろうが、メモらまいが、俺の勝手やろ!」 そう、反発してメモらないくらい、尖ってます。 で、メモらずに結局、忘れちゃうんっすよね。 そんな駄目さ加減が愛おしいんっすが、で、2管のユニゾンで、ちょっぴり先鋭的なテーマが演奏されて、で、ソロ先発はモブレイ。 ま、いつもの通りですな。 もっさりとして、イモっぽいところがアレなんっすが、が、アレっすよね。 すっかり垢抜けて都会的になってしまった今の高梨沙羅よりも、昔の純朴そうな高梨沙羅のほうが、よかった。 そういう人は少なくないっすからね。 モブレイは、これでエエんや! …と。 で、続くラッパのソロは、間違いなくモーガンっすよね。 一聴してソレと分かるブリリアントで華のあるソロが繰り広げられるんっすが、僕の持っている東芝EMIのCDは、1・2・4・5がドナルド・バード、3・6がリー・モーガンであるかのようにクレジットされております。 さすがにコレはアカンやろ…と。 僕くらいのプロフェッショナルになると、ちょっと聞いただけで間違いに気付くんっすが、素人さんなら、間違えて覚えてしまいますよね。 これはイカンな。 …と、遺憾の意を表しておいて、で、続いてフィリー・ジョーのタイコのソロが登場。 天才肌のキレキレの叩きっぷりを披露して、で、途中、アンドリュー・ヒルが間違えて出て来たっぽい瞬間があったりして、で、尖ったピアノの単一フレーズ連打があって、テーマに戻って、おしまい。 今までのイモっぽいモブレイとは、ひと味違ったナウい演奏であったな (モブレイ本人は除く)。 そう、評価していいのではなかろうかと。
で、次。 リー・モーガン作の 「キャロリン」 は、物静かなバラード。 ウェーイwww の筆頭のようなキャラなんっすが、こういう、お静かな曲も書けるんっすな。 2管の絶妙なハモリでテーマが演奏されて、で、ソロ先発はモブレイ。 独特の “もっさり感” も、スロー・ナンバーでは長所となっていて、とってもハート・ウォーミングな世界が展開されるんっすが、続くヒルの沈み込むようなタッチのソロとの対比が印象的。 で、最後、モーガンがクリフォード・ブラウンを彷彿させるような歌心に富んだソロを披露して、でもって、テーマに戻って、おしまい。 いやあ、よかったな♪ …と。 僕は根が陰の極みなので、バラード、好きだったりするんっすよね。 カラオケでもアリスの 「秋止符」をチョイスして、寺村さんに 「これ聞くと、気分が落ち込むんやよな…」 と、ぼやかれたり。 で、次。 「アップ・ア・ステップ」 。 モブレイのオリジナルなんっすが、原文ライナーでジョー・ゴールドバーグが、モードの影響を受けている。 そんなことを書いているので、ま、恐らく、そうなんやろな…と。 何せ、ゴールドバーグっすからね。 ハンバーグで金賞を受賞してそうな人が言うんだから、間違いないと思います。 で、聞いてみたら確かに、モーダルでした。 めっちゃモーダル。 もう、だるいくらいモーダルなんっすが、この気怠さが新主流派っすよね。 ドナルド・バードが入っているほうのセッションで、ソロ先発はそのバードなんっすが、ま、頑張っているな…と。 天才肌のモーガンと比べられると、ちょっぴり鮫肌なんっすが、鮫肌は鮫肌なりに、 「ワサビをおろすのに使える」 という利点があるワケなので、自分の持ち味を発揮してくれたらエエねん。 ハッキネンである僕は、そう思います。 いつからハッキネンになったのか、自分でもよく分からないんっすが、続くモブレイも、ま、頑張っているな…と。 で、その後、2管のハモリとピアノとの絡みがあって、その後、ハービーのソロがフィーチャーされるんっすが、流石やな…と。 アンドリュー・ヒルの、血ィ吸って生きてそうな怨念に満ちたソロもいいんっすが、ハービーの吐血・喀血感も圧巻で、でもって、テーマに戻って、おしまい。 いやあ、モーダルでしたな。 そう、評価していいのではなかろうかと。
で、次。 アルバム・タイトル曲の 「ノー・ルーム・フォー・スクエアーズ」 。 マイルス・デイビスが非常に効果的に使うモード手法の影響が見られ、メロディー自体はジョン・コルトレーンの幾つかの作品を彷彿させる。 そう、ハンバーグで金賞受賞の人が原文ライナーに書いております。 個人的には、言うほど、ジョン・コルトレーンの幾つかの作品を彷彿させるか?そんな気がしないでもないんっすが、ハンバーグはマルシンハンバーグをフライパンで焼くか、イシイのハンバーグを湯で温めるくらいしか出来ない僕が、金賞に刃向かうというのもアレだし、ま、普通にカッコいい曲で、モブレイって意外と、作曲の才能があるな…と。 リー・モーガンのほうのセッションで、2管のハモリでイケてるテーマが演奏されて、で、ソロ先発はモブレイ。 ま、いつもの感じっすな。 続くモーガンのソロが凄すぎるので、リーダーの影が薄くなってしまっているんっすが、元々がそういうキャラなので、ま、いっかぁ…と。 続くヒルの、血ィ吸って生きてそうなソロも怨念と因縁が渦巻いていて、で、最後は ts→ds→tp→ds の4バースで大いに盛り上がって。 フィリー・ジョーの切れ味が半端なくて、100均で売ってるハサミとは段違いだったりするんっすが、とまあそんなこんなで、テーマに戻って、おしまい。 ああ、こりゃ、スクエアな奴は、立ち入る隙がないな…と。
…と、ここまでは完璧。 残りの2曲は、ちょっぴりインパクトに欠ける気がしないでもないので、簡単に。 「ミー・ン・ユー」 はモーガンのオリジナル。 ラテン・ブルースで、フィリー・ジョー・ジョーンズの瞠目すべき仕事に注意を向ける格好の機会を提供してくれる。 そういうアレなんっすが、 (訳:赤塚四朗) も、 もうちょっと砕けた日本語に出来ないものかと。 瞠目すべき仕事に注意を向ける格好の機会を提供してくれるなのだ。 …とか。 それは (訳:赤塚不二夫) なんっすが、ちょっぴりジャズ・ロックっぽいスタイルで、モブレイ、モーガン、ヒルの順で、各自の充実したソロを堪能出来るな…と。 で、ラストっす。 モブレイのオリジナルで、 「オールド・ワールド・ニュー・インポーツ」 。 ハン金 (ハンバーグで金賞) の人が、そそるタイトル。 そんなことを書いておりますが、「旧世界、新しい輸入」。 言うほど、ソソるか? 「ベッ世界、素晴らしい巨乳」 なら、分からないこともないんっすが、昔、近鉄・四日市駅前にあったんっすよね、「ベッ世界」。 高校生の頃、名古屋線から内部線に乗り換えるのに四日市で降りて、この看板を目にする度に、オトナになったら覗いてやろう。 そう、心に決めていたんっすが、その野望を果たせないまま、潰れてしまいました。 で、演奏のほうはというと、セットを締め括るに相応しく、明るいアップ・テンポの素晴らしい曲だな…と。 2管のハモリによるテーマに続いて、モブレイ、バード、ハービーの順で、各自の充実したソロを堪能することが出来て、で、テーマに戻って、今日のところは、以上っす。
【総合評価】 タイトルとジャケットだけで、買い! …なんっすが、見た目だけでなく、中身もしっかり整っておりました。 モーガン、バード、ヒル、ハービー。 みんな違って、みんないいし、モブレイは、ま、いつもの調子だし、全編フィリー・ジョーのタイコがキレキレだし、ぜんぜんヒップじゃない僕なんだけど、部屋に入れて欲しい。 そう、切に願いたくなる1枚でありました。