THE JUMPIN' BLUES (PRESTIGE)

DEXTER GORDON (1970/8/27)

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【パーソネル】

DEXTER GORDON (ts) WYNTON KELLY (p) SAM JONES (b) ROY BROOKS (ds)
【収録曲】

(01-03) EVERGREENISH / FOR SENTIMENTAL REASONS / STAR EYES
(04-06) RHYTHM-A-NING / IF YOU COULD SEE ME NOW / THE JUMPIN' BLUES
【解説】 ( 2022年01月30日更新 / 連載 1,476回 )

 1日目 : 博 多 「ヒルトン福岡シーホーク」 泊
 2日目 : 佐世保 「ハウステンボス ホテルヨーロッパ」 泊
 3日目 : 鹿児島 「指宿温泉 白水館」 泊

 何年か前の塩サバ物産(仮)創立70周年記念旅行の宿泊先です。 無駄に、いいところに泊まってんじゃん。 塩サバ物産(仮)の癖に生意気だぞ! そんなふうに思われるかも知れませんが、そうなんっすよね。 無駄に、いいところに泊まるんっすよね、うちの会社。 創立60周年記念だかの北海道旅行の時も 「ザ・ウィンザーホテル洞爺リゾート&スパ」 に泊まったし。 北海道洞爺湖サミット の会場っすよね。 洞爺湖に昇る朝日を見るのに、福田康夫クンやら、サルコジくんやら、ジョージ・W・ブッシュくんやら、メルケルちゃんやらが記念写真を撮ってるエリアに出ようとしたんっすが、ドアに鍵が掛かっていて出られずに、仕方がないので非常ドアから外に出たところ、中に戻れなくなって、岡田クンと2人、途方に暮れる午前4時。 北海道の夜明けは早いんっすよね。 で、非常ドアって、一方通行なんっすな。 しばらく呆然としていたら、警備員の姿が見えたので、ドンドンとドアを叩いて、中から開けて貰ったんっすが、「そこ、立ち入り禁止っすよ!」と、怒られました。 めっちゃ怒られました。 もし、サルコジくんやら、メルケルちゃんやらが記念写真を撮ってる最中に同じ事をやったら、身柄を拘束されていたに違いありませんが、塩サバ物産(仮)の分際で生意気に、分不相応な無駄に高いホテルなんかに泊まるから、こういうことになるんや! ホテルグランドトーヤ とかで、よかったんや! で、 「ヒルトン福岡シーホーク」。 ここもいいホテルでしたな。 ヤフオクドームの隣で、高層階で、海がよく見えて、たまらんっ♪ が、飯は微妙でしたな。 立食パーティだったんっすが、料理に金を使えばいいのに、何故だかエンタメ部門に予算を費やしちゃったんっすよね。 よく分からんマジシャン芸人を呼んでおりました。 が、よく分からんマジシャン芸人だけでは、盛り上がらないかも知れない。 そんな懸念からか、もう一人、ものまね芸人も呼んでおりました。 ま、実際、マジシャンのほうはまったく盛り上がらなくて、やってる本人が 「こんなに盛り上がらない会場、初めてっすよ…」 と、愚痴をこぼすような惨状だったので、よく分からんマジシャン芸人だけでは、盛り上がらないかも知れない。そう懸念して、次の手を打っておいた運営サイドは優秀だったと言えるかも知れませんが、次善手の 「ものまね」 のほうも、これがまた…。 名古屋の本社、三重支店、岐阜支店、大阪支店。 日頃、交流がない部署との親善を深める。 そんな目的からか、普段、話したこともない人達ばかりを同じテーブルに集めたのが、完全に裏目に出た形でありますが、その意味で芸人さんは被害者と言っていいかも知れませんが、いたたまれなくなって便所に逃避して、会場に戻ったら、モノマネ芸人の野郎、沢田研二の 「勝手にしやがれ」 を歌ってやがるし。 僕の持ち歌、勝手に歌うなぁぁぁぁぁ!

 

 で、 「ハウステンボス ホテルヨーロッパ」 。 ここも、いいホテルでしたな。 が、飯は微妙でしたな。 ミールクーポンを配布されて、各自、好きなところで好きなものを食べるというシステムだったので、ホテルには何の罪もない話なんっすが、一人で 園内を徘徊していて、晩飯、どうするかなぁ。 レモンステーキ、食いたいなぁ。 が、一人では入りづらいなぁ…。 最悪、佐世保バーガーでもテイクアウトして、その辺の片隅で、こっそり食べるかぁ。 …とか思っていたら、向こうから一人でフラフラと歩いてくる野尻クンを発見。 で、流れから、一緒に飯を食うことになったんっすが、「何にしますかねー。 レモンステーキとか…。」 そう、それそれ! やっぱ、旅先ではその土地ならではの名物を食べないと! で、2人でフラフラと歩いていたんっすが、野尻クン、海鮮丼屋の前に立ち止まって、「ここにしますかぁ。」 「 ・・・・・・ 。 」 各自、好きなところで好きなものを食べるというシステムだったのに、好きなもの、食べられなかったじゃん! で、 「指宿温泉 白水館」 。 ここも、いい宿でしたなぁ。 「砂むし施設あり」 なんっすよね。 事前に配布された行程表にも明記されておりました。 やっぱ、旅先ではその土地ならではの名物を体験しないと! が、一人で 「砂むし」 というのは、ちょっとなぁ…。 ハードル、高いっすよね。 で、近くにいた野尻クンに、 「砂むし、どうしますか?」 と、問いかけてみたんっすが、「いや、別に。」 とか言われて、「 ・・・・・・ 。 」 宿にはまったく何の非もないんっすが、問題があるとすれば、遠過ぎ! 2日目の朝、ハウステンボスを出発して、ひたすらバスに揺られて、お昼頃、熊本城の近くに到着。 そこで飯を食って、その後、45分くらい自由時間があった気がするんっすが、熊本城を見に行くには微妙で、近くのお土産物屋と買い食い屋の複合施設みたいなところをウロウロして、熊本観光はおしまい。 その後、4時間ほどバスに揺られて、夕方、指宿温泉に到着。 で、翌日、 「西郷どん 大河ドラマ館」 という、めっちゃどうでもいいところに寄って、鹿児島観光は、それでおしまい。 で、鹿児島中央駅から新幹線に乗って、帰りました。 3日目と4日目、充実してなさ過ぎぃ! 恐らく、企画立案者が、指宿温泉に行ってみたい! 砂むしで、思い切り蒸されてみたい! そんな、熱い思いを持っていたに違いなくて、が、自力で行くのは大変だし、面倒だし、アレなので、職権を濫用して、無理やり今回の行程にねじ込んでやろう! そう、画策したに違いありません。 よかったっすな、夢が叶って。 僕のほうはレモンステーキを食べられなかったし、砂にも蒸されなかったんっすけど。 ま、それは企画立案者のせいではなくて、すべて、野尻クンが悪いんっすけど。

 で、時を遡ること30年。 高校の修学旅行が九州でした。 ここ 参照。 改めて読み直してみたらアレだったので、あまり深入りして欲しくはないんっすが、

 1日目 : 大阪南港からフェリー (船中泊)
 2日目 : 別府地獄−アフリカンサファリ−内牧温泉(泊)
 3日目 : 阿蘇山−草千里−水前寺公園 〜 島原グランドホテル(泊)
 4日目 : 長崎市内観光 〜 嬉野温泉(泊)
 5日目 : 帰宅

 そういった行程だった模様。 内牧温泉と嬉野温泉は何となく覚えているんっすが、島原なんか、泊まったっけ? まったく記憶にありませんな。 ま、いずれにしろ、塩サバ物産(仮)の旅行が無駄に九州を縦断する形だったのに対して、こっちのほうは九州の真ん中辺りを横断するルートで、さすがはプロが考えただけあって、無駄がなくて、中身が詰まっているな…と。 で、やっぱ、熊本市内は水前寺公園だけっすよね? 熊本城には行ってないっすよね? んなことで、今年の冬休みの旅は、ちょっくら熊本にでも行ってみるかぁ…と。 熊本城の天守閣も熊本地震の被害から立ち直って、中に入れるようになったみたいだし。 ということで、


< 熊本城だじょー (その1) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 熊本城。 ここ に城内マップがありますが、JRの熊本駅は街のはずれにあるので、市電、もしくはバスに乗って中心部に向かうことになります。 去年の秋、愛媛県の松山市に行ったんっすが、似たような感じでありますな。 新型コロナウィルスの影響で松山城に行くことが出来なかったんっすが、今年の正月の時点では収束ムードが高まっていて、みんな、浮かれまくっておりました。 年末年始の長期休暇と、続く 「成人の日」 の3連休に、浮かれて出歩きまくった結果、今のオミクロン株の惨状があるんじゃね? そんな気がしないでもないんっすが、熊本県の新コロ患者は1月29日で1,040人っすか。 大変なことになってますやん! こうなる前に、行っておいてよかったとも言えるんっすが、とりあえず熊本駅から市電に乗って、 「熊本城・市役所前」 という電停で下車。 そこから少し歩くと、 (写真・いちばん上) のような堀が見えて来ます。 堀、掘。 どっちが正解なんっすかね? 昔、エバラ製作所の下請けで排水機場のポンプを据え付ける工事をやっていて、下請けに堀田建設だか、掘田建設だかを使っていたんっすが、KYの用紙に堀田建設だか、掘田建設だかと書いたところ、エバラの監督に “×” を付けられて、漢字の間違いを訂正されたことがあるんっすよね。 細けぇオッサンやな。 そう、思わずにはいられませんでしたが、 熊本城・長塀の復旧完了 筋交いで補強も 。 ん? 堀でも、掘でもなく、塀? 手前に見えている水の部分が 堀、もしくは掘で、その向こうの壁の部分が塀。 そういうことだと思うんっすが、堀掘 (ホリホリ) 、塀塀 (ヘイヘイ)! そういえば、堀内 (ほりうち) ではなく、塀内 (へいうち) という野球選手がいた気がするんっすが、堀、もしくは掘、あるいは塀に沿って歩いていくと、(写真・上から2番目) の像が立っているエリアに到着します。 加藤清正っすか。 通称・カトキヨ、もしくは、清(きよ)ポン♪ 何でもいいけど、何やこの帽子? 「とんがり帽子のメモル」 かよ! いや、そんな可愛いものではありませんな。 このビジュアル、どこかで見たことがあるような…? 遠い記憶を呼び起こしたところ、あ、思い出しました。 何年か前のゴールデンウィークに、うちの近くのハウジングセンターに来たので見に行った 小島よしお やん! 清(きよ)ポンが、どうしてこんな “ごぼうの帽子” 、略して “ご帽 (ぼう) ” をかぶっているのか、その真意を計り知ることは出来ませんが、背を高く見せるため。 そんな説もあるみたいっすな。 背が低いのがコンプレックスだったんっすかね? シークレットブーツの違って、秘密感が皆無だったりするんっすが、調べてみたら、加藤清正の身長は六尺三寸と伝えられています。 これをセンチ表記にしてみると、約190cmくらいとなり、うんぬん。 めっちゃ、背、高いやん! セイタカアワダチソウも真っ青なんっすが、もっと背を高くして威圧してやろう。 もしくは、ゴボウをリスペクトしよう。 その、どちらかだと思うんっすが、で、そこから橋を渡って中に入ると、(写真・ちょうど真ん中) のような光景が。 熊本地震は2016年(平成28年)でしたっけ? もうすぐ6年になろうとしているんっすが、復興はまだ道半ば…。 当時の被災状況が ここ にあるんっすが、うわぁ、酷ぇぇぇ…。 直下型地震、震度7×2回の破壊力、半端ねぇ…。 うちの近くにも 養老−桑名−四日市断層帯 というのがあるので、他人事ではないんっすが、とりあえず、今日のところは、次。

 (写真・下から2番目)桜の馬場城彩苑 。 あ、ここ、会社の旅行で寄ったところでありますな。 当初は、ここと熊本城を1時間ほど見学した後で、昼飯。 そんな予定だったんっすが、時間が押していたのか、先に飯を食って、残った時間で桜の馬場城彩苑を散策。 熊本城まで行く時間は、ねぇ。 そんな感じでありました。 ちなみに昼飯は 城見櫓 というところ。 白身魚のフライを食ったんでしたか。 いや、白身櫓ではなくて城見櫓なので、そんなものはなかった気がするんっすが、普通に馬刺しとか、辛子蓮根とかを食べたような? で、普通に美味しかったような? お一人様で、お気楽に入れる感じではなかったので、もし、熊本城で昼飯ということになれば、桜の馬場城彩苑で買い食いということになったかと思うんっすが、 ちくわサラダ とか、売ってましたな。 接客にやや難のある 「地木悪役鮨馬浅四角」(仮名・ ここ 参照) なんかやめて、 “ちくサラ” にしたほうがよかったかも? が、時すでに遅し、お寿司、食ってしまったんっすよね。 ま、別にいいんっすけど。 ということで、このエリアは素通りして、 (写真・いちばん下)加藤神社 の辺りから。 熊本城城内に鎮座する加藤神社は熊本発展の礎を築かれたセイショコさん (加藤清正公) をお祀りする神社です。 あ、 通称・カトキヨ、もしくは、清(きよ)ポン、ちゃうやん。 セイショコさんって言うんっすか。 そんな、ちょっぴり麻原彰晃みたいなんでエエんか? そんな気がしないでもないんっすが、熊本市民がそれでいいと言うのなら、他人がとやかく言う筋合いはありません。 ちなみに麻原彰晃は熊本県八代市出身っすよね。 セイショコさんから名前を取った可能性もあり? ま、いずれにしろ、この加藤神社は、宇土櫓と小天守と大天守が並んでいる姿を撮影出来るスポットして知られております。 天守閣のほうは木に隠れちゃってますが、で、次。


< 熊本城だじょー (その2) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 (写真・いちばん上)小天守と大天守。 地震の被害から、復活。 綺麗だし、立派でありますなぁ。 で、(写真・上から2番目)宇土櫓 。 「熊本城って有名だけど、天守閣は再建じゃん。コンクリートじゃん。」 そんなふうに松山人あたりからディスられた時に、「あ、でも、熊本城には宇土櫓があるから!」 そんなふうに反撃出来る、熊本人の心の拠り所。 地震の影響で中に入れなくなっておりますが、幸い、本体のほうは概ね無事だったようで、堂々たる偉容を保っております。 続櫓の部分は全壊しちゃったみたいなんっすけど。 で、(写真・ちょうど真ん中)(下から2番目)(いちばん下) 。 大天守の最上階からの眺め。 大天守は確かに立派なんっすが、ぶっちゃけ、所詮はコンクリートの再建で、中身はただの博物館やな…と。 あ、でも、熊本城には宇土櫓があるから! 石垣も立派だから! で、ただの博物館でも、最上階からの眺めは見事だし、ま、いっかぁ…と。 で、熊本って、都会なんっすな。 思っていた以上に都会。 松山市と同レベルなのかと思っていたんっすが、人口74万人くらい。 九州では福岡市、北九州市に次いで、3番目。 九州・四国・中国地方で見ても、福岡市、広島市、北九州市に次いで、4番目。 岡山市よりも上。 やるじゃん! 九州新幹線が開通して、博多まで40分くらいで行けるようになったし、くまモンもいるし、もしかして桑名、ちょっと負けているかも? 人口は14万人くらいしかいないし、城跡にはパチモン天守すらないし、心の拠り所だった 「しぐれ城」 は晩年、九州ラーメン屋にまで落ちぶれた挙げ句、取り壊されちゃったし。 ま、あんなものなくても、 ギロチン工場 さえあれば生きていけるんっすが、で、続いて、


< 熊本城だじょー (その3) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 大天守からの眺めの続き。 で、後は 「おもてなし武将隊」 。 天守閣から降りてきたら、ちょうどショーが始まる時間だったので、ちょっくら見てみました。 総勢10名のうち、5名が出演して、ゴレンジャー状態になっておりましたが、モモレンジャーに相当する八十姫ちゃん、可愛ぇぇ♪ で、モモレンジャー役、小牧リサの ゴレンジャーの逸話 、上から2番目。 モモレンジャーに選ばれたのは、脚を出せる人が最大の条件であり、当時の小牧はいつもミニスカートだったので所属事務所がオーディション用にその写真を送ったことに始まる。しかしオーディションでプロデューサーに 「思ったより太腿が太い」 と言われたため、クラシックバレエで鍛えたY字バランスを披露したところ、驚いてしまったプロデューサーが一発合格にした。ピンクレンジャーでなくモモレンジャーと命名されたのも、小牧の太股からの連想で決まったものである。 当時、純真だった僕は、そんな目でモモレンジャーを見たことがなかったんっすが、改めて、じっくり見直してみなければなりませんな。 ま、それはさておき、「おもてなし武将隊」、なかなか面白かったっす。 鑑賞を終えたオッサンが2人、「これは子供が喜ぶわー。」 「確かに喜ぶわー。」 とか言って、互いに 「うんうん。」 と、頷きあっておりましたが、そっかぁ? どちらかというとオトナ向けだと思うし、少なくとも、決して子供だましなものではなかったんっすが、もし今後、お子様向けの演目も増やしていきたいというのであれば、ご提案が。 加藤清正役の兄ちゃんが “とんがり帽子” を被って 「ごぼうのうた」 を歌って踊るというのは、どうっすかね? 家の近くのハウジングセンターで生で見た限り、オトナの僕としては、ちょっとアレだったんっすが、子供には普通にウケてましたからね。 とまあそんなことで、今はオミクロン株が大変なことになっておりますが、落ち着いて、自由に遊びに行けるようになったら、みんな、熊本城へ GO!GO!GO!GO!GO!GO!ゴボウ!


 んなことで、今日はデクスター・ゴードンっす。 いいっすよね、デックス。 個人的にはロリンズよりも好きかも? ジャズを聞き始めた頃、定番の必修科目としてロリンズの 『サキソフォン・コロッサス』 (サキコロ)を聞いてみたんっすが、ぶっちゃけ、グラコロのほうが、美味しいんじゃね? …と。 冒頭の「セント・トーマス」 が、ちょっぴりお間抜けで、都会派アーバンな僕の趣向に、今ひとつ合致しなかったんっすよね。 で、当時、 『ラウンド・ミッドナイト』という映画が話題になっていたんっすが、ここで主役を務めたのがデクスター・ゴードン。 雑誌、スイング・ジャーナルで絶賛されておりました。 で、試しに 『ゴー』 というアルバムを買ってみたんっすが、これが、よかったっす。 特に冒頭の 「チーズ・ケイク」 が、たまらんっ♪ 以後、すっかりデックスにハマった次第でありますが、で、今日はそんなデクスターの 『ザ・ジャンピン・ブルース』 というアルバムを取り上げてみたいと思います。 1970年代のプレスティッジ盤で、名前が地味、ジャケットも地味。 特段、取り柄が見当たらない1枚なんっすが、面子は悪くありません。 ウィントン・ケリーサム・ジョーンズロイ・ブルックスというトリオ。 デクスターのバックは 『ゴー』 のソニー・クラークが至高だと思うんっすが、ケリーとの相性はどうなんっすかね? ヨーロッパに移住していたデクスター・ゴードンが、1970年にアメリカへ一時帰国した際に録音された作品。貴重なウィントン・ケリーとの共演録音である本作は、晩年のケリーの雄姿もとらえており、そういった意味でも評価が高いアルバム…とのことで、大いに期待が持たれるんっすが、んなことで、では1曲目から聞いてみることにしましょうかぁ。

 まずはデクスターのオリジナルで、 「エバーグリーニッシュ」 。 桑名に江場(えば)というエリアがあって、ミスタートンカチ (ホームセンター) や、一号館 (食品スーパー) 、町工場やハウジングセンター (小島よしお来店履歴あり) があったりする以外は、基本的にたんぼで、緑に溢れているんっすが、江場、緑っしょ? どんな曲なのかと思ったら、なかなかいい感じに仕上がっておりますな。 ファンキーというより、ほのぼのハード・バップって感じ? この場合の “ハード” というのは、ハードゲイとは違って、ソフトで洗練された。 そんな意味だったりするんっすよね。 ハードなのに、ソフト。 ソフトでも、ハードでも、コンタクトレンズを付けたまま♪ 昔、そんなCMがあった気がするんっすが、マイティアー・しーえる? ヨーロッパに移住していたデクスター・ゴードンが、うんぬん。 そんな先入観もあってか、何となくヨーロピアンな洗練さもあったりして、が、決してアメリカンなジャズのフィーリングが損なわれているワケではなく、オトナの男の余裕。 そんなものを感じさせる吹きっぷりだったりします。 で、テナーに続いて、ケリーのピアノ・ソロ。 ぶっちゃけ、全盛期に比べると、やや覇気がなくて、淡々とした感じなんっすが、枯淡の境地のマルコターン。 そういったアレでしょうか? 広貫堂の胃腸薬っすよね、 新マルコターンソフト 。 ソフトな感じが、いいな♪ …と。 途中からサム・ジョーンズのピチカートが目立つようになって、最後はテナーとドラムスのチョイスで軽く盛り上がって、でもって、小粋なテーマに戻って、おしまい。 いや、よかったな♪ …と。

 で、次。 歌物スタンダードの 「フォー・センチメンタル・リーズンズ」 。 デクスターのアルバムは全6曲入りで、2曲目と5曲目がバラード。 この構成が鉄板なんっすが、いいっすよね、この人の吹くバラード。 いわゆる “むせび泣く魅惑のムードテナー” 系の臭みがなく、淡々とした歌いっぷりが、たまらんっ♪ で、センチメンタルな理由って、何? …というのが不明なんっすが、歌詞の和訳は ここ 参照。 『およげ!対訳くん』 。 なかなか洒落たタイトルなんっすが、「感傷的な理由 (sentimental reasons) 」 は一体何なのか? そう、そこが疑問なんっすよね。 「浣腸的な理由」 なら、ま、便秘なんやろな。 …というので説明が付くんっすが、感傷的。 で、訳語を読んでみたら、何か、分かったような、分からんような…? 熱心に口説いているのは、よく分かったんっすが、ちょっとクド過ぎるような気も…。 その点、デクスターの口説きは、半ば冗談、半ば本気 (マジ) 。 そんな微妙な線を突いていて、秀逸であるな…と。 途中で聞かれるケリーのピアノもいい感じで、しみじみ。

 で、次。 「スター・アイズ」 「星の瞳」 っすよね。 めっちゃキラキラしてそうなんっすが、んーと、 これ 。 うわ、臭っ! こんなこと、真顔で言えるヤツがいたら、胡散臭さの極みなんっすが、何でもいいけど胡散臭いの “胡散” って、何なんっすかね? 何となく、胡瓜 (きゅうり) の有効成分を抽出した粉薬っぽいんっすが、 胡散臭いの語源・由来 。 なるほど、よく分かりませんな。 茶碗の一種で、黒の釉(うわぐすり)をかけた天目茶碗の 「烏盞(うさん)」 が転じて、 「胡散」 になったとする説があり、うんぬん。 確かに 『なんでも鑑定団』 の曜変天目茶碗とか、めっちゃ胡散臭かったっすもんね。 が、デクスターの演奏は本物で、ちょっぴりラテンのリズムに乗った、軽快なブロウを堪能することが出来るな…っと。 途中で聞かれるケリーのピアノも、ま、悪くはないな…と。 で、その後、サム・ジョーンズのピチカート・ソロがフィーチャーされて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 デックスが “スタ・アイ” 吹いたら、こんな感じやろな。 …と、想像していた通りの出来で、ある意味、裏切らないキャラっすよね。 で、次、 「リズマニング」 前回 のロリンズのアルバムにも2曲入っていたんっすが、テナー吹きって何故か、モンクの曲が好きだったりしますよね。 何故なのかは謎なんっすが、特にこの 「リズマニング」 は調子のいいナンバーなので、吹いていて、気持ちよかったりするとか? リズマニングの “リズマ” の部分が、ちょっぴり DJ OZMA (オズマ) だったりするのかも知れないし、理詰めじゃなくて、ネギマ。 そういうアレなのかも知れないし、で、演奏のほうはアレっす。 調子にいいテーマの吹奏から、そのままテナーのソロへ入っていくんっすが、順調、快調、絶好調。 いいじゃん、モンクの曲。 ちなみに、僕の持っている輸入盤CDには On the original LP, "Rhythm-a-ning" was incorrectly listed as "Straight , No Chaser." と書かれていて、ん? オリジナルLPには、違う曲が入っているんけ? …と思ったら、違いました。 オリジナルLPの上で、 「1回のningすることあたりリズム」 は 「まっすぐなチェイサーがありません」 として間違ってリストされました。 あ、間違えた曲名が記載されていたって事っすな。 ま、モンクの曲って、ごっちゃになって、名前が分からなくなることがあるので、しょうがないよね。 …といった、軽いノリで許されるべきではない重大なインシデントだと思うんっすが、ま、アメリカ人は適当なので、しょうがないっすよね。 他の人の曲としてクレジットされて、本来の作曲者に印税が入らなかったのならともかく、同じモンクだし。 というか、ちゃんと印税を払っているかどうかも疑問なんっすが、モンクって、あまり金のことで文句を言わなそうなキャラだし。 で、ここではケリーもそれなりに快調だし、終盤はテナーとドラムスの4バースで大いに盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。

 で、次。 「イフ・ユー・クッド・シー・ミー・ナウ」 。 タッド・ダメロンの曲なので、歌物スタンダードではなく、ジャズ・オリジナルなんっすが、数え切れないほど多くのミュージシャンによって演奏されていますよね。 もう、印税、ウハウハ。 うはははははははははは。 笑いが止まりませんな。 ま、ダメロン本人は1965年に48歳くらいでお亡くなりになってしまったので、到底、使い切れなかったに違いありませんが、つくづく、生きているうちに浪費するべきっすよね。 で、これ、原曲どおりバラードで演奏されていて、デクスターのアルバムは全6曲で、2曲目と5曲目がバラード。 この “鉄板原則” が堅持されております。 で、やっぱいいっすな、この人の吹くバラード。 テーマ部は過度に装飾せずに、ストレートに吹ききる感じ。 で、アドリブ・パートも倍テンポに走ったりせず、最後までスローで押し切るイメージ。 で、ここではテーマの後、まずはピアノのソロという流れなんっすが、ケリーの淡々とした弾きっぷりが涙を誘います。 で、続くテナーのソロは短めで、テーマに戻って、おしまい。 んなことで、ラストっす。 アルバム・タイトル曲の 「ザ・ジャンピン・ブルース」 。 作曲者として Jay McShann と Charlie Parker の名前がクレジットされておりますが、こういう場合のパーカーは怪しいっすよね。 いっちょかみして、印税の分け前を分捕ろうとしてるんじゃね? そんな疑念を持たれますよね。 んーと、 Jay McShann 。 いかにも善良で、簡単に騙されちゃいそうな顔をしているし。 ま、真相はサダカではないんっすが、曲そのものはシンプルで、どうこう言うようなものではなく、こんなのでも印税、貰えるんけ? …と言いたくなってしまうんっすが、アドリブの出発点としては最良で、極めて順調なデックスのソロを堪能することが出来るな…っと。 で、ケリーのピアノと、サム・ジョーンズのピチカート・ソロがフィーチャーされて、テーマに戻って、今日のところは、以上っす。

【総合評価】 いつものデクスターでした。 73点から92点の範囲内で、平均86点くらいはキープしますよね、この人。 ケリーの参加は “売り” になるようなレベルではありませんでしたが、貴重であるのは確かだし、ま、トータル84点くらいはあげてもいいかな? …と。 とりたててインパクトはないんっすが、平穏無事な日々を過ごしたい人には、オススメ☆


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