三の宮〜、泣いて別れた〜、小雨に〜煙る舗道〜 元町〜、泣いて別れた〜、雨に濡れた舗道〜♪
ポートアイランドで〜、5時に待ち合わせたわ〜、船は出て行くけど〜、貴方は、来なぁぁいぃぃぃぃ〜♪ (デレッデッデレ♪)
三の宮〜、泣いて別れた〜、雨に濡れた舗道〜♪
いや、いいっすな、森雄二とサザンクロス 。 何かこう、南十字星って感じで。 これがもし、森雄二と あほんだらトリオ4人組だったりしたら、なんかアホそう。 そんなイメージしか湧いてこなかったりします。 あ、 前回 参照。 どんな優れたリーダーの元でも即座にアホになれる魔法の合言葉なんっすが、森雄二って誰や? ホンマに優れたリーダーなんか? 知らない人にとっては、あまりピンとこないかも知れません。 確かに内山田洋とクールファイブに比べると、知名度の差は歴然としておりますが、あ、でも、あっちの洋(ひろし)は、ぱやぱや♪ …しか歌えないけど、こっちの雄二(ゆうじ)は、ちゃんと歌詞を歌えるから! 僕を含めて、よく知らない人の為におさらいしておくと、森雄二とサザンクロス は、森雄二をリーダーとする歌唱グループである。(中略)特色は、メイン・ボーカリストの菅野ゆたかが鼻にかかった独特の声質で、男女の別れ話を題材にした歌詞が多い。 雄二(ゆうじ)、メイン・ボーカルちゃうんかい! 「ウ〜〜〜、ウ〜〜〜、ア〜〜〜〜〜〜〜」と女声の声域でちりめんビブラートを効かせる要員かい! あ、でも、イントロ・間奏・エンディング等で流れる森雄二のレキントギターの音色も楽曲を彩る重要な要素である…って書いてあるし! やっぱ、森雄二がいてこその森雄二とサザンクロスっすよね。 森雄二がいなかったら、「とサザンクロス」 になっちゃうし。 いや、森雄二がいなかったら、「と」 もいらなくなっちゃいますか。
そもそも、どうして僕が森雄二にそこまで肩入れするのかというと、下の名前が僕の本名と同じだからなんっすが、でもまあ、漢字が違うので、そこまでの思い入れはなかったり。 で、どうして僕が、そこまでメジャーではない、ヒット曲に「意気地なし」「足手まとい」「好きですサッポロ」など…と、 “など” 扱いされている 「三の宮ブルース」 を知っているのかというと、『クラウンレコード1万円クイズ』で嫌というほど聞かされたからなんっすけど。 同じく、嫌というほど聞かされた北島三郎の 「風雪ながれ旅」 は聞かされ過ぎて、実際、嫌になってしまったんっすが、小学生受けする歌ではないっすからね、ありゃ。 ま、森サザ ( ←「森雄二とサザンクロス」の略)の歌が小学生受けするとも思えないんっすが、平易なメロディーと単純明快な歌詞が小学生の心に刺さる…ところまではいきませんが、左足の爪先をかすめた感じでありました。 ぶっちゃけ、大した歌詞ではないっすよね。 ただ、神戸の地名を言いたかっただけやん! …みたいな。 三の宮、元町、そしてナウなヤングにウケる新しい要素として、ポートアイランド 。 小学校の修学旅行で行きましたなぁ。 「蓋然性と緑あふれる国際色ゆたかなまち」をテーマに1966年より着工、1981年に「21世紀の海上都市」と銘打って街びらきが行われた。 小学校の修学旅行は1980年だったと思うんっすが、まだ街びらかれてない、ただの造成工事現場だったような? こんなところで待ち合わせても、貴方は来ないっちゅうの! 待ち合わせ場所の選択ミスっすよね。 ま、森雄二が歌った頃は、いや、メイン・ボーカリストの菅野ゆたかが鼻にかかった独特の声質で歌った頃には、もしくは、森雄二が「ウ〜〜〜、ア〜〜〜〜」な頃には、既に街びらかれていたのかも知れませんが、んーと、これ 。 1980年発売。 やっぱ、駄目じゃん!
で、神戸の地名を言いたかっただけやん! …というのが作詞の動機であるものと思われるんっすが、基本、三の宮と元町だけっすよね。 例えば石川さゆりの 「天城越え」 だと、
寝乱れて、隠れ宿、つづら折り、常連の滝ぃぃぃ♪ ( ← いちばんの盛り上がりポイント)
1番の歌詞だけで、4つの “名所” が登場します。 いや、寝乱れてと、隠れ宿は、ちゃうやろ。 そんな気がしないでもないんっすが、
わさび沢、隠れ径、小夜時雨、寒天橋ぃぃぃ♪
2番の歌詞は格下感が否めないものの、ここでも “名所” が4つ。 更に
走り水、迷い恋、風の群れ、天城隧道ぉぉぉ♪
更に無理矢理感が強くなってきましたが、それでも伊豆の “名所” 、怒濤の12連発っ! それに比べて神戸のほうは1番から3番まで 「三の宮」 と 「元町」 の2つしか出て来ません。 あとは次点として、ポートアイランド、ポートターミナル、ポートタワーの “ポート三兄弟” くらい。 ま、路線図 を見ても、新開地、長田、板宿、須磨、垂水。 “絵になる” 地名が見当たらないので、仕方がないんっすけど。 ということで、改めて( 前回 までの粗筋) 須磨離宮公園を散策した。 で、昼飯は三宮か元町の辺りで探すことにしました。 神戸くらいの都会になると、 一休レストラン で選り取り見取りだったりするんっすが、あ、「よりどりみどり」 って、こんな漢字を書くんっすな。 近寄ってくる人懐っこい緑色の鳥 = 寄り鳥・緑。 なんとなくそんな絵面が浮かんでました。 …なんてことはさすがに無いんっすが、「選り取り」 だと、えらりとり? せんりとり? …とか読んでしまいそうっすよね。 そういえば 『よりぬきサザエさん』 とかも恐らく 「選り抜き」 と書くのではなかろうかと。 よりぬき? えりぬき? どっちでもいいんっすかね? 「選り好み」 も、よりごのみ? えりごのみ? えらりすきみ? せんりこうみ? もはやワケがわからんのっすが、一休レストランから三宮か元町あたりで、お一人様でもランチを予約させてくれる店を、多くの中からかってに選び取ること (選り取り) と、見渡して多くの中からいいものを選び取ること (見取り) した結果、ここ がいいかな? …と。 神戸牛洋食アモナ (かみと・うしひつじぐい・あもな) 。 いや、違いますな。 三重県に神戸(かんべ)、岐阜県に神戸(ごうど)という地名があったりするんっすが、兵庫県は神戸(こうべ)。 で、羊(ひつじ)じゃなくて、洋(ひろし)。 あ、それも違いますな。 神戸牛洋食(こうべぎゅう・ようしょく)っすか。 いいっすよね、肉。 僕は肉にはちょっとうるさいんっすよね。 どれくらいうるさいのかというと、蓮花寺いずみ くらい。 肉肉肉肉肉肉肉肉肉ー! うるせぇ! 肉にうるさいと言えば僕がまだ名古屋の本社に勤務していたころ、昼飯は 「ちくわの磯辺揚げ」 が美味しい何とかという喫茶店か、あんかけスパの 「ドレスデン」 か、何か名古屋弁っぽい名前の居酒屋かのローテーションだったんっすが、何て名前でしたっけ? おそらく、うーんと過去に遡れば出てくる筈なんっすが、んーと、 これ ? あ、「揚げ物はなんでも卵でとじろ!」 がポリシーの店というのもありましたな。 が、ここは、何か名古屋弁っぽい名前の居酒屋とは別っす。 じゃ、 ここ ? あ、赤い風船! 「ちくわの磯辺揚げ」 が美味しい喫茶店は、そういう小っ恥ずかしい名前でありました。 が、ここは、何か名古屋弁っぽい名前の居酒屋とは別っす。 カフェ&バー「シーサイドクラブ」で洋風ランチ。 そういえば、そういう店もありましたな。 意外と選り取り見取りやん。 ていうか、名古屋の丸の内っすからね。 そう言えば 「名古屋・丸の内ランチガイド」 みたいなネタもどこかに書いたような? で、この、あんかけスパの 「ドレスデン」 という話。 極度のジャズ・ヲタじゃないと理解出来ないネタだったりするんっすが、
詳しくは ここ 参照。 これ、『TVチャンピオン』 の 「ジャズ王決定戦」 で出題される可能性が高いので、押さえておかなければなりませんが、『サンジェルマンのジャズ・メッセンジャーズ』 で、ボビー・ティモンズのソロの途中に感極まって 「Oh Lord have mercy !」 と叫んだのは、誰? …みたいな。 「えーと、えーと…、ヘイゼル? ・・・。 あ、ヘーゼルナッツ!」 ブブー。 そんな、ミックスナッツにも入ってないようなマイナーなナッツを、こんな肝心な時に思い出さなくても…。
あ、いりゃあせ! 思い出しましたぜ、何か名古屋弁っぽい名前の居酒屋の名前。 で、ググってみたら 例のページ が。 ランチメニューは5種類くらいあって、数か月で変わるようだ。 ただ、「すき焼き定食」だけはずっとあって、これが人気メニュー。 680円という値段の割にはまずまずである…と。 ある日、当時の津営業所の所長が本社に来て、みんなで一緒に 「素材屋」 へ昼飯を食べにいくことになりました。 わざわざ、エラい人が来てくれたんだから、ここは奮発しなければ。 「すき焼き」 とか、どうっすか? …というので、すき焼き定食(680円)を頼んだんっすが、その所長いわく、「ワシは松阪に住んどるからな。 牛肉にはうるさいんや!」 で、
すき焼きを一口食べて、「不味っ! こんな肉、食えんわ。」 場の空気がめっちゃ悪くなりました。 今日の教訓 : 肉にうるさいヤツには 「塩サバ定食」 でも食わせろ。 とまあそんなことで、神戸牛洋食アモナ。 一休レストランで予約出来るランチは 「アモナオムライスコース」 「ハンバーグ&ステーキコース」 「神戸牛ステーキ食べ比べコース」 の3種類。 中ではオムライスがお値段もお手頃で人気みたいなんっすが、 3,480円で、お値段もお手頃か? …と言われると、そこは考え方次第。 素材屋の「すき焼き定食」 なら、5日分食えるんっすが、たまの旅行でケチって 「不味っ! こんな肉、食えんわ。」みたいな事になってもアレだし。 ここのオムライスは卵がスフレになっているのが特徴らしいんっすが、何や、スフレって? 酸っぱいフレーク状? スフレ (仏: souffle) は、メレンゲに様々な材料を混ぜオーブンで焼いて作る、軽くふわふわとした料理。 ほぉ。 メレンゲって、卵白っすよね? このオムライスは普通に卵黄も入っているように見えるんっすが、メレンゲに様々な材料 = 卵黄を混ぜて焼いてる? ま、いずれにしろ、軽くふわふわとした料理であろうことは判明したんっすが、ということで、えーい、神戸牛ステーキ食べ比べコース (4,980円) 、いったれ! せっかく神戸まで行くんだし。 オムライスなら神戸(かんべ)や、神戸 (ごうど) でも食えそうだし。 この神戸牛ステーキ食べ比べコースは
■一口サイズのローストビーフ ■彩り7種のサラダ ■神戸牛のほっこりスープ
■神戸牛ステーキ部位食べ比べ 極上赤身(40g)& 別格希少部位(40g)
■十六穀米のライス ■本日のデザート ■食後の珈琲 or 紅茶
そういった内訳みたいなんっすが、極上赤身(40g)& 別格希少部位(40g)っすか。 ちょっと量的に物足りない気がするんっすが、これがハンバーグ&ステーキコースだと、500円ほど安いのに神戸牛ハンバーグ(120g)& 神戸牛ステーキ(80g)になるらしく、そこはまあ、ただの神戸牛と、極上赤身(40g)& 別格希少部位の差ではなかろうかと。 昼飯だから、量はそんなになくても、いっかぁ…と。 んなことで、須磨離宮公園を後にして、月見山駅から山陽電鉄に乗って。 途中、阪神神戸高速線という謎の鉄道路線を経由して、阪神大阪梅田駅まで直通で乗り入れている特急に乗って、神戸三宮駅? …だかで降りて、えーと、店はあっちのほうっすかね? 僕は極度の方向音痴なので、無事に辿り着けるかどうか心配だったんっすが、スマホのナビを頼りに歩いていくと…、おお、発見♪ 非常に分かりやすい場所でありました。 予想外に、あまりにもスムーズに到着してしまったので、適当にその辺をウロウロして時間を潰して、予約した時間の6分くらい前に入店。 5分前なら大丈夫だよね? でも、7分前だと、ちょっと早過ぎ? そんな気がしたので、6分前に入ることにしたんんっすが、すると、美人で可愛くて、しかも愛想のいいお姉さんが熱烈大歓迎してくれました。 お一人様に気を遣って? もしくは、隔離するため? 端っこの席に案内されたんっすが、隣のテーブルでは若いギャル2人組がオムライスを食べていて、若干、居心地が悪いな…と。 テーブルの上には既にカテゴリー? 加ト吉? えーと、何でしたっけ? カトラリー? …が用意されていたんっすが、ナイフ・フォーク・スプーンの他に割り箸もあったので、安心。 フォークの背中にご飯を乗せて食べるのって、ムズいんっすよね。 これ、絶対にご飯を乗せて食べるように設計されてへんやろ? そんな形状をしてますもんね。 箸があれば安心なんっすが、とまあそんなことで、まずは
ということで、今日はエリック・アレキサンダーっす。 前回、ローランド・アレキサンダーを取り上げたので、アレキサンダー繋がりということで。 ロー・アレのほうは、何となく名前を聞いたことがあるような気がしたので、それなりにメジャーなのかと思ったら、TVチャンピオンでジャズ王を目指すレベルのヲタにしか知られていないレア・キャラであることが判明したんっすが、このエリ・アレはというと、1968年8月4日、イリノイ州ゲイルズバーグ生まれ。6歳でピアノのレッスンを開始、クラリネット、アルトサックスを経てハイスクール卒業後にテナーサックスを始める。'91年にはセロニアス・モンク・ジャズ・コンペティションで銀賞を獲得。'92年には初リーダー・アルバム『Straight Up』(Delmark)を発表。以来、現在まで約80枚ものレコーディングを残す一方で積極的にツアーを行ない、“世界で最も多忙なジャズ・テナーサックス奏者”とも言われている。 ほぉ、僕と同い年なんっすな。 厳密に言うと、僕より5ヶ月ほど若かったりするんっすが、ガキじゃん! 若輩者じゃん! ここ に詳しく経歴が書かれているんっすが、要約すると、まだまだ若手でありながら、テナー・サックスのもつ伝統的で豊かなサウンドをも伝承する、素晴らしいミュージシャンである…と。 ほぉ、それは素晴らしいっすな。 で、今日はそんなエリック・アレキサンダーの 『マイ・フェイバリット・シングス』 というアルバムを取り上げてみたいと思います。 日本のヴィーナス・レコードの制作で、エリック・アレキサンダーがスイング・ジャーナル誌60周年記念特別企画で読者からリクエストを募集して日本のジャズ・ファンの為にレコーディングした作品。 ジョン・コルトレーンやソニー・ロリンズ、などテナー・ジャイアンツの名曲名演を取り上げた、ワン・ホーンによる夢のアルバム。 そういうアレらしいんっすが、うわぁぁぁぁ…。 マンハッタン・ジャズ・クインテット臭が半端ねぇ…。 こんな企画、考えるほうも考えるほうなんっすが、それに乗っかるエリック・アレキサンダーも大概っすよね。 銭か? 銭の為に、魂を売り渡したんか? ま、食っていくためには、やむを得ない選択ではあるんっすけどね。 ジャズだけで食っていくのは至難の業だし、稼げる時に稼いでおかないと。 で、これ、スイングジャーナル誌のゴールド・ディスクに選定されていたりします。 自分達で企画して、自分達で絶賛していたら、世話無いっすよね。 僕は当初、熱心なSJ信者だったんっすが、なりゆきわかこ先生の渾身のジャズ漫画を没にしたと聞いて、一転してアンチに転じました。 その漫画が ここ で読めたりするんっすが、ロリ声ほっこり系のわかこ先生、お元気っすかね? ロリ声は正義っすからね。 少なくとも 鳥越俊太郎 よりはソソられるものがあるんっすが、毎日新聞社の週刊誌 『サンデー毎日』 編集部に異動。在籍時に 「イエスの方舟事件」 が発生し、当時編集長の鳥井守幸の方針で主宰者の千石イエスを匿ったため、鳥越を含む編集部全員が犯人隠避で逮捕されそうになる。 うわ、最悪やん…。 編集長、「十万石まんじゅう」 で、千石イエスに買収されたんっすかね? 編集長、最低。 変な酋長よりも最低。 変なだけで、大して害はなかったりしますからね、変な酋長。 で、このアルバム、サイドマンは地味だったりします。 ピアノがデヴィッド・ヘイゼルタイン、ベースがジョン・ウェバー、ドラムスがジョー・ファンズワース。 僕が知らないだけかも知れませんが、誰一人として分からん…。 ま、言うたら、リーダーのエリック・アレキアンダーも個人的にはよく分かってなかったりするので、別にいっかぁ…と。 で、こんなクソ企画アルバム、中身も最低であるに違いないので、さっさと片付けて、有意義な日曜日を過ごさせて貰うことにして。
んなことで、まずは1曲目、 「シュガー」 。 スタンリー・タレンタインのオリジナルなんっすが、これ、選ぶか? いや、確かに名曲だし、日本では知名度も人気もそれなりだったりするんっすが、エリック・アレキサンダーに演奏して貰いたい曲をリクエストしよう! …という企画で、これ、思いつくか? リクエストの上位8位までを選んでみました! …とは、どこにも書いてないので、選曲にはプロデューサーの思惑が絡んでいるに違いありませんが、で、演奏を聞いてみたら…。 エエやん! めっちゃエエやん! エリック・アレキサンダーってジャケットを見る限り、顔が細くて、線も細いキャラのように思えるんっすが、クールなウェストコースト派みたいだったら、どうしよう…。 そんな心配とは裏腹に、悠然とした、ホットで、ほんのりドス黒いブロウをカマしてくれてました。 で、改めて聞くと、シンプルながら、そこはかとなくファンキーで、めっちゃいい曲っすよね、この 「砂糖」 。 スタンリー・タレンタインって日本ではカシューナッツと同じくらい過小評価されているんっすが、ヘーゼルナッツに匹敵するくらいイケてると思います。 で、ここでのエリ・アレのソロは、スタ・タレ準拠…というより、ほんのちょっとだけプレスティッジ時代のコルトレーン、略してプレ・トレーンが入っているような気がしないでもなく、が、全般的にはオーソドックスで分かりやすくて、日本で売れる術(すべ)を、よく弁(わきま)えているな…っと。 続くデヴィッド・ヘイゼルタインとやらのピアノ・ソロも良好で、…と、ここまで書いて、そういえばこれ、CDで買ったんだっけ…と。 日本語ライナーを活用しない手はないっすよね。 ジャズの世界に精通している岡崎正通クンが書いているんっすが、黒人の名テナー、スタンリー・タレンタインが70年、CTIに吹き込んだファンキーな名作。 エリックはオリジナルに勝るとも劣らないほどの押し出しをもつ、堂々たる吹奏に終始している。 随所にハーモニー解釈を織り混ぜながら、細やかなフレーズをスピーディに吹ききってゆくあたりは、いかにも今日的。 過去のジャズ・テナーのあらゆる伝統を呑み込んで、自身を表現していくエリックのプレイが聴きものになっているぞ…っと。 ピアノに関しては特に触れられていませんでしたが、その後、ベースの骨太なピチカート・ソロが出て来て、ファンキーなテーマに戻って、おしまい。 いやあ、よかったっす。
で、次。 「トリステ」 。 鳥を捨てちゃう悲しい歌っすよね。 “悲しみ” と題されたこの曲は、アントニオ・カルロス・ジョビンの手になるボサノヴァの名曲。 そういうアレだったりして、リクエスト曲として、頭に浮かぶか? …という問題は置いといて、日本人好みの人気曲であることは間違いないっす。 もしかしてこれ、予め何曲か候補を挙げておいて、そこから選ばせるシステムだったとか? それならプロデューサーやエリ・アレくんの意向も、それなりに反映されるだろうし。 で、ここでのエリック・アレキサンダーは、クールなボサノヴァのイメージを覆すかのように、あくまでもホットなエモーションを注ぎ込んだ情熱的な吹奏に終始する。 乗りの良いイントロからテーマ 〜 アドリブへと、複雑なフレーズをすさまじい勢いで吹きまくるエリックが、ほんとうに凄いぞ…っと。 確かにいいっすな、これも。 若輩者ながら、よくやってるやん。 そう、褒めてやっていいのではなかろうかと。 で、その後、ピアノのソロがあって、テナーとドラムスの絡みパートがあって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 いやあ、よかったっす。
で、次。 「ステラ・バイ・スターライト」 。 日本名 「星影のステラ」 っすな。 いかにも日本人が選びそうな曲っすな。 あまりにもメジャー過ぎて、個人的にそんなに好きな曲ではなかったりするんっすが、でもまあ、千昌夫の 「星影のワルツ」 よりは、全然いいよな…と。 ま、 “星ワル” も、あれはあれで、悪くはないんっすが、ステラおばさんのほうがクッキーを焼くのが上手そうだし。 で、演奏のほうはアレっす。 たっぷりした表情から豊かな香気が立ち込めてくるような、大人のバラードになっているぞ…っと。 で、次。 「マイ・フェイバリット・シングス」 。 これはアレっす。 リクエストの結果がどうあれ、最初から採用されることが決まっていたに違いない、そういうアレだったりします。 日本ハムのオールスターのファン投票と同じく、リクエスト葉書が細工されていた可能性も。 僕が子供の頃、うちのオカンが日本ハムの工場でパートしていて、その関係で日本ハム・ファイターズのファンクラブに入ったんっすが( ← 本当は近鉄ファン)、ある日、オールスターのファン投票の用紙が送られて来たんっすよね。 見ると、投手の欄には既に 「木田 勇」 と印字されていて、他の投手に投票する不正は許さないぞ! …っと。 ま、それ以外のポジションは空白だったので、別にいいんっすが、そんなズルをしてまでエリ・アレに演奏させたかった 「マイ・フェイバリット・シングス」 の出来映えはというと、素晴らしいっ! その一言であります。 コルトレーンが演ったように、3拍子のリズムに乗せて燃えるようなテナー・ソロを繰りひろげてゆく。 コルトレーンがソプラノ・サックスで吹いたモーダルなフレーズを、随所にテナーでよみがえらせながら、ヨイショっと。 あ、随所と聞くと、条件反射で 「ヨイショっと」 が出てしまうんっすが、何かに憑かれたようにパワフルに吹きまくるエリック。 まさにコルトレーンのスピリットをそのまま受け継いでいるかのような熱演が熱延鋼管だ。 あ、熱演と聞くと、条件反射で 「熱延鋼板」 が出てしまうんっすが、ということで、熱演は後半へ。
レコードならB面のトップであったであろう5曲目は 「エアジン」 。 トレーンの次は、ロリンズやろ…と。 これも最初から決まってたっぽいんっすが、「AIREGIN」。 タイトルは 「NIGERIA(ナイジェリア)」 を逆から綴ったもの。 あ、ホンマや。 ここ、TVチャンピオンのジャズ王決定戦に出題されるかも知れないので、押さえておかなければなりませんな。 で、演奏のほうは、コルトレーンとロリンズという、およそスタイルの異なるプレイヤーたちの名曲を、自身のスタイルで一気に演じきっているのも興味深いぞ…っと。 ここでもエリックはアップ・テンポに乗せ、凄まじいばかりのドライブをきかせて聴き手を圧倒する。 まさにメロディックかつパワフルなエリック節の魅力が全開!! といった感じの一曲であるぞ…っと。 いいっすよね、パワフル。 少なくともフルチンよりはいいと思います。 パンツ穿いてないと腰が引けて、力を出せませんからね。 ちなみに僕はフルチンよりも断然、フリチン派なんっすが、パワフルとフルチンで韻を踏ませる為、敢えてフルチンを採用させて頂きました。 で、これ、岡崎正通クンはサイドマンに関してはまったく触れない方針みたいなんっすが、ドラムスの人がめっちゃ張り切っているぞ。 …というのを付け加えておこうかと。 で、次。 「アズ・タイム・ゴーズ。バイ」 。 日本名 「時のたつまま」 っすな。 いかにも日本人が選びそうな曲っすな。 (前略) エリックの懐の深さが、よく出ているバラード演奏であるぞ…っと。
で、次。 「ラバー・マン」 。 これまた、いかにも日本人が選びそうな曲。 テナーではなく、アルトのチャーリー・パーカーのイメージが強いんっすが、感傷的なバラード。 しっとりとしたテーマから倍テンポになるスインギーな演出を加えて、(中略) ぞ…っと。 既に規定の30KBを超えたので、最後は駆け足になっちゃいますが、アルバムの最後を飾るには 「レイジー・バード」 。 ブルーノートの人気盤 「ブルー・トレイン」 に収めされていたジョン・コルトレーンのオリジナル (中略) ぞ…っと。 とまあそんなことで、今日のところは以上っす。
【総合評価】 作られた経緯はどうあれ、エリック・アレキサンダーの熱くてホットなジャズ精神なスピリッツは、微塵も損なわれていなかったぞ…っと。 当然ながら、演奏されている曲はすべて日本人好みだし、変に前衛に走ることなく、まだまだ若手でありながら、テナー・サックスのもつ伝統的で豊かなサウンドをも伝承する、素晴らしいミュージシャンであることが判明して、アンチ 「スイング・ジャーナル」で、投資ジャーナル派な人たちにも、オススメ☆