君はラーメンが好きかな? 僕はですね、うーん、まあまあ。 いや、決して嫌いではなく、普通に好きなんっすが、有名店に行列してまで食いたいかと言われると、そこまでは…。 所詮はラーメンなので、美味いと言っても、たかが知れていると思うんっすよね。 「うまい棒」 よりも美味いんか? …というと、恐らくそこまでは。 というか、「うまい棒」 よりも美味いものって、世の中にそんなに多くはないっすよね。 ステーキとか、焼肉とか、すき焼きとか、しゃぶしゃぶとか、唐揚げとか、豚カツとか、ハンバーグとか、寿司とか、天麩羅とか、海老フライとか、イカフライとか、黒はんぺんのフライとか。 よくよく考えたら 「うまい棒」 よりも美味いものくらい、いくらでもあるんっすが、あ、でも、黒はんぺんのフライはそれほどでもないから! 微妙だから! 黒はんぺんというのは静岡の名物なんっすが、普通の白いはんぺんと違って、黒いんっすよね。 何故、黒いのかというと、静岡名物「黒はんぺん」はなぜ黒い? そもそも「はんぺん」とは、スケトウダラやキントキダイといった白身魚を原材料にし、うんぬん。 あ、わかった! 黒はんぺんは 白身魚じゃなくて、黒身魚を原材料にしているから、黒いんじゃね? …と思ったら、違いました。 よくよく考えたら白身魚と赤身魚は聞いたことがあるんっすが、黒身魚って、聞いたことがないっすもんね。 黒身魚が無いのなら、クロミ を原材料にすればいいじゃない。 マリー・アントワネットだったら、そう言いそうなんっすが、静岡県民はその道を選びませんでした。 恐らく、サンリオに気を遣ったんでしょうな。 山梨県とは富士山の帰属問題で揉めているので、これ以上、山梨の王様 = 山梨王 = サンリオと、余計な軋轢を起こしたくない。 そんな思惑があったに違いありません。 クロミ肉練り製品とか、あまり美味そうじゃないし。 どくろマークの黒い頭巾とか、「どくいり きけん たべたら しぬで」っぽいし。 で、黒はんぺんは何故、黒いのか。 多くの人にとってなじみの深い「はんぺん(白はんぺん)」はスケトウダラなどの白身魚の魚肉を使っている一方で、黒はんぺんは静岡県で獲れやすいサバやイワシなどの赤身魚を使っています。 マジかよ? 赤身魚を使っているのに、黒い。 詐欺じゃん! 赤身魚を使っているなら、赤はんぺんを名乗るべきじゃん! が、実際のところ、赤身魚を使ったはんぺんは黒い…というか、灰色いので、赤はんぺんを名乗るには無理があったりするんっすが、ここで Wikipedia。(前略)また原料を骨ごと用いるため、舌に骨粉があたるざらざらした独特の口あたりがある。うま味成分を逃さないので、原料の魚本来の風味が強い。 そう、そこが最大の問題点。 サカナ臭いんじゃあああ! 鰯のつみれと、同レベルなんじゃあああ! フライにしても、そのサカナ臭さを隠しきれないんじゃあああ! 「うまい棒」とは比べるまでもなく、ま、「うまい棒・黒はんぺん味」 なんてのが出れば、割といい勝負をするかも知れませんが、それ以外のフレーバーには完敗。 恐らく、めんたい味にも勝てないのではなかろうかと。 個人的にタラコが嫌いなので、どうしても敬遠してしまうんっすが、食ってみたら意外とイケるんっすよね、めんたい味。 言うほどタラコの味、しないし。 からし味で、いいじゃん! そう、言いたくなってしまうんっすが、で、ラーメン。 いくら美味いと言っても、イクラほど美味くはないんじゃね? …というのが僕の感想なんっすが、いや、僕はタラコ同様、イクラも好きではないので、イクラが美味いとはぜんぜん思わないんっすけど。 イラン・イラク戦争ならどっちも応援しないけど、イラク・イクラ戦争なら、どっちも応援しない…みたいな。 中立っすな、僕。
美味いと言っても、たかが知れてる気がするラーメンなんっすが、まずいラーメンは、とことんまずいっすよね。 どれくらいまずいかと言うと、これ くらい。 どれもこれも、まずいなあ。 じつにまずい。 もっとだせ。 ちなみに、僕が今まで生きてきた中で、いちばん 「まずっ!」 と思ったのは、岐阜県の輪之内町にある某ラーメン屋。 悪口を書くので、具体的な店の名前は出しませんが、というか、今から20年以上も前の話なので、具体的な名前は忘れてしまったんっすが、店の入口の上のほうが黄色くて、気のよさそうな、顔がパンパンな店主の似顔絵が書いてあるところ。「こだわってまっせ」とも書かれておりました。 「輪之内町 ラーメン こだわってまっせ」 でググったら、一発でヒットしたんっすが、そうそう、そういう名前。 思い出しました。 フーテンがふらっと葛飾柴又の団子屋に帰ってきて、それを見たおばちゃんが、思わず発する言葉っすな。 今から20年以上も前、近くの排水機場で仕事をしていて、下請けのエンジン屋のおっちゃんと一緒に昼飯を食いにいくことになったんっすが、しばらく車を走らせて、「ここにしよか。ここでエエ?」 おお! 前からずっと気になっていたんっすよね。 本当に、看板のイラストみたいな顔の店主がいるのか、ワクワクしながら中に入ったんっすが、絵とは似てもにつかぬ不愛想な細面の店主が出てきて、がっかり…。 看板詐欺やんけ! ま、看板に書かれた絵が店主だとはどこにも書かれていないのでアレなんっすが、例えば「3匹のこぶた」という、豚カツ屋で、そのネーミングは、どうよ? …と言いたくなる店の看板には3匹の小豚のイラストが書かれていたんっすが、別にその小豚の3兄弟が店を切り盛りしているワケではないし、その事で店を非難する客もいなかったし。 大切なのは豚カツ、もしくはラーメンの味なんっすが、出されたラーメンがこれがまた、不味いというか、味がしないというか、スープにまったく出汁が効いてねぇ…。 どこをどう、こだわったら、こうなっちゃうんだか…。 出汁に頼らないスープに、こだわってまっせ! そういう事なのかも知れませんが、いや、そこは頼れって! 料理でいちばん、そこが大切なんだって! 不愛想で職人肌っぽい細面の店主なのに、やってる仕事はめっちゃ適当で、顔パンパンやんけ! 最近の口コミを見ると、普通に評判がよさそうなので、悔い改めたのか、あるいは僕のラーメンだけ、味の素を入れ忘れたのか。 ラーメンに美味いも不味いも、ないよな。 そんな風に思っていた、まだ若かった当時の僕に、不味いラーメンというのは、間違いなく存在する。 そう、知らしめてくれた寅ちゃん、ありがとう!
…とまあ、ラーメンの“名店”には、まったく興味がない僕なんっすが、ご当地グルメは食べてみたい派だったりします。 来週から広島のほうに遊びに行く予定なんっすが、広島と言えば、やっぱ、お好み焼きだよね。 …みたいな。 今まで何度か食べた結果、広島風のお好み焼きって、ぶっちゃけ、微妙じゃね? そんな感想を持つに至ったんっすが、それでも尚、捨てきれないという。 微妙だったのは、店のせいかも知れない。 当たりの店なら、もっと美味しいに違いない。 そんな望みを託して予約を入れた店は、関西風のお好み焼きが売りみたいなんっすが、でもまあ、ダイナマイト関西 、嫌いじゃないし! 関西なら借金をきっちり、完済してくれそうだし! 2泊3日の最終日の昼飯はそれでいいとして、残る2日の昼飯をどうするかなんっすが、目についた適当な店にふらっと一人で入ることが出来ない小心者なので、ネット予約出来ることが最低条件なんっすが、ただ小心なだけで、傷心旅行に出たり、焼身自殺を図ったりはしないから! 誰にも迷惑は掛けてないから! いや、別に傷心旅行に出て貰う分には何の問題もないんっすが、焼身自殺はマジ、迷惑っすからね。 ちなみに 僕の場合、小心であると同時に、昇進からも見放されているんっすが、僕より後から入社したヤングな若手がいつの間にか次長や部長になっていたり、支店長に出世したり。 責任のある立場に立たされるのは苦行以外の何物でもないので、公卿とか、お飾りの立場のほうが嬉しかったりするんっすが、昇進しないで昇給だけするというのが理想かと。 が、いつまでたっても昇給しないので、自主的に小休止を取ることにしているんっすが、何で給料が上がらんのや? 休んでばっかで、働いてないからか? なら、ま、しゃあないか。 そんな気がしないでもないんっすが、で、そんな小心者の僕は、ネット予約出来る店として、初日の昼飯は ここ を押さえることにしました。 呉麺屋カープロード店。 呉冷麺を食ってクレメンス。 そんな天の声が聞こえたような気がするんっすよね。 ほれ 。 いや、テンの鳴き声じゃなくて。 ちなみに僕は「ラーメンでも食うかぁ…。」と思って入った店のメニューに冷やし中華があるのを発見すると、「お! 冷やし中華にするかぁ♪」と、即座に前言を撤回しちゃうくらい、ラーメンよりも冷やし中華派だったりするんっすが、山下洋輔が結成した 全冷中 の趣旨に、諸手を挙げて賛成! …というワケではないんっすけど。 クソ暑い夏に食ってこそだと思うんっすよね。 夏に嫌というほど食ったソーメンも、10月に入ってからは、さっぱりだし。 夏に嫌というほど食った結果、嫌になっちゃったからなんっすが、冷やし中華も恐らく、食い過ぎて、秋には飽きる、あきる野市。 そんな結果に終わっていまうのではなかろうかと。
で、呉麺屋。 もう、すっかり秋だし、出掛ける先が安芸国(あきのくに)だし、飽きるんじゃね? そんな懸念を持たれるかも知れませんが、ぜんぜん大丈夫。 この夏、冷やし中華は4回くらいしか食っていないので、まだぜんぜん飽きてません。 むしろ、ソーメンの頻度を減らして、もっと冷やし中華を食えばよかったな…と。 ソーメンつゆを買ってしまうと、なるべく早く使い切らないといけないので、どうしても毎週ソーメンになっちゃうんっすよね。 でもまあ、毎日チクショーよりはマシだし。 そう、自分に言い聞かせて、この夏を乗り切ったんっすが、詐欺撲滅CM出演依頼が来たので50万円振り込んだら〜、詐欺でした〜。チクショー!! あ、ちょっとオモロイやん。 どうしたコウメ太夫。 どっか調子悪いんか? 何だか心配になってしまうんっすが、そもそも呉冷麺というのは、どういうものなのかというと、これ 。 太めの平打ち麺に甘酸っぱいスープが特徴。平打ち麺は冷やし中華には珍しいとされる。キュウリ、チャーシュー、エビ、ゆで卵などがトッピングされている。 エビ。 これまた、余計なものを…。 日清食品の安藤百福は、カップヌードルの具にエビを入れることにこだわったそうなんっすが、こだわってまっせ! その結果、エビ嫌いな僕はカップヌードルを避けて、いつもカレーヌードルを選ぶようになってしまったんっすが、エビとか、海老フライと、海老天と、海老カツと、海老よせフライ以外、食う気がしないんじゃああああ! 揚げろ! そう、思わずにはいられませんが、エビかぁ…。 それ、呉冷麺は必須なんっすかね? 呉麺屋の呉冷麺はどうなのかと思ったら、ほれ 。 エビやん! でもまあ、2匹だし、殻も剥いてあるっぽいから、何とか耐えられるかも? というか、この店、呉冷麺以外に、広島つけ麺もあるんっすな。 つけ麺。 そういう選択もアリかも?
1999年7の月、空から恐怖の大王が降ってくるだろう。 この、ノストラダムスの大予言の一節に恐れおののいた僕らの少年時代。 空から降ってくるのが “恐怖の大王” じゃなく、 “つけ麺大王” だったら、いいのに。 そう、願わずにはいられませんでした。 ま、空から “つけ麺” が降ってくるのも嫌なんっすけどね。 つけダレで、髪の毛とかベタベタになっちゃいそうだし。 いや、降ってくるのは “つけ麺” じゃなくて “大王” だから! 大王が空から降ってきて、手に持った麺と “つけダレ” を、頭の上にブチまけてくるだけだから! 大王の癖に、やることが何とも小者っぽいんっすが、そもそも広島つけ麺というのは、どういうものなのかというと、これ 。 関東地方などで広く知られるつけ麺とはやや趣が異なり、中華麺・チャーシューなどと共に、キャベツなどの茹で野菜やゆで卵が具材として添えられているのが特徴。つけだれもしょうゆベースのつけだれに唐辛子・ラー油・酢・ごまなどの入った辛口(激辛)のたれが基本となっている。 キャベツなどの茹で野菜っすかあ…。 エビみたいに嫌ではないんっすが、別段、嬉しくもないっすな。 で、つけだれが辛口(激辛)なのが最大の特徴である模様。 呉麺屋の場合、1辛から10辛まで選べるそうなんっすが、んーと、オフィシャルサイト。 え? 呉麺屋(ごめんや)なん? 今までずっと呉麺屋(くれめんや)と読んでました。 漢字変換する際も、くれ、変換。 めん、変換。 や、変換。 いっぺんに変換出来なくて、クソ面倒なんじゃああああ! …と、いちいちブチ切れておりました。 「ごめんや」 で変換すればよかったんっすな。 御免や。 駄目じゃん! ま、ゴメンと謝ってくれれば、くれめんでも、ごめんでも、別にどっちでもいいんっすが、ここを見ても、広島つけ麺に関しては、まったく触れられておりませんな。 ここ にはちゃんと書かれているんっすけど。店長おすすめ!せんじがら…なんてのもありますな。 広島のB級グルメとしてよく目にするんっすが、豚のホルモンを揚げた珍味なんだそうで。 珍味かぁ…。 基本、苦手なんっすよね。 大して美味くないし、むしろ変な味がすることが多かったりするし。 ま、誰も “美味” とは言ってないし、珍しい味だと自分でも認めているので、不味くても文句は言えないんっすが、ホルモンかぁ…。 基本、内臓系は苦手なんっすよね。 一言で内臓と言っても、人体には、いや、豚体には色んな臓器が内蔵されているんっすが、「せんじがら」は主に、豚の胃袋を揚げたものなんだそうで。 うわ…。 胃とか、イモータルで、胃もたれしそう…。 immortal 【形】 〔人が〕死なない、不死身の、不死の。 意味を調べてみたら、ぜんぜん関係なかったんっすが、とりあえず 「せんじがら」 は店長におすすめされても、丁重にお断りさせて頂こうかと。
で、この店、尾道ラーメンもあるんっすな。 ラーメンの“名店”には、まったく興味がない僕なんっすが、ご当地ラーメンは食べてみたい派だったり。 そもそも尾道ラーメンというのは、どういうものなのかというと、これ 。 (前略)醤油味ベースのスープに平打ち麺、トッピングに豚の背脂のミンチを乗せたものは朱華園で「中華そば」として提供されていたが、うんぬん。 それが基本形みたいなんっすが、豚さん、胃袋に続いて、今度は背脂まで…。 3匹の子豚は豚カツにされちゃうし、豚骨ラーメンでは骨の髄までしゃぶられちゃうし、不憫でなりません。 でもまあ、美味いから、しょうがいないっすよね。 食べられたくなければ不味くなればよかったのに、完全に生存戦略を間違ったとしか…。 それはそうと、背脂。 ラーメンに背脂チャッチャ…て、よく聞くんっすが、どうして腹脂じゃなくて、背脂なんっすかね? なぜラーメンに背脂なのか? こってり濃厚なラーメンといえば豚の背脂なくして語れない。 しかしこの背脂、他のアブラではダメなのか? 実はラーメン店が豚の背脂を多用するのには理由がある。 まず背脂は他の部位に比べて融点が低い。 そのため常温でも溶けやすく、口の中でとろけるような食感を生む。 また融点が低いということは、水にも溶けやすいのでスープとも馴染みやすい。 あ、なるほど。 腹脂や、浅香あき恵の鼻の脂 では駄目なんっすな。 で、尾道ラーメンはその背脂をチャッチャするのではなく、ミンチにして散らすのが特徴なんだそうで。 何というか、怖いもの見たさというか、ギトギトもの食いたさというか、一度、チャレンジしてみたいような気はしますな。 が、この店は広島市で、尾道ラーメンの “本場” ではないので、今回は大人しく呉冷麺にしておこうかと。 この店は広島市で、呉冷麺の “本場” でもないような気はするんっすが、ま、いいじゃん! で、尾道ラーメンは2日目に ここ で食べることにしようかと。 観光客に、この美味さがまだ浸透していないのか?観光客にバレていないおかげで行列に並ぶことなく尾道水道を眼下に見渡せる清潔な店内で尾道ラーメンが味わえます。 いいじゃん♪ が、小心者ゆえ、一人で店に入れる気がしないので、PayPayグルメ で予約を入れておきました。 オフィシャルサイト からも予約出来るんっすが、何故か日曜日は日替わり定食しか選択出来ないっぽいんっすよね。メイン・造里・小鉢・味噌汁・御飯・茶碗蒸しで、\1,000(税込\1,210)。 計算合わないし! もし、メインが黒はんぺんのフライだったりしたら、目も当てられないし! ま、尾道で、それはないと思うんっすが、広島にはちゃんとしたオリジナルの魚肉加工品があるし。 そう、がんす 。 これ、美味いんっすよね。 魚介類の類いが好きではない僕でも、余裕。 揚げ物は正義! ま、黒はんぺんは揚げても微妙なんっすが、癖の強い赤身魚なんか使うからや。 サバやイワシは、悪! で、このホテルのレストランには、 ほれ 。ラーメンがんすセットという、最強のコラボが。 うぉぉぉぉぉぉぉぉ! 広島に行くのがますます楽しみになってきましたが、んなこんなで、来週のこのコーナーの更新はお休みさせて頂くがんす…ので、ヨロシク☆
ということで、今日はタイニー・グライムスっす。 名前は聞いたことがあるんっすが、素性不明で、まったくソソられるものがありません。 まったくソソられるものがないので、今回が初登場なのかと思ったら、過去に一度だけ取り上げられておりました。 ほれ 。 隆の里がお亡くなりになりましたか。 相撲取り、早死にしますよね。 『つっぱり大相撲』 で育った世代としては、寺尾がお亡くなりになったのがショックなんっすが、『寺尾のどすこい大相撲』 。 あ、つっぱり大相撲、関係なかったっすな。 寺尾と言えば、突っ張りのイメージなので、ごっちゃになってました。 で、当時、ギター編の初っぱなにタイニー・グライムスを持って来たんっすな。 大昔のダサいキャラという印象なので、それで正解かと思われるんっすが、誰? …と聞かれても、僕にもよく分からなかったりするんですが、調べてみたらどうやら、4弦ギターを弾くオッサンのようです。 ほぉー。 普通のギターって、何弦? 5弦? 6弦? 琵琶は5弦っすよね。 正倉院に 螺鈿紫檀五絃琵琶 というのがありますよね。 あ! 今までずっと、螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんごげんのびわ)だと思っていたんっすが、螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ)だったんっすな。 言われてみれば、螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたん・ごげんのびわ)だと “六六” なんっすが、螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんの・ごげんびわ)だと “七五” で、こっちのほうが語呂がいいっすよね。 ちなみに琵琶。 古代において四弦系(曲頚琵琶)と五弦系(直頚琵琶)があり、後者は伝承が廃絶し使われなくなったが、前者は後に中国及び日本においていくつもの種類が生じて発展し、多くは現代も演奏されている。 あ、4弦のほうが一般的なんっすな。 じゃ、ギターも4弦で、いっかぁ…と。 で、タイニー・グライムス 。 1916年7月7日 - 1989年3月4日。 ちなみにチャーリー・クリスチャンが1916年7月29日なので、ほぼ同年代。 あちらは25歳で早死にしちゃったのに、こちらは72歳くらいまでは生き延びたんっすな。 ま、日本では早逝したほうが伝説化して、人気が高まる傾向にあるので、どちらがいいとも言えないんっすが、1943年から1944年までアート・テイタム・トリオのメンバー。 その後自身のバンドを率いて活動。 チャーリー・パーカーやビリー・ホリデイなど多くの一流ミュージシャンと共演やレコーディングを行った。 これは “伝説” と言っていい経歴なのではなかろうかと。 で、今日はそんなタイ・グラの 『サム・グルーヴ・フォース』 というアルバムを取り上げてみたいと思います。 1974年録音なので、当時57歳くらい。 ギター + ピアノ・トリオというシンプルな編成なんっすが、チャーリー・パーカーとも共演歴のあるジャズ・ギタリスト、4弦ギターのタイニー・グライムスが1974年にパリで録音した正統派ジャズ・作品! ロイド・グレンのピアノをバックにノリノリのグライムス節を聴かせる後期グライムスの大傑作! …なんだそうで。 グレン君始め、サイドマンは寡聞にしてよく知らん人ばかりだし、リーダーを含めて、あまり多くは期待が持てそうにないんっすが、ま、とりあえず聞いてみましょう。
、まずは1曲目、タイニー君のオリジナルで、「タイニーズ・ブギ・ウギ」 。 いきなり、ブギウギっすか。 ブギの女王・笠置シヅ子とか、ダウン・タウン・ブギウギ・バンドとか、日本でも人気っすよね、ブギウギ。 個人的には 「さくらブギウギ」 が好きなんっすが、さくら、咲いた咲いた、ブギブギ〜♪ 浮かれて、浮かれて、ブギブギ〜♪ 祭りだ、踊りだ、ブギブギ〜♪ 声を合わせて、ブギブギ〜♪ (中略) さくら、散る散る、ブギブギ〜♪ タイトルは 「さくらブギウギ」 なのに、最後まで一貫して「ブギブギ〜♪」としか歌わなくて、ウギの立場がないところが個人的に、ツボ。 で、このタイニーのブギウギも、シヅ子に負けず劣らず、ブギブギ〜♪ 古臭くてノスタルジックな雰囲気は、敢えて演出しているのか、ただの “地(じ)” なのか。 どうせダサいなら、ここまで振り切るのも、ひとつの手であるな…と。 タイニーのギターは和音と単音の切替のバランスがよく、グレン君のピアノもブギブギ〜♪ ギターのソロも終盤は大いに盛り上がっているし、ま、いいんじゃないっすかぁ? で、次。 「エブリディ・アイ・ハブ・ザ・ブルース」 。 ペーター・チャットマンという人の曲みたいなんっすが、「毎日、僕はブルースを持ってます」 。 いや、別に持たなくていいっす。 捨てて貰っていいっす。 個人的に、そう言いたくなってしまうくらい、ブルースっす。 基本、タイニー君のギターはシンプルなシングル・トーンなんっすが、時折、ジャカジャカジャカジャカ♪ …と掻き鳴らす辺り、ギターの弦って、4本あれば十分なんやな…と。
で、次。 「スインギング・ママ」 。 タイニー君のオリジナルなんっすが、グルーヴ感のある、なかなかの佳曲でありますな。 和音を活かしたギター・ソロの出来もよく、よかったな…っと。 で、次。 アルバム・タイトル曲の 「サム・グルーヴ・フォース」 。 これまた、グルーヴ感のある セイントフォー といった感じで、いいな…っと。 4人が4人とも、絶妙なバランス感で、微妙なんっすが、中では板谷祐三子がメガネっ娘フェチの人気を一手に引き受けておりましたな。 奈良の大仏(敬称略)が 動画 を上げてくれているんっすが、80年代、アクロバティックなダンス・パフォーマンスで異彩を放ったアイドル・グループセイントフォー。 おお、確かに。 ジャケットだと微妙に思えたルックスも、動いているのを見たら、普通に可愛いし。 で、この 「サム・グルーヴ・フォース」 も、セイントフォーに負けず劣らず、マケイン上院議員なんっすが、いいっすよね、マケイン上院議員。 「イン」で韻踏む、3連発。 で、タイニー君の曲はというと、カントリーな雰囲気で、アルバムのタイトルを背負うには、やや荷が重すぎる気もするんっすが、ま、いっかぁ…と。 アップ・テンポでノリがよくて、ギター・ソロの出来は悪くないし、ピアノのソロもフィーチャーされているし、で、最後は長尺な g→ds→g→ds の4バースで大いに盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 終わってみれば、ま、悪くなかったな…と。
で、次。 「ア・ファウンド・ア・ニュー・ベイビー」 。 ここ では 「A Found A New Baby」 と書かれておりますが、一般的には 「I've Found a New Baby」 というタイトルであるものと思われる歌物ナンバー。 日本では 「いい娘をみつけた」 という邦題で知られております。 いい娘は、いねぇが? ナマハゲが各家を探し回った結果、みつかったんっすな。 何よりだと思います。 で、「いい娘をみつけた」での、1940年のベニー・グッドマン楽団とのチャーリー・クリスチャンのギター・ソロは、ギター奏者が録音したとりわけ影響力のあるソロであると認められている。 この記載が気になるところなんっすが、 元ネタを見つけることが出来なかったので、どれだけ影響力のあるソロだったのかは、不明。 で、グライムスも恐らく、そのクリスチャンのソロに影響を受けた筈なんっすが、ここでの演奏は単純に、いいな♪ …っと。 シングル・トーンのよく歌うソロは、グラント・グリーンだと言われたら、普通に信じちゃいそう。 途中で 「スイングしなけりゃ意味ないね」 の一節を引用するなど、遊び心もあって、さすがは当時57歳くらい。 余裕のよっちゃんイカっすな。 終盤、ピアノとのユニゾンもイカしているし、エンディングもイカれているし、イカ三昧で、凄ぇぇぇ!
で、次。 「ティ・ナイン・シィ」 。 タイニー君のオリジナルなんっすが、あまりにもディープなスロー・ブルースで、個人的には、うーん…。 が、イントロと途中のソロで聞かれるグレン君のピアノは悪くなくて、ここまでグレずに、真面目に生きてきた甲斐があったな…と。 途中、ローランド・ロブリゲオス? …とかいう人の、重苦しいベースのピチカート・ソロがフィーチャーされて、最後のギター・ソロはテンポがぐーんと速くなって、大いに盛り上がって、よかったな…と。 で、次。 「レスター・リープス・イン」 。 レスター・ヤングが書いたシンプルな曲なんっすが、アドリブの素材としては最適で、ギター、ピアノの両人が、はっちゃけまくったソロを披露してくれてます。 終盤、ギターとドラムスの掛け合いも大盛り上がりで、いいな♪ …っと。 で、次。 ここから3曲は、恐らくCDオマケではないかと思われるんっすが、 「シッド・ウェスト・エンド・ブルース」 は、スローでディープなブルースで、ま、無視してもいいかな? …と。 次の 「リル・ダーリン」 は有名な曲なので、ま、聞いてやってもいいかな? …と。 もっさりしたテンポで、ちょっとアレなんっすが、元々がそういうアレっすからね。 ま、雰囲気はよく出ているな…と。 で、ラスト。 「スインギング・ママ」 の別テイク。 んなもん、無視! 即座に切り捨てようかと思ったんっすが、ん? すいんぎん、まーま、すいんぎん、まーま、なんちゃーらー♪ すいんぎん、まーま、すいんぎん、まーま、なんちゃーらー♪ なんちゃらー、かんちゃらー、すいんぎん、まーまー♪ いぇーい! 何と、渋いボーカル入り。 続いて出てくるギターとピアノのソロの出来もいいし、ん? 何故かテナー・サックスのソロまで。 そういえば、テーマ部でも “歌” とユニゾっていたんっすが、アドリブ・パートではソウルに溢れまくったブロウを聞かせ、で、再登場のギター・ソロを挟んで、歌なし、テナー主導のテーマに戻って、フェイドアウトして、おしまい。 あまりにも謎の多過ぎる “別テイク” なんっすが、思わぬ儲けものだったのは確かで、でもって、今日のところは以上っす。
【総合評価】 最初のブギウギが出て来た時は、やっぱりかぁ…。 そんな諦めの境地だったんっすが、そこから徐々に持ち直しました。 で、中盤以降は、なかなかの出来。 おっさん、やるやんけ! オマケの “歌入りママ” も楽しくて、終わりよければ、すべてよし。 んなことで、よかったっす☆