MWANDISHI (WARNER BROS.)

HERBIE HANCOCK (1970/12/31)

MWANDISHI


【パーソネル】

EDDIE HENDERSON (tp,flh) JULIAN PRIESTER (tb) BENNY MAUPIN (b-cl,a-fl)
HERBIE HANCOCK (el-p) BUSTER WILLIAMS (b,el-b) BILLY HART (ds)
LEON CHANCLER (ds,perc) RON MONTROSE (g) <#1> JOSE "CEPITO" AREAS (conga,timbales) <#1>
【収録曲】

(01-03) OSTINATO / YOU'LL KNOW WHEN YOU GET THERE / WANDERING SPIRIT SONG
【解説】 ( 2013年08月25日更新 / 連載 1,089回 )

 北近畿に行ってきました。いいですよね、北近畿。 個人的にキンキ (←カサゴ目カサゴ亜目フサカサゴ科の魚) はあまり好きではなかったりするんですが、北近畿にはちょっぴりソソられる観光スポットが、まあ、ちらほら。 北近畿タンゴ鉄道なんてのも走っていたりするし、タンゴール (←柑橘類の雑種の呼称の一つ。主に 「ミカン」 と 「オレンジ」 の交雑種のことを指す。) が好きな僕としては、丹後をゴールにするしかないな。 そんな気がしたので、行ってみることにしました。 2泊3日の旅だったんですが、初日の行程は こんな感じ 。 メインは宮津の花火大会であります。 今年の夏、どこかへ花火を見に行こうと考えて、いろいろ計画を立ててみたんですが、真っ先に頭に浮かんだのは8月15日の諏訪の花火大会。 一人で泊まれるお手軽な宿が確保出来なかったので断念したんですが、今年の諏訪の花火はゲリラ豪雨と雷で中止になったみたいですな。 高速道路や鉄道が止まって、帰宅難民が発生した模様でありますが、いやあ、行かなくて大正解。 で、その替わりにお盆休み時期の北近畿の花火大会を当たってみることにしたんですが、候補の中に 「ドッコイセ福知山花火大会」 も入ってました。 名前がダサ過ぎて、都会派アーバンな僕の嗜好にそぐわないのでヤメにしたんですが、結果、ベビーカステラの屋台大爆発の大惨事。うーん。。。 もし 「ヤットコセ福知山花火大会」 というカッコいい名前だったらよろこんで見に行ったかも知れず、その結果、僕が被害に巻き込まれていたかも知れず、うーん。。。 人の運命なんて、どこで何が幸いしたり、災いしたりするか分かったものではありませんが、とまあそんなこんなで、宮津に到着〜。


< 宮 津 散 策 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 行程表にある 「だんせん」 というのはアレです。吸引力の変わらない、ただひとつの掃除機…ではなくて、 これ 。 「カレー焼きそば」 というのが宮津のご当地グルメらしいので、押さえておこうという魂胆なんですが、このコーナーでも以前、ネタにしたことがありましたよね。 ここ 。 花火の話も出て来ます。 諸般の事情により、ここに書いた 「余花の宿 花笑舞」 というのは捨てて、 「料理旅館 坂元家」 に泊まることにしたんですが、ま、その話はおいおい書いていくとして。 で、この 「カレー焼きそば」 というの、大きく分けてドライ、ウェットという2つのタイプがあるようですが、ウェットのほうはカレーラーメンにしか見えなくて、焼きそば感があまりにも希薄であるように思われるので、却下。 で、ドライ派の代表格であるらしい 「だいせん」 に行ってみようかな? そんなふうに思っていたんですが、で、行ってみました。 ほれ 。 何だか凄く入りにくそうな空気が漂いまくっていたんですが、やっているのか、やっていないのかよく分からなくて、うーん。。。 やっていたとしても一人で入るには勇気を要する雰囲気だし、ま、今回はパスっすかねー? カレー焼きそばなんて、所詮はカレー味の焼きそばだし、無理してまで食べるほどの物でもないし、別に悔しくなんか無いっ! ちなみに会津にも 「カレー焼きそば」 があるようなんですが、こっちは “カレーのルー&焼きそば” なんですな。スゲぇ微妙。。。 こういうのって商工会が勝手に盛り上がっているだけで、地元民は冷めているような気がするんですが、桑名の 「くわなめし」 とかも、無理やり感が半端無かったりするしー。 ま、宮津の 「カレー焼きそば」 は、それなりに地元にも根付いた根津甚八だったりするのかも知れませんが、自分の家で 「日清焼きそば」 にカレー粉をまぶして食うから、いいっ! というか、普通に 「日清焼そばU.F.O. スパイシーカレー」 とか、売っているんですな。 U.F.O. だと、微妙にウェットタイプになっちゃいそうで、ちょっと嫌なんですが、とまあそんなこんなで、とりあえず宮津市内を散策してみました。

 (写真・いちばん上) は、川のところが城壁っぽくなっているエリア。 最近になって整備された模様ですが、白壁〜、青空、南風〜♪ いいですなぁ、爽やかで。 ま、この日は風もなくて、ただただクソ暑かったんですが、で、(写真・上から2番目〜ちょうど真ん中〜下から2番目)「カトリック宮津教会」 っすな。 日本で2番目に古い天主堂なんだそうで、じゃ、いちばん古いのはどこかのかというと、長崎の大浦天主堂。 1865年 (元治2年) に建立されたそうです。 対する宮津のほうは明治29年なので、んーと、1896年っすか。 元治と明治では、格が違うよね。 そんなふうに思っていたんですが、意外といい勝負でした。 そのまま明治村に移築しても、そこそこやっていけそうなんですが、後ろから見るのと前から見るとでは随分と印象が違って、なかなか凝った造りとなっていたりします。 残念ながら中は撮影禁止となっていて、でもまあ、誰も見てないからいっかぁ。 そんなふうに思ったりもしたんですが、天知る、地知る、チルチルミチル。 ブラジル、豚汁、恋する、セシル。 神様に見られていて、後で天罰が下って、上から熱い豚汁が降ってきたりしても嫌なので、大人しく自重することにしました。 めっちゃ洋風な建築なのに、中が畳敷きになっているのが斬新。 で、ステンドグラスがめっちゃ綺麗♪ で、ステグラは入口の下駄箱のところにもあったんですが、ここはまあ、内部じゃないから撮影しても大丈夫だよね? 天罰が下るにしても、腹が下るくらいで納まるんじゃないかと思うんですが、で、続いては (写真・いちばん下) 。 「旧三上家住宅」 でありますな。 白壁がとっても綺麗なんですが、周囲に電柱が建っていて、電線も走りまくったりしているので、写真を撮るには今ひとつ。 余計なものが映り込まないようにアップにしてやると、まあまあそれなりだったりするんですけどー。 で、350円払えば中にも入れる模様ですが、今回は時間の都合もあって、パス。 で、続いて 「キセンバ港館」 に向かいます。 ミソンバ! (ミソミソ) 、カニッパ! (カニカニ)、 キセンバ! by ジェームス・ブラウン。 ここに立ち寄ったのは、 「丹後でダンゴ」 を買うのがサブで、 「天橋立・伊根湾フリー」 という切符を買うのがメインの目的だったんですが、ダンゴのほうは係の人が奥のほうに引っ込んだままで、まるで商売っ気が感じられず、何だか気楽にダンゴを買える雰囲気ではなかったのでヤメにして、で、丹後海陸交通株式会社の宮津案内所のほうはと言うと、電気が消えていて、誰もいなくて、まったくヤル気なし。 このフリー切符、僕のプランでは金額的に元が取れそうにはないんですが、バスに乗るたびに小銭を用意したり、中で両替したりするのが面倒なので、是非とも押さえておきたかったんですが、うーん。。。 で、結局、ミップルというショッピングセンターで 「いわし寿司」 を買って、近くの公園で食べることにしたんですが、ま、これも一応は宮津の名物だったりしますからね。 何年か前に来た時にもこれを買って、けっこう美味しかった記憶があるんですが、今回もまあ、そこそこでありました。 カレー焼きそばとかダンゴとか、んなもん、邪道っすよねー。 宮津と言えば、いわし寿司。 今回もまた堪能することが出来て、最高っす♪ とまあそんなことで、宮津散策の軌跡はこちら。

  【宮津散策の軌跡】 (←Click Here!!)

 ミップルの2階がフードコートになっていて、テラ眺めのいいテラスがあったりするんですが、 こんな感じ 。 花火大会の日は、予め抽選だか、買収だかで選ばれた人だけがテラスに入れる模様ですが、外の地べたの部分は早いもの勝ちで何とかなりそうな感じです。 場所取り状況は12時過ぎの時点で こんな感じ 。 ミップルの駐車場にもまだ空きがあるようでしたが、料金体系は こうなって おります。何か買物をすれば1,000円で止められるみたいなので、まあまあ良心的? 次の日の朝まで止めておけるかどうかはサダカではなくて、多分、駄目だと思われます。 隣接する 「パーキングはままち」 のほうは大丈夫かと思われますが、ただし花火大会の時の料金は不明。 今回、僕は天橋立を挟んだ反対側に宿を取っていて、花火鑑賞船も押さえてあるので安泰なんですが、宮津の陸地で見るとなると、 こんな感じ になる模様です。 柵が邪魔っすなー。 もう少し駅に近いほうには有料観覧席があって、そっちのほうだと大丈夫なのかも知れませんが、とまあそんなこんなで、宮津の散策は以上っす。 で、この後は 「伊根湾めぐり遊覧船」 というのに乗って、 「舟屋の里公園」 というところを覗く予定になっているんですが、それには 「天橋立・伊根湾フリー」 があれば便利なのにぃ。。。 諦めきれずに再度、キセンバを覗いてみることにしたんですが、おおっ、丹後海陸交通株式会社の宮津案内所に電気が付いていて、お姉さんの姿も見えるやんっ!  ちらっと目が合ったので、これでもう大丈夫だと思っていたら、お姉さんは奥に引っ込んでしまって、ああん。。。 そのうちにまた前のほうに出てきて、ちらっと目が合って、今度こそ大丈夫だと思ったらまた姿が消えて、そういうのを3回ほど繰り返しているうちに、さすがにお姉さんも僕のことが気になったのか、受付のガラス窓を開けて、 「何か御用ですかぁ?」 と声を掛けてくれました。 「フリー切符、欲ちい♪」 その旨を宣告して、無事に確保することが出来ました。 どうやらお姉さんはランチに出かけていた模様で、お昼休みに切符を買おうとする人は注意が必要なんですが、ま、昼メシを食うためなら窓口を一時閉鎖するのも止むを得ませんよね。他に代わりの人もいないみたいだしー。 もし、お姉さんが今日のお昼に 「だいせん」 でカレー焼きそばを食ったとするなら、それはちょっと許せない気もするんですが、周囲にカレー臭が漂っていたワケではないので、ま、たぶん大丈夫なのではなかろうかと。


< 伊根湾めぐり遊覧船 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 ということで、 「伊根」 っす。 花火大会の開催日だからなのか、あるいはお盆シーズンだからなのかは分かりませんが、宮津から天橋立方面に向かう道路は大渋滞。 予定より30分以上も余計にかかって、綿密なプランニングのうち、 「舟屋の里公園」 に行くというのは諦めなければならなくなりました。 “Facebook” に伊根ネタを投稿して 「いいね!」 を押して貰うのが夢だったのに、ああん。。。 ま、別に遊覧船だって伊根だし、“Facebook” なんかやってないから別にいいんですが、で、この遊覧船がですね、思った以上に楽しかったっす。 ぶっちゃけ、舟屋そのものは距離が遠過ぎてあまりよく分からなかったりするんですが、餌に群がるカモメたんが、凄ぇぇぇぇぇ! 餌 = かっぱえびせんの小袋は乗り場の売店で100円で売られておりまして、その価格設定に納得の行かないオバサンは自分のクルマに戻って、自前のおやつ = かっぱえびせん大袋を持ってきたりしておりましたが、とにかくまあ、凄い数のトリが船を追いかけてきて、その辺を飛びまくります。 動きが素早いので写真に撮るのが難しいんですが、連射機能を駆使したおかげで、なかなかいい感じにトリ撮りが出来て、満足♪ とまあそんなことで、遊覧船の軌跡はこちら。

  【伊根湾めぐり遊覧船の軌跡】 (←Click Here!!)



 で、バスに乗って天橋立方面に戻って、 「神社前」 というところで降りて、本日の宿にチェックイン。 前述したとおり、 「料理旅館 坂元家」 というところであります。 一の宮桟橋を出港する花火鑑賞船に乗るのに便利な立地、素泊まりプランで時間の制限を受けずに身動きがとりやすい。 その2つのポイントで選んだので、それ以外の点に関してはまったく何も期待していなかったんですが、ぶっちゃけ、わざわざ別枠の 宿ネタ で取り上げるまでもないレベル。 超年季入りまくりのレトロな昭和宿。 外から見ると こんな感じ 、もしくは こういった 様相。 で、お部屋は これ 。 ま、ぎりぎり許容範囲かな? そんな気がしないでもないんですが、窓から見える外の景色が これ 。 分かりにくいと思われるので、別の角度でお見せすると、 ほれ 。 酷ぇぇぇぇ。。。 何の銭にもならない素泊まり一人客なので、差別されて最下層の部屋を宛がわれたとしか思えないんですが、ま、ちょっぴりお高い部屋になったところで、似たようなものではないかと思うんですけど。 便所は共同なんですが、レトロな内装には似つかわしくないウォッシュレット付きだったし、部屋に便所はなくても洗面台だけはあったし、小さいながらも一応は温泉らしい浴場もあったし、ま、純粋に寝るだけだと割り切っちゃえばこれで十分なんですけどね。 ちなみにお値段は6,300円。 ちょっとお高い気がしないでもないんですが、花火大会特別料金だったりするのかも知れなくて、ま、やむを得ないかなと。 で、オフィシャルサイトの写真を見る限り、売れない演歌歌手と、そのマネージャーという様相を呈していた女将と旦那でありますが、実物はちょっと違いました。 といっても、めっちゃ売れてる演歌歌手のように見えたわけではなくて、普通のお姉さんっぽかったんですが、着物を着てなかったからでしょうな。 愛想は悪くないほうだったし、ま、いいんじゃなかろうかと。


< 傘松公園&花火鑑賞船乗船 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 で、花火鑑賞船の集合時間 (16時50分) には、まだちょっと間があったので、とりあえずケーブルカーに乗って傘松公園に上ってみることにしました。 何年か前に会社の慰安旅行で来たことがあるし、だいたい景色も想像できるので、さほどソソられるものはなかったんですが、天橋立・伊根湾フリーにケーブルもしくはリフトの代金も含まれるので、少しでも元を取らなければなりません。 ま、ここまで来て、一度も天橋立を上から覗かないというのもちょっとアレだしー。 ちなみにこのケーブルカー、夏休み期間中は18時までの営業なんですが、花火大会の日は22時半くらいまでやってるみたいです。 距離はかなり遠いんですが山の上からでも花火は見えるらしく、で、眺めのほうはというと、 (写真・いちばん上〜上から2番目) を参照。 もうちょっといい感じに夕暮れるのかと期待してたんですが、ただ単にボーっと霞んでいるだけでありますな。 花火はちょうど、いちばん上の写真のど真ん中くらいから上がることになると思うんですが、やはりちょっと距離がありますなぁ。 で、公園には何ヶ所か展望台があるんですが、基本、そんなに代わり映えがするワケではなく、滞在時間が10分ほどしかなくて、どうか? そんな懸念を抱いていたんですが、飲み食いとかしなければ余裕。 逆にちょっと物足りなかったりするので、時間に余裕があるならバスに乗り継いで 成相寺 まで足を延ばしたほうがいいかもー? 更にその先、 パノラマ展望所 なんてのもあったりするみたいだしー。 とまあそんなことで、ケーブルカーに乗って、下山。 店でちゃんとメシを食う余裕は無さそうなので、宿の隣の 「にしがき」 というスーパーで ばら寿司と鶏の唐揚げ を買って、阿蘇海 (←天橋立によって日本海の宮津湾から仕切られてできた内海) を眺めながら食うことにしました。 諸般の事情により、有名店の 「ばら寿司」 を食べるという企画をプランの中に組み込むことが出来なかったんですが、パチモンとは言え、一応は地元の名物らしきものを食うことが出来て、満足。 カレー焼きそばよりも、ばら寿司っすよね、やっぱり。 ちょうどいい感じに夕日も沈みかけてくれたし、そこそこ納得の行くディナーであったと評価していいのではなかろうかと。

 で、いよいよ花火鑑賞船に乗船。 で、出発。 一の宮桟橋にはツアー客が2組ほど来ていて、こいつらと一緒なのかとちょっぴり不満だったんですが、奴らは自前の船を用意しておりましたので、まったく問題無し。 花火がよく見えるベストな乗船位置を確保出来るのかが心配だったんですが、客の入り込み具合は (写真・下から2番目) の感じで、ぜんぜん余裕でありました。 乗った人全員に手摺りが宛がわれるレベルで、これなら花火の写真撮影も何とかなるかもー? こんな時間に遊覧船に乗ったのは初めてなんですが、風が涼しくて気持ちがいいし、花火鑑賞船プランを選んで、大正解だったかもー? そんな期待に胸を高まらせながら、とまあそんなことで、この続きは、また次回♪

 ということで、今日はハービー・ハンコックっす。 めっちゃメジャーっすな。 あまりジャズに詳しくないギャルだって、名前くらいは聞いたことがあるかも知れませんが、ただ、今日取り上げるアルバムはめっちゃマイナーだったりします。 ハービーが自分のリーダー作で普通にアコースティックなピアノを弾いているのって、基本的には初期のブルーノート盤くらいしか無かったりするんですが、それらはすべて出し付くしちゃったんですよねー。 個人的には 「ザ・ヘッドハンターズ」 みたいな路線も嫌いではなくて、エレピを否定する立場にはないんですが、ぶっちゃけ、真面目にレビューする気になれる作品というのが、あまり思い浮かばなかったりします。 とまあそんなことで、 『エムワンディシ』 。 1970年の録音で、ハービーくんの髪型がアフロになっちゃうところから数えて、3〜4年ほど前になろうかと思われるんですが、ジャケ絵を書くのが簡単そうだし、全部で3曲しか入ってないし、微妙に風邪気味っぽくて、今ひとつヤル気がでない今日の僕にとっては、適当に片付けるのに相応しい1枚なのではなかろうかと。 『エムワンディシ』 って、英語っぽくないし、日本語っぽくもないタイトルなんですが、その正体はスワヒリ語なんだそうで、ハービー本人がこの作品では “エムワンディシ” を名乗ったりしております。 ちなみに 「作曲家、作家」 という意味なんだそうで、サイドマン各位にもそれぞれスワヒリ名が宛がわれている模様ですが、何かヘンな宗教に嵌まっちゃいましたかね、ハービー。 夢枕に大日如来が立ったのはもうちょっと後の話だったと思うんですが、この当時はアフリカにかぶれちゃってたんでしょうか? ちなみに参加者各位の通常名はエディ・ヘンダーソンジュリアン・プリースターベニー・モウピンといったところ。 普通にジャズをやれば、地味にハードな新主流派風になりそうな感じですが、果たしてどんなサウンドが展開されているのか、あまり期待しないで演奏を聞いてみることにしましょう。

 1曲目、 「オスティナート」 。 無論、作曲家のエムワンディシくんが作ったものと思われるんですが、70年代に黒人解放運動を進めた活動家のアンジェラ・デイヴィスに捧げたナンバー。ベースが定型ビートを、打楽器がアフリカン・ビートを刻む中、砂糖大根ビートが炸裂。 そういうアレのようですが、ハンコックが自由なアイデアによるキーボード・ソロを繰り広げており、大地と宇宙が一体化したようなスケールの大きいサウンドを現出する。 そう、日本語ライナーで杉田宏樹クンが絶賛しております。 補足として個人的な意見を述べさせて頂くと、出だしの部分はショーターの 「スーパーノヴァ」 っぽい雰囲気? で、その後、バスクラのモウピンとベースのバスター・ウイリアムスが単一フレーズをしつこく繰り返す中、エディ・ヘンダーソンのトランペットが電化マイルスっぽく響いて来るという、そういう仕上がりだったりするんですが、思ったよりも普通に新主流風サウンドな印象だったりして、意外と悪くなかったりするかも? で、その後、ハンコックが自由なアイデアによるキーボード・ソロを繰り広げるの部、登場。 なるほど、確かにコイツは大地と宇宙が一体化しちゃってますな。 鈴木大地とザクット星人の間に生まれた子供っぽいというか、ザクッとしているようでいて、実はめっちゃハイテンションだったりして、いやあ、やっぱりハービーは凄いっすなぁ。 で、その後、モウピンのバスクラ・ソロが登場します。 この人、ヘッドハンターズでのアフロな見た目のおかげで、日本では低く見られがちなんですが、コアなジャズの世界でもきっちり聞かせてくれたいして、あなどれません。 …というほど、きっちりとしたアドリブが展開されるワケではなかったりしたんですが、以下、バスクラとベースの反復フレーズをバックに、ハービーが地味に絡むパートがしばらく続いて、でもって、おしまい。

 で、次です。  「ユール・ノウ・ホエン・ユー・ゲット・ゼア」 。 トランペットのソロと、モウピンのフルートを含む幻想的なムードを演出するサウンドが、マイルス・デイビスや初期ウェザー・リポート、あるいは後のジャコ・パストリアス・ビッグバンドさえも想起させて興味深いソーキそば。 そんな仕上がりとなっております。 さほど美味しくはなかったりするんですけどね、沖縄のソーキそば。 石垣島だかのわりと有名らしい店で食べたんですが、何だか味にパンチが無くて、ぼやけた感じで、うーん、今ひとつ。 好みで 「島唐辛子の泡盛漬け」 を入れたりするようなんですが、それを怠ったのが敗因? ミミガー = 豚の耳がぁぁぁ。 そんなゲテモノっぽいのもあったりするし、沖縄料理ってぶっちゃけ、ちょっと微妙っすよねー。 で、演奏のほうはというと、これはアレです。 確かにちょっぴり電化マイルス、もしくはウェザー・リポートっぽい雰囲気? ジャコ・パスのビッグバンドとやらはよく知らんのですが、基本、ゆったりしたテンポで、ミステリアスで、味噌照り焼き。 そんな世界が展開されております。 エディ・ヘンダーソンのトランペット、モウピンのバスクラの順で、ちょっぴり地味なソロがフィーチャーされて、で、その後、エムワンディシ君のエレピが登場。 これまた、今ひとつ盛り上がりに欠ける嫌いがあったりするんですが、でもって、おしまい。

 ということで、ラストっす。 やっぱり全3曲だと勝負が早いっすなー。 その分、1曲あたりの演奏は無駄に長くて、 「ワンダリング・スピリット・ソング」 は21分30秒もあったりするんですが、冒頭で 『ビッチェズ・ブリュー』 に通じる世界観を示し、静かなムードを保ちながら進行。 …って、さっきのがまだ続いているのかと思ってしまうほど、似通った雰囲気で、何だか地味地味。 これで20分超えとか、水戸拷問としか思えなかったりするんですが、そうこうするうちにジュリアン・プリースターが降臨して、朗々としたトロンボーン・ソロを披露して下さいます。 ま、ほとんど事態は好転しなかったりするんですが、そのうちに参加者各位が入り乱れるフリー・インプロビゼーション風になって来て、この時点で残り時間は約10分。 もう十分だ。よく頑張った。もう休め! そう言いたくなっちゃうんですが、ここでモウピンが俄然ヤル気を見せ始めて、フリーキーなバスクラ・ソロに突入。 その後、前衛なフリーと、地味なジミー大西を何度か行き来して、御大のハンコッくん、登場。 クール過ぎるエレピ・ソロで、最初のうちはぜんぜん盛り上がらなかったりするんですが、彼ならきっと何とかしてくれる! そんな期待が高まったりもしたんですが、この時点で残り時間は約15秒。 で、そのまま終わってしまって、とまあそんなことで、今日のところは以上です。

【総合評価】 1曲目がそこそこ悪くなかったので、ちょっと期待しちゃったんですが、2〜3曲目はさほど良くはなかったっす。 ま、それはあくまでの僕の好みの問題でありまして、やってる本人からすると、超自信作だったみたいですけど。 94年の時点のコメントで、私が今までに作ったレコードの中でも、特に気に入ってる1枚だ。これまでで一番自由に作った作品だよ。どの曲にもコードがない。メロディを演奏したら、みんなが行きたいところへ行ける。うんぬん。 「自由」 というのも、良し悪しであるな。そう思わずにはいられませんが、ま、本人が気に入ってるなら他人がとやかくいう筋合いはなくて、さやえんどうの筋でも取ってろ。 …とまあ、そんな1枚でありました。


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