THE KENNY DORHAM MEMORIAL ALBUM (XANADU)

KENNY DORHAM (1960/1/10)

THE KENNY DORHAM MEMORIAL ALBUM


【パーソネル】

KENNY DORHAM (tp) CHARLES DAVIS (bs)
TOMMY FLANAGAN (p) BUTCH WARREN (b) BUDDY ENLOW (ds)
【収録曲】

(01-03) STAGE WEST / I'M AN OLD COWHAND / SONG OF DELILAH
(04-06) BUTCH'S BLUES / STELLA BY STARLIGHT / LAZY AFTERNOON
(07-09) TURBO / WHEN SUNNY GETS BLUE / SIX BITS
【解説】 ( 2013年12月01日更新 / 連載 1,101回 )

 “B−1グランプリ” でしたなぁ。毎年、必ずここで取り上げているんですが、今回は秋旅レポ (3回シリーズ) と被ってしまって、完全にタイミングを逸してしまいました。 今さら感が半端無かったりするんですが、他に書くネタも無いことだし、ということで、さ、頑張りましょう。 ちなみに今年は豊川での開催でありました。 豊川ってどんな所? …という疑問に関しては ここ を見て貰うとして、豊川と言えば、稲荷っすよねー。 日本三大稲荷のひとつでありますか。 他にはどこがあるのかというと、伏見稲荷と、祐徳稲荷と、笠間稲荷と、瓢箪山稲荷と、千代保稲荷と、草戸稲荷と、祐徳稲荷…などなど。 三大稲荷の癖に無駄にたくさんあるんですが、伏見稲荷が稲荷界の第1位、すなわちイナリワンであって、豊川がイナリツー、で、スリーの座を他の雑魚どもであらそうという、そういう図式のようです。 ちなみに競馬馬のイナリワンの名前の由来は、大井競馬場近くにある穴守稲荷に由来するものなんだそうですが、懐かしいですなぁ、穴守稲荷。 今から12年ほど前、エバラの安全講習会で近くまで行きました。 ちょうど “9.11同時多発テロ” が発生した日だったんですが、ま、詳しくは この辺り を見て貰うとして。 穴守稲荷に立ち寄ったのかどうか、既に記憶にはありませんが、とまあそれはそうと、B−1グランプリ。 稲荷と言えば、いなり寿司、もしくは変態仮面でありますが、当然、豊川でも こんな隊 が活躍したりしております。 B−1関連の団体って、どうしてこうもセンスがないダサい名前を付けたがるのか、その真意を測りかねるものがあったりするんですが、美味しそうですなぁ、いなり寿司。 うちのほうでは 「あげ寿司」 と言ったりするんですが、大好きなんですよね。 豊川のいなりは食べたことがないんですが、伏見稲荷に行った時にはちゃんと買って食べました。 三角形なんですよね、あっちのは。 その他、スズメの焼き鳥というのも伏見稲荷の名物だったりします。 イナリンは五穀豊穣を願う神様。 米を食うスズメたんは、ここでは害鳥扱いで、焼かれて食われる羽目になっちゃうワケですが、見た目がグロいので、まったくお薦めは致しません。 僕も遠慮させて頂いたんですが、名前はちょっぴりグロイラーなんだけど、見た目がぜんぜんグロクナイラーなブロイラーの焼き鳥で、じゅうぶん。

 で、ウチからわりと近い千代保稲荷、通称 「おちょぼさん」 が、日本三大稲荷の座を狙っているとは知りませんでしたが、ここの名物は、どて煮と串カツだったりします。 神社って、ぜんぜん精進しない宗教結社だったりするようなんですが、個人的に 「どて」 はあまり好きではないので、串カツの一択。 味噌か ソース、どちらかを選べるシステムになっております。 個人的に味噌カツって、別に嫌いではないんですが、ここの串カツ (味噌) は駄目です。 どて煮の味噌をそのまま流用しているので、どての味が染み出しまくり。 どて煮、串カツ (ソース) 、同 (味噌) と、3つも選択肢があるのに、1つしか食えなくて、何だかちょっと損した気分になっちゃうんですが、好き嫌いは別にして、こういうのこそ、本当のご当地B級グルメという感じがして、いいっすよね。 対して、B−1グランプリに出てくるのは、大会の為に新しくでっち上げたようなのが少なくなくて、何だかちょっと興ざめなんですが、キャビアの親? …って、それは興ざめではなくて、チョウザメっすな。 ちなみにチョウザメはサメ科 (軟骨魚綱板鰓亜綱) ではなく、硬骨魚類に属する別の生き物なんだそうですが、その事実を知らされたチョウザメは 「俺、サメじゃなかったんすかぁ。」 と嘆いて、さめざめと泣いておりました。 世の中、知らないほうがいい事って、たくさんあったりするんですが、で、今年のグランプリの結果はどうだったのかと言うと、 ここ を参照。 優勝は 「なみえ焼きそば」 っすかぁ。 何だかもう、焼きそばを出しておけば、鉄板。 そんな感じになってきちゃいましたが、ま、焼きそばを出すには鉄板が欠かせないので、当然と言えば当然なんですけど。 2位の 「十和田バラ焼き」 も鉄板が必要だろうし、うたごえサークルの鉄板は 「俺らの空は鉄板だ」 だし、だしと言えば、出汁からしっかり作るような料理は数がはけなくて不利だろうし、ま、個人的にモツ系はあまり好きではなかったりするので、焼きそば系が1位になったのは悪くない結果だという気がします。 同情票だとか、震災ジャッジだとか、出来レースだとか、いろいろ叩かれているようですが、ま、いいんじゃないっすかぁ? どうせ僕とは何の利害関係もない話だしー。

 で、3位は 「勝浦タンタン麺」 っすか。 僕は子供の頃、今ひとつ、タンメンとワンタン麺の区別が付いていない少年だったりしたんですが、最近はそこにタンタン麺というのも出て来たりして、ますます混乱に拍車が掛かってますよね。 勝浦のタンタンメンは、当地の海女さん・漁師さんが寒い海仕事の後に、冷えた体を温めるメニューとして定着してきました。 ま、それなりに謂われや歴史があるようなんですが、同じように海女さんや漁師さんや鳥羽一郎さんを輩出した鳥羽では、そんなメニューはぜんぜん定着してなかったりするんですけど。 あの辺りのご当地グルメというと、伊勢うどんとか、てこね寿司といった辺りですかね? 同じ三重県の住民でありながら、北のはずれに棲息している僕は、社会人になって仕事で鳥羽や志摩のほうに行くようになるまで、その存在をぜんぜん知らなかったりするんですが、存在と言えば 「ぜんざい」 が7位に入賞しておりますな。 出雲がぜんざい発祥の地だったとは、今の今まで知りませんでしたが、出雲と言えば、10月は神在月。 で、神在 (じんざい) 餅というのが振る舞われるようになって、じんざい → ずんざい → ぜんざいと、五段活用した。 ほぉ。 一応は納得のいく話ではありますなぁ。 「ぜんざいを、ぞんざいに扱うな。」 そんな家訓が残っていたりするかも知れないし、ぜんざいを食い過ぎて、全財産を散在。 で、盗みを働いて、斬罪。 そんな人が存在するかも知れません。 で、順位は戻りますが、第4位が今治の 「焼豚玉子飯」 。 今年の春、しまなみ海道のほうに遊びに行ったんですが、諸般の事情により、これを食べることが出来なくて、今でも悔いが残っております。 ご当地グルメ大好き・花子っすからね、僕。 本当にその地に昔から根付いているものなのか、あるいは最近になって適当にでっち上げられたものなのか、余所者には分からなかったりするので、一応、名物と呼ばれているものは、あまり好きではないサカナ系だって、一応は押さえることにしているんですよね。 で、焼豚&目玉焼きなら、不味くなりようがないので食べるのを楽しみにしていたんですが、 こんなの 食っちまったぁ。。。 じゃこカツレモンラーメンっすな。 ま、じゃこ天とか、じゃこカツというのも、あの辺りの名物ではあるんですが、いや、普通に考えれば焼豚玉子飯なんかよりも遙かに歴史があるような気がするんですが、いかにも観光客向けな店で、じゃこカツの上にレモンの切れ端が乗ったラーメンなんか食ってしまって、地元民から馬鹿にされること必至。 いや、馬鹿にされるならまだしも、同情されたりすると、ちょっとやりきれません。 桑名で 「桑名(食わな)コロッケ」 とか食べてる観光客を見掛けたら、すげぇ複雑な気分になると思うしー。 普通にコンビニとかでも売ってる 「アサリのしぐれ煮」 のおにぎりが実は東海地方限定らしいし、アサリの時雨は桑名人も昔から普通に食べていたりするので、地味にオススメかもー?

 ということで、続いては第5位。 「久慈まめぶ」 。 去年まで存在すら知られていなかったのが、いきなりのランクイン。 どうやら、 「あまちゃん」 のおかげらしいですな。 見ていなかったのでぜんぜん知らないんですが、 「おかずかおやつか分からない微妙な食べ物」と紹介されたんだとか。 これ っすな。 親指サイズの小麦粉団子に黒糖と胡桃がはいった 「まめぶ」 。 確かにおやつっぽいですなー。 遠足の前日に 「まめぶはおやつに入りますかぁ?」 と尋ねたら、 「入る!」 とヒットラーの親衛隊に即答されちゃうレベル。  で、まめぶ汁は、そのまめぶをゴボウやニンジン、焼き豆腐なんかと一緒に、煮干しと昆布の出し汁に入れて煮た食い物なんだそうですが、うーん…。 こうなると、完全におかずでありますな。 何と言うか、お雑煮にアンコ餅を入れちゃう香川県民と同じ匂いがします。 食べてみたいかと言われると、うーん…。 でもまあ、人間には怖いもの見たさとか、臭いもの嗅ぎたさとか、不味いもの食べたさといった心理があったりして、いや、不味いものはあまり食べたくないような気もするんですが、微妙なレベルならちょっとチャレンジしてみたいような気も? それがテレビのドラマでやってたとなると、ますます食べてみたくなっちゃうし、 「まめぶ」 という名前も何だか可愛いし、 「豆と豚肉…の、汁?」 とか、勘違いして頼んじゃう人もいるだろうし、そんなこんなで、ま、納得の5位でありますな。 来年、どこまでこの勢いを維持できるかが勝負であると言えましょう。 で、第6位は 「三崎まぐろラーメン」 。  何年か前に三崎にいった時は、当然マグロを食べることにしたんですが、普通にマグロ丼を食べました。 結果、めっちゃ普通のマグロであるな。 そういう感慨を抱くに至った次第でありますが、どうせならラーメンという手もあったかも? これ っすか。 2007年に誕生って、パチモン臭が半端無いんですが、一応は 「復活」 と謳っているみたいですけどね。 が、こういう “ルールブック (笑) ” を作っているところはどうにもヤラセ臭が強過ぎて、駄目っすな。 進化した証明としてメニュー名の最後にバージョン2、U、2号などが付けられている。 ここ、笑うとこっすよね? 調べてみたらある店では、みうらーめん → みうらーめんUと進化して、今では三崎まぐろラーメンというのに退化したってるしー。 素性は同じくらい怪しいものがあるんですが、 「三崎まぐろソースかつ丼」 のほうがいいかもー?

 で、第8位。 愛知県高浜市の 「とりめし」 。 そういえば、そんな市もあったっけ? 隣県に住んでいながら、それくらい存在感のない市だったりするんですが、とりめしが名物だというのも初めて聞きましたな。 これ っすか。 今から約100年前、明治37年の日露戦争の時に従軍した加藤弥七さんが、にわとりの孵化技術を…云々。 歴史と謂われはしっかりしてますな。 それが 「学会」 となると、途端に胡散臭くなっちゃうんですが、地元の豊川のいなり寿司は投票からは除外させるシステムなので、地元票が無難そうなコイツに集まったんですかね? “ホームタウン・ディシジョン” というか、“師について学問や技芸の教えを受ける人は、弟子じゃん” というか、“うま味成分を含む汁状の調味料は、出汁じゃん” というか、そういうのが働いたのかも知れません。 ま、師匠から技を受け継いだ弟子が、きちんと出汁をとって廃鶏をとりめし化しているのであれば、まったく問題はないんですけど。 で、第9位は 「田川ホルモン」 。 個人的に内臓は食べたくないぞう。 モツはもうお腹いっぱいというか、お腹が減っていてもあまり食べたくはなかったりするんですが、ということで、第10位。 あー、桑名の天敵、 「四日市のトンテキ」 が上位に来てるやんっ! ま、確かに昔から名前の知られた食い物ではありますからなぁ。 とは言っても、ビーフステーキ = ビフテキが高くて食えないから、牛 (ビフ) の代わりに豚 (トン) でごまかした貧乏人の敵…いや、貧乏人の味方のテキ。 そんな印象だったりして、これが四日市の名物だと言われるようになったのは、わりと最近であるような気がするんですけど。 桑名の 「しぐれ煮」 とは歴史が違いますよね。 あの松尾芭蕉の高弟の各務支考 (←誰?) が命名したんだとか。 もしくは、江戸初期の歌人、鳥丸光広 (←同じく、誰?) がネーミングしたという説もあるようですが、いずれにしろ江戸時代から続く伝統食であるには違いなく、ぽっと出のトンテキなんかとは比べものにもなりません。 発祥は四日市市内の中華料理店「來來憲」 (らいらいけん) である。とんてきは同店の看板メニューであったが、当時は四日市名物として意識されることはなかった。2005年(平成17年)秋に四日市市職員の研修会で、豚肉のステーキに光を当てようと四日市大学の小林慶太郎准教授が発案したことが、ご当地グルメとしてPRしていくきっかけとなった。 パチモン臭っ! 四日市はもともと 「ぜんそく」 で超有名なんだから、わざわざ 「とんてき」 なんかで町おこししなくてもいいのにー。 「ぜんそく」 に全速力で取り組めばいいのにー。 そういうことを言うと、ぜんそくで苦しんでいる患者さんからクレームが来そうなんですが、僕も子供の頃はぜんそくに苦しんだんですよねー。 学校も1年の3分の1くらい欠席しちゃうくらい。 結石で欠席したことがないのは何よりでありますが、「四日市とんてき」は、単なる豚のステーキではなく、 分厚い豚肉をにんにくと一緒に濃い目のたれでソテーし、たっぷりのキャベツの千切りをそえた料理で…云々。 ま、普通に美味そうですからね。 上位に入賞したとしても、ま、不思議ではありません。 準ホームタウンの弟子じゃんとかも、あっただろうしー。

 B級グルメではいつも桑名は蚊帳の外なので、正直ちょっと悔しい思いもあったりするんですが、でも大丈夫。 “ゆるキャラグランプリ” のほうでは、わりと健闘しましたぜぇ! …という話を書こうとして、行数稼ぎに“B−1”を前フリにした結果、それだけで何とかなっちゃったので、夢見るはまぐりの女の子の話は、また次回♪

 ということで、今日はケニー・ドーハムです。 お嫁にゆくなら石田家にどう?ハム造り一筋30年。 関サバ師匠作 (?) のジャズ俳句の名作でありますな。 俳句と呼ぶにはあまりにも字余り過ぎるし、よく考えたら石田家である必然性がどこにもないような気がするんですが、30年って、あまり大したキャリアでもないような気がするしー。 大垣の 吉田ハム なんか、1935年の創業なので、ハム造り一筋78年くらいなんですが、ま、ソーセージやベーコンなんかも造っているみたいなので、三筋なのかも知れませんけど。 で、ハムと言えば、ハンムラビ法典。 目には目を、歯には歯を、ハムにはハムを。 一般に復讐法として知られておりますが、行き過ぎた報復を禁じたものなんですよね。 「やられたらやり返す。倍返しだ!」 とか、ハンムラビ法違反もいいところ。 こりゃ、死刑は免れませんな。 (←やり過ぎ。) とまあそんなことで、ドーハム。 僕はハムが大好きなんですが、ドーハムも嫌いではありません。 もう、石田家に婿入りしてもいいかな? …とか思っちゃうくらい。 ま、吉田ハムでも別にいいんですけど。 トレードマークの王様みたいに振る舞えそうだしー。 いや、婿では無理っすかね? ハムの尻に敷かれちゃいますかね? で、ドーハムもハムの尻に敷かれちゃいそうなキャラだったりするんですが、喩えれば、生ハムに敷かれるメロンみたいな。 ちなみにあれ、カンタロープというあまり甘くない、野菜みたいなメロンでやるのが正解らしいっすな。 ハービー・ハンコックに 「カンタロープ・アイランド」 という曲がありますが、あれ。 日本の甘いメロンでやるのは間違いであるらしく、とまあそれはそうと、今日は 『ケニー・ドーハム・メモリアル・アルバム』 というのを紹介したいと思います。 ザナドゥというレーベルは色んな人のメモリアル・アルバムを出していたりするんですが、その素性は今ひとつよく分からなかったりします。 ドーハムは1972年に48歳という、微妙な若さでお亡くなりになっておりまして、本作はその直後に出されたものと推測されるんですが、吹き込まれたのは1960年。 お蔵入り物なのか、あるいはブートレグの類いか。 で、いろいろと調べているうちに衝撃的な事実が発覚しました。 ここ を見るとその正体は 「JARO」 というレーベルから出された 『THE ARRIVAL OF KENNY DORHAM』 というアルバムであるようなんですが、何か、凄く見覚えがあるような…? 嫌な予感がして過去のネタを当たってみると、ああ、やっぱり。 ほれ 。 やってしまいましたなぁ。。。 が、今回は既に先行してジャケ絵を書いてしまったので、今さら後戻りは出来ません。 過去は振り返らずに、このまま前に進んでいこうと思うんですが、いざとなったら前のをそのまま引用すればいいし、気分的にはちょっと楽になりました。 何でもいいけど 『のとnoノート』 のレコード評で、何だか微妙にパクられているような…? こういう不真面目なレビューを読まされるほうの立場の辛さを痛感してしまいましたが、とりあえず、ま、頑張りましょう。

 ということで、1曲目。ドーハムのオリジナルで、 「ステージ・ウエスト」 。 バップのようなファンキーなような、案外に複雑なテーマでヨガラセます。 そう、 (株) 青写真の人は書いておりますが、そっかぁ? 僕はファンキーなのを期待していたのに、いきなりバリバリのバップ系なのが出て来て、ちょっと面食らったんですけど。 が、よくよく聞いてみると、確かにわりと凝った作りだったりして、とまあそんなこんなで、ソロ先発はドーハムっすな。わりとバリバリ吹いていて、バッパーな一面を垣間見ることが出来るんですが、途中、チャリ・デビのバリトンが絡んできたりする辺り、ハード・バップ的な展開だったりもします。 そのデビくんは、ソロではちょっと弱い感じがしないでもないんですが、ホガホガいってますね。そんふうに言われちゃってますな。 ゴン太くんかい? で、途中、さっきのお返しでドーハムが絡んで来たりして、で、以下、トミ・フラのわりと頑張っているピアノ、ちょっぴり余計なブッチ・ウォーレンのアルコ、ホーン陣とドラムスの掛け合いと続いて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 終わってしまえば立派なハード・バップでありましたな。 8分17秒という長めの演奏なんですが、勢いで最後まで飽きずに楽しむことが出来て、何より。 で、次。  「アイム・アン・オールドハンド」 。 「おいらは老カウボーイ」 という邦題で知られておりますが、今どきオイラって、北野武か、上地雄輔かい? そんな批判に晒されてか、 「俺は老カウボーイ」 という微妙にダンディなバージョンも。 通称、俺カウ。 で、ここでのドーハムのバージョンは、どちらかというと 「おいら」 が似合いそうな雰囲気なんですが、自分の兄弟姉妹の息子は、甥ら。 脂っぽいのは、オイリー。 よく食べるのは、スイミー。 ぜんぜん関係ありませんな。 よく分からない人は 「鯉もお腹が減るのかな」 でググるといいと思うんですが、それはそうとこの演奏、都会派アーバンな僕の趣向には今ひとつ合致しない作風でありますな。 ま、味があると言えばそれまでなんですが、僕はアジフライにはたっぷりとソースをかける派なので、味があるのはいいことだと思います。 ドーハムらしいとも言えるし、真ん中に挟まるトミーのソロも実にフラナガンらしいし、でもって、テーマに戻って、おしまい。 ちなみにこの曲ではデイビスくんはお休みでいびす。

 で、次。  「ソング・オブ・デライラ」 。 ただ単に 「デライラ」という名前で語られることもあるビクター・ヤングの曲なんですが、最近レビューした このアルバム にも入ってましたよね。 その時に書いたネタ以外には何も浮かばないので、すぐ本題に入ろうと思うんですが、キュートなピアノのイントロに続いて、ミュート・トランペットとバリトン・サックスの絡みで、哀愁味を帯びた中近東なテーマが演奏されます。 で、サビの部分から先はバリサクが主導するという、なかなか凝った作りがなされておりますな。 ミュートもバリトンもボケまくり。 そんなことを書いている人もいるようですが、そっかぁ? 普通に味があっていい出来だと思うんですが、以下、ピアノとベースのソロもフィーチャーされて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 短いながらも、なかなかちょっとしたプチ小品でありました。 で、次。  「ブッチズ・ブルース」 。 ブッチくんのピチカートを大フィーチャーした、なかなか面白い作りのドーハム作のブルースっす。 …と、ここまで書いて気がついたんですが、『アライバル・オブ・ケニー・ドーハム』 とは、途中から曲順が違ってくるんですな。 何故そういうことになったのか、その真意は諮りかねますが、メモリアルのほうでは続いて 「ステラ・バイ・スターライト」 が登場することになります。 日本名 「星影のステラおばさんのクッキー」 でありますか。 いや、クッキーは関係ありませんな。 おばさんも余計なんですけど。 ステラにおばさんを付けたお陰で、どてらを着たステラおばさんが、こたつでクッキーを食ってる絵しか浮かんでこなくなっちゃったんですが、マイルスを彷彿させるミュート・プレイがしみじみと心に染みる、名バラードに仕上がっております。 …とか言ってたら、急にテンポが速くなって、スインギー路線でテーマを再演。 そんな展開になったりするんですが、そのままの勢いで各自のソロへとなだれ込んで、速いままテーマに戻って、おしまい。 ま、ありがちなパターンではありますが、ちょっと意表をつかれたりして、うひょー。

 で、次。  「レイジー・アフタヌーン」 。 どこまでも深く沈み込んでいくような旋律が印象的な、あまりにもレイジーな午後。 そういった作品でありますな。 いつ、誰が書いても、同じようなレビューにしかならなかったりするんですが、ドーハムはミュートで、まんまマイルス。 デイビスはお休み。 そんな1曲でありました。 で、次。 デイビスくんのオリジナルで、 「ターボ」 。 わりと有名な作品ではないかという気がするんですが、何とも調子がいいハード・バピッシュな佳曲でありますな。 2管のユニゾンによるテーマに続き、作曲者が最初にソロを取るという不文律に基づいて、デイビスくん登場。 ま、いいんじゃないっすかぁ? そういった感じのプレイを披露してくださいます。 以下、ドーハム、トミ・フラの順で普通にいい感じのソロがフィーチャーされて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 小粒ではありましたが、ま、いいんじゃないっすかぁ? ということで、次。  「ホエン・サニー・ゲッツ・ブルー」 。 個人的にけっこう好きなダンディ坂野。 そんな曲だったりするんですが、バリサクをフィーチャーしたバラードっす。 アップ・テンポの曲ではやや弱い感じがしないでもないデイビスくんなんですが、スローでは良好。 フラナガンのピアノもいいアクセントになってます。 ということで、ラスト。  「シックス・ビッツ」 。 作ったのはマニー・アルバムっすか。 アレンジャーとして有名な人ですな。確か白人ではなかったかと思うんですが、この曲はファンキーな味わいがあって、黒人的な気配が感じられますね。ただ、トランペットとバリサクが絡むアンサンブル・パートはいかにも西海岸的なムードに溢れておりまして、さすがはマニ・バムだなぁ。…といった感じがします。で、ソロ先発はドーハムです。 (中略) で、ソロ2番手はチャーリー・デイビスです。これまで彼のプレイは「まあまあかな?」の一言で片付けられてきたんですが、 (以下略) 。 面倒になってきたので、前回レビューの一部丸写しでお茶を濁させて頂きましたが、いやあ、実にいい出来でありました。 ということで、今日は以上です。

【総合評価】 地味ながらも隠れたプチ小品であるな。 そんな1枚でありました。 けっして悪くはなくて、どちらかというといい出来なんですが、こんなマイナーなのが2度も取り上げられることになって、ドーハムもきっと、草葉の陰で泣いて喜んでいることでしょう。 いやあ、いい事をしたあとは、気持ちがいいっす。


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