THE WARM SOUND (EPIC)

JOHNNY COLES (1957/10,1961/4/10,13,1962/1/12)

THE WARM SOUND


【パーソネル】

JOHNNY COLES (tp) KENNY DREW (p) <#1,3-6,8> RANDY WESTON (p) <#2,7>
PECK MORRISON (b) <#1-8> CHARLIE PERSIP (ds) <#1-8>
DUKE PEARSON (p) <#9> BOB CRANSHAW (b) <#9> WALTER PERKINS (ds) <#9>
JULIAN PRIESTER (tb) <#10,11> EDDIE CHAMBLEE (ts) <#10,11> CHARLES DAVIS (bs) <#10,11>
JACK WILSON (p) <#10,11> RICHARD EVANS (b) <#10,11> CHARLIE PERSIP (ds) <#10,11>

【収録曲】

(01-03) ROOM 3 / WHERE / COME RAIN OR COME SHINE
(04-06) HI-FLY / PRETTY STRANGE / IF I SHOULD LOSE YOU
(07-08) BABE'S BLUES / HI-FLY (alt take)
(09-11) FRIDAY'S CHILD / CHAMBLEE SPECIAL / WHISPER NOT
【解説】 ( 2014年03月09日更新 / 連載 1,113回 )

 暑さ寒さも彼岸まで。 悲願の春まで、あと少しとなりました。 ということで今日は 「悲願の彼岸を僻んだウガンダ」。 そんなテーマでお届けしようと思うんですが、かの国には季節というのがありませんからね。 僻みたくなる気持ちも分からんではないんですが、五反田で地団駄踏んでウガンダ。 相当な悔しがりようなんですが、いいですよね、四季。 四季があると士気が高まる…という程ではないんですが、四季があると死期が早まることもないので、ま、無いよりはあったほうがいいような気がします。 が、冬だけは別に無くてもいいような気がします。 スキーに嵌まっていた頃は、それなりに楽しい季節だったりしたんですが、ポッキリと脚を折って、キッパリと足を洗った今となっては、ただ無駄にクソ寒いだけで、何のメリットも無い数ヶ月。 そんな感じになっちゃってるんですが、年度末で無駄にクソ忙しかったりもするしー。 で、年度が明けたら、頑張った自分に乾杯♪ …というので、1日有給休暇を取って遊びに行くというのが年中行事になっているんですが、今年の春旅は4月5〜7日という行程で、そうだ京都、行こう。 そんな予定だったりして、頭の中には “My Favorite things” のメロディが渦巻いていたりします。 当初の予定では鳴門の渦巻きも渦巻いていたんですが、京都に1泊、淡路島の南の端に1泊して、観潮船にでも乗ろうか? そんなふうに思ってたんですよね。 潮汐表 を見ると、土曜日か日曜日の夕方の干潮が観潮にはまあまあで、間諜には浣腸。 そんな感じだったりするんですが、スパイは徹底的に調べなければなりませんからね。直腸にちょくちょく機密文書を隠したりするので、拷問して肛門をオープンにする必要がありますが、で、この時期は大潮ではなくて中潮なので、平八郎にはあまり期待が持てないかも? で、京都から淡路島って、けっこう遠かったりするみたいだし、とまあそんなこんなで、目的地を京都に絞ることにしたんですが、…という話は前にも書きましたよね? えーと、 ここ っすな。

 淡路島のほうは、夏に花火大会と絡めて行くことにして。 そんなことが書いてあったりしますが、淡路島の花火でわりと規模が大きそうなのは、 これ 。 今年の日程はまだ決まってないようですが、恐らく8月3日(日)ではなかろうかと。 去年は尺玉も復活したようですが、直径約320mに開く大迫力の花火を五感で感じてくださいとのことでありますが、ほほぉ。 ぶっちゃけ、桑名の花火では倍率ドン!更に倍!…の2尺玉が16発くらい上がったりするので、洲本の癖に尺玉を上げるなんて、癪だぞ! そんなふうに僻まなくても大丈夫なんですが、「フルワイドスターマイン 洲本の夜空に金銀大瀑布♪」 とか、ちょっぴり “金銀パールプレゼント” と “ゴールデンボンバー” のコラボっぽくて、けっこう凄そう? フルワイドというのも、フルチン好きにとってはセルゲイ・フルチン : バシコルトスタン共和国でアレクサンドル・コノヴァロフの次に検事総長を務めた人物と同じくらい、ソソられるものがあったりします。 桑名の石取祭と日程が被っちゃうんですが、さば家は石取ではなくて金魚祭エリアなので問題はなく、月曜日に有給休暇を取って、見にいっちゃいますかね? で、さっそく宿を押さえることにしたんですが、淡路島の宿は春旅のプランニングの段階でさんざん検討したので、既に頭の中に入っております。 打ち上げ場所が洲本港・大浜海岸周辺となると、 ハーバーホテル海月 。 ここがベストであるに違いありません。 サービスの朝食が予め冷蔵庫の中に入っている食パンだったりと、何かとネタになりそうなホテルなんですが、隣接するグループのちゃんとした旅館の大浴場が使えるみたいだし、割り切ってさえしまえば、それなりに快適だったりするのではなかろうかと。 海神 (ぽせいどん) という居酒屋も楽しそうだしー。 自分でインスタントの袋麺を調理して食べるって、なかなか斬新タイガースなアイデアで、朝食の食パンと合わせて、旅先で無駄にリアルな日常感を味わえそうでありますなぁ。

 ちなみにこのホテルはツインだと全室オーシャンビューになる模様。 楽天トラベルなんかだとシングルのプランしか無かったりするんですが、 るるぶトラベル なら大丈夫。 食パンの朝食付き、夕食の袋麺は自腹で7,980円。 シングルなら5,775円だから、ちょっと割高なんですが、外観の写真を見る限りではベランダみたいなのが付いてるみたいだし、花火撮影には絶好のポイントであるような気が? 早めに手を打った甲斐があって、実にいいところを押さえることが出来ましたなぁ。 そう自己満足に浸って、悦に入る僕でありましたが、しばらくしたら気が変わって、やっぱり、やーめた!…っと。 無駄に小金を貯め込んでいる僕からすると、やっぱりもうちょっとマシな宿に泊まりたい。 そんな欲求に駆られてしまったんですが、でもやっぱり、このロケーションは捨てがたいし、でもクチコミとかを見ていると宿泊意欲が激しく減退しちゃうし、うーん…。 心の迷いと逡巡で予約とキャンセルを繰り返す迷惑行為に耽った昨今でありますが、そうこうしているうちに大変なことになっちゃいましたぜ。 4月以降のツイン料金が8,400円に。 そう言えば消費税が上がるだったんじゃね? その事実にホテル側が気付いてしまった模様です。 5%から8%って、あまり大した違いはないような気がしていたんですが、7,980円と8,400円では、かなり印象が違いますよね。 が、よくよく計算してみると、7,980円は税抜だと7,600円。 それに8%の消費税が掛かると、1.08倍して8,200円。 どさくさに紛れて200円値上げしてるやんっ! それだけならまだ許せないこともないんですが、8月3日の料金がいつの間やら16,800円という無謀な金額に。 よくよく考えたらウチって海水浴場のすぐ近くだから、夏場の週末なら倍の料金をぼったくっても、普通に客が来るんじゃね? その事実にホテル側が気付いて欲を出してきた模様でありますが、お陰で宿泊意欲は完全に消え失せました。 というか、8月3日は既に空きが無くなってしまったんですが、もういいっ! 洲本の花火なんて別にぜんぜん見たくないから、悔しくなんかないっ! たかだか直径約320mの尺玉と食パンに高い金を払わされて、宿が取れちゃった人が不憫でならないんですが、ちなみにシングルなら5,250円で、まだ空きもあるので、部屋から海と花火が見えるのに拘りがないのであれば、ぜんぜんお得かと。 出張応援!!生ビール1杯無料券付♪ そんなプランもあったりするんですが、こちらは5,800円。 それってぜんぜん無料じゃ無いんじゃね? そんな気がしないでもないんですが、ま、出張の場合、生ビール込みで会社に請求出来るから、地味にお得だったりするのかも知れませんが、あ、それで 「出張応援!!」 と銘打っているワケでありますな。 どうせなら袋麺と、すけべビデオ代も組み入れて頂きたいところでありますが、昔、新宮の某・裏のあるビジネス旅館でさんざん散在しちゃいましたからねー。小銭を調達するのに自販機で千円札を使って、わざわざ飲みたくないジュースを買ってまでして。 自前でコンテンツを用意していた模様なんですが、ある日、ワクワクしながらチャンネルを合わせたら、ずーっと薬師寺保栄のボクシングの試合をやっていて、わりとマジで殺意を覚えたりしたんですが、ついカッとなって、旅館経営者、薬師寺のせいで扼死。 そんな事態にならなくて、本当によかったと思います。

 とまあそれはそうと、夏旅プランは見直しを余儀なくされることになったんですが、花火大会をいろいろ当たってみて、なかなかよさ気だと思ったのが、 これ 。 宍道湖には個人的にちょっぴり親近感を持っていたりするんですが、何故かというと富山の薬売りの広貫堂が家に置いていく風邪薬に 「ネオ眞治」 というのがあって、“シンジ” は何だか他人とは思えなかったりするからなんですけど。 そんなワケの分からん理由でシンパシーを持たれて、宍道湖としても迷惑でしょうが、同時に僕は松江とい街にはちょっぴりライバル心も抱いていたりします。 出雲と伊勢は神社関係でライバルだったりするんですが、松江と桑名はシジミです。 夏の暑さでは多治見が、シジミでは松江の宍道湖が強力なライバルということになるんですが、実は桑名市民にとって、ハマグリよりもシジミのほうがより身近な存在だったりします。 採取が禁止されているに違いない稚貝のシジミが裏ルートから回ってきたりして、稚貝の分かる男として生きていたりするんですが、宍道湖のシジミとやらの実力を確かめてやるというのもいいかも知れません。 宍道湖七珍というのもあったりするみたいだし、それはいったい何なのかと思ったら、宍道湖で獲れる代表的な7種の魚介類 (スズキ、モロゲエビ、ウナギ、アマサギ、シラウオ、コイ、シジミを指す。それぞれの頭一文字を取り 「スモウアシコシ」 と覚えられる。 ほぉ。 スモモ、モモ、雲丹、アンコウ、しもつかれ、肛門、眞治が名産でも、同じように 「相撲足腰」 で覚えることが出来そうですが、山の果物と海の幸、見た目が下呂に酷似している郷土料理と、人体の器官と風邪薬。 それだけの要素を兼ね備えている街はそうそう無いかも知れません。 しもつかれの時点で栃木、福島、茨城、埼玉、群馬あたりに限定されるし、でも眞治は富山オンリーだし、うーん。。。 それはそうと宍道湖七珍。 フリチンは好きでも、珍味の類いがぜんぜん好きではなかったりする僕にとっては、まったくソソられるものがありませんな。 シジミも出汁さえ出して貰えば、身のほうはどうでもよかったりするし、ウナギ以外は総チェンジして頂いてもまったく問題はありません。 別に宍道湖でとれなくてもいいし、珍味でなくて普通の味でいいので、ウナギ、すし、天麩羅、牛肉、豚肉、鶏肉、揚げパン、鯨のノルウェー風、ミルメーク、フルーツゼリーを指す。それぞれの頭一文字を取り 「ウステギブトアクミフ」 と…覚えられねーよ!

 で、夏旅のプランはおいおい考えるとして、まずは出発まであと1ヶ月を切った京都春旅の詳細を詰めなければなりません。早めに手を打ったので、宿はなかなかよさ気なところを確保出来たんですが、あと問題はメシでありますな。 初日の宿は2食付きなので問題無し。 2日目のホテルは朝食のみのプランなんですが、 これ を申し込んだので夜も大丈夫。 何でもいいけど4月6日(日)の夜間特別拝観 (2) 、未だに参加者が3名のままですな。 ウザいおっさんの集団と一緒になるのも嫌なんですが、さすがにこれはちょっと寂し過ぎるような気が。 ミシュラン星付の精進料理店 「阿じろ」 の “京の春御膳” とは言え、所詮は筍や山菜の料理で5,000円ですからね。 ミシュラン星無しの給食センターのソフト麺と五目うま煮。 そんな料理でいいので、1,000円くらいのプランを作ったほうがよかったかも? ま、僕は無駄に小銭を貯め込んでいる物好きな風流人なので大丈夫なんですが、昼メシだって無駄に贅沢しちゃいますぜ。 一人旅というのは気楽だし、寂しくなんかないし、空しくもないし、悔しくなんかないっ! ただ、飯だけがちょっと困るんですが、一人で店に入るのって、かなり勇気がいるんですよね。 そうさ、100%勇気〜、もう頑張るしかないさ♪ …なんですが、特に京都の店と言うと何だか敷居が無駄に高くて、一見さんはお断りどすえ。 そう言われちゃいそうで、気が重いです。 一人でも大丈夫そうで、なおかつ、高級で京都っぽい店とか、ないもんですかねぇ。。。 そんな、ないものねだりなことを考えていたんですが、そんな僕に強い味方がありました。 一休.comレストラン 。 シャイで無口で喋るのが苦手で、コミュニケーション能力皆無で、電話ですら避けて生きていきたい僕でも、これなら誰にも関わらずに店を予約することが出来て、とっても便利。 ちゃんとお一人様向けのプランだってありますぜ。 ということで、月曜日の昼は ここ を確保。 Oh! テンプラ〜♪ いちばんお安い¥3,692 (税サ込) のテンプラ〜プランなんですが、先附/天ぷら(おまかせ10品)/かき揚と白ご飯/香の物/赤だし、当店で厳選した天ぷらに合うワインをグラスにてサービス致します。 おお、十分じゃん♪ おまかせ10品の内訳は、名代揚2、海老2、魚介3、野菜3である模様。 十分じゃん♪ というか、それ+かき揚と白ご飯が食べられるか心配になっちゃいますが、でもまあ、前の日の夜は筍や山菜だし、ちょうどいいかも? 京都の旅の最後を締めくくるに相応しい、素晴らしいランチになりそうっす。

 で、初日の昼も一休さんのお世話になることにしました。 土曜日だとさらに選択肢は少なくなるんですが、そんな中から ここ を選んでみました。 Oh! ポントチョ〜♪ 町の名前からして風情がありますよね。 で、通常7250円→5000円!京都牛ステーキ・とろろ饅頭銀餡かけ等の入った特別懐石全8品! そんなプランがありました。 メインは京都牛のステーキ、特製ポン酢添えだそうで、先斗町でポン酢添え、ポンといっちゃえ〜! 勢いだけで予約を入れちゃいました。 後悔はしていません。 贅沢ばかりしていると、そのうちに罰が当たるような気がするんですが、天罰が下って、腹下りになっちゃうくらいは覚悟の上です。 で、残るは2日目の昼だけになりましたが、1ヶ月前になって、急に店の選択肢が増えてきましたな。 天麩羅、牛肉と来たので、後はウナギか寿司あたりが理想なんですが、京都らしく湯豆腐とか湯葉という手もありますよね。 天罰が下って腹が下っている状況である可能性が高いので、あっさりしたもののほうがいいかも知れません。 翌日の天麩羅に備えて、体調の回復に努めなければなりませんが、となると、 ここ がいいかも? 「京ゆば膳」 なら¥2,160と超リーズナブル。 金銭感覚がマヒマヒ状態なんですが、3種のソースでいただく自家製くみあげ湯葉、粟麩二色田楽、包み湯葉揚げ出し、高台寺湯葉くみあげ (夏) 湯葉ドレッシングサラダ、とろとろ湯葉御飯、京の白味噌ふくさ仕立て、京の漬物、ゆばの黒蜜きなこがけ。 ほぉ。 油物は包み湯葉揚げ出しだけなので、何とか耐えられそうですな。 とろろがあまり好きではないので、ご飯の部がちょっとアレなんですが、よく見たら 「とろろ」 ではなくて 「とろとろ」 なので、大丈夫。 ちょっとトロい感じのギャルとか、けっこうタイプだったりするしぃ。 で、京の白味噌ふくさ仕立てというのも、どういうものなのかはよく分からんのですが、ちょっと不細工なくらいのギャルのほうが好きな僕としては、ちょっぴり不細工っぽい語感の「ふくさ仕立て」は、きっと好みに合うのではなかろうかと。 で、信玄餅大好き人間としては、ゆばの黒蜜きなこがけ、超楽しみ〜♪

 …とまあ、3日間とも、よさ気な店を押さえることが出来て何よりなんですが、ちなみにネットで予約しても、店のほうから確認の電話が掛かってきたりするので、その点だけは覚悟が必要です。 天麩羅屋さんはテキパキとした美形っぽい感じのお姉さんからの電話だったので、ちょっとドキドキしちゃいましたが、ちょっとトロくなくても、ちょっぴり不細工でなくても、大丈夫かも? 一人旅というのは気楽だし、寂しくなんかないし、空しくもないし、悔しくなんかないんですが、でももし、さば君と一緒に京都で桜を見てみたいナ♪ そういうギャルがおられましたら、お気軽に声を掛けてくださいね。 あ、でも私、ぜんぜんトロくないし、美形過ぎるしぃ。 …とか、余計な気を遣わなくてもいいので、ヨロシクね♪

 ということで、今日はジョニー・コールズです。 地味ですな。 が、通好みななキャラなので、 「ブルボン味ごのみ」 が好きな僕には、どストライクだったりするんですが、揚げ餅、海苔醤油豆、ピーナッツあられ、ごまいりこ、汐いか豆、黒大豆あられ、白こつぶ、焼きえびせん、ピーパリ、羽衣あられ。

揚げ餅 「この中に1人いらない “おつまみ” がいまーすwwww」
揚げ餅 「そーれーは・・・」チラッ
ごまいりこ 「・・・」

 名前は 「いりこ」 なのに、いらない子扱いされたりして不憫でならないんですが、米菓と豆菓子の中に変な小魚を入れるなって! そう思わずにはいられなくて、とまあそれはそうと、 『ザ・ウォーム・サウンド』 。 『ザ・暖かい音』 っすか。 これから次第に春らしくなってくる今の時期にはピッタリなんですが、覇気のない生温い演奏に終始している恐れもあって、諸刃の剣っぽい予感が。 パーソネルには管楽器奏者の名前も多く記載されておりますが、それはCDオマケ曲のほうの参加者でありまして、本編のほうはのジョニー・コールズのワン・ホーンな編成だったりします。 サックスと違ってトランペットのワン・ホーン作は圧倒的にレアだったりするんですが、それだけ音楽的にアレだったりすることの現れでありまして、が、リー・モーガンの 『キャンディ』 だとか、ケニー・ドーハムの 『静かなるケニー』 だとか、ブルー・ミッチェルの 『ブルース・ムーズ』 だとか、1管モノが代表作となっている場合もあるし、果たしてどちらに転んでくれるのか、楽しみでもあり、不安でもあるんですが、ということで、じゃ、1曲目から聞いてみることにしましょうかぁ。

 まずはコールズのオリジナルで、 「ルーム3」 。 「部屋3」 っすな。 「部屋とYシャツと私」 なら知ってるんですが、「部屋3」は初耳ですな。 「ヘアと猥褻とタワシ」 というのは誰でもすぐに思い付くネタなんですが、で、部屋3のほうはどんな感じなのかというと、ブルースっすな。 出だしはトランペットとタイコとの絡み。 そこにベースが入って来て、イン・テンポになって、いい感じのテーマへと流れていくんですが、ワームと言うよりもホットな仕上がりだったりして、でもって、ソロ先発はコールズ。 この人のスタイルはマイルスを模範としているようですが、ここでの吹きっぷりはクリフォード・ブラウン直系のハード・バッパーといった感じでありまして、誰に似ているかと言われると、んーと、やっぱりマイルス? あまり難しいことを考えてない、吹っ切れたフリー・ブローイング時代のソレをちょっぴり彷彿させるような気がしないでもなくて、で、続いて登場するケニー・ドリューの純正バッパーなソロも聴き応え十分で、終盤はベースとドラムスの絡みで渋く盛り上がって、続いてトランペットとドラムスの絡みで普通に盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 正直、あまり多くは期待していなかったんですが、いやあ、意外とよかったっす。 で、次。 ランディ・ウエストン作の 「ホエア」 。 ピアノもドリューから作曲者本人にチェンジするですが、果たしてそれが吉と出るか、京都出るか、いや、凶と出るか。 で、結論から先に言ってしまうと、うーん、中吉? そんな感じだったんですが、しみじみとしたバラードでありますな。 心の底からウォームなんですが、やや単調に流れる嫌いが無きにしも非ずで、そこのところが大吉からの減点ポイントなんですが、ところで小吉って、吉よりも上だと知ってましたか? 吉が真ん中で、それよりもショぼいのが小吉。 そんな印象があったんですが、じゃ、中吉はどこにランクするのかと言われると、うーん。。。 正解は大吉>中吉>小吉>吉>半吉>末吉>末小吉>凶>小凶>半凶>末凶>大凶なんだそうです。 末小吉なんてマイナー過ぎて抹消されちゃうことが多いんですが、これだけの種類があるのに大凶なんかが出ちゃった日にゃ、うーん。。。 大凶を引くと落ち込む人が多いので、おみくじに入れない神社も多いそうですが、東京都内の神社776箇所を調べた結果、大凶を入れているのはたったの31箇所なんだとか。 それでも大凶を引いちゃうとなると、その確率は恐らく、金のエンジェルよりも遙かにレア。 ある意味、かなり貴重な体験であると言えそうなんですが、とか言ってるうちに、演奏のほうは、おしまい。 ちなみにランディ・ウエストンはほとんど前面には出て来なかったので、評価のしようがありません。

 で、次。 CDオマケを入れると全部で11曲もあるので、先を急がねばなりませんが、歌物ナンバーの 「カム・レイン・オア・カム・シャイン」 。 連続バラードだとさすがにダレるんですが、ミディアム・ファストの軽快な仕上がりなので、無問題。 いい感じに歌心に溢れていて、何よりだと思います。 ドリューのソロもさすがの出来で、ドリャー。 ということで、次。  「ハイ・フライ」 。 ランディ・ウエストンの代表作っすな。 だかと言って、それほど名曲だとは思えなかったりするんですが、これをトランペットのワン・ホーンでやっちゃうというのも、ちょっと無理があるような気が。 実際問題、かなりヘロヘロした感じの仕上がりになっちゃってるんですが、ま、味があると言えば味カレーくらいは味があるし、シケった 「かっぱえびせん」 みたいな食感も、それはそれで、アリかも? ということで、次。 CDオマケを入れると全部で11曲もあるのに、この調子だとすぐに終わっちゃいそうなんですが、これまたウエストンのオリジナルで、 「プリティ・ストレンジ」 。 ピアニストとしての出没率は28.5%なんですが、曲のほうだと57.1%。 なかなか面白い作りなんですが、で、この 「ちょっと変」 という曲は別にそんなに変ではなくて、普通に綺麗なバラードに仕上がっていたりします。 やや単調に流れる嫌いが無きにしもアラジンなんですが、懐かしいっすなぁ、「完全無欠のロックンローラー」。 究極の一発屋だったんですが、バンド名の由来は、フォークソング同好会の部室にあった石油ストーブ 「アラジンブルーフレームヒーター」 から。 ほぉ。 フュージョン、バラード、ラテンなど、さまざまなジャンルに挑戦するバンドだったそうですが、変に色物が売れちゃったのが、かえって命取りでしたかね? ちなみにリーダーのグレート高原は今の高原兄だから、普通に生き残っているんですが、バックで 「あたいら女に無視されて〜♪」 とコーラスを付けていたアイ寛美やサニー尚子は、今頃どこで何をしているのやら。。。

 ということで、次。 歌物ナンバーの 「イフ・アイ・シュッド・ルーズ・ユー」 。 連続バラードだとさすがにダレるんですが、ミディアム・ファストの軽快な仕上がりなので、大丈夫。 コールズくんのソロはかなりホットだし、ドリューくんもドリャーと頑張ってくれているので、満足度は高いっす。 終盤のトランペットとタイコの4バースは定番ながら、いい感じに盛り上がっているし、とまあ、そんなこんなで、テーマに戻って、おしまい。 で、続いてはウエストンのオリジナルで、 「ベイブス・ブルース」 。 ほーみたい、大阪ベイブス・ブルース♪ 「ブス」 がちょっと余計なんですが、ブスだからと言って、のけ者にするのはどうかと思うし、ブスという言い方は悪意があってアレなので、オブラートに包んで、 「不細工」 にしたほうがいいのではないかと。 ほーみたい、大阪ベイ不細工・ブルース♪ かなり歌いにくくて、駄目っすな。 で、これ、冒頭からピアノとトランペットの絡みが、なかなかいい感じだったりするんですが、この曲に限って言えば、ピアノをウエストンに変更したのは大正解。 やはり、作曲者自らが前面に出て来たほうが、様になりますよね。 サマーサマー、ランディさまさまー♪ タイコ叩きのチャーリー・パーシップも頑張ってくれてますぜ。 ということで、次。  「ハイ・フライ」 の別テイク。 CDオマケではなく、オリジナルでもこういう構成になっているようですが、こういうのは邪魔だから、やめて頂けたほうがよろしいのではなかろうかと。 ちなみにこっちのほうが4曲目より3分以上も長かったりして、無駄に聴き応えたっぷりですぜ。

 ということで、次。 ここからは真のCDオマケなんですが、 「フライデイズ・チャイルド」 は本編から9ヶ月ほど先の吹き込みで、リズム・セクションも一新。 果たしてここにオマケとして収録する必然性があったのか、大いに疑問だったりするんですが、ピアノがデューク・ピアソンというのは、かなりポイントが高いんですけどね。 で、演奏のほうはと言うと、しみじみとした綺麗なバラードっすな。 作曲者は “Mitchel” とだけクレジットされているんですが、どこかで聞いたことがあるメロディ。 調べてみたら こいつ に入っていることが判明したんですが、録音年月日と面子が完全に一致。 そっちをそのまま持って来たのか、あるいは別テイクなのか。 真相は不明ですが、コールズとピアソンの持つ透明過ぎるほどのピュアさが滲み出まくっていて、ここでまた再び耳にすることが出来たのは、思わぬ収穫と言っていいのではなかろうかと。 で、次。  「チャンブリー・スペシャル」 。 そうCDにはクレジットされておりますが、明らかに 「ウィスパー・ノット」 の間違い。 4管入りの7人組で、1957年の録音。 これこそ、ここにオマケとして収録する意味がまったくないように思えるんですが、演奏そのものの出来は、文句無し。 編成からしてハモり偏重かと思ったら、各人のソロもそれなりにフィーチャーされているし、ジャック・ウィルソンのピアノが聞けるのも、思わぬ余禄。 アレンジは超オーソドックスなベニー・ゴルソン風で、新鮮味があるわけではないんですが、敢えて冒険しないのも、ひとつの見識であると言えるのではなかろうかと。 で、ラストの今度こそ本当に  「チャンブリー・スペシャル」 も、特別なチャンブリ感に溢れた寒ブリ。 そんな仕上がりだったりして、とまあそんなことで、今日のところは以上っす。

【総合評価】 1曲目が傑出した出来だったんですが、3曲目以降は、ちょっとダレちゃった感も。 やはりトランペットのワン・ホーンというのは難しいものがありそうですが、でもまあ、6曲目で完全復活したし、7曲目も悪くはなかったし、ま、最後の別テイクはちょっと余計だったんですが、総体的に見ると、中吉。それくらいの縁起のよさは確保されておりました。 邪魔だと思ってたオマケも気分転換にはもってこいだったし、おみくじを引いたら金ぴかの亀とかがオマケについてきて、ちょっと得した気分になって、何より。 …とまあ、そんな1枚でありました。


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