PLAYS SOUTH OF THE BORDER (VERVE)

CHARLIE PARKER (1951/3/12,1952/1/23)

PLAYS SOUTH OF THE BORDER


【パーソネル】

CHARLIE PARKER (as) WALTER BISHOP Jr. (p) TEDDY KOTICK (b)
BENNY HARRIS (tp) <#6-8> ROY HAYNES (ds) <#1-4> MAX ROACH (ds) <#5-8>
JOSE MANGUAL (bongo) LUIS MIRANDA (conga) <#6-8>
【収録曲】

(01-03) TICO TICO / UN POQUITO DE TU AMOR / MY LITTLE SUEDE SHOES
(04-06) ESTRELLITA / BEGIN THE BEGUINE / LA PALOMA
(07-08) LA CUCURACHA / MAMA INEZ
【解説】 ( 2014年05月04日更新 / 連載 1,120回 )

 ( 前回 までの粗筋) 南禅寺と高台寺界隈を散策して、昼メシを食った。 ということで京都@春旅2日目の後半です。 とりあえず15時に蹴上のホテルにチェックインして、夕方から夜にかけてのイベントに備える。 そういう段取りなんですが、メシを食い終わったのが14時少し前。 そこから東山駅までぶらぶらと歩いていけば、ま、適当な時間になるのではなかろうかと。 とまあそんなことで、歩いてみました。


< 円山公園〜知恩院 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 で、とりあえず 円山公園 に到着。 ここは桜の名所として有名なようですが、花見客がシート敷きまくり、酔っ払いが騒ぎまくりで、まるっきり風情がなくて、ウゼぇ。 そいうった状況らしいので、今回はオマケ程度に考えていたんですが、実際に行ってみたら、やっぱりウザかったっすな。 大音量で 「マイムマイム」 を流しているオッサンが、大衆に 「さあ、みんなで踊りましょう!」 と呼びかけて、ガン無視されたりしておりました。 んなもん、誰も踊らんちゅうの。 フォークダンスなら 「オクラホマミキサー」 やろ!? …みたいな。 「大倉ホモ美樹さん」 と、微妙に名前っぽくなるところがいいですよね。 「魔威夢魔威夢」 では何だか、夢見がちなポエマー系暴走族みたいだしぃ。 で、人大杉で風情皆無ではあったんですが、桜の花そのものはなかなか見事でありました。 特に、ナントカという枝垂桜が有名なようですな。 年々、衰弱しているとの噂もあるんですが、 (写真・いちばん上) を見る限り、まだまだお盛んであると言えるのではなかろうかと。 ま、これがくだんのナントカ枝垂桜なのかどうかは定かではないんですけど。 その他、普通っぽい桜も普通にたくさん咲いていて、普通に悪く無かったんですが、で、続いては 知恩院 。 有名ですな。 毎年 「ゆく年くる年」 で、紐が切れたら即死必至な勢いで除夜の鐘を突いているのがここなんですが、ひとつ間違えば即身仏のライブ中継になっちゃいそうで、ちょっとドキドキ。 ま、不測の事態が起きたとしてもすぐにお経をあげて貰えるので、成仏に関しては心配無さそうなんですが、今回は時間と体力の都合もあって、三門付近を散策するに留めました。 ここの三門も南禅寺のと同じくらいデカくて、日本3大三門のひとつに数えられているんですが、どうしてこんな近隣に、同じような無駄なデカ門を建立したんでしょうな? 対抗心を燃やしたのか、対抗馬さんなのか、タイコおばさんなのか、そういったアレなのかも知れませんが、で、 (写真・ちょうど真ん中)(写真・下から2番目) は 「三門と桜」 。 いつでもどこでも、似たような構図の写真ばかりな気がしないでもないんですが、門前の桜を悶々と見逃すわけにもいかないので、ま、やむを得ないかなと。 で、 (写真・いちばん下) は、三門とは違った場所にあった何らかの門なんですが、その門の前にも桜の花が綺麗に咲いてして、悶々。 大きな門は大きな門で、七曲署の大門っぽくて西部警察なんですが、こういう小さな門は小さな門で、水戸コモンっぽくて悪くないですな。 ワビサビという観点から言うと、こっちのほうが遥かに上かと。 とまあそんなことで、ほんの門だけでしたが、知恩院はおしまい。

 東山駅から地下鉄に乗って、すぐ隣の蹴上駅で降りて、ホテルにチェックイン。 しばしの休息の後、再び散策に出発。 とりあえずの目的地は インクライン であります。 琵琶湖の疏水がソー・スイートで、うんたら。 傾斜が急過ぎて舟が運航出来ないので、舟を台車に載せて鉄道で運んで、うんたら。 そういった施設の跡地であるようですが、インクラインで、陰(いん)暗い、ん〜♪ 陰気そうなネーミングでありますな。 が、今の時期は桜の花が咲き乱れて、甚だ華やかであるらしく、とまあそんなことで、行ってみました。 南禅寺のすぐ近くなので、だいたいの雰囲気は分かっていたんですが、桜は今がちょうど見頃でありまして、スゲぇぇぇぇぇぇ♪

 


< インクライン〜岡崎疏水 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 が、人の多さもパネぇぇぇぇぇぇ。 写真を掲載するにも顔モザイク必須でありますが、中にはちょっぴり怪しいギャル達の姿もありました。 こちらのほうは顔モロ出しで載せちゃったんですが、本人もノリノリでポーズを決めてくれたので、ま、いいかと。 で、ここ、人さえいなければ絶好の撮影スポットであるに違いないので、また早朝にでも出直すことにして、とまあそんなことで、次です。 当初は 無鄰菴 (むりんあん) というところを覗いてみる予定だったんですが、時間的にちょっと無理ん、あん? そんな気がしないでもないので、 琵琶湖疏水記念館 に目的地を変更しました。 無料だけに、感慨無量な施設を期待したワケでなく、まあまあだったら、そこそこかな。 それくらいの期待度だったんですが、実際のところはというと、まあまあで、そこそこ。 タダでなければ、只ならぬ雰囲気が漂ってなければ困るんですが、タダならまあ、こんなもんでしょう。 写真的には桜と噴水のコラボがそこそこだったし、とまあそんなことで、続いては 岡崎桜回廊十石舟めぐり 。 17時からの部を予約していて、15分前には集合とのことだったので、早めに乗り場に行くことにしたんですが、途中、「金ピカだぞう (仮名)」 という金ピカな像があったりして、咲き誇る桜を背景に、たいそうシャイニングでありました。調べてみたらこれ、 「巨大な輝き」 という名前なんですな。道理でよく輝いているワケです。  疏水記念館で思ったほど時間が潰れずに、かなり早く乗り場に着いてしまったんですが、前の部の人たちが乗船する様子を窺うと、どうやら水に落ちると膨らむ式の救命胴衣を装着させられる模様。 で、カッパのようなものも着させられていたりします。 長島スパーランドの 「シュート・ザ・シュート」 みたいにズブ濡れになっちゃうんですかね? そんな激しいアトラクションのようには見えないんですが、侮れませんなぁ、十石舟。 所詮は千石イエスの1/100だしぃ。 そう思って馬鹿にしていたんですが、カメラとか、お土産の生八ッ橋とか、いろいろと手にぶら下げていて面倒なので、出来ればカッパなんぞ着たくはないんですよねぇ。 …とか言ってるうちに、自分たちの番になったんですが、救命胴衣の着用は義務であるものの、カッパのようなもののほうは、どうやら任意でオーケーっぽいような雰囲気。 その正体はカッパではなくてコートで、「お寒いですので、よろしかったらどうぞ。」 との事でありました。 確かに冬に逆戻りしたような気候で、無駄にクソ寒い日だったんですが、んなもん、いらねぇぇぇぇぇ。


< 岡崎桜回廊十石舟めぐり (その1) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 ということで、乗船。 基本、早い者順で前から詰めていくことになるんですが、一番乗りだと最前列で前を向いて、それ以降は横向きで座る形になります。 僕は微妙に出遅れたので、横向きの一番前だったんですが、いい写真を撮ろうと思ったら、最低でもこの位置はキープしたいところかと。 横向きの席では、あまり前向きな作品にはならないような気がします。 で、舟が走り始めて判明したんですが、寒ぃぃぃぃぃ。 半端なく寒ぃぃぃぃぃ。 大人しく言いつけを守ってコートを着ればよかった。 そう思わずにはいられませんが、後悔先に立たず。航海はもう始まってしまいました。 航海…というか航川、もしくは航疏水というのが正解かも知れませんが、ソレそのものは思ってた以上によかったっす。 いくつもの橋の下を潜るので、橋下徹ムードが満載。 低い橋の下を通る時には舟の屋根が電動で下がるギミックがあったりするし、橋の上の人からバチバチ写真を撮られたり、指をさされたりして、ちょっぴり晒し者気分を味わえたりもします。 手を振ったり、振り返したりといった交流イベントもあるし、この日は橋の上のオネーサンから 「寒くないですかぁ?」 という質問が投げかけられたりもしました。 いや、寒いっすぜ、しっかり。


< 岡崎桜回廊十石舟めぐり (その2) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 運航コースは岡崎南禅寺舟溜まり(琵琶湖疏水記念館前)〜夷川ダム、往復約3kmで、25分ほどのプチ遊覧なんですが、道中ずーっと桜の花が咲き乱れているので、この時期 (4月上旬) の乗船は超オススメ。 割としつこく、今の時期 (ゴールデンウィーク) までやってるようですが、 “岡崎わかば回廊” バージョンだと正直、ちょっと微妙かも? よく、通ぶりたい痛風のオッサンとかが 「京都はやっぱり桜よりも新緑のシーズンだよねー。」 などと抜かしたりするんですが、そういうオッサンはやっぱり、新緑風会の徳永エリLOVE♪ …だったりするんですかね? 個人的には横峯さくらのほうがまだマシだと思うので、この時期 (4月上旬) にして大正解だったんですが、テンション上がってバシバシ写真を撮ってるうちに、寒さのほうは忘れちゃったりするしぃ。 今回は夕暮れちょっと前の半グレ状況での乗船だったんですが、またチャンスがあれば夜桜タイムにも乗ってみたいものでありますなぁ。 ということで、すっかり満足したところで、次。


< 妙心寺退蔵院 春のお食事付き特別拝観・夜の部 (その1) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 これ っすな。 「京都 夜桜 ライトアップ」 でググって、この企画を発見したんですが、 妙心寺 とか、今まで聞いたこともありませんでした。 かなりデカい寺なんですな。 メガ級、ギガ級の上をいく、テラ級の寺…というのはちょっと大袈裟なんですが、敷地面積は甲子園球場の8倍もあるんだとか。 ただ、小さな寺の寄せ集めみたいな感じで、中に入れないところも多いので、知名度や人気は今ひとつなのではなかろうかと。 が、退蔵院の桜に関しては、JR東海の 「そうだ京都、いこう」 で取り上げられたおかげで、急速に認知度が高まった模様です。 ここ の2013年春バージョンを参照。 どうしてJR東海が地味で通好みな、この痛風寺にスポットを当てたのかというと、答えは簡単。 JRの駅から歩いていけるからなんですが、蹴上からだと地下鉄東西線に乗って二条まで行って、そこからJRに乗り換えて、花園駅で下車。 一般観光客にはあまり馴染みのないエリアだったりするんですが、とまあそんなこんなで、 退蔵院 に到着。 夜の特別拝観は各回40名様限定で、僕が申し込んだ時点では参加者が3人しかいなくてどうなることかと思ったんですが、最終的にはそれなりの人数が集まった模様です。 中年、壮年、実年といったお年頃のペヤングが多いようですが、お一人様っぽいギャルの姿も2名ほど。 まず最初に地味な建物の内部に案内されて、椅子に座って、しばらく待期。 やがて坊さんが登場して、レクチャーが施された後、 「元信の庭」「瓢鮎図」 を見学。 そういう流れになります。 「元信の庭」 って、中日ドラゴンズの谷繁元信が作ったみたいで、ぜんぜん有り難みが感じられないんですが、室町時代の画聖狩野元信の作品で、絵画的な優美豊艶の趣を失わず、独特の風格を備えている庭園です。ほぉ。 庭というのは普通、庭師が作るのが普通なんですが、元信クンは画家だったりして、それがちょっとレアだったりするとか、何とか。 ま、桜目当ての人たちにとっては単なる前座のようなものなんですが、で、続いては 瓢鮎図 。 国宝でずぜ。 ま、ここに展示されているのはレプリカなので、カプリコよりはちょっとマシ。 その程度の価値しかない気がしないでもないんですが、ガイドの坊さん (←若住職?)はなかなか話し上手でありまして、なかなか興味深い話を聞くことが出来ました。 全体像は こんな感じ 。 「ただでさえ捕まえにくいなまずを、こともあろうに瓢箪で捕まえようとする。」 この矛盾をどう解決するか、将軍義持は当時の京都五山の禅僧31人に参詩を書かせました。 その回答が上のほうにズラズラと書かれているんだそうです。 その答えはと言うと、まさに禅問答みたいなものだったりするんですが、この問答、今の時代なら確実に “問答セレクション” 金賞受賞でありますなぁ。

 で、その後、茶席 「大休庵」 というところに移動して、精進料理を食す。そういう段取りになっております。 お食事の席は自由ではなく、何らかの意図によって予め決められていたんですが、案内されたところに着座したら、お一人様っぽいギャル2名に挟まれる格好になっちゃいました。

食事風景

 硝子に映った様子をこっそり撮影してみたんですが、真ん中のカメラを構えた好青年がサバ君でありますな。 桜の花が枝垂れている様もよく見えるし、特等席といっていいかも? で、お食事のほうはこんな感じでありました。

阿じろ謹製@精進料理(実物) 阿じろ謹製@精進料理(めにゅう)

 ミシュラン1つ星獲得の 阿じろ というお店の精進料理。 ミシュランを盲信するワケではないんですが、少なくともモンドセレクション金賞受賞よりは権威がありそうだし、妙心寺御用達とのことだったりもするし、有り難みもひとしおでありますなぁ。 で、お味のほうはというと、大変にお上品であった。 それくらいの記憶しか無かったりするんですが、こういうのは雰囲気とか、気分とか、ムードとか、そういうのを味わうものですからね。 で、食事の後は自由散策ということなんですが、みんな、メインの紅枝垂れ桜を早く見たくて、そわそわ。 僕の左隣のギャルなど、フライング気味に一人で外に出て行ってしまいました。 僕も負けてはいられません。 最後に 「焼きおにぎりを浸した湯」 というのがお茶の替わりに配布されたりすたんですが、ゆっくり味わう間もなく、そもそも焼きおにぎりの塩気以外に味らしきものもなく、わざわざ味わうほどのものではない気がしないでもなくて、で、ギャルを姿を追いかけて、庭へとGO! とりあえず 余香苑 というが出てくるんですが、問題の桜はその先にある模様です。 ということで、到着〜。


< 妙心寺退蔵院 春のお食事付き特別拝観・夜の部 (その2) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 「陰陽の庭」 という、ちょっぴり 「飲尿好きの丹羽くん」 みたいな名前のところが問題の桜スポットなんですが、飲尿好き or 陰嚢好き。 どっちに転んでも、ちょっとアレっすよね、丹窒ュん。 が、 「陰陽の庭」 の桜はというと、見事っ♪ 白っぽい砂の 「陽の庭」 と、黒っぽい砂の 「陰の庭」 。 2つのタイプのプチ枯山水庭園に挟まれるように紅枝垂れ桜が植えられているんですが、JR東海がフィーチャーしたくなるのも納得せざるを得ません。 ただ惜しむらくは、全体像を撮ろうとすると、どうしても映り込んでしまう人影。 限定40名様とは言え、視界から邪魔者が消えてくれることはありません。 左隣のギャルみたいに、フライングで抜け出すのが正解だったかも知れませんなぁ。 ちなみに今回の作品は ここ 参照の “東ヒモール1号改” を使って手持ちで撮影したものなんですが、かなり光量のあるライトアップだったので、けっこう健闘してくれたと思います。 以上、 「妙心寺退蔵院 春のお食事付き特別拝観・夜の部」 でありましたが、超オススメ♪

 とまあそんなことで、この話はあと2回くらい、続く♪

 ということで、今日からアルトサックス編です。 さほど人材が豊富ではないので、わりと早く片付くのではないかと思うんですが、まず手始めはチャーリー・パーカーっす。 あまり気が進みませんなぁ。 無駄に知名度があるので、よくジャズの初心者が間違って手を出したりするんですが、それはまったくの間違いだと思います。音はクソ悪いし、内容はクソつまらんし、場合によっては同じ曲を何回も聴かされるし、しかも難解なのを何回もだし、もう我慢の限界灘 by 段田男。 僕なんか初めてのバイト代で 『チャーリー・パーカー・オン・サヴォイ(完全盤)』 なんてCDを買ってしまって、激しく後悔しました。 不完全盤で十分でしたな、あんなもん。 もしくは不健全盤とか。 いずれにしろ、パーカーなど別に無視してもよかったんですが、前述の通りアルト編はさほど人材が豊富ではなくて、わりと早く片付いちゃいそうなので、人数稼ぎ要員として一応は押さえておこうかと。 で、ネタ用として新たに1枚買ってみることにしたんですが、無難そうなところで 『サウス・オブ・ザ・ボーダー』 。 1951年から52年にかけて吹き込まれたヴァーヴ盤でありますな。 コンガやボンゴが入ったラテン物ということで、ま、わりと気楽に楽しめるのではなかろうかと。 「デヴィッド・ストーン・マーチン・10インチ・コレクターズ・セレクション」 というシリーズでCD化されたもののようですが、個人的にはこの人のデザインって、あまり好きではありません。 日本語ライナーにオマケとして <アルバム・ジャケット一口解説> というのが付いていて、早乙女道春という優雅な名前のオッサンが書いているんですが、ラテンのリズムは魔術的でコワイ。それをバックにチャーリー・パーカーの演奏だからアルト・サックスの魔法使いだ。猛牛相手に余裕の表情。踊らされている牛は、せつながって足をバタバタさせているうちに、真っ赤に染まってしまった。その様子をみて魔法使いは笑いながら、もっとオモシロイ音を吹く。 さらに、それをみているこちら側では、デヴィット・ストーン・マーチンの魔術にかかる、さっきから手と目があったままなのだ…。 絵のリズムもコワイのだ。 根はイラストレーターらしいので、ちょっぴり日本語が不自由なのは仕方がないんですが、魔法使いというより、金正恩にしか見えなかったりして、粛正される牛タンが不憫でなりません。 あ、牛タンは、ウシさんを可愛らしく言ったものなので、 「ギュウタン」 ではなくて 「ウシたん」 と読んで下さいね。 で、これ、根が10インチなので曲数が少なく、余分な別テイクなんかも入っていなくて、割り切った作りであるところに共感が持てるんですが、とまあそんなことで、じゃ、演奏を聞いてみることにしましょうかぁ。

 1曲目、 『ティコ・ティコ』 。 可愛い名前ですな。 ティコ、タン、ティコ、タン、ティコ、タン、タン♪ 「牛タンゲーム」 の亜流として使えそうですな。 そういえば 「チコタン」 という合唱曲もあったりしますよね。 これ 。 1部から4部までは非常に微笑ましい内容なんですが、最後の最後で急転直下。 この少年、ショックのあまりグレちゃったでしょうな。 グレて、グレだけを売る魚屋になったに違いありませんが、「稚貝、ありますか?」 「稚貝、ありません!」 そんな魚屋になったに違いありません。 グレ専門店に貝類は無いっすよねー。 で、一方 「ティコ・ティコ」 のほうは 「チコタン」 とは違って能天気展開1本なので、最後まで安心。 で、パーカーが意外とよかったりするんですよね。 前半は1951年物なんですが、その割には音も悪くないし、力強いトーンと淀みのないフレージングは、さすがといった感じ。 ラテンのリズムもノリノリで魔術的で、とってもマジェスティック12。 矢追純一のUFOスペシャルによく登場しますよね、MJ-12。 UFOモノ専属なのかと思ったら、ユリ・ゲラーとかオリバー君とかにも関わっていたんですが、矢追くん。 ちなみにホテルでオリバー君の世話をしたのは、当時ADだったテリー伊藤なんだそうで。 虐待したらしいですけどね、テリー。 とか言ってるうちに、演奏のほうはテーマに戻って、おしまい。 スッキリとシンプルで、いやあ、悪くなかったっす。 で、次。  「ウン・ポキート・デ・トゥ・アモール」 。 バド・パウエルの代表曲に 「ウン・ポコ・ローコ」 というのがあるんですが、こっちは 「ウン・ポキ・アモール」 っすか。 パーカーのオリジナルではなく、作曲者は Unknownなようですが、チャカポコなイントロに続いて登場するテーマは、いかにもラテンで能天気。 パーカーの吹きっぷりは余裕綽々、釈由美子でありまして、アドリブ・パートでは時おり倍テンポになったりして、随分とご機嫌モードでありますなぁ。 短いながらウィルター・ビショップ・ジュニアのピアノもフィーチャーされて、コンガとボンゴの人もけっこう頑張っていて、とまあそんなことで、おしまい。 これまたスッキリとシンプルで、悪くなかった。 そんな気がします。

 ということで3曲目。  「マイ・リトル・スエード・シューズ」 。 パーカーの有名なオリジナルっすな。 京都弁名 「私の小さなスエードの靴どすえ」 。 スエードってどんなものなのかと思ったら、クロムでなめした皮の内側を、回転砥やサンドペーパーなどで磨いて起毛(けば立てること)したもの。 そういったものであるようですが、ケバいのが苦手な僕としては、けば立ってるのは、ちょっと。 ま、スエード自体はそんなにケバくない素材だったりするんですが、トルコ料理のケバブも嫌いではなかったりするしぃ。 で、演奏のほうはというと、かなりゆったりしたテンポで、たゆたうような歩きっぷりだったりするんですが、ソロ・パートでは倍テンポになったりして、それなりの疾走感は味わえる、そういった仕上がりとなっております。 ビショップ君のソロもそこそこフィーチャーされていて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 うーん、まあまあ? ということで、次。  「エストレリータ」 。 トラディショナルであるようですが、ミディアム・テンポでどことなく南の島な雰囲気も漂っていたりして、なかなか。 途中、トランペットの人が登場したりするんですが、ベニー・ハリスっすかね? パーソネルは6〜8曲目のみ参加っぽい記載だったんですが、何だか地味な吹きっぷりだったりして、続いて登場するパーカーのいい引き立て役になってたりします。 で、短いピアノのソロがあって、テーマに戻って、前半はおしまい。

 ここからは1952年のセッションになるんですが、ドラムスがロイ・ヘインズからマックス・ローチにチェンジした模様。 で、まず最初に演奏されるのは 「ビギン・ザ・ビギン」 。 コール・ポーターの作で、タイトルの意味は 「ビギンを始めよう」 であり、ビギン(Beguine)はフランス領マルティニクのダンス音楽である。 そういうアレだったりするんですが、 「ビギン・ザ・ビギン」 。韻踏みフェチにはたまらんタイトルでありますなぁ。 人名編の段田男に匹敵する、曲名編の最高傑作だと思います。 で、演奏のほうはというと、とっても情熱的だじょー。 テーマの後、ビショップのピアノ・ソロが登場するんですが、出来は上々だじょー。 続くパーカーも普通に頑張っていて、なにより。 とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 ということで、次。  「ラ・パロマ」 。 ちょっぴりガス臭いですな。 なお、パロマ(Paloma)はスペイン語でハトという意味であり、平和の象徴とされ、平和な豊かな暮らしを願った社名でもある。 ほぉ。 ということは、この曲は 「ラ・鳩」 ということになろうかと思うんですが、鳩山由紀夫くんのおかげで熱い風評被害を受けた可哀想なトリだったりしますよね、鳩。 ところで、ぽっぽっぽ、鳩ぽっぽ♪ …という童謡が 「鳩ぽっぽ」 という題名だと思っていた人はいませんか? 僕は今の今までそう思っていたんですが、あれ、 「鳩」 というのが正確なタイトルなんですな。 「はとぽっぽ」は、 こっち 。 知らねぇぇぇ&パチモン臭ぇぇぇ。 ま、作曲はタキレンだし、作詞の東くめタンは 「お正月」 や 「雪やこんこん」 なんかを作った人なので、決してインチキ詩人というワケでもなさそうなんですけど。 とか思っていたら、この 「雪やこんこん」 って、雪やこんこ、あられやこんこ♪ …とは別物なんですな。 あれは 「ゆき」 というタイトルらしいっす。 紛らわしいぃぃぃぃ! 「犬は喜び庭駆け回り、猫はこたつで丸くなる」 なら、都都逸フェチの心を激しく揺さぶるものがあったんですが、別人ならどうでもいいです。 で、一方 「ラ・ぽっぽ」 のほうはというと、いきなりオッサン共が 「アイエ〜!オイエ〜!アイアイエ〜!」 とか騒ぎ始めて、ちょっとビビるんですが、曲そのものはスパニッシュな鳩といった感じで、悪くありません。 パーカーの吹きっぷりも、そこそこ快調。 ベニー・ハリスのトランペットは、ちょっと僕の趣向とはマッチしない感があるんですが、続くビショップのソロは極めて快調で、オッサン共も、アイアイエ〜♪

 で、次。  「ラ・ククラチャ」 。 ハイジに出てくる足の悪い娘? それは 「ラ・クララっちゃ」 。 ちょっぴりラムちゃんも入ってますな。 非常にベタなラテン曲でありまして、で、演奏のほうはベニー・ハリスがちょっぴり邪魔に思えたりもするんですが、パーカーそのものは極めて快調。 ウォルター・ビショップも堅調で、イチジクは浣腸。 ヤル気の無さが目を覆うばかりになってきましたが、残すところあと1曲です。 さ、頑張りましょう。 ということで、ラストっす。  「ママ・イネズ」 。 もうすぐ母の日なんですが、ママ、いねえっす。 切ないっすなぁ。 「ママ、いねえっす。」 の人は小学校で白いカーネーションを買わされるんでしたっけ? 同じクラスには 「ママ、いるっすが、スナックのママっす。」 な少年もいたりしたんですが、半グレ状態のキャラでありましたなぁ。 で、一方 「ママ・イネズ」 はというと、マヨネーズみたいなコッテリした仕上がりでありまして、パーカー、ベニー・ハリス、ビショップの順でそこそこ充実したソロが披露されて、とまあそんなこんなで、今日のところは以上です。

【総合評価】 パーカーにしてはわりとフレンドリーで、取っつきやすい、とっつぁん。 そういった1枚でありまして、まあまあそこそこ、オススメ♪


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