SOPHISTICATED SWING (EMARCY)

CANNONBALL ADDERLEY (1957/2/7,8)

SOPHISTICATED SWING


【パーソネル】

NAT ADDERLEY (cor) CANNONBALL ADDERLEY (as)
JUNIOR MANCE (p) SAM JONES (b) JIMMY COBB (ds)

【収録曲】

(01-03) ANOTHER KIND OF SOUL / MISS JACKIE'S DELIGHT / SPRING IS HERE
(04-06) TRIBUTE TO BROWNIE / SPECTACULAR / JEANIE
(07-09) STELLA BY STARLIGHT / EDIE McLIN / COBBWEB
【解説】 ( 2014年05月18日更新 / 連載 1,122回 )

 ( 前回 までの粗筋) 早朝のインクラインを散策し、哲学の道と銀閣寺を愛で、法然院に到達した。 ということで、しつこかった京都@春旅ネタも、いよいよ最終回です。 仏の顔も三度まで、ドン! 更に倍! …の6回シリーズは、さすがにちょっとアレだったような気もするんですが、とまあそんなことで、 法然院 の後半っす。 ここ、境内には年中、タダで入ることが出来るんですが、伽藍内には春と秋と大晦日、1年のうち、2週間と1日しか入れない模様です。 で、今回、ちょうど春の特別公開の期間だったので、せっかくなので覗いてみることにしました。 …というのが前回のおさらいなんですが、春の特別拝観に関しては ここ が無駄に詳しいんですが、ちなみに 口上 はこちら。 【記事が無駄に長ったらしいと思うんだけど】 というところに、ちょっぴり親近感を覚えてしまったんですが、真菌好きの信金の職員とかよりも親近感。 キノコとか、カビとか、酵母とか、真菌類はけっこう身近だったりはするんですが、信金にはあまり用事がなかったりしますからなぁ。 で、このオッサン、 退蔵院 にも行ってるですな。 ただ、人数限定のミシュラン☆付き精進料理付きのプランではなかったようで、ちょっぴり勝った気になったりもするんですが、で、確かに 「やたら量が多い写真」 でありますなぁ。 僕の場合、写真に関しては厳選主義で、基本的には “1箇所5枚以内” という自主的な縛りを儲けているんですが、ま、セルフSMはさほど好きではなかったりするので、すぐに縛りを解いて、更に倍! …とかにしちゃうんですけど。 ということで、後半の5枚です。


< 法然院 (エピローグ) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 「もちろん、ひとりで。」 のオッサンも冒頭で紹介していた、ご存知、椿の散華でいっぱいの手水鉢。 これが見たかったんですよね。 喪男感漂うサバくん一人も、「確かにあざといな〜」とか言いながら、デジ一でネチネチと撮影してきました。 外人のお兄さんたちもネチネチと撮っていたので、人種・性別を問わず、万人を惹き付けるネチっこさを持った被写体であるようですな。 同様に、庭に散った椿の花びら (写真・ちょうど真ん中参照) も、思わず撮りたくなっちゃう素材だったりするんですが、これはアレですよね。 自然に散ったものではなく、明らかに誰かがやったものですよね。 ちらし職人・つばき太郎。 そんな異名を持つ住職がいるに違いありませんが、あと、庭のところの手水鉢に身を沈める椿 (写真・下から2番目参照) とかも。 で、 (写真・いちばん下) 。 門から外に出たエリアなので、さすがの太郎の力もここまでは及んでおらず、天然物の散華であるに違いありませんが、侘び寂び、ここに極まれり。 花はなんの花〜、つんつん椿〜♪ by 五木の子守歌。 おどんが打死 (うっちん) だば、道端 (みちばた) にいける花としては最適でありますな。 とまあそんなことで、続いては 霊鑑寺 です。 名前からして恐らく、レーガン大統領ゆかりの寺だとばかり思っていたんですが、レーガンではなくて、レーカンと読むのが正解なんですな。 「椿の寺」として知られる霊鑑寺は、承応3年(1654)、後水尾天皇の皇女・多利宮 (浄法身院宮宗澄尼) を開基として創建され、歴代皇女が住職を務めた尼門跡寺院…である模様。 後水尾天皇って何となく水子の親玉っぽくて、霊感の強い人なら水子の霊が見えるかも知れない霊鑑寺。 そんな雰囲気が感じられるような気がするんですが、写真で見る限りでは今ひとつ地味っぽいし、時間的にもちょっと厳しそうなので、今回はパスしようかなと。 が、思ってたよりも時間に余裕が生まれたので、せっかくなので覗いてみることにしました。


< 霊鑑寺 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 こちらでも椿パフォーマンス、絶賛開催中♪ 何だかサラダっぽい飾り付けで、侘び寂びフェチとしては、コレジャナイ感が半端無かったりするんですが、ま、こいつはゼンジー北京の前座のゼンザー北京みたいなものなので、悲観することはありません。勝負はこれからです。 で、肝心の本体のほうはどうだったのかというと、思ってたよりも悪くはなかったっす。 山の斜面に立地しているので狭いながらも起伏に富んでいて、ごく小規模なちょっとしたプチ高台寺って感じ? 散華パフォーマンスに関しては法然寺に劣るものの、ナマ椿の咲きっぷりはこっちのほうが勝ってますな。 椿の花は “おしべ” の部分がモジャモジャの鼻毛っぽくて、今ひとつオシャレ感に欠ける嫌いがあるんですが、 (写真・ちょうど真ん中) みたいな、「君に薔薇薔薇…という感じ」 なのもあるんですなー。 これならぜんぜん大丈夫。 少数ながら桜の花も咲いているし、苔庭に散りまくっている多量の椿もなかなか絵になりますなぁ。 とまあそんなことで、オマケ程度に立ち寄ったレーカン寺なんですが、まずまずでありました。 で、ここまでの軌跡をもう一度、お温習いしておきましょう。 お…おぬるなら…い。 「おさらい」 って、こんな字を書くんですな。 「お復習い」 でも可のようですが、こんなもん、読めん!

  【銀閣寺〜哲学の道@散策の軌跡】 (←Click Here!!)

 これの終点の辺りからバスに乗って、祇園に移動〜。 続いての目的地は 建仁寺 でありますな。 本体エリアは金さえ払えばいつでも拝観できるようですが、オマケ部分の 正伝永源院 というところが春の特別公開中だったので、先に覗いてみることにしました。


< 建仁寺 (正伝永源院) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 ここは織田有楽斎に縁 (ゆかり) のある寺なんだそうですが、有楽斎。 この、微妙にユーラシア大陸臭い名前のキャラは何者なのかというと、俗名を織田長益といい、織田信秀の十一男なんだそうです。 ということは、信長の弟にあたるわけなんですな。 ということは…と言いつつ、ググってみるまでは織田信秀が何者なのかよく知らなかったりしたんですが、兄貴とは違って、茶道とかに明け暮れる風流人であった模様。 この有楽斎の江戸の屋敷も跡が今の 「有楽町」 なんだそうですが、有楽斎 は 「うらくさい」 と読むのが正解なんですな。 これだとさほどユーラシア大陸臭くはなく、裏臭い感じになっちゃいますが、で、この正伝永源院には有楽斎の墓だとか、有楽斎の長男の墓だとか、有楽斎の孫の墓だとかがありました。 細川家にも縁 (ゆかり) があるようで、細川家代々の墓も完備されております。 で、中に入ってみたら、ほぼ貸切状態だったんですが、ちょっぴり細川ガラシャっぽい雰囲気のギャルが 「もしよろしければ、ご案内させて頂きますが?」 と声を掛けてくれたので、ありがたく拝聴させて頂くことにしました。 マンツーマン指導で緊張しまくりで、あまり詳しい内容は覚えていないんですが、縁側に腰を下ろして庭を眺めたり、座敷に座って襖絵を眺めたりと、何とも贅沢な一時を過ごすことが出来ました。 寺宝 だって、独占しちゃえますぜ。 狩野山楽筆の蓮鷺図襖とか、もう圧巻。 狩野ナントカというだけで、何だかよく分からないけど、凄ぇぇぇぇぇぇ! そんな気分になっちゃいますよね。 で、もうひとつの「秋氣」 図襖はというと、こちらは細川護熙くんの作品。 名前を聞いただけで、まったく価値が無いように思えてしまいますなぁ。 ま、政治家が描いた絵にしては立派だと思うんですが、というかこの人、完全に進むべき道を間違っちゃいましたよね。 陶芸とかをやってるだけなら、何の害もなかったのにぃ。。。

 で、庭の端っこには 「如庵」 という茶室があるんですが、どうやらこれは最近になって復元されたパチモンである模様。 本物はどこにいっちゃったのかと思ったら、名鉄犬山ホテルの敷地内 。 マジかよ? 今年の2月に犬山城に行って、ついでにここも覗こうかどうか迷ったんですが、ホテルの敷地内の分際で1,000円も取られるので、ヤメちゃったんですよね。 ま、写真で見る限りでは、建仁寺のパチモンのほうが新しくて綺麗なので、ぜんぜん悔しくなんかないんですが、その他、桜も綺麗に咲いていたし、ガラシャ先生の指導も懇切丁寧だったし、オマケ程度に立ち寄ったショーデンエイゲン院なんですが、なかなかでありました。 で、この日は13時からの部で昼メシを予約していたんですが、まだ時間に余裕がありそうなので、建仁寺の本体部分のほうも先に片付けるとして。


< 建仁寺 (本体部分) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 祇園の ウインズ の、ほど近く、あまり品のよろしくないエリアにこの寺はあるんですが、庭が結構よさ気な雰囲気なので、今回のプランに組み入れてみました。 境内をウロウロするだけなら無料、建造物の中まで侵入しようとすると金を取られるという、そういうアレなんですが、有料エリアに足を踏み入れると、まず最初に出迎えてくれるのが (写真・いちばん上) 。 「風邪にカイゲン」 でお馴染みの、風神雷神図でありますな。 国宝っすぜ。 にも関わらず、写真取り放題っすぜ。 何故かというと、ここに展示されているのはレプリカだからなんですが、こいつの複製にはキヤノンが深く関わっている模様。 キヤノン=観音説というのは、世間でもわりとよく知られているんですが、名付け親はここの住職なんだそうです。 その縁で、襖絵の複製にも取り組んでいる模様でありますが、おかげで 「中はすべて撮影可能です。どうぞキャノンのカメラで撮って下さいね〜。」 みたいなことを言われるんだとか。 ま、ニコンのカメラで撮っても罰は当たらないと思いますが、で、庭のほうも噂に違わず、なかなかいい雰囲気でありました。 「○△□乃庭」 とか、いかにも禅寺っぽくて、禅寺北京 (ぜんじ・ぺきん) な雰囲気が満載。 その他にもいくつか庭があるんですが、建物の中の色んな方向から見られるようになっていたりして、なかなかよく出来ておりますなぁ。 で、その他にも掲載したい写真があったりするんですが、 “1箇所5枚以内” の縛りがあるので泣く泣く割愛するとして、とまあそんなことで、建仁寺は、おしまい。

 ということで、ランチタイムっす。 今回、昼メシは3日間とも 一休レストラン から予約を入れたんですが、その最後を飾るのは 京都祇園 天ぷら八坂圓堂 。 いちばんお値打ちな このコース を押さえておきました。 一休限定 特別料金3,808円。 サバはパー (3808) 。 そんな語呂合わせで覚えるといいかと思うんですが、ここ価格がお値打ちに思えてしまうほど、今回のサバ君は金銭感覚がパーになっているんですが、そのついでに料理撮影用に用意したコンデジが何故だか急にパーになってしまったので、残念ながら写真はありません。 カウンター席のみのエリアだったので、お一人様でも気兼ねなく、それでいて高級感を味わえる雰囲気だったりするのは、さすがは値段だけのもの。 で、肝心の天麩羅はと言うと、1〜2品ずつ目の前でオッサンが揚げてくれるので、常に熱々なのを堪能することが出来ます。 全10品って、そんなにも食えるのかちょっと心配だったんですが、1品あたりの分量は小ぶりなので、ぜんぜん大丈夫。 逆に、ちょっと物足りないんじゃないかと心配になったんですが、かき揚と白ご飯が最後に出てくるので、それを含めれば、ちょうどいい感じでありました。 野菜系と魚介類系のバランスもよく、特に名物らしいコーンの天麩羅が超ウマでありました。 海老がもう少し大きくて、最後にデザートが付けば完璧だったんですが、ま、もうちょっと高いコースにすれば、その辺りもバッチリだったりするんでしょうけど。 最後は店の外まできっちりとお見送りしてくれたりして、接客のほうも完璧。 祇園あたりの片止まりの宿に泊まって、夜はここでもうちょっと高いコースを堪能する。 そんなプランもいいかも知れませんな。 とまあそんなこんなで、京都の旅も残すところ、あと数時間のみ。 とりあえず手近なところで 安井金比羅宮 を覗いてみることにしました。 詳しくは ここ 参照なんですが、前半の最後のほうに登場しております。


< 安井金比羅宮・神泉苑 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 ということで、到着〜。 神社そのものは別に何てことも無いんですが、絵馬に書かれた願い事は噂に違わず超ディープ。 変な笑みを浮かべながら、思わず読み耽ってしまいますな。 「岐阜県羽島市正木町○○の△△△△が、早く××××」 とか、個人的にめっちゃ馴染みのある地名が出て来たりして、ちょっとドキドキ。 (写真・上から2番目) 以外にも絵馬を撮ったものがあって、元の画像サイズだと何とか中身が読めたりもするんですが、お客様に楽しんで頂ける “素敵” なお店になれますように。 ここの神様の趣旨が今ひとつ分かってないようですな、イノブン高の原店の店長。 えーと、 ここ っすかね? そこそこ素敵なお店のように見えるんですが、次。 広がれ!デデデ大王の輪! あわよくばアニメで旦那がみたいねん 。 僕にはさっぱり意味が分からんのですが、その願い、神様に届くといいですなぁ。 で、次。 (前略) ぜいたくを言えば優しくソフトマッチョなステキな彼に出逢えますように。 さすがにちょっと贅沢過ぎるような気がしますなぁ、みいこちゃん。 優しくてステキなハードゲイあたりで妥協したほうが現実的だと思うんですが、で、次。 ボクのことをしたってくれるチンピラと、かわいがってくれる八九三さんたちから、しぜんとフェードアウトできますように。 慕ってくれたり、可愛がってくれたりするのなら、縁を切らなくっていいじゃん! で、他はほとんど読めなかったりするんですが、もっと丁寧に1枚1枚、アップで撮ってくるんでしたなぁ。 で、一方、縁切り縁結び碑(いし)に貼り付ける形代 (かたしろ) のほうはというと、基本的に2〜4行くらいしか書けない仕様のようで、男運のなさにきれいさっぱりさようなら!!! いい男性と結ばれる私こんにちは (はーと) 。 そういった、わりと具体性に欠けるお願いが主流となっておりました。 やっぱり絵馬のほうがインパクトがありますなぁ。 「安井金比羅宮 絵馬」 で画像検索すると、けっこういい感じなのが出て来たりするので、オススメ♪

 で、京都の旅の最後を飾るのは 神泉苑 であります。 場所的に、初日の二条城と絡めるのが普通なんでしょうが、地下鉄の駅からの方向が逆になるっぽいし、二条城で歩き疲れてメゲると踏んで、最終日に持って来ることにしました。 桜の名所らしく、ナントカ池に花びらが散る様が、この上なく優雅。 そんな噂を耳にしたので、落花盛んなこの時期は大いに期待が持たれたんですが、……。 現地に到着して、愕然。 めっちゃ工事中やんっ! 池の水が抜かれてるやんっ! 本殿のところには土建屋のオッサンがウロウロしていて、ユンボくんも絶賛活躍中♪ ま、写真のマジックで、何とかそれらしい光景を2枚ほどモノにすることは出来たんですが、いやあ、最後の最後にハズレを引いちゃいましたなぁ。 でもまあ、干からびた神泉苑というのも新鮮かも知れないし、私はあなたの新鮮娘〜 (中略) 新鮮、新鮮、新鮮〜♪ ということで、新幹線に乗って家に帰って、今回の旅は、おしまい♪

 ということで今日はキャノンボール・アダレイっす。 キャノンボール=観音羽織説というのはあまり聞いたことがなくて、普通に大砲の弾由来なんだと思いますが、江南 (こうなん) 市に行けば “江南ボウル” というボーリング場があったりしそうですよね。 「どこ行くぅ? 江南ボウルあたりぃ?」 といった、微妙にキャノンボール・アダレイっぽい会話が交わされている可能性がゼロではないんですが、今日はそんなキャノンくんの 『ソフィスティケイテッド・スイング』 というアルバムを紹介したいと思います。 個人的にジャケットのお姉さんはさほど好きなタイプではなかったりするし、この微エロ感を再現する自信はまったくなかったりするんですが、サイドマンには大いにソソられるものがあります。 実弟のナット・アダレイが入っているのが、まず嬉しいですよね。 納豆入り卵焼きとか、個人的には勘弁して欲しいんですが、ナット入りなら大歓迎。 いや、ナット入りの卵焼きは歯が欠けそうでちょっと嫌なんですが、キャノンボールのグループに入るのは、誰も文句を言わないだろうと。 で、リズム・セクションはジュニア・マンスサム・ジョーンズジミー・コブでありますか。 昆布くんがちょっと地味ーなんですが、いい感じにファンキーな仕上がりになっていそうで、超期待♪ ということで、では演奏を聞いてみることにしましょうかぁ。

 1曲目はキャノンボールのオリジナルで、 「アナザー・カインド・オブ・ソウル」 。 「別の種類の魂」 っすか。 ドラえもんのひみつ道具に 「タマシイムマシン」 というのがあるんですが、ちょっとだけ宅麻伸蕁麻疹と似てますよね。 タマシイムマシンとインキンタムシも微妙に近似だったりするんですが、で、この別の種類の魂はというと、ソウルフルでありますな、こりゃ。 ソウルフルとウルフルズはちょっとだけ似ているんですが、ガッツだぜ!! ガッツと言えば、ガッツ石松とガシュツ末 (←精力剤の成分) も似ているんですが、いきなりな感じで始まるテーマは、まさしくファンキー・モンキー・ベイビー。 で、以下、キャノンボール、ナット、ジュニ・マンの順で各自のソロが披露されることになるんですが、どれも素晴らしい出来で、賞賛に値する小3の翔さん (←横浜銀蠅のメインボーカル) 。 そういうアレだったりするんですが、本名は田宮将吉なんですな。 ダサっ! 覚醒剤使用で1997年、1999年、2003年に逮捕される。 おお、ASKAの先輩にあたるワケですな。 …とか言ってるうちにテーマに戻って、終わってしまったんですが、3分35秒。 短いながらも充実したオープニング・ナンバーでありました。 で、次。 同じくキャノンボール作の 「ミス・ジャッキーズ・ディライト」 。 ASKAと一緒に逮捕された栩内香澄美とやらは、ミス・ジャンキーな悦びに耽っていた模様でありますが、ベースの無伴奏ソロで始まるこの曲は泥臭さ満載で、超アーシーな作風。 もう、アーシー高峰も真っ青、金正男も、まっさお。 都会派アーバンな僕の趣向とはやや相容れないものがあるんですが、キャノンボールのソロそのものはさほど泥感もなく、普通に能天気でノリもいいので、大丈夫っす。 途中でナットが 「ぴゃぁぁぁぁ〜♪」 と絡んでくる辺りなど、めっちゃ盛り上がっているし、それを境に兄貴の吹きっぷりも一段と御機嫌さが増していきます。 相乗効果というか、僧正遍昭というか、坊主めくりフェチなら、そんな言葉が浮かんでくるに違いありませんが、続くナットのソロは地味ながら、シジミエキス的な滋味が感じられるし、途中から 何だか無駄にハイになったりもするし、で、続くマンスのソロもお上品にファンキー。 でもって、テーマに戻って、おしまい。 出だしはちょっとどうかという感じだったんですが、いやあ、よかったっす。

 で、次。 歌物ナンバーの 「スプリング・イズ・ヒア」 。 僕の持ってるCDには作曲者としてケニー・ドーハムの名前がクレジットされているんですが、ちゃいますよね? 同名異曲かとも思ったんですが、ざっと聞いた限りでは恐らく、1938年のポピュラーソング。ミュージカル 『私は天使と結婚した(英語版)』(1938年) のためにリチャード・ロジャースが作曲、ロレンツ・ハートが作詞をし…うんぬん。 これで合っていると思います。 で、演奏のほうはというと、バラードでありますな。 キャノンボールのキャラからすると、スローな叙情系はちょっぴり苦手に思われるんですが、ハート・ウォーミングで悪くないプレイが展開されていると言っていいのではなかろうかと。 アドリブに入るとテンポが速くなって、バラードっぽさが薄まるんですが、それも人生。 でもって、最後はまたちょっぴりスローになって、テーマに戻らずに、おしまい。 ナットとマンスには目立った活躍の場が与えられませんでしたが、それもまた人生。 ということで、次。  「トリビュート・トゥ・ブラウニー」 。 クリフォード・ブラウンに捧げられたナンバーであるものと思われますが、ナットとデューク・ピアソンの共作である模様。 ブラウニーが交通事故で死んじゃったのが1956年6月、本作の吹き込みが57年2月なので、百ケ日と一周忌の間くらいですかね? 哀しみもぼちぼちと薄れて、墓地にもあまり行かなくなっちゃう時期でありますが、で、これ、ナットをフィーチャーしたバラードとかではなくて、ミディアム・テンポのファンキー・チューンなんですな。 随所に哀感が滲み出ているので、トリビュート・ナンバーとしては問題ないと思うんですが、キャノンボールは曲の持つ意味合いなどお構いなく、いつもの調子でお気楽なソロを展開。 ま、この人はこれでいいんですけどね。 で、続いてサム・ジョーンズのピチカート・ソロがフィーチャーされて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 作曲者の片割れであるナットには目立った活躍の場が与えられませんでしたが、兄貴の引き立て役で満足しちゃう謙虚なキャラなので、特に不満はないものと思われます。

 で、次。 ナットとサム・ジョーンズの共作らしい 「スペクタキュラー」 。 アップ・テンポで賑やかで、とってもスペクタクルな仕上がりなんですが、キャノンボールの迷いのない吹きっぷりが清々しいスガシカオ。 そういうアレだったりします。 で、ナットとジュニ・マンと、サム・ジョーにも活躍の場が与えられて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 シンプルで、ケレン味がなくて、悪くはなかったな…と。 ということで、次。  「ジニー」 。 ピアソンのアレなのかと思ったらそうではなく、キャノンボールのオリジナルのようですが、これはこれでアレでありまして、で、ちょっぴり能天気でシンプルなテーマに続いてサム・ジョーンズのピチカートがフィーチャーされて、続いてナットくんのコルネットが登場。 ちょっぴり上滑りしている感はあるんですが、それもまた御一興。 で、続いてキャノンボールが兄貴の貫禄を見せつけてくれるんですが、いいですよね、貫禄。 伊佐坂さんちの甚六さんとか、ぜんぜん貫禄がなかったりしますからね。 いささか貫禄がないというレベルではなく、さっぱり。 好きな酒はジンロックらしいですけどね、甚六さん。 意外とアルコールに強い? で、続くジュニ・マンのソロも群を抜いて抜群だったりして、でもって、テーマに戻って、おしまい。 唐突な幕切れも、豚骨な幕張メッセっぽくて、いいんじゃないっすかぁ?

 適当な解説にヤル気の無さがあらわになってきましたが、残すところあと3曲です。 さ、頑張りましょう。 ということで、7曲目。 歌物ナンバーの 「ステラ・バイ・スターライト」 。 クッキー界の星と呼ばれたステラおばさんに捧げられたナンバーでありますな、いや、多分。 シチュー界の星と呼ばれたクレアおばさんとどっちが偉いのか、市中の評価は分かれているようでありますが、このステラおばさんのほうはアレです。 ジュニア・マンスのピアノをフィーチャーしたバラードで、フロントの兄弟はお休み。 飽きやすい貴兄の気分転換には、ちょうどいいんじゃないでしょうか? で、次。  「エディ・マクライン」 。 エエでぇ、枕いいっ、ん〜♪ お気に入りの枕に出逢えると、感極まっちゃいますよね。 ちなみに僕は枕ならソバ殻、パンツなら花柄が好きっ♪ で、曲のほうはというと、ちょっぴりミステリアスなムードのミス照り焼き。 そういうアレだったりして、で、演奏のほうはというと、キャノンボールの朗々とした吹きっぷりを楽しめる、そういうアレだったりします。 ナットくん、マンスくんも頑張っていて、で、最後にサム・ジョーンズが上手にフィーチャーされて、おしまい。 ということで、ラストです。 前曲と同じくキャノンボールのオリジナルで、 「コブウェブ」 。 ここまで地味な昆布だったジミー・コブにスポットを当てたナンバーではないか? そんな予感がするんですが、案の定、昆布くん大活躍。 派手なドラミングでメンバーを鼓舞する様は古武士の風格で、林家こぶ平も大満足。 とまあそんなことで、今日のところは以上っす。

【総合評価】 ジャケットの見た目からして際物っぽい印象を受けるんですが、中身は本物でした。 オリジナル曲の出来もいいし、キャノンボール兄貴はもとより、弟ナットくんの出来も納得レベル。 ジュニア・マンスも好調だし、サム・ジョーンズも自力を随所で発揮して、ヨイショっと。 終盤、ちょっと飽きてきちゃいそうになったんですが、最後はジミー・コブがしっかり決めてくれて、いい昆布締めでありました。


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