ALL STAR SESSIONS (PRESTIGE)

GENE AMMONS (1950/3/5,10/28,1951/1/13/1955/6/16)

ALL STAR SESSIONS


【パーソネル】

GENE AMMONS (ts)
ART FARMER (tp) <#1,2> LOU DONALDSON (as) <#1,2>
FREDDIE REDD (p) <#1,2> ADDISON FARMER (b) <#1,2> KENNY CLARKE (ds) <#1,2>
SONNY STITT (ts) <#3-12> DUKE JORDAN (p) <#3-8> TOMMY POTTER (b) <#3-8> JO JONES (ds) <#3-8>
BILLY MASSEY (tp) <#8,12> EPH GREENLEA (tb) <#8> AL OUTCALT (tb) <#12>
JUNIOR MANCE (p) <#9-11> GENE WRIGHT (b) <#9-12> WESLEY LANDERS (ds) <#9-11>
CHARLIE BATEMAN (p) <#12> TEDDY STEWART (ds) <#12>
【収録曲】

(01-02) WOOFIN' AND TWEETIN' / JUGGERNAUT
(03-07) BLUES UP AND DOWN (take-3) (take-1) (take-2) / YOU CAN DEPEND ON ME (take-1) (take-2)
(08-10) BYE BYE / STRINGIN' THE JUG / WHEN I DREAM OF YOU
(11-12) A LOVER IS BLUE / NEW BLUES UP AND DOWN
【解説】 ( 2015年01月18日更新 / 連載 1,150回 )

  ( 前回 までの粗筋) 明石で明石焼き (玉子焼き) を食べて、国営明石海峡公園と淡路夢舞台を散策した。 ということで、1日目の昼メシです。 公園内にはいくつかメシを食える所があったりするんですが、まずは ここ 。 淡路島は、しらすと玉葱が名物だったりするようですが、個人的はまったくソソられるものがありませんな、しらす。 “世界3大じろう” と言えば、白洲次郎と、ラーメン二郎と、痔瘻なんですが、中では白州がいちばん地味ですよね。 そんなじろう、知らすか。 そう、三河の人に言われちゃいそうです。 「生しらす」 ならちょっと食べてみたいような気もするんですが、釜揚げられて白くなっているヤツは大して珍しくもありません。 カツアゲされるよりはマシ。 そういったレベルだったりしますよね、釜揚げ。 釜揚げうどんとか、ウドンの天麩羅みたいなものを想像していたら単なる茹でたウドンだったりして、激しく落胆しちゃうんですが、で、一方、玉葱のほうはというと、こちらはまあ、そこそこ好きだったりします。 天麩羅にすると美味しいっすよね。 串カツの間に挟まってるヤツも、けっこうイケたりします。 個人的にはネギマのネギよりも、串カツ間の玉ネギのほうが好きなんですが、ただ、ラーメンに入れるのは普通のネギのほうがいいような気がしますなぁ。 八王子ラーメン は玉ネギのみじん切りをトッピングするようですが、美味いんすかね? 食ってみたら、意外と合うんさん。 スーチーさんがそう言ってたので、ミャンマー人には好評のようですが、カレーには普通に合いそうですよね。 ただ、淡路玉葱丸ごとカレーは、あまりも丸ごと過ぎるような気がするんですが、とまあそんなこんなで、もしここで食うとするなら、淡路たこの唐揚げ丼やな。 そんな気がするんですが、朝、明石焼きを20個食ったおかげで腹があまり減っていないので、丼化されていない単品の 「淡路たこの唐揚げ」 のほうでもいいかも? 本家きむらやの明石焼きは総量こそ過剰だったんですが、タコそのものは小ぶりだったので、本場のタコを満喫したという満足感は薄く、ただひたすら、玉子を食い過ぎたという思いしか残らなかったんですが、何でもいいけどこのカップ入りの唐揚げ、写真だとイチゴ味のかき氷 (ブツブツ入り) にしか見えなくて、何だかめっちゃ不味そうっすなぁ。。。

 で、夢舞台のほうのエリアだと、 こんな店 があったりするようです。 中華、海鮮、洋食、フレンチ。 個人的には海鮮よりも疥癬、フレンチよりも破廉恥のほうが好きだったりするので、この2つは却下。 で、わざわざ淡路島まで来て、チャイニーズというのもなぁ。。。 そんな気もするので、残すところ グリル淡路夢工房 の一択ということになるんですが、淡路牛焼肉牛丼とか、よさげ。 “夢工房” 自慢のハヤシライスにハンバーグのトッピングとかも、いいかも? が、こういう観光地のレストランって、お子様連れの人々が大挙して押し寄せたりして、お一人様には近付きがたい雰囲気が漂いまくったりしているのが常でありまして、お子様に大人気のピクニックランチとか、めっちゃ美味そう♪ 1,000円って、お子様向けにしてはちょっと高い気もするんですが、 チャーニーズ のほうも、けっこういいお値段だったりするんですな。 ガキの昼飯に1,000円も出せねぇ! そんなご家族が中華に流れてきた結果、こっちのほうがもっと高いやんっ! そんな悲劇が起きちゃいそうです。 小籠包(3個)¥690っすな、こりゃ。 で、一方、個人的にバブリーな僕は、 ウェスティンホテル淡路のレストランを予約してあったりするんですが、 これ 。 ブッフェ、スペシャリテ、鉄板焼き、日本料理。 1人ブッフェは、どうも居心地が悪いので、却下。 スペシャリテとかいう、いかにもスペシャルっぽいヤツの正体は地中海フレンチなんだそうですが、フランスって、地中海に面してましたっけ? 高校の世界史の教師が 「ギリシャは瀬戸内海に面してますよね。」 とか言ってたのは、よく覚えているんですけど。 ま、本職は神主だったので、世界の地理に疎いのは仕方が無いんですが、で、今回は諸般の事情により、日本料理の 「あわみ」 のテーブル席を押さえることにしました。 ネットから簡単に予約が出来るので、便利です。 ということで、ウェルスティンホテルに移動〜。 このページ のいちばん下の写真の噴水が吹き上がっている辺りのドアから中に入ることになります。 ホテルそのものは、いちばん上の写真の向こうのほうに見えている建物であります。 安藤忠雄クンが設計したV字型の難いヤツ。 見やすい角度からだと、 こんな感じ っすな。 Wikipedia から借用、写真、デカっ! 中に足を踏み入れると恒久的に高級な空気が漂いまくっていて、予約を入れてなければ気後れして、即座に退散していたに違いありません。 3階に上がって、着物姿のお姉さんに予約させて貰った者である旨を申し上げて、案内されたお席はこんな感じでありました。

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 先ほどの “V字型の難いヤツ” の鋭角部分を中側から眺めるような感じ。 海も見えて、いいっすなぁ、こりゃ。 1時半という遅めの時間だったのもあって、店内は空いておりました。 子供料理の 「緑丸」 が¥1,800っすからね。 そうそう、お子様連れが気楽に入れるところではありません。 店に入るまでは、お子様にも300円ほど劣る 「あわみ天丼」 \1,500で、いっかぁ。 そんなふうに思っていたんですが、わざわざ予約まで入れて、 「緑丸」 以下ぁ?  そんなふうに係のお姉さんに思われてもアレなので、ちょっと見栄を張って、「すきやき膳」 ¥2,400というのを頼みました。 夜は夜で肉を食う予定なのにぃ。 2日前には親戚の叔父さんちで、すき焼きをしこたま食ったばかりなのにぃ。 明日の昼は昼で、淡路島牛丼を食うつもりなのにぃ。 そんな肉ばかり食っていたら、憎まれっ子になって、世に憚かっちゃうんじゃないか? そんな懸念あったりするんですが、、というか、もっと即物的に、下痢になって腹が痛くなって、夜は夜でのほうの肉が食えなくなっちゃうんじゃないかという心配も。 でもまあ、もう既に届いちゃったしぃ。

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 おお、なかなかボリュームがありますなぁ。 肉、めっちゃ美味そう♪ 下痢、上等! グツグツと煮えるのを待って、ほんじゃ、頂きまーす♪ めっちゃ美味そうな肉を1枚、お口の中に入れると…、意外と固い? うまく噛み切れずに、1枚まるまま飲み込むような感じになっちゃいました。 2日前には親戚の叔父さんちで食った肉は、お口の中でとろけるような柔らかさだったんですが、アレはおそらく柿安のめっちゃ高い肉であったものと思われ、いくら安藤忠雄クンとは言え、¥2,400で勝負を挑むには、ちょっと無理があったのかも? 期待が大きかっただけに、ちょっとアレだったんですが、ま、計5切れのうちの2切れは噛み切れる柔らかさだったし、勝率4割なら上等だと評価していいのではなかろうかと。 さほど脂が多くない分、下痢のリスクは軽減されるし、噛みしめると肉本来の味がジワジワと感じられ、これはこれで、ま、いいんじゃないっすかね? で、写真では普通のネギが横たわっているのが見えておりましたが、肉の下には玉ネギが大量に潜んでいて、淡路島らしさも堪能。 ま、ぶっちゃけ、あまりにも大量過ぎて、途中で飽きちゃいましたけどね、玉ネギ。 玉ネギなんて、たまに労うくらいで充分だと思うんですが、最後に出た、洋なしにゼリーが掛かったようなデザートが美味しかったので、トータルとしては、満足。 というか、これで文句を言ったら罰があたると思うし、とまあそんなこんなで、バスに乗って、本土に帰還しました。 で、本日の宿泊先は こちら 。 ここに泊まることになった経緯は ここ を見て貰うとして、本来、お正月特別ぼったくり料金で40,000円取られちゃうところが、宿側のミスで半額の20,000円に! めっちゃ得した気分でありますなぁ。 無論、ネタにしたような嫌がらせもなかったし、朝食も普通に “豪華なほうバージョン” が提供されました。 ま、期待が高過ぎると、思ってたほど大したことはないな。 そう感じてしまう内容だったりもしたんですが、詳しくはまた別の機会に書くとして。 とりあえずチェックインの前に舞子の辺りを散策したので、その様子を紹介しておきましょう。


< 舞子公園・アジュール舞子 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 舞子の駅を降りると、すぐそこに明石海峡大橋がドドーンと伸びているんですが、周囲は 舞子公園 として整備されているので、散策するにはいい感じです。 橋の科学館 とか 孫文記念館 とかもあるんですが、お正月はお休みしていて、ちょっと損分な気分。 孫文って、海苔の佃煮の「アラ!」を作ってる会社でしたっけ? それは ブンセン っすな。 「アラ!」 って、全国区なのかと思ったら、兵庫のローカルメーカーだったんですな。 ブンセンという会社名の由来が ここ に書かれていますが、昔の寛永通宝のうち、裏に「文」の文字の入ったものが、「文銭」(ブンセン)と呼ばれて重宝がられていました。 ほぉ。 またひとつ賢くなりましたなぁ。 ま、どうでもいい知識ではあるんですけど。 で、舞子公園の隣は アジュール舞子 という海水浴場になっているんですが、とても神戸市内とは思えないほどリゾートな雰囲気が漂っていて、水が意外と綺麗だったりするのに、ちょっとビビりました。 端っこのほうには 「太平のゆ」 というのもあって、歩いて行けそうなら入ってみようかと思ったんですが、意外と遠かったので、断念。 で、ホテルにチェックインして、しばらくのんびりして、そうこうしているうちに、日が暮れかかって参りました。 明石海峡大橋と夕日。 これをいちばん楽しみにしていたんですが、こればかりはお天気次第ですからね。 夕日の名所と呼ばれるところに行っても、なかなか綺麗には見られなかったりするんですが、今回、果たしてその成果の程は?


< 明石海峡大橋 (夕日バージョン) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 いやあ、完璧でしたなぁ。 しぼったばかりの、夕陽の赤が〜、水平線から、もれている〜♪ by 吉田拓郎。 いやあ、 「落陽」 っすなぁ。 事前の予測では この 左下に伸びている線の方向に日が沈むことになっていたんですが、まさにイメージ通り。 (写真・いちばん上)(写真・上から2番目) は、ホテルセトレの3階の部屋のテラスから撮ったものなんですが、こんな景色が見られるなら4万円…はともかく、2万円出す価値は充分になりますなぁ。 思ってた以上に明石海峡大橋がいい感じに見えて、窓から外を見た瞬間、「ぐへぇ〜♪」 という変態的な笑いがこみ上げて来ました。 ただ、この角度からだと微妙に海ではなく、淡路島の上に太陽が沈んじゃうような? ということで、カメラを持って、外に出てみることにしました。 釣りをする人たちで、こんな時間でもけっこう賑わっていたりするんですが、誰も夕日には大して感心を寄せていない模様。 地元民は慣れっこになっちゃっているんですかね? 羨ましいような、勿体ないような…。 天気がいい日でも微妙に雲がかかったりして、太陽が海にする瞬間はなかなか見えなかったりするんですが、この日はバッチリでした。 「だるま夕日」 と言うんでしたっけ? そういうのも撮影出来ましたぜ。 だるま朝日・だるま夕日は、秋分の日ごろから春分の日ごろにかけて海面の海水温と大気の温度差により水蒸気に光が屈折して太陽がだるまのように見える現象です。 ほぉ、冬にしか見られないんですな。 高知の ここ が “ダル日” の名所のようですが、綺麗なダルマになるのは年に10回程度なんだとか。 今回、僕が見たのはダルマというよりも、タコ焼きみたいな形だったんですが、恐らくこれで1年分の運をすべて使い果たしてしまいましたな、こりゃ。 4万円のホテルに半額で泊まれるというラッキーもあったし、この先は悪い方向に落ちる一方であるものと思われます。

 とまあそんなことで、この続きは、次回♪

 ということで、今日はジーン・アモンズっす。 明日、出さなければならない書類があるっぽいんですが、金曜日の夜、途中で断念してしまって、まだ未完成だったりします。 つよぽんには「家で作るから」と言って、先に帰ってきちゃったんですが、果たして今日中に何とかなるんですかね? ま、なるようにしかならないんですが、本業多忙を理由に、今週も後半は超手抜きモードでお届けしたいと思います。 ということで、 『オール・スターズ』 。 プレスティッジお得意のジャム・セッション物でありますな。 僕の持っているCDの表記は 『ウィズ・ソニー・スティット』 となっていて、2人の絡みがウリとなっているようですが、アモンズとスティットのバトルは、けっこう有名だったりしますよね。 これ とか。 また古い原稿を持ってきましたなー。 いつの冬休みの話なんっすかね? で、この頃の僕って、文体がちょっと変だったりするんですが、文体が変態というワケではなくて、全然、こなれてないというか。 ジャケ絵も適当の極みっすな。 このレベルで妥協していれば、毎週そんなに苦しまずに済んだんですが、ま、今回は先に絵のほうを書いちゃったので、まだ気は楽なんですけど。

 とまあそんなこんなで、1曲目。  「ウーフィン・アンド・トゥイーティン」 。 外人のジャズの人ってこういう、「〇〇〇ィン・アンド・△△△ィン」 みたいなのが好きっすよね。 真っ先に頭に浮かんだのが これ なんですが、また似たような時期の古いネタを持ってきましたなー。 いつの年の 「成人の日」 なんすかね? あ、長野オリンピックの頃っすか。 この頃はプレゼント応募メールとかがいっぱい来たりして、希望に満ちておりましたなぁ。 で、この 「脅しとツイート」 は、アート・ファーマーのオリジナルであるようです。 あ、トィーティンは、ツイッターのツイートのアレでありましたか。 なかなか現代的なタイトルなんですが、この曲と次のヤツは “ウィズ・ソニー・スティット” ではなくて、アート・ファーマールー・ドナルドソンが参加したセッションとなっています。 リズム隊はフレディ・レッドアディソン・ファーマーケニー・クラークという面子。 なかなか地味渋いところを持って来ましたな。 ちなみにアディソンはアート・ファーマーの兄貴だか弟だかですよね。 曲そのものはアーシー系のブルースだったりして、都会派アーバンな僕の趣向にはちょっぴりそぐわなかったりするんですが、知的なファーマーの作だけに、農民的な知性がちょっぴり感じられたりもします。 ソロ先発はルーさん。 後年のようなソウル色は希薄で、パーカー直系のバッパーなブロウを堪能することが出来ます。 続くファーマーもオーソドックスで堅実なプレイをたんまりと聞かせて下さいます。 ジャム物でクソ長いので、各自のフィーチャーされっぷりも半端ないっすなー。 続くフレディ・レッドのソロは何だかちょっと地味なんですが、それを引き継ぐアモンズ兄貴は貫禄たっぷり。 各自に割り当てられた小節数のカウントを間違えて、フライングでちょっぴり吹いちゃうところも、何だかオチャメ。 正しい出番が来ても疑心暗鬼になって、ちょっとだけ吹いて、しばらく様子を窺っているところが何だか泣けます。 が、「合ってた!」 と分かれば、あとは余裕綽々、釈由美子。 貫禄の甚六さん。 そういったプレイをたんまりと聞かせてくれて、その後、アディソンくんの地味なベースのソロが出て来て、でもって、テーマに戻って、おしまい。 いやあ、なかなかよかったっす。

 で、次。 アモンズのオリジナルで、 「ジャガーノート」 。 タイトルはニックネームの “JUG” に引っ掛けたものでありましょう。 ちなみに “Juggernaut” というのは 【インド神話】 ジャガンナート、ジャガノート 《クリシュナ (Krishna) 像; ★【解説】 この像を載せた車にひかれて死ぬと極楽往生ができると信じられた》 そういったものであるようです。 ワケわかんないっすな、インド神 (しん) 。 まだインドメタ神 (しん) のほうが肩こりとかに効能がありそうなんですが、で、曲のほうはアレです。 ミディアム・テンポのスウィンガー。 AABA形式の “Aの部” を3管のユニゾンで、 “Bの部” をピアノでというパターンなんですが、で、ソロ先発はルー・ドナルドソン。 好調な吹きっぷりで、何よりだと思います。 続くアートのほうのファーマーのソロは、途中にホーンのアンサンブルが被さってきたりして、よく練られたハード・バップの様相。 続くフレディ・レッドは、やや平板だが…と、日本語ライナーで粟村政昭とかいう人に言われちゃってますが、最後を締めるアモンズはさすがの貫禄。 元禄寿司の店員としても、立派にやっていけそうです。 回転寿司の元祖らしいっすな、元禄寿司。 昭和33年に、ビール工場の製造に使われているベルトコンベアをヒントに 「旋回式食事台」 を開発…って、そんなに歴史があるものだったんですな。 韃靼人もびっくり。 で、ラストはテナーとドラムスの4バースでそこそこ盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 ちなみに後テーマでは “Bの部” がベースに変わるというプチ演出もあったりして、なかなかよかったっす。

 で、次。 ここからが “ウィズ・ソニー・スティット” の本番で、まずはテナー・バトルの古典的な定番、 「ブルース・アップ・アンド・ダウン」 。 前述の 『ボス・テナーズ』 でも演奏されてましたよね。 こっちのほうが元祖なんだと思われますが、演奏が始まった瞬間、音質の悪さに愕然としてしまいました。 最初の2曲が1955年の吹き込みであるのに対し、こっちは1950年。 元はSP盤だったらしく、演奏時間も短小っすな。 プレイそのものは、なかなか にスリリングで、バトル物の醍醐味を味わえるんですが、没テイクを含めて3回も同じ曲を聞かされるし、通な人以外には、ちょっと厳しいものがるかも知れません。 続く 「ユー・キャン・ディペンド・オン・ミー」 も、以下同文。 ま、音がカスだと覚悟して聞けば、中身はめっちゃ濃厚な農協牛乳だったりするんですけど。 で、続く 「バイ・バイ」 はCDオマケ曲。 アモンズとスティットの他に、トランペットとトロンボーンの賑やかし要因が追加されていて、1950年にして、既にハード・バップの萌芽のようなものを感じ取ることが出来て、興味深いものがあります。 演奏そのものは荒削りで、録音状態も怪しいものがあるんですが、ま、これはこれで、アレではなかろうかと。 で、次。  「ストリンギン・ザ・ジャグ」 は SP両面にわたる長い演奏で、これも名演には違いないが (中略) 、こうした激しいテナー・バトルを長く聴かせれると、感服すると同時に少々疲れを覚えることも事実のようだ。 そう、粟村クンが率直な感想を述べておりますが、まったく同感でありますな。 銅で出来た管は、銅管だと思う。 そういう意見と同じくらい、同感せざるを得ません。 「長く聴かせれると…」 という日本語は、ちょっとどうかと思うんですが、で、次。  「ホエン・アイ・ドリーム・オブ・ユー」 「ア・ラバー・イズ・ブルー」 は、いずれもCDオマケで、どちらもバラード。 激しいテナー・バトルを長く聴かせれるとで、少々疲れを覚えた身には、優しく心に染み入ります。 しみじみ、シミーズって、いいな♪ そんな気持ちになるんですが、お洒落なフランス生まれの下着なのに、すっかりオバハン臭いイメージが染みついちゃいましたよね、シミーズ。 残念でなりません。

 ということで、ラスト。  「ニュー・ブルース・アップ・アンド・ダウン」 。 例のテナー・バトルの古典的な定番のちょっと新しいバージョンです。 こちらは1951年の吹き込み。 テンポも少し速くなって、おニュー感のある仕上がりになっていたりして、とまあそんなことで、今日のところは以上っす。

【総合評価】 1955年のほうのセッションは、ジャム好きの人には楽しめると思われるので、まだ大丈夫。 バタコさん好きの人にはどうだか分かりませんが、で、一方、1950年とかのほうは、これは歴史的に貴重な記録であるな。 そういう認識がないと、ちょっと辛いかも知れませんな。 通ぶりたい痛風持ちのオッサン以外には、無難な1961年の 『ボス・テナーズ』 のほうが、オススメ♪


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