“VersaPro” が増殖しています。 あ、ちなみに僕は世間のパソコン事情には極めて疎く、その筋の人から見れば、 「ゴミ」 と罵倒されるようなモノに手を出したり、 「情弱の極み」 と蔑まれるような行動を取っているに違いないんっすが、ま、無知ゆえの強みというか、よく分かってなくて、本人がそれで納得しているんやから、別にエエやん! …と。 で、何故、そんなものが増えたのと言うと、あれは1年くらい前のことでしたか。 家で使っていたパソコンが壊れて、立ち上がらなくなってしまった…と。 『塩サバ通信』 の更新が出来んようになってまうやんけ! ま、それは別にいいんっすが、むしろ、サボる口実が出来て好都合だったりするんっすが、いかがわしいサイトとか、家で見られんようになってまうやんけ! これはもう、死活問題っすよね。 何でもいいので、一刻も早く新しいパソコンを手にいれなければ! んなことで、安い中古のノートパソコンをネットで適当に見繕って、あまり深く考えずに、ポチってみました。 その結果、手に入ったのが、これ。
それはそうと、前にも何か、ちょっと小さめのヤツを買ったことがあったような? 特に何がどうというワケでもないんっすが、安いノーパソを適当にポチった記憶があるんっすよね。 ぜんぜん使ってなくて、社有車の後部座席のところに放置していたんっすが、改めて引っ張り出してみたところ、
ということで、“Windows10” は最初から無かったものとして、僕の心の中に封印することにしたんっすが、ある日、ふと、あ、そういえば…。 初代 “VersaPro” があるやん! ハードディスクがいかれちゃったみたいで、ある日突然、立ち上がらなくなってしまって、そのまま放置していたんっすが、あれのHDDを、新しいSSDに変えて、 “Win 10” を入れてやれば…。 で、やってみました。
ということで、今日はロブ・アフルベークっす。 また、どこの誰だか、よく分からんキャラが出てきちゃいましたな。“ROB AGERBEEK” だから、ロブ・アガービークじゃね? そんな気がしないでもないんっすが、生誕名ロバート・アリス・ジュールス・アフルベークは1937年9月28日、インドネシア・ジャカルタで生まれた。 そう、杉田宏樹クンが日本語ライナーに書いているので、アフルベーク説を採用するとして。 で、どこの誰なのかと思ったら、インドネシアの誰かだったんっすな。 インドと言えばカレーなんっすが、インドネシアは何があるんっすかね? ジャワ島がある所? となると、ジャワカレー? あと、双頭の巨大蛇ナークの棲息地だったような? えーと、 ここ 参照。 『恐怖!双頭の巨大怪蛇ゴーグ!南部タイ秘境に蛇島カウングの魔神は実在した!!』 あ、ちゃうやん。 インドネシアでもないし、ナークでもないやん。 もう1匹、 「ナーク」 というヤツもいたと思うんっすが、いつもこの2つがゴッチャになちゃうんっすよね。 川口浩探検隊シリーズに関しては、 ここ 参照なんっすが、 『巨大怪蛇ナーク!!タイ秘境底なし沼に恐怖の魔神は実在した!!』 あ、こっちもタイなんっすな。 もう、ロブ・アフルベークは、タイ人ってことにしとけよ! そう、言いたくなっちゃいますが、恐いっすよね、タイ人。 タイ人恐怖症の人も少なくないんっすが、で、ロブ君は54年に家族と供にオランダに移住。 その頃からピアノを弾き始め、アルバート・アモンズ、ミード・ルクス・ルイス、ピート・ジョンソンらブギウギスタイルのレコードを聴きながら、ほぼ独学で学習した…と。 僕と境遇が似ておりますな。 僕も子供の頃、テレビやラジオでよく、 ダウンタウンブギウギバンド の歌を聞いていたんっすよね。 1972年末にサディスティック・ミカ・バンドに対抗した長いバンド名 「ダウン・タウン・ブギウギ・バンド」 を思いついた宇崎竜童が、当時のバンド仲間 (アマチュア) にレコーディングの話を持ちかけたところ全員怖気づいて解散状態になる。 何じゃ。そりゃ…。 ちなみに宇崎竜童クンは、酒に強そうなイメージを持たれていることが多いが、実は全くの下戸であり、大の甘党である。特に饅頭やケーキなどには目がない。 ほぉ。意外っすな。 で、ちょっと萌えますな。 ギャップ萌えってヤツ? で、竜童クンは置いといて、ロブなんたら君。 先ほどの経歴からすると、クソ古臭いピアノ・スタイルの持ち主であるように思えるんっすが、バド・パウエル、ホレス・シルバー、オスカー・ピーターソンの影響を受けて、モダン・スタイルも身につけている。 そのように書かれているので、ま、大丈夫かと。 インドネシアのジャズ・ピアニストとか、双頭の巨大怪蛇と同じくらいレアな気がするんっすが、今日はそんなロブ君の 『ミス・ディー』 というアルバムを取り上げてみたいと思います。 オランダ Timeless の傍系レーベル Limetree が原盤で、80年2月24日録音。 ベースのハリー・エメリーとドラムスのエリック・イネケはアフルベーク・炉イオのレギュラー・メンバーで、オランダ屈指のバイ・プレイヤーでもある…と。 そういったアレである模様でありますが、とまあそんなことで、では、演奏を聞いてみることにしましょうかぁ。
1曲目、 「バークス・ワークス」 はトランペッターのディジー・ガレスピーが51年に発表したバップ・ナンバー。 アート・ペッパー、レッド・ガーランド、ケニー・バレルがカバーしている。 そういったアレでありますな。 個人的にはガーランドの 『ソウル・ジャンクション』 のイメージが強いんっすが、バップというより、ファンキーなチューンといった感じでありますな。 それを、インドネシア生まれ、オランダ育ちのオッサンがどのように料理しているのか、興味をソソられるところでありますが、アフルベークはくだけた雰囲気を醸し出しながら、熱気も吹き込んだソロを披露。 ベース・ソロからドラムスとの小節交換に進み、エンド・テーマで締め括る。 定番的な構成でまずはトリオの自己紹介といった趣だな…と。 で、ロブ君のスタイルはというと、わりと手数が多く、適度にファンキー。 そういった感じっすかね? バド・パウエル、ホレス・シルバー、オスカー・ピーターソンの影響を受けて、モダン・スタイルも身につけているな…と。 で、ピアノ・ソロの後、ベース・ソロからドラムスとの小節交換に進み、エンド・テーマで締め括るぜ…と。 典型的なハード・バップの構成で、普通にいいんじゃね? そのように評価していいのではないかと思います。
で、次。 「カップ・ベアラーズ」 。 トロンボーン奏者のトム・マッキントッシュが作曲、ブルー・ミッチェルをはじめ、うんぬん。 そう書かれている通り、ミッチェルのリーダー作のタイトルにもなってますよね。 コーヒーカップがずらっと並んでいるジャケットのヤツ。 えーと、 これ 。 、“cup bearers” というのはアレですね。 “カップ運搬人” の意味ですね。 あ、これ、意味を調べなければならんな。 そんなふうに思っていたんっすが、手間が省けました。 それはそうと、カップ運搬人って、そんな職業でちゃんと飯が食えるんっすかね? コーヒーくらいなら飲めそうな気がするんっすが、で、えーと、5曲目はアルバム・タイトル曲の 「カップ・ベアラーズ」 ですな。4曲目と同様、トム・マッキントッシュのオリジナルなんですが、 タイトル曲のわりには何だか今ひとつ印象の薄いナンバーではありますな。ま、悪くはないと思うんですが、普通。 そんなふうに書かれちゃってます。 が、今回、改めてロブ君のピアノ・トリオ・バージョンを聞いてみた結果、ま、普通にまあまあなんじゃね? そのように評価が好転したんっすが、ちょぴりタッド・ダメロン風の香気のようなものが感じられるような? で、ここでのピアノ・プレイはロニー・マシューズやシダー・ウォルトンを連想させるもので、うんぬん。 確かに、黒さの度合いが過剰じゃなくて適度であるところとか、シダーっぽい感じであるような気がしないでもありません。 シングル・トーン中心に、グイグイと疾走する感じのアドリブが繰り広げられていて、アフルベークの名手ぶりが浮き彫りになるな…と。
で、次。 半分ほどアルバム・タイトル曲の 「リトル・ミス・ディー」 。 アフルベークのオリジナル・バラード。 “ミスター・ブギウギ” のイメージとは一味違う、チャーミングな側面を見せてくれるな…と。 で、ピアノのアドリブ・フレーズにベースが呼応する場面もあり、トリオの良好な関係がうかがえるな…と。 笠置シズ子を差し置いて、勝手に “ミスター・ブギウギ” を名乗らせるな! そう思わずにはいられませんが、でもまあ、 「ブギの女王」 に対抗するなら 「ブギの王様」 となるところ、 「ミスター」 と、ちょっぴり態度が控えめな気がするので、ま、いっかぁ…と。 で、これはアレっす。 しみじみとしたバラードっす。 チャーミングかと言われると、ちょっと違う気もするんっすが、 チャーミングチャーハン も、言うほどチャーミングではなかったりするので、ま、いっかぁ…と。 焼飯 (チャーハン付) って、マジかよ? チャーシュー焼飯 (チャーハン付) というのもありますな。 で、焼飯とチャーハンは、似て非なる食べ物なのかと思ったら、まったく一緒やんけ! しかも、食べログを見ると、チャーハンが微妙…。 そんな意見もいくつか見られたんっすが、ま、別に最初から 「美味しい」 と言ってるワケではないっすからね。 チャーミングだと言ってるだけで。 charming とは、 (とても) すてきな、とても感じのよい、とてもかわいらしい、魅力的な。 味が微妙なら、チャーミングちゃうんちゃうけ? そんな気がしないでもないんっすが、ロブ君のプレイは、とても感じがよくて、魅力的なので、チャーミングで合ってるな…と。 可愛いだけが、チャーミングではない。 そう知らされた、そんな1曲でありました。
…と、ここまで、選曲も演奏も、完璧と言っていい出来だったりするんっすが、で、次。 「アウト・オブ・ジス・ワールド」 。 ハロルド・アーレンが作曲し、45年に発表された。 (中略) エメリーとイネケのヘビー級の音圧によって、テーマからマッコイ・タイナーのトリオを想記させるパワーが漲っている。 メロディアスなベース・ソロはニールス・ペデルセンやエディ・ゴメスに通じるものだな…と。 何か、読んでるだけで脂っぽくて胃がもたれそうなんっすが、 マッコイ・タイナー (チャーハン付) 。 あ、いいっす。 ヤメておきます…。 で、実際のところ、かなりコッテリだったりするんっすが、メロディアスなベース・ソロも堪能出来るし、ま、いっかぁ…と。 で、次。 「キャラバン」 。 ストップ・タイムを入れてピアノにスポットを当てるテーマに続き、アフルベークが全力疾走。 イネケもここぞとばかりに、入魂のソロで呼応しているな…と。 濃い系が続きますなぁ。 で、次。 「ラッシュ・ライフ」 。 ここでのアフルベークは全編を通じて比較的、正攻法で臨んでいるな…と。 基本、バラードなんっすが、冒頭のピアノの無伴奏ソロの部分とか、パウエルの影響が色濃く感じられるものになっているような気がしないでもなくて、で、次。 「ヒアズ・ザット・レイニー・デイ」 。 53年のミュージカル 『フランダースのカーニバル』 の挿入歌で、うんぬん。 フランダースって、犬だけじゃなくて、カーニバルもあったんっすな。 知りませんでした。 ていうか、フランダースって、何処? フランダースは、フランスだす。 それで合ってる? …と思って調べてみたら、違いました。 フランダースとは、今現在はベルギー王国の中の北半分 = オランダ語地域という定義になっています。 それに対してベルギー王国の南半分 = フランス語地域はワロンといわれています。 ワロンの犬。 ぜんぜん、アカンっすな。 ベルギー王国の中の北半分 = オランダ語地域を舞台にして、大正解だと思いますが、バラード・カバーが多いが、アフルベークはアップテンポを選択。 中盤でさらに加速して、トリオの一体感を強めるな…と。 で、実際に聞いてみたところ、前半は言うほどアップテンポではなくて、ミディアム・ファストな感じ? が、確かに中盤で加速していて、トリオの一体感が強まっていて、凄ぇぇぇぇ!
で、ラストっす。 「ゲット・アウト・オブ・タウン」 はコール・ポーターが書いて、38年に発表。 (中略) ここではサンバと4ビートを組み合わせたアレンジによってオリジナリティを表出。 エンド・テーマが終わってさらに演奏が続き、やむを得ず (?) フェイドアウトしたあたりに、当時のアフルベーク・トリオの勢いが認められるな…と。 最後くらい、きっちり締めろよ! そんな気がしないでもないんっすが、余韻を残したまま、フェイドアウトで終わるというのも、アリかな? そんな気がしないでもなくて、とまあそんなこんなで、今日のところは…。
【総合評価】 インドネシア生まれの、オランダ育ち、やるやんけ! …と。 ジャズ・オリジナル、自分のオリジナルと来て、後は流れでスタンダードを…。 この構成は後半、若干ダレた気がしないでもないんっすが、演奏している本人は、最後までハイテンションでありましたな。 トリオとしてのバランスもよくて、ジャワカレー (チャーハン付) を食べたくなる、そんな1枚でありました。