QUIRINE (LIMETREE)

IRVIN ROCHLIN (1980/5/3)

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【パーソネル】

IRVIN ROCHLIN (p) HARRY EMMERY (b) ERIC INEKE (ds)
【収録曲】

(01-03) PEPITO'S RIB / INTRODUCTION / QUIRINE
(04-06) GHOST OF A CHANCE / ONLY LUDWIG KNOWS / LITTLE B'S POEM
(07-09) LAURA / A PLAN FOR THE FUTURE / FOUR ON SIX
【解説】 ( 2019年04月14日更新 / 連載 1,344回 )

 先週の月曜日、お休みを取りました。 毎年、クソ忙しい年度末を何とか無事に乗り越えることが出来た記念として、この時期にお休みを取って、2泊3日でお花見の旅に行くというのを恒例にしているんっすが、今年はそれをゴールデンウィークの10連休のところに持って来たので、別に休みはいらねーか…と。 が、今年度から年5日の年次有給休暇の取得が義務化されて、3月の時点で、希望日を5日分明記して、総務に提出しろとのお達しが。 ちなみに、5日間ちゃんと休みを取れば、ご褒美として2万円だかのナントカ手当を支給すると、そんなことも書いてありました。 気兼ねなく有給休暇を取れるだけでなく、お金まで貰えちゃうとか、マジかよ? 違反して、休みを取らずに真面目に働く社員がいると、1人あたり30万円以下の罰金が会社に課せられるので、それを考えたら、数万程度の手当を出してでも、半強制的に休みを取らせるのが吉であるな。 そういう判断なんでしょうな。 僕はもともと、春と夏と秋に1日ずつ休みを取っていたんっすが、さらに2日間休めて、しかも、お小遣いまでゲット。 こんな、ありがたい話はないやんけ! …と、その通達が書かれた書面をニタニタしながら眺めていたんっすが、ただし、ナントカ手当に関しては、管理職は除く。 そんな補足が書かれておりました。 ハァ? ちなみに僕はつい最近まで 「課長心得」 という、謎の役職だったんっすよね。 「課長代理」 から微妙に出世したっぽいんっすが、課長よりは下という位置づけのようで、管理職なんだかどうなんだか、めっちゃ微妙…。 が、最近、その 「心得」 が取れて、普通の課長になってしまったので、ということはつまり、アカンやんけ! ぬか喜びさせやがって…。 こうなったら嫌がらせで4日間だけ休みを取って、会社に損害を与えてやろうかとも思ったんっすが、そんなことしても、何のメリットもない気がしないでもないので、じゃ、とりあえず4月8日は休みにしておこうかと。 で、その日はどこに行くことにしたのかというと、とりあえず カトーレンタカー。 ここのトランクサービスというのを利用しているんっすよね。 僕はブリーフよりも断然、トランクス派だったりするんっすが、1時間 3,000円で、おっさんの使用済みトランクスの匂いを嗅ぎ放題♪ そんな変態の極みなトランクスサービスではなくて、 これ 。 あ、タイヤトランクというのが正式な名称でしたか。 2017年冬の前までは、タイヤの年間預かり料+はめ換え作業費2回分で 6,000円だったか 8,000円だったか、とにかく、破格の超リーズナブルな価格設定だったんっすが、ある日当然、めっちゃ急に高くなっちゃいました。 僕は会社の車 (5ナンバー) と、自家用の車 (3ナンバー) 、2台のタイヤを預けてあるんっすが、

 年間 〔8,000 +(3,000×2回)〕+〔10,000 +(4,000×2回)〕 = 32,000円の出費やんけ! 百歩譲って、それはまだ許せるとしても、☆タイヤ交換 (取替え) は平日でお願いします。(月〜金・AM9時〜PM5時・予約必要)。 ご希望がございましたら、平日の夜でも交換させて頂きます。 (その場合追加料金あり。) この改悪が致命的でありますな。 以前は土日でもよかったんっすが、平日の夕方5時までとか、無理っ! 仕方なく追加料金を 1,000円払って5時過ぎに持って行っていたんっすが、今年は平日に休みを取って、行ってやろうやんけ! …と。 で、行ってきました。 大幅値上げで、ちょっぴり後ろめたいからなのか、「特別なお客様へのサービス券」というのをくれました。 下記 「500円ポッキリメニュー」 から1つお選び下さい。

 1) Eオイル交換
 2) 洗車機による外洗車&車内マットそうじ
 3) 5項目点検(タイヤ空気圧・Eオイル・ラジエタ水・ワイパーゴム・各ランプ類)

うぉぉぉぉぉ! めっちゃ微妙…。 で、これは値上げ前からなんっすが、 「落花生に黒砂糖をまぶした奄美大島のお菓子」 もくれました。 何故か毎回、これなんっすよね。 えーと、 これ っすか。 ま、美味しいから普通に嬉しかったりするんっすが、美味しすぎて1時間以内に1袋まるまる食べ尽くしてしまって、カロリー摂取がヤバいことになってるに違いなくて、うーん…。 で、年末には毎回カレンダーをくれます。 日本の風景だとか、お花なとか、犬だとか、数種類から選べるのはいいんっすが、下のほうに、ありがたい説教みたいなものが書いてあるのが、ちょっと…。 例えば3−4月だと、上のほうには 「白石川堤一目千本桜/宮城」 の写真。 うぉぉぉぉぉ、めっちゃ綺麗やんけ! 満開の桜と、黄色い菜の花。 ここ、2年前だかの春に行ったんっすよね。 タイミングが早過ぎて、桜はまだぜんぜん咲いてなかったんっすけど。 で、下のほうに

  万物の終わりが近づきました。
  ですから、祈りのために、心を整え
  身を慎みなさい。


      聖書(Iペテロ4:7)

そんなことが書かれております。 石原慎太郎でもないのに、なんで慎まなアカンのや…。 そう思わずにはいられませんが、というか、ぜんぜん慎まないキャラだったりするんっすけどね、慎太郎。 名は体を表さない代表例として、ぜんぜん静かではない亀井静香と肩を並べるものがありますが、とまあそんなこんなで、カトーレンタカーは、おしまい。 で、後は郵便局っすか。 定期貯金が満期になった。 そんな通知が届いていたんっすよね。 毎月の給料を家に入れていたんっすが、その一部は生活費として流用され、で、残った分は貯金してあるでー。 そんな話は聞いていたんっすが、どうやらそれが10年の満期を迎えた模様っす。 いくらあるのかと思って通帳を見たら、10,000,000円。 んーと、いち、じゅう、ひゃく、せん、まん、じゅうまん、ひゃくまん、いっせんまん。 うぉぉぉぉぉぉ! めっちゃ金持ちやん! こりゃ、身を慎んでる場合ではないっすな。 直ちに浪費しなきゃ! そんな焦燥に駆られてしまったんっすが、1千万円あれば、うまい棒が100万本。 あ、もしかして、税込だと 925,925本くらしか買えなかったりするとか? 10月に消費税が上がる前に買い占めなきゃ! そんな焦燥に駆られてしまったんっすが、んーと、31年10月の消費税10%への増税で、うまい棒は10円で買えなくなる? あ、今現在、税込10円で売られているんっすな、うまい棒。 あ、でも、1本だと10円(税込)、2本だと21円(税込)になるんっすな。 うまい棒 100万本分を1本ずつバラで買わなきゃ! で、うまい棒には軽減税率が適応されて税率は8%のまま据え置かれるみたいなので、そんなに焦って買い占める必要はなそうなんっすが、というか、冷静になって考えてみると、うまい棒100万本って、いらないっすよね。 「百万本のバラ」 という歌があるんっすが、うまい棒百万本をバラで買うのって、けっこう大変だし。 百万本のバラの花を〜 あなたに、あなたに、あなたにあげる〜♪ それって、ただの嫌がらせなんじゃね? そう思わずにはいられませんが、その点、松本ちえこは1週間に1本なので、可愛いもんっすよね。 んーと、 これ 。 ま、これも十分に迷惑だと思うんっすが、とまあそんなこんなで、満期を迎えた定期貯金は、とりあえずそのまま、あと10年間預けておくとして。

 で、その手続きのため、近くの郵便局に行ってきました。 何とかキャンペンみたいなチラシも一緒に入っていて、ん、何か貰えるん? …と思って、ワクワクしながら中身を確認したら、ボックスティッシュ1箱とか、ジップロック10枚入りとか、そういうショボい粗品のうち、お好きな物物をどれかひとつ。 そんな、めっちゃショボい企画だったんっすが、何のための郵政民営化や? そう、小泉純一郎を問い質したくなっちゃいますな。 JAバンクなら 「ちょきんぎょ」 のグッズとか、くれるのに。 僕が手続きをしている時に、配送のオッサンみたいな人がやってきて、 「お菓子」 と書かれた段ボールを2箱ほど、郵便局のお姉さんに渡している場面に遭遇したんっすが、あ、それ、もしかして、お客さんに配るヤツだったりするとか? だとすれば、俺にもよこせ! そんな熱い視線を投げかけてみたんっすが、お姉さんは段ボール箱を奥のほうに運び込んで、開封する気配も見られなくて、うーん…。 が、大丈夫でした。 その 「お菓子」 こそ貰えなかったんっすが、手続きが終わると、係のおねえさんが例のキャンペーンのチラシを取り出して、「この中から好きなものをひとつ選んで下さい。 あ、もちろん、他にも差し上げますけど。」 あ、他にも何か頂けるみたいっすな。 じゃ、とりあえずボックスティッシュでも。 杉花粉の飛散のピークは過ぎたとはいえ、まだまだヒノキの花粉は飛散してますもんね。 夏は夏で、河川敷とかに行くとイネ科の植物がヤバかったりして、「イネ科の植物はいねーが?」 と、ナマハゲみたいに探りを入れなければならなかったり。 ティッシュはいくらあっても困りませんからね。 で、その他、いろんなものをくれました。 2食入りの味噌煮込みうどんだとか、 焼きあご入の 「だし取り職人」 だとか、サランラップだとか、布巾だとか、鍋つかみだとか、食器用の洗剤だとか。 このところ、ワケあって味噌汁を自作したり、洗い物をしたり、鍋をつかんだりする必要に駆られていたところなので、めっちゃタイムリーで、嬉しい♪ やっぱ、小泉純一郎は正しかったんや! 郵政民営化、最高や!

 んなことで、なかなか有意義な休暇を過ごすことが出来たんっすが、で、一千万円を10年間預けて、いったいどれくらい利子が付いていたのかというと、んーと、3万円くらい? …とか思っていたら、もっとたくさんありました。 20万円超え。 おー、めっちゃ儲かった気分。 思わぬ臨時ボーナスやん♪ 通帳を見たら、金利は 0.250%とか書かれておりましたな。 が、今回、新たに預け直した分に関しては、金利 0.010%なんだそうで、ええぇぇぇ…。 10年後に 10,000,000円が 10,008,000円くらいになってる感じっすかね? 何か、空しくなっちゃいますな。 ちなみに、平成元年から12年頃までの金利の推移は こちら 。 1,000,000円預けて、10年後に 1,691,893円になってたとか、マジかよ? 20万円の利息で喜んでいた自分がアホみたいに思えてきちゃうんっすが、そう考えると、万物の終わりが近づきました感が半端ねぇ…。 これはもう、マジで身を慎んだほうがいいかも知れません。 浪費してる場合ではないんっすが、にも関わらず、新たな出費を強いられる事態が発生しました。 今年のお花見旅は3泊4日で東北方面の予定が、諸般の都合により1泊2日に短縮。 そんな話を ここ に書いたんっすが、これは別に金銭的な問題ではなく、ま、 「家庭の事情」 というヤツなんっすけど。 で、宿泊費を削減出来る分、無駄に贅沢して、帰りの新幹線はグランクラスを利用してやろうと思っていたんっすが、今日になって、行きの新幹線の切符を1日間違えて予約しちゃっている事に気付きました。 4月30日の12時29分に新青森駅に付いて、同じ日の13時15分には新青森駅発の 「はやぶさ」 に乗らなければならなくなっちゃうところでした。 アブねぇ…。 何でもいいけど 「はやぶさ」 って、いいっすよね。 何か、足はめっちゃ速いんだけど、ちょっぴりブサイクなギャルみたいで。 「ちょいブサ」 の陸上競技系バージョンみたいな? それのどこがエエんや? …と聞かれても、個人の趣向なので、何とも答えようがないんっすが、ま、予約の間違いに早めに気付いて、よかったな…と。 で、慌てて切符を取り直すことにしたんっすが、ゴールデンウィークの真っ只中。 ちょうどいい時間の新幹線は、グランクラスしか空きがねぇ…。 身を慎まなければならない時代であることが発覚した今となっては、さすがに往復グランクラスというのは罰が当たりそうで、うーん…。 美味しいもの、好きなものは最後まで取っておくタイプの僕としては、楽しみは最後に残しておきたかったんっすが、帰りは諦めて、行きをグランクラスにするしかないっすな。 幸い、車内で出される軽食は東北方面行きのほうが美味しそうだし。

 で、肝心の弘前公園の桜でありますが、現時点では開花予想が4月21日、五分咲きが4月25日、満開が4月27日、桜吹雪が5月1日となっておりますな。 おお、ちょうどいいタイミングじゃん! 2日目は これ を予約してみたんっすが、こっちのほうもちょうど見頃になりそうな予感。 コミュニケーション能力が皆無な僕が、運転手と2人っきりで約2時間。 間が持つのか? …というのが、かなり不安だったりするんっすが、 「どちらから来られました?」 「三重県の桑名…」 「ああ、桑名と言えば…」 「桑名乃羅 (←桑名正博の息子名乗る男) っすよね!」 「はぁ?」 「 ・ ・ ・ 」 「 ・ ・ ・ 」 (2時間経過) これで何とか乗り切れそうっすな。 関西とか北陸あたりのヤングな若者が相手なら 「ナガシマスパーランドがあるところ」 で一発なんっすが、関東とか東北では知名度皆無みたいだし。 そういえば昔、ナガシマスパーランドで夏の出し物として、何故だか 「ねぶた祭り」 をフィーチャーしていたんっすが、 「ねぶた」 がある時は花火が休みになるので、甚だ不評でありましたな。 僕もバイトの一員として 「ラッセーラ、ラッセーラ!」 と、「跳人(ハネト)」の役をやらされたりしたんっすが、そんな縁もあるので、とりあえず ワ・ラッセ は覗いてみようかな…と。 ワ・ラッセ GO!GO! ウィークイベント一覧 。 写真を撮っている人は、 「いらすとや」 っぽいっすな。 写真を撮る人。 写真を撮っている人のイラストです。 そんな感じ? ザクッと探してみても見つからなかったんっすが、人気のイラストに 元号を掲げる人のイラスト(手話つき) なんてのがあって、凄ぇぇぇ! 相変わらず、仕事が早ぇぇぇぇ! で、あ、発見しました。 カメラで撮影をしている人のイラスト 。 一眼レフカメラで撮影をしている男性(カメラ小僧)のイラストです。 ワ・ラッセでは「ちびっこ撮影会」 というのが開催されるみたいなんっすが、これ、身内でなくても、カメラ小僧として “ちびっこ” を合法的に撮影可能であるものと判断して、オーケー? 女の子には袴セットがあるヨ。 おおっ♪ もし、桜がピークを過ぎていたとしても、ぜんぜん大丈夫なくらい、ソソられるものがあるヨ。 これはもう、激写するしかないあるヨ。 とまあそんなことで、

 今日は 『キリーヌ』 というアルバムを取り上げてみたいと思います。 幼女を激写したジャケットが、たまらんっ♪ 僕は断然、洋ロリよりも和ロリ派だったりするんっすが、洋の幼女も悪くないな…と。 ジャケ絵でうまく再現出来る気がまったくしないんっすが、可愛いな♪ …と。 で、これ、アーヴィン・ロクリンという人の作品である模様です。 アーヴィン・ロクリンは愛らしい女児のジャケットによる本作 『キリーヌ』 で、ピアノ・マニアの記憶に刻まれているピアニストだ。 そう、杉田宏樹クンが日本語ライナーに書いておりますが、1926年頃に生まれ、70年頃アメリカからヨーロッパへ移住。 アムステルダムを拠点に活動する中で、うんぬん。 そういった経歴の持ち主である模様っす。 で、本作はロクリンが欧州へ移住してから10年後に制作された初リーダー作だ…と。 移住して10年もすれば、8,000円くらいは利息が付いていそうなんっすが、ベースはハリー・エメリー、ドラムスはエリック・イケネ。 軽いミスを連発して、いつも 「いけね」 と言ってる、そんなイメージしかなかったりするんっすが、ジョニー・グリフィンやバリー・ハリスとも共演している模様っす。 一方のエメリー君はフレディ・ハバードやデューク・ジョーダンらを助演していたようで、共にオランダ屈指の実力派バイ・プレイヤーである…と。 んなことで、では、演奏のほうを聞いてみることにしましょうかぁ。

 で、まずは1曲目。 ロクリンのオリジナルで、 「ペピトス・リブ」 。 一瞬、ジジ・グライスの 「マイノリティ」 を想記させる曲調で、勢いがあってハードバピッシュ。 わずか1分のトラックはオープニングのための序章といった趣だ。 そう杉田クンが書いておりますが、始まったと思ったら、あっという間に終わってしまって、え? …みたいな。 アドリブもなく、テーマだけの提示といった感じなんっすが、で、続いては 「イントロダクション」 。 これは、そういう名前の曲が演奏されるワケではなく、文字通り、紹介 (すること)、導入 (すること)。 そういったアレなんっすが、ロクリンくん本人がMCを務めて、このスタジオ録音をジャズ・クラブでのライブのような雰囲気で収録するために、観客を入れて、やり直しはせず、後日スタジオに集まって最上のトラックを選ぶ、といった趣旨の説明がなされる…と。 なるほど、ジョニー・グリフィンの 『スタジオ・ジャズ・パーティー』 みたいな感じなんっすかね? となると、冒頭の 「ご挨拶代わりの1曲」 も納得なんっすが、これは50歳を過ぎて初めて得たリーダー作の制作にあたって、それまでの経験から “スタジオ・ライブ” が最上の選択だ、との判断だったに違いない。 そう、杉田クンが断言しておりますが、50歳を過ぎたオッサンの気持ちは、50歳を杉田クンが、いちばんよく分かっているのではなかろうかと。 んなことで、次。 アルバム・タイトル曲の 「キリーヌ」 。 バピッシュなテーマを持つロクリンのオリジナル曲。 ベース・ソロを挟んだピアノ・プレイからは、やはりビ・バップを基本とした音楽性が明らかだな…と。 年齢的にはクロード・ウィリアムソン、ウォルター・ビショップJr、ドド・マーマローサと同世代であり、30代半ばまでアメリカで生活したことを踏まえれば、ジャズを身につけた環境も想像できるな…と。 相変わらず、想像力が豊かな杉田クンでありますが、タッド・ダメロン的な香気を感じさせる、なかなかの佳曲であるな…と。 あ、これは僕の個人的な感想なんっすけど。 で、演奏のほうは、バリー・ハリスっぽいな…と。 テーマ部はトリオ編成で、アドリブ・パートに入ると、しばらくピアノの無伴奏ソロが続いて、で、リズムが入って、ベースのソロが出てきて、続いて、伴奏付きのピアノ・ソロが披露される…と。 その後、短めのドラム・ソロがあって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 ロクリンくんは終始、ご機嫌なノリだったりして、ライブっぽい寛いだ空気も感じられて、エエやん♪ …と、そのように評価していいのではなかろうかと。

 で、次。 「ゴースト・オブ・ア・チャンス」 。 その昔、 「時々出る幽霊」 なる珍無類な邦題を付けられたことがある。 そんな話をどこかで読んだことがあるんっすが、もうすぐ令和の時代が来るというのに、珍無類って…。 正しくは 「ほんのわずかなチャンス」 といった意味なんだそうっすが、ビクター・ヤングが作曲し、ビング・クロスビーが歌詞を書いたトーチ・ソング。 そういったアレである模様っす。 トーチ・ソングって、何や? …というと、失恋や片思いなどを歌った歌。 トーチ 【torch】 の意味は、「たいまつ」 に同じ。 そのように書かれておりましたが、「たいまつ歌」 がどうして、失恋ソングなんっすかね? …という疑問に関しては、 ここ 参照。 読んでみた結果、たいまつの謎に関しては、まったく何も触れられてなかったんっすが、トーチ・ソングって 「ご当地ソング」 だと思っている人がいるらしい。 …って、あ、これは僕も思いました。 美川憲一の 『柳ヶ瀬ブルース』 (1966年) が評判になり始めた頃、発売元のクラウンレコードの宣伝マンが使い出したのだそうだ。彼は Torch Song を知っている教養高き社員だったのです。 はっはっは。 いや、なかなか面白い蘊蓄でありますな。 はっはっは。 で、演奏のほうはというと、終始ピアノが主導するバラードであり、ラストのカデンツァまで、バップ・ピアニストとは別のキャラクターを見せてくれるな…と。 カデンツァって、何? 「おでんくん」 の親戚? …という疑問は置いといて、バップ・ピアニストとは別のキャラ = 稀代のロマンティスト。 そんな一面を伺い知れる仕上がりとなっておりました。

 で、次。 ロクリン作曲の 「オンリー・ルードヴィッヒ・ノウズ」 のテーマを聞くと、前曲の演奏前にロクリンの口から出てきたバリー・ハリスの名前がオーバーラップしてしまうな…と。 確かにそんな名前が口から出てきておりましたな。 口から出てくるというと、エクトプラズムとか、 空也像 なんかが頭に浮かんでくるんっすが、確かにこの曲のテーマを聞くと、バリー・ハリスの名前が口から出てくるのも納得であるな…と。 ちょっぴりラテンっぽい、なかなかの佳曲だったりして、ロクリンくん、作曲の才能も確かなものがありますな。 で、演奏のほうはというと、テーマの後、ピアノのソロがあって、続いて、リズミカルなサウンドに乗って、エメリーも力強いベース・ソロを披露する…と。 で、テーマに戻って、最後はピタリとフィニッシュ。 ちゃーん♪ 拍手、ぱちぱちぱちぱちぱち。 ライブっぽい寛いだ空気も感じられて、エエやん♪ …と、そのように評価していいのではなかろうかと。

 ということで、次。 「リトル・ビーズ・ポエム」 。 これはボビー・ハッチャーソンのオリジナル ( 65年 『コンポーネンツ』初演 ) なんっすが、素晴らしい選曲であるな…と。 憂いを帯びたモーダルな佳曲っすよね。 ビ・バップ 〜 ハードバップをベースにしたロクリンが、新主流ビブラフォン奏者の楽曲をカバーしたのは意外と言えるが、ここでの演奏から想像出来るのはメロディの美しさが選曲理由、ではないだろうか。 ここでもまた、杉田クンが想像力を駆使しておりますが、メロディの美しさといえば、続く 「ローラ」 も負けておりません。 『ローラ殺人事件』 という、いかにもB級っぽい映画の主題歌なんっすが、ピアニストではデイブ・ブルーベック、アンドレ・プレビンがカバー。 スロー・テンポで演奏されるのが定石のところ、ここではリズミカルなアレンジで、トリオがスインギーにプレイ。 ドラムスとの小節交換もスムーズだな…と。 で、次。 ロクリンが書いた 「ア・プラン・フォー・ザ・フューチャー」 は (おおらく) ドラマーのイケネ夫妻のためのトリビュート曲。 想像力を働かせて断言することの多い杉田クンも、今回ばかりは新調でありますな。 もし、間違っていたら、いけねぇ夫妻。 そんな思惑が働いたんでしょうな。 本作中唯一のピアノ独奏曲で、バンド・メイトと家族のための真摯な心情をバラードで綴っている…と。 今度は (おそらく) 無しで断言しちゃってますが、バラードであるには違いないので、ま、いっかぁ…と。

 んなことで、ラストっす。  「フォー・オン・シックス」 は60年にウエス・モンゴメリーが発表し、ウイントン・ケリー・トリオとの共演作 『ハーフノートの夜』 で有名になった。 そういうアレなんっすが、これまた素晴らしい選曲でありますな。 僕の趣向にぴったりフィットしていて、ロクリンくんとは一緒にいい鮭が食えそうです。 僕はあまり酒に強くないので、いい酒が飲めるではなく、いい鮭が食えるにしておいたんっすが、ま、そんなに好きではなかったりするんっすけどね、鮭。 鰈よりはマシという程度で。 で、演奏のほうはというと、ロクリンはウェスのオクターブ奏法に比肩するほどの、エネルギー溢れるソロで、来場したファンの期待に呼応、エメリーとイネケも見せ場を作り…って、ここまで引用して初めて気が付いたんっすが、このドラマーの人、イケネではなくて、イネケだったんっすな。 今さら取り返しがつかないので、気付かなかったことにしておこうと思うんっすが、プログラムの最後を飾るに相応しく、熱気で包まれるスタジオの様子がイメージできるな…と。 とまあそんなことで、今日のところは以上っす。

【総合評価】 まず第一に、選曲が完璧。 自作曲とスタンダードとジャズ・オリジナル、アップテンポとバラードとミディアム。 いずれの点においてもバランスがよくて、アルバムとして完成度が高いっす。 さすが、後日スタジオに集まって最上のトラックを選んだだけの事はあるな…と。 で、ロクリンくんを始めとする3人の演奏も奇をてらわず、オーソドックスにレベルが高く、そして何より、ジャケットの女児が、たまらんっ! ということで、文句なしに超オススメ♪ …な、そんな1枚でありました。


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